JP2011097740A - 電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スイッチのターンオフ時のテール電流に起因する電力損失を低減して、電力変換装置の電力効率を向上する。
【解決手段】メインスイッチ53のオン期間に、直流電源51からメインスイッチ53へ流れる主電流の一部を共振させた共振電流によって電荷を充電する充電回路16,21,18と、メインスイッチ53がオフされる際に、当該充電回路16,21,18に充電された電荷を前記主電流とは逆方向にメインスイッチ53へ放電する放電回路17,21,16と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】メインスイッチ53のオン期間に、直流電源51からメインスイッチ53へ流れる主電流の一部を共振させた共振電流によって電荷を充電する充電回路16,21,18と、メインスイッチ53がオフされる際に、当該充電回路16,21,18に充電された電荷を前記主電流とは逆方向にメインスイッチ53へ放電する放電回路17,21,16と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば電流共振現象を利用したソフトスイッチングにより電力変換を行なう電力変換装置に関する。
燃料電池電気自動車(FCEV)、ハイブリッド自動車(HEV)及び電気自動車(EV)等の電気自動車関連分野では、燃料電池の出力電圧やバッテリの出力電圧を例えばDC/DCコンバータのような電力変換装置を用いて制御する。
DC/DCコンバータには、パワートランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor;IGBT)、電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor;FET)等の半導体パワーデバイス(半導体スイッチ)をオン/オフ制御して電圧変換を行なうものがある。
DC/DCコンバータは、電子機器の省電力化、小型化及び高性能化に伴い、低損失、高効率及び低ノイズ化が望まれており、中でも、スイッチのスイッチング動作に伴うスイッチング損失やスイッチングサージの低減が望まれている。
このようなスイッチング損失、スイッチングサージを低減して、小型、軽量で高効率、高周波の電力変換を可能にする回路技術の1つにソフトスイッチング技術がある。ソフトスイッチング技術は、電流共振現象を利用してスイッチの電圧及び/又は電流をゼロとした状態でスイッチをスイッチングすることにより、スイッチング時の電力損失(スイッチング損失)を低減しようとする技術である。なお、電圧がゼロの状態でのスイッチングはZVS(Zero Voltage Switching)と呼ばれ、電流がゼロの状態でのスイッチングはZCS(Zero Current Switching)と呼ばれる。
ソフトスイッチング技術において、スイッチにはIGBTを用いることができるが、現存するIGBTは、バイポーラ素子であるため、通電状態から遮断状態に遷移する時(ターンオフ時)に原理的に電流がすぐにはゼロにならない(過渡的にテール電流が流れる)特性を有する。結果的に、IGBTのターンオフは、ZCSとならず、テール電流の影響によりスイッチング損失(以下、「ターンオフ損失」又は「テール損失」ともいう)が生じる。
ソフトスイッチング技術を用いた装置(例えばDC/DCコンバータ等の電力変換装置)が大電力用途に適用された場合、大電流をターンオフするため、テール損失も増大する。例えば、100kW(キロワット)級のチョッパの実験結果では、ターンオン時の電力損失5%、導通損失19%に対し、ターンオフ損失は76%にも達する場合がある。
本発明の目的の一つは、スイッチのターンオフ時のテール電流に起因する電力損失を低減して、スイッチングによる電力変換効率を向上することにある。
なお、前記目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本発明の他の目的の一つとして位置付けることができる。
本発明の電力変換装置の一態様は、直流電源からの入力電圧を、電流共振現象を利用したソフトスイッチングにより所定の出力電圧に変換する電力変換装置であって、前記直流電源の高電位側に一端が電気的に接続されたメインリアクトルと、前記メインリアクトルの他端に電気的に接続され、周期的なスイッチング制御を受けて前記メインリアクトルに前記直流電源の電気エネルギーを周期的に蓄積し解放することにより、前記入力電圧を前記出力電圧に変換するメインスイッチと、前記メインスイッチのオン期間に、前記直流電源から前記メインスイッチへ流れる主電流の一部を共振させた共振電流によって電荷を充電する充電回路と、前記メインスイッチがオフされる際に、前記充電回路に充電された電荷を前記主電流とは逆方向に前記メインスイッチへ放電する放電回路と、を備える。
ここで、前記充電回路は、前記メインスイッチのオン期間に一時的にオン制御される第1の補助スイッチと、前記第1の補助スイッチのオン制御により、前記主電流の一部が通流する補助共振リアクトル及びコンデンサと、を備え、前記直流電源、前記第1の補助スイッチ、前記補助共振リアクトル、及び前記コンデンサが成す共振回路を流れる共振電流によって前記コンデンサに前記電荷を充電する、こととしてもよい。
また、前記放電回路は、前記メインスイッチのオフタイミングに先行して一時的にオン制御される第2の補助スイッチを備え、前記第2の補助スイッチのオン制御により、前記コンデンサの充電電荷を、前記補助共振リアクトル、前記直流電源、前記メインスイッチ、前記第2の補助スイッチ及び前記コンデンサが成す共振回路に放電する、こととしてもよい。
さらに、前記第1及び第2の補助スイッチの一方又は双方は、逆阻止型の絶縁ゲートバイポーラトランジスタであってもよいし、逆導通型の絶縁ゲートバイポーラトランジスタとダイオードとの直列接続体であってもよい。
また、前記第1の補助スイッチと前記コンデンサとの間に補助リアクトルが直列に接続されてもよい。
さらに、前記メインスイッチは、逆導通型の絶縁ゲートバイポーラトランジスタであり、当該メインスイッチのコレクタに可飽和リアクトルが直列に接続されてもよい。
また、前記充電回路における前記リアクトルは、可飽和特性を有する、こととしてもよい。
さらに、前記補助共振リアクトルは、前記メインリアクトルを分割したときの一部に相当する、こととしてもよい。
IGBT等のスイッチのテール電流によるターンオフ損失を低減することができる。したがって、電力変換装置の電力変換効率の向上を図ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(各実施例を組み合わせる等)して実施することができる。
〔1〕一実施形態
図1は、一実施形態に係る電力変換装置の一例としてのソフトスイッチングコンバータを示す電気回路図である。図1に示すコンバータ1は、昇圧型のDC/DCコンバータであり、直流電源51からの入力電圧を所定の出力電圧に昇圧し、昇圧後電圧を負荷60に供給することができる。コンバータ1を電気機器の一例としての燃料電池自動車に適用する場合、直流電源51は例えば燃料電池(FCスタック)に相当し、負荷60は例えば直流電源51から供給される電力を受けて動作可能な機器(トラクションモータやディファレンシャル等)に相当する。
図1は、一実施形態に係る電力変換装置の一例としてのソフトスイッチングコンバータを示す電気回路図である。図1に示すコンバータ1は、昇圧型のDC/DCコンバータであり、直流電源51からの入力電圧を所定の出力電圧に昇圧し、昇圧後電圧を負荷60に供給することができる。コンバータ1を電気機器の一例としての燃料電池自動車に適用する場合、直流電源51は例えば燃料電池(FCスタック)に相当し、負荷60は例えば直流電源51から供給される電力を受けて動作可能な機器(トラクションモータやディファレンシャル等)に相当する。
コンバータ1は、例示的に、(入力)コンデンサ52と、(メイン)スイッチ53と、(出力)ダイオード54と、(メイン)リアクトル56と、(出力)コンデンサ57とを備える。これらの要素52、53、54、56及び57は、直流電源51からの入力電圧を昇圧する主回路(昇圧部)の一例を成す。
メインスイッチ53のオン及びオフが周期的に制御されることにより、リアクトル56に流れる電流(以下、「主電流」ともいう。)量に応じたリアクトル56の電気エネルギーの蓄積及び蓄積エネルギーの解放が周期的に繰り返される。解放された電気エネルギーが出力ダイオード54を介して出力コンデンサ57の両端電圧に重畳されることで、入力電圧が昇圧される。
例示的に、入力コンデンサ52は、平滑コンデンサであり、その両端が直流電源51の両極に接続されている。これにより、直流電源51から入力される電流のリプルを低減することが可能である。
リアクトル56の一端は、直流電源51の高電位側に電気的に接続され、リアクトル56の他端は、出力ダイオード54のアノードに直列接続されている。出力ダイオード54のカソードには、出力コンデンサ57の一端が並列に接続されている。出力ダイオード54のカソード電圧(出力コンデンサ57の両端電圧)が昇圧後電圧に相当し、当該電圧が負荷60に印加される。出力コンデンサ57は、例示的に、平滑コンデンサであり、昇圧後電圧を平滑化して変動を低減する。
メインスイッチ53には、非限定的な一例として、逆導通型のIGBT(半導体スイッチ)を適用可能であり、一方の極(例えばコレクタ)がリアクトル56と出力ダイオード54との間の電気経路に並列接続されるとともに、他方の極(例えばエミッタ)が、直流電源51の低電位側(例えばGND)に接続されている。なお、「逆導通型」のIGBT53は、コレクタ−エミッタ間に接続された逆並列ダイオード(「フライホイールダイオード」とも呼ばれる。)D1を有し、当該ダイオードD1経由でIGBT53のコレクタ電流とは逆方向に電流を流すことが可能である。
IGBT53は、ゲートに与えられるパルス幅変調(PWM)信号等のスイッチ制御信号(以下、「ゲート電圧」ともいう)に応じてオン/オフ制御することができる。スイッチ制御信号のデューティ比を制御することで、直流電源51から出力ダイオード54へ向かう方向にリアクトル56に流れる平均的な電流量を制御して、コンバータ1の昇圧率を制御することができる。
スイッチ制御信号は、図示を省略したコントローラにおいて生成することができる。コントローラは、例えばCPU、RAM、ROM等を備えることができる。コンバータ1が燃料電池自動車に適用される場合、コントローラは、電子制御ユニット(ECU)の一部又は全部に相当すると考えることができる。
また、コンバータ1は、上述した主回路に加え、例示的に、スナバ回路を成す(スナバ)ダイオード14及び(スナバ)コンデンサ15と、(補助共振)リアクトル16と、可飽和リアクトル16aと、補助スイッチ17と、(回生)ダイオード19と、(スナバ逆流防止)ダイオード20と、を備えることができる。これらの要素14〜16、16a、17及び19は、主回路(メインスイッチ53)のソフトスイッチングを実現する補助回路の一例として位置付けられる。なお、補助スイッチ17は、後述するもう1つの補助スイッチ18を第1の補助スイッチと位置付けた場合の第2の補助スイッチに相当する。
補助スイッチ17には、例示的に、逆阻止型のIGBT(半導体スイッチ)を適用することができる。「逆阻止型」のIGBT17は、コレクタ電流の向きとは逆方向(スナバコンデンサ15側)に電流が流れることを阻止する。
補助スイッチ17も、メインスイッチ53と同様に、例えば前記コントローラからゲートに与えられるパルス幅変調(PWM)信号等のスイッチ制御信号に応じてオン/オフ制御される。例示的に、補助スイッチ17は、メインスイッチ53のオンタイミングの直前に一時的にオン制御される。
補助スイッチ17がターンオンすると、スナバコンデンサ15、補助スイッチ17、補助共振リアクトル16及び直流電源51を経由する閉回路(L16・C15共振回路)が形成される。当該L16・C15共振回路に、スナバコンデンサ15に充電された電荷が放電されることで電流共振現象を発生させて、メインスイッチ53のソフトスイッチングを実現することができる。
例示的に、スナバ回路を成すスナバダイオード14及びスナバコンデンサ15の直列接続体は、メインスイッチ53の両極(コレクタ−エミッタ間)に並列に接続され、メインスイッチ53がオフされた時の両端電圧の過渡的な上昇速度をスナバコンデンサ15の充電によって緩和する。
すなわち、スナバコンデンサ15に充電された電荷は、補助スイッチ17がオンになると、前記L16・C15共振回路に放電される。当該放電によりスナバコンデンサ15の両端電圧、すなわちメインスイッチ53にかかる電圧(素子電圧)がゼロに向かって正弦波状に減衰してゆく。メインスイッチ53にかかる電圧がゼロになった状態でメインスイッチ53をターンオンすることでZVSが実現される。
スナバダイオード14のカソードとスナバコンデンサ15とが直列接続された電気経路には、補助スイッチ17の両極の一方(例えばコレクタ)が接続され、補助スイッチ17の両極の他方(例えばエミッタ)はスナバ逆流防止ダイオード20のアノードに接続されている。
入力コンデンサ52とリアクトル56との間には、可飽和リアクトル16a、補助共振リアクトル16及び回生ダイオード19の直列接続体が、直流電源51に対して並列に接続されている。当該直列接続体のうちの補助共振リアクトル16と回生ダイオード19との間に、前記スナバ逆流防止ダイオード20のカソードが接続されている。
スナバ逆流防止ダイオード20は、上述したL16・C15共振回路の共振電流が補助共振リアクトル16からスナバコンデンサ15に向けて逆流することを阻止する。回生ダイオード19は、上述した電流共振現象に伴ってスナバコンデンサ15の放電が完了して両端電圧がゼロになるとオンとなる。これにより、共振電流により蓄積された補助共振リアクトル16の電気エネルギーを直流電源51側へ回生することができる。
可飽和リアクトル16aは、通流する電流の急激な(過渡的な)変化に対し高いインダクタンス値を示し、定常的な電流通流状態では容易に飽和して低いインダクタンス値を示す。可飽和リアクトル16aを補助共振リアクトル16に直列に接続することで、補助共振リアクトル16を経由して流れる電流がソフトスイッチング動作の過程で遮断されたときのサージ電圧の発生を抑制することができる。
さらに、コンバータ1は、付加的に、例えば、補助スイッチ18とコンデンサ21とを備えることができる。補助スイッチ18にも、例示的に、補助スイッチ17と同様に逆阻止型のIGBT(半導体スイッチ)を適用することができる。
補助スイッチ18の両極は、補助スイッチ17のエミッタと直流電源51の低電位側とに接続される。コンデンサ21は、補助共振リアクトル16と補助スイッチ17のエミッタとの間に直列接続(ダイオード20に対して並列接続)されている。
補助スイッチ18も、メインスイッチ53及び補助スイッチ17と同様に、例えば前記コントローラからゲートに与えられるパルス幅変調(PWM)信号等のスイッチ制御信号に応じてオン/オフ制御される。例示的に、補助スイッチ18は、メインスイッチ53のオン期間中に一時的にオン制御される。
補助スイッチ18がターンオンすると、補助共振リアクトル16、コンデンサ21、補助スイッチ18及び直流電源51を経由する閉回路(L16・C21共振回路)が形成される。別言すれば、補助共振リアクトル16は、コンデンサ21との直列接続によりL16・C21共振回路を成し、コンデンサ15との直列接続により既述のL16・C15共振回路を成す。
ここで、L16・C21共振回路を流れる共振電流によってコンデンサ21を充電することができる。つまり、L16・C21共振回路は、メインスイッチ53のオン期間に直流電源51からメインスイッチ53へ流れる主電流の一部を共振させた共振電流によって電荷を充電する充電回路の一例である。
コンデンサ21に充電された電荷は、メインスイッチ53のコレクタ電流(主電流)とは逆方向に電流を流すのに用いることができる。例えば、コンデンサ21の充電後に、補助スイッチ17をターンオンすると、コンデンサ21の放電によって、補助共振リアクトル16、入力コンデンサ52、メインスイッチ53(の逆並列ダイオードD1)、スナバダイオード14及び補助スイッチ17を経由する閉回路(共振回路)に電流を流すことができる。別言すると、当該閉回路は、メインスイッチ53がオフされる際に、充電回路を成すコンデンサ21に充電された電荷を主電流とは逆方向にメインスイッチ53へ放電する放電回路の一例である。
したがって、メインスイッチ53のターンオフ時に、コンデンサ21の放電電流によってメインスイッチ53のコレクタ電流(テール電流)を相殺することができ、メインスイッチ53のターンオフ時のテール損失を低減することが可能である。
(動作説明)
上述のごとく構成された本例のコンバータ1は、例示的に、補助スイッチ17、メインスイッチ53及び補助スイッチ18がそれぞれ図2の(1)、(2)及び(3)に示すタイミングで周期的にオン/オフ制御されることで、モード1〜モード6(図2ではM1〜M6と表記している)の動作を繰り返し行なう。
上述のごとく構成された本例のコンバータ1は、例示的に、補助スイッチ17、メインスイッチ53及び補助スイッチ18がそれぞれ図2の(1)、(2)及び(3)に示すタイミングで周期的にオン/オフ制御されることで、モード1〜モード6(図2ではM1〜M6と表記している)の動作を繰り返し行なう。
なお、図3(a)〜図3(f)は、それぞれコンバータ1の動作モード(以下、単に「モード」と称する)1〜6における等価回路を示している。また、図2はコンバータ1における電圧/電流の時間変化を例示する波形図であり、(1)は補助スイッチ17のゲート電圧、(2)はメインスイッチ53のゲート電圧、(3)は補助スイッチ18のゲート電圧の時間波形をそれぞれ示している。また、図2において、(4)はメインスイッチ53にかかる電圧(素子電圧)V53の時間波形を表わし、(5)はメインスイッチ53を通流する電流(素子電流)I53の時間波形を表わしている。さらに、図2において、(6)は補助スイッチ17にかかる電圧(素子電圧)V17の時間波形を表わし、(7)は補助スイッチ17を通流する電流(素子電流)I17の時間波形を表わしている。また、図2において、(8)はコンデンサ21にかかる電圧V21の時間波形を表わし、(9)は補助スイッチ18を通流する電流I18の時間波形を表わしている。
[モード1;図3(a)]
まず、メインスイッチ53をターンオンするタイミングt0の直前に、補助スイッチ17をターンオンさせる〔図2の(1)のタイミング−t1〕。この時、補助スイッチ17は、ゼロ電流からのオンとなり〔図2の(7)参照〕、ソフトスイッチングでターンオンする。
まず、メインスイッチ53をターンオンするタイミングt0の直前に、補助スイッチ17をターンオンさせる〔図2の(1)のタイミング−t1〕。この時、補助スイッチ17は、ゼロ電流からのオンとなり〔図2の(7)参照〕、ソフトスイッチングでターンオンする。
補助スイッチ17がオンすると、出力コンデンサ57の高電位側、出力ダイオード54、スナバダイオード14、補助スイッチ17、補助共振リアクトル16、可飽和リアクトル16a、直流電源51の高電位側から低電位側を経由し、出力コンデンサ57の低電位側へ戻る閉回路が形成される。当該閉回路内を通流する電流で出力ダイオード54の電流を相殺して、出力ダイオード54の蓄積電荷を最小(理想的にはゼロ)にすることができる。
その後、直流電源51の入力電圧で充電されたスナバコンデンサ15の電荷(蓄積エネルギー)の放電が開始され、補助スイッチ17、補助共振リアクトル16、可飽和リアクトル16a及び直流電源51で形成されるL16・C15共振回路に共振電流が通流する〔図3(a)参照〕。
これにより、スナバコンデンサ15の電圧V15は、正弦波状に共振を起こして正から零に向かって減少する。スナバコンデンサ15にかかる電圧がゼロとなった時に、メインスイッチ53をターンオンすることにより、メインスイッチ53をゼロ電圧からターンオン(ZVS)させることができる〔図2の(2)及び(4)のタイミングt0〕。なお、補助共振リアクトル16の一端に、ダイオード20が接続されているため、LC共振は半波で止まる。したがって、スナバコンデンサ15の両端電圧は、放電後に0Vに維持される。
[モード2;図3(b)]
メインスイッチ53がオンになると、それまで導通していたダイオード54がオフとなり、リアクトル56の電流がメインスイッチ53を通流するようになる。この時、スナバコンデンサ15の電圧V15(=メインスイッチ53にかかる電圧V53)はゼロに維持されており、回生ダイオード19がオンとなるので、補助共振リアクトル16の蓄積エネルギーが直流電源51に回生される状態となる。
メインスイッチ53がオンになると、それまで導通していたダイオード54がオフとなり、リアクトル56の電流がメインスイッチ53を通流するようになる。この時、スナバコンデンサ15の電圧V15(=メインスイッチ53にかかる電圧V53)はゼロに維持されており、回生ダイオード19がオンとなるので、補助共振リアクトル16の蓄積エネルギーが直流電源51に回生される状態となる。
メインスイッチ53は、スナバコンデンサ15の電圧がゼロに維持されているから、ゼロ電圧からのターンオンとなり、ソフトスイッチング(ZVS)でオンする。なお、補助スイッチ17は、メインスイッチ53のターンオンにより電流が通流しなくなるので、タイミングt0から補助スイッチ18がオンとなるタイミングt2までの間の適当なタイミング〔例えば図2の(1)のタイミングt1〕でターンオフ(ZVS及びZCS)される。
[モード3;図3(c)]
その後、図2の(3)に示すように、メインスイッチ53のターンオン(タイミングt0)から所定時間経過後のタイミングt2で補助スイッチ18がターンオンされると、回生ダイオード19がオフし、直流電源51、可飽和リアクトル16a、補助共振リアクトル16、コンデンサ21及び補助スイッチ18を経由する閉回路(L16・C21共振回路)が形成される。
その後、図2の(3)に示すように、メインスイッチ53のターンオン(タイミングt0)から所定時間経過後のタイミングt2で補助スイッチ18がターンオンされると、回生ダイオード19がオフし、直流電源51、可飽和リアクトル16a、補助共振リアクトル16、コンデンサ21及び補助スイッチ18を経由する閉回路(L16・C21共振回路)が形成される。
これにより、図2の(8)に示すように、直流電源51から可飽和リアクトル16a及び補助共振リアクトル16を介し、コンデンサ21が共振電流によって充電される。コンデンサ21に蓄えられた電荷(電気エネルギー)は、メインスイッチ53を流れる主電流(コレクタ電流)を相殺する電流供給に用いることができる。このとき、コンデンサ21は、共振電流によって直流電源51の電圧を超える電圧、例えば、直流電源51の電圧(E51)の2倍(−E51〜+E51)の電圧(2E51)にまで充電可能である。
[モード4;図3(d)]
ここで、補助スイッチ18は、逆阻止型のIGBTであるため、コンデンサ21を充電するLC共振は半波で止まり、図2の(9)に示すように、補助スイッチ18には例えばオフされるタイミングt3よりも前に電流が通流しなくなる。したがって、補助スイッチ18は、後に補助スイッチ17がオンされるタイミングt4までの適当なタイミング〔例えば図2の(3)のタイミングt3〕でターンオフ(ZCS)すればよい。
ここで、補助スイッチ18は、逆阻止型のIGBTであるため、コンデンサ21を充電するLC共振は半波で止まり、図2の(9)に示すように、補助スイッチ18には例えばオフされるタイミングt3よりも前に電流が通流しなくなる。したがって、補助スイッチ18は、後に補助スイッチ17がオンされるタイミングt4までの適当なタイミング〔例えば図2の(3)のタイミングt3〕でターンオフ(ZCS)すればよい。
[モード5;図3(e)]
次に、メインスイッチ53をターンオフするタイミングt5よりも前のタイミングt4で、補助スイッチ17がターンオンすると、コンデンサ21、補助共振リアクトル16、可飽和リアクトル16a、直流電源51、メインスイッチ53の逆並列ダイオードD1、スナバダイオード14及び補助スイッチ17を経由する閉回路(L16・C21共振回路)に、コンデンサ21の充電電荷がLC共振モードで放電されて共振電流(I17)が流れる〔例えば図2の(7)及び(8)におけるタイミングt4−t6の期間参照)。したがって、図2の(5)に示すように、当該共振電流によってメインスイッチ53のコレクタ電流が相殺されて減少する。
次に、メインスイッチ53をターンオフするタイミングt5よりも前のタイミングt4で、補助スイッチ17がターンオンすると、コンデンサ21、補助共振リアクトル16、可飽和リアクトル16a、直流電源51、メインスイッチ53の逆並列ダイオードD1、スナバダイオード14及び補助スイッチ17を経由する閉回路(L16・C21共振回路)に、コンデンサ21の充電電荷がLC共振モードで放電されて共振電流(I17)が流れる〔例えば図2の(7)及び(8)におけるタイミングt4−t6の期間参照)。したがって、図2の(5)に示すように、当該共振電流によってメインスイッチ53のコレクタ電流が相殺されて減少する。
そして、図2の(2)に示すように、当該共振電流(I17)がピーク値(I17P)に達するタイミングt5で、メインスイッチ53をターンオフする。この時、メインスイッチ53は、図2の(5)に示すように、逆並列ダイオードD1に負の電流が通流した状態でターンオフするので、テール損失が低減される。
[モード6;図3(f)]
その後、補助スイッチ17を通流する電流I17は、図2の(7)に示すように、ほぼ正弦半波状に減少し、ほぼゼロとなるタイミングt6で、図2の(1)に示すように補助スイッチ17をターンオフする。これにより、出力ダイオード54がオンし、次の周期の開始まで負荷60へ電力が供給される。なお、モード1、3及び5のいずれにおいても共振電流は直流電源51へ回生されるので、電力損失は最小限に抑えられる。
その後、補助スイッチ17を通流する電流I17は、図2の(7)に示すように、ほぼ正弦半波状に減少し、ほぼゼロとなるタイミングt6で、図2の(1)に示すように補助スイッチ17をターンオフする。これにより、出力ダイオード54がオンし、次の周期の開始まで負荷60へ電力が供給される。なお、モード1、3及び5のいずれにおいても共振電流は直流電源51へ回生されるので、電力損失は最小限に抑えられる。
以上のモード1〜6の動作によって、メインスイッチ53のターンオフ時のテール電流を、コンデンサ21に充電しておいた電荷の放電により相殺することができる。したがって、メインスイッチ53のターンオフ損失を最小にすることができ、コンバータ1の電力変換効率の向上を図ることができる。
また、テール電流によるターンオフ損失が抑制されることによって、メインスイッチ53のスイッチング周期を短くすることもできる。スイッチング周期を短くできれば、同じ出力電圧を得るのにメインリアクトル56に要求されるインダクタンス値を低減することができ、メインリアクトル56の小型化、ひいてはコンバータ1の小型化及び低コスト化を図ることができる。
(コンデンサ21及びスナバコンデンサ15の容量設計)
コンデンサ21の容量C21は、図2に例示したタイミングt4〜t6の期間(モード6)において、メインスイッチ53のターンオフ電流のピーク値I53Pを打ち消すのに十分な電流を通流できる値に設定するのが好ましい。
コンデンサ21の容量C21は、図2に例示したタイミングt4〜t6の期間(モード6)において、メインスイッチ53のターンオフ電流のピーク値I53Pを打ち消すのに十分な電流を通流できる値に設定するのが好ましい。
例えば、下記の式(1)により、L16・C21共振回路の電流ピーク値I17P〔図2の(7)参照〕を求めることができるから、当該電流ピーク値I17Pでターンオフ電流のピーク値I53Pを打ち消すことができるよう、コンデンサ21の容量を適切な値に設定する。
なお、式(1)において、V21Pはコンデンサ21の充電電圧(ピーク値)、E51は直流電源51の電圧、L16は補助共振リアクトル16のインダクタンス値をそれぞれ表わす。
一方、スナバコンデンサ15の容量C15は、メインスイッチ53のターンオフ時にスナバコンデンサ15を充電してゆく電圧であるメインスイッチ電圧V53の立ち上がりの傾斜(dv/dt)を緩やかにし、補助スイッチ17を通流する電流I17が減衰してゆくような減衰条件を満足すべく、下記の式(2)より、適切な値に設定するのが好ましい。
なお、式(2)において、tcはメインスイッチ53にかかる電圧が0から直流電源51の電圧E51に達するまでの時間(例えば図7参照)、IC15はコンデンサ15の充電電流、E51は直流電源51の電圧、C15はコンデンサ15の容量をそれぞれ表わす。
(タイミングt1〜t6の設定例)
図2中に示したタイミングt1〜t6は、下記の諸条件を考慮して決定することができる。
図2中に示したタイミングt1〜t6は、下記の諸条件を考慮して決定することができる。
まず、メインスイッチ53のデューティ制御範囲の下限を基に、補助スイッチ18をターンオフするタイミングt3を設定する。次に、補助スイッチ17をターンオフするタイミングt1は、補助スイッチ17が時点−t1にターンオンした後、テール相殺電流を供給するコンデンサ21を充電する補助スイッチ18がタイミングt2でターンオンする前にオフしているように、その時間差を確保して余裕をみて適当に決める。
タイミングt2〜t3の時間差で決まる補助スイッチ18のオン期間t18-onは、テール相殺電流を供給するコンデンサ21の充電時間を十分に確保可能なパルス幅となるように、補助共振リアクトル16及びコンデンサ21を流れる共振電流I18の共振周期ω0を考慮して、例えば下記の式(3)により決定する。
補助スイッチ17をターンオンするタイミングt4は、L16・C21共振回路によって生成される、メインスイッチ53の電流を打ち消す共振電流I17P〔式(1)参照〕の共振パルス幅tw〔下記の式(4)参照〕を考慮して、メインスイッチ53のターンオフタイミングt5よりもごく僅かな時間だけ前に設定する。
このとき、IGBTのターンオフ遅れ時間やターンオフ降下時間も考慮して、実際のターンオフ時に、メインスイッチ53が主電流を遮断してしまわないように、素子特性を十分考慮して設定するとよい。
タイミングt6は、補助スイッチ17の電流I17が、既述の減衰条件式(2)により、減衰する時点に設定する。
〔2〕変形例
(変形例1;図4)
上述したコンバータ1において、例えば図4に示すように、補助スイッチ17は、逆阻止型のIGBTに代えて、逆導通型のIGBT17aと、当該IGBT17aのエミッタにカソードが接続されたダイオード17bとの直列接続体としてもよい。また、補助スイッチ18についても、逆阻止型のIGBTに代えて、逆導通型のIGBT18aと、当該IGBT18aのコレクタにカソードが接続されたダイオード18bとの直列接続体としてもよい。
(変形例1;図4)
上述したコンバータ1において、例えば図4に示すように、補助スイッチ17は、逆阻止型のIGBTに代えて、逆導通型のIGBT17aと、当該IGBT17aのエミッタにカソードが接続されたダイオード17bとの直列接続体としてもよい。また、補助スイッチ18についても、逆阻止型のIGBTに代えて、逆導通型のIGBT18aと、当該IGBT18aのコレクタにカソードが接続されたダイオード18bとの直列接続体としてもよい。
このような逆導通型のIGBTとダイオードとの直列接続体は、1チップの半導体パワーデバイスとして構成することが容易であり低コストであるため、補助スイッチ17及び18の一方又は双方に当該チップを適用することで、コンバータ1の部品点数及びコストの削減を図ることができる。
(変形例2;図5)
また、上述したコンバータ1において、例えば図5に示すように、補助スイッチ18のコレクタと補助スイッチ17のエミッタとの間に、補助リアクトル18Lを接続してもよい。当該補助リアクトル18Lにより、既述のモード3〔図3(c)参照〕においてコンデンサ21を充電する際の電流ピーク値を、補助リアクトル18Lを用いない場合に比して低減することが可能となる。
また、上述したコンバータ1において、例えば図5に示すように、補助スイッチ18のコレクタと補助スイッチ17のエミッタとの間に、補助リアクトル18Lを接続してもよい。当該補助リアクトル18Lにより、既述のモード3〔図3(c)参照〕においてコンデンサ21を充電する際の電流ピーク値を、補助リアクトル18Lを用いない場合に比して低減することが可能となる。
したがって、コンデンサ21の小型化、ひいてはコンバータ1の小型化、低コスト化を図ることができる。
なお、補助リアクトル18Lは、図4に例示する構成に適用することもできるし、図8〜図10により後述する構成に適用することもできる。
(変形例3;図6〜図8)
上述したコンバータ1においては、メインスイッチ53のコレクタ電流(I53)がコンデンサ21の充電電荷の放電によって相殺された後、メインスイッチ53に適用した逆導通型のIGBTにおける逆並列ダイオード(フライホイールダイオード)D1に、例えば図6の斜線領域100で示すように、逆方向リカバリ過渡電流が生じ、電力損失が発生し得る。
上述したコンバータ1においては、メインスイッチ53のコレクタ電流(I53)がコンデンサ21の充電電荷の放電によって相殺された後、メインスイッチ53に適用した逆導通型のIGBTにおける逆並列ダイオード(フライホイールダイオード)D1に、例えば図6の斜線領域100で示すように、逆方向リカバリ過渡電流が生じ、電力損失が発生し得る。
そこで、例えば図8に示すように、メインスイッチ53のコレクタに、可飽和リアクトル53aを直列に接続してもよい。可飽和リアクトル53aは、通流する電流の急激な(過渡的な)変化に対し高いインダクタンス値を示し、定常的な電流通流状態では容易に飽和して低いインダクタンス値を示す。
したがって、逆並列ダイオードD1の逆方向リカバリ過渡電流は、高いインダクタンス値を示す可飽和リアクトル53aによって、例えば図7に符号200で示すようにブロックあるいは抑制することができる。よって、メインスイッチ53の逆並列ダイオードD1に流れる逆方向リカバリ過渡電流による電力損失を最小にすることができる。
なお、可飽和リアクトル53aは、図4及び図5に例示した構成に適用することもできるし、図9及び図10により後述する構成に適用することもできる。
(変形例4;図9)
また、図1に例示したコンバータ1において、補助共振リアクトル16及び可飽和リアクトル16aは、例えば図9に示すように、一体化して可飽和特性をもたせた1つの補助可飽和リアクトル16cとしてもよい。これにより、コンバータ1の部品点数及びコストを削減することが可能である。なお、補助可飽和リアクトル16cは、図4、図5及び図8に例示した構成に適用することもできるし、図10により後述する構成に適用することもできる。
また、図1に例示したコンバータ1において、補助共振リアクトル16及び可飽和リアクトル16aは、例えば図9に示すように、一体化して可飽和特性をもたせた1つの補助可飽和リアクトル16cとしてもよい。これにより、コンバータ1の部品点数及びコストを削減することが可能である。なお、補助可飽和リアクトル16cは、図4、図5及び図8に例示した構成に適用することもできるし、図10により後述する構成に適用することもできる。
(変形例5;図10)
さらに、図1に例示したコンバータ1において、補助共振リアクトル16の機能は、例えば図10に例示するように、等価的に1つのリアクトル56を成すリアクトル56a及び56bの直列接続体の一部(リアクトル56b)を利用して実現することとしてもよい。すなわち、リアクトル56bとリアクトル56aとの接続点に、可飽和リアクトル16a及び回生ダイオード19の直列接続体を並列に接続する。
さらに、図1に例示したコンバータ1において、補助共振リアクトル16の機能は、例えば図10に例示するように、等価的に1つのリアクトル56を成すリアクトル56a及び56bの直列接続体の一部(リアクトル56b)を利用して実現することとしてもよい。すなわち、リアクトル56bとリアクトル56aとの接続点に、可飽和リアクトル16a及び回生ダイオード19の直列接続体を並列に接続する。
これにより、既述のモード1においては、直流電源51側のリアクトル56bが補助共振リアクトル16として機能してLC共振の共振電流を直流電源51の高電位側へ回生する。モード2、モード4及びモード6においては、リアクトル56b及びリアクトル56aが1つのリアクトル56として機能して出力ダイオード54側へ電流を流す。
モード3及びモード5においては、リアクトル56bが補助共振リアクトル16として機能してコンデンサ21への充電電流及びコンデンサ21からの放電電流を流すとともに、リアクトル56aがリアクトル56として機能してメインスイッチ53へ電流を流す。
ここで、直流電源51に近い側のリアクトル56bのインダクタンス値は、補助共振リアクトル16単独のインダクタンス値と同等に設定しておくとよい。直流電源51から遠い側のリアクトル56aのインダクタンス値は、リアクトル56bのインダクタンス値との合計で既述のメインリアクトル56と同等のインダクタンス値を実現する場合、個別のリアクトル56の容量よりも小さな容量で済む。したがって、リアクトル56aの小型化可能な程度にもよるが、リアクトル56と補助共振リアクトル16とを個別に設ける場合に比して、コンバータ1の小型化及び低コスト化を図ることができる。
(変形例6;図11)
メインスイッチ53のテール電流をブロックあるいは抑制する方法は、既述のように主電流を相殺する電流を主回路に流す方法に限定されない。例えば図11に示すように、直流電源51とは別に補助回路の一例として可飽和リアクトル53aを用いたリセット回路70によって同等の方法を実現することも可能である。なお、図11において既述の符号を付して示す要素は、既述の要素と同一若しくは同様の要素である。
メインスイッチ53のテール電流をブロックあるいは抑制する方法は、既述のように主電流を相殺する電流を主回路に流す方法に限定されない。例えば図11に示すように、直流電源51とは別に補助回路の一例として可飽和リアクトル53aを用いたリセット回路70によって同等の方法を実現することも可能である。なお、図11において既述の符号を付して示す要素は、既述の要素と同一若しくは同様の要素である。
可飽和リアクトル53aは、例示的に、メインスイッチ53のコレクタに直列接続されており、リセット回路70は、メインスイッチ53がターンオフする際に、可飽和リアクトル53aをリセットする。当該リセットは、例えば、既述の電子制御ユニット(ECU)等のコントローラによって制御できる。
これにより、メインスイッチ53のテール電流をブロックあるいは抑制して、メインスイッチ53のテール損失を低減もしくはゼロにすることができる。なお、リセット回路70を用いる場合、メインスイッチ53のスイッチング方式は、ソフトスイッチングに限定されない。スイッチング方式は、図11に示すハードスイッチング方式でも既述のソフトスイッチング方式でも構わない。
14…(スナバ)ダイオード、15…(スナバ)コンデンサ、16…(補助共振)リアクトル、16a…可飽和リアクトル、16c…補助可飽和リアクトル、17…補助スイッチ(第2のスイッチ)、17b…ダイオード、18…補助スイッチ(第1のスイッチ)、18L…補助リアクトル、18b…ダイオード、19…(回生)ダイオード、20…(スナバ逆流防止)ダイオード、21…コンデンサ、51…直流電源、52…(入力)コンデンサ、53…(メイン)スイッチ、53a…可飽和リアクトル、54…(出力)ダイオード、56…(メイン)リアクトル、56a,56b…リアクトル、57…(出力)コンデンサ、60…負荷、70…リセット回路、D1…逆並列ダイオード
Claims (12)
- 直流電源からの入力電圧を、電流共振現象を利用したソフトスイッチングにより所定の出力電圧に変換する電力変換装置であって、
前記直流電源の高電位側に一端が電気的に接続されたメインリアクトルと、
前記メインリアクトルの他端に電気的に接続され、周期的なスイッチング制御を受けて前記メインリアクトルに前記直流電源の電気エネルギーを周期的に蓄積し解放することにより、前記入力電圧を前記出力電圧に変換するメインスイッチと、
前記メインスイッチのオン期間に、前記直流電源から前記メインスイッチへ流れる主電流の一部を共振させた共振電流によって電荷を充電する充電回路と、
前記メインスイッチがオフされる際に、前記充電回路に充電された電荷を前記主電流とは逆方向に前記メインスイッチへ放電する放電回路と、
を備えた、電力変換装置。 - 前記充電回路は、
前記メインスイッチのオン期間に一時的にオン制御される第1の補助スイッチと、
前記第1の補助スイッチのオン制御により、前記主電流の一部が通流する補助共振リアクトル及びコンデンサと、を備え、
前記直流電源、前記第1の補助スイッチ、前記補助共振リアクトル、及び前記コンデンサが成す共振回路を流れる共振電流によって前記コンデンサに前記電荷を充電する、請求項1記載の電力変換装置。 - 前記放電回路は、
前記メインスイッチのオフタイミングに先行して一時的にオン制御される第2の補助スイッチを備え、
前記第2の補助スイッチのオン制御により、前記コンデンサの充電電荷を、前記補助共振リアクトル、前記直流電源、前記メインスイッチ、前記第2の補助スイッチ及び前記コンデンサが成す共振回路に放電する、請求項2に記載の電力変換装置。 - 前記第1の補助スイッチは、逆阻止型の絶縁ゲートバイポーラトランジスタである、請求項2又は3に記載の電力変換装置。
- 前記第2の補助スイッチは、逆阻止型の絶縁ゲートバイポーラトランジスタである、請求項3に記載の電力変換装置。
- 前記第1の補助スイッチは、逆導通型の絶縁ゲートバイポーラトランジスタとダイオードとの直列接続体である、請求項2又は3に記載の電力変換装置。
- 前記第2の補助スイッチは、逆導通型の絶縁ゲートバイポーラトランジスタとダイオードとの直列接続体である、請求項3に記載の電力変換装置。
- 前記第1の補助スイッチと前記コンデンサとの間に補助リアクトルが直列に接続された、請求項2〜7のいずれか1項に記載の電力変換装置。
- 前記メインスイッチは、逆導通型の絶縁ゲートバイポーラトランジスタであり、
当該メインスイッチのコレクタに可飽和リアクトルが直列に接続された、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電力変換装置。 - 前記補助共振リアクトルは、可飽和特性を有する、請求項2〜8のいずれか1項に記載の電力変換装置。
- 前記補助共振リアクトルは、前記メインリアクトルを分割したときの一部に相当する、請求項2〜8及び10のいずれか1項に記載の電力変換装置。
- メインスイッチと、
前記メインスイッチと直列に接続された可飽和リアクトルと、
前記可飽和リアクトルのリセット手段と、を備え、
前記メインスイッチがターンオフする際に、前記可飽和リアクトルをリセットする、電力変換装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009249108A JP2011097740A (ja) | 2009-10-29 | 2009-10-29 | 電力変換装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2013039250A1 (ja) * | 2011-09-15 | 2015-03-26 | 国立大学法人 長崎大学 | 電力変換回路の制御装置 |
US11784600B2 (en) | 2017-01-25 | 2023-10-10 | General Electric Company | Systems and methods for a soft switching DC-DC converter |
-
2009
- 2009-10-29 JP JP2009249108A patent/JP2011097740A/ja not_active Withdrawn
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