JP2011099381A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バルブリフト可変機構を備えた内燃機関において触媒劣化抑制制御を実行する際の失火発生を回避することが可能な内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】バルブリフト可変機構8によって吸気バルブ31の最大リフト量を小さくする際、触媒劣化抑制制御実行条件が成立している場合には、最大リフト量の変更速度を低く設定する。これによりエアフローメータによる吸入空気量の検出精度を高めて失火の発生を回避する。失火の発生の回避により触媒劣化抑制制御が強制的に解除されるといった状況を招くことがなくなり触媒の劣化を抑制できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等に搭載される内燃機関の制御装置に係る。特に、本発明は、吸気バルブの最大リフト量を可変とするバルブリフト可変機構を備えていると共に触媒劣化抑制制御が実行可能な内燃機関に対し、この触媒劣化抑制制御実行時の失火発生を防止するための対策に関する。
従来より、例えば下記の特許文献1に開示されているように、排気系に備えられた触媒(例えば三元触媒)の劣化を抑制するための触媒劣化抑制制御が実行可能な自動車用内燃機関(以下、エンジンと呼ぶ場合もある)が知られている。
この触媒劣化抑制制御は、上記触媒が比較的高温度にある状況でその内部がリーン雰囲気となることによる劣化を抑制するためのものである。つまり、本来、燃料噴射を停止する(以下、フューエルカットと呼ぶ場合もある)状況であっても、このフューエルカットを禁止して、燃焼室内での燃焼を継続させ、触媒が高温リーン雰囲気に晒されることを抑制するようにしたものである。
具体的には、エンジン回転数が予め定められた所定値以上で且つアクセルOFFという条件(フューエルカット条件)が成立したときに、本来であれば燃料消費量削減のためにフューエルカットを実行するのに対し、触媒温度が所定温度以上である場合には、フューエルカットを禁止し、触媒が高温リーン雰囲気に晒されることを抑制する。これにより、触媒に流れ込む排気ガスの空燃比がリーンになることに伴う触媒内部の貴金属のシンタリング(粒成長)による劣化(粒成長により貴金属の表面積が減少して排気ガスが接触する機会が減少することによる触媒劣化)の進行が抑制されることになる。
一方、内燃機関の動弁系として、内燃機関の運転状態に応じて、吸気バルブの最大リフト量や作用角等の作動特性を可変とするバルブリフト可変機構が知られている(例えば特許文献2や特許文献3を参照)。これら特許文献に開示されているバルブリフト可変機構を簡単に説明すると、吸気カムシャフトに並設されたコントロールシャフト及びロッカシャフトと、このロッカシャフトに軸支された仲介駆動機構とを備えている。そして、この仲介駆動機構は、ロッカシャフトの外周面に嵌め込まれた略円筒状のスライダギアと、このスライダギアにスプライン係合されることでロッカシャフトに軸支される入力アーム及び出力アームとにより構成されている。また、入力アームは吸気カムからの押圧力を受けて揺動し、出力アームは吸気バルブに向けて押圧力(バルブリフト方向の押圧力)を作用させるようになっている。そして、上記コントロールシャフトをその軸線方向に沿って変位させ、それに連動してスライダギアを同方向に変位させることで、上記スプライン係合されている入力アームと出力アームとの回転方向の位相差を変更する。これにより、吸気カムから吸気バルブへの押圧力の伝達態様が変更されることで最大リフト量が可変とされている。
特開2006−112289号公報 特開2008−223706号公報 特開2008−286054号公報
上述したバルブリフト可変機構を備えたエンジンにおいて上記触媒劣化抑制制御を実行する場合、以下に述べるような不具合を生じてしまう可能性がある。
つまり、エンジン負荷が比較的高く、吸気バルブの最大リフト量が大きく設定されている状況から、アクセルOFF操作などによってエンジン負荷が急速に低下した場合、触媒が比較的高温度にある状況では、上記フューエルカット条件が成立してもフューエルカットが禁止され(インジェクタからの燃料噴射が継続され)触媒劣化抑制制御が開始されることになる。
このような状況では、エンジン負荷の急速な低下に伴って吸気バルブの最大リフト量も急速に小さくされていき、それに伴って吸入空気量も少なくなっていく。この場合、例えばエアフローメータによって検出されている吸入空気量を正確に認識することができない可能性がある。例えば、吸気バルブの最大リフト量が急速に小さくなったことに伴って少なくなった吸入空気量に対し、エアフローメータによって検出される吸入空気量がよりいっそう少ない量(実吸入空気量よりも少ない吸入空気量)として誤検出してしまう可能性がある。
そして、触媒劣化抑制制御では、インジェクタからの燃料噴射が継続されることになるが、吸入空気量が実際の吸入空気量よりも少なく検出されてしまうと、それに応じて燃料噴射量も少なくなり、燃焼室内での燃焼に必要な燃料量が得られなくなる可能性がある。つまり、混合気の空燃比が大幅にリーンとなって燃焼室内での混合気の燃焼ができなくなる所謂失火が発生してしまう可能性がある。
図12は、この場合の吸気バルブの最大リフト量及び吸入空気量(エアフローメータによって検出された吸入空気量)それぞれの変化を示すタイミングチャート図である。この図12の下段に示す吸入空気量の変化を示すタイミングチャート図における破線は失火ラインである。つまり、上記吸入空気量がこの失火ラインを下回ると、燃焼室内で失火が発生してしまうことになる。
この図12に示すように、吸気バルブの最大リフト量が急速に小さくなった場合、エアフローメータによって検出される吸入空気量が失火ラインを下回ってしまい、燃焼室内で失火が発生してしまうことになる。
そして、この種のエンジンにあっては一般に失火判定を行っており、上記触媒劣化抑制制御中に燃焼室内で失火が発生したと判定された場合には、未燃ガスの排出を回避するべく触媒劣化抑制制御を解除し、フューエルカットを行うようにしている。しかし、これでは、触媒に流れ込む排気ガスの空燃比がリーンになり、触媒内部の貴金属のシンタリング(粒成長)による劣化が進行してしまうことになる。つまり、上記吸入空気量が正確に検出できなかったことに起因して失火が発生する状況になると、触媒劣化抑制制御が強制的に解除され、触媒が高温リーン雰囲気に晒されることにより、その劣化が進んでしまう可能性がある。
尚、上記説明では、エアフローメータによって検出される吸入空気量が失火ラインを下回る場合について説明したが、吸気バルブの最大リフト量を急速に小さくしていくことに伴って実際の吸入空気量が失火ラインを下回る可能性もある。例えば、エンジンの吸気通路に配設されたスロットルバルブの開度と上記吸気バルブの最大リフト量とは、燃焼室内で失火が発生しないように協調制御されている。ところが、上述したようにアクセルOFF操作などによってエンジン負荷が急速に低下したことで吸気バルブの最大リフト量が急速に小さくなる状況では、スロットルバルブの開度との間での協調制御が良好に行えなくなる可能性がある。この場合にも燃焼室内で失火が発生することになり、触媒劣化抑制制御が強制的に解除されることで、触媒の劣化が進んでしまう可能性がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、バルブリフト可変機構を備えた内燃機関において触媒劣化抑制制御を実行する際の失火発生を回避することが可能な内燃機関の制御装置を提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、バルブリフト可変機構によって吸気弁の最大リフト量を小さくする際、触媒劣化抑制制御実行条件が成立している場合には、最大リフト量の変更速度(最大リフト量を小さくしていく速度)を低く設定し、吸入空気量の検出精度を高めることで、実際の吸入空気量に適した燃料噴射量を得て失火の発生を回避するようにしている。また、触媒劣化抑制制御実行条件が成立していない場合には、上記の場合に比べて最大リフト量変更速度(最大リフト量を小さくしていく速度)を高く設定することで、吸入空気量を急速に少なくし、それに伴って燃料消費率の改善が図れるようにしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、吸気弁の最大リフト量を内燃機関の運転状態に応じて変更可能とするバルブリフト可変機構が備えられていると共に、排気を浄化するための触媒が排気通路に備えられ、所定の触媒劣化抑制制御実行条件が成立した際に上記触媒の劣化を抑制するための触媒劣化抑制制御を実行する触媒劣化抑制制御手段を有する内燃機関の制御装置を前提とする。この内燃機関の制御装置に対し、上記バルブリフト可変機構の作動により吸気弁の最大リフト量を減少させる場合の最大リフト量変更速度を、上記触媒劣化抑制制御実行条件の成立時には非成立時に比べて低速度に設定する速度調整手段を備えさせている。
この特定事項により、触媒劣化抑制制御実行条件が成立している場合には、バルブリフト可変機構の作動により吸気弁の最大リフト量を減少させる場合の最大リフト量変更速度を比較的低速度に設定する。これにより、最大リフト量を減少させる際の単位時間当たりにおける吸入空気量の変化が小さくなり、エアフローメータ等の吸入空気量検出手段による吸入空気量の誤検出が回避され、または、実吸入空気量に対する乖離量が小さくなる。このため、吸入空気量の誤検出に起因する失火の発生が防止されることになり、失火発生に伴って触媒劣化抑制制御が強制的に解除されて触媒が高温リーン雰囲気に晒されてしまい劣化が進むといった状況を回避できる。一方、触媒劣化抑制制御実行条件が成立していない場合には、バルブリフト可変機構の作動により吸気弁の最大リフト量を減少させる場合の最大リフト量変更速度を比較的高速度に設定する。これにより、内燃機関の運転状態に適した最大リフト量を迅速に得ることができ、吸入空気量を早期に低減できて、ポンピングロスの低減及び燃料噴射量の削減が可能になって燃料消費率の改善を図ることができる。
上記速度調整手段によって吸気弁の最大リフト量変更速度を低速度に設定する動作としてより具体的には以下のものが挙げられる。つまり、上記内燃機関を車両に搭載されるものとする。また、上記バルブリフト可変機構は、車両減速時に吸気弁の最大リフト量を減少させるようになっている。そして、上記速度調整手段が、この車両減速時に、吸気弁の最大リフト量変更速度を、上記触媒劣化抑制制御実行条件の成立時には非成立時に比べて低速度に設定する構成としている。
車両の運転者によるアクセルOFF操作などによって車両減速時に移行した場合、バルブリフト可変機構の作動により吸気弁の最大リフト量は減少される。このような状況で、上記触媒劣化抑制制御実行条件が成立している場合には、最大リフト量変更速度を低速度に設定する。これにより、上述した如く、吸入空気量の誤検出に起因する失火の発生が防止されることになり、失火発生に伴って触媒劣化抑制制御が強制的に解除されて触媒が高温リーン雰囲気に晒されてしまい劣化が進むといった状況を回避できる。
上記速度調整手段によって最大リフト量変更速度を低速度に設定する場合の具体的な速度制御としては以下の2つのタイプが挙げられる。
先ず、上記吸気弁の目標最大リフト量を設定する目標最大リフト量設定手段を備えさせる。そして、上記速度調整手段が、上記触媒劣化抑制制御実行条件の成立時、上記バルブリフト可変機構の作動により吸気弁の最大リフト量を減少させる場合の最大リフト量変更速度を一定の低速度に維持して吸気弁の最大リフト量を上記目標最大リフト量に調整する構成としている。
また、上記吸気弁の目標最大リフト量を設定する目標最大リフト量設定手段を備えさせる。そして、上記速度調整手段が、上記触媒劣化抑制制御実行条件の成立時、上記バルブリフト可変機構の作動により吸気弁の最大リフト量を減少させる場合の最大リフト量変更速度を変更可能であって、吸気弁の最大リフト量を減少させる動作の開始初期時における最大リフト量変更速度を、上記触媒劣化抑制制御実行条件の非成立時に比べて低速度に設定し、吸気弁の最大リフト量を減少させる動作の途中段階から最大リフト量変更速度を、上記触媒劣化抑制制御実行条件の非成立時と同等の速度に設定する構成としている。
前者の構成によれば、吸気弁の最大リフト量を減少させる動作の全期間に亘って最大リフト量変更速度が低速度にされ、吸入空気量の誤検出を確実に回避することができる。
一方、後者の構成によれば、吸気弁の最大リフト量を減少させる動作の開始初期時にあっては、最大リフト量変更速度を低速度にしたことで吸入空気量の誤検出を回避でき、触媒の劣化を抑制することができる。また、吸気弁の最大リフト量を減少させる動作の途中段階から最大リフト量変更速度を高めることにより、エンジンの運転状態に適した目標最大リフト量を迅速に得ることができ、吸入空気量を早期に低減でき、それに伴ってポンピングロスの低減及び燃料噴射量の削減が可能になって燃料消費率の改善を図ることができる。つまり、この構成によれば、触媒劣化抑制制御の実行条件が成立している場合において、触媒劣化の抑制と燃料消費率の改善とを両立することができる。
本発明では、バルブリフト可変機構によって吸気弁の最大リフト量を小さくする際、触媒劣化抑制制御実行条件が成立している場合には、最大リフト量の変更速度を低く設定し、吸入空気量の検出精度を高めることで、実際の吸入空気量に適した燃料噴射量を得て失火の発生を回避し、触媒の劣化を抑制することができる。また、触媒劣化抑制制御実行条件が成立していない場合には、最大リフト量変更速度を高く設定することで、吸入空気量を急速に少なくし、それに伴って燃料消費率の改善を図ることができる。
実施形態に係るエンジン及びその吸排気系の概略構成を示す図である。 バルブリフト可変機構の構成を示すシリンダヘッド及びその周辺部の断面図である。 バルブリフト可変機構の構成を示すシリンダヘッドの平面図である。 バルブリフト可変機構における各アームとスライダとが組み付けられた状態を示す一部を破断した斜視図である。 バルブリフト可変機構における各アームを示す一部を破断した斜視図である。 バルブリフト可変機構の内部構造を示す断面図である。 バルブリフト可変機構のアクチュエータの内部構造を示す断面図である。 エンジンの制御系を示すブロック図である。 実施形態に係る最大リフト量変更速度制御の手順を示すフローチャート図である。 実施形態における吸気バルブの最大リフト量及び吸入空気量それぞれの変化を示すタイミングチャート図である。 変形例における吸気バルブの最大リフト量及び吸入空気量それぞれの変化を示すタイミングチャート図である。 従来例における吸気バルブの最大リフト量及び吸入空気量それぞれの変化を示すタイミングチャート図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明に係る制御装置を自動車用4気筒ガソリンエンジン(内燃機関)に適用した場合について説明する。
−エンジン−
図1は本実施形態に係るエンジン1、及び、その吸排気系の概略構成を示す図である。尚、この図1ではエンジン1の1気筒の構成のみを示している。
本実施形態におけるエンジン1は、燃焼室11を形成するピストン12及び出力軸であるクランクシャフト13を備えている。上記ピストン12はコネクティングロッド14を介してクランクシャフト13に連結されており、ピストン12の往復運動がコネクティングロッド14によってクランクシャフト13の回転へと変換されるようになっている。
上記クランクシャフト13には、外周面に複数の突起(歯)16,16,…を有するシグナルロータ15が取り付けられている。このシグナルロータ15の側方近傍にはクランクポジションセンサ(エンジン回転数センサ)71が配置されている。このクランクポジションセンサ71は、例えば電磁ピックアップであって、クランクシャフト13が回転する際にシグナルロータ15の突起16,16,…に対応するパルス状の信号(出力パルス)を発生する。
エンジン1のシリンダブロック17には、エンジン水温(冷却水温)を検出する水温センサ72が配置されている。
エンジン1の燃焼室11には点火プラグ2が配置されている。この点火プラグ2の点火タイミングはイグナイタ21によって調整される。このイグナイタ21はエンジンECU(Electronic Control Unit)6によって制御される。
エンジン1の燃焼室11には吸気通路3と排気通路4とが接続されている。吸気通路3と燃焼室11との間に吸気バルブ31が設けられており、この吸気バルブ31を開閉駆動することにより、吸気通路3と燃焼室11とが連通または遮断される。また、排気通路4と燃焼室11との間に排気バルブ41が設けられており、この排気バルブ41を開閉駆動することにより、排気通路4と燃焼室11とが連通または遮断される。これら吸気バルブ31及び排気バルブ41の開閉駆動は、図示しないタイミングチェーン等によってクランクシャフト13の回転が伝達される吸気カムシャフト36及び排気カムシャフト46(図2を参照)の各回転によって行われる。
尚、本実施形態では吸気バルブ31の動弁系として、この吸気バルブ31の最大リフト量を可変とするバルブリフト可変機構8(図2を参照)が備えられている。このバルブリフト可変機構8の詳細については後述する。
上記吸気通路3には、エアクリーナ32、熱線式のエアフローメータ73、吸気温センサ74(エアフローメータ73に内蔵)、及び、エンジン1の吸入空気量を調整する電子制御式のスロットルバルブ33が配置されている。このスロットルバルブ33はスロットルモータ34によって駆動される。スロットルバルブ33の開度はスロットル開度センサ75によって検出される。
エンジン1の排気通路4には三元触媒42が配置されている。この三元触媒42は、酸素を貯蔵(吸蔵)するO2ストレージ機能(酸素貯蔵機能)を有しており、この酸素貯蔵機能により、空燃比が理論空燃比からある程度まで偏移したとしても、HC,CO及びNOxを浄化することが可能となっている。即ち、エンジン1の空燃比がリーンとなって、三元触媒42に流入する排気ガス中の酸素及びNOxが増加すると、酸素の一部を三元触媒42が吸蔵することでNOxの還元・浄化を促進する。一方、エンジン1の空燃比がリッチになって、三元触媒42に流入する排気ガスにHC,COが多量に含まれると、三元触媒42は内部に吸蔵している酸素分子を放出し、これらのHC,COに酸素分子を与え、酸化・浄化を促進する。
上記三元触媒42の上流側の排気通路4には空燃比センサ(A/Fセンサ)76が配置されている。この空燃比センサ76は、例えば限界電流式の酸素濃度センサが適用されており、広い空燃比領域に亘って空燃比に対応した出力電圧を発生する構成となっている。
また、三元触媒42の下流側の排気通路4には酸素センサ(O2センサ)77が配置されている。この酸素センサ77は、例えば起電力式(濃淡電池式)の酸素濃度センサが適用されており、排気ガスの空燃比が理論空燃比に対してリッチである場合とリーンである場合とで出力電圧が急変するようになっている。
これら空燃比センサ76及び酸素センサ77の発生する信号は、それぞれA/D変換された後に、エンジンECU6に入力される。
そして、吸気通路3には燃料噴射用のインジェクタ35が配置されている。このインジェクタ35には、燃料タンクから燃料ポンプによって所定圧力の燃料が供給され、吸気通路3に燃料が噴射される。この噴射燃料は吸入空気と混合されて混合気となってエンジン1の燃焼室11に導入される。燃焼室11に導入された混合気(燃料+空気)は、エンジン1の圧縮行程を経た後、上記点火プラグ2にて点火されて燃焼・爆発する。この混合気の燃焼室11内での燃焼・爆発によりピストン12が往復運動してクランクシャフト13が回転し、エンジン出力が得られるようになっている。
−バルブリフト可変機構の構成−
本実施形態に係るエンジン1には、動弁系として、吸気バルブ31の最大リフト量や作用角等の作動特性を可変とするバルブリフト可変機構8が備えられている。以下、このバルブリフト可変機構8の構成について説明する。
図2は、エンジン1の第1番気筒〜第4番気筒のうちの所定気筒におけるシリンダヘッド18周辺の構造を示す拡大断面図である。
この図2に示すように、上記シリンダヘッド18には、吸気バルブ31を駆動するための吸気カムシャフト36、及び、排気バルブ41を駆動するための排気カムシャフト46が設けられている。これら吸気カムシャフト36及び排気カムシャフト46は、エンジン1のクランクシャフト13からの回転力の伝達(タイミングチェーン等による回転力の伝達)によって回転する。また、吸気カムシャフト36及び排気カムシャフト46には、それぞれ吸気カム36a及び排気カム46aが設けられている。そして、これら吸気カム36a及び排気カム46aが吸気カムシャフト36及び排気カムシャフト46とそれぞれ一体的に回転することによって、吸気バルブ31及び排気バルブ41の開閉動作が行われる。
そして、上記バルブリフト可変機構8は上記吸気カム36aと吸気バルブ31との間に配設されている。このバルブリフト可変機構8の駆動により、例えば吸入空気量を多く必要とするエンジン運転状態になるほど、最大リフト量及び作用角が共に大きくなるよう制御される。これは、最大リフト量及び作用角を大きくすることにより、吸気通路3から燃焼室11への空気の吸入を効率良く行い、エンジン負荷等に適した吸入空気量が得られるようにするためである。
上記バルブリフト可変機構8は、上記吸気カムシャフト36と平行に延びるロッカシャフト81及びコントロールシャフト82と、これらロッカシャフト81及びコントロールシャフト82の軸線を中心に揺動する入力アーム(入力部材)83及び出力アーム(出力部材)84とを備えている。
入力アーム83にはローラ83aが回転可能に取り付けられている。そして、そのローラ83aが吸気カムシャフト36に押しつけられるよう、スプリング85aを内装した付勢機構85によって入力アーム83が吸気カムシャフト36側に付勢(図2における反時計回り方向に付勢)されている。また、出力アーム84は、その揺動時にロッカアーム9に押しつけられ、このロッカアーム9を介して吸気バルブ31をリフト(吸気バルブ31を開放側に移動)させる。
このロッカアーム9の基端部はラッシュアジャスタ91によって支持されている一方、このロッカアーム9の先端部は吸気バルブ31に接触している。また、ロッカアーム9は吸気バルブ31のバルブスプリング37によって出力アーム84側に付勢されている。これにより、ロッカアーム9の基端部と先端部との間に回転可能に支持されたローラ92が出力アーム84に押しつけられている。尚、上記ラッシュアジャスタ91は、油圧式のものであって吸気バルブ31のタペットクリアランスを常にゼロに保つように機能する公知の構成となっている。
従って、吸気カム36aの回転に基づき入力アーム83及び出力アーム84が揺動すると、出力アーム84がロッカアーム9を介して吸気バルブ31をリフトさせ、吸気バルブ31の開閉動作が行われる。
そして、このバルブリフト可変機構8では、入力アーム83と出力アーム84との揺動方向についての相対位置(回転方向の位相差)が変更されることで、上記吸気バルブ31の最大リフト量、及び吸気カム36aの吸気バルブ31に対する作用角を可変とする。即ち、入力アーム83と出力アーム84とを揺動方向において互いに接近させるほど、吸気バルブ31の最大リフト量及び作用角は小さくなっていく。逆に、入力アーム83と出力アーム84とを揺動方向において互いに離間させるほど、吸気バルブ31の最大リフト量及び作用角は大きくなっていく。
次に、上記バルブリフト可変機構8のシリンダヘッド18への取り付け構造、及びバルブリフト可変機構8の駆動に用いられる上記ロッカシャフト81及びコントロールシャフト82のシリンダヘッド18への取り付け構造について、図3を参照して説明する。
図3は、シリンダヘッド18の上部に形成されたカムキャリア19を上方から見た平面図である。
このカムキャリア19には複数の立壁部19a,19a,…が気筒列方向(図3における左右方向)に対して直交する方向に延びて設けられている。これら立壁部19aはエンジン1の軽量化を図るべくアルミ合金等の軽量な金属材料によって形成されている。そして、各立壁部19a,19a,…の間にはエンジン1の各気筒に対応して上記バルブリフト可変機構8,8,…が配設されている。また、隣り合うバルブリフト可変機構8,8は立壁部19aによって隔てられている。バルブリフト可変機構8の駆動に用いられる上記ロッカシャフト81及びコントロールシャフト82は、各バルブリフト可変機構8,8,…及び各立壁部19a,19a,…を貫通している。そして、各バルブリフト可変機構8,8,…は、ロッカシャフト81を介して上記各立壁部19a,19a,…に支持されている。また、各バルブリフト可変機構8の入力アーム83及び出力アーム84,84は立壁部19a,19aの間に挟まれた状態となっている。
上記ロッカシャフト81はパイプ状に形成されており、このロッカシャフト81の内部には上記コントロールシャフト82が軸線方向に沿って往復移動可能に支持されている。これらロッカシャフト81とコントロールシャフト82とは共に、必要な強度を確保することを重視して鉄系材料といった強度の高い材料を用いて形成されている。そして、コントロールシャフト82においては、その基端部(図3中の左端部)がアクチュエータ100に連結されており、このアクチュエータ100の駆動によってコントロールシャフト82が軸線方向に沿って移動される。各気筒のバルブリフト可変機構8は、コントロールシャフト82の軸線方向への移動によって駆動され、入力アーム83と出力アーム84,84との揺動方向についての相対位置を変更させる。
次に、バルブリフト可変機構8の内部構造について、図4〜図7を参照して説明する。
図4は、バルブリフト可変機構8における入力アーム83及び出力アーム84,84の内側の構造を示す一部を破断した斜視図である。
バルブリフト可変機構8は、入力アーム83及び出力アーム84,84の内側に配設された円筒状のスライダ87を備えている。このスライダ87の内部には上記ロッカシャフト81が挿入され、このロッカシャフト81の内部には上記コントロールシャフト82が挿入されている。そして、コントロールシャフト82が軸線方向に沿って移動すると、その移動がコントロールシャフト82に取り付けられた係合部材82a(図6参照)によって、スライダ87に伝達されて、このスライダ87も上記軸線方向に沿って変位する。スライダ87の外壁において、長手方向中央部にはヘリカルスプライン(センタヘリカルスプライン)88aを有する入力ギヤ88が固定され、その長手方向両端部にはヘリカルスプライン(サイドヘリカルスプライン)89a,89aを有する出力ギヤ89,89が固定されている。
一方、図5に示すように、入力アーム83の内壁にはヘリカルスプライン83bを有する円環状の内歯ギヤ83cが形成され、各出力アーム84,84の内壁にはヘリカルスプライン84b,84bを有する円環状の内歯ギヤ84c,84cがそれぞれ形成されている。そして、入力アーム83の内歯ギヤ83cはスライダ87の入力ギヤ88(図4)と噛み合わされている。同様に、出力アーム84,84の内歯ギヤ84c,84cはスライダ87の出力ギヤ89,89(図4)と噛み合わされている。尚、ヘリカルスプライン88a,83bと、ヘリカルスプライン89a,84bとは、互いに傾斜角が異なっており、例えば互いに歯すじの傾斜方向が逆となっている。
そして、コントロールシャフト82の軸線方向への移動に基づきスライダ87がその軸線方向に沿って変位すると、ヘリカルスプライン88a,89a,89aとヘリカルスプライン83b,84b,84bとの噛み合いにより、入力アーム83と出力アーム84,84との揺動方向についての相対位置が変更される。
具体的には、スライダ87を図4の矢印L方向に変位させるほど入力アーム83と出力アーム84,84との揺動方向における相対位置が互いに接近するように(位相差が小さくなるように)変更される。また、スライダ87を図4の矢印H方向に変位させるほど上記相対位置が互いに離間するように(位相差が大きくなるように)変更される。こうした入力アーム83及び出力アーム84,84の揺動方向についての相対位置の変更を通じて、吸気カム36aの回転により出力アーム84が揺動したときの吸気バルブ31の最大リフト量及び作用角が可変とされる。従って、このバルブリフト可変機構8においては、入力アーム83及び出力アーム84が吸気バルブ31のバルブ特性を可変とすべく駆動される可変駆動部となる。
尚、入力アーム83及び出力アーム84,84の内部にはエンジン1によって駆動されるオイルポンプから油通路を介して潤滑油が供給されており、その潤滑油によって入力アーム83及び出力アーム84,84とスライダ87との間で互いに噛み合うギヤ(スプライン)間等の潤滑が行われている。
図6は、入力アーム83、出力アーム84,84、スライダ87及びロッカシャフト81等の内部構造を示す断面図である。
この図6に示すように、バルブリフト可変機構8を駆動するためのロッカシャフト81及びコントロールシャフト82は、シリンダヘッド18に設けられた複数の立壁部19a,19a,…を貫通するとともに、それら立壁部19a,19aの間に位置するバルブリフト可変機構8の入力アーム83及び出力アーム84,84も貫通している。
コントロールシャフト82に対するスライダ87の係合は、上記係合部材82aを用いて実現されている。そして、スライダ87とコントロールシャフト82とは、上記係合部材82aによってコントロールシャフト82の軸線方向に一体移動可能となるように繋がれている。この係合部材82aは、スライダ87の内周面に周方向に延びるように形成された溝82bに挿入されるブッシュ82cと、そのブッシュ82cを貫通するとともにロッカシャフト81の長穴81aを貫通した状態でコントロールシャフト82に対しその径方向に挿入されるピン82dとを備えている。なお、ピン82dが貫通する上記長穴81aは、ロッカシャフト81の軸線方向(図中の左右方向)に延びている。そして、この長穴81aとピン82dとは、上記軸線方向についての相対移動のみ可能となっており、ロッカシャフト81の周方向についての相対移動は不能となっている。
従って、コントロールシャフト82が軸線方向に移動すると、それに伴いピン82dがロッカシャフト81の長穴81aに沿って移動する。その結果、ピン82dがブッシュ82cの外側面を介して溝82bの内側面に押しつけられ、スライダ87がコントロールシャフト82の軸線方向に沿って変位する。そして、このスライダ87の変位を通じて入力アーム83と出力アーム84,84との揺動方向についての相対位置が変更され、吸気カム36aの回転により入力アーム83及び出力アーム84,84が揺動したときの吸気バルブ31の最大リフト量及び作動角が可変とされる。
尚、入力アーム83及び出力アーム84,84が揺動するときには、それに伴ってスライダ87も周方向に揺動(回動)する。このとき、スライダ87の溝82bの内側面がブッシュ82cの外側面に対して摺動し、両者の間の摩擦力によってブッシュ82c及びピン82dも上記周方向に揺動しようとする。しかし、スライダ87の揺動につられてのブッシュ82c及びピン82dの揺動は、ロッカシャフト81の長穴81aの対向する内側面によって規制される。尚、図6における符号80,80は、入力アーム83及び出力アーム84,84の軸心方向の位置調整を行うためのシムである。
次に、上記コントロールシャフト82を軸線方向に沿って移動させるための上記アクチュエータ100の構成について説明する。
図7はアクチュエータ100の内部構造を示す断面図である。この図7に示すように、アクチュエータ100のハウジング100aは、カムキャリア19に取り付けられている。このハウジング100aの内部には、コイルCを有するステータ101a及び永久磁石を有するロータ101bを備えたモータ101と、そのモータ101から伝達される回転運動を直線運動に変換してコントロールシャフト82に出力する差動ローラギヤ機構102とが設けられている。尚、本実施形態では、上記モータ101としてブラシレスモータが採用されている。
上記差動ローラギヤ機構102は、内周面にネジが設けられたナット103と、外周面にネジが設けられたサンギヤ104と、このサンギヤ104の外周面とナット103の内周面との間に配設され且つ上記サンギヤ104のネジ及びナット103のネジに螺合するネジが設けられた複数のプラネタリギヤ105,105,…とが設けられている。また、ナット103及び各プラネタリギヤ105,105,…の軸線方向の両端には、互いに噛み合う歯車が設けられており、サンギヤ104には、各プラネタリギヤ105,105,…に設けられた上記歯車と噛み合う歯車が設けられている。
上記差動ローラギヤ機構102のサンギヤ104は、軸方向へ変位可能に、且つ図7に示す軸線Oを中心とした回転が不能に、ハウジング100aによって支持されており、その先端部(図7の右端部)は、連結部材106によってコントロールシャフト82に連結されている。
上記ナット103とロータ101bとは、ナット103の外周面に形成されたネジとロータ101bの内周面に形成されたネジとの螺合によって一体的に締結されている。
また、ナット103の外周には、複列アンギュラ式のベアリング107の内輪が固定されており、このベアリング107の外輪はハウジング100aに固定されている。このベアリング107により、ナット103は、ハウジング100a内で回転可能に支持されていると共に、上記軸線Oに沿う方向への移動が規制されている。
このように構成されたアクチュエータ100では、ステータ101aのコイルCに通電されると、ロータ101b及びナット103が軸線Oを中心として回転し、各プラネタリギヤ105,105,…がそれぞれ自身の軸線を中心として自転しつつ、軸線Oの周りを公転する。また上述したように、サンギヤ104は、軸線Oを中心とした回転が不能であるが、軸方向へは変位可能であるため、各プラネタリギヤ105,105,…の自転及び公転によって、サンギヤ104は軸線Oに沿う方向に変位する。
そして、サンギヤ104の軸線Oに沿う方向の変位に伴ってコントロールシャフト82が軸方向に沿って変位することにより、吸気バルブ31の最大リフト量が連続的に変化する。
また、アクチュエータ100には、ロータ101bに回転一体に固定された磁石108と、この磁石108に対向するようにハウジング100aの内面に取り付けられた回転角センサ109とが設けられている。磁石108は、円板形状をなした48極の磁性体で構成されており、その中心軸はロータ101bの回転軸に一致している。また、回転角センサ109は、ホール素子によって構成されたロータリエンコーダ式の相対位置センサである。この回転角センサ109からは、ロータ101bの回転角に応じたパルス状の信号が、回転角信号として出力され、その信号はエンジンECU6に入力される。
このエンジンECU6によって、エンジン1の運転状態に基づいた吸気バルブ31の最大リフト量の制御目標値が設定されるとともに、上述した回転角センサ109から出力される回転角信号に基づいて吸気バルブ31の最大リフト量の実際値が検出される。そして、最大リフト量の実際値が制御目標値と一致するように、アクチュエータ100の駆動制御が行われるようになっている。
−制御ブロックの説明−
以上のエンジン1の運転状態は上記エンジンECU6によって制御される。このエンジンECU6は、図8に示すように、CPU(Central Processing Unit)61、ROM(Read Only Memory)62、RAM(Random Access Memory)63及びバックアップRAM64などを備えている。
ROM62は、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。
CPU61は、ROM62に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。
RAM63は、CPU61での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリである。
バックアップRAM64は、エンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
これらROM62、CPU61、RAM63及びバックアップRAM64は、バス67を介して互いに接続されるとともに、外部入力回路65及び外部出力回路66と接続されている。
外部入力回路65には、上記クランクポジションセンサ71、水温センサ72、エアフローメータ73、吸気温センサ74、スロットル開度センサ75、空燃比センサ76、酸素センサ77、上記バルブリフト可変機構8の回転角センサ109の他に、アクセル開度センサ78、カム角センサ79、ノックセンサ7A等が接続されている。一方、外部出力回路66には、上記スロットルバルブ33を駆動するスロットルモータ34、上記インジェクタ35、イグナイタ21、上記バルブリフト可変機構8のアクチュエータ100(以下、バルブリフト可変アクチュエータ100と呼ぶ)等が接続されている。
クランクポジションセンサ71は、上述した如くクランクシャフト13の近傍に配設されており、クランクシャフト13の回転角(クランク角CA)及び回転速度(エンジン回転数Ne)を検出するものである。
上記水温センサ72は、上記シリンダブロック17に形成されているウォータジャケット17a内を流れる冷却水の温度を検出し、その冷却水温信号をエンジンECU6に送信する。
エアフローメータ73は、吸入空気量を検出し、その吸入空気量信号をエンジンECU6に送信する。
吸気温センサ74は、上記エアフローメータ73と一体的に設けられ、吸入空気温度を検出して、その吸気温信号をエンジンECU6に送信する。
スロットル開度センサ75は、上記スロットルバルブ33の開度を検出し、そのスロットル開度信号をエンジンECU6に送信する。
空燃比センサ76は、燃焼室11から排出された排気(三元触媒42の上流側における排気)の空燃比に対応した出力電圧を発生し、その出力電圧信号をエンジンECU6に送信する。
酸素センサ77は、三元触媒42の下流側における排気の酸素濃度に対応した出力電圧を発生し、その出力電圧信号をエンジンECU6に送信する。
アクセル開度センサ78は、ドライバにより操作されるアクセルペダルの開度(操作量)を検知し、その開度信号をエンジンECU6に送信する。
カム角センサ79は、上記吸気カムシャフト36の近傍に配設されており、例えば第1番気筒の圧縮上死点(TDC)に対応してパルス信号を出力することにより気筒判別センサとして使用される。つまり、このカム角センサ79は、吸気カムシャフト36の1回転毎にパルス信号を出力する。このカム角センサによるカム角の検出手法の一例としては、吸気カムシャフト36と回転一体のロータの外周面の1箇所に外歯を形成しておき、この外歯と対面して電磁ピックアップで成る上記カム角センサ79を配置し、吸気カムシャフト36の回転に伴って外歯がカム角センサ79の近傍を通過した際に、このカム角センサ79が出力パルスを発生するようになっている。このロータはクランクシャフト13の1/2の回転速度で回転するため、クランクシャフト13が720°回転する毎に出力パルスを発生する。言い換えると、ある特定の気筒が同一行程(例えば第1番気筒が圧縮上死点に達した時点)となる度に出力パルスを発生する構成である。
ノックセンサ7Aは、シリンダブロック17に伝わるエンジンの振動を圧電素子式(ピエゾ素子式)または電磁式(マグネット、コイル)などによって検出する振動式センサである。
回転角センサ109は、上述した如くバルブリフト可変アクチュエータ100に備えられたロータ101bの回転角に応じたパルス信号を回転角信号としてエンジンECU6に送信する。
そして、エンジンECU6は、上記した各種センサの検出信号に基づいて、イグナイタ21、インジェクタ35、スロットルモータ34、バルブリフト可変アクチュエータ100等の各部を制御する
その一例として、イグナイタ21による点火プラグ2の点火タイミングの基本制御としては、点火タイミングがMBT (Minimum Spark Advance for Best Torque:最適点火時期)に近付くように点火タイミングの進角補正を行っていきながら、上記ノックセンサ7Aによってノッキングが検知された場合には、点火タイミングの遅角補正を行ってノッキングを解消するといった制御が行われる。
また、インジェクタ35の燃料噴射の制御としては、エンジン負荷やエンジン回転数等に基づいて目標空燃比を算出し、エアフローメータ73によって検出された吸入空気量に基づき、上記目標空燃比が得られるように燃料噴射量の制御(インジェクタ35の開弁期間の制御)が行われる。より具体的には、上記排気通路4に配置した空燃比センサ76及び酸素センサ77の各出力に基づいて排気ガス中の酸素濃度を算出し、その算出した酸素濃度から得られる実際の空燃比が目標空燃比(例えば理論空燃比)に一致するように、インジェクタ35から吸気通路3に噴射する燃料噴射量を制御する「空燃比フィードバック制御」を実行する。
また、スロットルモータ34の駆動制御としては、運転者により操作されるアクセルペダルの開度に基づくアクセル開度信号を受けたエンジンECU6がスロットルモータ34に制御信号を送り、上記スロットル開度センサ75からのスロットルバルブ33の開度のフィードバック信号に基づいて、スロットルバルブ33を適切な開度に制御する。これにより、エンジン1の気筒内へ導入する空気の量を制御する。尚、本実施形態に係るエンジン1にあっては、後述するように上記バルブリフト可変機構8によっても気筒内へ導入する空気の量が制御される。
更に、バルブリフト可変アクチュエータ100の制御としては、エンジン負荷やエンジン回転数等に基づいて吸気バルブ31の最大リフト量の制御目標値が設定され(目標最大リフト量設定手段による吸気バルブ31の目標最大リフト量設定動作)、この制御目標値が得られるように上記モータ101の回転駆動量を制御する。
尚、上記スロットルバルブ33の開度を制御するスロットルモータ34と、吸気バルブ31の最大リフト量を制御するバルブリフト可変アクチュエータ100とは協調制御が行われている。例えば、各気筒でのポンピングロスを低減するために、通常運転時にはスロットルバルブ33の開度を大きく設定し、吸気バルブ31の最大リフト量を変更することによってエンジン負荷やエンジン回転数等に応じた吸入空気量が得られるようにしている。つまり、吸入空気量は、スロットルバルブ33の開度及び吸気バルブ31の最大リフト量の何れによっても調整が可能であるが、例えばエンジン1の暖機が完了している状態で、スロットルバルブ33の開度を小さくすると、このスロットルバルブ33の下流側の吸気通路3での負圧が大きくなり、エンジン1のポンピングロスが増大することになる。このため、スロットルバルブ33の開度をある程度大きくした状態で、主として吸気バルブ31の最大リフト量及び作用角を調整することにより、適正な吸入空気量を得るといった制御が行われる。
また、エンジンECU6は、以下のフューエルカット制御や触媒劣化抑制制御も行うようになっている。
−フューエルカット制御の概要−
フューエルカット制御としては、上記クランクポジションセンサ71によって検出されるエンジン回転数が予め定められた所定値(フューエルカット回転数:例えば1000rpm)以上で且つ上記アクセル開度センサ78によって検出されるアクセルペダルの開度が「0」(アクセルOFF)とされた場合にフューエルカット条件が成立したと判断し、上記インジェクタ35からの燃料噴射を停止するようにしている(後述する触媒劣化抑制制御の実行条件の非成立時に限る)。これにより、インジェクタ35からの燃料噴射が停止されて燃料消費量の削減や排気エミッションの改善が図れる。
なお、上記フューエルカット中に車両の速度が低下し、エンジン回転数が上記フューエルカット回転数よりも低くなったときには、エンジンストールを防止するためにフューエルカットを中止してインジェクタ35からの燃料噴射を再開する。また、フューエルカット中にアクセルペダルが踏まれた場合(加速時)にも、フューエルカットを中止してインジェクタ35からの燃料噴射を行う。
−触媒劣化抑制制御の概要−
次に、触媒劣化抑制制御の概要について説明する。上述したフューエルカット条件が成立した場合、基本的には上記フューエルカット制御を実行し、インジェクタ35からの燃料噴射を停止する。この場合、気筒内への燃料噴射が行われないため、排気通路4に設けられている三元触媒42に流れ込む排気ガスの空燃比はリーンとなる。この三元触媒42が比較的高温度にある状況で、空燃比がリーンな排気ガスが流入すると、上述した如く三元触媒42内部の貴金属のシンタリング(粒成長)による触媒劣化が進行し易くなる。
そこで、触媒温度が所定の閾値を超えている場合には、上記フューエルカット条件が成立している場合であっても、フューエルカットの実行を禁止し、三元触媒42が高温リーン雰囲気に晒されることによる触媒劣化を抑制するようにしている。より具体的には、理論空燃比状況下での燃焼を継続させるようにしている。このような触媒劣化抑制制御を行うことで、三元触媒42が高温状態にある場合に、三元触媒42が酸化雰囲気となることを回避して、三元触媒42の劣化の進行を抑制することができる(触媒劣化抑制制御手段による触媒劣化抑制制御の実行動作)。
尚、本実施形態に係る車両では、エンジン1の出力側に例えば5段階の変速が可能な自動変速機(図示省略)が接続されている。そして、触媒劣化抑制制御の実行条件として、この自動変速機が特定の変速段に設定されていることを付加してもよい。例えば、この自動変速機の変速段が第1速段〜第3速段の何れかにある場合には、触媒劣化抑制制御を非実施とし、第4速段または第5速段にある場合には、他の触媒劣化抑制制御実行条件(触媒温度条件等)の成立に伴って触媒劣化抑制制御を実施するようにしてもよい。尚、この自動変速機の変速段数や触媒劣化抑制制御実行条件となる変速段についてはこれに限定されるものではなく、適宜設定される。
ところが、このような触媒劣化抑制制御が実行される場合、従来では以下に述べるような不具合を生じてしまう可能性があった。
つまり、アクセルOFF操作などによってエンジン負荷が急速に低下したことに伴って触媒劣化抑制制御が開始される場合、エンジン負荷の急速な低下によって吸気バルブ31の最大リフト量も急速に小さくなっていき、それに伴って吸入空気量も急速に少なくなっていく。このような場合、エアフローメータ73によって検出されている吸入空気量を正確に認識することができない可能性があり、吸気バルブ31の最大リフト量が小さくなったことで少なくなった吸入空気量に対して、エアフローメータ73によって検出される吸入空気量がよりいっそう少ない量(実吸入空気量よりも少ない吸入空気量)として誤検出されてしまう可能性がある。このような吸入空気量の誤検出が生じると、インジェクタ35からの燃料噴射量としても燃焼に必要な量よりも少なくなり、混合気の空燃比が大幅にリーンとなって燃焼室内での混合気の燃焼ができなくなる、所謂失火が発生してしまう可能性がある。
触媒劣化抑制制御を実施可能なエンジン1にあっては、一般に、エンジン回転数の変動周期等に基づいた失火判定動作を行っており、上記触媒劣化抑制制御中に燃焼室11内で失火が発生したと判定された場合には、未燃ガスの排出を回避するべく触媒劣化抑制制御を解除し、フューエルカットを行うようにしている。しかし、これでは、三元触媒42に流れ込む排気ガスの空燃比がリーンになり、触媒内部の貴金属のシンタリング(粒成長)による劣化が進行してしまうことになる。つまり、上記吸入空気量が正確に検出できなかったことに伴って失火が発生する状況になると、触媒劣化抑制制御が強制的に解除され、三元触媒42が高温リーン雰囲気に晒されることにより、その劣化が進んでしまう可能性がある。
この点を考慮し、本実施形態では以下に述べるような吸気バルブ31の最大リフト量変更速度制御を実施するようにしている。
−最大リフト量変更速度制御−
次に、本実施形態の特徴とする制御である吸気バルブ31の最大リフト量変更速度制御について説明する。この最大リフト量変更速度制御は、触媒劣化抑制制御が実行される場合(触媒劣化抑制制御実行条件ON時)と実行されない場合(触媒劣化抑制制御実行条件OFF時)とで、単位時間当たりにおける吸気バルブ31の最大リフト量の変化量(以下、最大リフト量変更速度という場合もある)を変更するものである。
具体的には、触媒劣化抑制制御が実行される場合には、触媒劣化抑制制御が実行されない場合に比べて、最大リフト量を小さくする際の最大リフト量変更速度を低速度にするようにしている(速度調整手段による最大リフト量変更速度の変更動作)。
以下、この最大リフト量変更速度制御の手順について、図9のフローチャートに沿って具体的に説明する。この図9に示す制御ルーチンは、エンジン1の始動後の所定時間毎またはクランクシャフト13の所定角度回転毎に繰り返して実行される。
先ず、ステップST1で、エンジン回転数が所定回転数N1(例えば上記フューエルカット回転数)を超えているか否かを判定する。この判定は、上記クランクポジションセンサ71からの出力パルスにより算出されるエンジン回転数に基づいて行われる。
エンジン回転数が所定回転数N1以下であり、ステップST1でNO判定された場合には、ステップST5に移り、最大リフト量変更速度を通常速度(上記モータ101の回転速度を高く設定する従来と同等の速度:以下、高速度と呼ぶ)に設定する。例えば上記モータ101を最高速度で回転駆動して最大リフト量の変更が高速度で行われるようにしておき、エンジン負荷の変化等に応じて吸気バルブ31の最大リフト量を変化させる場合には、高速度で最大リフト量を変更して短時間で最大リフト量が上記制御目標値に到達するようにしておく。この場合、最大リフト量を小さくする際、及び、最大リフト量を大きくする際の何れにおいても最大リフト量変更速度が高速度に設定されることになる。
エンジン回転数が所定回転数N1を超えており、ステップST1でYES判定された場合には、ステップST2に移り、三元触媒42の温度が所定の閾値T1(例えば800℃)を超えているか否かを判定する。この判定は、エンジン1の運転状態(エンジン負荷等)に基づいて三元触媒42の温度を推定し、その推定された触媒温度が閾値T1を超えているか否かを判定することにより行われる。また、排気通路4における三元触媒42の上流側及び下流側にそれぞれ排気温センサを設けておき、これら排気温センサによって検出される排気温度から三元触媒42の温度を推定し、その推定された温度が閾値T1を超えているか否かを判定するようにしてもよい。更には、触媒温度センサによって三元触媒42の温度を直接的に検出し、その検出した温度が閾値T1を超えているか否かを判定するようにしてもよい。
この閾値T1としては、例えば排気ガスの空燃比がリーンとなった場合に上述した三元触媒42内部の貴金属のシンタリングによる触媒劣化が進行する温度範囲のうちの下限値が適用されている。
上記三元触媒42の温度が閾値T1を超えておらず、ステップST2でNO判定された場合には触媒劣化抑制制御の実行条件は成立しないとしてステップST5に移り、上述した如く最大リフト量変更速度を通常の高速度に設定する。
一方、上記三元触媒42の温度が閾値T1を超えており、ステップST2でYES判定された場合には、ステップST3に移り、アクセルOFF操作がなされたか否かを判定する。つまり、上記アクセル開度センサ78によって検知されるアクセルペダルの開度(操作量)が「0」となったか否かを判定する。
アクセルペダルの開度が「0」でなく、アクセルON操作がされており、ステップST3でNO判定された場合には、たとえ上記三元触媒42の温度が上記閾値T1を超えていたとしても三元触媒42は高温リーン雰囲気に晒されることはなく、触媒劣化抑制制御は必要ない(触媒劣化抑制制御の実行条件は成立しない)としてステップST5に移り、上述した如く最大リフト量変更速度を通常の高速度に設定する。
一方、アクセルOFF操作がなされおり、ステップST3でYES判定された場合には、ステップST4に移る。このステップST4では、触媒劣化抑制制御が実行されるとして、最大リフト量を小さくする際のバルブリフト速度としては、低速度(上記触媒劣化抑制制御の実行条件が成立していない場合のバルブリフト速度よりも低速度)に設定される。つまり、上記モータ101を低速度で回転駆動させて最大リフト量の変更が低速度で行われるようにしておき、上記アクセルOFF操作がなされたことに伴うエンジン負荷の低下に応じて吸気バルブ31の最大リフト量を小さくするに際し、低速度で最大リフト量が変更されて比較的長い時間を要して最大リフト量が上記制御目標値に到達する(例えば最大リフト量を最小とする:上記入力アーム83と出力アーム84との位相差を最小とする)ような動作が行われる。
尚、このフローチャートでは、触媒劣化抑制制御の実行条件として、上記フューエルカット条件に触媒温度条件を加えたものとしたが、これに自動変速機の変速段条件を加えるようにしてもよい。つまり、自動変速機が第4速段または第5速段にあるといった条件を追加してもよい。
上述の如く低速度に設定される最大リフト量変更速度としては、予め実験やシミュレーションによって設定されており、エアフローメータ73の吸入空気量検出に誤検出が生じない程度の速度、または、吸入空気量検出に誤検出が生じたとしても燃焼室11内で失火が発生しない程度の比較的僅かな誤差の範囲となるような最大リフト量変更速度に設定されている。例えば、上記バルブリフト可変アクチュエータ100のモータ101の回転速度を、触媒劣化抑制制御の実行条件の非成立時に比較して約1/3に設定することが挙げられる。
図10は、上述した最大リフト量変更速度制御が行われる場合の吸気バルブ31の最大リフト量及び吸入空気量それぞれの変化を示すタイミングチャート図である。この図10の下段に示す吸入空気量において破線は失火ラインを示している。つまり、エアフローメータ73によって検出される吸入空気量がこの失火ラインを下回ると、燃焼室11内で失火が発生してしまうことになる。
図10の実線は触媒劣化抑制制御ON時(触媒劣化抑制制御条件の成立時)における吸気バルブ31の最大リフト量及び吸入空気量それぞれの変化を示している。つまり、図9に示したフローチャートのステップST4において最大リフト量変更速度が制御された場合の変化を示している。一方、図10の一点鎖線は触媒劣化抑制制御OFF時(触媒劣化抑制制御条件の非成立時)における吸気バルブ31の最大リフト量の変化を示している。つまり、図9に示したフローチャートのステップST5において最大リフト量変更速度が制御された場合の変化を示している。
このように、触媒劣化抑制制御実行条件が成立している場合には、バルブリフト可変機構8の作動により吸気バルブ31の最大リフト量を減少させる場合の最大リフト量変更速度を比較的低速度に設定している。これにより、吸気バルブ31の最大リフト量を減少させる際の単位時間当たりにおける吸入空気量の変化が小さくなり、エアフローメータ73による吸入空気量の誤検出が回避されることになる。その結果、吸入空気量の誤検出に起因する失火の発生が防止されることになり、失火発生に伴って触媒劣化抑制制御が強制的に解除されて三元触媒42が高温リーン雰囲気に晒されてしまい劣化が進むといった状況を回避できる。
また、触媒劣化抑制制御実行条件が成立していない場合には、バルブリフト可変機構8の作動により吸気バルブ31の最大リフト量を減少させる場合の最大リフト量変更速度を比較的高速度に設定している。これにより、エンジン1の運転状態に適した最大リフト量(上記目標最大リフト量)を迅速に得ることができ、吸入空気量を早期に低減でき、ポンピングロスの低減及び燃料噴射量の削減が可能になって燃料消費率の改善を図ることができる。
(変形例)
次に、本発明の変形例について説明する。上述した実施形態では、上記触媒劣化抑制制御実行条件の成立時において吸気バルブ31の最大リフト量を減少させる場合の最大リフト量変更速度を一定の低速度に維持していた。
本変形例では、それに代えて、触媒劣化抑制制御実行条件の成立時において吸気バルブ31の最大リフト量を減少させる場合の最大リフト量変更速度を、この最大リフト量を減少させる動作の途中で変更するものである。
より具体的には、吸気バルブ31の最大リフト量の減少開始初期時には、上記実施形態の場合と同様に、最大リフト量変更速度を低速度に設定し、その後、この最大リフト量を減少させる動作の途中で最大リフト量変更速度を高速度に変更するようにしている。以下、具体的に説明する。
図11の実線は触媒劣化抑制制御ON時(触媒劣化抑制制御条件の成立時)における吸気バルブ31の最大リフト量及び吸入空気量それぞれの変化を示している。一方、図11の一点鎖線は触媒劣化抑制制御OFF時(触媒劣化抑制制御条件の非成立時)における吸気バルブ31の最大リフト量の変化を示している。
この図11に実線で示すように、触媒劣化抑制制御ON時における最大リフト量変更速度として、吸気バルブ31の最大リフト量を減少させる動作の開始初期時には、触媒劣化抑制制御OFF時における最大リフト量変更速度よりも低速度に設定されている。その後、この最大リフト量を減少させる動作の途中で最大リフト量変更速度を、触媒劣化抑制制御OFF時における最大リフト量変更速度と略同等の高速度に設定されている。
尚、このように最大リフト量を減少させる動作の途中で最大リフト量変更速度を高速度に変更する場合の変更タイミング(低速度から高速度への切り換えタイミング)としては、予め実験やシミュレーションによって設定されている。つまり、この最大リフト量変更速度を低速度に設定する期間が短すぎると、この低速度から高速度への切り換え時に、エアフローメータ73によって検出される吸入空気量が失火ラインを下回ってしまう可能性があるので、この吸入空気量が失火ラインを下回ることがない範囲となるように上記低速度に設定する期間が決定されることになる。
このように吸気バルブ31の最大リフト量を減少させる際の最大リフト量変更速度を途中で変更するようにした場合にもエアフローメータ73での吸入空気量検出が正確に行われることになり、この吸入空気量が失火ラインを下回ることがない。つまり、失火の発生に伴って触媒劣化抑制制御が強制的に解除されるといった状況を招くことがないため、三元触媒42の劣化を抑制することができる。また、吸気バルブ31の最大リフト量を減少させる動作の途中から最大リフト量変更速度を高速度に切り換えたことで、エンジン1の運転状態に適した最大リフト量(上記目標最大リフト量)を迅速に得ることができ、吸入空気量を早期に低減でき、それに伴ってポンピングロスの低減及び燃料噴射量の削減が可能になって燃料消費率の改善を図ることができる。
(他の実施形態)
以上説明した実施形態及び変形例では、バルブリフト可変機構8を吸気側のみに設けたエンジン1について説明したが、同様のバルブリフト可変機構を排気側に備えたエンジンに対しても本発明は適用可能である。
また、上記実施形態では、触媒劣化抑制制御実行条件が成立しているか否かによって最大リフト量変更速度を高速側と低速側とで切り換えるようにした。本発明はこれに限らず、最大リフト量変更速度を最高速度と最低速度との間で複数段階の速度が設定可能な構成としておき、触媒劣化抑制制御実行条件が成立している場合、その他の条件に応じて最大リフト量変更速度を選択できるようにしてもよい。例えば、エアフローメータ73による吸入空気量の誤検出が生じにくい状況であるほど、最大リフト量変更速度を上記最高速度に近い速度に設定する構成が挙げられる。具体的には、アクセルOFF操作前のアクセル開度が小さいほど、アクセルOFF操作後のエアフローメータ73による吸入空気量の誤検出は生じ難い状況であるため、この場合には最大リフト量変更速度を上記最高速度に近い速度に設定することになる。これにより、吸入空気量の誤検出による失火を防止しながらも吸気バルブ31の最大リフト量を早期に目標最大リフト量に設定することが可能になる。
また、上記実施形態及び変形例では、触媒劣化抑制制御の実行中における失火発生原因としてエアフローメータ73による吸入空気量の誤検出を挙げた。それに限らず、上述した如くスロットルバルブ33の開度と吸気バルブ31の最大リフト量との協調制御が行われている際に、アクセルOFF操作などによってエンジン負荷が急速に低下したことで吸気バルブ31の最大リフト量が急速に小さくなる状況で、上記協調制御が良好に行えなくなることが原因となって燃焼室11内で失火が発生する場合もある。本発明では、このような状況においても失火の発生を回避できて三元触媒42の劣化を抑制することができる。
また、上記実施形態及び変形例は、本発明を自動車用4気筒ガソリンエンジン1に適用した場合について説明した。本発明は、自動車用に限らず、その他の用途に使用されるエンジンに対しても適用可能である。また、気筒数やエンジン形式(直列型やV型や水平対向型等の別)についても特に限定されるものではない。
更に、エンジンの動弁系として上述したバルブリフト可変機構8に加えてVVT(Variable Valve Timing)機構を備えたエンジンに対しても本発明は適用可能である。
本発明は、バルブリフト可変機構を備えていると共に触媒劣化抑制制御が実行可能な内燃機関に対し、触媒劣化抑制制御実行時の失火発生を防止するバルブリフト可変機構の制御に適用可能である。
1 エンジン(内燃機関)
31 吸気バルブ(吸気弁)
4 排気通路
42 三元触媒
8 バルブリフト可変機構

Claims (4)

  1. 吸気弁の最大リフト量を内燃機関の運転状態に応じて変更可能とするバルブリフト可変機構が備えられていると共に、排気を浄化するための触媒が排気通路に備えられ、所定の触媒劣化抑制制御実行条件が成立した際に上記触媒の劣化を抑制するための触媒劣化抑制制御を実行する触媒劣化抑制制御手段を有する内燃機関の制御装置において、
    上記バルブリフト可変機構の作動により吸気弁の最大リフト量を減少させる場合の最大リフト量変更速度を、上記触媒劣化抑制制御実行条件の成立時には非成立時に比べて低速度に設定する速度調整手段を備えていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の制御装置において、
    上記内燃機関は車両に搭載されるものであって、
    上記バルブリフト可変機構は、車両減速時に吸気弁の最大リフト量を減少させるようになっており、上記速度調整手段は、この車両減速時に、吸気弁の最大リフト量変更速度を、上記触媒劣化抑制制御実行条件の成立時には非成立時に比べて低速度に設定するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 請求項1または2記載の内燃機関の制御装置において、
    上記吸気弁の目標最大リフト量を設定する目標最大リフト量設定手段を備え、
    上記速度調整手段は、上記触媒劣化抑制制御実行条件の成立時、上記バルブリフト可変機構の作動により吸気弁の最大リフト量を減少させる場合の最大リフト量変更速度を一定の低速度に維持して吸気弁の最大リフト量を上記目標最大リフト量に調整するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 請求項1または2記載の内燃機関の制御装置において、
    上記吸気弁の目標最大リフト量を設定する目標最大リフト量設定手段を備え、
    上記速度調整手段は、上記触媒劣化抑制制御実行条件の成立時、上記バルブリフト可変機構の作動により吸気弁の最大リフト量を減少させる場合の最大リフト量変更速度を変更可能であって、吸気弁の最大リフト量を減少させる動作の開始初期時における最大リフト量変更速度を、上記触媒劣化抑制制御実行条件の非成立時に比べて低速度に設定し、吸気弁の最大リフト量を減少させる動作の途中段階から最大リフト量変更速度を、上記触媒劣化抑制制御実行条件の非成立時と同等の速度に設定するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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