JP2011098427A - 切削インサート - Google Patents

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Abstract

【課題】切屑を湾曲させて容易に分断し、この分断した切屑を速やかに排出することができ、しかも、切削部位の冷却性に優れる切削インサートを提供する。
【解決手段】軸状をなすインサート本体1の長手方向の先端部に切刃部2が形成され、切刃部には、長手方向に沿って延びる横切刃3と、これらの横切刃の先端同士の間に配される正面切刃4とを有するとともに、四角形状のすくい面6が形成されている。すくい面には、幅方向中央部分に正面切刃の中央部とつながる第1の凹部11が形成されるとともに、この第1の凹部とつながる第2の凹部12が形成されている。第1の凹部の先端側には、長手方向先端側から中央側へ向かうに従い漸次厚さ方向に後退する第1のポジすくい面部が形成され、第2の凹部の先端側には、長手方向先端側から中央側へ向かうに従い漸次前記厚さ方向に後退する第2のポジすくい面部が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、旋削加工において被削材の溝入れ加工や突っ切り加工に用いられる切削インサートに関わり、特に、内周面の溝加工に用いて好適な切削インサートに関する。
従来、被削材の溝入れ加工や突っ切り加工に使用される軸状の切削インサートとしては、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。
特許文献1に開示された切削インサートは、軸状をなすインサート本体の長手方向の先端部に切刃部が形成され、切刃部には、長手方向に沿って延びる横切刃と、これらの横切刃の先端同士の間に配されて長手方向に直交する幅方向に延びる正面切刃とを有するとともに、長手方向および幅方向に直交する厚さ方向を向く四角形状のすくい面が形成されている。すくい面には、幅方向中央部分に正面切刃の中央部とつながる第1の凹部が形成されるとともに、第1の凹部の前記長手方向中央側には該第1の凹部とつながる第2の凹部が形成されている。また、すくい面には、正面切刃の両端近傍にバール(突起〉が形成されている。
前述した切削インサートによれば、第1の凹部と第2の凹部と間にあるスクイージングポイント及び正面切刃の両端近傍のバールによって、切屑を縦方向に押し込んで湾曲させることができる。
特開平9―174308号公報
特許文献1に記載の切削インサートにおいては、切屑を好適に湾曲できるものの、切屑を排出性に問題があった。
すなわち、すくい面に形成された第1の凹部と第2の凹部と間にあるスクイージングポイントによって、切屑を湾曲させて分断等できるものの、分断した切屑が第2の凹部に溜まりやすく、切屑を良好に搬出できないという問題があった。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであって、切屑を湾曲させて容易に分断し、この分断した切屑を速やかに排出することができ、しかも、切削部位の冷却性にも優れる切削インサートを提供することを目的とする。
前記の課題を解決するために、本発明は、以下の手段を提案している。
すなわち、本発明に係る切削インサートは、軸状をなすインサート本体の長手方向の先端部に切刃部が形成され、前記切刃部には、前記長手方向に沿って延びる横切刃と、これらの横切刃の先端同士の間に配されて前記長手方向に直交する幅方向に延びる正面切刃とを有するとともに、前記長手方向および前記幅方向に直交する厚さ方向を向く四角形状のすくい面が形成され、前記すくい面には、前記幅方向中央部分に前記正面切刃の中央部とつながる第1の凹部が形成されるとともに、前記第1の凹部の前記長手方向中央側には該第1の凹部とつながる第2の凹部が形成され、前記第1の凹部には、前記長手方向先端側から中央側へ向かうに従い漸次前記厚さ方向に後退する第1のポジすくい面部が形成され、前記第2の凹部には、前記長手方向先端側から中央側へ向かうに従い漸次前記厚さ方向に後退する第2のポジすくい面部が形成されていることを特徴とする。
前記のように構成された切削インサートによれば、切削加工を行う際、正面切刃で削られて生じる切屑は、第1の凹部によるブレーカ作用によって分断される。分断された切屑は、第1の凹部にそのまま残ったり、あるいは第2の凹部まで移動されてそこに残ったり、さらには、第1および第2の凹部に案内されて前記長手方向の中央側のすくい面部上へ至ったりする。
ここで、第1、第2の凹部には先端側がせり上がる第1のポジすくい面部並びに第2のポジすくい面部がそれぞれ形成されているため、第1の凹部または第2の凹部に至った切屑は、これら第1、第2の凹部から正面切刃側へ逆流することはない。すなわち、第1、第2の凹部に至った切屑は、逆流することなく、続けて生成される後段の切屑の流れに沿って長手方向の中央側へ押されて移動する。この結果、切屑の速やかな排出が実現できる。
また、前記長手方向の中央側からすくい面に向けて切削油剤を供給する際に、すくい面の幅方向中央部分に第1、第2の凹部をそれぞれ形成しているため、切削油剤がすくい面との干渉を避けて、できるだけ広範囲にわたって切刃部特に正面切刃へ供給できるため、切刃部を好適に冷却および潤滑することができる。
また、すくい面に向けて供給された切削油剤は、第1の凹部及び第2の凹部にそれぞれ貯留されるため、より多くの切削油剤を切刃部近傍に配することができ、この結果、切刃部をより好適に冷却および潤滑することができる。
前記すくい面の前記第2の凹部の前記幅方向外側には、前記長手方向の先端側から中央側へ向かうに従い前記厚さ方向に後退するポジ傾斜部が形成されていることが好ましい。
この場合、分断された切屑は、第1の凹部から直接あるいは第1の凹部から第2の凹部を経てポジ傾斜部に至るが、ポジすくい面が前記長手方向の先端側から中央側へ向かうに従い前記厚さ方向に後退するように形成されているため、つまり、先端側がせり上がるように形成されているため、このポジ傾斜部に至った切屑は、正面切刃側へ逆流することがない。したがって、ポジ傾斜部に至った切屑は、逆流することなく、続けて生成される後段の切屑の流れに沿って長手方向の中央側へ押されて移動することとなり、切屑の速やかな排出が実現できる。
前記ポジ傾斜部の前記長手方向先端は、第1の凹部と第2の凹部の境界部よりも前
記長手方向先端側に配置されていることが好ましい。
この場合、第1の凹部とポジ傾斜部とが隣接するように配置されるため、分断された切屑は、第2の凹部を経てポジ傾斜部へ至るものの他、第2の凹部を経ることなく第1の凹部から直接ポジ傾斜部へ至るものもある。このポジ傾斜部へ至った切屑は、前述したように正面切刃側への逆流を防止されているため、直接第1の凹部からポジ傾斜部へ至る切屑が増加する分、切屑の排出性が良好になる。
前記第2の凹部の底部は、第1の凹部の底部よりも高くなっていることが好ましい。
この場合、切屑の排出方向に沿って徐々に第1、第2の凹部の底部の高さが高くなるため、切屑の排出性がより良好となる。
本発明に係る切削インサートによれば、第1、第2の凹部に至った切屑を、逆流させることなく、続けて生成される後段の切屑の流れに沿って長手方向の中央側へ移動させることができ、この結果、切屑の速やかな排出が実現できる。
また、前記長手方向の中央側からすくい面に向けて切削油剤を供給する際に、切削油剤をすくい面との干渉を避けて、できるだけ広範囲にわたって正面切刃へ供給することができ、加えて、切削油剤を第1の凹部及び第2の凹部にそれぞれ貯留できるから、切刃部を好適に冷却および潤滑することができる。
本発明の一実施形態に係る切削インサートを示す概略斜視図である。 本発明の一実施形態に係る切削インサートをすくい面側から見た概略平面図である。 本発明の一実施形態に係る切削インサートを示す概略側面図である。 本発明の一実施形態に係る切削インサートをすくい面とは反対側から見た概略底面図である。 本発明の一実施形態に係る切削インサートを示す概略正面図である。 本発明の一実施形態に係る切削インサートの切刃部を拡大して示す概略部分斜視図である。 本発明の一実施形態に係る切削インサートの図2におけるVII−VII線に沿う断面図である。 本発明の一実施形態に係る切削インサートをホルダに組みつけて切削する状況を説明する側面図である。
図1は本発明の一実施形態に係る切削インサートを示す概略斜視図、図2は本発明の一実施形態に係る切削インサートをすくい面側から見た概略平面図、図3は本発明の一実施形態に係る切削インサートを示す概略側面図、図4は本発明の一実施形態に係る切削インサートをすくい面とは反対側から見た概略平面図、図5は本発明の一実施形態に係る切削インサートを示す概略正面図、図6は本発明の一実施形態に係る切削インサートの切刃部を拡大して示す概略部分斜視図、図7は本発明の一実施形態に係る切削インサートの図2におけるVII−VII線に沿う断面図である。
本実施形態の切削インサート10は、超硬合金等の硬質材料により形成されている。図1乃至図5に示すように、切削インサート10は、軸線Lに沿って延びる略方形軸状又は略方形柱状のインサート本体1を有している。インサート本体1の長手方向に沿った両端部には、切刃部2がそれぞれ形成されている。
なお、以下の説明では、図2、図4において前記長手方向に直交する方向をインサート本体1の幅方向、図3において前記長手方向に直交する方向(すなわち前記長手方向及び前記幅方向に直交する方向)をインサート本体1の厚さ方向と呼ぶ。また、インサート本体1の前記長手方向に沿った切刃部2側(すなわち先端側)を単に先端側と呼び、前記長手方向に沿った切刃部2とは反対側(すなわち中央側)を単に中央側と呼ぶ。
インサート本体1は、前記長手方向の中央に位置するとともに軸線Lに垂直な平面Mに関して、略対称に形成されている。また、インサート本体1は、前記幅方向の中央に位置するとともに軸線Lを含み、前記長手方向及び前記厚さ方向に沿う平面Nに関しても、対称な形状とされている。
また、切刃部2には、前記長手方向に延びる一対の横切刃3と、これらの横切刃3の前記先端側の端部同士の間に配されて前記幅方向に延びる正面切刃4と、横切刃3及び正面切刃4を繋ぐ一対のコーナ刃5とが形成されている。図2に示すように、コーナ刃5は、前記厚さ方向から見た平面視において、正面切刃4と横切刃3とに滑らかに接する凸円弧状に形成されている。
図2に示すように、一対の横切刃3は、コーナ刃5から前記中央側に向かうに従い前記幅方向の内側へ向かって互いに接近するように僅かに傾斜して形成され、バックテーパが与えられている。また、図3に示すように、横切刃3は、前記長手方向に沿った中央部分を前記厚さ方向に一旦せり上がるように形成されている。すなわち、横切刃3は、前記先端側の端部から前記中央側へ向かうに連れ漸次前記厚さ方向にせりあがった後、稜線部からさらに前記中央側へ向かうに連れ漸次前記厚さ方向に後退し、その後前記中央側の端部へ向かうに連れ厚さ方向に垂直な平面に沿うようにそれぞれ形成されている。
また、図2の平面視において、正面切刃4は直線状に延びるように形成される一方、図5の正面視において、正面切刃4はそのコーナ刃5側の両端部が前記厚さ方向に垂直な平面上に延びるように形成されているとともに、前記幅方向の中央部分は凹曲線状をなして前記厚さ方向に僅かに窪んで形成されている。
また、平面視において、コーナ刃5の内側には、図示しない幅の極小さなランドが該コーナ刃5に並行するように形成されている。
また、切刃部2には、横切刃3、正面切刃4及びコーナ刃5を辺稜部に備えた略長方形状をなし前記長手方向に延在するとともに、前記厚さ方向を向くすくい面6が形成されている。すくい面6は、正面切刃4、及びコーナ刃5から離間して前記中央側へ向かうに従い漸次前記厚さ方向にせり上がるように傾斜するネガ傾斜部6Aと、ネガ傾斜部6Aの中央側に設けられ、ネガ傾斜部6Aの中央側端からさらに中央側へ向かうに従い前記厚さ方向に後退するポジ傾斜部6Bと、ポジ傾斜部6Bの中央側に設けられ、ポジ傾斜部6Bの中央側端からさらに中央側へ向かい厚さ方向に垂直な平面に沿って延びる平坦面部6Dとを備える。ネガ傾斜部6Aとポジ傾斜部6Bとの間には、稜線部6Cが形成されている。
なお、この明細書において、すくい面におけるポジとネガとは、厚さ方向に垂直な仮想平面を想定し、先端側に向かうに従い漸次該仮想平面から上方へ離れるような角度にある面をポジ、また、中央側に向かうに従い漸次仮想平面から上方へ離れるような角度にある面をネガと呼ぶ。
平坦面部6Dには、厚さ方向の上面部7側を向く略長丸穴状の目印部6Daが形成されている。目印部6Daは、インサート本体1の両暗部に形成された一対の切刃部2を識別するための表示であり、一対の切刃部2のうち一方の切刃部2にのみ形成されている。また、平坦面部6Dの前記中央側の端部は、上面部7の前記端面7Bに連なっている。
また、インサート本体1の切刃部2同士の間には、これらの切刃部2よりも前記厚さ方向の外側に向けて突出する上面部7が形成されている。また、インサート本体1において、前記厚さ方向のうち上面部7とは反対側を向く面には、下面部8が形成されている。
また、上面部7には、前記長手方向に沿って延びる取付溝部7Aが形成されている。取付溝部7Aは、軸線Lに直交する断面が略V字状に形成されている。また、上面部7において、取付溝部7Aの前記先端側に連なる部分には、前記厚さ方向の外側及び前記先端側を向く傾斜面からなる端面7Bがそれぞれ形成されている。詳しくは、端面7Bは、前記中央側から前記先端側へ向かうに従い漸次前記厚さ方向の上面部7側から下面部8側へ向け傾斜して形成されている。
また、下面部8には、前記長手方向に沿って延びる取付溝部8Aが形成されている。取付溝部8Aは、軸線Lに直交する断面が略V字状に形成されている。
切削インサート10は、インサート本体1の取付溝部7A,8Aを、後述するホルダH(インサート着脱式旋削工具)のインサート取付座に挟み込ませることにより、ホルダHに保持されて、被削材の溝入れ加工や突っ切り加工に使用される。
また、インサート本体1の切刃部2には、前記先端側を向く先端面と、前記幅方向の外側を向く一対の側面と、先端面及び一対の側面を繋ぐ一対のコーナ面とがそれぞれ形成されている。また、前記先端面には正面切刃4の逃げ面9が、前記側面には横切刃3の逃げ面9が、前記コーナ面にはコーナ刃5の逃げ面9がそれぞれ形成されている。
また、これらの逃げ面9は、前記厚さ方向の上面部7側から下面部8側に向かうに従い漸次前記幅方向の内側又は前記中央側に向けて後退するように傾斜して形成されている。
このような構成により、切削インサート10は、所謂ポジティブタイプのインサートとされている。
また、インサート本体1の前記先端面、前記側面、及び前記コーナ面における逃げ面9以外の部分は、前記厚さ方向に平行な平面状又は曲面状にそれぞれ形成されている。
また、図6に示すように、すくい面6には、前記幅方向中央部分に前記正面切刃4の中央部とつながる第1の凹部11が形成されるとともに、この第1の凹部11の前記中央側には該第1の凹部11とつながる第2の凹部12が形成されている。第1の凹部11の底部は略凹曲面状に形成され、第2の凹部12の底部も略凹曲面状に形成されている。
第1の凹部11は、正面切刃4との交点である左右の側壁11C、11Cから中央側に向かうに従い漸次幅方向へ広がり稜線部6Cの手前で最大幅となる。また、この位置において底部の深さが最も深くなる。そこから中央側に向かうに従い幅が狭くなり最大幅の略半分程度になったところで第2の凹部12とつながる。この第1の凹部11の第2の凹部12とつながる箇所には、厚さ方向にせり上がり第1の凹部11側からみて凹曲面状とされた壁部11Aが形成されている。壁部11Aの上端の幅方向中央には下方に下がる凹み11Aaが形成されていて、この凹み11Aaを介して第1の凹部11の内部と第2の凹部12の内部とが連通される。
一方、前記第2の凹部12は、第1の凹部11とつながる箇所が最も幅広とされ、そこから中央側に向かうに従い幅が狭くなっている。このため、第1の凹部11の最大幅寸法は、前記第2の凹部12の最大幅寸法よりも大になっている。また、第2の凹部12において底部の最も深くなる箇所は、第1の凹部11とつながる箇所ではなく、そこから中央側へ所定距離寄った箇所、具体的には、壁部11Aと後述する第1のポジすくい面部11Bとの境界部分であってかつ左右方向中央部分である。また、第2の凹部12の最も深い箇所である底部の高さ(第2の凹部12の略中央部分に存する)は、前述した第1の凹部11の最も深い箇所である底部の高さよりも高く設定されている(図7参照)。
また、図7に示すように、第1の凹部11の前記長手方向先端側には、前記長手方向先端側から中央側へ向かうに従い漸次前記厚さ方向に後退する第1のポジすくい面部11Bが形成されている。第1のポジすくい面部11Bの傾斜角αは5°〜25°程度に設定されている。
また、前記第2の凹部12の前記長手方向先端側には、前記長手方向先端側から中央側へ向かうに従い漸次前記厚さ方向に後退する第2のポジすくい面部12Bが形成されている。第2のポジすくい面部12Bの傾斜角βは10°〜15°程度に設定されている。
さらに、前記ポジ傾斜部6Bの傾斜角δは3°〜10°程度に設定されている。
次に、本実施形態の切削インサート10を用いて内径溝入れ加工を行う場合を説明する。図8に示すように、切削インサート10を公知のホルダHに組み付ける。そして、被削材Xの加工対象となる箇所に、切削インサート10の先端を対向させ、当該切削インサート10を軸線L方向の前記先端側に前進させて、切刃部2の正面切刃4とその両端のコーナ刃5とにより被削材Xに対し溝入れ加工する。
内径溝入れ加工の場合には、切削インサート10の先端下部が被削材Xの内周面と干渉しないよう、図8に示すように、先端下部が内周面から後退するように若干傾けて設置する。この状態においても、第1のポジすくい面部11B、第2のポジすくい面部12Bおよびポジ傾斜部6Bが、水平面に対してそれらの先端側が上方へせり上がるように、言いかえればポジとなるように、前述の傾斜角α,β、δの値が設定されている。
切削が開始されると、まず、正面切刃4とコーナ刃5によって被削材Xが切削されて切屑Wが生成される。切屑Wは略帯状になっていて軸線L方向に流れ出る。このとき、切屑Wはまず正面切刃4の形状に対応して、その前記幅方向の中央部分を両端部分よりも僅かに窪ませるように湾曲されて流れ出る。
次いで、切屑Wは、すくい面6上に流れ、その幅方向の両端部近傍を第1の凹部11の左右の側壁11Cの先端にそれぞれ摺接されつつ、そこから前記中央側へ向かって案内されていくに従い、漸次その切屑幅方向の断面形状を、前記湾曲がより強くなるように、つまり切屑幅方向の中央部分をより窪ませた略円弧状へと変化させるように湾曲される。このように切屑Wが湾曲されると、切屑Wは後述するように、外力を受けて容易に分断され易くなるから、円滑かつ確実な切屑処理を促すことが可能となる。
また、切屑Wが前記先端側から前記中央側へ向かうに連れ漸次前記幅方向の中央部分に向けて案内されるように湾曲されるから、切屑Wが、被削材の切削部位から早期に前記幅方向に沿って幅方向外方へ向かって流出することが抑制される。
加えて、第1の凹部11の前記中央側の壁部11Aは中央部分が最も長手方向中央側に後退していること、また、壁部11Aの上端中央には、第2の凹部12につながる凹み11Aaが形成されていることから、切屑Wが前記先端側から前記中央側へ向かうに連れ漸次前記幅方向の中央部分に向けて案内されるから、切屑Wが、被削材Xの切削部位から早期に前記幅方向に沿って幅方向外方へ向かって流出することが抑制されて、切削部位に当たりにくくなる。従って、この点においても、切削部位が切屑Wによって損傷することが抑制され、高精度かつ高品位な切削加工が行える。
また、切屑Wは、その底部が第1の凹部11の底部からは離間されていて、切屑Wの切屑幅方向における中央部分の摩擦抵抗が大幅に減少することから、切削抵抗が低減されて切削加工が円滑に行われる。
また、切屑Wは、前述のように第1の凹部11の左右の側壁11Cに当接されて幅方向中央部が凹むように湾曲された後、次いで、第1の凹部11の前記中央側の壁部11Aに当たり、流れを上方へ変えられるとともに壁部11Aから外力を受けて分断される。すなわち、切屑Wは、幅方向中央部が凹むように湾曲された状態で、さらに切屑流出方向にも湾曲されることとなり、大きな応力を生じさせられることによって分断される。
分断された切屑Wは、第1の凹部11にそのまま残ったり、あるいは第2の凹部12まで移動されてそこに残ったり、さらには、第1および第2の凹部11,12に案内されて前記長手方向の中央側のポジ傾斜部6B上まで至ったりする。
第1の凹部11に至った切屑Wは、続けて生成される後段の切屑Wに押されて、中央側へ移動して第2の凹部12へ至る。また、第2の凹部12に至った切屑Wは、後段の切屑Wに押されて中央側へ移動してポジ傾斜部6Bへ至る。
ここで、第1、第2の凹部11,12には先端側がせり上がる第1のポジすくい面部11B並びに第2のポジすくい面部12Bがそれぞれ形成されているため、第1の凹部11または第2の凹部12に至った切屑Wは、これら第1、第2の凹部11,12から正面切刃側へ逆流することがない。すなわち、第1、第2の凹部11,12に至った切屑Wは、逆流することなく、続けて生成される後段の切屑Wの流れに沿って前記中央側へ押されて移動する。
また、第1、第2の凹部11,12に至った切屑Wは、続けて生成される後段の切屑Wの流れに沿って前記中央側へ押されて、1の凹部11から直接あるいは第2の凹部12を経てポジ傾斜部6Bへ至る。ポジ傾斜部6Bに至った切屑は、ポジ傾斜部6Bが先端側に向かうに従いせり上がるように形成されているため、ここから正面切刃4側へ逆流することがない。このようにポジ傾斜部6Bに至った切屑Wは、逆流することなく、続けて生成される後段の切屑Wの流れに沿って中央側へ押されて移動することとなり、この結果、切屑Wの速やかな排出が実現でき、切屑Wによる切削部位の損傷をより抑制することができる。
また、ポジ傾斜部6Bの前記長手方向先端は、第1の凹部11と第2の凹部12の境界部よりも前記長手方向先端側に配置されており、第1の凹部11とポジ傾斜部6Bとは隣接するように配置されている。分断された切屑は、第2の凹部12を経てポジ傾斜部6Bへ至るものの他、第2の凹部12を経ることなく第1の凹部11から直接ポジ傾斜部6Bへ至るものもある。このポジ傾斜部へ至った切屑は、前述したように正面切刃側への逆流を防止されているため、直接ポジ傾斜部6Bへ至る切屑Wが増加する分、切屑の排出性が良好になる。
また、第2の凹部12の底部は、第1の凹部11の底部よりも高くなっており、このように切屑Wの排出方向に沿って徐々に底部の高さが高くなるため、より良好な切屑の排出性が確保される。
また、通常、被削材Xに溝入れ加工等の際には、正面切刃4やコーナ刃5による切削部位の潤滑や冷却のため、切刃部2の前記中央側からすくい面6に向けて切削油剤を供給するが、すくい面6の幅方向中央部分に第1、第2の凹部11,12をそれぞれ形成しているため、切削油剤がすくい面6との干渉を避けて、できるだけ広範囲にわたって切刃部2、特に正面切刃4へ供給できるため、切刃部2を好適に冷却および潤滑することができる。
また、すくい面6に向けて供給された切削油剤は、第1の凹部11及び第2の凹部12にそれぞれ貯留されるため、より多くの切削油剤を切刃部2近傍に配することができ、この結果、切刃部2をより好適に冷却および潤滑することができる。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
例えば、本実施形態では、第1の凹部11の最大幅を第2の凹部12の最大幅よりも大に設定しているが、これに限られることなく、第1の凹部11の最大幅と第2の凹部12の最大幅を同程度に設定してもよく、あるいは逆に、第1の凹部11の最大幅を第2の凹部12の最大幅よりも小に設定してもよい。
また、本実施形態では、第2の凹部12の外側にポジ傾斜部6Bを設けているが、このすくい面部6Bは必ずしもポジに形成する必要はなく、厚さ方向に垂直な平面と平行となるように形成しても良く、あるいは先端側に向かうに従い厚さ方向に後退するようネガに形成してもよい。
また、本実施形態では、第1の凹部11の中央側に設けた壁部11Aを略凹曲面状に形成しているが、壁部の形状は、これに限られることなく、例えば、それ以外の複数の平面からなる略凹をなす多角面状であっても良い。
1 インサート本体
2 切刃部
3 横切刃
4 正面切刃
6 すくい面
6A ネガ傾斜部
6B ポジ傾斜部
10 切削インサート
11 第1の凹部
11A 壁部
11B 第1のポジすくい面部
12 第2の凹部
12B 第2のポジすくい面部

Claims (4)

  1. 軸状をなすインサート本体の長手方向の先端部に切刃部が形成され、
    前記切刃部には、前記長手方向に沿って延びる横切刃と、これらの横切刃の先端同士の間に配されて前記長手方向に直交する幅方向に延びる正面切刃とを有するとともに、前記長手方向および前記幅方向に直交する厚さ方向を向く四角形状のすくい面が形成され、
    前記すくい面には、前記幅方向中央部分に前記正面切刃の中央部とつながる第1の凹部が形成されるとともに、前記第1の凹部の前記長手方向中央側には該第1の凹部とつながる第2の凹部が形成され、
    前記第1の凹部の前記長手方向先端側には、前記長手方向先端側から中央側へ向かうに従い漸次前記厚さ方向に後退する第1のポジすくい面部が形成され、
    前記第2の凹部の前記長手方向先端側には、前記長手方向先端側から中央側へ向かうに従い漸次前記厚さ方向に後退する第2のポジすくい面部が形成されていることを特徴とする切削インサート。
  2. 請求項1に記載の切削インサートであって、
    前記すくい面の前記第2の凹部の前記幅方向外側には、前記長手方向の先端側から中央側へ向かうに従い前記厚さ方向に後退するポジ傾斜部が形成されていることを特徴とする切削インサート。
  3. 請求項2に記載の切削インサートであって、
    前記ポジ傾斜部の前記長手方向先端は、第1の凹部と第2の凹部の境界部よりも前
    記長手方向先端側に配置されていることを特徴とする切削インサート。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の切削インサートであって、
    前記第2の凹部の底部は、第1の凹部の底部よりも高くなっていることを特徴とする切削インサート。
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