JP2011099561A - 鉄道および産業車両用のディスクブレーキパッド - Google Patents

Abstract

【課題】支持プレート（２）と多数の摩擦部材（３，２２）を有する鉄道および産業車両用のディスクブレーキパッド（１，２１）であって、制動効率およびノイズに関連してディスクブレーキパッドの性能を向上させることを目的とする。
【解決手段】このディスクブレーキパッド（１，２１）において、各摩擦部材は細長い形状で、２個のその長辺（５ａ，５ｂ）が平行で湾曲しており、前記長辺がパッド（１）と適合するディスク（Ｄ）のそれぞれの同心円（Ｘ）に対して、該長辺（５ａ，５ｂ）の湾曲が概ね角度がゼロとなるように、支持プレート（２）に固定される。摩擦部材（３，２２）が移動しないように摩擦部材は回転止め手段（６，１２）を挟んで支持プレート（２）に固定される。
【選択図】図１

Description

本発明は鉄道および産業車両用のディスクブレーキパッドに関するものである。

周知のように、ディスクブレーキには激しい圧力がかかり、最適な制動作用はパッドからディスクへの効果的な制動力の伝達によって左右される。

過去数年にわたる研究では、１個の大きな摩擦体（ｆｒｉｃｔｉｏｎ ｂｏｄｙ）からよりも１個のパッドにおける多数の摩擦体からの方がより大きな制動力が得られることを示している。

特許文献１は、特に鉄道車両用であって、支持プレートに固定された多数の摩擦部材を含むディスクブレーキパッドを記載している。各摩擦部材は細長い形状で、２本のリベットによって支持プレートに固定されており、ディスクの同心円に対して相互にまちまちに位置されるが、ディスクの同心円に対して０°＜α＜４５°の角度αは保っている。

欧州特許第１０９９０６１号 （Ｅｕｒｏｐｅａｎ Ｐａｔｅｎｔ ＥＰ １０９９０６１）

本発明の特許出願人は驚くべきことに、ディスクの同心円に沿って全てが位置している湾曲した細長い摩擦部材が制動効率およびノイズの双方に関して性能を改良することを発見した。

本発明の目的は、鉄道および産業車両用のディスクブレーキパッドに、特許請求の範囲の請求項１に記載された主要な特徴を、また同請求項２から９までに記載されている好適なおよび（または）補助的な特徴を提供することである。

添付図面を参照して本発明の非限定的な二つの実施例を例示として以下説明する。

本発明によるパッドの第一の実施例に係る部分的に透視された平面図である。 本発明によるパッドの第二の実施例に係る部分的に透視された平面図である。 図１および図２に示す双方の実施例に共通の詳細な平面図を示す。 図１および図２に示す双方の実施例に共通の別の詳細な平面図を示す。 鋳鉄製のディスクブレーキのノイズ検査結果のグラフを示す。 鋼製のディスクブレーキのノイズ検査結果のグラフを示す。

図１における数字１は本発明によるパッドの第一の実施例を全体的に指示する。

パッド１は実質的に、支持プレート２と、各々が１個のリベット４によって支持プレート２に固定されている８個の摩擦部材３とからなる。

各摩擦部材３は細長い形状で、２個の平行な湾曲した長い側辺５ａおよび５ｂによって画成されている。

摩擦部材３は、側辺５ａおよび５ｂの曲線が、パッド１が作用するディスクＤのそれぞれの同心円Ｘに対して０°の角度を形成するように支持プレート２に固定されている。

従って、各摩擦部材３は、使用時にディスクＤの同心円Ｘに沿って位置される二つの湾曲した長い側辺によって画成される細長い摩擦面３ａを有する。

鉄道および産業車両用のディスクブレーキパッドがディスクに関連して唯一の所定位置を有しているものとすれば、本発明の出願人の意見では、パッドにおける摩擦部材の位置は、ディスクに対してそれらの位置を画定することによって、特許的には、画定しうるものと考える。

詳しくは、摩擦部材３は二つの湾曲した平行な側辺を備えた概ね長方形のものである。

各摩擦部材３には該摩擦部材３に組み込まれる強化部材６（図３）が取り付けられており、強化部材の固定面は露出された状態とされ、すなわち強化部材６の固定面は支持プレートに面する摩擦部材の３の面と面一で位置している。

図３に示されるように、各強化部材６はプレート７を含み、該プレートにはリベット４用の中央孔８と、該中央孔８の両側で垂直方向に延在し、以下説明するように摩擦部材３の回転を阻止し易くする２個の円形の歯９とが形成されている。各強化部材６はまた、前記プレート７の二つの端部に位置し、各々が、プレート７に対して垂直でかつ前記歯９の反対側で摩擦部材３の内側に延在する２個の固定用歯１１を有する２個の固定部分１０を含む。

パッド１は多数の回転止め部材１２（１個を図４に示す）を含み、該回転止め部材の各々は支持プレート２に適合する第一の面と、それぞれの強化部材６に適合する第二面を含む。

図４に示すように、各回転止め部材１２はプレート１３を含み、該プレートにおいてリベット４用の中央孔１４と強化部材６の歯９を受け入れる２個の孔１５が形成されている。

各回転止め部材１２は２個のくぼみ１６を有し、このくぼみの各々はプレート１３の各側辺１７に沿って形成され、支持プレート２から延在する夫々の回転ロックピン（分り易くするために図示していない）を受け入れる。

前記の説明から明らかなように、摩擦部材の配置は本発明の不可欠な特徴であり、従ってそれはブレーキの作動の間維持されなければならない。このゆえに、回転止め部材は必要であり、各摩擦部材は１個のリベットによってのみ支持プレートに固定されており、従ってその周りを回転しうるという事実を鑑みれば尚更必要とされる。

強化部材６が摩擦部材３と一体で、すなわち該摩擦部材３に組み込まれ、くぼみ１６によって支持プレート２にロックされている回転止め部材１２の孔１５と協働する歯９によってロックされているという事実は、摩擦部材３が作動中パッドの適所に確実に保持されるようにする。

回転止め部材１２はまた、摩擦部材３と支持プレート２との間で空気が循環しうるようにするスペーサとしても供される。

回転止め部材１２のこのような別の利点にもかかわらず、本発明によるパッドのより広範囲の特許保護範囲は、作動中の摩擦部材の位置を同等に保つことができるのであれば諸々の回転止め手段も網羅するものである。

図２の数字２１は本発明によるディスクブレーキパッドの第二の実施例を全体的に指示している。

パッド２１と１との同一の部分は同じ参照番号を用いて指示し、更なる説明は行わない。

パッド２１は摩擦部材の形状に関してパッド１と顕著に相違する。パッド２１は８個の概ね平行四辺形の摩擦部材２２からなり、それらの長短の底辺はディスクＤの同心円Ｘに対する必要な角度を達成するように湾曲されている。

この場合も、摩擦部材２２は細長い形状で、二つの湾曲した長辺２３ａ，２３ｂによって画成されているが、摩擦部材３とは相違して、双方とも細長い形状ではあるが、二つの長辺の長さが異なっている。

摩擦部材２２はより長い長辺を有することによって周速がより大きい箇所でより大きな摩擦を提供することにより摩擦部材３と対比して別の利点を有することが可能である。

図５と図６とは６４０Ｘ１１０ミリメートルの鋳鉄製ディスクと鋼製ディスクとのそれぞれのノイズ検査の結果を示す。

ノイズ検査は前述したパッド１と典型的な既知の管理用パッド（ｃｏｎｔｒｏｌ ｐａｄ）を用いて同じ条件下で実施された。詳しくは、管理用パッドは、ディスクの同心円に対して異なる位置に置かれ、パッド１の摩擦部材と同じ材質でつくられた三角形の摩擦部材から構成された。

ノイズは、異なる圧力で三組の制動作動（１から９までと、１０から１９までと、１９から２７まで）に亘って記録された。各組は５０ｋｍ／ｈのディスク速度において三回の制動作動、７０ｋｍ／ｈのディスク速度において三回の制動作動、１００ｋｍ／ｈのディスク速度において三回の制動作動から構成された。これらの速度はノイズレベルが最も重要である、駅への近接あるいは進入時の列車の速度に擬するように選択された。

図５および図６のグラフにおけるデシベル表示での結果が示すように、本発明によるパッドは管理用パッドよりも制動効率を何ら損なうことなくノイズレベルがはるかに低い。

Ｄ ディスク
１，２１ ディスクブレーキパッド
２ 支持プレート
３，２２ 摩擦部材
４ リベット
５ａ，５ｂ 摩擦部材の長辺
６ 強化部材
７ 強化プレート
８ 中央孔
９ 歯
１０ 固定部分
１１ 固定用歯
１２ 回転止め部材
１３ プレート
１４ 孔
１５ 孔
１６ くぼみ
１７ 側辺

Claims (9)

1. 支持プレート（２）と多数の摩擦部材（３，２２）を含む鉄道および産業車両用のディスクブレーキパッド（１，２１）において、各摩擦部材（３，２２）が細長い形状で、二つの湾曲した平行の長辺（５ａ，５ｂ）を備えており、各摩擦部材（３，２２）は、前記長辺（５ａ，５ｂ）の曲がりが前記パッド（１）が適合されるディスク（Ｄ）のそれぞれの同心円（Ｘ）に対して概ね０°の角度を形成するように前記支持プレート（２）に固定されており、前記摩擦部材（1３，２２）の各々が回転止め手段（６，１２）を挟んで前記支持プレート（２）に固定されていることを特徴とする鉄道および産業車両用ディスクブレーキパッド（１，２１）。
2. 前記摩擦部材（３，２２）の各々が１個のリベット（４）によって前記支持プレート（２）に固定されていることを特徴とする請求項１に記載のディスクブレーキパッド（１，２１）。
3. 前記回転止め手段が前記摩擦部材（３，２２）に組み込まれた強化部材（６）と、一方の側で前記支持部レート（２）に固定され、他方の側で前記強化部材（６）と回転止めに協働する回転止め部材（１２）を含むことを特徴とする請求項１に記載のディスクブレーキパッド（１，２１）。
4. 各強化部材（６）が、リベット（４）を受け入れる中央孔（８）と２個のロック用歯（９）が形成されているプレート（７）を含むことを特徴とする請求項３に記載のディスクブレーキパッド（１，２１）。
5. 各強化部材（６）が、前記プレート（７）の二端に位置し、各々が、前記プレート（７）に対して垂直方向でかつ前記ロック用歯（９）の反対側で前記摩擦部材内を延在する２個の歯（１１）を有する２個の固定部分（１０）を含むことを特徴とする請求項１に記載のディスクブレーキパッド（１，２１）。
6. 各回転止め部材（１２）が、リベット（４）用の中央孔（１４）と前記ロック用歯（９）を受け入れる２個の孔（１５）が形成されているプレート（１３）からなることを特徴とする請求項５に記載のディスクブレーキパッド（１，２１）。
7. 各回転止め部材（１２）が、前記プレート（１３）のそれぞれの側辺（１７）に沿って形成され、前記支持プレート（２）から延在するそれぞれの回転ロック部材を受け入れる2個のくぼみ（１６）を含むことを特徴とする請求項６に記載のディスクブレーキパッド（１，２１）。
8. 前記摩擦部材（３）が概ね長方形であることを特徴とする請求項１から７までのいずれか1項に記載のディスクブレーキパッド（１）。
9. 前記摩擦部材（２２）が概ね平行四辺形であることを特徴とする請求項１から８までのいずれか1項に記載のディスクブレーキパッド（２１）。

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