JP2011099420A - エンジン排気ノズル及び航空機エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】ジェット騒音の低減を図りつつ、航空機エンジン1のエネルギー効率を十分に向上させること。
【解決手段】コアカウル5の下流側周縁部にマイクロジェットMJをコアジェットCJに向かって噴射する複数の第1マイクロジェットノズル29が周方向に間隔を置いて設けられ、コアカウル5の外壁面に複数の第1導入口31が周方向に間隔を置いて形成され、コアカウル5の外壁面の内側に対応関係にある第1導入口31と第1マイクロジェットノズル29を連絡する複数の第1連絡通路33が周方向に沿って設けられたこと。
【選択図】 図1

Description

本発明は、コアジェット及びバイパスジェットを排気するエンジン排気ノズル、及びコアジェットとバイパスジェットを排気することによりエンジン推力を発生させる航空機エンジンに関する。
航空機エンジンにおける一般的なエンジン排気ノズルの構成は、次のようになる。
一般的なエンジン排気ノズルは、筒状のカウルを備えており、このカウルの内部(内側)には、コアジェットを排気する環状のコア流路が形成されている。また、カウルの外壁面には、筒状のナセルがコアカウルを囲むように一体的に設けられており、カウルは、外壁面と内壁面との間に空洞部を有してあって、ナセルの内壁面とコアカウルの外壁面の間には、バイパスジェットを排気する環状のバイパス流路が形成されている(特許文献1及び特許文献2等参照)。
従って、コア流路及びバイパス流路からコアジェット及びバイパスジェットをそれぞれ排気することにより、航空機エンジンのエンジン推力を発生させることができる。
ところで、近年、ジェット騒音を低減を図るために種々の研究開発がなされており、マイクロジェットをコアジェットに向かって噴射することによってジェット騒音を低減できることが知見として得られている(非特許文献1参照)。また、マイクロジェットをコアジェットに向かって噴射するマイクロジェットノズルを備えたエンジン排気ノズルについても開発されている(特許文献3)。
特開2008−151033号公報 特開平5−202768号公報 米国特許第5092425号明細書
AIAA−2004−2969
しかしながら、特許文献3に記載された先行技術に係るエンジン排気ノズルにあっては、圧縮機によって圧縮された圧縮空気の一部をマイクロジェットとして利用しており、航空機エンジンのエネルギー効率の低下を招くことになる。つまり、ジェット騒音の低減を図りつつ、航空機エンジンのエネルギー効率を向上させることは困難であるという問題がある。
そこで、本発明は、前述の問題を解決することができる、新規な構成のエンジン排気ノズル及び航空機エンジンを提供することを目的とする。
本発明の第1の特徴は、航空機エンジンのコアジェット及びバイパスジェットを排気するエンジン排気ノズルにおいて、内部にコアジェットを排気する環状のコア流路が形成された筒状のコアカウルと、前記コアカウルの外壁面に、前記コアカウルを囲むように一体的に設けられ、外壁面と内壁面との間に空洞部を有してあって、内壁面と前記コアカウルの外壁面との間にバイパスジェットを排気する環状のバイパス流路が形成された筒状のナセルと、前記コアカウルの下流側周縁に周方向に間隔を置いて設けられ、マイクロジェットをコアジェットに向かって噴射する複数のマイクロジェットノズルと、前記コアカウルの外壁面に設けられ、前記航空機エンジンにおけるファンによって前記バイパス流路内に圧縮して取入れた圧縮空気の一部を導入可能な導入口と、前記コアカウルの外壁面の内側に設けられ、前記導入口と複数の前記マイクロジェットノズルを連絡(連通)する連絡通路と、を備えたことを要旨とする。
第1の特徴によると、前記コア流路及び前記バイパス流路からコアジェット及びバイパスジェットをそれぞれ排気することにより、前記航空機エンジンのエンジン推力を発生させることができる(通常の作用)。
前記ファンによって前記バイパス流路内に圧縮して取入れた圧縮空気の一部が前記導入口から導入され、前記連絡通路内を下流方向へ流れると、複数の前記マイクロジェットノズルから圧縮空気がマイクロジェットとしてコアジェットに向かって噴射される。つまり、前記コアカウルの外壁面に前記ファンによって前記バイパス流路内に圧縮して取入れた圧縮空気の一部を導入可能な前記導入口が設けられ、前記コアカウルの外壁面の内側に前記導入口と複数の前記マイクロジェットノズルを連絡する前記連絡通路が設けられているため、前記ファンによって圧縮された圧縮空気の一部をマイクロジェットとして利用して、複数の前記マイクロジェットノズルからコアジェットに向かって噴射することができる(特有の作用)。
本発明の第2の特徴は、航空機エンジンのコアジェット及びバイパスジェットを排気するエンジン排気ノズルにおいて、内部にコアジェットを排気する環状のコア流路が形成された筒状のコアカウルと、前記コアカウルの外壁面に、前記コアカウルを囲むように一体的に設けられ、外壁面と内壁面との間に空洞部を有してあって、内壁面と前記コアカウルの外壁面との間にバイパスジェットを排気する環状のバイパス流路が形成された筒状のナセルと、前記ナセルの下流側周縁に周方向に間隔を置いて設けられ、マイクロジェットをバイパスジェットに向かって噴射する複数のマイクロジェットノズルと、前記ナセルの内壁面におけるファンの下流側に設けられ、前記ファンによって前記バイパス流路内に圧縮して取入れた圧縮空気の一部を導入可能な導入口と、前記ナセルの前記空洞部に設けられ、前記導入口と複数の前記マイクロジェットノズルを連絡(連通)する連絡通路と、を備えたことを要旨とする。
第2の特徴によると、前記コア流路及び前記バイパス流路からコアジェット及びバイパスジェットをそれぞれ排気することにより、前記航空機エンジンのエンジン推力を発生させることができる(通常の作用)。
前記ファンによって前記バイパス流路内に圧縮して取入れた圧縮空気の一部が前記導入口から導入され、前記連絡通路内を下流方向へ流れると、複数の前記マイクロジェットノズルから圧縮空気がマイクロジェットとしてバイパスジェットに向かって噴射される。つまり、前記ナセルの内壁面における前記ファンの下流側に前記ファンによって前記バイパス流路内に圧縮して取入れた圧縮空気の一部を導入可能な前記導入口が設けられ、前記ナセルの前記空洞部に前記導入口と複数の前記マイクロジェットノズルを連絡する前記連絡通路が設けられているため、前記ファンによって圧縮された圧縮空気の一部をマイクロジェットとして利用して、複数の前記マイクロジェットノズルからバイパスジェットに向かって噴射することができる(特有の作用)。
本発明の第3の特徴は、コアジェットとバイパスジェットを排気することにより、エンジン推力を発生させる航空機エンジンにおいて、
第1の特徴又は第2の特徴からなるエンジン排気ノズルを備えたことを要旨とする。
第3の特徴によると、第1の特徴又は第2の特徴による作用と同様の作用を奏する。
本発明の第1の特徴又は第3の特徴によれば、前記ファンによって圧縮された圧縮空気の一部をマイクロジェットとして利用して、複数の前記マイクロジェットノズルからコアジェットに向かって噴射できるため、コアジェットによるジェット騒音の低減を図りつつ、圧縮機によって圧縮された圧縮空気の一部をマイクロジェットとして利用する場合に比較して、前記航空機エンジンのエネルギー効率を十分に向上させることができる。
本発明の第2の特徴又は第3の特徴によれば、前記ファンによって圧縮された圧縮空気の一部をマイクロジェットとして利用して、複数の前記マイクロジェットノズルからバイパスジェットに向かって噴射できるため、バイパスジェットによるジェット騒音の低減を図りつつ、圧縮機によって圧縮された圧縮空気の一部をマイクロジェットとして利用する場合に比較して、前記航空機エンジンのエネルギー効率を十分に向上させることができる。
本発明の実施形態に係る航空機エンジンを示す側面図であって、上側半分を断面している。 図1における矢視部IIの拡大図である。 図2におけるIII-III線に沿った図である。 図2におけるIV-IV線に沿った図である。 図1における矢視部Vの拡大図である。
本発明の実施形態について図1から図5を参照して説明する。なお、図面中、「F」は、前方向(上流方向)、「R」は、後方向(下流方向)を指してある。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る航空機エンジン1は、コアジェットCJとバイパスジェットBJを排気することにより、エンジン推力を発生させるものであって、航空機の翼(図示省略)に取付けられるものである。そして、本発明の実施形態に係る航空機エンジン1の全体的な構成は、次のようになる。
航空機エンジン1は、コアジェットCJ及びバイパスジェットBJを排気するエンジン排気ノズル3を具備しており、このエンジン排気ノズル3は、筒状のコアカウル5を備えており、このコアカウル5の内部には、コアジェットCJを下流方向(後方向)へ排気する環状のコア流路7が形成されている。また、コアカウル5の外壁面には、筒状のナセル9が複数(図中には1つのみ図示)のストラット11を介してコアカウル5を囲むように設けられており、このナセル9は、外壁面と内壁面との間に空洞部13を有してあって、ナセル9の内壁面とコアカウル5の外壁面との間には、バイパスジェットBJを下流方向へ排気する環状のバイパス流路15が形成されている。
コアカウル5の上流側(前側)には、コア流路7及びバイパス流路15に空気を圧縮して取入れるファン17が設けられている。また、コアカウル5の内部におけるファン17の下流側(後側)には、コア流路7内に圧縮して取入れた圧縮空気(空気)を低圧圧縮する低圧圧縮機19が設けられており、コアカウル5の内部における低圧圧縮機19の下流側には、低圧圧縮された圧縮空気を高圧圧縮する高圧圧縮機21が設けられている。
コアカウル5の内部における高圧圧縮機21の下流側には、圧縮空気中で燃料を燃焼させる燃焼器23が設けられている。また、コアカウル5の内部における燃焼器23の下流側には、高圧タービン25が設けられており、この高圧タービン25は、燃焼器23からの燃焼ガスの膨張によって駆動すると共に高圧圧縮機21を連動して駆動させるものである。更に、コアカウル5の内部における高圧タービン25の下流側には、低圧タービン27が設けられており、この低圧タービン27は、燃焼ガスの膨張によって駆動する共に低圧圧縮機19及びファン17を連動して駆動させるものである。
なお、図中において、ファン17、低圧圧縮機19、高圧圧縮機21、高圧タービン25、及び低圧タービン27における動翼部分は、ハッチングを施してある。
続いて、本発明の実施形態の要部であるエンジン排気ノズル3の構成について詳細に説明する。
図1〜図3、及び図5に示すように、エンジン排気ノズル3は、前述のように、コアカウル5及びナセル9を備えており、コアカウル5の下流側周縁部(後側周縁部)には、マイクロジェットMJをコアジェットCJに向かって噴射する複数の第1マイクロジェットノズル29が周方向に間隔を置いて設けられており、各第1マイクロジェットノズル29は、コアカウル5の外壁面の内側に位置している。また、コアカウル5の外壁面には、複数(1つのみ図示)の第1導入口31が周方向に間隔を置いて形成されており、各第1導入口31は、ファン17によってバイパス流路15内に圧縮して取入れた圧縮空気を導入可能である。
コアカウル5の外壁面の内側には、円弧状の複数の第1連絡通路33が周方向に沿って設けられており、各第1連絡通路33は、対応関係にある第1導入口31と第1マイクロジェットノズル29を連絡(連通)するものであって、エンジン軸方向(前後方向)へ延びている。なお、第1連絡通路33は、円弧状を呈しかつ周方向に沿って複数設けられる代わりに、環状を呈してあっても構わない。
コアカウル5の外壁面の内側には、第1導入口31を開閉する複数(1つのみ図示)の第1開閉機構35が周方向に沿って設けられている。また、各第1開閉機構35は、第1導入口31を開閉する前後方向へ移動可能(スライド可能)な第1蓋部材37、及び第1蓋部材37を前後方向へ移動させる第1油圧シリンダ等の第1アクチュエータ39を備えている。ここで、各第1開閉機構35は、第1マイクロジェットノズル29とバイパス流路15を第1導入口31及び第1連絡通路33を介して連通した第1連通状態と、該第1連通状態を遮断した第1遮断状態に切り替える第1切替機構として捉えることもできる。なお、第1蓋部材37は、前後方向へ移動可能に構成される代わりに、第1導入口31を開閉する方向へ揺動可能に構成されるようにしても構わなく、第1切替機構として第1開閉機構35と異なる構成を採用しても構わない。
図1、図2、図4、及び図5に示すように、ナセル9の下流側周縁部には、マイクロジェットMJをバイパスジェットBJに向かって噴射する複数の第2マイクロジェットノズル(サブマイクロジェットノズル)41が周方向に間隔を置いて設けられており、各第2マイクロジェットノズル41は、ナセル9の空洞部13に位置している。また、ナセル9の内壁面におけるファン17の下流側には、複数(1つのみ図示)の第2導入口(サブ導入口)43が周方向に間隔を置いて形成されており、各第2導入口43は、ファン17によってバイパス流路15内に圧縮して取入れた圧縮空気を導入可能である。
ナセル9の空洞部13には、円弧状の複数の第2連絡通路45が周方向に沿って設けられており、各第2連絡通路45は、第2導入口43と第2マイクロジェットノズル41を連絡するものであって、エンジン軸方向へ延びている。なお、第2連絡通路45は、円弧状を呈しかつ周方向に沿って複数設けられる代わりに、環状を呈してあっても構わない。
ナセル9の空洞部13には、第2導入口43を開閉する複数(1つのみ図示)の第2開閉機構(サブ開閉機構)47が周方向に沿って設けられている。また、各第2開閉機構47は、第2導入口43を開閉する前後方向へ移動可能な第2蓋部材49、及び第2蓋部材49を前後方向へ移動させる第2油圧シリンダ等の第2アクチュエータ51を備えている。ここで、各第2開閉機構47は、第2マイクロジェットノズル41とバイパス流路15を第2導入口43及び第2連絡通路45を介して連通した第2連通状態(サブ連通状態)と、該第2連通状態を遮断した第2遮断状態(サブ遮断状態)に切り替える第2切替機構(サブ切替機構)として捉えることもできる。なお、第2蓋部材49は、前後方向へ移動可能に構成される代わりに、第2導入口43を開閉する方向へ揺動可能に構成されるようにしても構わなく、第2切替機構として第2開閉機構47と異なる構成を採用しても構わない。
続いて、本発明の実施形態の作用及び効果について説明する。
(実施形態の通常の作用)
適宜のスタータ装置(図示省略)の作動によって高圧圧縮機21を駆動して、燃焼器23によって圧縮空気の中で燃料を燃焼させることにより、燃焼ガスの膨張によって高圧タービン25及び低圧タービン27を駆動させると共に、高圧タービン25によって高圧圧縮機21を連動して駆動させて、低圧タービン27によって低圧圧縮機19及びファン17を連動して駆動させる。そして、前述のような一連の動作(ファン17の駆動、低圧圧縮機19の駆動、高圧圧縮機21の駆動、燃焼器23による燃焼、高圧タービン25の駆動、低圧タービン27の駆動)が連続して行われることにより、航空機エンジン1を適切に稼働させて、コア流路7及びバイパス流路15からコアジェットCJ及びバイパスジェットBJをそれぞれ排気することができ、航空機エンジン1のエンジン推力を発生させることができる。
(実施形態の特有の作用)
離陸時においては、各第1アクチュエータ39によって各第1蓋部材37を前方向へ移動させることにより、各第1開閉機構35によって各第1導入口31を開いて、第1遮断状態から第1連通状態に切り替える。これにより、ファン17によってバイパス流路15内に圧縮して取入れた圧縮空気の一部が複数の第1導入口31から導入され、複数の第1連絡通路33内を下流方向へ流れ、複数の第1マイクロジェットノズル29から圧縮空気がマイクロジェットMJとしてコアジェットCJに向かって噴射される。つまり、コアカウル5の外壁面にファン17によってバイパス流路15内に圧縮して取入れた圧縮空気の一部を導入可能な複数の第1導入口31が周方向に間隔を置いて設けられ、コアカウル5の外壁面の内側に対応関係にある第1導入口31と第1マイクロジェットノズル29を連絡する複数の第1連絡通路33が周方向に沿って設けられているため、ファン17によって圧縮された圧縮空気の一部をマイクロジェットMJとして利用して、複数の第1マイクロジェットノズル29からコアジェットCJに向かって噴射することができる。
同様に、各第2アクチュエータ51によって各第2蓋部材49を前方向へ移動させることにより、各第2開閉機構47によって各第2導入口43を開いて、第2遮断状態から第2連通状態に切り替える。これにより、ファン17によってバイパス流路15内に圧縮して取入れた圧縮空気の一部が複数の第2導入口43から導入され、複数の第2連絡通路45内を下流方向へ流れ、複数の第2マイクロジェットノズル41から圧縮空気がマイクロジェットMJとしてバイパスジェットBJに向かって噴射される。つまり、ナセル9の内壁面におけるファン17の下流側にファン17によってバイパス流路15内に圧縮して取入れた圧縮空気の一部を導入可能な複数の第2導入口43が周方向に間隔を置いて設けられ、ナセル9の空洞部13に対応関係にある第2導入口43と第2マイクロジェットノズル41を連絡する複数の第2連絡通路45が周方向に沿って設けられているため、ファン17によって圧縮された圧縮空気の一部をマイクロジェットMJとして利用して、複数の第2マイクロジェットノズル41からバイパスジェットBJに向かって噴射することができる。
なお、離陸後に、各第1アクチュエータ39によって各第1蓋部材37を後方向へ移動させることにより、各第1開閉機構35によって各第1導入口31を閉じて、第1連通状態から第1遮断状態に復帰させる。同様に、各第2アクチュエータ51によって各第2蓋部材49を後方向へ移動させることにより、各第2開閉機構47によって各第2導入口43を閉じて、第2連通状態から第2遮断状態に復帰させる。
(実施形態の効果)
従って、本発明の実施形態によれば、ファン17によって圧縮された圧縮空気の一部をマイクロジェットとして利用して、複数の第1マイクロジェットノズル29からコアジェットCJに向かって噴射でき、かつ複数の第2マイクロジェットノズル41からバイパスジェットBJに向かって噴射できるため、コアジェットCJ及びバイパスジェットBJによるジェット騒音の低減を図りつつ、低圧圧縮機19又は高圧圧縮機21によって圧縮された圧縮空気の一部をマイクロジェットとして利用する場合に比較して、航空機エンジン1のエネルギー効率を十分に向上させることができる。
特に、離陸時において、各第1開閉機構35によって第1遮断状態から第1連通状態に切り替え、各第2開閉機構47によって第2遮断状態から第2連通状態に切り替え、離陸後において、各第1開閉機構35によって第1連通状態から第1遮断状態に復帰させ、各第2開閉機構47によって第2連通状態から第2遮断状態に復帰させているため、換言すれば、離陸時においてのみ、ファン17によって圧縮された圧縮空気の一部をマイクロジェットMJとして利用しているため、航空機エンジン1のエネルギー効率をより十分に向上させることができる。
また、コアカウル5の外壁面に複数の第1導入口31が周方向に間隔を置いて設けられ、ナセル9の内壁面に複数の第2導入口43が周方向に間隔を置いて設けられているため、コアカウル5の外壁面近傍及びナセル9の内壁面近傍、換言すれば、バイパス流路15の壁面近傍の乱れた空気を複数の第1導入口31及び複数の第2導入口43から抽気することができ、航空機エンジン1のエネルギー効率をより一層向上させることができる。
なお、本発明は、前述の実施形態の説明に限るものでなく、例えば、複数の第2マイクロジェットノズル41、複数の第2導入口43、及び複数の第2連絡通路45を省略したり、複数の第1マイクロジェットノズル29、複数の第1導入口31、及び複数の第1連絡通路33を省略したりする等、その他、種々の態様で実施可能である。また、本発明に包含される権利範囲は、これらの実施形態に限定されないものである。
BJ バイパスジェット
CJ コアジェット
MJ マイクロジェット
1 航空機エンジン
3 エンジン排気ノズル
5 コアカウル
7 コア流路
9 ナセル
13 空洞部
15 バイパス流路
17 ファン
19 低圧圧縮機
21 高圧圧縮機
23 燃焼器
25 高圧タービン
27 低圧タービン
29 第1マイクロジェットノズル
31 第1導入口
33 第1連絡通路
35 第1開閉機構
37 第1蓋部材
39 第1アクチュエータ
41 第2マイクロジェットノズル
43 第2導入口
45 第2連絡通路
47 第2開閉機構
49 第2蓋部材
51 第2アクチュエータ

Claims (8)

  1. 航空機エンジンのコアジェット及びバイパスジェットを排気するエンジン排気ノズルにおいて、
    内部にコアジェットを排気する環状のコア流路が形成された筒状のコアカウルと、
    前記コアカウルの外壁面に、前記コアカウルを囲むように一体的に設けられ、外壁面と内壁面との間に空洞部を有してあって、内壁面と前記コアカウルの外壁面との間にバイパスジェットを排気する環状のバイパス流路が形成された筒状のナセルと、
    前記コアカウルの下流側周縁に周方向に間隔を置いて設けられ、マイクロジェットをコアジェットに向かって噴射する複数のマイクロジェットノズルと、
    前記コアカウルの外壁面に設けられ、前記航空機エンジンにおけるファンによって前記バイパス流路内に圧縮して取入れた圧縮空気の一部を導入可能な導入口と、
    前記コアカウルの外壁面の内側に設けられ、前記導入口と複数の前記マイクロジェットノズルを連絡する連絡通路と、を備えたことを特徴とするエンジン排気ノズル。
  2. 前記ナセルの下流側周縁に周方向に間隔を置いて設けられ、マイクロジェットをバイパスジェットに向かって噴射する複数のサブマイクロジェットノズルと、
    前記ナセルの内壁面における前記ファンの下流側に設けられ、前記ファンによって前記バイパス流路内に圧縮して取入れた圧縮空気の一部を導入可能なサブ導入口と、
    前記ナセルの前記空洞部に設けられ、前記サブ導入口と複数の前記サブマイクロジェットノズルを連絡するサブ連絡通路と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載のエンジン排気ノズル。
  3. 複数の前記マイクロジェットノズルと前記バイパス流路を前記導入口及び前記連絡通路を介して連通した連通状態と、該連通状態を遮断した遮断状態に切り替える切替機構と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載のエンジン排気ノズル。
  4. 複数の前記マイクロジェットノズルと前記バイパス流路を前記導入口及び前記連絡通路を介して連通した連通状態と、該連通状態を遮断した遮断状態に切り替える切替機構と、
    複数の前記サブマイクロジェットノズルと前記バイパス流路を前記サブ導入口及び前記サブ連絡通路を介して連通したサブ連通状態と、該サブ連通状態を遮断したサブ遮断状態に切り替えるサブ切替機構と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載のエンジン排気ノズル。
  5. 前記導入口は、周方向に間隔を置いて複数設けられ、前記連絡通路は、円弧状を呈しかつ周方向に沿って複数設けられる、又は環状を呈していることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載のエンジン排気ノズル。
  6. 前記導入口は、周方向に間隔を置いて複数設けられ、前記連絡通路は、円弧状を呈しかつ周方向に沿って複数設けられる、又は環状を呈していて、
    前記サブ導入口は、周方向に間隔を置いて複数設けられ、前記サブ連絡通路は、円弧状を呈しかつ周方向に沿って複数設けられる、又は環状を呈していることを特徴とする請求項2又は請求項4に記載のエンジン排気ノズル。
  7. 航空機エンジンのコアジェット及びバイパスジェットを排気するエンジン排気ノズルにおいて、
    内部にコアジェットを排気する環状のコア流路が形成された筒状のコアカウルと、
    前記コアカウルの外壁面に、前記コアカウルを囲むように一体的に設けられ、外壁面と内壁面との間に空洞部を有してあって、内壁面と前記コアカウルの外壁面との間にバイパスジェットを排気する環状のバイパス流路が形成された筒状のナセルと、
    前記ナセルの下流側周縁に周方向に間隔を置いて設けられ、マイクロジェットをバイパスジェットに向かって噴射する複数のマイクロジェットノズルと、
    前記ナセルの内壁面におけるファンの下流側に設けられ、前記ファンによって前記バイパス流路内に圧縮して取入れた圧縮空気の一部を導入可能な導入口と、
    前記ナセルの前記空洞部に設けられ、前記導入口と複数の前記サブマイクロジェットノズルを連絡する連絡通路と、を備えたことを特徴とするエンジン排気ノズル。
  8. コアジェットとバイパスジェットを排気することにより、エンジン推力を発生させる航空機エンジンにおいて、
    請求項1から請求項7のうちのいずれか請求項に記載のエンジン排気ノズルを備えたことを特徴とする航空機エンジン。
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