JP2011097002A - 液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び圧電素子並びに圧電材料 - Google Patents

液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び圧電素子並びに圧電材料 Download PDF

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Abstract

【課題】鉛を含有せず、歪み量が大きい圧電素子を有する液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び圧電素子並びに圧電材料を提供する。
【解決手段】ノズル開口21に連通する圧力発生室12と、第1電極60と、第1電極60上に形成された圧電体層70と、圧電体層70上に形成された第2電極80と、を備えた圧電素子300と、を具備し、圧電体層70は、Bi、La、Fe及びMnを含むペロブスカイト型複合酸化物からなり、電界誘起相転移を示す液体噴射ヘッドとする。
【選択図】図2

Description

本発明は、ノズル開口に連通する圧力発生室に圧力変化を生じさせる第1電極、圧電体層及び第2電極からなる圧電素子を具備する液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び圧電素子並びに圧電材料に関する。
液体噴射ヘッドに用いられる圧電素子としては、電気的機械変換機能を呈する圧電材料、例えば、結晶化した誘電材料からなる圧電体層を、2つの電極で挟んで構成されたものがある。このような圧電素子は、例えば撓み振動モードのアクチュエーター装置として液体噴射ヘッドに搭載される。液体噴射ヘッドの代表例としては、例えば、インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴として吐出させるインクジェット式記録ヘッドがある。このようなインクジェット式記録ヘッドに搭載される圧電素子は、例えば、振動板の表面全体に亘って成膜技術により均一な圧電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィー法により圧力発生室に対応する形状に切り分けて圧力発生室毎に独立するように圧電素子を形成したものがある。
このような圧電素子に用いられる圧電材料には高い圧電特性(歪み量)が求められており、代表例として、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が挙げられる(特許文献1参照)。
特開2001−223404号公報
しかしながら、前述したチタン酸ジルコン酸鉛には鉛が含まれており、環境問題の観点から、鉛を含有しない圧電材料が求められている。鉛を含有しない圧電材料としては、例えばABO3で示されるペロブスカイト構造を有するBiFeO3など種々あるが、チタン酸ジルコン酸鉛と比較して、歪み量が小さいという問題がある。なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッドに代表される液体噴射ヘッドに限定されず、他の圧電素子においても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、鉛を含有せず、歪み量が大きい圧電素子を有する液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び圧電素子並びに圧電材料を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室と、第1電極と、前記第1電極上に形成された圧電体層と、前記圧電体層上に形成された第2電極と、を備えた圧電素子と、を具備し、前記圧電体層は、Bi、La、Fe及びMnを含むペロブスカイト型複合酸化物からなり、電界誘起相転移を示すことを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、Bi、La、Fe及びMnを含むペロブスカイト型複合酸化物であって、電界誘起相転移を示す圧電材料、すなわち、反強誘電体を用いることにより、鉛を含有せず且つ歪み量が大きい圧電素子を有する液体噴射ヘッドとすることができる。
また、本発明の液体噴射ヘッドは、ノズル開口に連通する圧力発生室と、第1電極と、前記第1電極上に形成された圧電体層と、前記圧電体層上に形成された第2電極と、を備えた圧電素子とを具備し、前記圧電体層は、下記一般式(1)で表される複合酸化物を含むことを特徴とする液体噴射ヘッドにある。これによれば、下記一般式(1)で表される複合酸化物は反強誘電体なので、鉛を含有せず且つ歪み量が大きい圧電素子を有する液体噴射ヘッドとすることができる。
(Bi1-x,Lax)(Fe1-y,Mny)O3 (1)
(0.21≦x≦0.38,0.01≦y≦0.09)
そして、上記一般式(1)において、0.24≦x≦0.33であることが好ましい。これによれば、歪み量がより大きい圧電素子を有する液体噴射ヘッドとすることができる。
また、上記一般式(1)において、0.27≦x≦0.29であることが好ましい。これによれば、圧電体層が電界誘起相転移を示す電圧が安定するため、圧電素子の歪み量を制御しやすくなる。
そして、上記一般式(1)において、0.01≦y≦0.05であることが好ましい。これによれば、絶縁性に優れリークによる絶縁破壊が防止された液体噴射ヘッドとなる。
本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。かかる態様では、鉛を含有せず且つ歪み量が大きい圧電素子を有する液体噴射ヘッドを具備するため、環境に悪影響を与えず且つ圧電特性に優れた液体噴射装置となる。
また、本発明の他の態様は、圧電体層と、前記圧電体層に設けられた複数の電極とを具備した圧電素子であって、前記圧電体層は、Bi、La、Fe及びMnを含むペロブスカイト型複合酸化物からなり、電界誘起相転移を示すことを特徴とする圧電素子にある。かかる態様では、Bi、La、Fe及びMnを含むペロブスカイト型複合酸化物であって、電界誘起相転移を示す圧電材料、すなわち、反強誘電体を用いることにより、鉛を含有せず且つ歪み量が大きい圧電素子とすることができる。
また、本発明の圧電素子は、圧電体層と、前記圧電体層に設けられた複数の電極と、を具備した圧電素子であって、前記圧電体層は、下記一般式(1)で表される複合酸化物を含むことを特徴とする。これによれば、下記一般式(1)で表される複合酸化物は反強誘電体なので、鉛を含有せず且つ歪み量が大きい圧電素子とすることができる。
(Bi1-x,Lax)(Fe1-y,Mny)O3 (1)
(0.21≦x≦0.38,0.01≦y≦0.09)
本発明の他の態様は、Bi、La、Fe及びMnを含むペロブスカイト型複合酸化物であって、電界誘起相転移を示すことを特徴とする圧電材料にある。これによれば、鉛を含有せず且つ歪み量が大きい圧電材料を提供することができる。
また、本発明の圧電材料は、下記一般式(1)で表されるペロブスカイト型複合酸化物からなることを特徴とする。これによれば、下記一般式(1)で表されるペロブスカイト型複合酸化物は反強誘電体なので、鉛を含有せず且つ歪み量が大きい圧電材料を提供することができる。
(Bi1-x,Lax)(Fe1-y,Mny)O3 (1)
(0.21≦x≦0.38,0.01≦y≦0.09)
実施形態1に係る記録ヘッドの概略構成を示す分解斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。 反強誘電体のP−Vヒステリシスを表す図である。 実施例1のP−V曲線を表す図である。 実施例2のP−V曲線を表す図である。 実施例3のP−V曲線を表す図である。 実施例4のP−V曲線を表す図である。 実施例5のP−V曲線を表す図である。 実施例6のP−V曲線を表す図である。 実施例7のP−V曲線を表す図である。 実施例8のP−V曲線を表す図である。 実施例9のP−V曲線を表す図である。 実施例10のP−V曲線を表す図である。 実施例11のP−V曲線を表す図である。 比較例1のP−V曲線を表す図である。 比較例2のP−V曲線を表す図である。 比較例3のP−V曲線を表す図である。 試験例3のX線回折パターンを表す図である。 試験例3のX線回折パターンを表す図である。 実施例7のS−V曲線を表す図である。 実施例6のS−V曲線を表す図である。 実施例3のS−V曲線を表す図である。 本発明の実施形態1に係る記録装置の概略構成を示す図である。 実施例6の15VでのS−V曲線を表す図である。 実施例6の30VでのS−V曲線を表す図である。 強誘電体の30VでのS−V曲線を表す図である。 実施例6のP−V曲線及びS−V曲線を併記した図である。 実施例6の周波数追従性を測定した図(1kHz)である。 実施例6の周波数追従性を測定した図(10kHz)である。 実施例6の周波数追従性を測定した図(20kHz)である。 実施例6の周波数追従性を測定した図(30kHz)である。 実施例6の周波数追従性を測定した図(40kHz)である。 実施例6の周波数追従性を測定した図(50kHz)である。 反強誘電体の30Vでの電圧−時間プロットと電界誘起歪−時間プロットである。 反強誘電体の15Vでの電圧−時間プロットと電界誘起歪−時間プロットである。 強誘電体の30Vでの電圧−時間プロットと電界誘起歪−時間プロットである。 インクジェット式記録装置の制御構成を示すブロック図である。 反強誘電体を用いた圧電素子に高電圧を印加した際の変位の挙動を示す図である。 反強誘電体を用いた圧電素子に低電圧を印加した際の変位の挙動を示す図である。 小振幅の駆動波形を示す図である。 小振幅の駆動波形を示す図である。 大振幅の駆動波形を示す図である。 小振幅と大振幅を組み合わせた駆動波形を示す図である。 小振幅と大振幅を組み合わせた駆動波形を示す図である。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの概略構成を示す分解斜視図であり、図2は、図1の平面図及びそのA−A′断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の流路形成基板10は、シリコン単結晶基板からなり、その一方の面には二酸化シリコンからなる弾性膜50が形成されている。
流路形成基板10には、複数の圧力発生室12がその幅方向に並設されている。また、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向外側の領域には連通部13が形成され、連通部13と各圧力発生室12とが、各圧力発生室12毎に設けられたインク供給路14及び連通路15を介して連通されている。連通部13は、後述する保護基板のリザーバー部31と連通して各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバーの一部を構成する。インク供給路14は、圧力発生室12よりも狭い幅で形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。なお、本実施形態では、流路の幅を片側から絞ることでインク供給路14を形成したが、流路の幅を両側から絞ることでインク供給路を形成してもよい。また、流路の幅を絞るのではなく、厚さ方向から絞ることでインク供給路を形成してもよい。本実施形態では、流路形成基板10には、圧力発生室12、連通部13、インク供給路14及び連通路15からなる液体流路が設けられていることになる。
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が、接着剤や熱溶着フィルム等によって固着されている。なお、ノズルプレート20は、例えば、ガラスセラミックス、シリコン単結晶基板、ステンレス鋼等からなる。
一方、このような流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述したように弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、酸化ジルコニウム等からなる絶縁体膜55が形成されている。
さらに、この絶縁体膜55上には、第1電極60と、厚さが2μm以下、好ましくは0.3〜1.5μmの薄膜の圧電体層70と、第2電極80とが、積層形成されて、圧電素子300を構成している。なお、圧電素子300と絶縁体膜55の密着性を向上させる等のために、絶縁体膜55と圧電素子300との間に酸化チタンからなる層を設けるようにしてもよい。ここで、圧電素子300は、第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。本実施形態では、第1電極60を圧電素子300の共通電極とし、第2電極80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせてアクチュエーター装置と称する。なお、上述した例では、弾性膜50、絶縁体膜55及び第1電極60が振動板として作用するが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、弾性膜50及び絶縁体膜55を設けずに、第1電極60のみが振動板として作用するようにしてもよい。また、圧電素子300自体が実質的に振動板を兼ねるようにしてもよい。
そして、本実施形態においては、圧電体層70は、Bi、La、Fe及びMnを含むペロブスカイト型複合酸化物であって電界誘起相転移を示すものである。具体的には、例えば下記一般式(1)で表されるABO3型の複合酸化物である。なお、後述する実施例に示すが、下記一般式(1)で表されるABO3型の複合酸化物は、電界誘起相転移を示す。そして、後述する実施例及び比較例で示すが、Bi、La、Fe及びMnを含むABO3型の複合酸化物は、その組成比によって、強誘電体となったり、反強誘電体となったりするものである。
(Bi1-x,Lax)(Fe1-y,Mny)O3 (1)
(0.21≦x≦0.38,0.01≦y≦0.09)
なお、ABO3型構造、すなわち、ペロブスカイト構造のAサイトは酸素が12配位しており、また、Bサイトは酸素が6配位して8面体(オクタヘドロン)をつくっている。そして、AサイトにBi及びLaが、BサイトにFe及びMnが位置している。
ここで、電界誘起相転移とは、電場によって起こる相転移であり、反強誘電相から強誘電相への相転移や、強誘電相から反強誘電相への相転移を意味する。なお、強誘電相とは、分極軸が同一方向に並んでいる状態であり、反強誘電相とは分極軸が互い違いに並んでいる状態である。例えば、反強誘電相から強誘電相への相転移は、反強誘電相の互い違いに並んでいる分極軸が180度回転することにより分極軸が同一方向になって強誘電相になることであり、このような電界誘起相転移によって格子が膨張又は伸縮して生じる歪みが、電界誘起相転移により生じる電界誘起相転移歪みである。
このような電界誘起相転移を示すものが反強誘電体であり、換言すると、電場のない状態では分極軸が互い違いに並んでおり、電場により分極軸が回転して同一方向にならぶものが反強誘電体である。このような反強誘電体は、反強誘電体の分極量Pと電圧Vの関係を示すP−V曲線の一例である図3に示すように、正の電界方向と負の電界方向で2つのヒステリシスループ形状を持つダブルヒステリシスとなる。そして、図3において、分極量が急激に変化している領域VF及びVAFが、強誘電相から反強誘電相への相転移や、強誘電相から反強誘電相への相転移している箇所である。なお、強誘電体は、反強誘電体とは異なり、P−V曲線においてヒステリシス曲線を示し、分極方向を一方向に揃えることで歪み量が印加電圧に対して直線的に変化するものである。
このように、Bi、La、Fe及びMnを含むABO3型の複合酸化物であって電界誘起相転移を示すものを圧電体層とすると、電界誘起相転移の領域で分極量が大きく変化して電界誘起相転移歪みが生じるため、鉛を含有せず且つ歪み量が大きい圧電素子となる。
そして、圧電体層70は、上記一般式(1)において、0.24≦x≦0.33であると、歪み量がより大きい圧電素子とすることができる。さらに、0.27≦x≦0.29であると、圧電体層70が電界誘起相転移を示す電圧が安定するため、圧電素子の歪み量を制御しやすくなる。また、0.01≦y≦0.05であると、リーク特性にも優れる。
このような圧電素子300を流路形成基板10上に形成する方法は特に限定されないが、例えば、以下の方法で製造することができる。まず、シリコンウェハーである流路形成基板用ウェハーの表面に弾性膜50を構成する二酸化シリコン(SiO2)等からなる二酸化シリコン膜を形成する。次いで、弾性膜50(二酸化シリコン膜)上に、酸化ジルコニウム等からなる絶縁体膜55を形成する。
次に、絶縁体膜55上に、必要に応じて酸化チタンからなる層を設けた後、白金やイリジウム等からなる第1電極60をスパッタリング法等により全面に形成した後パターニングする。
次いで、圧電体層70を積層する。圧電体層70の製造方法は特に限定されないが、例えば、有機金属化合物を溶媒に溶解・分散した溶液を塗布乾燥し、さらに高温で焼成することで金属酸化物からなる圧電体層70を得る、MOD(Metal−Organic Decomposition)法を用いて圧電体層70を形成できる。なお、圧電体層70の製造方法は、MOD法に限定されず、例えば、ゾル−ゲル法や、レーザアブレーション法、スパッタリング法、パルス・レーザー・デポジション法(PLD法)、CVD法、エアロゾル・デポジション法などを用いてもよい。
例えば、第1電極60上に、有機金属化合物、具体的には、ビスマス、ランタン、鉄、マンガンを含有する有機金属化合物を、目的とする組成比になる割合で含むゾルやMOD溶液(前駆体溶液)をスピンコート法などを用いて、塗布して圧電体前駆体膜を形成する(塗布工程)。
塗布する前駆体溶液は、ビスマス、ランタン、鉄、マンガンをそれぞれ含む有機金属化合物を、各金属が所望のモル比となるように混合し、該混合物をアルコールなどの有機溶媒を用いて溶解または分散させたものである。ビスマス、ランタン、鉄、マンガンをそれぞれ含む有機金属化合物としては、例えば、金属アルコキシド、有機酸塩、βジケトン錯体などを用いることができる。ビスマスを含む有機金属化合物としては、例えば2−エチルヘキサン酸ビスマスなどが挙げられる。ランタンを含む有機金属化合物としては、2−エチルヘキサン酸ランタンなどが挙げられる。鉄を含む有機金属化合物としては、例えば2−エチルヘキサン酸鉄などが挙げられる。マンガンを含む有機金属化合物としては、例えば2−エチルヘキサン酸マンガンなどが挙げられる。
次いで、この圧電体前駆体膜を所定温度に加熱して一定時間乾燥させる(乾燥工程)。次に、乾燥した圧電体前駆体膜を所定温度に加熱して一定時間保持することによって脱脂する(脱脂工程)。なお、ここで言う脱脂とは、圧電体前駆体膜に含まれる有機成分を、例えば、NO2、CO2、H2O等として離脱させることである。
次に、圧電体前駆体膜を所定温度、例えば600〜700℃程度に加熱して一定時間保持することによって結晶化させ、圧電体膜を形成する(焼成工程)。なお、乾燥工程、脱脂工程及び焼成工程で用いられる加熱装置としては、例えば、赤外線ランプの照射により加熱するRTA(Rapid Thermal Annealing)装置やホットプレート等が挙げられる。
なお、上述した塗布工程、乾燥工程及び脱脂工程や、塗布工程、乾燥工程、脱脂工程及び焼成工程を所望の膜厚等に応じて複数回繰り返すことにより、複数層の圧電体膜からなる圧電体層を形成してもよい。
圧電体層70を形成した後は、圧電体層70上に、例えば、白金等の金属からなる第2電極80を積層し、圧電体層70及び第2電極80を同時にパターニングして圧電素子300を形成する。
その後、必要に応じて、600℃〜700℃の温度域でポストアニールを行ってもよい。これにより、圧電体層70と第1電極60や第2電極80との良好な界面を形成することができ、かつ、圧電体層70の結晶性を改善することができる。
以下、実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、(100)に配向したシリコン基板の表面に熱酸化により膜厚400nmの二酸化シリコン膜を形成した。次に、二酸化シリコン膜上にRFスパッタ法により膜厚40nmのチタン膜を形成し、熱酸化することで酸化チタン膜を形成した。次に、酸化チタン膜上にイオンスパッタと蒸着法の2段階で膜厚150nmの白金膜形成し、(111)に配向した第1電極60とした。
次いで、第1電極上に圧電体層をスピンコート法により形成した。その手法は以下のとおりである。まず、2−エチルヘキサン酸ビスマス、2−エチルヘキサン酸ランタン、2−エチルヘキサン酸鉄、2−エチルヘキサン酸マンガンのキシレンおよびオクタン溶液を所定の割合で混合して、前駆体溶液を調製した。そしてこの前駆体溶液を酸化チタン膜及び第1電極が形成された上記基板上に滴下し、1500rpmで基板を回転させて圧電体前駆体膜を形成した(塗布工程)。次に350℃で3分間乾燥・脱脂を行った(乾燥及び脱脂工程)。この塗布工程・乾燥及び脱脂工程を3回繰り返した後に、Rapid Thermal Annealing(RTA)で650℃、1分間焼成を行った(焼成工程)。この塗布工程・乾燥及び脱脂工程を3回繰り返した後に一括して焼成する焼成工程を行う工程を4回繰り返し、RTAで650℃、10分間焼成を行うことで、計12回の塗布により全体で厚さ350nmの圧電体層70を形成した。
その後、圧電体層70上に、第2電極80としてDCスパッタ法により膜厚100nmの白金膜を形成した後、RTAを用いて650℃、10分間焼成を行うことで、x=0.21、y=0.03の上記一般式(1)で表されるABO3型の複合酸化物を圧電体層70とする圧電素子300を形成した。
(実施例2〜11及び比較例1〜6)
2−エチルヘキサン酸ビスマス、2−エチルヘキサン酸ランタン、2−エチルヘキサン酸鉄、2−エチルヘキサン酸マンガンのキシレンおよびオクタン溶液の混合割合を変更し、表1に示すx及びyの上記一般式(1)で表される複合酸化物を圧電体層70とした以外は、実施例1と同様にして、圧電素子300を形成した。
Figure 2011097002
(試験例1)
実施例1〜11及び比較例1〜6の各圧電素子300について、東陽テクニカ社製「FCE−1A」で、φ=400μmの電極パターンを使用し、周波数1kHzの三角波を印加して、P(分極量)−V(電圧)の関係を求めた。結果をそれぞれ図4〜17に示す。なお、比較例4〜6はリークが大きすぎて測定することができず、圧電材料としては使用できないものであった。
図4〜14に示すように、実施例1〜11では、ダブルヒステリシス曲線であり、電圧印加に伴いある閾値を境に分極量を持ち、電圧を零にすることで分極量が極端に減少する電界誘起相転移を示す材料、すなわち反強誘電体であることが分かった。したがって、実施例1〜11は、電界誘起相転移を示す領域で大きな歪を示す圧電材料となる。
また、上記一般式(1)において0.27≦x≦0.29である実施例4〜9では電界誘起相転移を示す電圧が特に安定していることがわかった。さらに、上記一般式(1)において0.01≦y≦0.05の範囲内である実施例1〜7及び10〜11では、特にリーク特性に優れていることが分かった。
一方、上記一般式(1)において0.21≦x≦0.38,0.01≦y≦0.09の範囲外である比較例1及び2は強誘電体特有の自発分極をもつヒステリシスを示しているため強誘電体であり、比較例3は常誘電体であり、また、比較例4〜6は上述したようにリークが大きすぎで圧電材料としては使用できないものであり、いずれの比較例も電界誘起相転移を示す反強誘電体ではないことが分かった。
(試験例2)
実施例1〜11及び比較例1〜6の各圧電素子300について、Bruker AXS社製の「D8 Discover」を用い、X線源にCuKα線を使用し、室温で粉末X線回折パターンを求めた。その結果、実施例1〜11及び比較例1〜6すべてにおいて、ABO3由来の回折ピーク、Pt(111)由来のピーク、およびPt(111)のCuKβ線の回折に由来するピークが観測された。以上の結果から、実施例1〜11及び比較例1〜6の圧電体層はABO3型構造を形成していることがわかる。結果の一例として、実施例5,7,8,9及び比較例4のX線回折パターンを図18に、また、実施例7,11及び比較例2のX線回折パターンを図19に示す。
(試験例3)
実施例1〜11の各圧電素子300について、アグザクト社製の変位測定装置(DBLI)を用い室温で、φ=500μmの電極パターンを使用し、周波数1kHzの電圧を印加して、電圧印加方向と平行な方位(33方向)におけるS(電界誘起歪)−V(電圧)の関係を求めた。その結果、実施例1〜11すべてにおいて、図4〜14のP−Vヒステリシス同様、閾値電圧以上で大きな歪率の変化を示し、30V印加で0.3%以上の巨大な圧電歪みを観測した。結果の一例として、実施例7,6及び3を図20〜22に示す。
このような圧電素子300の個別電極である各第2電極80には、インク供給路14側の端部近傍から引き出され、絶縁体膜55上にまで延設される、例えば、金(Au)等からなるリード電極90が接続されている。
このような圧電素子300が形成された流路形成基板10上、すなわち、第1電極60、絶縁体膜55及びリード電極90上には、リザーバー100の少なくとも一部を構成するリザーバー部31を有する保護基板30が接着剤35を介して接合されている。このリザーバー部31は、本実施形態では、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバー100を構成している。また、流路形成基板10の連通部13を圧力発生室12毎に複数に分割して、リザーバー部31のみをリザーバーとしてもよい。さらに、例えば、流路形成基板10に圧力発生室12のみを設け、流路形成基板10と保護基板30との間に介在する部材(例えば、弾性膜50、絶縁体膜55等)にリザーバーと各圧力発生室12とを連通するインク供給路14を設けるようにしてもよい。
また、保護基板30の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電素子保持部32が設けられている。圧電素子保持部32は、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有していればよく、当該空間は密封されていても、密封されていなくてもよい。
このような保護基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
また、保護基板30には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられている。そして、各圧電素子300から引き出されたリード電極90の端部近傍は、貫通孔33内に露出するように設けられている。
また、保護基板30上には、並設された圧電素子300を駆動するための駆動回路120が固定されている。この駆動回路120としては、例えば、回路基板や半導体集積回路(IC)等を用いることができる。そして、駆動回路120とリード電極90とは、ボンディングワイヤー等の導電性ワイヤーからなる接続配線121を介して電気的に接続されている。
また、このような保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料からなり、この封止膜41によってリザーバー部31の一方面が封止されている。また、固定板42は、比較的硬質の材料で形成されている。この固定板42のリザーバー100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバー100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドIでは、図示しない外部のインク供給手段と接続したインク導入口からインクを取り込み、リザーバー100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路120からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの第1電極60と第2電極80との間に電圧を印加し、弾性膜50、絶縁体膜55、第1電極60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
そして、上記インクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図23は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
図23に示すインクジェット式記録装置IIにおいて、インクジェット式記録ヘッドIを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
上記のインクジェット式記録装置の圧電体層70として用いた電界誘起相転移を示す圧電材料(反強誘電体)は、強誘電体とは異なる挙動を示すため、このインクジェット式記録装置を所望の振幅で駆動するためには、従来の強誘電体を用いた場合とは異なる駆動信号を圧電素子に供給する駆動手段を有する構成にする必要がある。上記実施例6の圧電素子300を用いた場合を例として、具体的に以下に示す。
まず、実施例6について、DBLIにおいてユニポーラで測定した時の電界誘起歪−電圧プロットを図24及び図25に示す。なお、図24は15Vの電圧を印加したものであり、図25は30Vの電圧を印加したものである。併せて強誘電体に同様に30Vを印加した場合の電界誘起歪−電圧プロットを図26に示す。図26に示すように、強誘電体の場合、電界誘起歪が電圧変化に対し直線的に変化する。一方、図24に示すように、反強誘電体である実施例6では、15Vの三角波を印加することにより、10〜15Vの間で非線形な電界誘起歪が観測され、0.89nmの変位が観測された。これは歪率に換算すると0.26%という非常に大きな歪である。この歪は反強誘電相から強誘電相への電界誘起相転移に由来している。それに加え、図25に示すように、30Vの三角波を印加することにより、前述した電界誘起相転移に起因する歪の他に、15〜30Vの間で印加電圧に対して直線的に変化する領域が新たに観測された。この歪は強誘電体の逆圧電効果に由来している。そのため、30Vにおいては電界誘起相転移の歪と逆圧電効果の歪の総和として、1.47nmの変位が観測された。これは歪率に換算すると0.43%という非常に大きな歪である。図25に示すように、電界誘起相転移に由来する歪をSAF、逆圧電効果に由来する歪をSFとする。
また、図24及び図25に示すように、電界誘起相転移により反強誘電相から強誘電相へ相転移するとき、この相転移は一次相転移であるため、電界に対しヒステリシスを持つ。図25に示すようにそれぞれの歪量の外挿線の交点における電圧を絶対値が大きいほうをVF、絶対値が小さいほうをVAFとすると、VF〜VAFの領域で逆圧電効果による歪が観測されることがわかる。
さらに、実施例6のP−V曲線及びS−Vプロットを併記した図27に示すように、VFとVAFは、P−V曲線の電荷量の変極点と一致する。そのため、駆動波形を検討する上では、電荷量の測定から電圧印加による電界誘起歪のパターンを類推することが可能であることがわかる。
なお、P−V曲線の周波数追従性を、アグザクト社製のTFA2000HSを使用し、φ=500μmの電極パターンで1kHz、10kHz、20kHz、30kHz、40kHz、50kHzについて測定したところ、順に図28〜33に示すように、1kHz〜50kHzの全てで反強誘電体に特徴的なダブルヒステリシスのP−V曲線が観測された。なお、図28〜33を比較すると、周波数の増加に伴いヒステリシスが太くなっている傾向が見られるが、これは測定装置の問題であり、材料固有の問題ではない。以上の結果から、反強誘電性を示す圧電材料(実施例)は、少なくとも50kHzまでは追従可能であることがわかった。
次に、実施例6等の反強誘電体について、電圧及び変位量を時間に対しプロットした図を図34及び図35に示す。なお、図34は30Vの電圧を印加したものであり、図35は15Vの電圧を印加したものである。併せて強誘電体に同様に30Vを印加した場合の電圧及び変位量を時間に対しプロットした図を図36に示す。図36に示すように、強誘電体では電圧−時間プロットと電界誘起歪−時間プロットの形状は一致する。一方、反強誘電体では図34に示すように、VFよりも十分大きな電圧を印加したときの電圧−時間プロットは、強誘電体とは異なり電界誘起歪が折れ曲がる。この折れ曲がりは電界誘起歪−電圧プロットにおけるVFおよびVAFに対応しており、低電界側の急峻な立ち上がりはSAFに、高電界側の直線的な歪はSFに対応する。このため、VF近傍までしか電圧を上げていない図35においては、電圧を上げていったときはSAFのみの歪が観測されるが、電圧を下げていったときはSFとSAFの両方が観測される。
上記のように、反強誘電体では電圧に対する圧電応答が強誘電体と異なるため、圧電素子として駆動させるためには反強誘電体に最適化した波形を使用する必要がある。
図37は、インクジェット式記録装置の制御構成を示すブロック図である。図37を参照して、本実施形態のインクジェット式記録装置の制御について説明する。本実施形態のインクジェット式記録装置は、図37に示すように、プリンターコントローラー511とプリントエンジン512とから概略構成されている。プリンターコントローラー511は、外部インターフェース513(以下、外部I/F513という)と、各種データを一時的に記憶するRAM514と、制御プログラム等を記憶したROM515と、CPU等を含んで構成した制御部516と、クロック信号を発生する発振回路517と、インクジェット式記録ヘッドIへ供給するための駆動信号を発生する駆動信号発生回路519と、駆動信号や印刷データに基づいて展開されたドットパターンデータ(ビットマップデータ)等をプリントエンジン512に送信する内部インターフェース520(以下、内部I/F520という)とを備えている。
外部I/F513は、例えば、キャラクターコード、グラフィック関数、イメージデータ等によって構成される印刷データを、図示しないホストコンピューター等から受信する。また、この外部I/F513を通じてビジー信号(BUSY)やアクノレッジ信号(ACK)が、ホストコンピューター等に対して出力される。RAM514は、受信バッファー521、中間バッファー522、出力バッファー523、及び、図示しないワークメモリーとして機能する。そして、受信バッファー521は外部I/F513によって受信された印刷データを一時的に記憶し、中間バッファー522は制御部516が変換した中間コードデータを記憶し、出力バッファー523はドットパターンデータを記憶する。なお、このドットパターンデータは、階調データをデコード(翻訳)することにより得られる印字データによって構成してある。
また、ROM515には、各種データ処理を行わせるための制御プログラム(制御ルーチン)の他に、フォントデータ、グラフィック関数等を記憶させてある。
制御部516は、受信バッファー521内の印刷データを読み出すと共に、この印刷データを変換して得た中間コードデータを中間バッファー522に記憶させる。また、中間バッファー522から読み出した中間コードデータを解析し、ROM515に記憶させているフォントデータ及びグラフィック関数等を参照して、中間コードデータをドットパターンデータに展開する。そして、制御部516は、必要な装飾処理を施した後に、この展開したドットパターンデータを出力バッファー523に記憶させる。さらに、制御部516は、波形設定手段としても機能し、駆動信号発生回路519を制御することにより、この駆動信号発生回路519から発生される駆動信号の波形形状を設定する。かかる制御部516は、後述する駆動回路(図示なし)などと共に本発明の駆動手段を構成する。また、インクジェット式記録ヘッドIを駆動する液体噴射駆動装置としては、この駆動手段を少なくとも具備するものであればよく、本実施形態では、プリンターコントローラー511を含むものとして例示してある。
そして、インクジェット式記録ヘッドIの1行分に相当するドットパターンデータが得られたならば、この1行分のドットパターンデータは、内部I/F520を通じてインクジェット式記録ヘッドIに出力される。また、出力バッファー523から1行分のドットパターンデータが出力されると、展開済みの中間コードデータは中間バッファー522から消去され、次の中間コードデータについての展開処理が行われる。
プリントエンジン512は、インクジェット式記録ヘッドIと、紙送り機構524と、キャリッジ機構525とを含んで構成してある。紙送り機構524は、紙送りモーターとプラテン8等から構成してあり、記録紙等の印刷記憶媒体をインクジェット式記録ヘッドIの記録動作に連動させて順次送り出す。即ち、この紙送り機構524は、印刷記憶媒体を副走査方向に相対移動させる。
キャリッジ機構525は、インクジェット式記録ヘッドIを搭載可能なキャリッジ3と、このキャリッジ3を主走査方向に沿って走行させるキャリッジ駆動部とから構成してあり、キャリッジ3を走行させることによりインクジェット式記録ヘッドIを主走査方向に移動させる。なお、キャリッジ駆動部は、上述したように駆動モーター6及びタイミングベルト7等で構成されている。
インクジェット式記録ヘッドIは、副走査方向に沿って多数のノズル開口21を有し、ドットパターンデータ等によって規定されるタイミングで各ノズル開口21から液滴を吐出する。そして、このようなインクジェット式記録ヘッドIの圧電素子300には、図示しない外部配線を介して電気信号、例えば、後述する駆動信号(COM)や記録データ(SI)等が供給される。このように構成されるプリンターコントローラー511及びプリントエンジン512では、プリンターコントローラー511と、駆動信号発生回路519から出力された所定の駆動波形を有する駆動信号を選択的に圧電素子300に入力するラッチ532、レベルシフター533及びスイッチ534等を有する駆動回路(図示なし)とが圧電素子300に所定の駆動信号を印加する駆動手段となる。
なお、これらのシフトレジスター(SR)531、ラッチ532、レベルシフター533、スイッチ534及び圧電素子300は、それぞれ、インクジェット式記録ヘッドIの各ノズル開口21毎に設けられており、これらのシフトレジスター531、ラッチ532、レベルシフター533及びスイッチ534は、駆動信号発生回路519が発生した吐出駆動信号や緩和駆動信号から駆動パルスを生成する。ここで、駆動パルスとは実際に圧電素子300に印加される印加パルスのことである。
このようなインクジェット式記録ヘッドIでは、最初に発振回路517からのクロック信号(CK)に同期して、ドットパターンデータを構成する記録データ(SI)が出力バッファー523からシフトレジスター531へシリアル伝送され、順次セットされる。この場合、まず、全ノズル開口21の印字データにおける最上位ビットのデータがシリアル伝送され、この最上位ビットのデータシリアル伝送が終了したならば、上位から2番目のビットのデータがシリアル伝送される。以下同様に、下位ビットのデータが順次シリアル伝送される。
そして、当該ビットの記録データの全ノズル分が各シフトレジスター531にセットされたならば、制御部516は、所定のタイミングでラッチ532へラッチ信号(LAT)を出力させる。このラッチ信号により、ラッチ532は、シフトレジスター531にセットされた印字データをラッチする。このラッチ532がラッチした記録データ(LATout)は、電圧増幅器であるレベルシフター533に印加される。このレベルシフター533は、記録データが例えば「1」の場合に、スイッチ534が駆動可能な電圧値、例えば、数十ボルトまでこの記録データを昇圧する。そして、この昇圧された記録データは各スイッチ534に印加され、各スイッチ534は、当該記録データにより接続状態になる。
そして、各スイッチ534には、駆動信号発生回路519が発生した駆動信号(COM)も印加されており、スイッチ534が選択的に接続状態になると、このスイッチ534に接続された圧電素子300に選択的に駆動信号が印加される。このように、例示したインクジェット式記録ヘッドIでは、記録データによって圧電素子300に吐出駆動信号を印加するか否かを制御することができる。例えば、記録データが「1」の期間においてはラッチ信号(LAT)によりスイッチ534が接続状態となるので、駆動信号(COMout)を圧電素子300に供給することができ、この供給された駆動信号(COMout)により圧電素子300が変位(変形)する。また、記録データが「0」の期間においてはスイッチ534が非接続状態となるので、圧電素子300への駆動信号の供給は遮断される。この記録データが「0」の期間において、各圧電素子300は直前の電位を保持するので、直前の変位状態が維持される。
なお、上記の圧電素子300は、撓み振動モードの圧電素子300である。この、撓み振動モードの圧電素子300を用いると、圧電体層70が電圧印加に伴い電圧と垂直方向(31方向)に縮むことで、圧電素子300および振動板が圧力発生室12側に撓み、これにより圧力発生室12を収縮させる。一方電圧を減少させることにより圧電体層70が31方向に伸びることで、圧電素子300および振動板が圧力発生室12の逆側に撓み、これにより圧力発生室12を膨張させる。このようなインクジェット式記録ヘッドIでは、圧電素子300に対する充放電に伴って対応する圧力発生室12の容積が変化するので、圧力発生室12の圧力変動を利用してノズル開口21から液滴を吐出させることができる。
ここで、圧電素子300に入力される本実施形態の駆動信号(COM)を表す駆動波形について説明する。まず、撓み振動モードに係る31方向の変位は、DBLIで求めた33方向の変位に対し、一次の相関を持つ。具体的には、33方向の変位にマイナスの定数をかけることで撓み変位の変位量に近似することが出来る。このことから、反強誘電体を用いた圧電素子に単純に零ボルトから電圧を印加していった際の、変位の挙動について、電圧−時間プロット、33方向の電界誘起歪−時間プロット、および振動板の変位−時間プロットを示す図38及び図39を用いて説明する。
図38に示すように、33方向の変位は、電圧増加工程a1において、電圧がVFに対し十分小さいときは変位せず、VF近傍の狭い電圧範囲で、SAFにより大きく変位する。電圧がVFより大きいときはSFにより電圧の増加に従い単調に変位量が増加する。次いで、ホールド工程b1を経て、電圧減少工程c1において、VAF手前まではSFに対応する形で電圧の減少に従い単調に変位量が減少し、VAF近傍でSAFに対応する形で、狭い電圧範囲で大きく変位する。なお、図38において、基点電圧=0,最大電圧=30V、ホールド工程b1=250μsec,最小電圧=0としたときの実測値が図34に対応する。振動板の変位は、これに対応し電圧増加工程a1において、電圧がVFに対し十分小さいときは変位せず、VF近傍の狭い電圧範囲で、圧力発生室12を収縮させる形で大きく変位する。電圧がVFより大きいときは電圧の増加に従い振動板の変位は単調に増加し、圧力発生室12を収縮させる。次いで、ホールド工程b1を経て、電圧減少工程c1において、VAF手前までは電圧の減少に従い圧力発生室12を膨張させる形で振動板が単調に変位し、VAF近傍で圧力発生室12を膨張させる形で振動板が大きく変位する。
また、図39に示すように、33方向の変位は、電圧増加工程a2において、電圧がVFに対し十分小さいときは変位せず、VF近傍の狭い電圧範囲で、SAFにより大きく変位する。次いで、ホールド工程b2を経て、電圧減少工程c2において、VAF手前まではSFに対応する形で電圧の減少に従い単調に変位量が減少し、VAF近傍でSAFに対応する形で、狭い電圧範囲で大きく変位する。なお、図39において、基点電圧=0,最大電圧=15V、ホールド工程b2=250μsec,最小電圧=0としたときの実測値が図35に対応する。振動板の変位は、これに対応し電圧増加工程a2において、電圧がVFに対し十分小さいときは変位せず、VF近傍の狭い電圧範囲で、圧力発生室12を収縮させる形で大きく変位する。次いで、ホールド工程b2を経て、電圧減少工程c2において、VAF手前までは電圧の減少に従い圧力発生室12を膨張させる形で振動板が単調に変位し、VAF近傍で圧力発生室12を膨張させる形で振動板が大きく変位する。
このように、反強誘電体では、電圧の変化に従い単調に変位量が増加又は減少する強誘電相の領域(逆圧電効果)と、狭い電圧範囲で大きく変位する反強誘電相の領域(電界誘起相転移歪)とが混在するため、通常の強誘電体と同様の駆動信号で駆動させても所望の振幅とすることはできない。
しかしながら、強誘電相の領域、すなわち、変位量が直線的に変化する領域で駆動すれば、印加電圧を小さくすることで小振幅(微振動)を発生させることが出来る。換言すれば、圧電体層に電圧を印加してVFを経た後の電圧であって絶対値がVAF以上の電圧を基点とし、絶対値がVAF以上の範囲内で電圧を変化させる駆動信号を圧電素子に供給することにより、小振幅を発生させることができる。具体的には例えば、図25において、(i)で示す領域内で駆動させればよい。なお、図25中、Pmは飽和分極を示す。
小振幅の駆動波形の具体例としては、例えば、図40が挙げられる。まず、VFよりも高い電圧を印加した後、所定の電圧を維持する電圧を印加して、VFを経た状態、すなわち、図25において(i)の領域で待機させる。この待機電圧Vmが、図40における基点であり、図40においては、基点はVFよりも大きな値に設定している。その後、増加させて収縮工程a3とする。この収縮工程a3により液滴が吐出されるが、このとき変位量は電圧変化に対し直線的に変化するため、印加電圧を小さくすることで小振幅を発生させることが出来る。その後、ホールド工程b3を経て、電圧を減少させて膨張工程c3とし、待機状態に戻す。
また、小振幅を発生させる駆動波形の別の例として、図41が挙げられる。まず、VFよりも高い電圧を印加した後、所定の電圧を維持する電圧を印加して、VFを経た状態、すなわち、図25において(i)の領域で待機させる。この待機電圧Vmが、図41における基点であり、図41においては、基点はVFよりも大きな値に設定している。その後、基点から電圧をVAFまでの範囲内で減少させて膨張工程a4とし、ホールド工程b4を経て、電圧を待機状態まで増加させて収縮工程c4とする。この収縮工程c4により液滴が吐出されるが、このとき変位量は電圧変化に対し直線的に変化するため、印加電圧を小さくすることで小振幅を発生させることが出来る。
なお、図40及び図41に示すように、基点をVFよりも大きな値に設定すると、基点から電圧を増加させることも減少させることもできるため、これらを組み合わせた駆動波形とすることにより、変位量、即ち、吐出する液滴サイズの制御がより精密にできることになる。
一方、反強誘電相の領域、すなわち、電界誘起相転移により狭い電圧範囲で大きく歪む領域を挟んで駆動することで、大振幅を発生させることが出来る。換言すれば、圧電体層に電圧を印加してVFを経た後の電圧であってVAFよりも絶対値が大きい電圧を基点とし該VAFよりも絶対値が小さい電圧まで変化させる駆動信号、又は、圧電体層に電圧を印加してVFを経る前の電圧であってVFよりも絶対値が小さい電圧を基点とし該VFよりも絶対値が大きい電圧まで変化させる駆動信号を圧電素子に供給することにより、大振幅を発生させることができる。
大振幅の駆動波形の具体例としては、例えば、図42が挙げられる。まず、VFよりも高い電圧を印加した後、所定の電圧を維持する電圧を印加して、VFを経た状態、すなわち、図25において(i)の領域で待機させる。この待機電圧Vmが、図42における基点であり、図42においては、基点はVFよりも大きな値に設定している。その後、基点からVAFよりも低い値まで電圧を減少させて膨張工程a5とし、ホールド工程b5を経て、電圧を待機状態まで増加させて収縮工程c5とする。この収縮工程c5により液滴が吐出されるが、このとき反強誘電体としての電界誘起相転移により歪み量が大きくなる、すなわち大振幅を発生させることが出来る。
また、上記図42ではVAFを挟んだ領域で駆動させる駆動信号について説明したが、VFを挟んだ領域で駆動させても、大振幅を発生させることができる。具体的には、VFを経る前の電圧であってVFよりも絶対値が小さい電圧を基点とし、基点からVFよりも絶対値が大きい電圧まで増加させて収縮工程とする。この収縮工程により液滴が吐出されるが、このとき反強誘電体としての電界誘起相転移により歪み量が大きくなる、すなわち大振幅を発生させることが出来る。その後は、ホールド工程を経て、電圧を減少させて膨張工程とし、待機状態に戻せばよい。
さらに、上記小振幅を発生させる駆動波形と大振幅を発生させる駆動波形とを組み合わせることにより、様々な大きさの振幅を発生させることができる。具体例として、図43及び図44が挙げられる。図43においては、まず、VFよりも高い電圧を印加した後、所定の電圧を維持する電圧を印加して、VFを経た状態、すなわち、図25において(i)の領域で待機させる。この待機電圧Vmが、図43における基点であり、図43においては、基点はVFよりも大きな値に設定している。その後、基点からVAFよりも低い値まで電圧を減少させて膨張工程a6とし、ホールド工程b6を経て、VFよりも大きな値まで電圧を増加させて収縮工程c6とする。この収縮工程c6により液滴が吐出されるが、これにより、大振幅を発生させた図42の収縮工程c5に加えて、図40における収縮工程a3の分も収縮させるため、より大きな振幅を発生させることができる。その後、ホールド工程d6を経て、電圧を減少させて膨張工程e6とし、待機状態に戻す。
また、図44においては、まず、VFよりも高い電圧を印加した後、所定の電圧を維持する電圧を印加して、VFを経た状態、すなわち、図25において(i)の領域で待機させる。この待機電圧Vmが、図44における基点であり、図44においては、基点はVFよりも大きな値に設定している。その後、基点からVAFよりも低い値まで電圧を減少させて膨張工程a7とし、ホールド工程b7を経て、VFよりも大きな値まで電圧を増加させて収縮工程c7とする。この収縮工程c7により液滴が吐出されるが、これにより、大振幅を発生させた図42の収縮工程c5に加えて、図40における収縮工程a3の分も収縮させるため、より大きな振幅を発生させることができる。その後、ホールド工程d7を経て、VAFよりも大きな値に電圧を減少させて膨張工程e7とする。そして、ホールド工程f7を経て、電圧を増加させて収縮工程g7とし、待機状態に戻す。このホールド工程f7及び収縮工程g7により、振動を吸収できるため、早く待機状態に戻すことができる。
さらに、小振幅振動のための駆動信号と大振幅振動のための駆動信号とを、駆動手段の駆動信号制御部により選択的に圧電素子に供給することで、所望の振動を生じさせることができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態では、金属元素として、Bi、La、Fe及びMnのみを含有するABO3型の複合酸化物について記載したが、Bi、La、Fe及びMnを含むABO3型の複合酸化物で電界誘起相転移を示していればよく、圧電特性を良好にする等のために、他の金属を添加してもよい。
また、上述した実施形態では、流路形成基板10として、シリコン単結晶基板を例示したが、特にこれに限定されず、例えば、SOI基板、ガラス等の材料を用いるようにしてもよい。
さらに、上述した実施形態では、基板(流路形成基板10)上に第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を順次積層した圧電素子300を例示したが、特にこれに限定されず、例えば、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電素子にも本発明を適用することができる。
なお、上述した実施形態1では、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを挙げて説明したが、本発明は広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
また、本発明は、インクジェット式記録ヘッドに代表される液体噴射ヘッドに搭載される圧電素子に限られず、超音波発信機等の超音波デバイス、超音波モーター、圧力センサー、強誘電体メモリー等の圧電素子にも同様に適用することができる。
I インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 II インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 13 連通部、 14 インク供給路、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 保護基板、 31 リザーバー部、 32 圧電素子保持部、 40 コンプライアンス基板、 60 第1電極、 70 圧電体層、 80 第2電極、 90 リード電極、 100 リザーバー、 120 駆動回路、 121 接続配線、 300 圧電素子 511 プリンターコントローラー、 512 プリントエンジン、 516 制御部、 519 駆動信号発生回路、 531 シフトレジスター、 532 ラッチ、 533 レベルシフター、 534 スイッチ

Claims (10)

  1. ノズル開口に連通する圧力発生室と、
    第1電極と、前記第1電極上に形成された圧電体層と、前記圧電体層上に形成された第2電極と、を備えた圧電素子と、を具備し、
    前記圧電体層は、Bi、La、Fe及びMnを含むペロブスカイト型複合酸化物からなり、電界誘起相転移を示すことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. ノズル開口に連通する圧力発生室と、
    第1電極と、前記第1電極上に形成された圧電体層と、前記圧電体層上に形成された第2電極と、を備えた圧電素子と、を具備し、
    前記圧電体層は、下記一般式(1)で表される複合酸化物を含むことを特徴とする液体噴射ヘッド。
    (Bi1-x,Lax)(Fe1-y,Mny)O3 (1)
    (0.21≦x≦0.38,0.01≦y≦0.09)
  3. 0.24≦x≦0.33であることを特徴とする請求項2に記載の液体噴射ヘッド。
  4. 0.27≦x≦0.29であることを特徴とする請求項3に記載の液体噴射ヘッド。
  5. 0.01≦y≦0.05であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載する液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
  7. 圧電体層と、前記圧電体層に設けられた複数の電極と、を具備した圧電素子であって、
    前記圧電体層は、Bi、La、Fe及びMnを含むペロブスカイト型複合酸化物からなり、電界誘起相転移を示すことを特徴とする圧電素子。
  8. 圧電体層と、前記圧電体層に設けられた複数の電極と、を具備した圧電素子であって、
    前記圧電体層は、下記一般式(1)で表される複合酸化物を含むことを特徴とする圧電素子。
    (Bi1-x,Lax)(Fe1-y,Mny)O3 (1)
    (0.21≦x≦0.38,0.01≦y≦0.09)
  9. Bi、La、Fe及びMnを含むペロブスカイト型複合酸化物であって、電界誘起相転移を示すことを特徴とする圧電材料。
  10. 下記一般式(1)で表されるペロブスカイト型複合酸化物からなることを特徴とする圧電材料。
    (Bi1-x,Lax)(Fe1-y,Mny)O3 (1)
    (0.21≦x≦0.38,0.01≦y≦0.09)
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