JP2011097928A - コーングルテンミールからの亜硫酸類除去方法 - Google Patents

コーングルテンミールからの亜硫酸類除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】二酸化硫黄含量が30ppm未満のコーングルテンミール加熱処理品およびその製造方法を提供する。
【解決手段】二酸化硫黄含量が30ppm未満であり、タンパク質含量が乾燥重量基準で50〜99重量%であるコーングルテンミール加熱処理品。105℃〜150℃でコーングルテンミール原料を加熱して二酸化硫黄含量が30ppm未満のコーングルテンミール加熱処理品を得る工程を包含するコーングルテンミール加熱処理品の製造方法。特定の実施形態では、前記コーングルテンミール原料への通気を行いながら前記加熱工程を行ってもよい。
【選択図】図2

Description

本発明は、トウモロコシからコーンスターチを製造する際に副産物として得られるタンパク質(コーングルテンともいう)から二酸化硫黄(SO)などの亜硫酸類を除去する方法に関する。
トウモロコシからコーンスターチを工業的に製造する方法には、ウェットミリングとドライミリングの2つの粉砕方法がある。ドライミリングは胚乳、胚芽など植物組織構成毎に分離する方法である。他方、ウェットミリングは、澱粉、胚芽、繊維、タンパク質などの化学成分毎に分離する方法である。
コーンスターチの製造ではウェットミリングが採用されることが多い。ウェットミリングは、(1)トウモロコシ粒の精選、(2)浸漬、(3)胚芽の分離、(4)磨砕および種皮の分離、(5)コーンスターチとコーングルテンとの分離、という5つの基本的な工程を含む。分離されたコーングルテンを含む分散液は通常濃縮され、水分約60%に脱水され、そして乾燥されてコーングルテンミール粉末が得られる(図1)。
(2)浸漬の工程は、ウェットミリングにおいて最も長時間を要し、かつ生化学的反応を伴う。浸漬には一般に約0.1%〜約0.3%の希薄亜硫酸水が用いられ、一般に約48℃〜約50℃にて約40時間〜約50時間の浸漬が行われる。トウモロコシの粒を柔軟にし、各成分の分離を良好にするためには、最初の工程で希薄亜硫酸水を使用することが必須である。
しかし、澱粉(コーンスターチ)から洗浄によって亜硫酸類を除去することはできるが、副産物のひとつであるコーングルテンミールには比較的多量(一般に、二酸化硫黄として約100〜200ppm)の亜硫酸類が残存し、洗浄によって除去することも困難である。これはコーングルテンミールに亜硫酸類が結合して存在しているためと考えられる。
亜硫酸およびその塩類は酸化防止、変色防止、保存性向上、防カビ、漂白等の効果を有することから、ワインをはじめとする食品に幅広く用いられている。日本では摂取量や安全性などの知見を基にして、食品中に亜硫酸およびその塩類に対する表示義務と使用基準が定められている。使用量はかんぴょうや乾燥果実といった特別に定められたものを除き、食品中の二酸化硫黄(SO)の残存量として30ppm未満に制限されている。
通常のコーングルテンミールは上記のとおり二酸化硫黄含量が高く、この基準を満たさないために食品用としては使用できず、現在は主に家畜用飼料として用いられている。二酸化硫黄含量が30ppmになるように通常のコーングルテンミールから亜硫酸類を除去できれば、コーングルテンミールを植物性蛋白源として人間の食用とすることができると考えられる。
米国の食品医薬品局(FDA)では、残存二酸化硫黄として10ppm以上含有する食品について、その表示を義務づけている。亜硫酸類は通常、健康な人には問題はないが、喘息症をはじめとする人々には健康上有害となる可能性が報告されている。この観点からも、コーングルテンミール中の亜硫酸類の含量をできるだけ少なくすることが望ましい。
本発明者らが調べた限りでは、コーングルテンミール中の亜硫酸類の残存量を低減することに関する公知文献は知られていない。
亜硫酸類の除去に関しては特許文献1(特開2004−275795号公報)が公知である。特許文献1は、亜硫酸イオン含有水を、鉄イオン又は重クロム酸イオンの存在下に、pH2.5〜4で空気酸化することを特徴とする亜硫酸イオンの除去方法を記載する。
酸化性物質の存在下で亜硫酸イオンを硫酸イオンに変化させて除去できることは特許文献1から公知である。しかし、コーングルテンミールの場合、亜硫酸類は主に結合型として存在しているため、特許文献1に記載の方法で亜硫酸類を除去することは困難である。本発明者らは、特許文献1に記載の方法をもとにコーングルテンミールの亜硫酸類の除去を試みたが、亜硫酸類を除去する効果は認められなかった。
非特許文献1(「衛生試験法・注解 2000」日本薬学会編、金原出版、p.304−308)は、「改良ランキン法」と呼ばれる食品中の二酸化硫黄としての亜硫酸類含量の分析法を記載する。この方法では、試料をリン酸水溶液中で通気し、揮発した亜硫酸ガス(すなわち、気体状の二酸化硫黄)を定量する。この方法によれば、氷冷下で通気することにより遊離型の亜硫酸類を、加熱条件で通気することにより結合型の亜硫酸類を定量できる。
非特許文献1の記載から、酸性条件で通気加熱することにより亜硫酸類を遊離・揮発除去し得ることが公知である。しかし、本発明者らが引用文献1に記載の方法に準じてコーングルテンミールの亜硫酸類の低減を試みたところ、加熱によりコーングルテンミール中に含まれる澱粉が糊化してしまうことが分かった。それゆえ、非特許文献1に記載の方法では、コーングルテンミールの組成の変化が避けられないこと、糊化による粘度上昇で亜硫酸類の除去が効率的に行えないことといった問題が生じる。
それゆえ、コーングルテンミールから亜硫酸類をより効果的に除去し得る方法を提供できれば非常に有用である。
特開2004−275795号公報
「衛生試験法・注解 2000」日本薬学会編、金原出版、p.304−308
本発明は、上記問題点の解決を意図するものであり、二酸化硫黄含量が30ppm未満のコーングルテンミール加熱処理品を提供すること、およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、コーングルテンミール原料を約105℃〜約150℃の温度で加熱することにより二酸化硫黄含量を30ppm未満に低減できることを見出し、これに基づいて本発明を完成させた。
最も好ましい実施形態では、例えば、コーングルテンミール粉末を約130℃で加熱することにより、二酸化硫黄含量が30ppm未満になるように亜硫酸類を除去することができる(図2)。
好ましい実施形態によれば、例えば以下のコーングルテンミール加熱処理品およびその製造方法が提供される:
(項目1)
二酸化硫黄含量が30ppm未満であるコーングルテンミール加熱処理品。
(項目2)
二酸化硫黄含量が10ppm以下である項目1に記載のコーングルテンミール加熱処理品。
(項目1A)
二酸化硫黄含量が30ppm未満であり、タンパク質含量が乾燥重量基準で50〜99重量%であるコーングルテンミール加熱処理品。
(項目2A)
二酸化硫黄含量が10ppm以下である項目1Aに記載のコーングルテンミール加熱処理品。
(項目3A)
タンパク質含量が乾燥重量基準で60〜95重量%である項目1Aまたは2Aに記載のコーングルテンミール加熱処理品。
(項目4A)
澱粉含量が乾燥重量基準で0.5〜25重量%である項目1A〜3Aのいずれか1項に記載のコーングルテンミール加熱処理品。
(項目3)
105℃〜150℃でコーングルテンミール原料を加熱して二酸化硫黄含量が30ppm未満のコーングルテンミール加熱処理品を得る工程を包含する項目1または項目1Aに記載のコーングルテンミール加熱処理品の製造方法。
(項目4)
前記加熱工程での加熱温度が110℃〜140℃である項目3に記載の方法。
(項目5)
前記加熱工程での加熱温度が110℃〜135℃である項目3に記載の方法。
(項目6)
前記加熱工程での加熱温度が120℃〜135℃である項目3に記載の方法。
(項目7)
前記加熱工程での加熱温度が125℃〜135℃である項目3に記載の方法。
(項目8)
加熱を開始する際の前記コーングルテンミール原料の水分量が70重量%以下であり、二酸化硫黄含量が100〜3000ppmである項目3〜7のいずれか1項に記載の方法。
(項目9)
加熱時間が20分間以上270分間以下である、項目8に記載の方法。
(項目10)
加熱を開始する際の前記コーングルテンミール原料の水分量が10〜14重量%であり、二酸化硫黄含量が100〜200ppmである項目8に記載の方法。
(項目11)
加熱時間が20分間以上240分間以下である、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記コーングルテンミール原料を水分量3%以下まで乾燥する、項目10〜11のいずれか1項に記載の方法。
(項目13)
加熱を開始する際の前記コーングルテンミール原料の水分量が20〜70重量%であり、二酸化硫黄含量が100〜3000ppmである項目8に記載の方法。
(項目14)
加熱時間が50分間以上270分間以下である、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記コーングルテンミール原料を水分量3%以下まで乾燥する、項目13〜14のいずれか1項に記載の方法。
(項目16)
コーングルテンミール分散液またはコーングルテンミール濃縮液を脱水してコーングルテンミール原料を得る工程をさらに包含し、該コーングルテンミール分散液または該コーングルテンミール濃縮液のpHが1〜6に調整される、項目3〜15のいずれか1項に記載の方法。
(項目17)
前記コーングルテンミール分散液または前記コーングルテンミール濃縮液のpHが3〜4に調整される項目16に記載の方法。
(項目18)
前記加熱工程において加熱とともに前記コーングルテンミール原料への通気を行う項目3〜17のいずれか1項に記載の方法。
(項目19)
前記加熱工程が乾燥機を用いて連続式で行われ、ここで、該乾燥機が乾燥ゾーンを有し、乾燥開始時に前記コーングルテンミールが該乾燥ゾーンの入り口に入って出口へと移動し、乾燥終了時に前記コーングルテンミール加熱処理品が出口から出る項目3〜18のいずれか1項に記載の方法。
(項目20)
前記入り口温度が50℃〜200℃であり、出口温度が105℃〜150℃であり、ゾーン温度が105℃〜150℃である項目19に記載の方法。
(項目21)
前記加熱工程が乾燥機を用いてバッチ式で行われる項目3〜18のいずれか1項に記載の方法。
(項目22)
前記加熱温度が105℃〜150℃である項目21に記載の方法。
(項目23)
前記加熱工程において乾燥オーブン中に前記コーングルテンミール原料が置かれて乾燥される項目3〜18のいずれか1項に記載の方法。
(項目24)
前記加熱工程が130℃で50分間以上と同程度の加熱を行う、項目23に記載の方法。
(項目25)
前記加熱工程が105℃〜115℃であり、45分間〜210分間の加熱を行う項目3および8〜24のいずれか1項に記載の方法。
(項目26)
前記加熱工程が115℃〜125℃であり、40分間〜190分間の加熱を行う項目3および8〜24のいずれか1項に記載の方法。
(項目27)
前記加熱工程が125℃〜135℃であり、35分間〜170分間の加熱を行う項目3および8〜24のいずれか1項に記載の方法。
(項目28)
前記加熱工程が135℃〜145℃であり、30分間〜150分間の加熱を行う項目3および8〜24のいずれか1項に記載の方法。
(項目29)
前記加熱工程が、伝熱加熱型乾燥装置を用いて行われる、項目3〜28のいずれか1項に記載の方法。
本発明の方法により、コーングルテンミールの過度の着色を生じることなく、二酸化硫黄含量を30ppm未満に低減することができる。本発明のコーングルテンミール加熱処理品は、二酸化硫黄含量が30ppm未満であるので、人間用の食材およびその原料として使用することができる。さらに、ペットの飼料としても安心して使用できるため、飼い主へのアピール度が高い。
図1は、従来のコーングルテンミールの製造工程の模式図である。 図2は、本発明の方法と、従来の方法とを対比して記載した、コーングルテンミールの製造工程の模式図である。 図3は、従来のコーングルテンミール粉末を各種温度にて60分間加熱した場合に得られた加熱処理品の二酸化硫黄含量を示すグラフである。このグラフは、加熱温度と二酸化硫黄含量との関係を示す。 図4は、従来のコーングルテンミール粉末を130℃にて種々の時間にわたって加熱した場合に得られた加熱処理品の二酸化硫黄含量を示すグラフである。このグラフは、加熱時間と二酸化硫黄含量との関係を示す。 図5は、従来のコーングルテンミール粉末を100℃、115℃または130℃で種々の時間にわたって加熱した場合に得られた加熱処理品の二酸化硫黄含量を示すグラフである。このグラフは、各加熱温度における加熱時間と二酸化硫黄含量の関係を示す。 図6は、脱水前のコーングルテンミール懸濁液(スラリー)のpHと二酸化硫黄含量の関係を示すグラフである。 図7は、各試験における加熱温度と加熱時間との関係を示すグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書中で使用される場合、用語「コーングルテンミール原料」とは、二酸化硫黄含量が30ppm以上のコーングルテンミールをいう。
本明細書中で使用される場合、用語「コーングルテンミール加熱処理品」とは、本発明の方法によって製造した、二酸化硫黄含量が30ppm未満のコーングルテンミールをいう。
本明細書中で使用される場合、用語「コーングルテンミール」とは、トウモロコシ粒からウェットミリングによって分離される、タンパク質と澱粉とを主成分とする材料をいう。コーングルテンミールは、グルテンミールともいわれる。コーングルテンミールは一般に、乾燥重量で、約70重量%のタンパク質と約15重量%の澱粉とを主成分とする。コーングルテンミール中のタンパク質はコーングルテンといわれ、その主成分はゼインおよびグルテリンであり、ゼインは、トウモロコシ粒中のタンパク質の約50〜55重量%を占める。ゼインは疎水性アミノ酸を多く含むため、不溶性である。コーングルテンミールからゼインまたはグルテリンの大部分または全部を除去したもの(例えば、精製グルテリンまたは精製ゼイン)はコーングルテンミールの範囲には含まれない。
本明細書中で使用される場合、「亜硫酸類」とは、亜硫酸、その塩類、亜硫酸イオン、結合型亜硫酸ならびに二酸化硫黄を包含していう。
本明細書中で使用される場合、「二酸化硫黄含量」とは、改良ランキン法のアルカリ滴定法に従って測定される、サンプルの乾燥重量あたりの二酸化硫黄の量をいう。好ましくは、二酸化硫黄含量は、実施例の「亜硫酸含量分析方法」に記載の方法に従って測定される二酸化硫黄含量である。「二酸化硫黄含量」として測定される二酸化硫黄は、食品中では、二酸化硫黄として含まれているとは限らず、亜硫酸またはその塩、亜硫酸イオン、結合型亜硫酸などとして含まれていてもよい。改良ランキン法では、試料が水中で加熱され、亜硫酸などの亜硫酸類は加熱によって二酸化硫黄として蒸発するため、亜硫酸類は二酸化硫黄の含量として測定される。
(1.コーングルテンミール原料)
コーングルテンミール原料としては、トウモロコシ粒のウェットミリングによって得られる、脱水後の任意のコーングルテンミールを使用することができる。例えば、コーンスターチの製造において副産物として得られる、脱水されているが乾燥されていないコーングルテンミールを使用してもよく、脱水後部分的に乾燥されたコーングルテンミールを使用してもよく、あるいは、従来通りの方法で製造されたコーングルテンミール粉末などを使用してもよい。あるいは、乾燥したグルテンミールの一部を未乾燥のコーングルテンミールと混合したものを使用してもよい。さらに例えば、以下においてより詳細に説明するように、コーングルテンミール分散液またはコーングルテンミール濃縮液を適切なpHに調整した後、脱水および加熱乾燥してもよい。
本発明で使用し得るコーングルテンミール原料と従来のコーングルテンミールの製法との比較を図2に模式的に示す。図2に示すように、本発明においては、従来の方法に従ってトウモロコシ粒から分離されて脱水したものを直接本発明の方法で加熱乾燥してもよく、従来のコーングルテンミールを本発明の方法で加熱乾燥してもよい。すなわち、本発明の方法においては、従来の方法に従って、トウモロコシ粒を精選し、精選されたトウモロコシ粒を希薄亜硫酸水中に浸漬し、浸漬後のトウモロコシ粒から胚芽を分離して除去し、胚芽を分離したトウモロコシ粒を磨砕して種皮を除去し、コーングルテンミールをコーンスターチから分離することによってコーングルテンミール分散液を得て、その分散液を濃縮することによりコーングルテンミール濃縮液を得て、この濃縮液を脱水することにより脱水後のコーングルテンミール原料を得ることができる。さらに、この脱水後のコーングルテンミールを従来の方法で加熱乾燥して得られるコーングルテンミール粉末も、本願方法の出発材料として使用することができる。
本発明の方法において加熱乾燥されるコーングルテンミール原料の水分量は、任意に設定できる。このコーングルテンミール原料の水分量は好ましくは約70重量%以下であり、より好ましくは約60重量%以下であり、さらに好ましくは約50重量%以下である。コーングルテンミール原料の水分量に特に下限はないが、例えば、約5重量%以上、約6重量%以上、約7重量%以上、約8重量%以上、約9重量%以上、約10重量%以上などである。
コーングルテンミール原料は、上記のように、少なくとも脱水がされたものである。下記の比較例8−1から8−8に記載するように、コーングルテンミールが分散液または濃縮液の状態であると、加熱により分散液または濃縮液の粘度が上昇し、亜硫酸の除去が難しいからである。脱水されているが加熱乾燥がされていないコーングルテンミール原料の水分量は、好ましくは約70重量%以下であり、より好ましくは約60重量%以下であり、さらに好ましくは約50重量%以下である。脱水されているが加熱乾燥がされていないコーングルテンミール原料の水分量は、通常、約30重量%以上である。
コーングルテンミール原料は、pH調整済みのコーングルテンミール原料であることが好ましい。pH調整済みのコーングルテンミール原料は、例えば、コーングルテンミール濃縮液を脱水してコーングルテンミール原料を得る前に、コーングルテンミールを含む分散液またはその濃縮液のpHを調整することによって得られる。一般に、従来のウェットミリングにおいて得られるコーングルテンミール分散液のpHは約3.5であり、コーングルテンミール濃縮液のpHは約3.5である。
コーングルテンミール原料を得るためのコーングルテンミール分散液または濃縮液のpHは、好ましくは約1以上、より好ましくは約3以上、さらに好ましくは約4に調整される。コーングルテンミール原料を得るためのコーングルテンミール分散液または濃縮液のpHは、好ましくは約6以下、より好ましくは約4以下、さらに好ましくは約4に調整される。pH調整は、従来のpH調整法と同様に、酸またはアルカリを使用して行われ得る。pH調整に使用される酸およびアルカリは、食品に使用可能な任意の酸およびアルカリであり得る。コーングルテンミール原料のpHが低すぎるとタンパク質の分解およびそれに伴う着色反応が起きる場合がある。コーングルテンミール原料のpHが高すぎてもタンパク質の分解およびそれに伴う着色反応が起きる場合がある。また、コーングルテンミール原料のpHが高すぎると濾過ができなくなる場合がある。
本明細書中で使用される場合、用語「コーングルテンミール分散液」とは、ウェットミリング法によって得られる、コーングルテンおよび澱粉を主成分とする分散液、あるいは、脱水後未乾燥のコーングルテンミールケーキまたは乾燥したコーングルテンミール粉末を水に分散させることによって得た分散液をいう。コーングルテンミール分散液の固形分濃度は、好ましくは約1重量%以上であり、より好ましくは約1.5重量%以上である。コーングルテンミール分散液の固形分濃度は、好ましくは約40重量%以下であり、より好ましくは約35重量%以下であり、さらに好ましくは約30重量%以下である。ウェットミリング法によって得られるコーングルテンミール分散液の場合、固形分濃度は好ましくは約5重量%以下であり、より好ましくは約3重量%以下である。
本明細書中で使用される場合、用語「コーングルテンミール濃縮液」とは、ウェットミリング法によって得られるコーングルテンミール分散液を濃縮することによって得られる液体をいう。コーングルテンミール濃縮液の固形分濃度は、好ましくは約6重量%以上であり、より好ましくは約8重量%以上であり、最も好ましくは約10重量%以上である。コーングルテンミール濃縮液の固形分濃度は、好ましくは約30重量%以下であり、より好ましくは約20重量%以下であり、最も好ましくは約15重量%以下である。
コーングルテンミール原料が、脱水後に一部加熱乾燥されたコーングルテンミールである場合、このコーングルテンミール含量の水分含量は、好ましくは約40重量%以下であり、より好ましくは約30重量%以下であり、さらに好ましくは約20重量%以下である。脱水後に一部加熱乾燥されたコーングルテンミール原料の水分量は、通常、約20重量%以上である。
コーングルテンミール原料が、従来の脱水後に加熱乾燥されたコーングルテンミール(粉末)である場合、このコーングルテンミール原料の水分含量は、好ましくは約20重量%以下であり、より好ましくは約15重量%以下であり、さらに好ましくは約13重量%以下である。脱水後に加熱乾燥されたコーングルテンミール原料の水分量は、通常、約10重量%以上である。このコーングルテンミール原料の水分量は、例えば、約3重量%以上、約5重量%以上、約6重量%以上、約7重量%以上、約8重量%以上、約9重量%以上などであってもよい。
コーングルテンミール原料としては、コーンスターチの製造過程で生じる副産物を使用してもよく、あるいは、市販されるコーングルテンミール粉末を購入してもよい。
コーングルテンミール原料は、澱粉とコーングルテンミールとの分離後に脱澱粉処理が行われたコーングルテンミールであってもよい。脱澱粉処理の方法は当該分野で公知であり、例えば特公表2000-509760などに記載されている。脱澱粉処理は、例えば、コーングルテンミールを含有する懸濁液または濃縮液中にアミラーゼなどの澱粉分解酵素を添加して澱粉を分解させることにより行われ得る。なお、本発明の方法に従って得られたコーングルテンミール加熱処理品を脱澱粉処理することもできる。この場合は、適切な溶媒(例えば、緩衝液など)中にコーングルテンミール加熱処理品とアミラーゼなどの澱粉分解酵素とを添加して澱粉を分解させることにより行われ得る。
本発明の方法において使用されるコーングルテンミール原料は、その製造工程においてホップ及び/又は樹木樹脂及び/又は脂肪酸又はこれらの混合物に基づく活性物質を使用する必要はなく、これらの活性物質を使用せずに製造されたものであることが好ましい。製造工程において活性物質(例えば、アルファ酸、ベータ酸、イソ−アルファ酸、ジヒドロイソ−アルファ酸、テトラヒドロイソ−アルファ酸、ヘキサヒドロイソ−アルファ酸、ヘキサヒドロ−ベータ酸、ロジン、脂肪酸、特にミリスチン酸又はこれらの混合物)を添加してしまうと、このような活性物質がコーングルテンミールに吸着し、水洗等の精製工程で除去することは極めて困難であると考えられる。また、アルファ酸、ベータ酸、イソ−アルファ酸、ジヒドロイソ−アルファ酸等のホップ樹脂由来成分はビールの苦味のもととなる成分として知られている。さらに、松脂(ロジン、コロフォニーも同義)や脂肪酸類は独特の臭気を持つ物質である。そのため、これらの物質がコーングルテンミール原料に吸着してしまうと、本発明の方法によって得られるコーングルテンミール加熱処理品に苦味が付与されると考えられる。したがって、これらの活性物質を使用せずに製造されたコーングルテンミール原料を使用することが好ましい。
本発明の方法において乾燥に使用されるコーングルテンミール原料の温度は、特に限定されない。例えば、コーングルテンミール原料を室温(約15℃〜約25℃)で保管してあるのであれば室温のままでよい。従来のコーンスターチ製造の方法において脱水された直後のコーングルテンミール原料の温度は通常、約50℃〜約90℃である。これをそのまま本発明の方法に使用することができる。脱水後の温かいコーングルテンミール原料を使用すると加熱に要するエネルギーの無駄が少ないので、温かいコーングルテンミール原料を使用することが好ましい。
コーングルテンミール原料は、粉末状またはフレーク状であることが好ましく、粉末状であることが最も好ましい。コーングルテンミール原料の直径は、好ましくは約10mm以下であり、より好ましくは約8mm以下であり、さらに好ましくは約5mm以下であり、最も好ましくは約3mm以下である。コーングルテンミール原料の最適な直径は用途によって異なるが、通常は、約0.1mm以上、約0.5mm以上、約1mm以上などである。
(2.コーングルテンミール加熱処理品の製造方法)
本発明のコーングルテンミール加熱処理品の製造方法は、105℃〜150℃でコーングルテンミール原料を加熱して二酸化硫黄含量が30ppm未満のコーングルテンミール加熱処理品を得る工程を包含する。コーングルテンミール原料の加熱時間は、得られるコーングルテンミール加熱処理品の二酸化硫黄含量を30ppm未満にするに充分な時間である。本発明によれば、コーングルテンミール原料を約105℃〜約150℃で加熱処理することで亜硫酸を低減できる。
コーングルテンミール原料を加熱する際に二酸化硫黄含量を30ppm未満にするに充分な時間は、コーングルテンミール原料の水分含量によって変動し得る。これは、コーングルテンミール原料中に含まれる水分を蒸発させるために熱量が使用されるためであると考えられる。
コーングルテンミール原料の加熱温度は、好ましくは約105℃以上であり、より好ましくは約110℃以上であり、さらに好ましくは約120℃以上であり、最も好ましくは約125℃以上である。コーングルテンミール原料の加熱温度は、好ましくは約150℃以下であり、より好ましくは約145℃以下であり、さらに好ましくは約140℃以下であり、最も好ましくは約135℃以下である。加熱温度が低すぎると二酸化硫黄を充分に除去できない場合がある。加熱温度が高すぎるとタンパク質の熱分解またはそれに伴う着色が生じる場合がある。
例えば、加熱を開始する際のコーングルテンミール原料の水分量が約70重量%以下であり、二酸化硫黄含量が約100〜3000ppmである場合(例えば、乾燥されたコーングルテンミール原料(例えば、従来のコーングルテンミール粉末)、脱水されて一部加熱乾燥されたコーングルテンミール原料、脱水ケーキと加熱乾燥されたコーングルテンミールを混合して流動性を高めた原料、脱水されているが乾燥されていないコーングルテンミール原料である場合(例えば、コーングルテンミールの脱水ケーキである場合))、加熱時間は好ましくは約20分間以上であり、より好ましくは約30分間以上であり、さらに好ましくは約50分間以上である。コーングルテンミールが変質しない限り、加熱時間の上限は特にないが、生産性を考えると、加熱時間は好ましくは約270分間以下であり、より好ましくは約230分間以下であり、さらに好ましくは約210分間以下である。
1つの実施形態では、
(1)加熱温度が105℃〜115℃である場合、加熱時間は好ましくは約45分間以上であり、より好ましくは約60分間以上であり、さらに好ましくは約70分間以上であり、加熱時間は好ましくは約210分間以下であり、より好ましくは約190分間以下であり、さらに好ましくは約170分間以下である;
(2)加熱温度が115℃〜125℃である場合、加熱時間は好ましくは約40分間以上であり、より好ましくは約50分間以上であり、さらに好ましくは約60分間以上であり、加熱時間は好ましくは約190分間以下であり、より好ましくは約170分間以下であり、さらに好ましくは約150分間以下である;
(3)加熱温度が125℃〜135℃である場合、加熱時間は好ましくは約35分間以上であり、より好ましくは約40分間以上であり、さらに好ましくは約50分間以上であり、加熱時間は好ましくは約170分間以下であり、より好ましくは約150分間以下であり、さらに好ましくは約130分間以下である;
(4)加熱温度が135℃〜145℃である場合、加熱時間は好ましくは約30分間以上であり、より好ましくは約35分間以上であり、さらに好ましくは約40分間以上であり、加熱時間は好ましくは約150分間以下であり、より好ましくは約130分間以下であり、さらに好ましくは約110分間以下である。
例えば、加熱を開始する際のコーングルテンミール原料の水分量が約10〜14重量%であり、二酸化硫黄含量が約100〜200ppmである場合(例えば、乾燥されたコーングルテンミール原料、例えば、従来のコーングルテンミール粉末)、加熱時間は好ましくは約20分間以上であり、より好ましくは約30分間以上であり、さらに好ましくは約50分間以上である。コーングルテンミールが変質しない限り、加熱時間の上限は特にないが、生産性を考えると、加熱時間は好ましくは約240分間以下であり、より好ましくは約200分間以下であり、さらに好ましくは約180分間以下である。
さらに好ましい実施形態では、加熱を開始する際のコーングルテンミール原料の水分量が約10〜14重量%であり、二酸化硫黄含量が約100〜200ppmである場合、加熱温度によって以下のような加熱時間であることが好ましい:
(1)加熱温度が105℃〜115℃である場合、加熱時間は好ましくは約45分間以上であり、より好ましくは約60分間以上であり、さらに好ましくは約70分間以上であり、加熱時間は好ましくは約180分間以下であり、より好ましくは約160分間以下であり、さらに好ましくは約140分間以下である;
(2)加熱温度が115℃〜125℃である場合、加熱時間は好ましくは約40分間以上であり、より好ましくは約50分間以上であり、さらに好ましくは約60分間以上であり、加熱時間は好ましくは約160分間以下であり、より好ましくは約140分間以下であり、さらに好ましくは約120分間以下である;
(3)加熱温度が125℃〜135℃である場合、加熱時間は好ましくは約35分間以上であり、より好ましくは約40分間以上であり、さらに好ましくは約50分間以上であり、加熱時間は好ましくは約140分間以下であり、より好ましくは約120分間以下であり、さらに好ましくは約100分間以下である;
(4)加熱温度が135℃〜145℃である場合、加熱時間は好ましくは約30分間以上であり、より好ましくは約35分間以上であり、さらに好ましくは約40分間以上であり、加熱時間は好ましくは約120分間以下であり、より好ましくは約100分間以下であり、さらに好ましくは約80分間以下である。
例えば、加熱を開始する際のコーングルテンミール原料の水分量が約15〜50重量%であり、二酸化硫黄含量が約100〜300ppmである場合(例えば、脱水されて一部加熱乾燥されたコーングルテンミール原料や、脱水ケーキと加熱乾燥されたコーングルテンミールを混合して流動性を高めた原料)、加熱時間は好ましくは約35分間以上であり、より好ましくは約45分間以上であり、さらに好ましくは約65分間以上である。コーングルテンミールが変質しない限り、加熱時間の上限は特にないが、生産性を考えると、加熱時間は好ましくは約255分間以下であり、より好ましくは約215分間以下であり、さらに好ましくは約195分間以下である。
さらに好ましい実施形態では、加熱を開始する際のコーングルテンミール原料の水分量が約15〜50重量%であり、二酸化硫黄含量が約100〜300ppmである場合、加熱温度によって以下のような加熱時間であることが好ましい:
(1)加熱温度が105℃〜115℃である場合、加熱時間は好ましくは約60分間以上であり、より好ましくは約75分間以上であり、さらに好ましくは約85分間以上であり、加熱時間は好ましくは約195分間以下であり、より好ましくは約175分間以下であり、さらに好ましくは約155分間以下である;
(2)加熱温度が115℃〜125℃である場合、加熱時間は好ましくは約55分間以上であり、より好ましくは約65分間以上であり、さらに好ましくは約75分間以上であり、加熱時間は好ましくは約175分間以下であり、より好ましくは約155分間以下であり、さらに好ましくは約135分間以下である;
(3)加熱温度が125℃〜135℃である場合、加熱時間は好ましくは約50分間以上であり、より好ましくは約55分間以上であり、さらに好ましくは約65分間以上であり、加熱時間は好ましくは約155分間以下であり、より好ましくは約135分間以下であり、さらに好ましくは約115分間以下である;
(4)加熱温度が135℃〜145℃である場合、加熱時間は好ましくは約45分間以上であり、より好ましくは約50分間以上であり、さらに好ましくは約55分間以上であり、加熱時間は好ましくは約135分間以下であり、より好ましくは約115分間以下であり、さらに好ましくは約95分間以下である。
例えば、加熱を開始する際のコーングルテンミール原料の水分量が約50〜70重量%であり、二酸化硫黄含量が約100〜3000ppmである場合(例えば、脱水されているが乾燥されていないコーングルテンミール原料である場合、例えば、コーングルテンミールの脱水ケーキである場合)、加熱時間は好ましくは約50分間以上であり、より好ましくは約60分間以上であり、さらに好ましくは約80分間以上である。コーングルテンミールが変質しない限り、加熱時間の上限は特にないが、生産性を考えると、加熱時間は好ましくは約270分間以下であり、より好ましくは約230分間以下であり、さらに好ましくは約210分間以下である。
さらに好ましい実施形態では、加熱を開始する際のコーングルテンミール原料の水分量が約50〜70重量%であり、二酸化硫黄含量が約100〜3000ppmである場合、加熱温度によって以下のような加熱時間であることが好ましい:
(1)加熱温度が105℃〜115℃である場合、加熱時間は好ましくは約75分間以上であり、より好ましくは約90分間以上であり、さらに好ましくは約100分間以上であり、加熱時間は好ましくは約210分間以下であり、より好ましくは約190分間以下であり、さらに好ましくは約170分間以下である;
(2)加熱温度が115℃〜125℃である場合、加熱時間は好ましくは約70分間以上であり、より好ましくは約80分間以上であり、さらに好ましくは約90分間以上であり、加熱時間は好ましくは約190分間以下であり、より好ましくは約170分間以下であり、さらに好ましくは約150分間以下である;
(3)加熱温度が125℃〜135℃である場合、加熱時間は好ましくは約65分間以上であり、より好ましくは約70分間以上であり、さらに好ましくは約80分間以上であり、加熱時間は好ましくは約170分間以下であり、より好ましくは約150分間以下であり、さらに好ましくは約130分間以下である;
(4)加熱温度が135℃〜145℃である場合、加熱時間は好ましくは約60分間以上であり、より好ましくは約65分間以上であり、さらに好ましくは約70分間以上であり、加熱時間は好ましくは約150分間以下であり、より好ましくは約130分間以下であり、さらに好ましくは約110分間以下である。
コーングルテンミール原料は、水分量約3%以下まで乾燥されることが好ましく、水分量約2重量%以下まで乾燥されることがより好ましく、水分量約1重量%以下まで乾燥されることが最も好ましい。
特定の実施形態では、本発明の方法は、コーングルテンミール濃縮液を脱水してコーングルテンミール原料を得る工程をさらに包含する。この場合、コーングルテンミール濃縮液のpHは、1〜6に調整されていることが好ましく、3〜4に調整されていることがさらに好ましく、4に調整されることが最も好ましい。
本発明においては、加熱工程を任意の圧力条件下で行うことができる。加熱を行う際の圧力条件は、極端な減圧条件または極端な高圧条件でないことが好ましい。
特定の実施形態では、加熱工程は、大気圧(すなわち、常圧)下で行われることが好ましい。この場合、加熱の際の圧力は、好ましくは約0.5気圧以上であり、より好ましくは約0.6気圧以上であり、さらに好ましくは約0.7気圧以上であり、特に好ましくは約0.8気圧以上であり、最も好ましくは約0.9気圧以上である。加熱の際の圧力は、好ましくは約1.5気圧以下であり、より好ましくは約1.4気圧以下であり、さらに好ましくは約1.3気圧以下であり、特に好ましくは約1.2気圧以下であり、最も好ましくは約1.1気圧以下である。
別の実施形態では、加熱工程は、減圧条件下で行われることが好ましい。この場合、加熱の際の圧力は、好ましくは約0.1気圧以上であり、より好ましくは約0.2気圧以上であり、さらに好ましくは約0.3気圧以上であり、特に好ましくは約0.4気圧以上であり、最も好ましくは約0.5気圧以上である。加熱の際の圧力は、好ましくは約0.9気圧以下であり、より好ましくは約0.8気圧以下であり、さらに好ましくは約0.7気圧以下であり、特に好ましくは約0.6気圧以下であり、最も好ましくは約0.5気圧以下である。
さらに別の実施形態では、加熱工程は、加圧条件下で行われることが好ましい。この場合、加熱の際の圧力は、好ましくは約1.2気圧以上であり、より好ましくは約1.4気圧以上であり、さらに好ましくは約1.6気圧以上であり、特に好ましくは約1.8気圧以上であり、最も好ましくは約1.9気圧以上である。加熱の際の圧力は、好ましくは約5.0気圧以下であり、より好ましくは約4.5気圧以下であり、さらに好ましくは約4.0気圧以下であり、特に好ましくは約3.5気圧以下であり、最も好ましくは約3.0気圧以下である。
大気圧下でのコーングルテンミール原料の品温の変化は、おそらく、以下のようになると考えられる。脱水後のコーングルテンミール原料は乾燥機に導入されて加熱されると、品温が約100℃に達するまでは直線状に品温が上昇する(恒率乾燥期間)。品温が約100℃に到達すると、加熱により与えられた熱量は水分の蒸発に使用され、水分がほぼなくなるまで品温は約100℃に保たれる(減率乾燥期間)。水分がほぼなくなると品温は直線的に上昇する。加熱処理においては、所望の品温に到達するとその品温が保たれるように加熱条件が調節されることが好ましい。この理論に束縛されないが、亜硫酸類の減少は、水分がほぼなくなって約100℃よりも高い温度になってからの加熱に依存すると考えられる。
コーングルテンミール原料の加熱は、任意の加熱乾燥機を使用して行うことができる。
加熱乾燥機は、コーングルテンミール原料を滞留させる容器部分と熱源からなる。容器部分はコーングルテンミール原料を所定の時間保持する構造を有する。容器部分の形状の一例としては、円筒型や溝形、箱形などの形状が使用可能である。容器部分には、入口と出口とを設ける。好ましくは、入口と出口とは別個に設けられるが、必要に応じて、1つの開口部が入口と出口との両方の役割を担っても良い。また、必要に応じて、入口および出口の少なくとも1方に蓋を設けて、入口および出口の少なくとも1方を開閉可能な構造にしても良い。熱源はコーングルテンミール原料に直接接触して熱を伝える構造であっても良いが、熱媒を用いて間接的に熱をコーングルテンミール原料に伝える間接加熱型の構造が、均一に熱を伝える点および急激な温度変化を防ぐ点で好ましい。直接加熱の例としては、通気加熱が挙げられる。間接加熱の例としては、伝熱加熱が挙げられる。間接加熱型乾燥機は、例えば、容器部分がジャケットで覆われており、このジャケットと容器部分との間に通された熱媒により容器の内壁が加熱され、加熱された容器部分の内壁とコーングルテンミール原料とが接触することによりコーングルテンミール原料が加熱されることが好ましい。熱源としては、任意の熱源が使用可能であるが、ボイラーや電気ヒーターが制御の容易さの点で好ましい。さらに他の熱源の例としてはIH(Induction heating)ヒーター、マイクロ波、赤外線などが挙げられる。熱媒は、熱源から受け取った熱を直接的または間接的にコーングルテンミール原料に伝える。熱媒としては、例えば、任意の気体または液体が使用可能である。好ましくは空気または水蒸気、過熱水蒸気であり、より好ましくは水蒸気である。
加熱乾燥機の運転は、バッチ式(回分式)と連続式のいずれでも良い。使用する装置によっては、バッチ式と連続式の両方に使用できるものがある。バッチ式の場合、コーングルテンミール原料を容器部分に投入し、所定時間、所定温度で加熱した後、コーングルテンミールを排出する。連続式の場合、容器部分の入り口から連続的に投入されたコーングルテンミール原料が所定温度に加熱された容器部分で所定の時間滞留したのちに、出口から排出される。コーングルテンミールを入口から出口まで通過させる設備としては、スクリュー、羽根、プランジャーなどであり得る。また容器部分に傾斜を設け、コーングルテンミールが下方に流動する構造であっても良い。別の例としては、コーングルテンミール原料を原料保持部(例えば台車、ベルトコンベア、可動棚)上に載せて、その原料保持部とともに原料通路中を移動させてもよい。連続式の場合のコーングルテンミールの移動速度は、コーングルテンミールの時間あたりの投入量と容器部分の有効容積から割り出される滞留時間が、亜硫酸類の除去に必要な時間になるように設定すればよい。
また、容器部分には、必要に応じて、コーングルテンミール原料を流動させるための設備を設けてもよい。原料を流動させることにより、効率的な加熱を行うことができる。容器中のコーングルテンミール原料を流動させるための設備の例は、プランジャー、羽根、ディスク、スクリューなどの攪拌部材であり得る。この攪拌部材は連続式での運転において、コーングルテンミール原料を入口から出口まで移動させる役割を兼ねていても良い。また攪拌部材の内部に熱媒を通すか熱源を設けることにより、攪拌部材を伝熱部材として兼用することもできる。これによって内部から効率的にコーングルテンミール原料を加熱することができる。コーングルテンミール原料を流動させるための別の方法として、容器部分が振動したり、円筒状の容器部分自体が回転したりしてコーングルテンミールを流動させるような構造であっても良い。さらに別の方法として、容器部分の下部に多孔板などの整流器を設けて熱風を吹き込み、コーングルテンミール原料を浮遊させながら熱風と混合して加熱する方法であっても良い。
加熱方法は、サンプルの保持方法および移動方法によって、回転型、バンド形、流動層形、ドラム形、材料攪拌形などに分けられ得る。なお、連続式加熱装置の場合、サンプルの移動と攪拌を兼用するものもある。
実際の乾燥機においては、乾燥させる材料に合わせて、加熱方式(直接加熱または間接加熱)、サンプルの保持方法および移動方法、ならびにバッチ式か連続式かなどが組み合わせて使用される。このような乾燥方法の組み合わせは、当業者により適切に設定され得る。
連続式の運転に用いる加熱乾燥機は、コーングルテンミール原料を通過させる原料通路またはコーングルテンミール原料を保持する原料保持部と、熱源とを有し得る。原料通路は、それ自体は移動せず、その中をコーングルテンミール原料が移動して通過する。原料保持部は、それ自体がコーングルテンミール原料とともに移動し得る。例えば、原料保持部は乾燥装置の中でコーングルテンミール原料を保持した状態で移動してもよく、移動しなくてもよい。原料保持部の例はバンドおよびプレートである。熱源がコーングルテンミール原料に直接接触して熱を伝える構造であっても良いが、熱媒を用いて間接的に熱をコーングルテンミール原料に伝える構造が、均一に熱を伝える点および急激な温度変化を防ぐ点で好ましい。熱源としては、任意の熱源が使用可能であるが、ボイラーや電気ヒーターが制御の容易さの点で好ましい。さらに他の熱源の例としてはIHヒーター、マイクロ波、赤外線などが挙げられる。
バッチ式の運転に用いる加熱乾燥機は、コーングルテンミール原料を保持する原料保持部と、熱源とを有し得る。バッチ式の乾燥機の場合、原料保持部は、それ自体は移動せず、コーングルテンミール原料を保持する。原料保持部の例は加熱容器全体である。熱源がコーングルテンミール原料に直接接触して熱を伝える構造であっても良いが、熱媒を用いて間接的に熱をコーングルテンミール原料に伝える構造が、均一に熱を伝える点および急激な温度変化を防ぐ点で好ましい。熱源としては、任意の熱源が使用可能であるが、ボイラーや電気ヒーターが制御の容易さの点で好ましい。さらに他の熱源の例としてはIHヒーター、マイクロ波、赤外線などが挙げられる。
連続式であるか加熱式であるかにかかわらず、加熱乾燥機は好ましくは間接加熱型乾燥機である。間接加熱型乾燥機は、より好ましくは伝熱加熱型乾燥機である。伝熱加熱型乾燥機は、例えば、原料通路がジャケットで覆われており、原料通路の軸部分に伝熱部材が設けられており、このジャケットおよび伝熱部材に通された熱媒により原料通路および伝熱部材が加熱され、加熱された原料通路の内壁および溝状ディスクの表面とコーングルテンミール原料とが接触することによりコーングルテンミール原料が加熱されることが好ましい。伝熱部材の例としては、ディスクおよび羽根が挙げられる。羽根の形状の場合、伝熱羽根または攪拌羽根と呼ばれる場合もある。
例えばバンド型の通気乾燥装置の場合、装置内に設けられたバンド上にコーングルテンミール原料が載せられ、装置内のバンド付近に空気加熱器が設けられ、装置内のファンをまわすことにより、装置内の空気が空気加熱器により温められ、温められた空気がバンド上のコーングルテンミール原料に接触してコーングルテンミール原料が加熱されることが好ましい。
例えば直接加熱式回転乾燥機の場合、円筒形の加熱装置内にルーバーが設けられており、そこにコーングルテンミール原料が入れられ、ルーバーが回転するとともにコーングルテンミール原料が振動して混合される。さらにルーバーを通して熱風を吹き込むことにより、コーングルテンミール原料が加熱されることが好ましい。
熱媒は、熱源から受け取った熱を直接的または間接的にコーングルテンミール原料に伝える。熱媒としては、例えば、任意の気体または液体が使用可能である。好ましくは空気または水蒸気であり、より好ましくは空気である。
原料通路としては、コーングルテンミール原料が通過できる任意の通路が使用可能である。例えば、円筒状の部材で通路を作製し、その中にコーングルテンミール原料を流す構造とすることができる。原料通路においてコーングルテンミール原料は熱媒または熱媒により加熱された内壁と接触して、熱媒または内壁から熱を受け取る。原料通路には、入口と出口とを設ける。好ましくは、入口と出口とは別個に設けられるが、必要に応じて、1つの開口部が入口と出口との両方の役割を担っても良い。また、必要に応じて、入口および出口の少なくとも1方に蓋を設けて、入口および出口の少なくとも1方を開閉可能な構造にしても良い。
バッチ式の処理量が約10kg〜約30kgで乾燥機として伝熱加熱型乾燥装置を使用する場合、原料通路の入口の断面積は、好ましくは約10cm以上であり、より好ましくは約20cm以上であり、さらに好ましくは約30cmm以上であり、特に好ましくは約40cm以上であり、最も好ましくは約50cm以上である。また、バッチ式の処理量が約10kg〜約30kgで乾燥機として伝熱加熱型乾燥装置を使用する場合、入口の断面積は、好ましくは約1m以下であり、より好ましくは約20000cm以下であり、より好ましくは約12000cm以下であり、さらに好ましくは約8000cm以下であり、特に好ましくは約6000cm以下であり、最も好ましくは約4000cm以下である。断面積が小さ過ぎる場合には、大量の原料を導入しにくい。断面積が大き過ぎる場合には、設備が大きくなり、また原料通路中の温度が下がりやすい。
連続式の処理量が1時間あたり約500kg〜約1000kgで乾燥機として伝熱加熱型乾燥装置を使用する場合、原料通路の入口の断面積は、好ましくは約40cm以上であり、より好ましくは約80cm以上であり、さらに好ましくは約120cm以上であり、特に好ましくは約160cm以上であり、最も好ましくは約200cm以上である。また、連続式の処理量が1時間あたり約500kg〜約1000kgで乾燥機として伝熱加熱型乾燥装置を使用する場合、入口の断面積は、好ましくは約4m以下であり、より好ましくは約20000cm以下であり、より好ましくは約12000cm以下であり、さらに好ましくは約8000cm以下であり、特に好ましくは約6000cm以下であり、最も好ましくは約4000cm以下である。断面積が小さ過ぎる場合には、大量の原料を導入しにくい。断面積が大き過ぎる場合には、設備が大きくなり、また原料通路中の温度が下がりやすい。
連続式の処理量が1時間あたり約2000kg〜約5000kgで乾燥機として伝熱加熱型乾燥装置を使用する場合、原料通路の入口の断面積は、好ましくは約100cm以上であり、より好ましくは約200cm以上であり、さらに好ましくは約300cm以上であり、特に好ましくは約400cm以上であり、最も好ましくは約500cm以上である。また、連続式の処理量が1時間あたり約500kg〜約1000kgで乾燥機として伝熱加熱型乾燥装置を使用する場合、入口の断面積は、好ましくは約10m以下であり、より好ましくは約8000cm以下であり、より好ましくは約5000cm以下であり、さらに好ましくは約3000cm以下であり、特に好ましくは約2000cm以下であり、最も好ましくは約1500cm以下である。断面積が小さ過ぎる場合には、大量の原料を導入しにくい。断面積が大き過ぎる場合には、設備が大きくなり、また原料通路中の温度が下がりやすい。
バッチ式の処理量が約10kg〜約30kgで乾燥機として伝熱加熱型乾燥装置を使用する場合、原料通路の出口の断面積は、好ましくは約10cm以上であり、より好ましくは約20cm以上であり、さらに好ましくは約30cmm以上であり、特に好ましくは約40cm以上であり、最も好ましくは約50cm以上である。また、バッチ式の処理量が約10kg〜約30kgで乾燥機として伝熱加熱型乾燥装置を使用する場合、出口の断面積は、好ましくは約1m以下であり、より好ましくは約20000cm以下であり、より好ましくは約12000cm以下であり、さらに好ましくは約8000cm以下であり、特に好ましくは約6000cm以下であり、最も好ましくは約4000cm以下である。断面積が小さ過ぎる場合には、大量の原料を導入しにくい。断面積が大き過ぎる場合には、設備が大きくなり、また原料通路中の温度が下がりやすい。
連続式の処理量が1時間あたり約500kg〜約1000kgで乾燥機として伝熱加熱型乾燥装置を使用する場合、原料通路の出口の断面積は、好ましくは約40cm以上であり、より好ましくは約80cm以上であり、さらに好ましくは約120cm以上であり、特に好ましくは約160cm以上であり、最も好ましくは約200cm以上である。また、連続式の処理量が1時間あたり約500kg〜約1000kgで乾燥機として伝熱加熱型乾燥装置を使用する場合、出口の断面積は、好ましくは約4m以下であり、より好ましくは約20000cm以下であり、より好ましくは約12000cm以下であり、さらに好ましくは約8000cm以下であり、特に好ましくは約6000cm以下であり、最も好ましくは約4000cm以下である。断面積が小さ過ぎる場合には、大量の原料を導入しにくい。断面積が大き過ぎる場合には、設備が大きくなり、また原料通路中の温度が下がりやすい。
連続式の処理量が1時間あたり約2000kg〜約5000kgで乾燥機として伝熱加熱型乾燥装置を使用する場合、原料通路の出口の断面積は、好ましくは約100cm以上であり、より好ましくは約200cm以上であり、さらに好ましくは約300cm以上であり、特に好ましくは約400cm以上であり、最も好ましくは約500cm以上である。また、連続式の処理量が1時間あたり約500kg〜約1000kgで乾燥機として伝熱加熱型乾燥装置を使用する場合、出口の断面積は、好ましくは約10m以下であり、より好ましくは約8000cm以下であり、より好ましくは約5000cm以下であり、さらに好ましくは約3000cm以下であり、特に好ましくは約2000cm以下であり、最も好ましくは約1500cm以下である。断面積が小さ過ぎる場合には、大量の原料を導入しにくい。断面積が大き過ぎる場合には、設備が大きくなり、また原料通路中の温度が下がりやすい。
バッチ式の処理量が約10kg〜約30kgで乾燥機として伝熱加熱型乾燥装置を使用する場合、原料通路の長さは、好ましくは約20cm以上であり、より好ましくは約30cm以上であり、さらに好ましくは約40cm以上であり、特に好ましくは約50cm以上であり、最も好ましくは約60cm以上である。また、原料通路の長さは、好ましくは約300cm以下であり、より好ましくは約200cm以下であり、さらに好ましくは約150cm以下であり、特に好ましくは約100cm以下である。
連続式の処理量が1時間あたり約500kg〜約1000kgで乾燥機として伝熱加熱型乾燥装置を使用する場合、原料通路の長さは、好ましくは約0.5m以上であり、より好ましくは約1m以上であり、さらに好ましくは約1.5m以上であり、特に好ましくは約2m以上であり、最も好ましくは約4m以上である。また、原料通路の長さは、好ましくは約30m以下であり、より好ましくは約20m以下であり、さらに好ましくは約15m以下であり、特に好ましくは約10m以下である。
連続式の処理量が1時間あたり約2000kg〜約5000kgで乾燥機として伝熱加熱型乾燥装置を使用する場合、原料通路の長さは、好ましくは約1m以上であり、より好ましくは約2m以上であり、さらに好ましくは約3m以上であり、特に好ましくは約4m以上であり、最も好ましくは約5m以上である。また、原料通路の長さは、好ましくは約50m以下であり、より好ましくは約25m以下であり、さらに好ましくは約20m以下であり、特に好ましくは約15m以下である。
また、原料通路においては、必要に応じて、コーングルテンミール原料を流動させるための設備を設けてもよい。原料通路中のコーングルテンミール原料を流動させるための設備の例は、溝形ディスク、プランジャー、羽根などであり得る。原料通路中のコーングルテンミール原料は、このような流動させるための設備を用いて自動的に押し流されてもよく、押し出し棒などを使用して手動で押し流してもよい。あるいは、傾いた通路を作製して、コーングルテンミール原料が下方に流動するように設計してもよい。あるいは、コーングルテンミール原料を原料保持部(例えば台車、ベルトコンベア)上に載せて、その原料保持部とともに原料通路中を移動させてもよい。
原料通路中のコーングルテンミール原料の移動速度は、好ましくは時速約0.1m以上であり、より好ましくは時速約0.3m以上であり、さらに好ましくは時速約0.5m以上であり、特に好ましくは時速約1m以上であり、最も好ましくは時速約2m以上である。また、移動速度は、好ましくは時速約100m以下であり、より好ましくは時速約50m以下であり、さらに好ましくは時速約20m以下であり、特に好ましくは時速約10m以下である。
原料保持部としては、コーングルテンミール原料を保持できる任意の部材が使用可能である。コーングルテンミール原料を収容できる容器であってもよく、コーングルテンミール原料を載置するプレートのようなものであってもよい。また、加熱乾燥機の底部のプレートを原料保持部として用いても良い。さらに、原料保持部は、加熱乾燥機の中を移動可能であっても良い。例えば、原料保持部の底部に車輪を付けて、原料通路中を移動させながら加熱乾燥を行うことができる。また、原料保持部が加熱乾燥機中で固定されていてもよい。
この乾燥機は、コーングルテンミールからの水分および二酸化硫黄の蒸発を妨げないことが好ましい。この乾燥機は、加熱を行いながら通気する機構、例えば、内部の空気を吸引する機構を備えることが好ましい。乾燥機はまた、熱を均一に伝えるための攪拌機構を備えることが好ましい。好ましい乾燥機の例としては、伝熱加熱型乾燥装置、通気乾燥装置、回転乾燥装置、流動層乾燥装置、送風式定温乾燥機、オーブンなどが挙げられる。本発明で使用するために好ましい伝熱加熱型乾燥装置の例としては、ロッキングフロードライヤー(愛知電機株式会社製);インナーチューブロータリー(大川原製作所製);ダブルコーンドライヤー(カツラギ工業株式会社製);SCプロセッサ、CDドライヤー、KID間接加熱乾燥機(栗本鐵工所製);振動乾燥機(中央化工機製);パドルドライヤー、シングルパドルドライヤー、マルチフィンプロセッサー(奈良機械製作所製);ダブルディスクドライヤ(富士工機株式会社製);スーパーディスクドライヤー(三菱マテリアルテクノ製);フェッターチューブドライヤー(Anhydro GmbH製);トーラスディスク、サーモプロセッサ、ナウタミキサ、ソリッドエアー(ホソカワミクロン製)などが挙げられる。
本発明で使用することが好ましい伝熱加熱型乾燥装置の容器部分の断面積は、好ましくは約30cm以上であり、より好ましくは約50cm以上である。また、入口の断面積は、好ましくは約20m以下であり、より好ましくは約5m以下である。本発明で使用することが好ましい伝熱加熱型乾燥装置の原料通路の形状は円筒形または溝形であり、内部に攪拌用の羽根を供えている。
本発明で使用することが好ましい伝熱加熱型乾燥装置の容器部分の有効容積は、好ましくは約0.01m以上であり、さらに好ましくは約0.02m以上であり、特に好ましくは約0.05m以上であり、最も好ましくは約0.1m以上である。本発明で使用することが好ましい伝熱加熱型乾燥装置の容器部分の有効容積は、例えば、約0.01m以上、約0.03m以上、約0.05m以上、約1m以上などであってもよい。本発明で使用することが好ましい伝熱加熱型乾燥装置の原料通路の有効容積は、好ましくは約50m以下であり、さらに好ましくは約40m以下であり、特に好ましくは約30m以下であり、最も好ましくは約20m以下である。
なお、上記のように、最適な装置の大きさは、コーングルテンミール原料の処理量によって異なり得、適切な装置の大きさは、当業者によって適切に選択され得る。加熱の際には、コーングルテンミール原料の充填率が容器部分の有効容積の約98容積%以下であることが好ましく、約95容積%以下であることがより好ましく、約90容積%以下であることがさらに好ましい。充填率が高すぎるとコーングルテンミール原料全体を所定の温度に加熱するまでに時間がかかりすぎる場合がある。充填率が低いほどコーングルテンミール原料が乾燥しやすくなるが、処理量に対して大型の装置が必要となる。コーングルテンミール原料の充填率は原料通路の有効容積の約20容積%以上であることが好ましく、約30容積%以上であることがより好ましく、約40容積%以上であることがさらに好ましい。
コーングルテンミール原料を原料通路で処理する際のコーングルテンミール原料の深さ(すなわち、内壁と接する部分から、内壁と接しない最も離れた部分までの距離)は、好ましくは約300cm以下であり、より好ましくは約250cm以下であり、さらに好ましくは約200cm以下であり、特に好ましくは約190cm以下であり、最も好ましくは約180cm以下である。コーングルテンミール原料を原料通路で処理する際のコーングルテンミール原料の深さは、例えば、約150cm以下、約100以下、約80cm以下、約50cm以下、40cm以下、約30cm以下、約20cm以下、約10cm以下などであってもよい。深さに特に下限はないが、通常は約1cm以上、約2cm以上、約3cm以上、約4cm以上、約5cm以上などであり得る。深さが深すぎる場合には、二酸化硫黄を除去するのに長時間が必要となる。深さが浅すぎる場合には、コーングルテンミール原料を配置するのに多大な面積が必要となり、大きい設備が必要となり、そのためのコストが高くなる。なお、加熱処理中にコーングルテンミール原料を充分攪拌できれば、コーングルテンミール原料の深さは特に問題にならない。攪拌が不十分で流動しない領域が存在すると、加熱しすぎ、あるいは加熱不足の原因になるため、加熱処理中に充分に攪拌が行われることが好ましい。
本発明で使用することが好ましい伝熱加熱型乾燥装置の容器部分の伝熱面積(すなわち、コーングルテンミール原料が加熱部材と接する表面積)は、好ましくは約0.5m以上であり、さらに好ましくは約1m以上であり、特に好ましくは約2m以上であり、最も好ましくは約5m以上である。本発明で使用することが好ましい間接加熱型流動式乾燥機の容器部分の伝熱面積は、好ましくは約1000m以下であり、さらに好ましくは約500m以下であり、特に好ましくは約200m以下であり、最も好ましくは約100m以下である。伝熱面積が大きいほど多量のコーングルテンミール原料を加熱処理できる。伝熱加熱型乾燥装置を連続式で使用する場合、伝熱面積1mあたり約15kg/h〜約50kg/hのコーングルテンミール原料を連続的に処理することができる。
本発明で使用することが好ましい伝熱加熱型乾燥装置は、通常、容器部分の外側から間接的に加熱するものであるが、さらに、容器内に加熱用部材を備えてもよい。この加熱用部材は、加熱可能な羽根あるいはディスクのように攪拌用の羽と兼用であってもよい。
上記の加熱工程において加熱とともにコーングルテンミール原料への通気を行うことが好ましい。
通気に際しては、乾燥機内部から外部に空気が排気され、乾燥機外部から内部に空気が導入される。二酸化硫黄を含む空気が排気され、新たな空気が導入されることにより、二酸化硫黄の除去が促進される。
ここで、乾燥機外部から内部に導入される空気は、室温であってもよく、予め加熱されていてもよい。予め加熱しておいた空気を用いれば、乾燥機内部の温度低下を防ぐことが可能であるが、予め加熱するための設備が必要となり、またその加熱のために消費されるエネルギーが多大になる。
通気の量は、その加熱工程に用いる設備に応じて適宜選択することが可能である。二酸化硫黄を含む空気が排気されれば、二酸化硫黄の除去を促進できるので、必ずしも、通気量が多い必要はない。むしろ、通気量を少量にコントロールすれば、外部から空気を導入する際に空気を予め加熱することを行わなくても、乾燥機内部の温度の低下を防ぐことができる。例えば、市販の家庭用扇風機の最も風速を低速に制御した場合の風量のレベルまたはその数分の1程度の低いレベルであっても、本発明の加熱工程においては、充分に二酸化硫黄の除去効果を促進することができる。逆に、市販の家庭用扇風機の最も風速を高速に制御した場合の風量のレベルでは、空気の流れが速すぎるため、室温の空気を外部から導入すると乾燥機内の温度が低下しやすいという欠点を有する。すなわち、本発明においては、乾燥機内の温度が低下しない程度の低いレベルの風量を維持することにより、二酸化硫黄の除去効果を促進することが好ましい。
1つの実施形態では、加熱の際に、乾燥機内部で空気を循環させることを行ってもよい。この場合、乾燥機外部から空気を取り入れることを行わず、また、空気を排気することもないので、通気を行う場合ほどには二酸化硫黄の除去を促進する効果はないが、空気の循環を行わない場合と比べて、若干、二酸化硫黄の除去を促進することができる。
別の実施形態では、加熱の際に、乾燥機外部から空気を強制的に取り入れることを行わずに、乾燥機内部からの空気の排気のみを行ってもよい。この場合、乾燥機外部から空気を強制的に取り入れることを行わないので、空気の強制的な取り入れを行う場合ほどには二酸化硫黄の除去を促進する効果はないが、空気をまったく動かさない場合と比べて、若干、二酸化硫黄の除去を促進することができる。
別の実施形態では、加熱の際に、乾燥機内部から強制的な空気の排気は行わずに、乾燥機外部から空気を取り入れることのみを行ってもよい。この場合、乾燥機外部から空気を強制的に排気することを行わないので、空気の強制的な排気を行う場合ほどには二酸化硫黄の除去を促進する効果はないが、空気をまったく動かさない場合と比べて、若干、二酸化硫黄の除去を促進することができる。
なお、本明細書中で使用される場合、「加熱温度」とは、コーングルテンミール原料を加熱するために使用される乾燥機の設定温度をいう。コーングルテンミール原料は、乾燥機の設定温度と大きな相違がないように乾燥機に対して多すぎない量で乾燥されることが好ましい。コーングルテンミール原料は、加熱具合にむらが出ないように、加熱しながら攪拌されることが好ましい。
特定の実施形態では、加熱工程は、乾燥機を用いて連続式で行われる。ここで、この乾燥機は乾燥ゾーンを有し、乾燥開始時にコーングルテンミール原料が乾燥ゾーンの入り口に入って出口へと移動し、乾燥終了時に前記コーングルテンミール加熱処理品が出口から出る。
この連続式乾燥の実施形態では、乾燥器の入り口温度は、好ましくは約50℃以上であり、より好ましくは約70℃以上であり、さらに好ましくは約80℃以上であり、最も好ましくは約100℃以上である。乾燥器の入り口温度は、好ましくは約200℃以下であり、より好ましくは約170℃以下であり、さらに好ましくは約160℃以下であり、最も好ましくは約150℃以下である。
この連続式乾燥の実施形態では、乾燥器の出口温度は、好ましくは約105℃以上であり、より好ましくは約110℃以上であり、さらに好ましくは約115℃以上であり、最も好ましくは約120℃以上である。乾燥器の出口温度は、好ましくは約150℃以下であり、より好ましくは約145℃以下であり、さらに好ましくは約140℃以下であり、最も好ましくは約130℃以下である。
この連続式乾燥の実施形態では、乾燥器のゾーン温度は、好ましくは約105℃以上であり、より好ましくは約110℃以上であり、さらに好ましくは約115℃以上であり、最も好ましくは約120℃以上である。乾燥器のゾーン温度は、好ましくは約150℃以下であり、より好ましくは約145℃以下であり、さらに好ましくは約140℃以下であり、最も好ましくは約135℃以下である。
特定の実施形態では、加熱工程は、乾燥機を用いてバッチ式で行われる。
このバッチ式乾燥の実施形態では、乾燥器の温度は、好ましくは約105℃以上であり、より好ましくは約110℃以上であり、さらに好ましくは約115℃以上であり、最も好ましくは約120℃以上である。乾燥器の温度は、好ましくは約150℃以下であり、より好ましくは約145℃以下であり、さらに好ましくは約140℃以下であり、最も好ましくは約135℃以下である。
このバッチ式乾燥の実施形態では、特定の実施形態では、加熱工程は、乾燥機を用いてバッチ式で行われる。
特定の実施形態では、加熱工程において乾燥オーブン中にコーングルテンミール原料が置かれて乾燥される。
この乾燥オーブンを使用する実施形態では、乾燥器の温度は、好ましくは約105℃以上であり、より好ましくは約110℃以上であり、さらに好ましくは約115℃以上であり、最も好ましくは約120℃以上である。乾燥器の温度は、好ましくは約150℃以下であり、より好ましくは約145℃以下であり、さらに好ましくは約140℃以下であり、最も好ましくは約135℃以下である。
本発明においては、加熱工程において、約130℃で約50分間以上と同程度の加熱を行うことが好ましい。より好ましくは、実施例2で使用した伝熱加熱型乾燥装置における約130℃で約50分間以上の加熱と同程度の加熱を行うことが好ましい。
(3.コーングルテンミール加熱処理品)
本発明のコーングルテンミール加熱処理品は、二酸化硫黄含量が約30ppm未満である。本発明のコーングルテンミール加熱処理品は、好ましくは、二酸化硫黄含量が約10ppm以下である。二酸化硫黄含量が約30ppmよりもさらに一段と低いレベル、例えば約20ppm以下または約10ppm以下であると、二酸化硫黄の臭いがせず、さらにコーングルテンミールに独特の臭いも薄く、他の食品材料と混合して使用するのに特に有利である。本発明のコーングルテンミール加熱処理品の二酸化硫黄含量に特に下限はない。メイラード反応による着色などの問題が特になければ、本発明のコーングルテンミール加熱処理品の二酸化硫黄含量は少なければ少ないほど好ましい。
本発明のコーングルテンミール加熱処理品は、実施例の「着色度の測定方法」に記載の方法に従って測定した場合に、420nmでの着色度が約0.7以下であることが好ましく、約0.6以下であることがさらに好ましく、約0.5以下であることが特に好ましく、約0.4以下であることが最も好ましい。
本発明のコーングルテンミール加熱処理品中のタンパク質含量は、乾燥重量基準で、好ましくは約50重量%以上であり、より好ましくは約51重量%以上であり、さらに好ましくは約52重量%以上であり、さらにより好ましくは約53重量%以上であり、さらにより好ましくは約54重量%以上であり、さらにより好ましくは約55重量%以上であり、さらにより好ましくは約56重量%以上であり、さらにより好ましくは約57重量%以上であり、さらにより好ましくは約58重量%以上であり、なおさらに好ましくは約59重量%以上であり、最も好ましくは約60重量%以上である。本発明のコーングルテンミール加熱処理品中のタンパク質含量は、乾燥重量基準で、例えば、約99重量%以下、約98重量%以下、約97重量%以下、約96重量%以下、約95重量%以下、約90重量%以下、約85重量%以下、約80重量%以下、約75重量%以下、約72重量%以下などであり得る。特定の実施形態では、本発明のコーングルテンミール加熱処理品中のタンパク質含量は、好ましくは約50〜99重量%であり、より好ましくは約60〜95重量%である。コーングルテンミール原料として脱澱粉処理された原料を使用することにより、または本発明の方法によって加熱した後に脱澱粉処理を行うことにより、脱澱粉処理をしない場合と比較して、コーングルテンミール加熱処理品中のタンパク質含量を高めることができる。
本発明のコーングルテンミール加熱処理品中の澱粉含量は、乾燥重量基準で、例えば約0.1重量%以上、約0.5重量%以上、約1重量%以上、約2重量%以上、約3重量%以上、約4重量%以上、約5重量%以上などであり得る。本発明のコーングルテンミール加熱処理品中の澱粉含量は、例えば約25重量%以下、約24重量%以下、約23重量%以下、約22重量%以下、約21重量%以下、約20重量%以下、約19重量%以下、約18重量%以下であり得る。特定の実施形態では、本発明のコーングルテンミール加熱処理品中の澱粉含量は、好ましくは約0.5〜25重量%であり、より好ましくは約1〜20重量%である。コーングルテンミール原料として脱澱粉処理された原料を使用することにより、または本発明の方法によって加熱した後に脱澱粉処理を行うことにより、脱澱粉処理をしない場合と比較して、コーングルテンミール加熱処理品中の澱粉含量を低減することができる。
本発明のコーングルテンミール加熱処理品中の繊維含量は、乾燥重量基準で、好ましくは約0.4重量%以上であり、より好ましくは約0.5重量%以上である。本発明のコーングルテンミール加熱処理品中の繊維含量は、乾燥重量基準で、好ましくは約1.0重量%以下であり、より好ましくは約0.8重量%以下であり、さらに好ましくは約0.7重量%以下であり、最も好ましくは約0.6重量%以下である。特定の実施形態では、本発明のコーングルテンミール加熱処理品中の繊維含量は、好ましくは約0.5〜0.6重量%である。コーングルテンミールと澱粉との分離が悪くなった場合は、コーングルテンミール中の繊維含量は、約1〜3重量%になると考えられる。繊維含量が多すぎると例えばコーングルテンミールを分解して調味液とする際に濁りが生じたり、その濁りを除去するために追加の装置が必要となったりするという問題が起こり得る。
本発明のコーングルテンミール加熱処理品は、好ましくはアルカリ処理もアルコール抽出も施されていないものである。
本発明の実施例および比較例において使用した分析方法を以下に記載する。
(1.二酸化硫黄含量分析方法)
二酸化硫黄含量は改良ランキン法のアルカリ滴定法に基づいて測定した。具体的には以下の通り。ランキン用丸底フラスコに試料4gを量りとり、純水40mLと25%リン酸10mLを加えて改良ランキン型蒸留装置にセットした。ランキン用丸底フラスコをバーナーで加熱しながら窒素ガスを0.5〜0.6L/分の速度で15分間通気し、引き続き加熱なしで通気を15分間継続した。通気によって発生した気体の全量を混合指示薬(メチルレッドおよびメチレンブルー)と0.01N水酸化ナトリウム水溶液1滴を含む0.3%過酸化水素水10mL(以後捕集液と呼ぶ)に通し、通気蒸留によって発生した亜硫酸ガスを硫酸イオンとして捕集した。捕集液を0.01N水酸化ナトリウム水溶液で滴定し、乾燥重量あたりの二酸化硫黄含量(ppm)を算出した。
なお、改良ランキン法は日本では食品中の亜硫酸類を定量する方法としてごく一般的なものであり、解説書等では通気加熱時間を10分としているものが一般的である。しかし、コーングルテンミールに関しては結合型亜硫酸類が遊離しにくい傾向があるため、本明細書においては、加熱15分間+放冷15分間で測定を行った。加熱時間を延長することによる悪影響がないことは確認済みである。
(2.着色度の測定方法)
サンプルの着色性を評価するために、以下の方法で着色度を測定した。フタ付ガラス製試験管にサンプルを無水換算で1g入れ、12%塩酸を10mL加えてサンプルを分散させた。試験管を沸騰水中に漬け、時折攪拌しながら1時間加熱した。加熱終了後10N−水酸化ナトリウム溶液で中和し、水を加えて全量を14mLとした。ろ過により固形分を除き、ろ液を水で二倍に希釈したものを吸光度計で分析した。420nmにおける吸光度を着色度とした。本測定ではコーングルテンミールが分解して生じるアミノ酸と糖質とのメイラード反応による着色のおこりやすさを見ることができる。
(3.タンパク質含量の測定方法)
サンプルのタンパク質含量を澱粉糖技術部会編「澱粉糖関連工業分析法」94ページに記載のセミミクロケルダール法に基づいて測定した。この方法では、サンプル中の湿重量基準でのタンパク質含量が測定される。湿重量基準濃度から乾燥重量基準濃度への変換は、湿重量基準の水分含量をw重量%、湿重量基準のタンパク質含量をp重量%とした場合、乾燥重量基準濃度のタンパク質含量はp/(1−0.01×w)によって計算される。
(4.澱粉含量の測定方法)
サンプルの澱粉含量を以下の方法に基づいて測定した。試料3gを300ml三角フラスコに入れ、25%塩酸20mlと純水200mlを加えた。これを沸騰水中で加熱分解したのち冷却し、水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和した。これをろ過したのち澱粉糖技術部会編「澱粉糖関連工業分析法」11ページに記載のソモギ変法を用いて還元糖量をもとめ、元の澱粉含量を算出した。この方法では、サンプル中の湿重量基準でのタンパク質含量が測定される。湿重量基準濃度から乾燥重量基準濃度への変換は、湿重量基準の水分含量をw重量%、湿重量基準の澱粉含量をc重量%とした場合、乾燥重量基準の澱粉含量はc/(1−0.01×w)によって計算される。
(実施例1:乾燥品原料を使用したテーブルテスト)
加熱温度と時間の影響を調べるために、以下のようなテーブルテストを行った。
ステンレス製バットにコーングルテンミールの通常品(市販の飼料用コーングルテンミール;日本製;水分11.7重量%、二酸化硫黄含量125ppm)を厚み約5mmでひろげ、下記の所定の温度に設定した送風式定温乾燥器中に入れ、大気圧下で加熱した。加熱サンプルは加熱開始後約20分で設定加熱温度まで加熱された。下記の所定時間経過後、水分と二酸化硫黄含量(無水換算)の測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 2011097928
この結果、同一の加熱時間であれば加熱温度が高いほど二酸化硫黄含量が減少し、加熱時間60分のとき130℃および150℃で加熱したものは二酸化硫黄含量が30ppmを下回った。60分間加熱した場合の加熱温度と二酸化硫黄含量との関係を図3に示す。
同一の加熱温度(130℃)では加熱時間が長くなるほど二酸化硫黄含量が低下することが分かった。130℃で加熱した場合の加熱時間(時間)と二酸化硫黄含量との関係を図4に示す。適切な加熱時間は加熱温度と原料の水分含量によって異なるが、加熱温度が130℃の場合、図4のように1時間以内で目的の二酸化硫黄含量まで減少する。必要以上に加熱をするとタンパク質の熱分解やそれに伴う着色が生じる場合がある。
さらに、これらのサンプルのタンパク質含量および澱粉含量を測定した。結果を以下の表1−2に示す。
Figure 2011097928

この結果、本発明の方法によって得られるコーングルテンミール加熱処理品は、タンパク質含量および澱粉含量のいずれも良好な範囲にあることが確認された。
(実施例2:乾燥品原料を使用した実機試験)
加熱温度と時間の影響を調べるために、バッチ処理で以下のような実機試験を行った。
伝熱加熱型乾燥装置を用いて、バッチ処理による加熱試験を行った。本装置は加熱容器外周のジャケットと加熱容器内部の複数のディスクの両方により加熱をするため伝熱面積が大きく、加熱容器(内径30cm、長さ90cm)の内部で攪拌翼(この装置では内部の複数のディスクが攪拌翼を兼ねている)を回転させ、試料を流動させながら加熱するものであった。なお、この加熱容器の大きさは、サンプルが入る溝形あるいは円筒形の加熱容器部分の内部の大きさを指しており、ジャケットはこの装置の外側を厚さ数センチで覆っている。
本装置の加熱容器内部(加熱処理部)の有効容積は0.03mであり、内部加熱表面積(伝熱面積)は2.5mであり、ディスクの回転速度は25rpmであった。加熱処理の間中、内部の空気を吸引して揮発した水分および亜硫酸類を除去した。原料のコーングルテンミール通常品(市販の飼料用コーングルテンミール;日本製;水分10.1%、二酸化硫黄含量138ppm)をこの乾燥装置に20kg投入し、下記の所定の温度にて大気圧下で加熱をおこなった。この際の本装置の加熱処理部の有効容積に対するコーングルテンミールの充填率は90容積%であり、コーングルテンミールの深さは25cmであった。下記の所定の時間ごとにサンプルの一部を抜き取り、水分と二酸化硫黄含量を測定した。結果を表2および図5に示す。
Figure 2011097928
表2および図5から、加熱時間が長いほど二酸化硫黄含量が低下し、また加熱温度が高いほど二酸化硫黄含量低下の効果が高いことが分かる。
さらに、これらのサンプルのタンパク質含量および澱粉含量を測定した。結果を以下の表2−2に示す。
Figure 2011097928
この結果、本発明の方法によって得られるコーングルテンミール加熱処理品は、タンパク質含量および澱粉含量のいずれも良好な範囲にあることが確認された。
(実施例3:乾燥品原料を使用した実機試験)
加熱温度と時間の影響を調べるために、連続処理で以下のような実機試験を行った。
サイズが異なること以外は実施例2で使用したのと同様な伝熱加熱型乾燥装置(内部に複数のディスク付き;加熱容器内径1.3m、長さ4m)を用いて、連続処理による加熱試験を行った。本装置の加熱容器内部(加熱処理部)の有効容積は1.6mであり、内部加熱表面積(伝熱面積)は23mであり、ディスクの回転速度は12rpmであった。加熱処理の間中、内部の空気を吸引して揮発した水分および亜硫酸類を除去した。原料のコーングルテンミール通常品(市販の飼料用コーングルテンミール;日本製;水分11.5%、二酸化硫黄含量158ppm)を乾燥機に800kg/hrの速度で連続的に投入し、乾燥機出口の品温が130℃となるようにジャケットの温度を調節した。この際の本装置の加熱処理部の有効容積に対するコーングルテンミールの充填率は90容積%であり、コーングルテンミールの深さは約120cmであった。本条件でのサンプルの滞留時間は約1時間である。定常状態となった時点で出口のサンプルを採取し、水分と二酸化硫黄含量を測定した。その結果、水分1.4重量%、二酸化硫黄含量28ppmと、二酸化硫黄含量を低減した所望のコーングルテンミールを得ることができた。
さらに、これらのサンプルのタンパク質含量および澱粉含量を測定した。この結果、このサンプルのタンパク質含量は、70.0重量%(乾燥重量基準では71.0重量%)であり、そして澱粉含量は16.5重量%(乾燥重量基準では16.7重量%)であった。この結果、本発明の方法によって得られるコーングルテンミール加熱処理品は、タンパク質含量および澱粉含量のいずれも良好な範囲にあることが確認された。
(実施例5:脱水ケーキ原料を使用した実機試験)
加熱温度と時間の影響を調べるために、連続処理で以下のような実機試験を行った。
原料として通常のコーングルテンミールの製造工程で得られる濃縮・脱水後のケーキ(水分60重量%、二酸化硫黄含量190ppm)を用い、サイズが異なることおよび内部のディスクの代わりに伝熱羽根が付いていること以外は実施例2で使用したのと同様な伝熱加熱型乾燥装置(内部に伝熱羽根付き;加熱容器の内径2.5m、長さ6m)による連続加熱試験をおこなった。本装置の加熱処理部の有効容積は6.4mであり、内部加熱表面積(伝熱面積)は70mであり、伝熱羽根の回転速度は21rpmであった。加熱処理の間中、内部の空気を吸引して揮発した水分および亜硫酸類を除去した。脱水ケーキを乾燥機に3000kg/hrの速度で連続的に投入し、乾燥機出口の品温が130℃となるようにジャケットの温度を調節した。この際の本装置の加熱処理部の有効容積に対するコーングルテンミールの充填率は85容積%であり、コーングルテンミールの深さは約180cmであった。なお装置内での流動性を向上させるために、出口で得られる乾燥品の一部を原料に返して混合し、水分含量約30%としたものを装置に投入した。本条件でのサンプルの滞留時間は約1.2時間である。定常状態となった時点で出口のサンプルを採取し、水分と二酸化硫黄含量を測定した。その結果水分1.2%、二酸化硫黄含量29ppmと、二酸化硫黄含量を低減した所望のコーングルテンミールを得ることができた。
さらに、これらのサンプルのタンパク質含量および澱粉含量を測定した。この結果、このサンプルのタンパク質含量は、70.4重量%(乾燥重量基準では71.3重量%)であり、そして澱粉含量は16.8重量%(乾燥重量基準では17.0重量%)であった。この結果、本発明の方法によって得られるコーングルテンミール加熱処理品は、タンパク質含量および澱粉含量のいずれも良好な範囲にあることが確認された。
(実施例6:乾燥品原料をpH調整し、脱水して使用したテーブルテスト)
pHの影響を調べるために、バッチ処理で以下のようなテーブルテストを行った。
コーングルテンミール通常品を水に分散させてpHを変化させてから脱水し、加熱試験を行った。詳細には、コーングルテンミール通常品(市販の飼料用コーングルテンミール;日本製;水分11.7%、二酸化硫黄含量125ppm)を水に20重量%で分散させ、塩酸あるいは水酸化ナトリウム水溶液を用いて下記の表4に示す所定の加熱前pHに調整した。その後吸引ろ過(東洋濾紙製No.2フィルター、直径110mmを使用)でコーングルテンミールを回収し、ステンレス製バットにひろげたものを送風式定温乾燥器中で130℃、2時間大気圧下で加熱した。加熱サンプルは加熱開始後約20分で設定加熱温度まで加熱された。また加熱時間および加熱方法の影響を調べるため、上記の条件以外に130℃での加熱時間を変化させたもの、60℃で180分させたもの、および凍結乾燥したサンプルを作製した。得られたサンプルの水分、二酸化硫黄含量と着色度を測定した。結果を表3に示す。実施例6−1〜6−8の結果を図6にグラフとして示す。
Figure 2011097928
表3および図6から、130℃、120分の加熱条件ではpHが6以下で二酸化硫黄含量が低下し、特にpH4でもっとも効果が高いことが分かる。またpH1に調製したサンプルは、乾燥後の色が他のサンプルに比べ褐変していたが実用上問題がないレベルであった。着色度の値もpH1のものは他のサンプルよりも高く、コーングルテンミールの分解が起きている可能性が示唆される。60℃で乾燥したもの(比較例6−4のサンプル33)や凍結乾燥したもの(比較例6−5のサンプル34)は二酸化硫黄含量の低下があまり認められなかったことから、コーングルテンミールからの二酸化硫黄の低減には単に乾燥によって水分を除去するだけでなく、60℃よりも高い温度での加熱が必要であることが分かる。
さらに、これらのサンプルのタンパク質含量および澱粉含量を測定した。結果を以下の表3−2に示す。
Figure 2011097928
この結果、本発明の方法によって得られるコーングルテンミール加熱処理品は、タンパク質含量および澱粉含量のいずれも良好な範囲にあることが確認された。
(実施例7:pH調整後の濃縮液原料を脱水して使用したテーブルテスト)
pHの影響を調べるために、バッチ処理で以下のようなテーブルテストを行った。
原料として通常のコーングルテンミールの製造工程で得られる濃縮液を用い、pHを変化させてから脱水して使用し、加熱試験を行った。詳細には、塩酸あるいは水酸化ナトリウム水溶液を用いて濃縮液(固形分11.4%、二酸化硫黄含量928ppm)を所定のpHに調製した。その後吸引ろ過(東洋濾紙製No.2フィルター、直径110mmを使
用)により脱水したコーングルテンミール(水分61%、二酸化硫黄含量410ppm)
を回収し、ステンレス製バットにひろげたものを送風式定温乾燥器中で130℃、2時間大気圧下で加熱した。またpH2〜4の各pHの濃縮液のろ過のしやすさを調べるため、吸引ろ過の開始から終了までの時間を計測した。得られたサンプルの水分、二酸化硫黄含量と着色度を測定した。結果を表4に示す。
Figure 2011097928
表4から、濃縮液を原料とした130℃、90分の加熱条件ではpHが2〜4の範囲で二酸化硫黄含量が30ppmを下回るコーングルテンミール加熱処理品が得られることが分かった。
さらに、これらのサンプルのタンパク質含量および澱粉含量を測定した。結果を以下の表4−2に示す。
Figure 2011097928
この結果、本発明の方法によって得られるコーングルテンミール加熱処理品は、タンパク質含量および澱粉含量のいずれも良好な範囲にあることが確認された。
(実施例7:臭気の官能検査)
5人のパネラーによる官能検査で、加熱処理をしたコーングルテンミールの臭気を評価した。表5に示す3種類のサンプルをそれぞれ紙コップに5gずつ入れ、それをそのままの臭気(乾物臭気)、もしくは55℃の蒸留水25mLに懸濁したものの臭気(湿潤臭気)を嗅ぎ、点数をつけた。得点は未処理の原料の臭気の強さを5点、無臭を0点として、サンプルの臭気の強さを判別した。表5に各パネラーが採点した得点の平均値を示す。表5より、加熱処理によってコーングルテンミールに特有の臭気が低減されて、食品に添加した際に食品の風味に与える影響が少ないことが分かる。
Figure 2011097928
(比較例8:水中での亜硫酸類除去についてのテーブルテスト)
原料として通常のコーングルテンミールの製造工程で得られるコーングルテンミール分散液、およびその濃縮液を用い水中での亜硫酸類除去試験を行った。500mL容のセパラブルフラスコに通常のコーングルテンミールの製造工程で得られるコーングルテンミール分散液(固形分濃度2.0%)あるいは濃縮液(固形分濃度11.4%)200mLを入れ、pHを4に調製した。フラスコを100℃に保たれたオイルバスに漬けて、エアーポンプで液中に空気を流速800mL/minで通気しながら60分間加熱した。比較として加熱せずに通気のみのもの、あるいは通気をせずに加熱のみの条件で試験を行った。吸引ろ過によって通気加熱後の分散液からコーングルテンミールを回収し、60℃で一晩乾燥させた後に二酸化硫黄含量を測定した。条件と結果を表6に示す。
Figure 2011097928
表6から、通気加熱をすることで二酸化硫黄含量が減少することが分かるが、最も低いものでも61ppmであった。また分散液、濃縮液を原料としたもの両方とも、加熱によって粘度が上昇した。これはコーングルテンミール中に不純物として含まれる澱粉が糊化するためである。特に濃縮液では粘度の上昇が顕著で、溶液がホイップクリーム状になったため、攪拌や通気が困難であった。またその後の吸引ろ過も非常に困難であり、200mLの原液からろ過によって分離できたろ液はわずかに30mLであった。固形分濃度が低いコーングルテンミール分散液では加熱時間を延長することで二酸化硫黄含量を30ppm以下にできる可能性もあるが、低濃度であるために生産効率が非常に低くなる。
さらに、これらのサンプルのタンパク質含量、澱粉含量および繊維含量を測定した。結果を以下の表6−2に示す。
Figure 2011097928
この結果、分散液または濃縮液を原料として得られるコーングルテンミール加熱処理品は、タンパク質含量および澱粉含量がやや低い傾向があるが、いずれも良好な範囲にあることが確認された。
(データの解析:加熱温度と時間の関係)
各試験における加熱温度と加熱時間の関係を図7に示す。図7において、「机上試験、乾燥原料」は、実施例1の結果を示し;「実機バッチ試験、乾燥原料」は、実施例2の結果を示し;「机上試験、脱水ケーキ」は、実施例6の結果を示す。二酸化硫黄含量が30ppm以内に減少したものを黒塗りで、30ppm以上のものを白抜きで示す。本発明において二酸化硫黄含量が30ppm未満となる加熱温度と加熱時間の組み合わせが、点線で示した特定の領域内に存在することが分かる。
脱水ケーキを原料としたものでは、一部のサンプルで基準値外のもの(△)が基準値内の黒塗りの点がある領域に重なっている。これは脱水ケーキの初期水分が高いために、熱が水分の蒸発に使われてしまうためであると考えられる。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明の方法により、コーングルテンミールの過度の着色を生じることなく、二酸化硫黄含量を30ppm未満に低減することができる。本発明のコーングルテンミールは、二酸化硫黄含量が30ppm未満であるので、人間用の食材およびその原料として使用することができる。さらに、ペットの試料としても安心して使用できるため、飼い主へのアピール度が高い。

Claims (31)

  1. 二酸化硫黄含量が30ppm未満であり、タンパク質含量が乾燥重量基準で50〜99重量%であるコーングルテンミール加熱処理品。
  2. 二酸化硫黄含量が10ppm以下である請求項1に記載のコーングルテンミール加熱処理品。
  3. タンパク質含量が乾燥重量基準で60〜95重量%である請求項1または2に記載のコーングルテンミール加熱処理品。
  4. 澱粉含量が乾燥重量基準で0.5〜25重量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載のコーングルテンミール加熱処理品。
  5. 105℃〜150℃でコーングルテンミール原料を加熱して二酸化硫黄含量が30ppm未満のコーングルテンミール加熱処理品を得る工程を包含する請求項1に記載のコーングルテンミール加熱処理品の製造方法。
  6. 前記加熱工程での加熱温度が110℃〜140℃である請求項5に記載の方法。
  7. 前記加熱工程での加熱温度が110℃〜135℃である請求項5に記載の方法。
  8. 前記加熱工程での加熱温度が120℃〜135℃である請求項5に記載の方法。
  9. 前記加熱工程での加熱温度が125℃〜135℃である請求項5に記載の方法。
  10. 加熱を開始する際の前記コーングルテンミール原料の水分量が70重量%以下であり、二酸化硫黄含量が100〜3000ppmである請求項5〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 加熱時間が20分間以上270分間以下である、請求項10に記載の方法。
  12. 加熱を開始する際の前記コーングルテンミール原料の水分量が10〜14重量%であり、二酸化硫黄含量が100〜200ppmである請求項10に記載の方法。
  13. 加熱時間が20分間以上240分間以下である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記コーングルテンミール原料を水分量3%以下まで乾燥する、請求項12〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 加熱を開始する際の前記コーングルテンミール原料の水分量が20〜70重量%であり、二酸化硫黄含量が100〜3000ppmである請求項10に記載の方法。
  16. 加熱時間が50分間以上270分間以下である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記コーングルテンミール原料を水分量3%以下まで乾燥する、請求項15〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. コーングルテンミール分散液またはコーングルテンミール濃縮液を脱水してコーングルテンミール原料を得る工程をさらに包含し、該コーングルテンミール分散液または該コーングルテンミール濃縮液のpHが1〜6に調整される、請求項5〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記コーングルテンミール分散液または前記コーングルテンミール濃縮液のpHが3〜4に調整される請求項18に記載の方法。
  20. 前記加熱工程において加熱とともに前記コーングルテンミール原料への通気を行う請求項5〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記加熱工程が乾燥機を用いて連続式で行われ、ここで、該乾燥機が乾燥ゾーンを有し、乾燥開始時に前記コーングルテンミールが該乾燥ゾーンの入り口に入って出口へと移動し、乾燥終了時に前記コーングルテンミール加熱処理品が出口から出る請求項5〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記入り口温度が50℃〜200℃であり、出口温度が105℃〜150℃であり、ゾーン温度が105℃〜150℃である請求項21に記載の方法。
  23. 前記加熱工程が乾燥機を用いてバッチ式で行われる請求項5〜20のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記加熱温度が105℃〜150℃である請求項23に記載の方法。
  25. 前記加熱工程において乾燥オーブン中に前記コーングルテンミール原料が置かれて乾燥される請求項5〜20のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記加熱工程が130℃で50分間以上と同程度の加熱を行う、請求項25に記載の方法。
  27. 前記加熱工程が105℃〜115℃であり、45分間〜210分間の加熱を行う請求項5および10〜26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記加熱工程が115℃〜125℃であり、40分間〜190分間の加熱を行う請求項5および10〜26のいずれか1項に記載の方法。
  29. 前記加熱工程が125℃〜135℃であり、35分間〜170分間の加熱を行う請求項5および10〜26のいずれか1項に記載の方法。
  30. 前記加熱工程が135℃〜145℃であり、30分間〜150分間の加熱を行う請求項5および10〜26のいずれか1項に記載の方法。
  31. 前記加熱工程が、伝熱加熱型乾燥装置を用いて行われる、請求項5〜30のいずれか1項に記載の方法。
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