JP2011095608A - 静電荷像現像用トナー、その製造方法、現像剤、画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、その製造方法、現像剤、画像形成方法及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低温定着性及び耐高温オフセット性を発揮して、優れた定着特性を有するトナー及びその製造方法等の提供。
【解決手段】トナー中にイソシアネート基含有重合体が5〜40%含まれ、トナー中のTHFによるソックスレー抽出の抽出残分量が2〜50%であり、トナーの50〜700℃までの熱分解で発生する熱分解物において、イソシアネート基を二つ以上含有する化合物の窒素量(A)とイソシアネート基を一つ以上含有し、且つアミノ基を一つ以上含有する化合物の窒素量(B)の比率(B)/(A)が0.1≦(B)/(A)≦6を満たし、第1の脱溶剤工程後の乳化乃至分散液中の残留溶剤濃度がトナー純分100部に対し10%以上70%以下であり、第2の脱溶剤工程後の該液中の残留溶剤濃度が、該液のトナー純分100部に対し5%以下であり、熟成工程において、装置の底部から加熱された内管内に該液を供給し、上部から乳化乃至分散液を排出させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)、並びにその製造方法、現像剤、画像形成方法及び画像形成装置に関する。
近年、市場では画像の高品質化のためトナーの小粒径化や、省エネルギーのための低温定着が要求され、特に、省エネルギーのために、画像形成装置を使用可能な状態にしてから画像形成が可能となるまでの待機時間(装置のウォームアップタイム)に要する電力量を可能な限り小さくするために、待機時間の短縮が強く要望されている。
トナーの製造方法としては、例えば、混練粉砕法が一般的である。しかしながら、上記方法により得られるトナーは、小粒径化が困難であり、その形状は不定形で、粒径分布はブロードとなり、定着エネルギーが高い等様々な問題点があった。
混練粉砕法による問題点を解決するために、例えば、重合法として、トナーの流動性改良、低温定着性改良、ホットオフセット性改良を目的に、トナーバインダーとしてウレタン変性されたポリエステルの伸長反応物からなる実用球形度が0.90〜1.00の乾式トナーが提案されている(特許文献1参照)。また、小粒径トナーとした場合の粉体流動性、転写性に優れるとともに、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れた乾式トナーが提案されている(特許文献2、特許文献3参照)。これらに記載されたトナーの製造方法は、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーを有機溶媒及び水系媒体中でアミンと重付加反応させる高分子量化工程を含むものである。しかしながら、前述のような製法、及び、その製法により得られるトナーの場合、プレポリマーとアミンの伸長反応または架橋反応に対して、ポリエステル樹脂のカルボキシル基の影響により反応が阻害され、安定した重合度が得られないという問題が生じている。その結果、得られたトナーの低温定着性、耐高温オフセット性などの定着特性は、目的とするレベルを常に達成するには不十分なものである。特に、特許文献2、特許文献3に記載されているトナーの製造方法は、バッチ生産を想定されているものであり、安定生産と生産効率化のためには、トナー材料の油性分散液を水系媒体中に分散させた分散液を、連続的に加熱処理することで、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーを有機溶媒及び水系媒体中でアミンと重付加反応させて高分子量化する必要がある。
ポリエステルの重合においては、安定した分子量分布のトナーバインダーを製造し、低温定着性と耐オフセット性を両立させるために熟成工程を備えることが提案されている(特許文献4、特許文献5参照)。しかしながら、高温反応であるポリエステル縮重合に関しては容易な技術であるが、前述したような有機溶媒と水系媒体が混在する反応系に対しては様々な条件を鋭意検討しないと適応できない技術である。
このように、安定した低温定着性及び耐高温オフセット性を発揮して、優れた定着特性を有するトナーを提供するためには更なる改善が求められているのが現状である。
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、安定した低温定着性及び耐高温オフセット性を発揮して、優れた定着特性を有するトナー及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、低温定着性及び耐高温オフセット性の両立のためには、熟成前の残有機溶媒量のコントロールが必要であることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> 有機溶媒中に、少なくとも活性水素基を有する化合物、該活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、結着樹脂、着色剤、離型剤を溶解又は分散させた油相を水系媒体に乳化乃至分散させる水系造粒工程と、前記造粒された粒子の一部の前記溶剤を除去する第1の脱溶剤工程と、脱溶剤された乳化乃至分散液を40℃〜70℃で0.5時間〜25時間加熱する熟成工程と、前記熟成工程を経た乳化乃至分散液中の溶剤を除去する第2の脱溶剤工程と、前記第2の脱溶剤工程を経た乳化乃至分散液を濾過する濾過工程と、濾過された粒子を洗浄する洗浄工程と、洗浄された粒子を乾燥させる乾燥工程と、を含む静電荷像現象用トナーの製造方法であって、前記第1の脱溶剤工程後の前記乳化乃至分散液中の残留溶剤濃度が、前記乳化乃至分散液のトナー純分100部に対し10%以上70%以下であり、前記第2の脱溶剤工程後の前記乳化乃至分散液中の残留溶剤濃度が、前記乳化乃至分散液のトナー純分100部に対し5%以下であり、前記熟成工程は、熟成装置の底部から加熱された内管内に前記乳化乃至分散液を供給し、前記熟成装置の上部から前記乳化乃至分散液を排出させることを特徴とする静電荷像現象用トナーの製造方法である。
<2> 内管内に細孔を有し、回転可能な分散翼及び邪魔板が設けられている前記<1>に記載の静電荷像現象用トナーの製造方法である。
<3> 活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体は、イソシアネート基含有重合体であり、静電荷像現像用トナー中に前記イソシアネート基含有重合体が5〜40%含まれ、前記静電荷像現像用トナー中のテトラヒドロフランによるソックスレー抽出の抽出残分量が2〜50%であり、前記静電荷像現像用トナーの50℃〜700℃までの熱分解で発生する熱分解物において、イソシアネート基を二つ以上含有する化合物の窒素量(A)とイソシアネート基を一つ以上含有し、且つアミノ基を一つ以上含有する化合物の窒素量(B)の比率(B)/(A)が0.1≦(B)/(A)≦6を満たす前記<1>から<2>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
<4> 有機溶媒中に、少なくともイソシアネート基含有重合体、着色剤及び離型剤を溶解乃至分散させてなる油相を、水系媒体中に乳化分散させつつトナー粒子を造粒させてなる静電荷像現像用トナーであって、該静電荷像現像用トナー中に前記イソシアネート基含有重合体が5〜40%含まれ、前記静電荷像現像用トナー中のテトラヒドロフランによるソックスレー抽出の抽出残分量が2〜50%であり、前記静電荷像現像用トナーの50℃〜700℃までの熱分解で発生する熱分解物において、イソシアネート基を二つ以上含有する化合物の窒素量(A)とイソシアネート基を一つ以上含有し、且つアミノ基を一つ以上含有する化合物の窒素量(B)の比率(B)/(A)が0.1≦(B)/(A)≦6を満たし、前記<1>から<3>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法により製造されたことを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
<5> 体積平均粒径が3μm〜9μmである前記<4>に記載の静電荷像現像用トナーである。
<6> 体積平均粒経Dv/数平均粒経Dnが1.20以下である前記<4>から<5>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーである。
<7> 結着樹脂がポリエステル樹脂を含有する前記<4>から<6>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーである。
<8> ポリエステル樹脂のTHF可溶分の重量平均分子量が1,000〜30,000である前記<4>から<7>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーである。
<9> イソシアネート基含有重合体の重量平均分子量が10,000〜200,000である前記<4>から<8>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーである。
<10> 静電荷像現像用トナーの酸価が0.5〜40.0(KOHmg/g)である前記<4>から<9>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーである。
<11> 静電荷像現像用トナーのガラス転移点が40〜70℃である前記<4>から<10>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーである。
<12> 前記<4>から<11>のいずれかに記載のトナーと、キャリアとを含むことを特徴とする現像剤である。
<13> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を前記<4>から<11>のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法である。
<14> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を前記<4>から<11>のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置である。
<15> 静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体の表面に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段とを有するプロセスカートリッジであって、前記現像剤が、前記<12>に記載の現像剤であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
<16> 前記<14>に記載の画像形成装置、又は<15>に記載のプロセスカートリッジに着脱可能であって、<12>に記載の現像剤を収容したことを特徴とする現像剤入り容器である。
本発明によれば、安定した低温定着性及び耐高温オフセット性を有した静電荷像現像用トナーを得ることができる。
図1は、熟成工程で使用する第1実施形態の装置の断面図である。 図2は、熟成工程で使用する第2実施形態の装置の断面図である。 図3は、分散翼の上面図である。 図4は、本発明で用いられるプロセスカートリッジの一例を示す概略説明図である。 図5は、本発明の画像形成方法に用いる画像形成装置一の例を示す概略説明図である。 図6は、本発明の画像形成方法に用いる画像形成装置の他の一例を示す概略説明図である。 図7は、本発明の画像形成方法に用いるタンデム型カラー画像形成装置の一例を示す概略説明図である。 図8は、図7に示す画像形成装置における一部拡大概略説明図である。
(静電荷像現像用トナー)
本発明の静電荷像現像用トナーは、少なくとも活性水素基を有する化合物、該活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、結着樹脂、着色剤、離型剤を含んでなり、更に必要に応じて帯電制御剤等その他の成分を含んでなるものが好ましい。
<結着樹脂>
本発明において、結着樹脂は、目的に応じて適宜選択することができ、ポリエステル樹脂等を用いることができるが、変性されていない未変性ポリエステル樹脂が好ましい。これにより、低温定着性及び光沢性を向上させることができる。
未変性ポリエステル樹脂としては、ポリオールとポリカルボン酸の重縮合物等が挙げられる。未変性ポリエステル樹脂は、その一部がウレア変性ポリエステル系樹脂と相溶していること、すなわち、互いに相溶可能な類似の構造であることが、低温定着性及び耐ホットオフセット性の点で好ましい。
未変性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、1,000〜30,000であることが好ましく、1,500〜15,000がより好ましい。重量平均分子量が、1,000未満であると、耐熱保存性が低下することがある。このため、重量平均分子量が1,000未満である成分の含有量は、8〜28重量%であることが好ましい。一方、重量平均分子量が30,000を超えると、低温定着性が低下することがある。
未変性ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、通常、30〜70℃であり、35〜60℃がより好ましく、35〜55℃がさらに好ましい。ガラス転移温度が30℃未満であると、トナーの耐熱保存性が低下することがあり、70℃を超えると、低温定着性が低下することがある。
未変性ポリエステル樹脂の水酸基価は、5mgKOH/g以上であることが好ましく、10〜120mgKOH/gがより好ましく、20〜80mgKOH/gがさらに好ましい。水酸基価が、5mgKOH/g未満であると、耐熱保存性と低温定着性とが両立しにくくなることがある.
未変性ポリエステル樹脂の酸価は、1.0〜50.0mgKOH/gであることが好ましく、1.0〜30.0mgKOH/gがより好ましい。これにより、トナーは、負帯電しやすくなる。
トナーが未変性ポリエステル樹脂を含有する場合、未変性ポリエステル樹脂に対するイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーの重量比は、5/95〜25/75であることが好ましく、10/90〜25/75がより好ましい。重量比が、5/95未満であると、耐ホットオフセット性が低下することがあり、25/75を超えると、低温定着性や画像の光沢性が低下することがある。
未変性ポリエステル樹脂は結着樹脂中の含有量が50〜100重量%であることが好ましい。50重量%以下では低温定着性が低下することがある。
<活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体>
活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体は、変性ポリエステル系樹脂であることが好ましい
前記活性水素基含有化合物は、水系媒体での造粒過程で、前記活性水素基含有化合物と反応可能なポリエステルが伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。前記活性水素基含有化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記活性水素基含有化合物と反応可能な変性ポリエステルがイソシアネート基含有重合体であることが好ましい。
−イソシアネート基含有重合体−
前記イソシアネート基含有重合体としては、活性水素と反応可能な反応性変性ポリエステル系樹脂(RMPE)が挙げられ、例えば、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー等が挙げられる。前記ポリエステルプレポリマーとしては、ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物で、かつ、活性水素を有するポリエステルをさらにポリイソシアネート(PIC)と反応させてイソシアネート基を導入したもの等が挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素を含む基としては、水酸基(アルコール性水素基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
前記ポリエステルプレポリマーのイソシアネート基と反応する活性水素基を有する化合物としては、アミン類が用いられる。アミン類は、活性水素と反応可能なイソシアネートを有するポリエステルプレポリマーに対する架橋剤や伸長剤として作用する。前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)にアミン類(B)を反応させて得られるウレア変性ポリエステル等の変性ポリエステルはその高分子成分の分子量を調節しやすく、乾式トナー、特にオイルレス低温定着特性(定着用加熱媒体への離型オイル塗布機構のない広範な離型性及び定着性)を確保するのに好都合である。特にポリエステルプレポリマーの末端をウレア変性したものは未変性のポリエステル樹脂自体の定着温度域での高流動性、透明性を維持したまま、定着用加熱媒体への接着性を抑制することができる。
前記ポリオール(PO)としては、ジオール(DIO)及び3価以上のポリオール(TO)が挙げられ、ジオール単独、またはジオールと少量のポリオールとの混合物が好ましい。前記ジオール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等)、アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等)、脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等)、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等)、上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物、上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上のポリオール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等)、3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等)、上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
前記ポリカルボン酸(PC)としては、ジカルボン酸(DIC)および3価以上のポリカルボン酸(TC)が挙げられ、ジカルボン酸単独、及びジカルボン酸と少量のポリカルボン酸との混合物が好ましい。ジカルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸等)、芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上のポリカルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸等)等が挙げられる。なお、ポリカルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(PO)と反応させてもよい。ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1であることが好ましく、1.5/1〜1/1であることがより好ましく、1.3/1〜1.02/1であることが特に好ましい。
前記ポリイソシアネート(PIC)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート等)、脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等)、芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等)、芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等)、イソシアヌレート類、前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの、及びこれら2種以上の併用が挙げられる。前記ポリイソシアネート(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1であることが好ましく、4/1〜1.2/1であることがより好ましく、2.5/1〜1.5/1であることが特に好ましい。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネートの構成成分の含有量は、通常0.5〜40重量%であることが好ましく、1〜30重量%であることがより好ましく、2〜20重量%であることが特に好ましい。前記含有量が0.5重量%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になり、40重量%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常平均1個以上であることが好ましく、平均1.5〜3個であることがより好ましく、平均1.8〜2.5個であることが特に好ましい。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
前記アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)等が挙げられる。前記ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタン等)、脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等)、及び脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)等が挙げられる。前記3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等が挙げられる。前記アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン等が挙げられる。前記アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン等が挙げられる。前記アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸等が挙げられる。前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物等が挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
前記アミン類(B)の比率としては、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1であることが好ましく、1.5/1〜1/1.5であることがより好ましく、1.2/1〜1/1.2であることが特に好ましい。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
さらに、必要により伸長停止剤を用いてポリエステルの分子量を調整することができる。前記伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、及びそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
前記トナーの50℃〜700℃までの熱分解で発生する熱分解物において、イソシアネート基を二つ以上含有する化合物の窒素量(A)とイソシアネート基を一つ以上含有し、且つアミノ基を一つ以上含有する化合物の窒素量(B)の比率(B)/(A)が0.1≦(B)/(A)≦6を満たすことが好ましく、0.1≦(B)/(A)≦4.5を満たすことがより好ましく、0.2≦(B)/(A)≦3を満たすことが特に好ましい。0.1≦(B)/(A)≦6を満たすと、安定した低温定着性及び耐高温オフセット性を発揮する。それよりも高い領域では、耐高温オフセット性が得られず、それよりも低い領域では、低温定着性が得られない。
本発明のさらなる検討によれば、耐熱保存性を維持しつつ、より低温定着性を効果的に発揮し、プレポリマーによる変性後の耐オフセット性を付与するには、ポリエステル樹脂のTHF可溶分の重量平均分子量が1,000〜30,000であることが好ましい。これは、1,000未満ではオリゴマー成分が増加するため耐熱保存性が悪化し、30,000を超えると立体障害によりプレポリマーによる変性が不十分となり耐オフセット性が悪化するためである。
本発明による分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により次のように測定される。40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6重量%に調製した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定に当たっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により、作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Chemical Co.あるいは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
また、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体(イソシアネート基含有重合体)は、低温定着性、耐高温オフセット性を実現するために重要な結着樹脂成分であり、その重量平均分子量は10,000〜200,000が好ましい。すなわち、重量平均分子量が10,000未満では反応速度の制御が困難となり、製造安定性に問題が生じ始める。また、重量平均分子量が200,000を超えた場合には十分な変性ポリエステルが得られずに、耐オフセット性に影響を及ぼし始める。
前記トナーにおいて、製造時に前記イソシアネート基を有する重合体が5%〜40%含まれることが好ましく、8%〜37%含まれることがより好ましく、10%〜35%含まれることが特に好ましい。前記重合体が5%未満であると、耐高温オフセット性が得られず、40%を超えると低温定着性が得られないことがある。
前記トナーにおいて、該トナー中のテトラヒドロフランによるソックスレー抽出の抽出残分量が2〜50%であることが好ましく、5%〜45%であることがより好ましく、8%〜42%であることが特に好ましい。前記抽出残分量が2%未満であると、耐高温オフセット性が得られず、50%を超えると、低温定着性が得られない。
<離型剤>
前記離型剤(ワックス)としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温耐オフセットに対し効果を示す。なお、本発明におけるワックスの融点は、示差走査熱量計(DSC)による最大吸熱ピークとした。
前記離型剤として機能するワックス成分としては、以下の材料が使用できる。即ち、具体例としては、ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。またこれら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリn−ステアリルメタクリレート、ポリn−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
<着色剤>
前記着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造又はマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先に挙げた変性、未変性ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
さらに、トナー組成分を含む分散媒体の粘度を低くするために、ウレア変性ポリエステルやプレポリマー(A)等のポリエステルが可溶の溶剤を使用することもできる。溶剤を用いると粒度分布がシャープになる点で好ましい。
前記溶剤は沸点が100℃未満の揮発性であることが除去が容易である点から好ましい。前記溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等を単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。プレポリマー(A)100部に対する溶剤の使用量は、通常0〜300部であることが好ましく、0〜100部であることがより好ましく、25〜70部であることが特に好ましい。溶剤を使用した場合は、変性ポリエステル(プレポリマー)のアミンによる伸長および/または架橋反応後、得られた反応物から、溶媒(溶剤)を常圧または減圧下で除去する。
本マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練してマスターバッチを得る事ができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いる事ができるため乾燥する必要がないので好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
トナー粒子表面に帯電制御剤を付着固定化するために、着色剤と樹脂を含む粒子と少なくとも帯電制御剤粒子からなる粒子同士を容器中で回転体を用いて混合する電子写真用トナーの製造方法が知られているが、本発明では、この方法において、容器内壁より突出した固定部材が存在しない容器中で、回転体の周速が40〜150m/secで混合する工程が含まれることにより目的のトナー粒子が得られる。
<帯電制御剤>
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。前記帯電制御剤としては、公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
前記荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、バインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられることが好ましく、0.2〜5重量部の範囲であることがより好ましい。10重量部を超えると、トナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。これらの帯電制御剤、離型剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練することもでき、有機溶剤に溶解、分散する際に加えてもよい。
<その他の成分>
本発明で得られた着色粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するために外添剤が用いられているが、この外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。前記無機微粒子の一次粒子径は、5μm〜2μmであることが好ましく、特に5μm〜500μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、0.01〜2.0重量%であることがより好ましい。前記無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等を挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が50μm以下のものを使用して攪拌混合を行なった場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行なわれる現像機内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られることが明らかになった。
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなる副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5重量%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望な帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行なっても、安定した画像品質が得られて、トナー吹きも抑制できる。
本発明のトナーは、その形状、大きさ等の諸物性については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下のような、体積平均粒径(Dv)、体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn)、粒径2μm以下の粒子の割合、平均円形度等を有していることが好ましい。
前記トナーの体積平均粒径Dvは、3μm〜9μmであることが好ましく、3μm〜7μmを満たすことが特に好ましい。一般的には、トナーの粒子径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得るために有利であると言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。また、前記の範囲よりも体積平均粒子径が小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させたり、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなる。また、これらの現象は、微粉の含有率が大きく関係し、特に粒径が2μm以下の粒子の割合が20個数%を超えるとキャリアへの付着や高いレベルで帯電の安定性を図る場合支障となる。逆に、トナーの粒子径が前記範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなる場合が多い。また、体積平均粒子径/個数平均粒子径が1.30よりも大きい場合も同様であることが明らかとなった。
前記トナーにおいては、その体積平均粒径Dvと個数平均粒径Dnとの比(Dv/Dn)は、1.30以下が好ましく、1.00〜1.20がより好ましい。このことが高解像度、高画質のトナーを得ることを可能とする。更に、二成分現像剤においては、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナーの粒子径の変動を少なくするとともに、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性を可能とする。前記比(Dv/Dn)が、1.30を超えると、個々のトナー粒子の粒径のバラツキが大きく、現像の際などでトナーの挙動にバラツキが発生し、微小ドットの再現性を損なってしまうことになり、高品位な画像は得られなくなる。
前記トナーの平均円形度は、0.94〜0.99であることが好ましい。前記平均円形度が、0.94未満であると、転写性の悪化が見られる。この現象は、トナー形状が異形化し過ぎているため(トナー表面凹凸が大)、転写の際のトナーの移動(感光体表面〜転写紙、感光体表面〜中間転写ベルト、第一の中間転写ベルト〜第二の中間転写ベルト、等)がスムースでなくなり、更にトナー粒子間でその挙動にバラツキを生じるため、均一かつ高い転写効率が得られなくなる。その他、帯電の不安定や粒子のもろさが発現しはじめる。更に現像剤中での微紛化現象となり現像剤の耐久性低下の要因となってくる。本発明のトナーにおける粒径2μm以下の粒子の割合は、1個数%〜20個数%であることが好ましい。
前記トナーの粒径2μm以下の粒子の割合、及び平均円形度は、例えばフロー式粒子像分析装置FPIA−2000(シスメックス株式会社製)により計測できる。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
前記トナーの体積平均粒径Dv及び比(Dv/Dn)は、例えばコールターカウンター法により測定することができる。トナーの粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。本発明においては、コールターカウンターTA−II型を用いて、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科技研株式会社)、及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC社製)接続し測定した。
前記トナーの酸価は、未変性ポリエステル樹脂の末端カルボキシル基に由来する。この未変性ポリエステル樹脂は、トナーとしての低温定着性(定着下限温度、ホットオフセット発生温度など)を制御するために、酸価が0.5mgKOH/g〜40.0mgKOH/gであることが好ましく、1mgKOH/g〜35.0mgKOH/gであることがより好ましい。前記トナー酸価が、40.0mgKOH/gを超えると、変性ポリエステル樹脂の伸長又は架橋反応が不十分となり、耐高温オフセット性に影響が見られることがあり、0.5mgKOH/g未満であると、製造時の塩基化合物による分散安定効果が得られず、変性ポリエステル樹脂の伸長又は架橋反応が進みやすく、製造安定性に問題が生じることがある。前記トナーの酸価は、例えばJIS K0070に準拠した方法により測定することができる。
前記トナーのガラス転移温度は、低温定着性、耐熱保存性、高耐久性を得るために40℃〜70℃が好ましく、45℃〜65℃がより好ましい。前記ガラス転移温度が、40℃未満であると、現像機内でのブロッキングや感光体へのフィルミングが発生し易くなることがあり、70℃を超えると、低温定着性が悪化しやすくなることがある。
本発明のトナーの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーから選択される少なくとも1種とすることができ、各色のトナーは、前記着色剤の種類を適宜選択することにより得ることができる。
(トナーの製造方法)
以下、本発明のトナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限るものではない。前記トナーの製造方法としては、水系造粒工程、第1の脱溶剤工程、熟成工程、第2の脱溶剤工程、濾過工程、洗浄工程、乾燥工程よりなる。
<水系造粒工程>
前記水系造粒工程は、有機溶媒中に、活性水素基を有する化合物、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、結着樹脂、着色剤、離型剤(以下、活性水素基を有する化合物、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、結着樹脂、着色剤、離型剤等をまとめて「トナー材料」ともいう。)を溶解又は分散させた油相を水系媒体に乳化乃至分散させる工程である。
−油相(トナー材料の溶解乃至分散液)の調製−
前記トナー材料は、有機溶媒中に溶解又は分散させてなる。前記有機溶媒としては、前記トナー材料を溶解乃至分散可能な溶媒であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除去の容易性の点で沸点が150℃未満の揮発性のものが好ましく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素が好ましく、酢酸エチルが特に好ましい。
前記有機溶剤の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記トナー材料100質量部に対し、40質量部〜300質量部が好ましく、60質量部〜140質量部がより好ましく、80質量部〜120質量部が更に好ましい。
なお、前記トナー材料の中で、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する変性ポリエステル系樹脂以外の成分は、後述する水系媒体の調製において、該水系媒体中に添加混合してもよいし、あるいは、前記トナー材料の溶解乃至分散液を前記水系媒体に添加する際に、該溶解乃至分散液と共に前記水系媒体に添加してもよい。
−水系媒体の調製−
前記水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
本発明では、水系媒体中でイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)等の反応性変性ポリエステルをアミン(B)と反応させることにより、ウレア変性ポリエステル(UMPE)等を得ることができる。水系媒体中でウレア変性ポリエステル等の変性ポリエステルやプレポリマー(A)等の反応性変性ポリエステルからなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中にウレア変性ポリエステル等の変性ポリエステルやプレポリマー(A)等の反応性変性ポリエステルからなるトナー原料の組成分を加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。プレポリマー(A)等の反応性変性ポリエステルと他のトナー組成分である(以下トナー原料と呼ぶ)着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、荷電制御剤、未変性ポリエステル樹脂などは、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめトナー原料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。また、本発明においては、着色剤、離型剤、荷電制御剤などの他のトナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1,000〜30,000rpm、好ましくは5,000〜20,000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。高温なほうが、ウレア変性ポリエステルやプレポリマー(A)からなる分散体の粘度が低く、分散が容易な点で好ましい。
ウレア変性ポリエステルやプレポリマー(A)等のポリエステルを含むトナー組成分100部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2,000重量部、好ましくは100〜1,000重量部である。50重量部未満ではトナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。2,000重量部を超えると経済的でない。また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
トナー組成物が分散された油性相を水が含まれる液体には、乳化、分散するための各種の分散剤が用いられる。このような分散剤には、界面活性剤、無機微粒子分散剤、ポリマー微粒子分散剤等が包含される。界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性荊、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102、(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級もしくは二級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業社製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
また、水に難溶の無機化合物分散剤としてリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸価チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等も用いることができる。
また、樹脂微粒子も無機分散剤と同様な効果が確認された。例えばMMAポリマー微粒子1μm、及び3μm、スチレン微粒子0.5μm及び2μm、スチレン−アクリロニトリル微粒子ポリマー1μm、(PB−200H(花王製)SGP(総研)、テクノポリマーSB(積水化成品工業)、SGP−3G(総研)ミクロパール(積水ファインケミカル))等がある。
また、上記の無機分散剤、樹脂微粒子と併用して使用可能な分散剤としては、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ピニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
伸長及び/又は架橋反応時間としては、例えば、プレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。なお、伸長剤及び/又は架橋剤としては、前記したアミン類(B)が用いられる。
−乳化乃至分散−
前記油相(トナー材料の溶解乃至分散液)の前記水系媒体中への乳化乃至分散は、前記トナー材料の溶解乃至分散液を前記水系媒体中で攪拌しながら分散させるのが好ましい。前記分散の方法としては、特に限定されるものではないが、ホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(在原製作所製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)、コロイドミル(神鋼パンテック株式会社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機株式会社製)、キャピトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工株式会社製)等の連続式乳化機、マイクロフルイダイザー(みずほ工業株式会社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業株式会社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業株式会社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられる。なかでも、粒径の均一化の観点から、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサーを用いることが好ましい。
なお、前記溶解乃至分散液が活性水素基含有化合物と反応可能な変性ポリエステル(プレポリマー)を含む場合においては、該乳化乃至分散時に該反応が進行する。反応条件としては、特に制限はなく、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と前記活性水素基含有化合物との組合せに応じて適宜選択することができるが、反応時間としては、30分間〜25時間が好ましく、1時間〜20時間がより好ましい。
<第1の脱溶剤工程>
前記第1の脱溶剤工程は、水系造粒工程にて調製された乳化乃至分散液から有機溶剤を除去する工程である。具体的には、乳化乃至分散液中の残留溶剤濃度が、トナー純分100部に対し70%以下となるように有機溶剤を除去する。
前記有機溶剤の除去は、(1)反応系全体を徐々に昇温させて、前記油滴中の前記有機溶剤を完全に蒸発除去する方法、(2)乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の非水溶性有機溶剤を完全に除去してトナー微粒子を形成し、併せて水系分散剤を蒸発除去する方法、などが挙げられる。
前記第1の脱溶剤工程においては、0℃〜40℃で脱溶剤を行うのが好ましく、15℃〜40℃で行うことがより好ましく、15℃〜35℃で行うことが特に好ましい。0℃未満で脱溶剤を行うと乳化液の水の一部が凍結することがあり、40℃を超えて脱溶剤を行うとトナー微粒子が凝集することがある。
前記第1の脱溶剤工程後の乳化乃至分散液中のトナー材料の残留溶剤濃度が、該乳化乃至分散液のトナー純分100部に対し10%以上70%以下であることが好ましく、50%であることがより好ましく、20%であることが特に好ましい。残留溶剤濃度が10%未満ではトナーの耐高温オフセット性が得られないことがあり、残留溶剤濃度が70%を超えると、トナー微粒子が凝集することがある。
前記第1の脱溶剤工程後の該乳化乃至分散液中の残留溶剤濃度は、ガスクロマトグラフで測定されるが、例えば、酢酸エチルの場合は具体的に次のような手順で決定される。
測定機器条件
測定装置:GC−2010(島津製作所製ガスクロマトグラフ)
注入量:2.0μL
試料気化室
注入モード:スプリット
気化室温度:180℃
キャリアガス:He
圧力:40.2kPa
全流量:56.0mL/min
カラム流量:1.04mL/min
線速度:20.0cm/sec
パージ流量:3.0mL/min
スプリット比:50.0
カラム
カラム名称:ZB−50
液相の膜厚:0.25μm
長さ:30.0m
内径:0.32mmID
カラム上限温度:340℃
カラムオーブン
カラム温度:60℃
カラムオーブン温度プログラム:
60℃ホールド6min→昇温速度60℃/min→230℃ホールド5min
検出器
検出器温度:250℃
メイクアップガス:N/Air
メイクアップ流量:30.0mL/min
流量:47.0mL/min
Air流量:400mL/min
測定方法
内標準液の調整:トルエン4gをメスフラスコ中に計量して、DMFで500mLに希釈する。
測定試料の調整:測定する乳化液1.5gをDMFで約50mLに希釈した後、内標液10mLをホールピペットで採取して投入する。スターラ−で測定試料を4分400rpmで攪拌した後、測定機器GCのオートサンプラ−に試料をセッティングし測定を行う。測定終了後に内標準物質のトルエンと酢酸エチルの比率から、内標準法により乳化液中の酢酸エチル量を計算する。次に、乳化液を150℃のオーブンに1時間いれて、そのときの残分量から、乳化液の固形分を求める。乳化液の固形分を下記の式(1)より乳化液のトナー分を計算する。

乳化液のトナー分[%]=乳化液固形分[%]×油相中トナー材料の部数/(油相中トナー材料の部数+水系媒体中固形分の部数)・・・・(1)

下記式よりトナー純分100部に対する酢酸エチルの濃度を計算する。

トナー純分100部に対する酢酸エチルの濃度[%]
=(乳化液中の酢酸エチル量[%]/(1)式の値)×100・・・・(2)
<熟成工程>
前記熟成工程は、脱溶剤された乳化乃至分散液を40℃〜70℃で加熱する工程である。熟成工程は、第1実施形態及び第2実施形態のいずれかを選択することで行うことができる。
−第1実施形態−
図1は、熟成工程で使用する第1実施形態の装置の断面図である(図中、矢印は乳化乃至分散液の流れを示す。)。図1に示す装置は、熱媒体(図示せず)が収納されている外管1と、外管1の内部に有し、乳化乃至分散液を通過させる内管2とを備える。装置の下部には、内管2と接続され乳化乃至分散液を装置内に供給する入口3と、装置の上部には、内管2と接続され熟成された乳化乃至分散液を装置から排出する出口4とが設けられている。
装置の下部から乳化乃至分散液を供給し、オーバーフローしたものを装置の上部から排出する構造とすることで、乳化乃至分散液の滞留時間を正確に制御することができる。
前記第1実施形態の熟成工程においては、外管中1の熱媒体により加熱された内管2内に、原料入口3から該乳化乃至分散液を供給し、内管2内で乳化乃至分散液を熟成させる。熟成させた乳化乃至分散液は、出口4から排出される。
図1に示す装置(熟成装置)は、装置の底部の入口3から乳化乃至分散液が供給されて、外管1内の熱媒体により加熱された内管2を流れる。乳化乃至分散液の流量又は供給量を調整することで、加熱された内管2内に乳化乃至分散液が滞留する時間を調整できる。これにより、乳化乃至分散液の熟成工程時間又は熟成度合いを調整することができる。
内管2内の温度は、40℃〜70℃であることが好ましく、40℃〜60℃であることがより好ましく、50℃〜60℃であることが特に好ましい。前記温度が40℃未満であると、耐高温オフセット性が得られないことがあり、70℃を超えると、低温定着性が得られなかったり、トナー微粒子が凝集することがある。
前記乳化乃至分散液の流量としては、特に制限はなく、使用目的や使用する装置容量に応じて適宜変更することができる。
また、熟成装置内における乳化乃至分散液の滞留時間は、特に制限はなく、使用目的に応じて適宜変更することができるが、例えば、0.5時間〜25時間であることが好ましく、0.5時間〜10時間であることがより好ましく、0.5時間〜5時間であることが特に好ましい。前記滞留時間が0.5時間未満であると、トナーの耐高温オフセット性が得られないことがあり、25時間を超えると、低温定着性が得られないことがある。
−第2実施形態−
以下、熟成工程の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する。図2は、熟成工程で使用する第2実施形態の装置の断面図である(図中、矢印は乳化乃至分散液の流れを示す。)。図2に示す熟成装置は、熱媒体(図示せず)が収納されている外管1と、外管1の内部に有し、乳化乃至分散液を通過させる内管2とを備える。熟成装置の底部には、内管2と接続され乳化乃至分散液を装置内に供給する入口3を有し、熟成装置の上部には、内管2と接続され熟成された乳化乃至分散液を装置から排出する出口4とが設けられている。内管2内には、乳化乃至分散液を攪拌する少なくとも1つの分散翼5と、分散効果を向上させる邪魔板6と、を備える。
前記第2実施形態の熟成工程においては、外管中1の熱媒体により加熱された内管2内に、原料入口3から該乳化乃至分散液を供給する。円柱型の分散翼5は、攪拌軸を中心に回転可能であり、供給された乳化乃至分散液は分散翼5に設けられた細孔511を通り、攪拌、分散される。さらに、分散翼5の直上に設けられた邪魔板6により分散効果が向上され、内管2内で乳化乃至分散液を熟成させる。熟成させた乳化乃至分散液は、出口4から排出される。
図3は、分散翼5の上面図である。分散翼5は、円柱型であり、多数の細孔511と攪拌軸512とを備える。攪拌軸を中心として回転可能であり、分散翼5が45度〜180度時計回りに回転した後、45度〜180度反時計回りに回転した状態で、乳化乃至分散液を細孔511に通過させる。分散翼5は、必要に応じて、内管2内に複数設けてもよい。なお、複数の内管2を設ける場合、各内管2の直上に邪魔板6を設けるようにしてもよい。
前記細孔511の内径としては、特に制限されず、使用目的に応じて適宜変更することができるが、例えば、0.5mm〜10mmであることが好ましく、1mm〜5mmであることがより好ましく、1mm〜3mmであることが特に好ましい。前記内径が0.5mm未満であると、細孔511がトナー微粒子により目詰まりすることがあり、10mmを超えると乳化乃至分散液の管内への滞留時間にばらつきが発生することがある。
図2に示す装置は、装置の底部の入口3から乳化乃至分散液が供給されて、外管1内の熱媒体により加熱された内管2を流れる。乳化乃至分散液の流量又は供給量を調整することで、加熱された内管2内に乳化乃至分散液が滞留する時間を調整できる。これにより、乳化乃至分散液の熟成工程時間又は熟成度合いを調整することができる。
前記乳化乃至分散液の流量としては、特に制限はなく、使用目的や使用する装置容量に応じて適宜変更することができる。
また、熟成装置内における乳化乃至分散液の滞留時間は、特に制限はなく、使用目的に応じて適宜変更することができるが、例えば、0.5時間〜25時間であることが好ましく、0.5時間〜10時間であることがより好ましく、0.5時間〜5時間であることが特に好ましい。前記滞留時間が0.5時間未満であると、トナーの耐高温オフセット性が得られないことがあり、25時間を超えると、低温定着性が得られないことがある。
<第2の脱溶剤工程>
前記第2の脱溶剤工程は、熟成工程後の乳化乃至分散液中の有機溶媒を完全に除去する工程である。有機溶媒を完全に除去することで、トナー微粒子が形成される。前記第2の脱溶剤工程は、第1の脱溶剤工程と同様に、(1)反応系全体を徐々に昇温させて、前記油滴中の前記有機溶剤を完全に蒸発除去する方法、(2)乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の非水溶性有機溶剤を完全に除去してトナー微粒子を形成し、併せて水系分散剤を蒸発除去する方法、などで脱溶剤を行う。
具体的には、第2の脱溶剤工程では、有機溶剤がトナー純分100部に対し10%以下となるまで行うことが好ましく、5%以下となるまで行うことがより好ましく、0.5%以下となるまで行うことが特に好ましい。有機溶剤が10%以上では、トナーの耐熱保存性が得られないことがある。
前記第1の脱溶剤工程においては、0℃〜50℃で脱溶剤を行うのが好ましく、15℃〜50℃で行うことがより好ましく、15℃〜40℃で行うことが特に好ましい。0℃未満で脱溶剤を行うと乳化液の水の一部が凍結することがあり、50℃を超えて脱溶剤を行うとトナー微粒子が凝集することがある。
<濾過工程、洗浄工程、乾燥工程>
第2の脱溶剤工程後、水系媒体からトナー微粒子を濾過する(濾過工程)。濾過工程後、洗浄工程、乾燥工程を行うことができ、更にその後、所望により分級等を行うことができる。該分級は、例えば、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができ、乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよい。なお、分散安定剤として前記水系媒体にリン酸カルシウム塩などの酸・アルカリに溶解可能なものを用いた場合には、塩酸などの酸によって該分散安定剤を溶解し、水洗いするなどの方法によりトナー粒子から除去することができる。
(現像剤)
本発明のトナーは、2成分系現像剤として用いることができる。この場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等があげられる。またポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂およびスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、およびシリコーン樹脂等が使用できる。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。また、本発明のトナーはキャリアを使用しない1成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
(トナー入り容器)
本発明で用いるトナー入り容器は、本発明の前記トナー又は前記現像剤を容器中に収容してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、現像剤容器本体とキャップとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記トナー入り容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状などが好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、等が特に好ましい。
前記トナー入り容器本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好ましく、例えば、樹脂が好適に挙げられ、その中でも、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、などが好適に挙げられる。
本発明のトナー入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述する本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けてトナーや現像剤の補給に好適に使用することができる。
(プロセスカートリッジ)
本発明で用いるプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、トナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、本発明の前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容された現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
前記プロセスカートリッジは、各種電子写真方式の画像形成装置に着脱可能に備えさせることができ、後述する本発明で用いる画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが好ましい。
ここで、前記プロセスカートリッジは、例えば、図4に示すように、静電潜像担持体101を内蔵し、帯電手段102、現像手段104、転写手段108、クリーニング手段107を含み、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。図4中、103は露光手段による露光、105は記録媒体をそれぞれ示す。
次に、図4に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、静電潜像担持体101は、矢印方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段(不図示)による露光103により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段104で現像され、得られた可視像は転写手段108により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の静電潜像担持体表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。本発明で用いる画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。前記静電潜像担持体(「電子写真感光体」、「感光体」、「像担持体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記静電潜像の形成は、例えば前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。前記静電潜像形成手段は、例えば前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。また、前記帯電器としては、静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。また、前記帯電器が、静電潜像担持体にギャップテープを介して非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
−現像工程及び現像手段−
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記トナー又は現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記トナー乃至現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。前記現像手段は、例えば、本発明の前記トナー乃至現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明の前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着手段を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。前記定着装置が、発熱体を具備する加熱体と、該加熱体と接触するフィルムと、該フィルムを介して前記加熱体と圧接する加圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の間に未定着画像を形成させた記録媒体を通過させて加熱定着する手段であることが好ましい。前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
前記画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の態様について、図5を参照しながら説明する。図2に示す画像形成装置100は、前記静電潜像担持体としての感光体ドラム10(以下「感光体10」という)と、前記帯電手段としての帯電ローラ20と、前記露光手段としての露光装置30と、前記現像手段としての現像装置40と、中間転写体50と、クリーニングブレードを有する前記クリーニング手段としてのクリーニング装置60と、前記除電手段としての除電ランプ70とを備える。
中間転写体50は無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3個のローラ51によって、図中矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50には、その近傍に中間転写体用クリーニングブレード90が配置されており、また、記録媒体95に可視像(トナー像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な前記転写手段としての転写ローラ80が対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、この中間転写体50上の可視像に電荷を付与するためのコロナ帯電器58が、該中間転写体50の回転方向において、静電潜像担持体10と中間転写体50との接触部と、中間転写体50と記録媒体95との接触部との間に配置されている。
現像装置40は、現像剤担持体としての現像ベルト41と、この現像ベルト41の周囲に併設したブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M、及びシアン現像ユニット45Cとから構成されている。なお、ブラック現像ユニット45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kとを備えている。イエロー現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yとを備えている。マゼンタ現像ユニット45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mとを備えている。シアン現像ユニット45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cとを備えている。また、現像ベルト41は、無端ベルトであり、複数のベルトローラにより回転可能に張架され、一部が静電潜像担持体10と接触している。
図5に示す画像形成装置100において、例えば、帯電ローラ20が感光体ドラム10を一様に帯電させる。露光装置30が感光ドラム10上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。感光ドラム10上に形成された静電潜像を、現像装置40からトナーを供給して現像して可視像(トナー像)を形成する。該可視像(トナー像)が、ローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、更に転写紙95上に転写(二次転写)される。その結果、転写紙95上には転写像が形成される。なお、感光体10上の残存トナーは、クリーニング装置60により除去され、感光体10における帯電は除電ランプ70により一旦、除去される。
前記画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図6を参照しながら説明する。図6に示す画像形成装置100は、図2に示す画像形成装置100において、現像ベルト41を備えてなく、感光体10の周囲に、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cが直接対向して配置されていること以外は、図5に示す画像形成装置100と同様の構成を有し、同様の作用効果を示す。なお、図6においては、図5におけるものと同じものは同符号で示した。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図7を参照しながら説明する。図7に示すタンデム画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置である。このタンデム画像形成装置は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図4中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される記録媒体(転写紙)と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。なお、タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
次に、タンデム型現像器120を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段、及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図8に示すように、それぞれ、静電潜像担持体10(ブラック用静電潜像担持体10K、イエロー用静電潜像担持体10Y、マゼンタ用静電潜像担持体10M、及びシアン用静電潜像担持体10C)と、該静電潜像担持体10を一様に帯電させる帯電装置160と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記静電潜像担持体を露光(図5中、L)し、該静電潜像担持体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光装置と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー、及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー画像を形成する現像装置61と、該トナー画像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、クリーニング装置63と、除電器64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用静電潜像担持体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用静電潜像担持体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用静電潜像担持体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用静電潜像担持体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つからシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ142を回転して手差しトレイ54上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成された前記シート(記録紙)は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、定着装置25において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該シート(記録紙)上に定着される。その後、該シート(記録紙)は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、あるいは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
製造例1
<トナー材料油性分散液の製造>
−樹脂微粒子分散液の製造−
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[樹脂微粒子分散液1]を得た。[樹脂微粒子分散液1]をLA−920で測定した体積平均粒径は、105nmであった。[樹脂微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは59℃であり、重量平均分子量は150,000であった。
−低分子ポリエステル1の製造−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物529質量部、テレフタル酸208質量部、イソフタル酸46質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて5時間反応させた。次いで、該反応液を10〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させた後、反応容器中に無水トリメリット酸44質量部を添加し、常圧下、180℃にて2時間反応させて、[低分子ポリエステル1]を合成した。得られた[低分子ポリエステル1]は、THF可溶分の重量平均分子量(Mw)が5,200、ガラス転移温度(Tg)が45℃、酸価が20mgKOH/g、水酸基価は50mgKOH/gであった。
酸価の測定方法としては、JIS K0070−1992に記載の測定方法に準拠して以下の条件で測定を行った。
試料調整:ポリエステル0.5g(酢酸エチル可溶成分では0.3g)をトルエン120mlに添加して室温(23℃)で約10時間撹拌して溶解した。更にエタノール30mlを添加して試料溶液とした。
測定は、上記記載の装置にて計算することができるが、具体的には次のように計算した。あらかじめ標定されたN/10苛性カリ〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量から次の計算で酸価を求めた。
酸価=KOH(ml数)×N×56.1/試料重量
(ただしNはN/10KOHのファクター)
水酸基価の測定方法としては、試料0.5gを100mlのメスフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬5mlを正しく加えた。その後、100℃±5℃の浴中に浸して加熱した。1〜2時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後水を加えて振り動かして無水酢酸を分解した。更に分解を完全にするため再びフラスコを浴中で10分間以上加熱し放冷後、有機溶剤でフラスコの壁をよく洗浄した。この液を前記電極を用いてN/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液で電位差滴定を行いOH価を求めた(JISK0070−1966に準ずる。)。
ガラス転移点の測定方法としては、理学電機社製のRigaku THRMOFLEX TG8110により、昇温速度10℃/minの条件にて測定した。Tgの測定方法について概説する。Tgを測定する装置として、理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を使用した。まず試料約10mgをアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットにのせ、電気炉中にセットした。まず、室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置、室温まで試料を冷却して10min放置、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/minで加熱してDSC測定を行った。Tgは、TAS−100システム中の解析システムを用いて、Tg近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出した。
−プレポリマー1の製造−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物795部、イソフタル酸200部、テレフタル酸65部、及びジブチルチンオキサイド2部を投入し、常圧窒素気流下のもと、210℃で8時間縮合反応した。次いで10〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に80℃まで冷却し、酢酸エチル中1,500部中にてイソホロンジイソシアネート170部と2時間反応を行い、[プレポリマー溶液1]を得た。得られた[プレポリマー溶液1]中のプレポリマーの重量平均分子量は90,000であった。また、この[プレポリマー溶液1]中のプレポリマー純分は50%だった。
−トナー材料油性分散液1の調整−
ビーカー内に[プレポリマー溶液1]20部すなわちプレポリマー純分で10部、[低分子ポリエステル1]155部、酢酸エチル80部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるカルナバワックス15部、カーボンブラック顔料20部、酢酸エチルを110部ビーズミルに入れ30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にイソフォロンジアミン1.2部添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌して、[トナー材料油性分散液1]を得た。
実施例1
ビーカー内にイオン交換水529.5部、[樹脂微粒子分散液1]70部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部を入れ、TK式ホモミキサーで12,000rpmに攪拌しながら、この水分散液に上記[トナー材料油性分散液1]405.1部を加え、30分攪拌を続けながら[トナー材料油性分散液1]を分散させて、分散スラリーを得た。続いて、分散スラリーをトナー純分100部に対する酢酸エチル濃度(残留溶剤濃度)が20%になるまで25℃で第1の脱溶剤工程を行った。
次に、第1の脱溶剤工程を経た分散スラリーを図1に示した熟成装置の内管内に供給して熟成工程を行った。このとき内管内の分散スラリー温度は55℃で、管内に3時間滞留してから管外に排出した。
熟成工程を経た分散スラリーをトナー純分100部に対する酢酸エチル濃度が0.5%以下になるまで30℃で加熱して第2の脱溶剤工程を行い、濾過、洗浄、乾燥し、次いで風力分級し、球形状のトナー母体を得た。得られた母体粒子100部、帯電制御剤(オリエント化学社製ボントロン E−84)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定して混合処理した。この場合、その混合操作は、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、混合処理した。この場合、その混合操作は、周速を15m/secとして30秒混合1分間休止を5サイクル実施し、最終的な[トナー1]を得た。
実施例2
熟成工程の管内滞留時間を5時間に変更した以外は、実施例1と同様にして製造した。
実施例3
熟成工程の管内滞留を5時間、熟成温度を63℃に変更した以外は、実施例1と同様にして製造した。
<トナー材料油性分散液2の調整>
ビーカー内に[プレポリマー溶液1]72部すなわちプレポリマー純分で36部、[低分子ポリエステル1]129部、酢酸エチル80部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるカルナバワックス15部、カーボンブラック顔料20部、酢酸エチルを84部ビーズミルに入れ30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にイソフォロンジアミン4.4部添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌して、[トナー材料油性分散液2]を得た。
実施例4
ビーカー内にイオン交換水529.5部、[樹脂微粒子分散液1]70部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部を入れ、TK式ホモミキサーで12,000rpmに攪拌しながら、この水分散液に上記[トナー材料油性分散液2]405.1部を加え、30分攪拌を続けながら[トナー材料油性分散液2]を分散させて、分散スラリーを得た。
続いて、分散スラリーをトナー純分100部に対する酢酸エチル濃度が20%になるまで25℃で第1の脱溶剤工程を行った。
次に、第1の脱溶剤工程を経た分散スラリーを図1に示した熟成装置の内管内に供給して熟成工程を行った。このとき管内の分散スラリー温度は55℃で、管内に1.5時間滞留させてから管外に排出させた。
熟成工程を経た分散スラリーをトナー純分100部に対する酢酸エチル濃度が0.5%以下になるまで30℃で第2の脱溶剤工程を行い、濾過、洗浄、乾燥し、次いで風力分級し、球形状のトナー母体を得た。得られた母体粒子100部、帯電制御剤(オリエント化学社製ボントロン E−84)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定して混合処理した。この場合、その混合操作は、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、混合処理した。この場合、その混合操作は、周速を15m/secとして30秒混合1分間休止を5サイクル実施し、最終的な[トナー4]を得た。
実施例5
熟成工程の管内滞留を3時間に変更した以外は、実施例4と同様に製造して、[トナー5]を得た。
実施例6
熟成工程の管内滞留を3時間、熟成温度を63℃に変更した以外は、実施例4と同様に製造して、[トナー6]を得た。
<トナー材料油性分散液3の調整>
ビーカー内に[プレポリマー溶液1]160部すなわちプレポリマー純分で80部、[低分子ポリエステル1]185部、酢酸エチル80部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるカルナバワックス15部、カーボンブラック顔料20部、酢酸エチルを40部ビーズミルに入れ30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にイソフォロンジアミン9.9部添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌して、[トナー材料油性分散液3]を得た。
実施例7
ビーカー内にイオン交換水529.5部、[樹脂微粒子分散液1]70部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部を入れ、TK式ホモミキサーで12,000rpmに攪拌しながら、この水分散液に上記[トナー材料油性分散液3]405.1部を加え、30分攪拌を続けながら[トナー材料油性分散液3]を分散させて、分散スラリーを得た。続いて、分散スラリーをトナー純分100部に対する酢酸エチル濃度が20%になるまで25℃で第1の脱溶剤工程を行った。
次に、第1の脱溶剤工程を経た分散スラリーを図1に示した熟成装置の内管内に供給して熟成工程を行った。このとき管内の分散スラリー温度は55℃で、管内に0.5時間滞留させてから管外に排出させた。
熟成工程を経た分散スラリーをトナー純分100部に対する酢酸エチル濃度が0.5%以下になるまで30℃で第2の脱溶剤工程を行い、濾過、洗浄、乾燥し、次いで風力分級し、球形状のトナー母体を得た。得られた母体粒子100部、帯電制御剤(オリエント化学社製ボントロン E−84)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定して混合処理した。この場合、その混合操作は、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、混合処理した。この場合、その混合操作は、周速を15m/secとして30秒混合1分間休止を5サイクル実施し、最終的な[トナー7]を得た。
実施例8
熟成工程の管内滞留を1.5時間に変更する以外は、実施例7と同様に製造して、[トナー8]を得た。
<トナー材料油性分散液4の調整>
ビーカー内に[プレポリマー溶液1]16部すなわちプレポリマー純分で8部、[低分子ポリエステル1]157部、酢酸エチル80部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるカルナバワックス15部、カーボンブラック顔料20部、酢酸エチルを112部ビーズミルに入れ30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にイソフォロンジアミン1.0部添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌して、[トナー材料油性分散液4]を得た。
実施例9
ビーカー内にイオン交換水529.5部、[樹脂微粒子分散液1]70部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部を入れ、TK式ホモミキサーで12,000rpmに攪拌しながら、この水分散液に上記[トナー材料油性分散液4]405.1部を加え、30分攪拌を続けながら[トナー材料油性分散液4]を分散させて、分散スラリーを得た。続いて、分散スラリーをトナー純分100部に対する酢酸エチル濃度が70%になるまで25℃で第1の脱溶剤工程を行った。
次に、第1の脱溶剤工程を経た分散スラリーを図1の熟成装置の内管内に供給して熟成工程を行った。このとき管内の分散スラリー温度は55℃で、管内に3時間滞留させてから管外に排出させた。
熟成工程を経た分散スラリーをトナー純分100部に対する酢酸エチル濃度が0.5%以下になるまで30℃で第2の脱溶剤工程を行い、濾過、洗浄、乾燥し、次いで風力分級し、球形状のトナー母体を得た。得られた母体粒子100部、帯電制御剤(オリエント化学社製ボントロン E−84)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定して混合処理した。この場合、その混合操作は、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、混合処理した。この場合、その混合操作は、周速を15m/secとして30秒混合1分間休止を5サイクル実施し、最終的な[トナー9]を得た。
実施例10
熟成工程の管内滞留を2時間に変更する以外は、実施例9と同様に製造して、[トナー10]を得た。
<トナー材料油性分散液5の調整>
ビーカー内に[プレポリマー溶液1]72部すなわちプレポリマー純分で36部、[低分子ポリエステル1]129部、酢酸エチル80部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるカルナバワックス15部、カーボンブラック顔料20部、酢酸エチルを84部ビーズミルに入れ30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にジエチレントリアミン1.8部添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌して、[トナー材料油性分散液2]を得た。
実施例11
ビーカー内にイオン交換水529.5部、[樹脂微粒子分散液1]70部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部を入れ、TK式ホモミキサーで12,000rpmに攪拌しながら、この水分散液に上記[トナー材料油性分散液5]405.1部を加え、30分攪拌を続けながら[トナー材料油性分散液5]を分散させて、分散スラリーを得た。続いて、分散スラリーをトナー純分100部に対する酢酸エチル濃度が20%になるまで25℃で第1の脱溶剤工程を行った。
次に、第1の脱溶剤工程を経た分散スラリーを図1に示した熟成装置の内管内に供給して熟成工程を行った。このとき管内の分散スラリー温度は55℃で、管内に3時間滞留させてから管外に排出させた。
次に、熟成工程を経た分散スラリーをトナー純分100部に対する酢酸エチル濃度が0.5%以下になるまで30℃で第2の脱溶剤工程を行い、濾過、洗浄、乾燥し、次いで風力分級し、球形状のトナー母体を得た。得られた母体粒子100部、帯電制御剤(オリエント化学社製ボントロン E−84)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定して混合処理した。この場合、その混合操作は、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、混合処理した。この場合、その混合操作は、周速を15m/secとして30秒混合1分間休止を5サイクル実施し、最終的な[トナー11]を得た。
<トナー材料油性分散液6の調整>
ビーカー内に[プレポリマー溶液1]72部すなわちプレポリマー純分で36部、[低分子ポリエステル1]129部、酢酸エチル80部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるカルナバワックス15部、カーボンブラック顔料20部、酢酸エチルを84部ビーズミルに入れ30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にトリエチレンテトラミン1.9部添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌して、[トナー材料油性分散液6]を得た。
実施例12
ビーカー内にイオン交換水529.5部、[樹脂微粒子分散液1]70部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部を入れ、TK式ホモミキサーで12,000rpmに攪拌しながら、この水分散液に上記[トナー材料油性分散液6]405.1部を加え、30分攪拌を続けながら[トナー材料油性分散液6]を分散させて、分散スラリーを得た。続いて、分散スラリーをトナー純分100部に対する酢酸エチル濃度が20%になるまで25℃で第1の脱溶剤工程を行った。
次に、第1の脱溶剤工程を経た分散スラリーを図1に示した熟成装置の内管内に供給して熟成工程を行う、このとき管内の分散スラリー温度は55℃で、管内に3時間滞留させてから管外に排出させた。
熟成工程を経た分散スラリーをトナー純分100部に対する酢酸エチル濃度が0.5%以下になるまで30℃で第2の脱溶剤工程を行い、濾過、洗浄、乾燥し、次いで風力分級し、球形状のトナー母体を得た。得られた母体粒子100部、帯電制御剤(オリエント化学社製ボントロン E−84)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定して混合処理した。この場合、その混合操作は、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、混合処理した。この場合、その混合操作は、周速を15m/secとして30秒混合1分間休止を5サイクル実施し、最終的な[トナー12]を得た。
<トナー材料油性分散液7の調整>
ビーカー内に[プレポリマー溶液1]160部すなわちプレポリマー純分で80部、[低分子ポリエステル1]185部、酢酸エチル80部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるカルナバワックス15部、カーボンブラック顔料20部、酢酸エチルを40部ビーズミルに入れ30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にトリエチレンテトラミン4.2部添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌して、[トナー材料油性分散液7]を得た。
実施例13
ビーカー内にイオン交換水529.5部、[樹脂微粒子分散液1]70部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部を入れ、TK式ホモミキサーで12,000rpmに攪拌しながら、この水分散液に上記[トナー材料油性分散液7]405.1部を加え、30分攪拌を続けながら[トナー材料油性分散液7]を分散させて、分散スラリーを得た。続いて、分散スラリーをトナー純分100部に対する酢酸エチル濃度が20%になるまで25℃で第1の脱溶剤工程を行った。
次に、第1の脱溶剤工程を経た分散スラリーを図1の熟成装置の内管内に供給して熟成工程を行った。このとき管内の分散スラリー温度は55℃で、管内に3時間滞留させてから管外に排出させた。
次に、熟成工程を経た分散スラリーをトナー純分100部に対する酢酸エチル濃度が0.5%以下になるまで30℃で第2の脱溶剤工程を行い、濾過、洗浄、乾燥し、次いで風力分級し、球形状のトナー母体を得た。得られた母体粒子100部、帯電制御剤(オリエント化学社製ボントロン E−84)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定して混合処理した。この場合、その混合操作は、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、混合処理した。この場合、その混合操作は、周速を15m/secとして30秒混合1分間休止を5サイクル実施し、最終的な[トナー13]を得た。
<トナー材料油性分散液8の調整>
ビーカー内に[プレポリマー溶液1]72部すなわちプレポリマー純分で36部、[低分子ポリエステル1]129部、酢酸エチル80部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるカルナバワックス15部、カーボンブラック顔料20部、酢酸エチルを84部ビーズミルに入れ30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌して、[トナー材料油性分散液8]を得た。
実施例14
ビーカー内にイオン交換水529.5部、[樹脂微粒子分散液1]70部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部を入れ、TK式ホモミキサーで12,000rpmに攪拌しながら、この水分散液に上記[トナー材料油性分散液8]405.1部を加え、30分攪拌を続けながら[トナー材料油性分散液8]を分散させて、分散スラリーを得た。続いて、分散スラリーをトナー純分100部に対する酢酸エチル濃度が20%になるまで25℃で第1の脱溶剤工程を行った。
次に、第1の脱溶剤工程を経た分散スラリーを図1の熟成装置の内管内に供給して熟成工程を行った。このとき管内の分散スラリー温度は55℃で、管内に3時間滞留させてから管外に排出させた。
次に、熟成工程を経た分散スラリーをトナー純分100部に対する酢酸エチル濃度が0.5%以下になるまで30℃で第2の脱溶剤工程を行い、濾過、洗浄、乾燥し、次いで風力分級し、球形状のトナー母体を得た。得られた母体粒子100部、帯電制御剤(オリエント化学社製ボントロン E−84)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定して混合処理した。この場合、その混合操作は、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、混合処理した。この場合、その混合操作は、周速を15m/secとして30秒混合1分間休止を5サイクル実施し、最終的な[トナー14]を得た。
実施例15
熟成工程の管内滞留を1.7時間に変更する以外は、実施例14と同様に製造して、[トナー5]を得た。
実施例16
第1の脱溶剤工程における酢酸エチル濃度を10%、熟成工程の分散スラリー温度を40℃、管内滞留を0.5時間に変更した以外は、実施例4と同様に製造して、[トナー16]を得た。
実施例17
第1の脱溶剤工程における酢酸エチル濃度を70%、熟成工程の分散スラリー温度を70℃、管内滞留を20時間に変更する以外は、実施例4と同様に製造して、[トナー17]を得た。
実施例18
第2の脱溶剤工程における酢酸エチル濃度を5%に変更する以外は、実施例4と同様に製造して、[トナー18]を得た。
実施例19
実施例1において、熟成工程を図2のような装置で行った以外は、実施例1と同様にして、[トナー19]を得た。
実施例20
実施例2において、熟成工程を図2のような装置で行う以外は、実施例2と同様にして、[トナー20]を得た。
実施例21
実施例3において、熟成工程を図2のような装置で行う以外は、実施例3と同様にして、[トナー21]を得た。
実施例22
実施例4において、熟成工程を図2のような装置で行う以外は、実施例4と同様にして、[トナー22]を得た。
実施例23
実施例5において、熟成工程を図2のような装置で行う以外は、実施例5と同様にして、[トナー23]を得た。
実施例24
実施例6において、熟成工程を図2のような装置で行う以外は、実施例6と同様にして、[トナー24]を得た。
実施例25
実施例7において、熟成工程を図2のような装置で行う以外は、実施例7同様にして、[トナー25]を得た。
実施例26
実施例8において、熟成工程を図2のような装置で行う以外は、実施例8と同様にして、[トナー26]を得た。
実施例27
実施例9において、熟成工程を図2のような装置で行う以外は、実施例9と同様にして、[トナー27]を得た。
実施例28
実施例10において、熟成工程を図2のような装置で行う以外は、実施例10と同様にして、[トナー28]を得た。
実施例29
実施例11において、熟成工程を図2のような装置で行う以外は、実施例11と同様にして、[トナー29]を得た。
実施例30
実施例12において、熟成工程を図2のような装置で行う以外は、実施例12と同様にして、[トナー30]を得た。
実施例31
実施例13において、熟成工程を図2のような装置で行う以外は、実施例13と同様にして、[トナー31]を得た。
実施例32
実施例14において、熟成工程を図2のような装置で行う以外は、実施例14と同様にして、[トナー32]を得た。
実施例33
実施例15において、熟成工程を図2のような装置で行う以外は、実施例15と同様にして、[トナー33]を得た。
実施例34
第1の脱溶剤工程における酢酸エチル濃度を10%、熟成工程の分散スラリー温度を40℃、管内滞留を0.5時間に変更する以外は、実施例22と同様に製造して、[トナー34]を得た。
実施例35
第1の脱溶剤工程における酢酸エチル濃度を70%、熟成工程の分散スラリー温度を70℃、管内滞留を20時間に変更する以外は、実施例22と同様に製造して、[トナー35]を得た。
実施例36
第2の脱溶剤工程における酢酸エチル濃度を5%に変更する以外は、実施例22と同様に製造して、[トナー36]を得た。
実施例37
第1の脱溶剤工程における酢酸エチル濃度を20%に変更する以外は、実施例27と同様に製造して、[トナー37]を得た。
<トナー材料油性分散液9の調整>
ビーカー内に[プレポリマー溶液1]200部すなわちプレポリマー純分で100部、[低分子ポリエステル1]65部、酢酸エチル100部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるカルナバワックス15部、カーボンブラック顔料20部、酢酸エチルを112部ビーズミルに入れ30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にイソホロンジアミン12.3部添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌して、[トナー材料油性分散液5]を得た。
ビーカー内にイオン交換水529.5部、[樹脂微粒子分散液1]70部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部を入れ、TK式ホモミキサーで12,000rpmに攪拌しながら、この水分散液に上記[トナー材料油性分散液9]405.1部を加え、30分攪拌を続けながら[トナー材料油性分散液9]を分散させて、分散スラリーを得た。続いて、分散スラリーをトナー純分100部に対する酢酸エチル濃度が20%になるまで25℃で第1の脱溶剤工程を行った。
次に、第1の脱溶剤工程を経た分散スラリーを図1の熟成装置の内管内に供給して熟成工程を行った。このとき管内の分散スラリー温度は55℃で、管内に1.5時間滞留させてから管外に排出させた。
次に、熟成工程を経た分散スラリーをトナー純分100部に対する酢酸エチル濃度が0.5%以下になるまで30℃で第2の脱溶剤工程を行い、濾過、洗浄、乾燥し、次いで風力分級し、球形状のトナー母体を得た。得られた母体粒子100部、帯電制御剤(オリエント化学社製ボントロン E−84)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定して混合処理した。この場合、その混合操作は、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、混合処理した。この場合、その混合操作は、周速を15m/secとして30秒混合1分間休止を5サイクル実施し、最終的な[トナー38]を得た。
実施例39
熟成工程の管内滞留を5時間に変更する以外は、実施例30と同様に製造して、[トナー39]を得た。
実施例40
TK式ホモミキサーの攪拌時間を6分に変更する以外は、実施例5と同様に製造して、[トナー40]を得た。
実施例41
TK式ホモミキサーの攪拌時間を4分に変更する以外は、実施例5と同様に製造して、[トナー41]を得た。
実施例42
TK式ホモミキサーの攪拌時間を7分に変更する以外は、実施例5と同様に製造して、[トナー42]を得た。
実施例43
TK式ホモミキサーの攪拌時間を3分に変更する以外は、実施例5と同様に製造して、[トナー43]を得た。
−低分子ポリエステル2の製造−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物529質量部、テレフタル酸208質量部、イソフタル酸46質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて5時間反応させた。次いで、該反応液を10〜15mmHgの減圧下にて2時間反応させた後、反応容器中に無水トリメリット酸44質量部を添加し、常圧下、180℃にて2時間反応させて、[低分子ポリエステル2]を合成した。得られた[低分子ポリエステル2]は、THF可溶分の重量平均分子量(Mw)が1000、ガラス転移温度(Tg)が47℃、酸価が24mgKOH/g、水酸基価が52mgKOH/gであった。
<トナー材料油性分散液10の調整>
ビーカー内に[プレポリマー溶液1]72部すなわちプレポリマー純分で36部、[低分子ポリエステル2]129部、酢酸エチル164部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるカルナバワックス15部、カーボンブラック顔料20部、酢酸エチルを112部ビーズミルに入れ30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にイソホロンジアミン12.3部添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌して、[トナー材料油性分散液10]を得た。
実施例44
[トナー材料油性分散液2]を[トナー材料油性分散液10]に変更する以外は、実施例23と同様に製造して、[トナー44]を得た。
−低分子ポリエステル3の製造−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物529質量部、テレフタル酸208質量部、イソフタル酸46質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて5時間反応させた。次いで、該反応液を10〜15mmHgの減圧下にて8時間反応させた後、反応容器中に無水トリメリット酸44質量部を添加し、常圧下、180℃にて2時間反応させて、[低分子ポリエステル3]を合成した。得られた[低分子ポリエステル3]は、THF可溶分の重量平均分子量(Mw)が30000、ガラス転移温度(Tg)が48℃、酸価が21mgKOH/g、水酸基価が53mgKOH/gであった。
<トナー材料油性分散液11の調整>
ビーカー内に[プレポリマー溶液1]72部すなわちプレポリマー純分で36部、[低分子ポリエステル3]129部、酢酸エチル164部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるカルナバワックス15部、カーボンブラック顔料20部、酢酸エチルを112部ビーズミルに入れ30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にイソホロンジアミン12.3部添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌して、[トナー材料油性分散液11]を得た。
実施例45
[トナー材料油性分散液2]を[トナー材料油性分散液11]に変更する以外は、実施例23と同様に製造して、[トナー44]を得た。
−低分子ポリエステル4の製造−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物529質量部、テレフタル酸208質量部、イソフタル酸46質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて5時間反応させた。次いで、該反応液を10〜15mmHgの減圧下にて1時間反応させた後、反応容器中に無水トリメリット酸44質量部を添加し、常圧下、180℃にて2時間反応させて、[低分子ポリエステル4]を合成した。得られた[低分子ポリエステル4]は、THF可溶分の重量平均分子量(Mw)が900、ガラス転移温度(Tg)が44℃、酸価が20mgKOH/g、水酸基価が49mgKOH/gであった。
<トナー材料油性分散液12の調整>
ビーカー内に[プレポリマー溶液1]72部すなわちプレポリマー純分で36部、[低分子ポリエステル3]129部、酢酸エチル164部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるカルナバワックス15部、カーボンブラック顔料20部、酢酸エチルを112部ビーズミルに入れ30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にイソホロンジアミン12.3部添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌して、[トナー材料油性分散液12]を得た。
実施例46
[トナー材料油性分散液2]を[トナー材料油性分散液12]に変更する以外は、実施例23と同様に製造して、[トナー45]を得た。
−低分子ポリエステル5の製造−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物529質量部、テレフタル酸208質量部、イソフタル酸46質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて5時間反応させた。次いで、該反応液を10〜15mmHgの減圧下にて9時間反応させた後、反応容器中に無水トリメリット酸44質量部を添加し、常圧下、180℃にて2時間反応させて、[低分子ポリエステル5]を合成した。得られた[低分子ポリエステル5]は、THF可溶分の重量平均分子量(Mw)が35000、ガラス転移温度(Tg)が49℃、酸価が18mgKOH/g、水酸基価が51mgKOH/gであった。
<トナー材料油性分散液13の調整>
ビーカー内に[プレポリマー溶液1]72部すなわちプレポリマー純分で36部、[低分子ポリエステル4]129部、酢酸エチル164部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるカルナバワックス15部、カーボンブラック顔料20部、酢酸エチルを112部ビーズミルに入れ30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にイソホロンジアミン12.3部添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌して、[トナー材料油性分散液13]を得た。
実施例47
[トナー材料油性分散液2]を[トナー材料油性分散液13]に変更する以外は、実施例23と同様に製造して、[トナー46]を得た。
−プレポリマー2の製造−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物795部、イソフタル酸200部、テレフタル酸65部、及びジブチルチンオキサイド2部を投入し、常圧窒素気流下のもと、210℃で5時間縮合反応した。次いで10〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に80℃まで冷却し、酢酸エチル中1,500部中にてイソホロンジイソシアネート170部と2時間反応を行い、[プレポリマー溶液2]を得た。得られた[プレポリマー溶液2]中のプレポリマーの重量平均分子量は10,000であった。また、この[プレポリマー溶液2]中のプレポリマー純分は50%だった。
<トナー材料油性分散液14の調整>
ビーカー内に[プレポリマー溶液2]72部すなわちプレポリマー純分で36部、[低分子ポリエステル1]129部、酢酸エチル164部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるカルナバワックス15部、カーボンブラック顔料20部、酢酸エチルを112部ビーズミルに入れ30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にイソホロンジアミン12.3部添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌して、[トナー材料油性分散液14]を得た。
実施例48
[トナー材料油性分散液2]を[トナー材料油性分散液14]に変更する以外は、実施例23と同様に製造して、[トナー48]を得た。
−プレポリマー3の製造−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物795部、イソフタル酸200部、テレフタル酸65部、及びジブチルチンオキサイド2部を投入し、常圧窒素気流下のもと、210℃で10時間縮合反応した。次いで10〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に80℃まで冷却し、酢酸エチル中1,500部中にてイソホロンジイソシアネート170部と2時間反応を行い、[プレポリマー溶液3]を得た。得られた[プレポリマー溶液3]中のプレポリマーの重量平均分子量は200,000であった。また、この[プレポリマー溶液3]中のプレポリマー純分は50%だった。
<トナー材料油性分散液15の調整>
ビーカー内に[プレポリマー溶液3]72部すなわちプレポリマー純分で36部、[低分子ポリエステル1]129部、酢酸エチル164部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるカルナバワックス15部、カーボンブラック顔料20部、酢酸エチルを112部ビーズミルに入れ30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にイソホロンジアミン12.3部添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌して、[トナー材料油性分散液14]を得た。
実施例49
[トナー材料油性分散液2]を[トナー材料油性分散液15]に変更する以外は、実施例23と同様に製造して、[トナー49]を得た。
−プレポリマー4の製造−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物795部、イソフタル酸200部、テレフタル酸65部、及びジブチルチンオキサイド2部を投入し、常圧窒素気流下のもと、210℃で4時間縮合反応した。次いで10〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に80℃まで冷却し、酢酸エチル中1,500部中にてイソホロンジイソシアネート170部と2時間反応を行い、[プレポリマー溶液4]を得た。得られた[プレポリマー溶液4]中のプレポリマーの重量平均分子量は9,000であった。また、この[プレポリマー溶液4]中のプレポリマー純分は50%だった。
<トナー材料油性分散液16の調整>
ビーカー内に[プレポリマー溶液4]72部すなわちプレポリマー純分で36部、[低分子ポリエステル1]129部、酢酸エチル164部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるカルナバワックス15部、カーボンブラック顔料20部、酢酸エチルを112部ビーズミルに入れ30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にイソホロンジアミン12.3部添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌して、[トナー材料油性分散液16]を得た。
実施例50
[トナー材料油性分散液2]を[トナー材料油性分散液16]に変更する以外は、実施例23と同様に製造して、[トナー50]を得た。
−プレポリマー5の製造−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物795部、イソフタル酸200部、テレフタル酸65部、及びジブチルチンオキサイド2部を投入し、常圧窒素気流下のもと、210℃で6時間縮合反応した。次いで10〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に80℃まで冷却し、酢酸エチル中1,500部中にてイソホロンジイソシアネート170部と2時間反応を行い、[プレポリマー溶液5]を得た。得られた[プレポリマー溶液5]中のプレポリマーの重量平均分子量は250,000であった。また、この[プレポリマー溶液5]中のプレポリマー純分は50%だった。
<トナー材料油性分散液17の調整>
ビーカー内に[プレポリマー溶液5]72部すなわちプレポリマー純分で36部、[低分子ポリエステル1]129部、酢酸エチル164部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるカルナバワックス15部、カーボンブラック顔料20部、酢酸エチルを112部ビーズミルに入れ30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にイソホロンジアミン12.3部添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌して、[トナー材料油性分散液17]を得た。
実施例51
[トナー材料油性分散液2]を[トナー材料油性分散液17]に変更する以外は、実施例23と同様に製造して、[トナー51]を得た。
−低分子ポリエステル6の製造−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物529質量部、テレフタル酸208質量部、イソフタル酸46質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて5時間反応させた。次いで、該反応液を10〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させた後、反応容器中に無水トリメリット酸5質量部を添加し、常圧下、180℃にて2時間反応させて、[低分子ポリエステル6]を合成した。得られた[低分子ポリエステル6]は、THF可溶分の重量平均分子量(Mw)が5,500、ガラス転移温度(Tg)が45℃、酸価が1.5mgKOH/g、水酸基価が80mgKOH/gであった。
<トナー材料油性分散液18の調整>
ビーカー内に[プレポリマー溶液1]72部すなわちプレポリマー純分で36部、[低分子ポリエステル6]129部、酢酸エチル164部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるカルナバワックス15部、カーボンブラック顔料20部、酢酸エチルを112部ビーズミルに入れ30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にイソホロンジアミン12.3部添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌して、[トナー材料油性分散液18]を得た。
実施例52
[トナー材料油性分散液2]を[トナー材料油性分散液18]に変更する以外は、実施例23と同様に製造して、[トナー52]を得た。
−低分子ポリエステル7の製造−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物529質量部、テレフタル酸208質量部、イソフタル酸46質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて5時間反応させた。次いで、該反応液を10〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させた後、反応容器中に無水トリメリット酸80質量部を添加し、常圧下、180℃にて2時間反応させて、[低分子ポリエステル7]を合成した。得られた[低分子ポリエステル7]は、THF可溶分の重量平均分子量(Mw)が5,500、ガラス転移温度(Tg)が46℃、酸価が40mgKOH/g、水酸基価が20mgKOH/gであった。
<トナー材料油性分散液19の調整>
ビーカー内に[プレポリマー溶液1]72部すなわちプレポリマー純分で36部、[低分子ポリエステル7]129部、酢酸エチル164部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるカルナバワックス15部、カーボンブラック顔料20部、酢酸エチルを112部ビーズミルに入れ30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にイソホロンジアミン12.3部添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌して、[トナー材料油性分散液19]を得た。
実施例53
[トナー材料油性分散液2]を[トナー材料油性分散液19]に変更する以外は、実施例23と同様に製造して、[トナー53]を得た。
−低分子ポリエステル8の製造−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物529質量部、テレフタル酸208質量部、イソフタル酸46質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて5時間反応させた。次いで、該反応液を10〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させた後、反応容器中に無水トリメリット酸2質量部を添加し、常圧下、180℃にて2時間反応させて、[低分子ポリエステル8]を合成した。得られた[低分子ポリエステル8]は、THF可溶分の重量平均分子量(Mw)が5,400、ガラス転移温度(Tg)が47℃、酸価が0.8mgKOH/g、水酸基価が91mgKOH/gであった。
<トナー材料油性分散液20の調整>
ビーカー内に[プレポリマー溶液1]72部すなわちプレポリマー純分で36部、[低分子ポリエステル8]129部、酢酸エチル164部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるカルナバワックス15部、カーボンブラック顔料20部、酢酸エチルを112部ビーズミルに入れ30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にイソホロンジアミン12.3部添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌して、[トナー材料油性分散液20]を得た。
実施例54
[トナー材料油性分散液2]を[トナー材料油性分散液20]に変更する以外は、実施例23と同様に製造して、[トナー54]を得た。
−低分子ポリエステル9の製造−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物529質量部、テレフタル酸208質量部、イソフタル酸46質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて5時間反応させた。次いで、該反応液を10〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させた後、反応容器中に無水トリメリット酸90質量部を添加し、常圧下、180℃にて2時間反応させて、[低分子ポリエステル9]を合成した。得られた[低分子ポリエステル9]は、THF可溶分の重量平均分子量(Mw)が5,400、ガラス転移温度(Tg)が45℃、酸価が45mgKOH/g、水酸基価が18mgKOH/gであった。
<トナー材料油性分散液21の調整>
ビーカー内に[プレポリマー溶液1]72部すなわちプレポリマー純分で36部、[低分子ポリエステル9]129部、酢酸エチル164部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるカルナバワックス15部、カーボンブラック顔料20部、酢酸エチルを112部ビーズミルに入れ30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にイソホロンジアミン12.3部添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌して、[トナー材料油性分散液21]を得た。
実施例55
[トナー材料油性分散液2]を[トナー材料油性分散液21]に変更する以外は、実施例23と同様に製造して、[トナー55]を得た。
−低分子ポリエステル10の製造−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物163部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物470部、テレフタル酸277部、イソフタル酸18部を投入し、常圧窒素気流下のもと、210℃で8時間縮合反応した。 次いでサリチル酸73部を投入し、210℃で5時間縮合反応を継続した。更に10〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に冷却し、[低分子ポリエステル10]を得た。得られた[低分子ポリエステル10]は、THF可溶分の重量平均分子量が5700、ガラス転移温度が40℃、酸価が21KOHmg/g、水酸基価が48mgKOH/gであった。
<トナー材料油性分散液22の調整>
ビーカー内に[プレポリマー溶液1]72部すなわちプレポリマー純分で36部、[低分子ポリエステル10]129部、酢酸エチル164部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるカルナバワックス15部、カーボンブラック顔料20部、酢酸エチルを112部ビーズミルに入れ30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にイソホロンジアミン12.3部添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌して、[トナー材料油性分散液22]を得た。
実施例56
[トナー材料油性分散液2]を[トナー材料油性分散液22]に変更する以外は、実施例23と同様に製造して、[トナー56]を得た。
−低分子ポリエステル11の製造−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物668部、テレフタル酸304部、無水トリメリット酸5部を投入し、常圧窒素気流下のもと、210℃で5時間縮合反応した。 次いでサリチル酸40部を投入し、210℃で5時間縮合反応を継続した。更に10〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に冷却し、[ポリエステル11]を得た。得られた[低分子ポリエステル11]は、THF可溶分の重量平均分子量が5600、ガラス転移温度が60℃、酸価が22KOHmg/g、水酸基価が49mgKOH/gであった。
<トナー材料油性分散液23の調整>
ビーカー内に[プレポリマー溶液1]72部すなわちプレポリマー純分で36部、[低分子ポリエステル11]129部、酢酸エチル164部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるカルナバワックス15部、カーボンブラック顔料20部、酢酸エチルを112部ビーズミルに入れ30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にイソホロンジアミン12.3部添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌して、[トナー材料油性分散液23]を得た。
実施例57
[トナー材料油性分散液2]を[トナー材料油性分散液23]に変更する以外は、実施例23と同様に製造して、[トナー57]を得た。
−低分子ポリエステル12の製造−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物270部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物260部、テレフタル酸277部、イソフタル酸18部を投入し、常圧窒素気流下のもと、210℃で8時間縮合反応した。 次いでサリチル酸73部を投入し、210℃で5時間縮合反応を継続した。更に10〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に冷却し、[低分子ポリエステル12]を得た。得られた[低分子ポリエステル12]は、THF可溶分の重量平均分子量が5500、ガラス転移温度が37℃、酸価が23mgKOH/g、水酸基価が51mgKOH/gであった。
<トナー材料油性分散液24の調整>
ビーカー内に[プレポリマー溶液1]72部すなわちプレポリマー純分で36部、[低分子ポリエステル12]129部、酢酸エチル164部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるカルナバワックス15部、カーボンブラック顔料20部、酢酸エチルを112部ビーズミルに入れ30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にイソホロンジアミン12.3部添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌して、[トナー材料油性分散液24]を得た。
実施例58
[トナー材料油性分散液2]を[トナー材料油性分散液24]に変更する以外は、実施例23と同様に製造して、[トナー58]を得た。
−低分子ポリエステル13の製造−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物750部、テレフタル酸320部、無水トリメリット酸8部を投入し、常圧窒素気流下のもと、210℃で5時間縮合反応した。次いでサリチル酸44部を投入し、210℃で5時間縮合反応を継続した。更に10〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に冷却し、[ポリエステル13]を得た。得られた[低分子ポリエステル13]は、THF可溶分の重量平均分子量が5700、ガラス転移温度が68℃、酸価が22mgKOH/g、水酸基価が50mgKOH/gであった。
<トナー材料油性分散液25の調整>
ビーカー内に[プレポリマー溶液1]72部すなわちプレポリマー純分で36部、[低分子ポリエステル13]129部、酢酸エチル164部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるカルナバワックス15部、カーボンブラック顔料20部、酢酸エチルを112部ビーズミルに入れ30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にイソホロンジアミン12.3部添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌して、[トナー材料油性分散液25]を得た。
実施例59
[トナー材料油性分散液2]を[トナー材料油性分散液25]に変更する以外は、実施例23と同様に製造して、[トナー59]を得た。
比較例1
ビーカー内にイオン交換水529.5部、[樹脂微粒子分散液1]70部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部を入れ、TK式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、この水分散液に上記[トナー材料油性分散液3]405.1部を加え、30分攪拌を続けながら[トナー材料油性分散液3]を分散させて、分散スラリーを得た。
分散スラリーをトナー純分100部に対する酢酸エチル濃度が20%になるまで25℃で第1の脱溶剤工程を行った。
次に、第1の脱溶剤工程を経た分散スラリーを図1に示した熟成装置の内管内に供給して熟成工程を行った。このとき管内の分散スラリー温度は50℃で、管内に0.3時間滞留させてから管外に排出させた。
次に、熟成工程を経た分散スラリーをトナー純分100部に対する酢酸エチル濃度が0.5%以下になるまで30℃で第2の脱溶剤工程を行い、濾過、洗浄、乾燥し、次いで風力分級し、球形状のトナー母体を得た。得られた母体粒子100部、帯電制御剤(オリエント化学社製ボントロン E−84)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定して混合処理した。この場合、その混合操作は、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、混合処理した。この場合、その混合操作は、周速を15m/secとして30秒混合1分間休止を5サイクル実施し、最終的な[トナー60]を得た。
(トナー材料油性分散液9の調整)
ビーカー内に[プレポリマー溶液1]200部すなわちプレポリマー純分で100部、[低分子ポリエステル1]65部、酢酸エチル80部を入れ、攪拌溶解した。次いで別途、離型剤であるカルナバワックス15部、カーボンブラック顔料20部、酢酸エチルを20部ビーズミルに入れ30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。前記分散液にイソフォロンジアミン12.3部添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌して、[トナー材料油性分散液9]を得た。
比較例2
ビーカー内にイオン交換水529.5部、[樹脂微粒子分散液1]70部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部を入れ、TK式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、この水分散液に上記[トナー材料油性分散液9]405.1部を加え、30分攪拌を続けながら[トナー材料油性分散液9]を分散させて、分散スラリーを得た。
分散スラリーをトナー純分100部に対する酢酸エチル濃度が20%になるまで25℃で第1の脱溶剤工程を行った。
次に、第1の脱溶剤工程を経た分散スラリーを図1に示した熟成装置の内管内に供給して熟成工程を行う、このとき管内の分散スラリー温度は40℃で、管内に0.3時間滞留してから管外に出た。
次に、熟成工程を経た分散スラリーをトナー純分100部に対する酢酸エチル濃度が0.5%以下になるまで30℃で第2の脱溶剤工程を行い、濾過、洗浄、乾燥し、次いで風力分級し、球形状のトナー母体を得た。得られた母体粒子100部、帯電制御剤(オリエント化学社製ボントロン E−84)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定して混合処理した。この場合、その混合操作は、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、混合処理した。この場合、その混合操作は、周速を15m/secとして30秒混合1分間休止を5サイクル実施し、最終的な[トナー61]を得た。
比較例3
熟成工程の滞留時間を25時間に変更する以外は、実施例4と同様に製造して、「トナー62」を得た。
比較例4
ビーカー内にイオン交換水529.5部、[樹脂微粒子分散液2]70部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部を入れ、TK式ホモミキサーで12,000rpmに攪拌しながら、この水分散液に上記[トナー材料油性分散液2]405.1部を加え、30分攪拌を続けながら[トナー材料油性分散液2]を分散させて、分散スラリーを得た。続いて、分散スラリーをトナー純分100部に対する酢酸エチル濃度が75%になるまで25℃で第1の脱溶剤工程を行った。
次に、第1の脱溶剤工程を経た分散スラリーを図1に示した熟成装置の内管内に供給して熟成工程を行った。このとき管内の分散スラリー温度は55℃で、管内に1.5時間滞留させてから管外に排出させたが、トナー粒子が凝集したため、次工程には進めなかった。
比較例5
第1の脱溶剤工程における酢酸エチル濃度を9%、熟成工程の分散スラリー温度を70℃、管内滞留を20時間に変更する以外は、実施例4と同様に製造して、[トナー64]を得た。
比較例6
ビーカー内にイオン交換水529.5部、[樹脂微粒子分散液2]70部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部を入れ、TK式ホモミキサーで12,000rpmに攪拌しながら、この水分散液に上記[トナー材料油性分散液2]405.1部を加え、30分攪拌を続けながら[トナー材料油性分散液2]を分散させて、分散スラリーを得た。続いて、分散スラリーをトナー純分100部に対する酢酸エチル濃度が20%になるまで25℃で第1の脱溶剤工程を行った。
次に、第1の脱溶剤工程を経た分散スラリーを図1に示した熟成装置の内管内に供給して熟成工程を行った。このとき管内の分散スラリー温度は80℃で、管内に1.5時間滞留させてから管外に排出させたが、トナー粒子が凝集したため、次工程には進めなかった。
比較例7
熟成工程の分散スラリー温度を30℃、管内滞留を20時間に変更する以外は、実施例4と同様に製造して、[トナー66]を得た。
比較例8
第2の脱溶剤工程における酢酸エチル濃度を10%とする以外は、実施例4と同様に製造して、[トナー67]を得た。
比較例9
ビーカー内にイオン交換水529.5部、[樹脂微粒子分散液1]70部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部を入れ、TK式ホモミキサーで12,000rpmに攪拌しながら、この水分散液に上記[トナー材料油性分散液2]405.1部を加え、30分攪拌を続けながら[トナー材料油性分散液2]を分散させて、分散スラリーを得た。
続いて、分散スラリーをトナー純分100部に対する酢酸エチル濃度が20%になるまで25℃で第1の脱溶剤工程を行った。
次に、分散スラリーをトナー純分100部に対する酢酸エチル濃度が0.5%以下になるまで30℃で第2の脱溶剤工程を行い、濾過、洗浄、乾燥し、次いで風力分級し、球形状のトナー母体を得た。得られた母体粒子100部、帯電制御剤(オリエント化学社製ボントロン E−84)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定して混合処理した。この場合、その混合操作は、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、混合処理した。この場合、その混合操作は、周速を15m/secとして30秒混合1分間休止を5サイクル実施し、最終的な[トナー68]を得た。
比較例10
比較例1において、熟成工程を図2のような装置で行う以外は、比較例1と同様にして、[トナー69]を得た。
比較例11
比較例2において、熟成工程を図2のような装置で行う以外は、比較例2と同様にして、[トナー70]を得た。
比較例12
比較例3において、熟成工程を図2のような装置で行う以外は、比較例3と同様にして、[トナー71]を得た。
比較例13
比較例4において、熟成工程を図2のような装置で行う以外は、比較例4と同様にして製造したが、比較例4と同様の結果となり、トナーは得られなかった。
比較例14
比較例5において、熟成工程を図2のような装置で行う以外は、比較例5と同様にして、[トナー73]を得た。
比較例15
比較例6において、熟成工程を図2のような装置で行う以外は、比較例6と同様にして製造したが、比較例6と同様の結果となり、トナーは得られなかった。
比較例16
比較例7において、熟成工程を図2のような装置で行う以外は、比較例7と同様にして、[トナー75]を得た。
比較例17
比較例8において、熟成工程を図2のような装置で行う以外は、比較例8と同様にして、[トナー76]を得た。
表1〜表4にトナーの原料であるポリエステルの含有量、THF可溶分の重量平均分子量(Mw)、ガラス転移温度(Tg)、酸価、水酸基価、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比([NCO]/[OH])、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比([NCO]/[NHx])、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基を示した。
(評価)
得られた[トナー1]〜[トナー76]を用いて、以下の項目の評価を行った。結果を表5〜表8に示す。
<体積平均粒径Dv及び比(Dv/Dn)>
トナーの体積平均粒径Dv及び比(Dv/Dn)は、コールターカウンターTA−II型(コールター社製)を用いて、個数分布、及び体積分布を出力するインターフェイス(日科技研株式会社)と、PC9801パーソナルコンピューター(NEC社製)とを接続して、測定した。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加えた。前記電解水溶液とは、1級塩化ナトリウムを用いて1質量%NaCl水溶液を調製したもので、ISOTON−II(コールター社製)が使用できる。次いで、測定試料を2〜20mg加えた。測定試料を懸濁した電解水溶液は、超音波分散器で1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナーの体積及び個数を測定して、体積分布と個数分布を算出した。
チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm未満;2.52μm以上3.17μm未満;3.17μm以上4.00μm未満;4.00μm以上5.04μm未満;5.04μm以上6.35μm未満;6.35μm以上8.00μm未満;8.00μm以上10.08μm未満;10.08μm以上12.70μm未満;12.70μm以上16.00μm未満;16.00μm以上20.20μm未満;20.20μm以上25.40μm未満;25.40μm以上32.00μm未満;32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。体積分布から求めた体積基準の体積平均粒径Dv、及び個数分布から求めた個数平均粒径Dnとその比(Dv/Dn)を求めた。
<酸価>
JISK0070に規定の方法により測定した。但し、サンプルが溶解しない場合は溶媒にジオキサンまたはテトラヒドロフランを用いた。酸価は具体的に次のような手順で決定した。
測定装置:電位差自動滴定装置DL−53 Titrator(メトラー・トレド社製)
使用電極:DG113−SC (メトラー・トレド社製)
解析ソフト:LabX Light Version 1.00.000
装置の校正:トルエン120mlとエタノール30mlの混合溶媒を使用する。
測定温度:23℃
測定条件は以下のとおりである。
Stir
Speed [%] 25
Time [s] 15
EQP titration
Titrant/Sensor
Titrant CHONa
Concentration [mol/L] 0.1
Sensor DG115
Unit of measurement mV
Predispensing to volume
Volume [mL] 1.0
Wait time [s] 0
Titrant addition Dynamic
dE(set) [mV] 8.0
dV(min) [mL] 0.03
dV(max) [mL] 0.5
Measure mode Equilibrium controlled
dE [mV] 0.5
dt [s] 1.0
t(min) [s] 2.0
t(max) [s] 20.0
Recognition
Threshold 100.0
Steepest jump only No
Range No
Tendency None
Termination
at maximum volume [mL] 10.0
at potential No
at slope No
after number EQPs Yes
n=1
comb. termination conditions No
Evaluation
Procedure Standard
Potential 1 No
Potential 2 No
Stop for reevaluation No
<ガラス転移点Tg>
ガラス転移点の測定は、理学電機社製のRigaku THRMOFLEX TG8110により、昇温速度10℃/minの条件にて測定した。Tgの測定方法について概説する。Tgを測定する装置として、理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を使用した。
まず、試料約10mgをアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットにのせ、電気炉中にセットする。まず、室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置、室温まで試料を冷却して10min放置、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/minで加熱してDSC測定を行った。Tgは、TAS−100システム中の解析システムを用いて、Tg近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出した。
<抽出残分量(THF不溶解分)>
抽出残分量は、前記トナー0.30gをテトラヒドロフランで7時間ソックスレー抽出を行ない、抽出残分の重量を計り、下記式にて、該トナー中の抽出残分量[%]を計算する。

抽出残分量[%]=抽出残分の重量[g]/0.30[g]×100
<分解温度50℃〜700℃までの熱分解で発生するイソシアネート基を二つ以上含有する化合物の窒素量(A)とイソシアネート基を一つ以上含有し、且つアミノ基を一つ以上含有する化合物の窒素量(B)の比率(B)/(A)>
トナーの50℃〜700℃までの熱分解で発生する熱分解物における、イソシアネート基を二つ以上含有する化合物の窒素量(A)とイソシアネート基を一つ以上含有し、且つアミノ基を一つ以上含有する化合物の窒素量(B)の比率(B)/(A)は下記のように測定した。
トナー100μgを測定用カップに計量して、不活性ウールでカップに蓋をして、熱分解装置に供した。熱分解で発生した熱分解物を液体窒素でトラップした後、ガスクロマトグラフのカラムに送り、窒素りん検出器で各熱分解物を分離して検出した。
機器条件は下記の通りである。
ガスクロマトグラフ: ヒューレット・パッカード社製HP6890
カラム:UltraALLOY‐5
検出器: 窒素リン検出器
熱分解装置: フロンティア・ラボ社製PY−2020D
熱分解温度: 開始温度50℃ 昇温速度10℃/min 最終温度700℃
オーブン温度: 開始温度50℃で10分保持した後、昇温速度5℃/minで250℃まで昇温する。250℃に到達後は昇温速度25℃/minで300℃まで昇温する。
インジェクション温度: 320℃
試料量: 100μg
窒素リン検出器で検出されたイソシアネート基を二つ以上含有する化合物のピーク面積(S1)とイソシアネート基を一つ以上含有し、且つアミノ基を一つ以上含有するピーク面積(S2)を求めた。
下記式より、前記トナーの50℃〜700℃までの熱分解で発生する熱分解物における、イソシアネート基を二つ以上含有する化合物の窒素量(A)とイソシアネート基を一つ以上含有し、且つアミノ基を一つ以上含有する化合物の窒素量(B)の比率(B)/(A)を算出した。
(B)/(A)=(S2)/(S1)
実施例1〜59及び比較例1〜17のトナーについて、以下の評価を行った。性能評価結果を表9〜表12に示す。
<低温定着性(定着下限温度及びホットオフセット性)>
定着ローラとしてテフロン(登録商標)ローラを使用した(株)リコー製複写機 MF2200定着部を改造した装置を用いて、これにリコー製のタイプ6200紙をセットし複写テストを行なった。定着温度を変化させてコールドオフセット温度(定着下限温度)とホットオフセット温度(耐ホットオフセット温度)を求めた。従来の低温定着トナーの定着下限温度は140〜150℃程度である。なお、低温定着の評価条件は、紙送りの線速度を120〜150mm/sec、面圧1.2Kgf/cm、ニップ幅3mm、高温オフセットの評価条件は紙送りの線速度を50mm/sec、面圧2.0Kgf/cm、ニップ幅4.5mmと設定した。各特性評価の基準は以下の通りである。
−定着下限温度の評価基準−
◎:140℃未満
○:140〜149℃
□:150〜159℃
△:160〜170℃
×170℃以上
−ホットオフセットの評価基準−
◎:201℃以上
○:200〜191℃
□:190〜181℃
△:180〜171℃
×:170℃以下
<耐熱保存性>
トナーを50℃×8時間保管後、42メッシュのふるいにて2分間ふるい、金網上の残
存率をもって耐熱保存性とした。耐熱保存性の良好なトナーほど残存率は小さい。
−耐熱保存性の評価基準−
◎:10%未満
○:10〜20%
△:20〜30%
×:30%以上
<地汚れ>
デジタルフルカラー複写機(リコー社製imagioColor2800)を用い、単色モードで50%画像面積の画像チャートを30,000枚ランニング出力した後、白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差を938スペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)により測定を行なった。画像濃度の差が少ない方が地肌汚れが良く、良好なものから「◎」、「○」、「△」、「×」の順にランク付けした。
<トナー飛散>
デジタルフルカラー複写機(リコー社製imagioColor2800)を用い、の5万枚の連続印刷後、機内のトナーの汚染度合いを確認した。問題ないレベルを「○」、トナーが見られるものの、使用上問題ないレベルのものを「△」、著しく汚染しており、問題となるものを「×」とした。
<画像粒状性、鮮鋭性>
評価機を用い、単色で写真画像の出力を行ない、粒状性、鮮鋭性の度合を目視にて評価した。良好なものから順に、「◎」はオフセット印刷並、「○」はオフセット印刷よりわずかに悪い程度、「△」はオフセット印刷よりかなり悪い程度、「×」は従来の電子写真画像程度(非常に悪い)、で評価した。
各表からわかるように、実施例1〜実施例59は、定着下限温度、ホットオフセット性も良好な結果を示しており、耐熱保存性も優れていることがわかる。一方、比較例1〜比較例17では、定着下限温度、ホットオフセット性及び耐熱保存性の全てについて良好な結果を示しておらず、安定した低温定着性及び耐高温オフセット性を有した静電荷像現像用トナーではないことがわかる。
本発明のトナー及びその製造方法は、高品質な電子写真方式の画像形成に好適に使用される。本発明のトナーを用いた本発明の現像剤、及び画像形成方法は、直接又は間接電子写真多色画像現像方式を用いたフルカラー複写機、フルカラーレーザープリンター、及びフルカラー普通紙ファックス等に幅広く使用できる。
1 外管
2 内管
3 入口
4 出口
5 分散翼
511 細孔
512 攪拌軸
6 邪魔板
10 感光体(感光体ドラム)
10K クロ用静電潜像担持体
10Y イエロー用静電潜像担持体
10M マゼンタ用静電潜像担持体
10C シアン用静電潜像担持体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 コロナ帯電器
53 定電流源
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 分離ローラ
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
特開平11−133665号公報 特開2002−287400号公報 特開2002−351143号公報 特許第2579150号公報 特開2001−158819号公報

Claims (16)

  1. 有機溶媒中に、少なくとも活性水素基を有する化合物、該活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、結着樹脂、着色剤、離型剤を溶解又は分散させた油相を水系媒体に乳化乃至分散させる水系造粒工程と、
    前記造粒された粒子の一部の前記溶剤を除去する第1の脱溶剤工程と、
    脱溶剤された乳化乃至分散液を40℃〜70℃で0.5時間〜25時間加熱する熟成工程と、
    前記熟成工程を経た乳化乃至分散液中の溶剤を除去する第2の脱溶剤工程と、
    前記第2の脱溶剤工程を経た乳化乃至分散液を濾過する濾過工程と、
    濾過された粒子を洗浄する洗浄工程と、
    洗浄された粒子を乾燥させる乾燥工程と、を含む静電荷像現象用トナーの製造方法であって、
    前記第1の脱溶剤工程後の前記乳化乃至分散液中の残留溶剤濃度が、前記乳化乃至分散液のトナー純分100部に対し10%以上70%以下であり、前記第2の脱溶剤工程後の前記乳化乃至分散液中の残留溶剤濃度が、前記乳化乃至分散液のトナー純分100部に対し5%以下であり、
    前記熟成工程は、熟成装置の底部から加熱された内管内に前記乳化乃至分散液を供給し、前記熟成装置の上部から前記乳化乃至分散液を排出させることを特徴とする静電荷像現象用トナーの製造方法。
  2. 内管内に細孔を有し、回転可能な分散翼及び邪魔板が設けられている請求項1に記載の静電荷像現象用トナーの製造方法。
  3. 活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体は、イソシアネート基含有重合体であり、静電荷像現像用トナー中に前記イソシアネート基含有重合体が5〜40%含まれ、前記静電荷像現像用トナー中のテトラヒドロフランによるソックスレー抽出の抽出残分量が2〜50%であり、前記静電荷像現像用トナーの50℃〜700℃までの熱分解で発生する熱分解物において、イソシアネート基を二つ以上含有する化合物の窒素量(A)とイソシアネート基を一つ以上含有し、且つアミノ基を一つ以上含有する化合物の窒素量(B)の比率(B)/(A)が0.1≦(B)/(A)≦6を満たす請求項1から2のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  4. 有機溶媒中に、少なくともイソシアネート基含有重合体、着色剤及び離型剤を溶解乃至分散させてなる油相を、水系媒体中に乳化分散させつつトナー粒子を造粒させてなる静電荷像現像用トナーであって、
    該静電荷像現像用トナー中に前記イソシアネート基含有重合体が5〜40%含まれ、前記静電荷像現像用トナー中のテトラヒドロフランによるソックスレー抽出の抽出残分量が2〜50%であり、前記静電荷像現像用トナーの50℃〜700℃までの熱分解で発生する熱分解物において、イソシアネート基を二つ以上含有する化合物の窒素量(A)とイソシアネート基を一つ以上含有し、且つアミノ基を一つ以上含有する化合物の窒素量(B)の比率(B)/(A)が0.1≦(B)/(A)≦6を満たし、請求項1から3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法により製造されたことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  5. 体積平均粒径が3μm〜9μmである請求項4に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 体積平均粒経Dv/数平均粒経Dnが1.20以下である請求項4から5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 結着樹脂がポリエステル樹脂を含有する請求項4から6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  8. ポリエステル樹脂のTHF可溶分の重量平均分子量が1,000〜30,000である請求項4から7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  9. イソシアネート基含有重合体の重量平均分子量が10,000〜200,000である請求項4から8のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  10. 静電荷像現像用トナーの酸価が0.5〜40.0(KOHmg/g)である請求項4から9のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  11. 静電荷像現像用トナーのガラス転移点が40〜70℃である請求項4から10のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  12. 請求項4から11のいずれかに記載のトナーと、キャリアとを含むことを特徴とする現像剤。
  13. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を請求項4から11のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法。
  14. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を請求項4から11のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。
  15. 静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体の表面に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段とを有するプロセスカートリッジであって、
    前記現像剤が、請求項12に記載の現像剤であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  16. 請求項14に記載の画像形成装置、又は請求項15に記載のプロセスカートリッジに着脱可能であって、請求項12に記載の現像剤を収容したことを特徴とする現像剤入り容器。
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