JP2011095208A - 距離測定装置 - Google Patents

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裕史 磯部
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Abstract

【課題】レーザー光の必要な光量を確保した上で安全性の向上を図る。
【解決手段】レーザー光を出射するレーザー光源2と、レーザー光源から出射されたレーザー光を略平行光にする光学素子3と、所定の角度範囲で回動可能とされ光学素子によって略平行光にされたレーザー光を被測定物100へ向けて反射しレーザー光によって被測定物を走査する投光用ミラー4bと、被測定物で反射されて拡散されたレーザー光を反射する受光用ミラーと、受光用ミラーで反射されたレーザー光を受光する受光素子と、受光用ミラーで反射されたレーザー光を受光素子に集光して導く集光光学系と、受光素子で受光したレーザー光に基づいて生成される受光信号を処理することにより被測定物に関する距離情報を算出する制御部とを備え、レーザー光源と被測定物の間の光路上に光路範囲における外周部のレーザー光を遮蔽する遮蔽部材9を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は距離測定装置についての技術分野に関する。詳しくは、レーザー光源と被測定物の間の光路上にレーザー光の一部を遮蔽する遮蔽部材を設けてレーザー光の必要な光量を確保した上で安全性の向上を図る技術分野に関する。
測定光としてレーザー光を用いて被測定物との間の距離を測定する距離測定装置がある。
距離測定装置としては、例えば、レーザー光を変調して被測定物に照射し、レーザー光源から被測定物へ向けて出射された出射光と被測定物で反射されて受光素子に入射された入射光との位相差を検出して距離を測定する装置がある。
また、別の距離測定装置として、レーザーパルスを被測定物に照射し、レーザー光源から出射されたレーザーパルスが被測定物で反射され受光素子に入射されるまでの往復時間を測定することにより距離を測定する装置もある。
このような距離測定装置は、例えば、産業用のロボットに組み込まれてロボットから周囲の被測定物までの距離を測定したり、車輌に組み込まれて車間距離を測定する用途等に利用されている。
上記のような距離測定装置には、投光用ミラーが所定の方向へ回動され該投光用ミラーで反射されたレーザー光によって被測定物をライン状に走査して2次元の距離を測定する装置として用いられるものがある(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照)。
また、距離測定装置には、装置の全体を投光用ミラーの回動軸とは異なる回動軸を中心に回動させたり、プリズム群を回動させて被測定物に対する走査領域を拡大して3次元の距離を測定する装置として用いられるものもある(例えば、特許文献4及び特許文献5参照)。
さらに、レーザー光を投光用ミラーとして用いられたガルバノミラーやMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーによって反復走査して2次元又は3次元の距離を測定する距離測定装置もある。
以下に、従来の距離測定装置の一例を示す(図13参照)。
距離測定装置aはレーザー光源b、光学素子c、部分透過ミラーd、反射ミラーe、集光レンズf及び受光素子gを備えている。
レーザー光源bとしては、例えば、レーザーダイオードが用いられている。光学素子cとしては、例えば、コリメーターレンズが用いられている。部分透過ミラーdは透過部hと反射部iによって構成されている。反射ミラーeは直交する第1の回動軸と第2の回動軸を有し、第1の回動軸と第2の回動軸のそれぞれを支点として直交する2方向へ回動可能とされている。受光素子gとしては、例えば、高速通信用の光信号検出器であるアバランシフォトダイオード(APD:Avalanche Photo Diode )が用いられている。
上記のように構成された距離測定装置aにおいて、レーザー光源bから出射されたレーザー光は、光学素子cによって略平行光とされ、部分透過ミラーdの透過部hに入射される。レーザー光は透過部hを透過され反射ミラーeで反射されて被測定物xに照射される。このとき反射ミラーeは所定の角度範囲で回動され、レーザー光によって被測定物xが走査される。
レーザー光は被測定物xで反射され拡散光とされて再び反射ミラーeで反射され大部分が部分透過ミラーdの反射部iに入射される。レーザー光は反射部iで反射され集光レンズfによって集光されて受光素子gに入射される。
受光素子gに入射されたレーザー光に基づいて受光信号が生成され、生成された受光信号が図示しない制御部によって処理され被測定物xに関する距離情報が算出されて距離測定が行われる。
特許3908226号公報 特許3875665号公報 特開2009−162659号公報 特許4059911号公報 特開平07−98379号公報
ところで、距離測定装置の被測定物に対する走査時において、走査方向の切替が行われるときには、切替の前後において走査速度が低下する。
例えば、図14に示すように、被測定物xに対して正弦波走査が行われるときに走査方向の切替が行われる外周部において走査速度が低下する。図14は、直交する二つの回動軸を有するMEMSミラーを用いて水平方向及び垂直方向に正弦波走査した場合の走査経路を表しており、「●」印は距離測定に使用するレーザーパルスが発光した点を表している。
距離測定装置においては、パルス発光が一定の周期で行われているため、図14に示すように、走査方向の切替が行われ走査速度が低下する外周部(図14に斜線で示す部分)においてパルス発光の密度が高くなっている。
従って、外周部においては単位面積当たりのレーザー光の発光時間が増えてしまうため、レーザー光が被測定物xの外周部に照射されるときに、万が一、レーザー光が眼に入った場合の安全性を確保することができなくなるおそれがある。
一方、上記のような安全性の確保を考慮してレーザー光の最大出力を抑制して出射させることも考慮されるが、この場合には、出力の低下により距離測定に必要な光量を確保することができなくなる可能性がある。
そこで、本発明距離測定装置は、上記した問題点を克服し、レーザー光の必要な光量を確保した上で安全性の向上を図ることを課題とする。
距離測定装置は、上記した課題を解決するために、測定光としてレーザー光を出射する少なくとも一つのレーザー光源と、前記レーザー光源から出射されたレーザー光を略平行光にする光学素子と、所定の角度範囲で回動可能とされ前記光学素子によって略平行光にされたレーザー光を被測定物へ向けて反射し前記レーザー光によって前記被測定物を走査する投光用ミラーと、前記被測定物で反射されて拡散されたレーザー光を反射する受光用ミラーと、前記受光用ミラーで反射されたレーザー光を受光する受光素子と、前記受光用ミラーで反射されたレーザー光を前記受光素子に集光して導く集光光学系と、前記受光素子で受光したレーザー光に基づいて生成される受光信号を処理することにより前記被測定物に関する距離情報を算出する制御部とを備え、前記レーザー光源と前記被測定物の間の光路上に光路範囲における外周部のレーザー光を遮蔽する遮蔽部材を設けたものである。
従って、距離測定装置にあっては、レーザー光源から出射され光路範囲における外周部のレーザー光が遮蔽部材によって遮蔽される。
上記した距離測定装置においては、前記投光用ミラーと前記受光用ミラーを共通の反射ミラーとして設けることが望ましい。
投光用ミラーと受光用ミラーを共通の反射ミラーとして設けることにより、レーザー光源から出射されたレーザー光が反射ミラーによって被測定物へ向けて反射されると共に被測定物で反射されたレーザー光が反射ミラーによって集光光学系へ向けて反射される。
上記した距離測定装置においては、前記遮蔽部材の前記レーザー光源側の面を反射面とし前記反射面で反射されたレーザー光を用いてキャリブレーション動作を行うようにすることが望ましい。
距離測定装置における距離測定の動作中に、遮蔽部材の反射面で反射されたレーザー光が用いられてキャリブレーション動作が行われる。
上記した距離測定装置においては、前記レーザー光が前記遮蔽部材の反射面で反射されているときに、基準距離のキャリブレーション動作を行うようにすることが望ましい。
距離測定装置における距離測定の動作中に、遮蔽部材の反射面で反射されたレーザー光が用いられて基準距離のキャリブレーション動作が行われる。
上記した距離測定装置においては、前記レーザー光が前記遮蔽部材の反射面で反射されているときに、受光感度のキャリブレーション動作を行うようにすることが望ましい。
距離測定装置における距離測定の動作中に、遮蔽部材の反射面で反射されたレーザー光が用いられて受光感度のキャリブレーション動作が行われる。
上記した距離測定装置においては、前記レーザー光が前記遮蔽部材の反射面で反射されているときに、前記レーザー光源の出射パワーのキャリブレーション動作を行うようにすることが望ましい。
距離測定装置における距離測定の動作中に、遮蔽部材の反射面で反射されたレーザー光が用いられてレーザー光源の出射パワーのキャリブレーション動作が行われる。
上記した距離測定装置においては、前記レーザー光が前記遮蔽部材に照射されているときに、前記レーザー光源の出射パワーのキャリブレーション動作を行うようにすることが望ましい。
距離測定装置における距離測定の動作中にレーザー光源の出射パワーのキャリブレーション動作が行われる。
本発明距離測定装置は、測定光としてレーザー光を出射する少なくとも一つのレーザー光源と、前記レーザー光源から出射されたレーザー光を略平行光にする光学素子と、所定の角度範囲で回動可能とされ前記光学素子によって略平行光にされたレーザー光を被測定物へ向けて反射し前記レーザー光によって前記被測定物を走査する投光用ミラーと、前記被測定物で反射されて拡散されたレーザー光を反射する受光用ミラーと、前記受光用ミラーで反射されたレーザー光を受光する受光素子と、前記受光用ミラーで反射されたレーザー光を前記受光素子に集光して導く集光光学系と、前記受光素子で受光したレーザー光に基づいて生成される受光信号を処理することにより前記被測定物に関する距離情報を算出する制御部とを備え、前記レーザー光源と前記被測定物の間の光路上に光路範囲における外周部のレーザー光を遮蔽する遮蔽部材を設けている。
従って、単位面積当たりの発光時間が増える領域におけるレーザー光が遮蔽部材によって遮蔽されるため、レーザー光の最大出力を抑制してレーザー光源2ら出射する必要がなく、レーザー光の必要な光量を確保した上で安全性の向上を図ることができる。
請求項2に記載した発明にあっては、前記投光用ミラーと前記受光用ミラーを共通の反射ミラーとして設けている。
従って、機構の簡素化を図ることができる。
請求項3及び請求項4に記載した発明にあっては、前記遮蔽部材の前記レーザー光源側の面を反射面とし前記反射面で反射されたレーザー光を用いてキャリブレーション動作を行うようにしている。
従って、距離測定装置における距離測定を迅速かつ高精度で行うことができる。
請求項5及び請求項6に記載した発明にあっては、前記レーザー光が前記遮蔽部材の反射面で反射されているときに、基準距離のキャリブレーション動作を行うようにしている。
従って、温度変化等の影響で回路の遅延時間が変化した場合においても常に高い精度で距離測定を行うことができる。
請求項7及び請求項8に記載した発明にあっては、前記レーザー光が前記遮蔽部材の反射面で反射されているときに、受光感度のキャリブレーション動作を行うようにしている。
従って、温度変化等が生じた場合においても常に高い精度で距離測定を行うことができる。
請求項9及び請求項10に記載した発明にあっては、前記レーザー光が前記遮蔽部材の反射面で反射されているときに、前記レーザー光源の出射パワーのキャリブレーション動作を行うようにしている。
従って、常に高い精度で距離測定を行うことができる。
請求項11及び請求項12に記載した発明にあっては、前記レーザー光が前記遮蔽部材に照射されているときに、前記レーザー光源の出射パワーのキャリブレーション動作を行うようにしている。
従って、安全性の低下を来たすことなく常に高い精度で距離測定を行うことができる。
以下に、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
[距離測定装置の全体構成]
以下に、距離測定装置の全体構成について説明する。
<第1の実施の形態>
先ず、第1の実施の形態に係る距離測定装置1について説明する(図1乃至図3参照)。
距離測定装置1はレーザー光源2、光学素子3、ミラーユニット4、受光用ミラー5、集光レンズ6、バンドパスフィルター7、受光素子8及び遮蔽部材9を備えている(図1及び図2参照)。
レーザー光源2としては、例えば、レーザーダイオードが用いられ、レーザー光源2は半導体の構成元素によって発振するレーザー光の波長を変化させることが可能である。尚、レーザー光源2は複数が設けられていてもよい。
光学素子3としては、例えば、コリメーターレンズが用いられ、光学素子3は入射されたレーザー光を略平行光として出射する機能を有する。
ミラーユニット4はミラーケース4aと該ミラーケース4aに配置された投光用ミラー4bとを有している。投光用ミラー4bは直交する第1の回動軸と第2の回動軸を有し、第1の回動軸と第2の回動軸のそれぞれを支点として直交する2方向へ回動可能とされている。
尚、投光用ミラー4bとしては、例えば、MEMSミラーを用いてもよく、また、一方の回動をMEMSによる駆動とし、他方の回動をモーターによる駆動とすることも可能である。
受光用ミラー5は所定の方向へ回動可能とされている。
集光レンズ6は受光用ミラー5と受光素子8の間に配置され、レーザー光を集光して受光素子8に入射させる機能を有する。従って、集光レンズ6は受光用ミラー5で反射されたレーザー光を受光素子8に集光して導く集光光学系として機能する。
バンドパスフィルター7は集光レンズ6と受光素子8の間に配置され、必要な範囲の周波数のレーザー光だけを通過させて受光素子8に入射させる機能を有する。
受光素子8としては、例えば、高速通信用の光信号検出器であるアバランシフォトダイオード(APD)が用いられている。
遮蔽部材9は、例えば、板状の部材によって枠状に形成され、内側の孔が光通過孔9aとして形成され、光透過孔9aの外側の枠状の部分が光遮蔽部9bとして設けられている。
遮蔽部材9は、例えば、ミラーユニット4と被測定物100の間の光路上に配置されている。尚、遮蔽部材9は、レーザー光源2と被測定物100の間の光路上に配置されていればよく、遮蔽部材9をレーザー光源2とミラーユニット4の間の光路上に配置することも可能である。
遮蔽部材9は光路範囲における外周部のレーザー光を遮蔽する位置に配置されており(図3参照)、光路範囲における外周部(図3に斜線で示す部分)を通るレーザー光は遮蔽部材9の遮蔽部9bによって遮蔽されるが、光路範囲における外周部の内側を通るレーザー光は光通過孔9aを通過されて被測定物100に照射される。
上記のように構成された距離測定装置1において、レーザー光源2からレーザー光、例えば、波長785nm付近の赤外光が出射されると、出射されたレーザー光は、光学素子3によって略平行光とされ、ミラーユニット4の投光用ミラー4bに入射される。レーザー光は投光用ミラー4bで反射されて被測定物100へ向けて照射される。このとき投光用ミラー4bは所定の角度範囲で直交する2方向へ回動され、レーザー光によって被測定物100が走査される。
投光用ミラー4bで反射されて被測定物100へ向けてレーザー光が照射されるときには、上記したように、光路範囲における外周部を通るレーザー光が遮蔽部材9の遮蔽部9bによって遮蔽される。
従って、図3に示すように、走査速度が低下し単位面積当たりのレーザー光の発光時間が増える領域におけるレーザー光が遮蔽される。例えば、被測定物100の中心を基準点として0mmとし、走査領域が水平方向において±2300mm程度、垂直方向において±1800mm程度である場合に、水平方向において±2000mmより外側かつ垂直方向において±1500mmより外側の領域が遮蔽部9bによって遮蔽される。
被測定物100に照射されたレーザー光は被測定物100で反射され拡散光とされて受光用ミラー5に入射される。レーザー光は受光用ミラー5で反射され、集光レンズ6によって集光されバンドパスフィルター7を透過されて受光素子8に入射される。このとき受光用ミラー5は該受光用ミラー5に被測定物100で反射されたレーザー光が入射され、かつ、受光素子8でレーザー光が受光されるように所定の方向へ回動される。
受光素子8に入射されたレーザー光に基づいて受光信号が生成され、生成された受光信号が後述する制御部によって処理され被測定物100に関する距離情報が算出されて距離測定が行われる。
尚、被測定物100に関する距離測定は、例えば、パルス発光されたレーザー光の出射時におけるパルス波を基準とし、被測定物100で反射され受光素子8に入射されて検出されたパルス波との時間差を算出することにより行うことが可能である。
以上に記載した通り、距離測定装置1にあっては、レーザー光源2と被測定物100の間の光路上に光路範囲における外周部のレーザー光を遮蔽する遮蔽部材9を設けているため、光路範囲における外周部を通るレーザー光が遮蔽部材9の遮蔽部9bによって遮蔽される。
従って、単位面積当たりの発光時間が増える領域におけるレーザー光が遮蔽部材9によって遮蔽されるため、レーザー光の最大出力を抑制してレーザー光源2から出射する必要がなく、レーザー光の必要な光量を確保した上で安全性の向上を図ることができる。
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態に係る距離測定装置1Aについて説明する(図4参照)。
尚、以下に示す第2の実施の形態に係る距離測定装置1Aは、上記した距離測定装置1と比較して、投光用ミラーと受光用ミラーが共通とされ、また、部分透過ミラーが設けられていることのみが相違する。従って、以下の第2の実施の形態においては、距離測定装置1と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については距離測定装置1における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
距離測定装置1はレーザー光源2、光学素子3、ミラーユニット4A、受光用ミラー5、集光レンズ6、バンドパスフィルター7、遮蔽部材9及び部分透過ミラー10を備えている。
ミラーユニット4Aはミラーケース4aと該ミラーケース4aに配置された反射ミラー4cとを有している。反射ミラー4cは直交する第1の回動軸と第2の回動軸を有し、第1の回動軸と第2の回動軸のそれぞれを支点として直交する2方向へ回動可能とされている。
反射ミラー4cは投光用ミラーと受光用ミラーの双方の機能を有している。
遮蔽部材9は、例えば、ミラーユニット4Aと被測定物100の間の光路上に配置されている。尚、遮蔽部材9は、レーザー光源2と被測定物100の間の光路上に配置されていればよく、遮蔽部材9をレーザー光源2とミラーユニット4Aの間の光路上に配置することも可能である。
部分透過ミラー10は光学素子3とミラーユニット4Aの間の光路上に配置されている。部分透過ミラー10は、レーザー光源2から出射され光学素子3によって略平行光とされたレーザー光を透過して反射ミラー4cに導き、被測定物100及び反射ミラー4cで反射されたレーザー光を反射して受光素子8に導く機能を有する。
上記のように構成された距離測定装置1において、レーザー光源2からレーザー光が出射されると、出射されたレーザー光は、光学素子3によって略平行光とされ、部分透過ミラー10を透過されてミラーユニット4Aの反射ミラー4cに入射される。レーザー光は反射ミラー4cで反射されて被測定物100へ向けて照射される。このとき反射ミラー4cは所定の角度範囲で回動され、レーザー光によって被測定物100が走査される。
反射ミラー4cで反射されて被測定物100へ向けてレーザー光が照射されるときには、上記したように、光路範囲における外周部を通るレーザー光が遮蔽部材9の遮蔽部9bによって遮蔽される。
被測定物100に照射されたレーザー光は被測定物100で反射され拡散光とされて再び反射ミラー4cに入射される。レーザー光は反射ミラー4cで反射され、部分透過ミラー10で反射されて集光レンズ6に入射される。レーザー光は集光レンズ6によって集光されバンドパスフィルター7を透過されて受光素子8に入射される。
受光素子8に入射されたレーザー光に基づいて受光信号が生成され、生成された受光信号が後述する制御部によって処理され被測定物100に関する距離情報が算出されて距離測定が行われる。
以上に記載した通り、距離測定装置1Aにあっても、距離測定装置1と同様に、レーザー光源2と被測定物100の間の光路上に光路範囲における外周部のレーザー光を遮蔽する遮蔽部材9を設けているため、光路範囲における外周部を通るレーザー光が遮蔽部材9の遮蔽部9bによって遮蔽される。
従って、単位面積当たりの発光時間が増える領域におけるレーザー光が遮蔽部材9によって遮蔽されるため、レーザー光の最大出力を抑制してレーザー光源2から出射する必要がなく、レーザー光の必要な光量を確保した上で安全性の向上を図ることができる。
また、距離測定装置1Aにあっては、投光用ミラーと受光用ミラーを共通化して反射ミラー4cとして設けているため、機構の簡素化を図ることができる。
さらに、投光用ミラーと受光用ミラーの双方の機能を有する反射ミラー4cを用いているため、部分透過ミラー10と被測定物100の間の往復の光路が共通化され、その分、距離測定装置1Aの小型化を図ることができる。
[距離測定装置の回路構成等]
次に、距離測定装置の回路構成等について説明する(図5参照)。尚、以下に示す回路構成は、上記した距離測定装置1、距離測定装置1Aにおいて、距離の算出をレーザー光の往復時間、即ち、レーザーパルスの発光から受光までの時間差を測定することにより行う所謂TOF(Time Of Flight)方式とした場合の一例である。
レーザー光源2は光源ドライバー11によって駆動され、測定光としてのレーザー光(レーザーパルス)を出射する。レーザー光源2から出射されるレーザー光の出力は、光源ドライバー11において設定された光源駆動電流に基づいて制御される。
出射されたレーザー光の一部は、レーザー光源2の近傍に設けられたモニター用受光素子12に入射され、該モニター用受光素子12に入射されたレーザー光に基づいて生成された観測電圧に応じて出力調整部13によって光源ドライバー11における光源駆動電流の設定値が制御される。
タイミング発生ブロック14は、投光用ミラー4b、受光用ミラー5又は反射ミラー4cを駆動するミラー駆動回路15に対してレーザー光による走査を行う際の駆動タイミング信号を送出すると共に該駆動タイミング信号と同期した発光指令パルスを光源ドライバー11に送出してパルス発光のタイミング制御を行う。
尚、発光指令パルスはレーザー光の往復時間の測定を行う際の基準信号として時間差測定ブロック16にも送出される。
また、タイミング発生ブロック14は、レーザー光の出力調整を行う際にモニター用受光素子12の電圧を観測するためのタイミング信号の生成や投光用ミラー4b又は反射ミラー4cによる走査のタイミング情報(又は位相情報)のCPU(Central Processing Unit)17への送出も行う。
受光素子8には被測定物100で反射されたレーザー光が集光レンズ6によって集光されて入射される。受光素子8においては、入射されたレーザー光の光量に略比例した電流パルスが発生し、発生した電流パルスはI/V変換回路18によって受光電圧(受光信号)に変換され増幅アンプブロック19に送出される。
増幅アンプブロック19はI/V変換回路18によって変換された受光電圧を適正なレベルまで増幅して増幅後受光電圧として立上り検出ブロック20に送出する。受光電圧はダイナミックレンジが大きな信号となるため、増幅アンプブロック19には、例えば、信号レベルの調整のための可変ゲインアンプ等が含まれる。
受光感度調整ブロック21は後述する受光感度のキャリブレーション動作を行うためのブロックである。
立上り検出ブロック20はコンパレーター等によって構成され、入力されたアナログパルスをデジタル(2値信号)の受光パルスに変換して時間差測定ブロック16に送出する。
時間差測定ブロック16は発光指令パルスと受光パルスの時間差を測定してレーザー光源2から出射されたレーザー光の往復時間を算出する。
距離変換ブロック22は時間差測定ブロック16によって算出された往復時間(時間情報)を距離情報に変換しCPU17に送出する。変換された距離情報はCPU17によって処理され、外部装置に対して出力される。
上記した増幅アンプブロック19、立上り検出ブロック20、時間差測定ブロック16、距離変換ブロック22は、受光素子8に入射されたレーザー光に基づいて生成される受光電圧(受光信号)を処理し被測定物100に関する距離情報を算出する制御部として機能する。
[キャリブレーション動作]
次に、距離測定装置1、1Aにおけるキャリブレーション動作について説明する。
キャリブレーション動作は、遮蔽部材9のミラーユニット4、4A側を向く面の少なくとも一部をレーザー光を反射する反射面にすることにより行うことが可能である。
即ち、遮蔽部材9の反射面で反射されたレーザー光を受光素子8に入射させ、この入射されたレーザー光を利用して各種のキャリブレーション動作を行うことが可能である。
例えば、図3における水平位置が2000mmより右側の領域に対応する遮蔽部材9の部分を反射面として形成し、垂直位置0mm前後の付近でキャリブレーション動作を行ったり、垂直位置−1800mm前後及び1800mm前後の付近でキャリブレーション動作を行うようにする。
以下に、キャリブレーション動作の各具体例を示す。
第1の具体例は、レーザー光が遮蔽部材9の反射面に照射されている期間において行う基準距離のキャリブレーション動作である。
図6に、タイミング発生ブロック14から光源ドライバー11に送出される発光指令パルス、レーザー光源2におけるパルス発光、受光素子8におけるパルス受光、I/V変換回路18によって変換される受光電圧、増幅アンプブロック19によって増幅される増幅後受光電圧及び立上り検出ブロック20によって変換される受光パルスについてのタイミングチャート図を示す。
レーザー光源2から出射されたレーザー光が受光素子8に入射されるまでの往復時間をTflightとする。このとき時間差測定ブロック16においては、発光指令パルスの出力開始時点から受光パルスの出力開始時点までの時間であるTmeasが測定される。Tmeasは、
Tmeas=Tflight+(Td1+Td2)
で表され、発光側の回路遅延Td1と受光側の回路遅延Td2とを含む。
従って、距離変換ブロック22における距離情報(絶対距離)Lmeasの算出は、回路遅延分の時間(Td1+Td2)をTmeasから差し引いて演算を行う必要がある。この距離情報Lmeasは、
Lmeas={Tmeas−(Td1+Td2)}/2c
によって表される。但し、cはレーザー光の速度(光速)である。
従って、距離測定装置1、1Aにおいては、予め基準距離のキャリブレーション動作を行い、回路遅延分の時間(Td1+Td2)を算出することが望ましい。
回路遅延分の時間(Td1+Td2)の算出は、レーザー光源2(又は受光素子8)から一定の距離L1だけ離れた遮光部材9の反射面における測定点で反射されたレーザー光によってTmeas1 を測定し、光の往復時間に相当する所定時間Tflight1=L1/2cを差し引くことにより行うことができる。
尚、遮光部材9の反射面における測定点を複数設けて平均化処理を行うことにより、キャリブレーション動作の精度の向上を図ることが可能である。
上記のように、基準距離のキャリブレーション動作をレーザー光が遮蔽部材9の反射面に照射されている期間において所定のタイミングで行うことにより、別の反射板等を距離測定装置1、1Aの外部に配置しての動作開始前のオフラインキャリブレーション動作を行う必要がない。
従って、距離測定装置1、1Aにおける距離測定を迅速かつ高精度で行うことができる。
また、距離測定装置1、1Aの距離測定の動作時において定期的にキャリブレーション動作を行うことが可能となるため、温度変化等の影響で回路の遅延時間が変化した場合においても常に高い精度で距離測定を行うことができる。
次に、キャリブレーション動作の第2の具体例について説明する。
第2の具体例は、レーザー光が遮蔽部材9の反射面に照射されている期間において行う受光感度のキャリブレーション動作である。
バイアス電圧により調整可能とされた受光素子8の増倍率は一定に保つことが望ましいが、温度変化が大きい場合等においては増倍率の調整ずれが発生する可能性がある。
従って、遮蔽部材9の反射面で反射されたレーザー光が受光素子8に入射されるときに、受光素子8における受光感度のキャリブレーション動作を行い、所定の受光感度を確保することが望ましい。
受光感度のキャリブレーション動作は、以下のようにして行われる。
レーザー光が受光素子8に入射される際の受光電圧のレベルを受光感度調整ブロック21によって観測し、観測した受光電圧のレベルを必要とされる受光電圧のレベルと比較する。この比較結果に基づいてバイアス電圧を調整して受光素子8の増倍率を補正するか、増幅アンプブロック19の増幅ゲインを受光電圧のレベルの差に応じて変化させることにより、立上り検出ブロック20に対する入力電圧のレベルが所定のレベルになるようにする。
受光感度のキャリブレーション動作は、上記した基準距離のキャリブレーション動作と同時に又は時間を分けて行うことが可能である。
尚、受光感度のキャリブレーション動作においても基準距離のキャリブレーション動作と同様に、遮光部材9の反射面における測定点を複数設けて平均化処理を行うことにより精度の向上を図ることが可能である。
上記のように、受光感度のキャリブレーション動作をレーザー光が遮蔽部材9の反射面に照射されている期間において所定のタイミングで行うことにより、別の反射板等を距離測定装置1、1Aの外部に配置しての動作開始前のオフラインキャリブレーション動作を行う必要がない。
従って、距離測定装置1、1Aにおける距離測定を迅速かつ高精度で行うことができる。
また、距離測定装置1、1Aの距離測定の動作時において定期的にキャリブレーション動作を行うことが可能となるため、温度変化等が生じた場合においても常に高い精度で距離測定を行うことができる。
次に、キャリブレーション動作の第3の具体例について説明する。
第3の具体例は、レーザー光が遮蔽部材9の反射面に照射されている期間において行うレーザー光源2の出射パワーのキャリブレーション動作である。
レーザー光源2は、一定の電流を供給しても温度特性によって出射パワーが変化してしまうという特性がある。
従って、安定した距離測定のためのレーザー光の一定の光量の確保及び出射パワーが増大してしまうことによる安全性の低下の防止を図るために、遮蔽部材9の反射面で反射されたレーザー光が受光素子8に入射されるときに、レーザー光源2の出射パワーのキャリブレーション動作を行うことが望ましい。
レーザー光源2の出射パワーのキャリブレーション動作は、以下のようにして行われる。
遮蔽部材9の反射面で反射されたレーザー光が受光素子8に入射される際の受光電圧のレベルを受光感度調整ブロック21によって観測し、観測した受光電圧のレベルを必要とされる受光電圧のレベルと比較する。この比較結果に基づいてモニター用受光素子12における観測電圧の目標値を変更してレーザー光源2の出射パワーを調整する。
レーザー光源2の出射パワーのキャリブレーション動作を行うことにより、立上り検出ブロック20に対する入力電圧のレベルを適正なレベルに保つことが可能となる。
また、受光素子8の受光感度のずれを小さくすることが可能な場合には、遮光部材9の反射面における測定点を複数設けて平均化処理を行うことにより、レーザー光源2の近傍に配置されるモニター用受光素子12を省略し、受光素子8をモニター用受光素子としても用いることが可能である。
この場合には、観測された受光電圧のレベルの必要とされる受光電圧のレベルからのずれ量に応じて光源ドライバー11における光源駆動電流の設定値を変更すればよい。
レーザー光源2の出射パワーのキャリブレーション動作は、上記した基準距離のキャリブレーション動作と同時に又は時間を分けて行うことが可能である。
上記のように、レーザー光源2の出射パワーのキャリブレーション動作をレーザー光が遮蔽部材9の反射面に照射されている期間において所定のタイミングで行うことにより、別の反射板等を距離測定装置1、1Aの外部に配置しての動作開始前のオフラインキャリブレーション動作を行う必要がない。
従って、距離測定装置1、1Aにおける距離測定を迅速かつ高精度で行うことができる。
また、距離測定装置1、1Aの距離測定の動作時において定期的にキャリブレーション動作を行うことが可能となるため、常に高い精度で距離測定を行うことができる。
次に、キャリブレーション動作の第4の具体例について説明する。
第4の具体例は、レーザー光が遮蔽部材9の反射面に照射されている期間において行うレーザー光源2の出射パワーのキャリブレーション動作である。第4の具体例は第3の具体例と異なり、遮蔽部材9で反射されて受光素子8に入射されたレーザー光を用いず、レーザー光源2の近傍に配置されたモニター用受光素子12にレーザー光源2から出射されるレーザー光の一部を入射させることにより行う。
上記したように、レーザー光源2は、一定の電流を供給しても温度特性によって出射パワーが変化してしまうという特性があるため、距離測定装置1、1Aの距離測定の動作時にモニター用受光素子12に入射されるレーザー光を用いてレーザー光源2の出射パワーのキャリブレーション動作を行うことが望ましい。
距離測定装置1、1Aの距離測定の動作時にモニター用受光素子12を用いたレーザー光源2の出射パワーの調整を行うためには、図7の(a)のパルス発光のタイミングと同期してモニター用受光素子12からの観測電圧を取り込む(サンプリングする)ことが必要である。しかしながら、安全性の確保のためにパルス幅Pを狭くする設定を行った場合には、観測電圧を取り込むタイミングの調整が難しく、レーザー光源2の出射パワーの調整動作の精度が低下するおそれがある。
この場合に、モニター用受光素子12からの観測電圧を取り込む手法として、観測電圧信号をローパスフィルターによって平均化した後に平均電圧出力を取り込む方法があり、この方法では観測電圧を取り込むタイミングの微調整を必要としない。ところが、パルス発光におけるパルス幅Pの発光周期Sに対する比率(デューティー比)が低い場合には、観測電圧信号のピーク値に対してローパスフィルターの通過後における平均電圧出力のレベルが大きく低下してしまい、S/N比の確保が難しく、やはりレーザー光源2の出射パワーの調整動作の精度が低下してしまう。
そこで、レーザー光が遮蔽部材9の反射面に照射されている期間において、レーザー光源2の出射パワーのキャリブレーション動作を行うことが望ましい。
レーザー光が遮蔽部材9の反射面に照射されている期間においては、レーザー光が距離測定装置1、1Aの外部に漏れない状態とされているため、図7の(b)のように、キャリブレーション動作を行う期間だけパルス幅Pを広げると言う発光パターンの変更を行っても安全性が低下しない。
このように、パルス幅Pを広げてレーザー光源2の出射パワーのキャリブレーション動作を行うことにより、モニター用受光素子12からの観測電圧の取り込みタイミングの調整が容易となり、安全性の低下を来たすことなくレーザー光源2の出射パワーの調整動作の精度の低下を防止することができる。
また、レーザー光が遮蔽部材9に照射されている期間における発光パターンの変更方法として、パルス幅Pを変更せずに発光周期Sを短くすることによりデューティ比を高くして単位時間当たりのパルス数を増やす方法も考えられる。
デューティ比を高くする場合には、観測電圧信号をローパスフィルターによって平均化した後に平均電圧出力を取り込む方式と組み合わせたときに、観測電圧信号のピーク値に対するローパスフィルターの通過後における平均電圧出力のレベルの低下が軽減され、S/N比の確保が容易となり、レーザー光源2の出射パワーの調整動作の精度の低下を防止することができる。
レーザー光源2の出射パワーのキャリブレーション動作は、上記した基準距離のキャリブレーション動作と同時に又は時間を分けて行うことが可能である。
また、距離測定装置1、1Aの距離測定の動作時において定期的にキャリブレーション動作を行うことが可能となるため、常に高い精度で距離測定を行うことができる。
尚、レーザー光源2の出射パワーのキャリブレーション動作において、レーザー光によって遮光部材9が照射されている期間に測定タイミングを複数設定して平均化処理を行うことにより精度の向上を図ることが可能である。
[その他]
距離測定装置1、1Aにおいては、受光素子8に対する十分な受光光量を確保することにより受光感度の向上を図る必要があると共に人の動きや周囲の変化に応じた距離情報を高いフレームレートで高速に取得する必要がある。
しかしながら、距離情報を高いフレームレートで取得するために、被測定物に対する走査を行う受光用ミラー5又は反射ミラー4cを動作させてスキャン周波数(走査時における周波数)を高めようとすると、受光用ミラー5又は反射ミラー4cを小型化する必要が生じてしまう。従って、受光用ミラー5又は反射ミラー4cの小型化により、受光素子8に対する十分な受光光量を確保することができず測定距離が極端に短くなり受光感度の低下を来たしてしまう。
逆に、受光素子8に対する十分な受光光量を確保するために、受光用ミラー5又は反射ミラー4cを大きくしてしまうと、受光用ミラー5又は反射ミラー4cを高速で動作させることができず、距離情報を高速に取得することが困難になってしまう。
そこで、距離測定装置1、1Aにおいては、受光素子8における受光感度の向上と距離情報を高いフレームレートで高速に取得するために、以下のような構成とすることが望ましい。
図8乃至図10は、受光感度の向上と距離情報の取得の高速化を図るための距離測定装置1の第1の構成を示す図である。図8乃至図10は、第1の構成を水平方向から見た状態で示す図であり、遮蔽部材9を省略して示している。
第1の構成においては、複数の受光用ミラー5、5、・・・、例えば、二つの受光用ミラー5、5が上下方向において隣接して設けられ、該受光用ミラー5、5が各別に回動可能とされている。受光用ミラー5、5は同相、同振幅で同期して回動される。
図8は、投光用ミラー4bで反射され被測定物100へ向かうレーザー光及び被測定物100で反射され受光用ミラー5、5に入射されるレーザー光がともに水平方向へ進行する状態を示す図である。
図9は、投光用ミラー4bで反射され被測定物100へ向かうレーザー光及び被測定物100で反射され受光用ミラー5、5に入射されるレーザー光がともに水平方向に対して上方へ、例えば、25°(角度α)傾いた方向へ進行する状態を示す図である。
図10は、投光用ミラー4bで反射され被測定物100へ向かうレーザー光及び被測定物100で反射され受光用ミラー5、5に入射されるレーザー光がともに水平方向に対して下方へ、例えば、25°(角度α)傾いた方向へ進行する状態を示す図である。
第1の構成においては、受光用ミラー5、5と投光用ミラー4bが上下に離隔して配置されている。
上記のように、第1の構成においては、各別に回動可能とされた受光用ミラー5、5が同相、同振幅で同期して回動されるため、各受光用ミラー5、5を高速で動作させることができ、また、複数の受光用ミラー5、5が設けられているため、受光素子8に対する十分な受光光量を確保することができる。
従って、受光素子8における受光感度の向上及び距離情報の取得の高速化を図ることができる。
図11及び図12は、受光感度の向上と距離情報の取得の高速化を図るための距離測定装置1の第2の構成を示す図である。図11は、第2の構成を水平方向から見た状態で示す図であり、図12は、第2の構成を垂直方向から見た状態で示す図であり、図11及び図12とも遮蔽部材9を省略して示している。
第2の構成においては、複数の受光用ミラー5、5、・・・、例えば、二つの受光用ミラー5、5が左右方向において隣接して設けられ、該受光用ミラー5、5が各別に回動可能とされている。受光用ミラー5、5は同相、同振幅で同期して回動される。
図11は、投光用ミラー4bで反射され被測定物100へ向かうレーザー光及び被測定物100で反射され受光用ミラー5、5に入射されるレーザー光がともに水平方向に対して下方へ、例えば、25°(角度α)傾いた方向へ進行する状態を示す図である。
図12は、投光用ミラー4bで反射され被測定物100へ向かうレーザー光及び被測定物100で反射され受光用ミラー5、5に入射されるレーザー光がともに水平方向に対して側方へ、例えば、25°(角度α)傾いた方向へ進行する状態を示す図である。
第2の構成においては、受光用ミラー5、5と投光用ミラー4bが上下に離隔して配置されている。
上記のように、第2の構成においては、各別に回動可能とされた受光用ミラー5、5が同相、同振幅で同期して回動されるため、各受光用ミラー5、5を高速で動作させることができ、また、複数の受光用ミラー5、5が設けられているため、受光素子8に対する十分な受光光量を確保することができる。
従って、受光素子8における受光感度の向上及び距離情報の取得の高速化を図ることができる。
また、受光用ミラー5、5と投光用ミラー4bが上下に離隔して配置され、受光用ミラー5、5が左右方向において隣接して設けられている。従って、受光用ミラー5、5で反射されたレーザー光を受光素子8に集光する集光レンズ6を投光用ミラー4bに近付けて配置することが可能であり、距離測定装置1の小型化を図ることができる。
尚、上記には、受光用ミラー5、5と投光用ミラー4bが上下に離隔して配置され、受光用ミラー5、5が左右方向において隣接して設けられている例を示したが、受光用ミラー5、5と投光用ミラー4bが左右に離隔して配置され、受光用ミラー5、5が上下方向において隣接して設けられていてもよい。
受光用ミラー5、5と投光用ミラー4bをこのような配置にすることによっても、距離測定装置1の小型化を図ることができる。
また、上記には、受光感度の向上と距離情報の取得の高速化を図るために、第1の構成及び第2の構成として、受光用ミラー5、5と投光用ミラー4bを各別に配置した距離測定装置1の例を示したが、距離測定装置1Aのように、投光用ミラーと受光用ミラーを共通化して反射ミラーとして設けてもよい。
尚、上記には、レーザー光の往復時間を測定することにより距離の算出を行うKK1、1Aを例として示したが、KK1、1Aは出射光と入射光の位相差を検出して距離を測定する装置にも適用することが可能である。
上記した最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
図2乃至図12と共に本発明の実施の形態を示すものであり、本図は、距離測定装置における投光側の各部を示す概念図である。 距離測定装置における受光側の各部を示す概念図である。 被測定物が走査されるときに遮蔽部材によってレーザー光の一部が遮蔽される状態を示す概念図である。 投光用ミラーと受光用ミラーが共通化された反射ミラーを有する距離測定装置を示す概念図である。 距離測定装置の回路構成等を示すブロック図である。 距離測定時におけるタイミングチャート図である。 レーザー光源の出射パワーのキャリブレーション動作を説明するためのタイミングチャート図である。 図9及び図10と共に受光感度の向上と距離情報の取得の高速化を図るための第1の構成を示すものであり、本図は、投光用ミラーで反射され被測定物へ向かうレーザー光及び被測定物で反射され受光用ミラーに入射されるレーザー光がともに水平方向へ進行する状態を示す概念図である。 投光用ミラーで反射され被測定物へ向かうレーザー光及び被測定物で反射され受光用ミラーに入射されるレーザー光がともに水平方向に対して上方へ傾いた方向へ進行する状態を示す図である。 投光用ミラーで反射され被測定物へ向かうレーザー光及び被測定物で反射され受光用ミラーに入射されるレーザー光がともに水平方向に対して下方へ傾いた方向へ進行する状態を示す図である。 図12と共に受光感度の向上と距離情報の取得の高速化を図るための第2の構成を示すものであり、本図は、投光用ミラーで反射され被測定物へ向かうレーザー光及び被測定物で反射され受光用ミラーに入射されるレーザー光がともに水平方向に対して下方へ傾いた方向へ進行する状態を示す図である。 投光用ミラーで反射され被測定物へ向かうレーザー光及び被測定物で反射され受光用ミラーに入射されるレーザー光がともに水平方向に対して側方へ傾いた方向へ進行する状態を示す図である。 従来の距離測定装置の一例を示す概念図である。 従来の距離測定装置において被測定物が走査される状態を示す概念図である。
1…距離測定装置、2…レーザー光源、3…光学素子、4b…投光用ミラー、5…受光用ミラー、6…集光レンズ(集光光学系)、8…受光素子、9…遮蔽部材、1A…距離測定装置、4c…反射ミラー、100…被測定物

Claims (12)

  1. 測定光としてレーザー光を出射する少なくとも一つのレーザー光源と、
    前記レーザー光源から出射されたレーザー光を略平行光にする光学素子と、
    所定の角度範囲で回動可能とされ前記光学素子によって略平行光にされたレーザー光を被測定物へ向けて反射し前記レーザー光によって前記被測定物を走査する投光用ミラーと、
    前記被測定物で反射されて拡散されたレーザー光を反射する受光用ミラーと、
    前記受光用ミラーで反射されたレーザー光を受光する受光素子と、
    前記受光用ミラーで反射されたレーザー光を前記受光素子に集光して導く集光光学系と、
    前記受光素子で受光したレーザー光に基づいて生成される受光信号を処理することにより前記被測定物に関する距離情報を算出する制御部とを備え、
    前記レーザー光源と前記被測定物の間の光路上に光路範囲における外周部のレーザー光を遮蔽する遮蔽部材を設けた
    距離測定装置。
  2. 前記投光用ミラーと前記受光用ミラーを共通の反射ミラーとして設けた
    請求項1に記載の距離測定装置。
  3. 前記遮蔽部材の前記レーザー光源側の面を反射面とし前記反射面で反射されたレーザー光を用いてキャリブレーション動作を行うようにした
    請求項1に記載の距離測定装置。
  4. 前記遮蔽部材の前記レーザー光源側の面を反射面とし前記反射面で反射されたレーザー光を用いてキャリブレーション動作を行うようにした
    請求項2に記載の距離測定装置。
  5. 前記レーザー光が前記遮蔽部材の反射面で反射されているときに、基準距離のキャリブレーション動作を行うようにした
    請求項3に記載の距離測定装置。
  6. 前記レーザー光が前記遮蔽部材の反射面で反射されているときに、基準距離のキャリブレーション動作を行うようにした
    請求項4に記載の距離測定装置。
  7. 前記レーザー光が前記遮蔽部材の反射面で反射されているときに、受光感度のキャリブレーション動作を行うようにした
    請求項3に記載の距離測定装置。
  8. 前記レーザー光が前記遮蔽部材の反射面で反射されているときに、受光感度のキャリブレーション動作を行うようにした
    請求項4に記載の距離測定装置。
  9. 前記レーザー光が前記遮蔽部材の反射面で反射されているときに、前記レーザー光源の出射パワーのキャリブレーション動作を行うようにした
    請求項3に記載の距離測定装置。
  10. 前記レーザー光が前記遮蔽部材の反射面で反射されているときに、前記レーザー光源の出射パワーのキャリブレーション動作を行うようにした
    請求項4に記載の距離測定装置。
  11. 前記レーザー光が前記遮蔽部材に照射されているときに、前記レーザー光源の出射パワーのキャリブレーション動作を行うようにした
    請求項1に記載の距離測定装置。
  12. 前記レーザー光が前記遮蔽部材に照射されているときに、前記レーザー光源の出射パワーのキャリブレーション動作を行うようにした
    請求項2に記載の距離測定装置。
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