JP2011094604A - 内燃機関の制御装置及び内燃機関 - Google Patents

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真宏 重永
Kimitaka Saito
公孝 斎藤
Masatoshi Umasaki
政俊 馬▲崎▼
Hideki Obayashi
秀樹 大林
Takashi Mizobuchi
剛史 溝渕
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Abstract

【課題】燃料噴射弁24からの燃料噴霧速度が高くなることで燃料噴霧の周辺に生じる気流の強度が大きくなり、点火プラグ18の放電火花が切れる現象が生じること。
【解決手段】燃料噴射弁24の複数の噴孔のそれぞれから噴射された燃料によって形成される複数の燃料噴霧のそれぞれに起因して圧力が低下すると想定される空間のうち、いずれか1つのみの空間内に点火プラグ18の中心電極18a及び接地電極18bの間の空間が含まれるように燃料噴射弁24から燃料を噴射する。また、上記複数の燃料噴霧のうち点火プラグ18を挟むように形成される2つの燃料噴霧のそれぞれと、点火プラグ18の中心軸線Lとの距離が相違するように燃料噴射弁24から燃料を噴射する。こうした構成において、エンジン10の回転速度、エンジン10の負荷、燃料噴射弁24の燃料噴射圧及び燃料噴射時間に応じて、点火プラグ18に供給される電気エネルギを可変設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の燃焼制御のための複数のアクチュエータとして、前記内燃機関の燃焼室内に燃料を直接噴射すべく操作される燃料噴射弁と、前記燃焼室内に突出する点火プラグの電極間に放電火花を発生させるべく操作される点火駆動手段とを含む内燃機関に適用される内燃機関の制御装置及び内燃機関に関する。
従来、内燃機関の燃焼室内に複数の噴孔から燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、放電火花を発生させるべく燃焼室内に突出する点火プラグとを備える筒内噴射式内燃機関が知られている。また、この中には、下記特許文献1に見られるように、噴射燃料が点火プラグに直接衝突する事態を回避するとともに、噴射燃料によって形成される複数の燃料噴霧のうち2つの燃料噴霧が点火プラグの両側に形成されるように燃料を噴射する燃料噴射弁を備えるものもある。ここでは、上記2つの燃料噴霧のうち一方の貫徹力を他方の貫徹力よりも小さくすることで、これら燃料噴霧間に圧力差を生じさせ、貫徹力の小さい方の燃料噴霧から貫徹力の大きい方の燃料噴霧へと気体の流れ(気流)を生じさせている。そしてこの気流により、貫徹力の小さい方の燃料噴霧から生成される混合気が点火プラグ付近に引き込まれることで着火性を向上させ、燃焼状態の改善を図っている。なお、上記筒内噴射式内燃機関としては、下記特許文献2に開示されているものもある。
特開2006−299888号公報 特開2007−064175号公報
ところで、内燃機関の燃焼状態は、混合気の生成状態等、種々の要因に影響を及ぼされる。つまり例えば、燃料噴射弁の噴孔出口付近に点火プラグが近接して配置される場合、混合気を生成するために要する時間が短いことに起因して上記噴孔出口付近における混合気が希薄なものとなるおそれがある。この場合、着火性が低下することで燃焼状態が悪化するおそれがある。また例えば、上記特許文献1に記載されている技術では、燃料噴霧の貫徹力が小さいことに起因して、燃料噴霧が分散しなかったり燃料噴射率が低下したりすることで混合気が希薄なものとなるおそれがある。この場合、着火後において火炎伝播不良が生じることで燃焼状態が悪化するおそれがある。
更に、内燃機関の燃焼状態は、燃焼室内に生じる気流に影響を及ぼされる。つまり、内燃機関の機関運転状態によっては、気流の強度が大きくなることで、この気流によって点火プラグの放電火花が切れる現象(放電切れ)が生じ、着火性が低下するおそれがある。また、機関運転状態によっては、点火プラグ周辺に生じる気流を乱すような方向の気流が燃焼室内に生じることで、放電火花によって混合気に適切に着火させることができず、着火性が低下するおそれもある。そして着火性が低下する場合には、内燃機関の燃焼状態が悪化するおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、内燃機関の燃焼状態の悪化を好適に抑制することのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。また、燃焼状態の悪化を好適に抑制することのできる内燃機関を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、内燃機関の燃焼制御のための複数のアクチュエータとして、前記内燃機関の燃焼室内に燃料を直接噴射すべく操作される燃料噴射弁と、前記燃焼室内に突出する点火プラグの電極間に放電火花を発生させるべく操作される点火駆動手段とを含む内燃機関に適用され、前記噴射された燃料によって形成される燃料噴霧周辺に生じる気流の強度又は前記点火プラグ周辺に生じる気流の方向と相関を有するパラメータに応じて、前記複数のアクチュエータのうち少なくとも1つの操作量を可変設定する設定手段を備えることを特徴とする。
本発明者らは、燃料噴射弁から噴射された燃料によって形成される燃料噴霧によって、点火プラグの電極間で発生する放電火花(放電アーク)が燃料噴霧側へと引き付けられるのを促進する気体の流れ(気流)を燃料噴霧や点火プラグ周辺に生じさせることで、放電アークによる着火性を向上させることが可能であることを実験等により見出した。詳しくは、上記燃料噴霧の流動によって燃料噴霧の流動方向とは略反対の方向である点火プラグから燃料噴射弁へと向かう方向の気流を生じさせる状況下において放電アークを発生させると、放電アークが燃料噴射弁の方向へと一旦伸びた後に燃料噴霧に引き付けられることで着火性が向上することを見出した。ただし、燃料噴霧周辺に生じる気流の強度が大きい場合には、この気流によって放電アークが切れる現象(放電切れ)が生じたり、点火プラグ周辺に生じる気流の方向が放電アークを燃料噴霧側に引き付けるのを妨げる方向となる場合には、放電アークを燃料噴霧に適切に引き付けることができなくなったりすることで着火性が低下するおそれがある。
この点に鑑み、上記発明では、燃料噴霧周辺に生じる気流の強度と相関を有するパラメータに応じて、上記複数のアクチュエータのうち少なくとも1つの操作量を可変設定することで、放電切れを抑制することができる。一方、点火プラグ周辺に生じる気流の方向と相関を有するパラメータに応じて、上記少なくとも1つの操作量を可変設定することで、放電アークを燃料噴霧に引き付けるべく放電アークの発生態様を適切なものとすることができる。これにより、着火性を好適に向上させることができ、ひいては内燃機関の燃焼状態の悪化を好適に抑制することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記燃料噴射弁は、前記噴射された燃料によって形成される単一の燃料噴霧に起因して圧力が低下すると想定される空間内に前記電極間の空間が含まれるように燃料を噴射するものであることを特徴とする。
本発明者らは、燃料噴射弁から噴射された燃料によって形成される単一の燃料噴霧に起因して圧力が低下すると想定される空間(圧力低下空間)内に点火プラグの電極間の空間が含まれるように燃料噴射弁から燃料を噴射することで、着火性を向上させることができることを実験により見出した。つまり、燃料噴射により燃料噴霧と空気との接触面においてせん断力が発生することで空気密度が低下するため、燃料噴霧周辺においてこの燃料噴霧に近づくほど圧力が低下する空間が生じる。この空間の発生により燃料噴霧周辺の気体がこの燃料噴霧の方向へと流れることに起因して、上記空間内に含まれる点火プラグの電極間で発生する放電アークが圧力の低い方へと伸びるように引き付けられる。これにより、放電アークを燃料噴霧に引き付けることができ、着火性を向上させることができる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記燃料噴射弁は、複数の噴孔が形成されるものであり、該複数の噴孔から噴射された燃料によって形成される複数の燃料噴霧のそれぞれに起因して圧力が低下すると想定される空間のうち、いずれか1つの空間内に前記電極間の空間が含まれるように燃料を噴射するものであることを特徴とする。
燃料噴射弁に複数の噴孔が形成される場合、これら噴孔から噴射された燃料によって形成される複数の燃料噴霧のそれぞれに起因して、圧力が低下する空間が複数生じることとなる。ここで、点火プラグの電極間の空間が2以上の上記空間内に含まれる場合、これら空間が干渉することで、放電アークを燃料噴霧に適切に引き付けることができず、着火性が低下するおそれがある。この点、上記発明では、複数の燃料噴霧に起因する上記圧力低下空間のうち、いずれか1つの空間内に上記電極間の空間が含まれるように燃料噴射弁から燃料を噴射することで、放電アークを燃料噴霧に適切に引き付けることができる。これにより、着火性を好適に向上させることができ、ひいては内燃機関の燃焼状態の悪化をより好適に抑制することができる。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記燃料噴射弁は、前記複数の燃料噴霧のうち前記点火プラグを挟むように形成される2つの燃料噴霧のそれぞれと、該点火プラグの中心軸線との距離が相違するように燃料を噴射するものであることを特徴とする。
上記発明では、複数の燃料噴霧に起因する上記圧力低下空間のうち、いずれか1つの空間内に点火プラグの電極間の空間が含まれるような燃料噴霧を適切に形成するとともに、点火プラグ付近において混合気を適切に生成することができる。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明において、前記燃料噴射弁は、前記点火プラグに噴射燃料が直接衝突したり、前記電極間を前記噴射燃料が通過したりしないように前記燃料を噴射することを特徴とする。
燃料噴射弁からの噴射燃料が点火プラグに衝突することに起因して、放電切れが生じ、着火性が低下するおそれがある。また、噴射燃料が点火プラグの電極に衝突したり、噴射燃料が点火プラグの電極間を通過したりすると、噴射燃料が電極に付着し、その後付着した燃料の燃焼によって電極に煤が付着することがある。この場合、放電アークを発生させると、放電アークが想定外の方向へと伸びることで、放電アークを燃料噴霧に適切に引き付けることができず、着火性が低下するおそれがある。更には、噴射燃料が点火プラグに衝突することに起因して、混合気が適切に形成されず、エミッションが増大するおそれもある。ここで上記発明では、上記態様にて燃料噴射弁から燃料を噴射させることで、放電切れを回避したり、付着した燃料の燃焼による煤の発生を抑制したり、更には混合気を適切に形成させたりすることができる。これにより、着火性の低下及びエミッションの増大を好適に抑制することができる。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記点火プラグの接地電極のうち該点火プラグの中心電極と対向する部分へとつながる連結部分は、前記点火プラグの中心軸線から該点火プラグに最も近接する前記燃料噴霧の中心軸線に下ろした垂線に交わるように配置されていることを特徴とする。
上記発明では、上記態様にて連結部分を配置することで、連結部分付近を燃料噴霧が通過する際に燃料噴霧の流速が低下し、燃料噴霧によって形成された混合気の一部を点火プラグの電極間周辺へと導くことができる。これにより、電極間周辺に混合気を滞留させることができ、ひいては放電アークによる着火性をより好適に向上させることができる。
請求項7記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記点火プラグの接地電極のうち該点火プラグの中心電極と対向する部分へとつながる連結部分は、前記点火プラグの中心軸線から該点火プラグに最も近接する前記燃料噴霧の中心軸線に下ろした垂線と該点火プラグの中心軸線とを含む平面のうち該点火プラグの中心軸線よりも前記最も近接する燃料噴霧側の面が、前記点火プラグの中心軸線を中心に、前記燃料噴射弁の中心軸線のうち該燃料噴射弁の先端部と交わるまで鋭角で回転した際に通過する空間を避けて配置されていることを特徴とする。
上記通過する空間に上記連結部分を配置すると、放電アークが燃料噴射弁の方向へと伸びたり、燃料噴射弁の方向へと伸びた放電アークが燃料噴霧の方向に引き付けられたりする際に、放電アークが連結部分に衝突することがある。この場合、放電アークを燃料噴霧に引き付けることができなくなり、着火性が低下するおそれがある。この点、上記発明では、連結部分を上記通過する空間を避けて配置することで、放電アークが連結部分に衝突することを極力抑制することができる。これにより、着火性が低下する事態の発生を回避することができる。
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の発明において、前記設定手段は、前記気流の強度と相関を有するパラメータに応じて、前記点火プラグに供給される電気エネルギを可変とすべく前記点火駆動手段の操作量を可変設定することを特徴とする。
上記発明では、上記気流の強度と相関を有するパラメータに応じて点火駆動手段の操作量を可変設定することで、点火プラグに供給される電気エネルギを可変とする。このため、放電アークの発生に要求される電気エネルギを点火プラグに適切に供給することができる。これにより、放電切れを好適に抑制することで着火性をより好適に向上させることができ、ひいては内燃機関の燃焼状態の悪化をより好適に抑制することができる。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明において、前記設定手段は、前記点火プラグを流れる電流値及び該点火プラグに電流が流れる時間のうち少なくとも1つを可変とすることで、前記電気エネルギを可変とすることを特徴とする。
上記発明では、放電切れを抑制すべく点火プラグに供給される電気エネルギを適切なものとすることができる。
請求項10記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の発明において、前記複数のアクチュエータは、前記燃料噴射弁の燃料噴射圧を調節すべく操作される燃圧調節手段を含むものであり、前記設定手段は、前記燃料噴射圧を低くすべく前記燃圧調節手段の操作量を補正することを特徴とする。
燃料噴射圧を低くすると燃料噴霧速度が低くなり、燃料噴霧周辺に生じる気流の強度が小さくなる。この点に鑑み、上記発明では、上記気流の強度と相関を有するパラメータに応じた燃圧調節手段の操作量の補正によって燃料噴射圧を低くする。このため、燃料噴射に起因して燃料噴霧周辺に生じる気流の強度を放電切れが生じるおそれの度合いに応じて小さくすることができる。これにより、着火性を好適に向上させることができ、ひいては内燃機関の燃焼状態の悪化を好適に抑制することができる。
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明において、前記設定手段は、前記燃料噴射弁の燃料噴射時間を長くすべく該燃料噴射弁の操作量を補正することを特徴とする。
燃料噴射時間が長くなると、燃料噴霧に近づくほど圧力が低下する空間が生じる時間が長くなるため、放電アークを燃料噴霧に引き付けるための機会が増大する。この点に鑑み、上記発明では、上記気流の強度と相関を有するパラメータに応じた燃料噴射弁の操作量の補正によって燃料噴射時間を長くする。このため、放電アークを燃料噴霧に引き付けるための機会を極力確保することができる。これにより、着火性を好適に向上させることができ、ひいては内燃機関の燃焼状態の悪化を好適に抑制することができる。
請求項12記載の発明は、請求項1〜11のいずれか1項に記載の発明において、前記放電火花の発生状態を検出する検出手段を更に備え、前記設定手段は、前記検出された放電火花の発生状態を前記気流の強度と相関を有するパラメータとして用いて、前記複数のアクチュエータのうち少なくとも1つの操作量を可変設定することを特徴とする。
放電アークの発生状態の検出によって、放電切れの有無を検出することができる。このため、上記発明では、上記気流の強度と相関を有するパラメータとして放電アークの発生状態を用いることで、放電切れの生じる状況をより高精度に把握しつつ上記可変設定を行うことができる。
請求項13記載の発明は、請求項1〜12のいずれか1項に記載の発明において、前記気流の強度と相関を有するパラメータには、前記内燃機関の負荷と相関を有するパラメータ及び機関回転速度のうち少なくとも一方が含まれることを特徴とする。
上記発明では、内燃機関の負荷と相関を有するパラメータや機関回転速度を上記気流の強度と相関を有するパラメータとして用いることで、上記可変設定を適切に行うことができる。
請求項14記載の発明は、請求項1〜13のいずれか1項に記載の発明において、前記点火プラグ周辺に生じる気流の方向についての情報を取得する取得手段を更に備え、前記設定手段は、該取得手段の取得値を前記気流の方向と相関を有するパラメータとして用いて、前記点火プラグ周辺に生じる気流の方向が、該点火プラグに最も近接する前記燃料噴霧へと前記放電火花が引き付けられるのを妨げない方向であるか否かを推定する推定手段を備え、該推定手段によって前記妨げない方向であると推定された時期に、前記放電火花を発生させるべく前記点火駆動手段を操作することを特徴とする。
上記発明では、点火プラグ周辺に生じる気流の方向が、放電アークを燃料噴霧に引き付けるのを妨げる方向となる状況を回避して放電アークを発生させる。これにより、放電アークを燃料噴霧に適切に引き付けることができ、ひいては着火性をより好適に向上させることができる。
請求項15記載の発明は、請求項14記載の発明において、前記複数のアクチュエータは、前記燃焼室内の気流を制御する気流制御手段を含むものであり、前記内燃機関の運転状態に基づき、該内燃機関の燃焼制御を行うべく前記気流制御手段を操作する燃焼制御手段を更に備え、前記設定手段は、該設定手段によって前記アクチュエータが操作される状況下において、前記気流制御手段の操作を制限する手段を備えることを特徴とする。
上記発明では、内燃機関の燃焼制御処理として、気流制御手段の操作によってスワール流などの気流を燃焼室内に生成させる処理が行われている。ただし、気流制御手段が操作されると、燃料噴射弁の方向へと放電アークが伸びたり、放電アークを燃料噴霧に引き付けたりするのを妨げる方向に気流が生成されることで、着火性が低下するおそれがある。この点、上記発明では、設定手段によって上記アクチュエータが操作される状況下において、気流制御手段の操作を制限する処理を行う。これにより、上記妨げる方向に気流が生成される事態の発生を抑制することができ、ひいては着火性が低下する事態の発生を抑制することができる。
請求項16記載の発明は、請求項1〜14のいずれか1項に記載の発明において、前記複数のアクチュエータは、前記燃焼室内の気流を制御する気流制御手段を含むものであり、前記設定手段は、前記点火プラグ周辺に生じる気流の方向と相関を有するパラメータに応じて、前記点火プラグ周辺に生じる気流の方向が、該点火プラグに最も近接する前記燃料噴霧へと前記放電火花が引き付けられるのを妨げない方向となるように前記気流制御手段を操作することを特徴とする。
上記発明では、上記態様にて気流制御手段を操作することで、放電アークを燃料噴霧に引き付けるための適切な気流を点火プラグ周辺に生成することができる。
請求項17記載の発明は、請求項1〜16のいずれか1項に記載の発明において、前記燃料噴射弁は、前記点火プラグに噴射燃料が直接衝突したり、前記電極間を前記噴射燃料が通過したりしないように前記燃料を噴射するものであり、前記点火プラグの中心軸線から該点火プラグに最も近接する前記燃料噴霧の中心軸線に下ろした垂線上であって且つ、該燃料噴霧の中心軸線に対して前記点火プラグの中心軸線の反対側にあって該燃料噴霧に接触しない位置に、前記内燃機関のシリンダヘッドから延びる突起物が配置されることを特徴とする。
上記発明では、上記態様にて突起物を配置することで、突起物付近を燃料噴霧が通過する際に燃料噴霧の流速が低下し、燃料噴霧によって形成された混合気の一部を点火プラグの電極間周辺へと導くことができ、電極間周辺に混合気を滞留させることができる。これにより、放電アークによる着火性を好適に向上させることができる。
請求項18記載の発明は、内燃機関の燃焼室内に突出する点火プラグと、該燃焼室内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁とを備える内燃機関において、前記燃料噴射弁には、複数の噴孔が形成されており、該複数の噴孔から噴射された燃料によって形成される複数の燃料噴霧のうち前記点火プラグを挟むように形成される2つの燃料噴霧のそれぞれと、該点火プラグの中心軸線との距離が相違することを特徴とする。
上記発明では、点火プラグを挟むように形成される2つの燃料噴霧のそれぞれと、点火プラグの中心軸線との距離を相違させることで、点火プラグの両電極間で発生する放電火花(放電アーク)を、上記2つの燃料噴霧のうち近い方に適切に引き付けることができる。更に、点火プラグ付近において混合気を適切に生成することもできる。これにより、着火性を好適に向上させることができ、ひいては内燃機関の燃焼状態の悪化を好適に抑制することができる。
請求項19記載の発明は、請求項18記載の発明において、前記点火プラグの接地電極のうち該点火プラグの中心電極と対向する部分へとつながる連結部分は、前記点火プラグの中心軸線から該点火プラグに最も近接する前記燃料噴霧の中心軸線に下ろした垂線に交わるように配置されていることを特徴とする。
上記発明では、上記態様にて連結部分を配置することで、連結部分付近を燃料噴霧が通過する際に燃料噴霧の流速が低下し、燃料噴霧によって形成された混合気の一部を点火プラグの電極間周辺へと導くことができる。これにより、電極間周辺に混合気を滞留させることができ、ひいては放電アークによる着火性を向上させることができる。
請求項20記載の発明は、請求項18記載の発明において、前記点火プラグの接地電極のうち該点火プラグの中心電極と対向する部分へとつながる連結部分は、前記点火プラグの中心軸線から該点火プラグに最も近接する前記燃料噴霧の中心軸線に下ろした垂線と該点火プラグの中心軸線とを含む平面のうち該点火プラグの中心軸線よりも前記最も近接する燃料噴霧側の面が、前記点火プラグの中心軸線を中心に、前記燃料噴射弁の中心軸線のうち該燃料噴射弁の先端部と交わるまで鋭角で回転した際に通過する空間を避けて配置されていることを特徴とする。
上記通過する空間に上記連結部分を配置すると、放電アークが燃料噴射弁の方向へと伸びたり、燃料噴射弁の方向へと伸びた放電アークが燃料噴霧の方向に引き付けられたりする際に、放電アークが連結部分に衝突することがある。この場合、放電アークを燃料噴霧に引き付けることができなくなり、着火性が低下するおそれがある。この点、上記発明では、連結部分を上記通過する空間を避けて配置することで、放電アークが連結部分に衝突することを極力抑制することができ、ひいては着火性が低下する事態の発生を抑制することができる。
請求項21記載の発明は、請求項18〜20のいずれか1項に記載の発明において、前記点火プラグの中心軸線から該点火プラグに最も近接する前記燃料噴霧の中心軸線に下ろした垂線上であって且つ、該燃料噴霧の中心軸線に対して前記点火プラグの中心軸線の反対側にあって該燃料噴霧に接触しない位置に、前記内燃機関のシリンダヘッドから延びる突起物が配置されていることを特徴とする。
上記発明では、上記態様にて突起物を配置することで、突起物付近を燃料噴霧が通過する際に燃料噴霧の流速が低下し、燃料噴霧によって形成された混合気の一部を点火プラグの電極間周辺へと導くことができ、電極間周辺に混合気を滞留させることができる。これにより、放電アークによる着火性を好適に向上させることができる。
第1の実施形態にかかるシステム構成図。 同実施形態にかかる点火制御システムの概略を示す構成図。 (a)は図1のα矢視図。(b)は燃料噴霧の拡大図。 第1の実施形態にかかる放電アークが燃料噴霧に引き付けられる頻度の計測結果を示す図。 同実施形態にかかる放電位置のHC濃度及び着火遅れ期間の計測結果を示す図。 接地電極の連結部分と燃料噴霧との位置関係を示す図。 第1の実施形態にかかる放電切れ発生態様の概略を示す図。 同実施形態にかかる点火信号のオン期間の可変設定処理の一例を示す図。 同実施形態にかかる点火制御処理の手順を示すフローチャート。 第2の実施形態にかかる点火制御システムの概略を示す構成図。 第3の実施形態にかかる点火制御システムの概略を示す構成図。 第4の実施形態にかかる点火制御処理の手順を示すフローチャート。 第5の実施形態にかかる点火制御処理の手順を示すフローチャート。 第6の実施形態にかかる直交配置の概略を示す図。 同実施形態にかかる着火遅れ期間及び燃焼変動率の計測結果を示す図。 第7の実施形態にかかる接地電極の連結部分の配置態様の概略を示す図。 第8の実施形態にかかる燃焼室内に生じる気流の発生態様の概略を示す図。 同実施形態にかかる点火制御処理の手順を示すフローチャート。 第9の実施形態にかかる引き付け促進処理の手順を示すフローチャート。 その他の実施形態にかかる多極電極を備える点火プラグの概略を示す図。 その他の実施形態にかかる接地電極の連結部分の概略を示す図。 その他の実施形態にかかる放電アーク引き付け効果と連結部分の配置態様との関係を示す図。 その他の実施形態にかかる突起物の配置態様の概略を示す図。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の制御装置をガソリンエンジンに適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に本実施形態にかかるシステム構成を示す。
図示されるエンジン10は、火花点火式内燃機関である。エンジン10の吸気通路12には、吸入される空気量(吸気量)を検出するエアフローメータ14が設けられている。吸気通路12のうち、エアフローメータ14の下流側は、吸気マニホールドを介してエンジン10の各気筒の燃焼室16とつながっている。なお、上記吸気マニホールドには、燃焼室16内に気流(スワール流やタンブル流等)を生じさせる気流制御弁15が設けられている。
エンジン10のシリンダヘッド17には、点火プラグ18が気筒毎に設けられており、プラグ先端に備えられた中心電極18a及び接地電極18bは燃焼室16内に突出している。また、上記シリンダヘッド17には、燃料ポンプ20によって燃料タンク22から汲み上げられる燃料を燃焼室16内に直接噴射供給する電磁駆動式の燃料噴射弁24が気筒毎に設けられている。詳しくは、燃料噴射弁24には複数の噴孔が形成され、これら噴孔から燃料が噴射される。なお、燃料ポンプ20と燃料噴射弁24とを接続する配管には、燃料噴射弁24に供給される燃料の圧力を検出する燃圧センサ26が設けられている。また、燃料ポンプ20には、図示しない電子制御式の弁体が備えられ、この弁体を通電操作することで、燃料噴射弁24の燃料噴射圧を調節することが可能となる。
上記シリンダヘッド17には更に、燃焼室16内の点火プラグ18周辺に生じる気体の流れ(気流)の方向を検出する気流センサ27が設けられている。詳しくは、気流センサ27は例えば、複数対の熱線式空気流量計を備えて構成され、各対の流量計から出力される信号を気流の方向を検出するための信号として出力するものである。なお、気流の方向を検出するセンサとしてはこれに限らず、例えば点火プラグ18に気流の方向を検出する機能を持たせたプラグ一体型のものであってもよい。
エンジン10の気筒毎に設けられた複数の吸気ポート及び排気ポートのそれぞれは、吸気バルブ28及び排気バルブ30のそれぞれにより開閉される。ここでは、吸気バルブ28の開弁によって燃焼室16内に導入された吸気と、燃料噴射弁24から噴射された燃料との混合気が、点火プラグ18の放電火花(放電アーク)によって着火され燃焼に供される。燃焼によって発生したエネルギは、ピストン32を介して、エンジン10の出力軸(クランク軸34)の回転エネルギとして取り出される。なお、燃焼に供された混合気は、排気バルブ30の開弁によって排気として図示しない排気通路に排出される。また、エンジン10には、クランク軸34付近でクランク軸34の回転角度を検出するクランク角度センサ36や、エンジン10を冷却する冷却水の温度を検出する水温センサ38等が設けられている。
電子制御装置(ECU40)は、エンジン10の各種制御に必要な各種アクチュエータを操作する制御装置である。ECU40は、CPU、RAM、ROM等からなるマイクロコンピュータを主体として構成されている。ECU40は、エアフローメータ14や、燃圧センサ26、気流センサ27、クランク角度センサ36、水温センサ38、更には点火プラグ18の両電極間に印加される電圧(2次電圧V2)を検出すべくこのプラグ内に備えられる2次電圧検出回路18c等の検出信号を逐次入力する。ECU40は、これらの信号に基づき、点火プラグ18に放電アークを発生させるべく気筒毎に設けられる点火コイル42(点火駆動手段)に点火信号IGtを出力する制御(点火制御)や、燃料噴射弁24による燃料噴射制御、燃料ポンプ20による燃圧制御、気流制御弁15による気流制御、更にはエンジン10の燃焼方式を切り替える制御等、エンジン10の燃焼制御を行う。
ここで、エンジン10の燃焼方式の切り替えについて説明すると、本実施形態にかかるエンジン10は、均質燃焼と、スプレーガイド方式の成層燃焼とが切り替え可能なものである。ここで、均質燃焼とは、吸気行程において燃料噴射弁24から噴射された燃料によって燃焼室16内に均質な混合気を生成し、この混合気を燃焼させるものである。一方、スプレーガイド方式の成層燃焼とは、圧縮行程後半において燃料噴射弁24から噴射された燃料によって点火プラグ18付近に直接的に混合気を生成し、この混合気を燃焼させるものである。ECU40は、機関運転状態に応じて均質燃焼させる制御と、成層燃焼させる制御とを切り替えることで、各制御に応じた上記燃料噴射制御や、点火制御等を行う。なお、均質燃焼によれば、エンジン10の出力トルクを大きくすることが可能となる。一方、成層燃焼によれば、混合気のリーン化を図ることができるため、燃費低減効果を向上させることが可能となる。
次に、本実施形態にかかる点火制御を行うための点火制御システムの構成について図2を用いて詳述する。
図示されるように、点火プラグ18の中心電極18a側には、上記2次電圧検出回路18cを介して点火コイル42を構成する2次コイル44の一端が接続されている。2次コイル44の他端は、このコイルから点火プラグ18の方向への電流の逆流を防止するダイオード46を介して接地されている。一方、点火コイル42を構成する1次コイル48は、その一端が所定電圧(例えば12V)の蓄電池(バッテリ50)に接続され、他端がバイポーラトランジスタ(以下、トランジスタ52)のコレクタに接続されている。
こうした構成において、トランジスタ52に入力されるECU40からのオン点火信号IGtによってトランジスタ52がオンされると、バッテリ50から供給される電流が1次コイル48に流れることで、1次コイル48に電気エネルギが蓄えられる。1次コイル48への通電後、ECU40からのオフ点火信号IGtによってトランジスタ52がオフされることに起因して2次コイル44に高電圧が誘起され、点火プラグ18の接地電極18b側から中心電極18a側へと電流(2次電流I2)が流れることで、点火プラグ18の両電極間に設けられる間隙(ギャップ)に放電アークが発生する。
次に、本実施形態にかかる燃料噴射態様について図3〜図6を用いて説明する。
まず、燃料噴射弁24の構成及び配置について図3を用いて説明する。詳しくは、図3(a)は、先の図1のα矢視図であり、図3(b)は、噴射燃料によって形成される燃料噴霧の拡大図である。
本実施形態では、図3(a)に示すように、燃料噴射弁24の複数の噴孔24a(図中、6つの噴孔を例示)が同燃料噴射弁24の周上に略等間隔に形成されている。このため、図示されるように、これら噴孔24aから噴射された各燃料噴霧の軌跡は、燃料噴射弁24の外周に対して放射状に略等間隔に伸びるものとなる。特に本実施形態では、上記燃料噴射弁24を、以下の(A)〜(C)の要件を満たすように配置する。
(A)燃料噴射弁24の複数の噴孔のそれぞれから噴射された燃料によって形成される複数の燃料噴霧のそれぞれに起因して圧力が低下すると想定される空間(圧力低下空間)のうち、いずれか1つのみの圧力低下空間内に点火プラグ18の両電極間の空間が含まれるとの要件:この要件は、放電アークによる着火性を向上させるためのものである。つまり、図3(a)に示すように、燃料噴射弁24からの噴射燃料にて形成されて且つ点火プラグ18を挟む2つの燃料噴霧60A,60Bの流動によって、燃料噴霧60A,60Bの流動方向とは略反対の方向である点火プラグ18から燃料噴射弁24へと向かう方向の気流が生じる。また、燃料噴射により燃料噴霧と空気との接触面においてせん断力が発生することで空気密度が低下するため、図3(b)に示すように、燃料噴霧周辺においてこの燃料噴霧に近づくほど圧力が低下する空間が生じ、燃料噴霧周辺の気体がこの燃料噴霧の方向へと流れる。このような状況下、図3(a)に示すように、複数の圧力低下空間のうち、いずれか1つの圧力低下空間VA内に含まれる点火プラグ18の両電極間で放電アークを発生させると、まず点火プラグ18から燃料噴射弁24へと向かう気流によって放電アークsprk1が燃料噴射弁24の方向へと伸びる。その後、燃料噴射弁24の方向へと伸びた放電アークsprk1が圧力の低い方へと伸びるように引き付けられる(図中、燃料噴霧60Aに引き付けられた放電アークをsprk2にて表記)。これにより、放電アークを燃料噴霧60Aに引き付けることができ、着火性を向上させることが可能となる。なお、図3(a)には、点火プラグ18を挟むように形成される2つの燃料噴霧60A,60Bに起因する圧力低下空間VA,VBのみを示す。
(B)上記複数の燃料噴霧のうち点火プラグ18を挟むように形成される2つの燃料噴霧60A,60Bのそれぞれと、点火プラグ18の中心軸線L(図1)との距離が相違するとの要件:本実施形態では、点火プラグ18の中心軸線Lに平行な平面に平行であって且つ燃料噴射弁24の中心軸線のうち燃料噴射弁24の先端部から上記中心軸線Lへと下ろした垂線を含む平面(仮想平面S)に対して非対称となるように2つの燃料噴霧60A,60Bを形成することで、上記要件(B)を満たしている。この要件によれば、点火プラグ18の両電極間の空間が上記いずれか1つのみの圧力低下空間VA内に含まれるような燃料噴霧を適切に形成することが可能となる。
(C)点火プラグ18に噴射燃料が直接衝突したり、噴射燃料がギャップを通過したりしないとの要件:この要件は、着火性の低下及びエミッションの増大を回避するためのものである。つまり、噴射燃料が点火プラグ18の両電極に直接衝突することに起因して、放電アークが切れる現象(放電切れ)が生じ、着火性が低下するおそれがある。また、噴射燃料が点火プラグ18の電極に衝突したり、噴射燃料がギャップを通過したりすることで、噴射燃料が電極に付着し、その後付着した燃料の燃焼によって電極に煤が付着することがある。この場合、放電アークを発生させると、放電アークが想定外の方向へと伸びることで、放電アークを燃料噴霧60Aに適切に引き付けることができず、着火性が低下するおそれがある。更には、噴射燃料が点火プラグ18に衝突することに起因して、混合気が適切に形成されず、エミッションが増大するおそれもある。このため、上記要件(C)を満たすように燃料噴射弁24を配置することで、放電切れを回避したり、付着した燃料の燃焼による煤の発生を抑制したり、更には混合気を適切に形成させたりすることができ、着火性の低下及びエミッションの増大を抑制することが可能となる。
なお、機関運転状態(エンジン回転速度や、エンジン負荷、燃料噴射圧、燃料噴射量)に応じて燃料噴霧の形成状態が相違するため、上記圧力低下空間は、機関運転状態に応じて変化する。したがって、実用上想定される機関運転状態において上記(A)〜(C)の要件を満たすような燃料噴射弁24の構成及び配置とすればよい。
次に、上記燃料噴射弁24の構成及び配置が着火性の向上に寄与する効果について図4〜図6を用いて説明する。また、以降、本実施形態にかかる燃料噴射弁24の構成及び配置を「非対称配置」と称することとする。
図4に、非対称配置が放電アークの引き付けに及ぼす影響を調べた結果を示す。詳しくは、放電アークが燃料噴霧に引き付けられる頻度の計測結果を示す。なお、図中、sprkAは、燃料噴霧60Aに引き付けられる放電アークを示し、sprkBは、燃料噴霧60Bに引き付けられる放電アークを示し、sprk0は、燃料噴霧60A,60Bのいずれにも引き付けられず、これら燃料噴霧の略中央に伸びる放電アークを示す。また、図中、sprkA,sprkBは、燃料噴射弁24の方向へと伸びた後に燃料噴霧60A,60Bに引き付けられた放電アークを示している。
図4(a)に示すように、上記非対称配置の場合、点火プラグ18の両電極が燃料噴霧60Aに起因する圧力低下空間VA内のみに含まれる。このため、点火プラグ18の両電極と近接する燃料噴霧60Aに放電アークを安定して引き付けることができ、着火性を向上させることが可能となる。これに対し、図4(b―1)に示すように、点火プラグ18を挟むように形成される2つの燃料噴霧60A,60Bが、仮想平面Sに対して非対称となるように燃料噴射弁24が配置される場合であっても、点火プラグ18の両電極間の空間が燃料噴霧60A,60Bの双方に起因する圧力低下空間VA,VB内に含まれるように燃料噴射弁24の噴孔24aが形成されるときには、これら圧力低下空間の干渉によってsprk0の発生頻度が増大することで、燃料噴霧に放電アークを引き付けることができる頻度が低下する。また、図4(b−2)に示すように、上記2つの燃料噴霧60A,60Bが仮想平面Sに対して非対称となるように燃料噴射弁24が配置されて且つ、点火プラグ18の両電極間の空間が燃料噴霧60Aに起因する圧力低下空間VA内のみに含まれる場合であっても、上記電極間の空間が圧力低下空間VAの影響を受けにくい状態となるように燃料噴射弁24の噴孔24aが形成されるときには、図2(b−1)と同様に、sprk0の発生頻度が増大することで、燃料噴霧に放電アークを引き付けることができる頻度が低下する。
なお、図4(c)に示すように、上記2つの燃料噴霧60A、60Bが、仮想平面Sに対して対称となるように燃料噴射弁24の噴孔24aが形成される場合には、sprk0の発生頻度が更に増大することで、燃料噴霧に放電アークを引き付けることができる頻度が更に低下する。
図5に、点火信号IGtがオンされるタイミング(点火タイミング)におけるHC濃度及び点火タイミングから混合気に着火するまでの期間(着火遅れ期間)に燃料噴射弁24の構成及び配置が及ぼす影響を調べた結果を示す。詳しくは、図5(a)に、放電アーク通過位置(放電位置)のHC濃度の平均値及び上下限値の計測結果を示し、図5(b)に、着火遅れ期間の平均値及び上下限値の計測結果を示す。なお、図中、「対称配置」とは、先の図4(c)の燃料噴射弁24の構成及び配置における計測結果を示し、「非対称配置」とは、先の図4(a)の燃料噴射弁24の構成及び配置における計測結果を示す。
図5(a)に示すように、非対称配置の場合、放電アークを燃料噴霧に安定して引き付けることができるため、対称配置の場合と比較して放電位置におけるHC濃度の平均値が大きくなる。これにより、図5(b)に示すように、非対称配置の場合、対称配置の場合と比較して着火遅れ期間の平均値が短くなって且つばらつきが大きく低減されるため、燃焼期間の初期における燃焼(初期燃焼)を良好なものとすることが可能となる。
このように非対称配置を採用する本実施形態によれば、点火プラグ18の取り付けに伴う誤差に起因して接地電極18bの向きにばらつきが生じたとしても、着火性を極力高く維持することができる。次に、これについて図6を用いて説明する。ちなみに、点火プラグ18の取り付け誤差は、点火プラグ18の外周部に形成されるねじ部がシリンダヘッド17のねじ孔に締め込まれて固定される際、ねじ部及びねじ孔の寸法公差や点火プラグ18の締め付け力のばらつき等に起因して生じるものである。
図6(a)は、先の図4(c)に示した対称配置を示し、図6(b)は、先の図4(a)に示した非対称配置を示す。
点火プラグ18の接地電極18bは、中心電極18aとの間にギャップを形成して配置される関係上、点火プラグ18の先端部においてL字状に延びて形成されている。このため、接地電極18bのうち中心電極18aと対向する部分へとつながる連結部分(中心軸線Lに平行に伸びる部分)は燃料噴霧と接触し得る。
ここで、図6(a)に示す90°及び270°の方向に上記連結部分が配置される場合には、燃料噴霧が連結部分に衝突することで燃料噴霧が点火プラグ18の両電極間のギャップへと導かれるため、着火性が低下する度合いが小さい。ただし、図6(a)に示す0°及び180°の方向に上記連結部分が配置される場合には、燃料噴霧が上記ギャップへと導かれないため、着火性が大きく低下するおそれがある。これに対し、図6(b)に示すように、非対称配置の場合は、放電アークを燃料噴霧に引き付けることができるため、上記連結部分の配置によって着火性が大きく変化する事態を極力回避することができる。
ところで、燃料噴射弁24の燃料噴射圧を高くすると、燃料噴霧速度が高くなるため、燃料噴霧に起因する圧力の低下度合いが大きくなる。このことに起因して、放電アークが燃料噴霧60Aに引き付けられる度合いが大きくなる。したがって、燃料噴霧速度が高い状態において、着火性の更なる向上を期待することができるとも考えられる。しかしながら、燃料噴霧速度が高くなると、燃料噴霧60Aの周辺に生じる気流の強度が大きくなるため、図7に示すように、この気流によって放電切れが生じるおそれがある。なお、上記気流の強度は、燃料噴射圧のみによっては定まらず、以下の(D)〜(F)のパラメータの値にも依存する。
(D)エンジン回転速度:エンジン回転速度が高くなると、ピストン32の変位速度が高くなる。この変位速度が高くなると、燃焼室16内への吸気の流入速度の上昇等に起因して、燃料噴霧60Aの周辺に生じる気流の強度が大きくなる。
(E)吸気量(エンジン負荷):吸気量が多くなると、燃焼室16内の気流の乱れが大きくなることに起因して、燃料噴霧60Aの周辺に生じる気流の強度が大きくなる。
(F)燃料噴射量:燃料噴射量が多くなると通常、燃料噴射時間が長くなるため、燃料噴霧60A周辺の気流が乱される時間が長くなることに起因して、燃料噴霧60A周辺に生じる気流の強度が大きくなる。
こうした問題を解決すべく、本発明者らは、燃料噴霧60A周辺の気流の強度に応じて点火プラグ18に供給される電気エネルギを適切に設定することで、放電切れの発生を抑制することができることを実験により見出した。この点に鑑み、本実施形態では、点火信号IGtのオン期間を、エンジン回転速度、エンジン負荷、燃料噴射圧及び燃料噴射時間に応じて可変設定する処理(可変設定処理)を行う。これにより、放電アーク発生時に点火プラグ18の両電極間を流れる2次電流I2の電流値及び2次電流I2が流れる時間(放電時間)をこれらパラメータに応じて可変とすることができ、放電切れの発生を抑制することが可能となる。ここで本実施形態では、上記可変設定処理を、エンジン回転速度及びエンジン負荷と点火信号IGtのオン期間とが関係付けられたマップを用い、ECU40におけるマップ演算により上記オン期間を可変設定する処理とする。これは、通常、エンジン回転速度及びエンジン負荷のそれぞれに対して燃焼状態を良好なものとする燃料噴射圧及び燃料噴射時間が適合されることに鑑み、この適合結果を基準として点火信号IGtのオン期間をエンジン回転速度及びエンジン負荷と関係付けることが可能であることに基づくものである。
図8に、本実施形態にかかる上記可変設定処理の一例を示す。詳しくは、図8(a)に、点火信号IGtの推移を示し、図8(b)に、2次電流I2の推移を示し、図8(c)に、2次電圧V2の推移を示す。
図8(c)の点線にて示すように、可変設定処理を行わない場合(点火信号IGtのオン期間が「t3−t2」で設定される場合)、時刻t3以降、2次電圧V2が上昇及び下降を繰り返している。これは、燃料噴霧60Aの周辺に生じる気流に起因して放電アークの発生及び放電切れが繰り返されるためである。これに対し、図8(a)の実線にて示すように、可変設定処理によって点火信号IGtのオン期間(t3−t1)が設定される場合は、図8(b)の実線にて示すように、2次電流I2の電流値を増大させるとともに、2次電流I2の放電時間を長くすることができる。これにより、図8(c)に実線にて示すように、2次電圧V2を大きく維持することができ、放電切れの抑制効果を奏することが可能となる。なお、図8(b)の一点鎖線にて示すように2次電流I2の電流値のみを増大させたり、同図の鎖線にて示すように2次電流I2の放電時間のみを長くしたりすることによっても、上記抑制効果に準じた効果を奏することが可能である。
図9に、本実施形態にかかる点火制御処理の手順を示す。この処理は、ECU40によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、機関運転状態取得処理を行う。具体的には、水温センサ38の出力値に基づく冷却水の温度、クランク角度センサ36の出力値に基づくエンジン回転速度及びエアフローメータ14の出力値に基づく吸気量(エンジン負荷)を取得する。
ステップS10の処理の完了後、ステップS12において、成層燃焼領域であるか否かを判断する。この処理は、現在の運転領域が、成層燃焼を行う運転領域であるか又は均質燃焼を行う運転領域であるかを判断するためのものである。具体的には、エンジン負荷及びエンジン回転速度と成層燃焼領域及び均質燃焼領域とが関係付けられたマップを用い、取得されたエンジン負荷及びエンジン回転速度に基づき、成層燃焼領域であるか否かを判断する。なお、冷却水の温度が所定温度以上であることに基づき、成層燃焼を許可するのが望ましい。これは、冷却水の温度が低いことに起因して燃焼室16内の燃焼状態が不安定となる事態を回避するためである。
ステップS12において成層燃焼領域であると判断された場合には、ステップS14に進み、点火信号IGtのオン期間の可変設定処理を行う。具体的には、上述したエンジン回転速度及びエンジン負荷と点火信号IGtのオン期間とが関係付けられたマップを用いて、上記オン期間を可変設定すればよい。
なお、上記ステップS12で否定判断された場合や、ステップS14の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)上記(A)〜(C)の要件を満たすように、燃料噴射弁24の構成及び配置を設定した。これにより、放電アークを燃料噴霧に適切に引き付けたり、点火プラグ18付近において混合気を適切に生成したり、噴射燃料が点火プラグ18の両電極に直接衝突することによる放電切れを回避したりすることができ、ひいては着火性を好適に向上させることができる。更に、点火プラグ18の接地電極18bのうち中心電極18aと対向する部分へとつながる連結部分の配置によって着火性が大きく変化する事態を極力回避することもできる。
(2)エンジン回転速度及びエンジン負荷と点火信号IGtのオン期間とが関係付けられたマップを用いて、上記オン期間を可変設定した。これにより、燃料噴霧60Aの周辺に生じる気流による放電切れを好適に抑制することで着火性をより好適に向上させることができ、ひいては燃焼状態の悪化を好適に抑制することができる。更に、放電切れを抑制するに際し、燃焼状態を良好なものとすべく適合された燃料噴射圧及び燃料噴射時間を変更しないため、燃焼状態の悪化を回避することもできる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図10に、本実施形態にかかる点火制御システムの構成を示す。なお、図10において、先の図2に示した部材と同一の部材については、便宜上同一の符号を示している。
図示されるように、本実施形態では、2次コイル44と直列接続されるコイルの数を変更するための複数(図中、3つを例示)の点火コイル(直列点火コイルSa〜Sc)を備え、これら直列点火コイルSa〜Sc内のコイルが2次コイル44と直列接続されている。そして、先の図9に示したステップS14の可変設定処理を、エンジン回転速度、エンジン負荷、燃料噴射圧及び燃料噴射時間に応じて2次コイル44と直列接続されるコイルの数を可変設定する処理とする。これは、コイル数の増大によって2次電流I2が流れる経路のインダクタンスを増大させることで、2次コイル44及びこれと直列接続されるコイルからの電気エネルギの放出速度を低下させることができ、先の図8(b)の破線にて示すように2次電流I2の放電時間を長くすることができることに鑑みた処理である。これにより、2次電流I2の放電時間を上記パラメータに応じて可変とすることが可能となる。ここで、直列点火コイルSa〜Sc内のそれぞれの1次コイル側は、所定電圧(例えば12V)の蓄電池(直列点火コイル用バッテリ70)と接続される直列用1次コイル72と、直列用トランジスタ74とを備えて構成されており、いずれも点火コイル42内の1次コイル48側の構成と同様な構成である。一方、直列点火コイルSa〜Sc内のそれぞれの2次コイル側は、直列用開閉器76(例えばリレー)及び直列接続2次コイル78の直列接続体と、迂回用開閉器80とを備えて構成されており、いずれも同様な構成である。なお、直列用1次コイル72と接続される蓄電池は、バッテリ50であってもよい。
こうした構成において、直列点火コイルSa〜Scのそれぞれの直列用開閉器76及び迂回用開閉器80に入力されるECU40からの信号によって直列用開閉器76及び迂回用開閉器80のうちいずれか一方のみを選択的にオンさせるとともに、直列用開閉器76がオンされた直列点火コイル内の直列用トランジスタ74に入力されるECU40からのオン点火信号(IGta〜IGtc)と、トランジスタ52に入力されるオン点火信号IGtとを同期させる。これにより、2次コイル44と直列接続されるコイル数を可変設定することができ、2次電流I2の放電時間を可変とすることが可能となる。
なお、本実施形態では、2次コイル44と直列接続される直列接続2次コイル78の数を、エンジン回転速度及びエンジン負荷とコイル数とが関係付けられたマップを用いて可変設定する。ここでは、燃料噴霧60Aの周辺に生じる気流の強度が大きいほど、上記コイル数が多く設定される。
このように、本実施形態では、上記可変設定処理によって2次コイル44と直列接続される直列接続2次コイル78の数を増大させることで、2次電流I2の放電時間を長くすることができる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図11に、本実施形態にかかる点火制御システムの構成を示す。なお、図11において、先の図2に示した部材と同一の部材については、便宜上同一の符号を示している。
図示されるように、本実施形態では、2次コイル44と並列接続されるコイルの数を変更するための複数(図中、3つを例示)の点火コイル(並列点火コイルPa〜Pc)を備え、これら並列点火コイルPa〜Pc内のコイルが2次コイル44と並列接続されている。そして、先の図9に示したステップS14の可変設定処理を、エンジン回転速度、エンジン負荷、燃料噴射圧及び燃料噴射時間に応じて2次コイル44と並列接続されるコイルの数を可変設定する処理とする。これは、コイル数の増大によって2次電流I2が流れる経路のインダクタンスを低下させることで、2次コイル44及びこれと並列接続されるコイルからの電気エネルギの放出速度を増大させることができ、先の図8(b)の一点鎖線にて示すように2次電流I2の電流値を増大させることができることに鑑みた処理である。これにより、2次電流I2の電流値を上記パラメータに応じて可変とすることが可能となる。ここで、点火コイル42内の2次コイル44の一端は、ダイオード46を介して2次電圧検出回路18cと接続されており、他端は接地されている。一方、並列点火コイルPa〜Pcのそれぞれは、所定電圧(例えば12V)の蓄電池(並列点火コイル用バッテリ82)と接続される並列用1次コイル84と、並列用トランジスタ86と、並列接続2次コイル88及び並列用ダイオード90の直列接続体とを備えて構成されており、いずれも点火コイル42の構成と同様な構成である。なお、並列用1次コイル84と接続される蓄電池は、バッテリ50であってもよい。
こうした構成において、トランジスタ52に入力されるオン点火信号IGtと同期させて出力されるECU40からのオン点火信号(IGta〜IGtc)の出力対象となる並列点火コイルPa〜Pcの数を変更する。これにより、2次コイル44と並列接続されるコイル数を可変設定することができ、2次電流I2の電流値を可変とすることが可能となる。
なお、本実施形態では、2次コイル44と並列接続される並列接続2次コイル88の数を、エンジン回転速度及びエンジン負荷とコイル数とが関係付けられたマップを用いて可変設定する。ここでは、燃料噴霧60Aの周辺に生じる気流の強度が大きいほど、上記コイル数が多く設定される。
このように、本実施形態では、上記可変設定処理によって2次コイル44と並列接続される並列接続2次コイル88の数を増大させることで、2次電流I2の電流値を増大させることができる。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、放電アークの発生状態を検出し、この検出結果に基づき点火プラグ18に供給される電気エネルギを増大させるべく点火信号IGtのオン期間(点火コイル42の操作量)を可変設定する処理(放電切れF/B制御処理)を行う。これは、エンジン10の燃焼制御のためのアクチュエータの経時劣化や機差等に起因して、放電切れを適切に抑制することができなくなる事態を回避するための処理である。つまり例えば、燃料噴射弁24の経時劣化によって燃料噴射弁24の噴射特性が変化したり、燃料噴射弁24の機差によって上記噴射特性が相違したりすることに起因して、燃料噴射弁24の操作状態に対する燃料噴射圧が高くなるおそれがある。また、吸気バルブ28のバルブ特性(開閉弁タイミング、リフト量)の機差に起因して、燃焼室16に導入される吸気量にばらつきが生じることで、燃料噴霧60A周辺に生じる気流の強度にばらつきが生じるおそれがある。これらの場合、燃料噴霧60A周辺に生じる気流の強度が、上記ステップS14の可変設定処理の適合時に想定されているものよりも大きくなることで、上記可変設定処理によって設定される点火信号IGtのオン期間が、放電切れを抑制するための適切な期間からずれるおそれがある。そこで、上記放電切れF/B制御処理を行うことで、上記アクチュエータの経時劣化等に起因する放電切れの抑制を図る。
図12に、本実施形態にかかる上記放電切れF/B制御処理を含む点火制御処理の手順を示す。この処理は、ECU40によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図12において、先の図9に示した処理に対応する処理については、便宜上同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、ステップS14の処理が完了すると、続くステップS16において上記放電切れF/B制御処理を行う。本実施形態では、放電切れが発生したと判断されることに基づき、点火信号IGtをオンするタイミングを進角させることで、上記ステップS14における可変設定処理で可変設定される点火信号IGtのオン期間を所定期間長くする処理とする。これにより、1次コイル48に蓄えられる電気エネルギを増大させることで、放電アーク発生時に点火プラグ18の両電極間を流れる2次電流I2の電流値を増大させるとともに、上記両電極間を2次電流I2の放電時間を長くする。ここで、放電切れが発生したか否かは、2次電圧検出回路18cの出力値から算出される2次電圧V2に基づき判断すればよい。具体的には、例えば、都度検出される2次電圧V2をECU40のメモリ内に記憶し、記憶された2次電圧V2の波形と、予めメモリ内に記憶された放電切れが生じない場合における2次電圧V2の波形とを照合することで判断すればよい。
更に、放電切れF/B制御処理で可変設定された点火信号IGtのオン期間を学習する手段を備えるようにしてもよい。これは、例えばエンジン回転速度及びエンジン負荷の値にて分割された複数の領域毎に、放電切れF/B制御処理によって補正された上記オン期間の補正量を記憶装置(例えばEEPROM等の不揮発性メモリが望ましい)に記憶させ、次回以降の上記可変設定処理において、学習された補正量によって上記ステップS14の処理を行うことで実現することができる。
なお、上記ステップS12で否定判断された場合や、ステップS16の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
このように、本実施形態では、放電切れが発生したと判断されることに基づき、点火信号IGtのオン期間を所定期間長くする処理を行った。これにより、エンジン回転速度及びエンジン負荷に応じて上記オン期間が規定されたマップの適合に際して想定された気流の強度と実際の気流の強度とにずれが生じる場合であっても、放電切れを抑制するように上記オン期間を補正することができる。
(第5の実施形態)
以下、第5の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態では、先の図9に示したステップS14の可変設定処理に代えて、燃料噴霧60A周辺の気流の強度に応じて燃料噴射弁24の燃料噴射圧及び燃料噴射時間を補正する処理(補正処理)を行う。これは、燃料噴射弁24の燃料噴射圧を低くすると、燃料噴霧速度が低くなることで燃料噴霧60A周辺に生じる気流の強度が小さくなること、及び燃料噴射時間を長くすると、燃料噴霧60Aに近づくほど圧力が低下する空間が生じる時間が長くなることで放電アークを燃料噴霧60Aに引き付けるための機会が増大することに鑑みてなされる処理である。つまり、例えば点火信号IGtのオン期間が従来の制御ロジックを流用して設定される場合等、上記オン期間が、燃料噴霧60A周辺の気流による放電切れを抑制するための適切な期間とならない場合、機関運転状態によっては放電切れが生じるおそれがある。そこで、燃料噴霧60Aの周辺に生じる気流によって放電切れが生じるおそれのある機関運転状態では、燃料噴射圧を低くすべく燃料ポンプ20の操作量を補正することで気流の強度を小さくするとともに、燃料噴射時間を長くすべく燃料噴射弁24の操作量を補正することで放電アークを引き付けるための機会を長くする。これにより、着火性を向上させることで、放電切れの抑制を図る。
図13に、本実施形態にかかる上記補正処理を含む点火制御処理の手順を示す。この処理は、ECU40によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図13において、先の図9に示した処理に対応する処理については、便宜上同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、ステップS12において成層燃焼領域であると判断された場合には、ステップS18に進み、上記補正処理を行う。本実施形態では、エンジン回転速度及びエンジン負荷(吸気量)と燃料噴射圧とが関係付けられたマップやエンジン回転速度及びエンジン負荷と燃料噴射時間とが関係付けられたマップを用いて設定される基本となる燃料噴射圧及び燃料噴射時間を、放電切れが生じるおそれの度合いに応じて補正する。ここで、放電切れが生じるおそれの度合いを評価するためのパラメータとしては、エンジン回転速度や、エンジン負荷、温度(冷却水温)等がある。ここでは、上記度合いを評価するためのパラメータが上記燃料噴射圧や燃料噴射時間を定めるマップの入力パラメータと相違するものを含むことが望ましい。更に、上記補正処理によって燃料噴射弁24の燃料噴射圧を過度に低くしないことが望ましい。これは、燃料噴射圧の低下によって混合気の生成が促進されなくなることで、燃焼状態が悪化する事態を回避するためである。
なお、上記ステップS12で否定判断された場合や、ステップS18の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
このように、本実施形態では、燃料噴射弁24の燃料噴射圧及び燃料噴射時間を、放電切れが生じるおそれの度合いに応じて補正する処理を行った。これにより、燃料噴霧60Aの周辺に生じる気流による放電切れを好適に抑制することで着火性を好適に向上させることができ、ひいては燃焼状態の悪化を好適に抑制することができる。
(第6の実施形態)
以下、第6の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
先の第1の実施形態では、燃料噴射弁24の配置及び構成を、図14(a)(先の図4(a)に対応)に示すように、上記(A)〜(C)の要件を満たすようなものとすることで、放電アークの引き付け効果を向上させ、着火性を向上させた。本実施形態では、シリンダヘッド17に点火プラグ18を組み付ける時に接地電極18bの向きを調節可能なエンジン10を採用することを条件として、燃料噴射弁24の構成及び配置を、図14(b)に示すように、上記(A)〜(C)の要件に加えて以下の(G)の要件を満たすようなものとする。
(G)接地電極18bのうち中心電極18aと対向する部分へとつながる連結部分を、点火プラグ18の中心軸線Lから点火プラグ18に最も近接する燃料噴霧60Aの中心軸線LAに下ろした垂線LOに交わるように配置するとの条件:この要件は、放電アークによる着火性の向上を図るためのものである。つまり、要件(G)を満たすように上記連結部分を配置すると、連結部分付近を燃料噴霧60Aが通過する際に燃料噴霧60Aの流速が低下し、燃料噴霧60Aによって形成された混合気の一部が点火プラグ18のギャップ周辺へと導かれる(燃料噴霧60Aがガイドされる)。これにより、ギャップ周辺に混合気を滞留させることができるため、着火性を向上させることが可能となる。なお、以降、上記要件(G)を満たす連結部分の配置態様を「直交配置」と称することとする。
図14(b)に示す直交配置によれば、例えば燃料噴射弁24や点火プラグ18の配置上の制約によって、放電アークの引き付け効果が小さくなるような燃料噴射弁24の配置及び構成(先の図4(b−1)、図4(b−2)参照)とせざるを得ない場合において、放電アークの引き付け効果の低下による着火性の低下を補償することができ、着火性を適切なものに維持することが可能となる。
図15に、上記直交配置が着火遅れ期間及びエンジン10の発生トルクの変動(燃焼変動率)に及ぼす影響を調べた結果を先の図14(a)に示した配置(非直交配置)の場合と対比して示す。なお、図中、「引き付け効果大」とは、「引き付け効果小」と比較して、点火プラグ18と燃料噴霧60Aとの距離が近い等、放電アークの引き付け効果が大きい場合のことを示している。
まず、放電アークの引き付け効果が大きい場合について説明する。詳しくは、図15(a−1)に、着火遅れ期間の平均値の計測結果を示し、図15(a―2)に、燃焼変動率の平均値の計測結果を示す。
図15(a−1)に示すように、直交配置によれば、燃料噴霧60Aがガイドされることで点火プラグ18のギャップ周辺に混合気を滞留させることができるため、直交配置とする場合の着火遅れ期間の平均値が、非直交配置とする場合と比較して短くなる。これにより、初期燃焼を良好なものとすることができ、図15(a−2)に示すように、直交配置とする場合の燃焼変動率の平均値が、非直交配置とする場合と比較して小さくなる。詳しくは、燃焼変動率の平均値が、ドライバに違和感を与えない観点から設定される閾値β以下となる。なお、図中、直交配置とする場合、点火プラグ18と燃料噴霧60Aとの距離が近いこと等によって噴射燃料が連結部分に衝突することとなる。
続いて、放電アークの引き付け効果が小さい場合について説明する。詳しくは、図15(b−1),図15(b−2)は、先の図15(a−1),図15(a−2)に対応している。
図15(b−1)に示すように、非直交配置とする場合の着火遅れ期間の平均値が、放電アークの引き付け効果が大きい場合と比較して長くなる。このため、初期燃焼を良好なものとすることができず、図15(b−2)に示すように、非直交配置とする場合の燃焼変動率の平均値が上記閾値βを超えることとなる。これに対し、放電アークの引き付け効果が小さい場合であっても、直交配置を採用する場合には、図15(b−1)に示すように、放電アークの引き付け効果の低下による着火性の低下を補償することができ、着火遅れ期間の平均値が短くなる。これにより、図15(b−2)に示すように、燃焼変動率の平均値が閾値β以下となる。
このように、本実施形態では、上記連結部分の配置態様を直交配置とすることで、放電アークによる着火性を適切なものとすることができる。
(第7の実施形態)
以下、第7の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態では、シリンダヘッド17に点火プラグ18を組み付ける時に接地電極18bの向きを調節可能なエンジン10を採用することを条件として、燃料噴射弁24の構成及び配置を、図16に示すように、上記(A)〜(C)の要件に加えて以下の(H)の要件を満たすようなものとする。
(H)接地電極18bの連結部分を、点火プラグ18の中心軸線Lから点火プラグ18に最も近接する燃料噴霧60Aの中心軸線LAに下ろした垂線LBと点火プラグ18の中心軸線Lとを含む平面のうち上記中心軸線Lよりも燃料噴霧60A側の面が、点火プラグの中心軸線Lを中心に、燃料噴射弁24の中心軸線のうち燃料噴射弁24の先端部と交わるまで鋭角で回転した際に通過する空間(図中、連結部分配置禁止範囲)を避けて配置するとの条件:この条件は、着火性が低下する事態の発生を回避するためのものである。つまり、連結部分配置禁止範囲に接地電極18bの連結部分を配置すると、放電アークが燃料噴射弁24の方向へと伸びたり、燃料噴射弁24の方向へと伸びた放電アークが燃料噴霧60Aに引き付けられたりする際に、放電アークが連結部分に衝突することがある。この場合、放電アークを燃料噴霧に引き付けることができず、着火性が低下するおそれがある。このため、連結部分配置禁止範囲に接地電極18bの連結部分を配置しないことで、放電アークが連結部分に衝突することを回避する。
このように、本実施形態では、上記態様にて接地電極18bの連結部分を配置することで、着火性が低下する事態の発生を回避することができる。
(第8の実施形態)
以下、第8の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態では、気流センサ27の出力値に基づき点火プラグ18周辺に生じる気流の方向を検出し、この検出結果に基づき、点火プラグ18周辺に生じる気流の方向が、点火プラグ18に最も近接する燃料噴霧60Aへと放電アークが引き付けられるのを妨げない方向であるか否かを推定する。そして上記妨げない方向であると推定された時期に、放電アークの発生タイミング(点火タイミング)を設定する点火制御処理を行う。これは、放電アークによる着火性を向上させるための処理である。つまり、図17(a)に示すように、燃焼室16内において仮想平面S側から燃料噴霧60A側へと向かう方向に気流が生じる場合、点火プラグ18周辺に生じる気流の方向が、燃料噴霧60Aへと放電アークが引き付けられるのを促進する方向となる。このため、燃焼室16内に生じる気流が、燃料噴射弁24の方向へと放電アークが伸びたり、放電アークを燃料噴霧60Aに引き付けたりするのを妨げる外乱とならず、着火性が低下するおそれはない。なお、図17(b)に示すように、燃焼室16内に気流が生じない場合にも、着火性が低下するおそれはない。
これに対し、燃焼室16内において、図17(c)に示すように燃料噴射弁24側から点火プラグ18側へと向かう方向や、図17(d)に示すように点火プラグ18側から燃料噴射弁24側へと向かう方向、更には図17(e)に示すように仮想平面S側から燃料噴霧60B側へと向かう方向の気流が生じる場合には、点火プラグ18周辺の気流が乱されることとなる。このため、燃焼室16内に生じる気流が、燃料噴射弁24の方向へと放電アークが伸びたり、放電アークを燃料噴霧60Aに引き付けたりするのを妨げる外乱となるおそれがある。この場合、放電アークを燃料噴霧60Aに適切に引き付けることができず、着火性が低下するおそれがある。このため、上記点火制御処理によれば、着火性が低下しないと想定される状況下において放電アークを発生させることができ、着火性の向上を図ることが可能となる。
図18に、本実施形態にかかる点火制御処理の手順を示す。この処理は、ECU40によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図18において、先の図9に示した処理に対応する処理については、便宜上同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、ステップS12において成層燃焼領域であると判断された場合には、ステップS20に進み、気流制御禁止処理を行う。この処理は、着火性が低下する事態の発生を抑制するための処理である。つまり、スワール流やタンブル流などが生成されると、点火プラグ18周辺の気流が乱されることに起因して、放電アークが燃料噴射弁24の方向へと伸びたり、放電アークを燃料噴霧60Aに引き付けたりするのを妨げる気流が点火プラグ18周辺に生じるおそれがある。このため、上記気流制御禁止処理を行うことで、放電アークが燃料噴射弁24の方向へと伸びること等を妨げる気流が点火プラグ18周辺に生成される事態の発生を抑制し、着火性が低下する事態の発生を抑制する。
続くステップS22では、気流方向取得処理を行う。この処理は、点火プラグ18周辺に生じる気流の方向の検出値を取得するための処理である。
続くステップS24では、取得された気流の方向の検出値に基づき、点火プラグ18周辺に生じる気流の方向が、燃料噴霧60Aへと放電アークが引き付けられるのを妨げない方向であると推定された時期に点火タイミングを設定する処理を行う。ここで上記点火タイミングを設定する処理は、具体的には例えば、機関運転状態と関係付けられた点火タイミングが規定されるマップから算出される点火タイミングを、過去の燃焼サイクルにおける気流の方向の検出値に基づき補正する処理とすればよい。また、上記妨げない方向であるか否かの推定手法について説明すると、具体的には、検出された気流の方向が、点火プラグ18から燃料噴霧60Aへと向かう方向又は点火プラグ18から燃料噴射弁24へと向かう方向であると判断された場合、上記妨げない方向であると推定すればよい。
なお、上記ステップS12で否定判断された場合や、ステップS24の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
このように、本実施形態では、気流制御禁止処理とともに、点火プラグ18周辺に生じる気流の方向が、燃料噴霧60Aへと放電アークが引き付けられるのを妨げない方向であると推定された時期に点火タイミングを設定する処理を行うため、放電アークによる着火性を好適に向上させることができる。
(第9の実施形態)
以下、第9の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態では、点火プラグ18周辺に生じる気流の方向が、点火プラグ18に最も近接する燃料噴霧60Aへと放電アークが引き付けられるのを妨げない方向となるように気流制御弁15を通電操作する処理である引き付け促進処理を行う。これにより、放電アークによる着火性の向上を図る。
図19に、本実施形態にかかる上記引き付け促進処理の手順を示す。この処理は、ECU40によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図19において、先の図9に示した処理に対応する処理については、便宜上同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、ステップS12において成層燃焼領域であると判断された場合には、ステップS26に進み、上記引き付け促進処理を行う。詳しくは、引き付け促進処理として、機関運転状態毎に予め規定される点火タイミングにおける点火プラグ18周辺に生じる気流の方向を、点火プラグ18から燃料噴霧60Aへと向かう方向又は点火プラグ18から燃料噴射弁24へと向かう方向(気流の方向の目標値)とすべく気流制御弁15を通電操作する処理を行う。具体的には、上記予め規定される点火タイミング近傍における気流の方向の検出値(実際の気流の方向)に基づき、実際の気流の方向を上記目標値にフィードバック制御すべく気流制御弁15を通電操作すればよい。
なお、上記ステップS12で否定判断された場合や、ステップS26の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
このように、本実施形態では、引き付け促進処理によって、点火タイミングにおいて点火プラグ18周辺に生じる気流の方向を、燃料噴霧60Aへと放電アークが引き付けられるのを妨げない方向とすることができるため、放電アークによる着火性を好適に向上させることができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記第1の実施形態では、燃料噴射弁24に複数の噴孔が形成されるものとしたがこれに限らない。例えば、燃料噴射弁24に形成される噴孔が1つのみであってもよい。
・上記第1の実施形態では、非対称配置を採用したがこれに限らない。例えば、対称配置を採用してもよい。この場合、点火プラグ18を挟むように形成される2つの燃料噴霧の貫徹力を相違させることで、点火プラグ18の両電極間の空間が1つのみの圧力低下空間内に含まれるようにすればよい。
・上記各実施形態では、点火プラグ18に設けられる接地電極が1つのものを例示したがこれに限らない。例えば接地電極が複数設けられるものであってもよい。この場合、中心電極及びこれら接地電極の間の空間が1つのみの圧力低下空間内に含まれるような燃料噴射弁24の構成及び配置とすればよい。もっとも、図20に例示するように、中心電極及びこれら接地電極のそれぞれの間の空間の中に圧力低下空間内に含まれないものがあってもよい。
・上記各実施形態では、点火プラグ18の接地電極18bを、この点火プラグ18の先端部においてL字状に延びて形成されるものとしたがこれに限らない。例えば、図21に示すように、接地電極のうち中心電極と対向する部分へとつながる連結部分がねじれるように延びて形成されるものとしてもよい。この場合、連結部分の配置態様を上記第6の実施形態における直交配置とするには、例えば、点火プラグ18への連結部分の取り付け部を、点火プラグ18の中心軸線Lから点火プラグ18に最も近接する燃料噴霧60Aの中心軸線LAに下ろした垂線LOに交わるように配置すればよい。
・上記各実施形態では、燃料噴射弁24の複数の噴孔24aが同燃料噴射弁24の周上に略等間隔に形成されることとしたがこれに限らない。例えば、複数の燃料噴霧のうち点火プラグ18を挟むように形成される2つの燃料噴霧60A,60B以外の燃料噴霧を噴射するための噴孔の形成位置を、エンジン10の出力を向上させる等、エンジン10の設計コンセプトに応じて任意に形成させることとしてもよい。
・本願発明が適用される内燃機関としては、スプレーガイド方式の成層燃焼を行うものに限らない。例えば、点火タイミングにおいて、点火プラグ18の両電極間の空間が1つのみの圧力低下空間内に含まれるような燃料噴射弁24の構成及び配置をとる他の燃焼方式の内燃機関があるなら、この内燃機関に適用してもよい。
・点火信号IGtのオン期間(点火コイル42の操作量)を可変設定する手法としては、上記第1の実施形態に例示したものに限らない。例えば、エンジン回転速度、エンジン負荷、燃料噴射圧及び燃料噴射時間に応じて点火信号IGtのオン期間が規定された4次元マップを用いたものであってもよい。また、上記オン期間を可変設定するためのパラメータとしては、エンジン回転速度、エンジン負荷、燃料噴射圧及び燃料噴射時間に限らず、例えば、これらパラメータのうち少なくとも1つ以上(全部を除く)としてもよい。
・上記第1の実施形態では、放電切れを抑制すべく可変設定されるパラメータを点火信号IGtのオン期間としたがこれに限らない。例えば、燃料噴射弁24の燃料噴射圧及び燃料噴射時間であってもよい。この場合、エンジン回転速度及びエンジン負荷に応じて燃料噴射圧及び燃料噴射時間が規定されたマップを用いて、燃料噴射圧及び燃料噴射時間を可変設定すればよい。ここで、上記マップは、エンジン回転速度及びエンジン負荷から想定される気流の強度が大きいほど燃料噴射圧を低下させたり、燃料噴射時間を伸長させたりするものとすればよい。
・点火コイル42の操作量としては、上記第1〜第3の実施形態に例示したものに限らない。例えば、点火コイル42内において、バッテリ50と1次コイル48との間に昇圧回路(コンバータ)を更に備える場合、1次コイル48に印加される電圧を可変とするための昇圧回路に対する操作量であってもよい。
・放電切れの検出手法としては、上記第4の実施形態に例示したものに限らない。例えば、2次電流I2を検出する手段を更に備え、放電切れが発生する場合における2次電流I2の波形と、放電切れが生じない場合における2次電流I2の波形との比較に基づき放電切れが発生したか否かを判断してもよい。
・上記第4の実施形態では、放電切れが発生したと判断された場合、点火信号IGtのオン期間を伸長操作することで放電切れF/B制御処理を行ったがこれに限らない。例えば、放電切れが発生したと判断された場合、燃料噴射弁24の燃料噴射圧を低くすべく燃料ポンプ20の操作量を可変設定したり、上記燃料噴射圧を低くするとともに、燃料噴射時間を長くすべく燃料ポンプ20の操作量を可変設定したりする処理としてもよい。
・上記第5の実施形態では、上記補正処理を、燃料噴射弁24の燃料噴射圧とともに燃料噴射時間を補正する処理としたがこれに限らない。例えば、燃料噴射弁24の燃料噴射圧のみを補正する処理としてもよい。この場合であっても、上記第5の実施形態における効果に準じた効果を得ることはできる。
・燃料噴霧の周辺に生じる気流の強度と相関を有するパラメータに応じてエンジン10の燃焼制御のためのアクチュエータの操作量を設定する手法としては、点火信号IGtのオン期間を可変設定する処理及び燃料噴射弁24の燃料噴射圧・燃料噴射時間を補正する処理のうちいずれかを行うものに限らない。例えばこれら双方の処理を行うものであってもよい。この場合、例えば、上記オン期間を可変設定する処理によって点火プラグ18に供給可能な電気エネルギがその上限値を超える場合、更に上記燃料噴射圧等を補正する処理によって燃料噴射圧を低下させるとともに、燃料噴射時間を長くすればよい。ちなみに、同一量の燃料を噴射するためには燃料噴射圧が低いほど燃料噴射時間を伸長させる必要があることに鑑みれば、燃料噴射圧の低下処理と燃料噴射時間の伸長処理とについては、ともになされるようにすることが望ましい。
・非直交配置としては、先の図4(a)に示したものに限らず、上記(C)の要件を満たすべく上記連結部分を、先の図14(a)に示す「連結部分配置可能範囲」上の任意の位置に配置するものであってもよい。ただし、直交配置を採用することができる燃料噴射弁24の配置及び構成であるならば、直交配置を採用することが望ましい。これは、燃料噴射弁24の配置及び構成に対して、直交配置及び非直交配置のうちいずれを採用すべきかについて明確な境界を設けることが困難であると考えられることに基づくものである。つまり、図22に示すように、放電アークによる着火性を適切なものに維持する観点から放電アークの引き付け効果と対応させて直交配置及び非直交配置の採用可能範囲を定性的に示すことはできるものの、実際には、直交配置及び非直交配置のうちいずれを採用すべきかについての境界を設けることは困難であると考えられる。このため、例えば燃料噴射弁24の配置及び構成が、例えば先の図4(b−1)や図4(b−2)に示した配置及び構成等、放電アークの引き付け効果が小さい配置及び構成となる場合には、着火性を適切なものに維持すべく直交配置を採用することが望ましい。
・上記各実施形態において、図23に示すように、点火プラグ18の中心軸線Lから点火プラグ18に最も近接する燃料噴霧60Aの中心軸線LAに下ろした垂線LO上であって且つ、燃料噴霧60Aの中心軸線LAに対して点火プラグ18の中心軸線Lの反対側にあって燃料噴霧60Aに接触しない位置に、シリンダヘッド17から延びる突起物92を配置してもよい。これにより、例えば燃料噴射弁24の配置上の制約によって、接地電極18bの連結部分について上記非直交配置を採用せざるを得ない場合であっても、燃料噴霧60Aをガイドすることができ、直交配置を採用する場合と同様に着火性の向上を図ることができる。
・上記第8の実施形態において、気流制御禁止処理に代えて、気流制御弁15の操作によって生成されるタンブル流等の強度を通常時の気流制御が行われる場合の強度よりも低下させるべく、気流制御弁15の操作を制限する処理を行ってもよい。
・点火プラグ18周辺に生じる気流の方向についての情報としては、上記第8の実施形態に例示したもの(気流センサ27による気流の方向の検出値)に限らない。例えば、燃焼室16内の光量等の光学的なパラメータの値を検出するセンサと、燃料噴霧60Aに着火させるための放電アークを発生させる以前に、点火プラグ18周辺に生じる気流の方向を検出するための放電アーク(プレ放電)を発生させる処理を行う手段とを備え、上記センサの出力値に基づくプレ放電の挙動を点火プラグ18周辺に生じる気流の方向についての情報としてもよい。これは、気流の方向へと放電アークが伸びることに鑑みたものである。なおこの場合、プレ放電によって燃料噴霧60Aに着火される事態を回避すべく、プレ放電を発生させるタイミングを、燃料噴霧60Aに着火されるおそれのない期間に設定すればよい。
・上記第9の実施形態では、点火プラグ18周辺に生じる気流の方向を気流制御弁15の操作によって制御したがこれに限らない。例えば、各気筒について、複数の吸気ポートのそれぞれの開閉タイミングを相違させたり、複数の吸気ポートのうち一部のみを開閉させたり、上記吸気ポートの閉弁タイミングを遅延させたりすること等によって気流の方向を制御することができるなら、吸気バルブ28の開閉操作によって制御してもよい。
・引き付け促進処理としては、上記第9の実施形態に例示したものに限らない。例えば、点火プラグ18周辺に生じる気流の方向を燃料噴霧60Aへと放電アークが引き付けられるのを妨げない方向とすることが可能な気流制御弁15の操作態様と、機関運転状態(エンジン回転速度や、吸気量、吸気バルブ28及び排気バルブ30の開閉タイミング等)とを関係付けて予め適合することができるなら、機関運転状態を入力としたフィードフォワード制御によって気流制御弁15を通電操作することで点火タイミングにおける気流の方向を制御してもよい。
10…エンジン、15…気流制御弁、16…燃焼室、18…点火プラグ、18a…中心電極、18b…接地電極、20…燃料ポンプ、24…燃料噴射弁、27…気流センサ、40…ECU(内燃機関の制御装置の一実施形態)、42…点火コイル。

Claims (21)

  1. 内燃機関の燃焼制御のための複数のアクチュエータとして、前記内燃機関の燃焼室内に燃料を直接噴射すべく操作される燃料噴射弁と、前記燃焼室内に突出する点火プラグの電極間に放電火花を発生させるべく操作される点火駆動手段とを含む内燃機関に適用され、
    前記噴射された燃料によって形成される燃料噴霧周辺に生じる気流の強度又は前記点火プラグ周辺に生じる気流の方向と相関を有するパラメータに応じて、前記複数のアクチュエータのうち少なくとも1つの操作量を可変設定する設定手段を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記燃料噴射弁は、前記噴射された燃料によって形成される単一の燃料噴霧に起因して圧力が低下すると想定される空間内に前記電極間の空間が含まれるように燃料を噴射するものであることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記燃料噴射弁は、複数の噴孔が形成されるものであり、該複数の噴孔から噴射された燃料によって形成される複数の燃料噴霧のそれぞれに起因して圧力が低下すると想定される空間のうち、いずれか1つの空間内に前記電極間の空間が含まれるように燃料を噴射するものであることを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記燃料噴射弁は、前記複数の燃料噴霧のうち前記点火プラグを挟むように形成される2つの燃料噴霧のそれぞれと、該点火プラグの中心軸線との距離が相違するように燃料を噴射するものであることを特徴とする請求項3記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記燃料噴射弁は、前記点火プラグに噴射燃料が直接衝突したり、前記電極間を前記噴射燃料が通過したりしないように前記燃料を噴射することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記点火プラグの接地電極のうち該点火プラグの中心電極と対向する部分へとつながる連結部分は、前記点火プラグの中心軸線から該点火プラグに最も近接する前記燃料噴霧の中心軸線に下ろした垂線に交わるように配置されていることを特徴とする請求項5記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記点火プラグの接地電極のうち該点火プラグの中心電極と対向する部分へとつながる連結部分は、前記点火プラグの中心軸線から該点火プラグに最も近接する前記燃料噴霧の中心軸線に下ろした垂線と該点火プラグの中心軸線とを含む平面のうち該点火プラグの中心軸線よりも前記最も近接する燃料噴霧側の面が、前記点火プラグの中心軸線を中心に、前記燃料噴射弁の中心軸線のうち該燃料噴射弁の先端部と交わるまで鋭角で回転した際に通過する空間を避けて配置されていることを特徴とする請求項5記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記設定手段は、前記気流の強度と相関を有するパラメータに応じて、前記点火プラグに供給される電気エネルギを可変とすべく前記点火駆動手段の操作量を可変設定することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記設定手段は、前記点火プラグを流れる電流値及び該点火プラグに電流が流れる時間のうち少なくとも1つを可変とすることで、前記電気エネルギを可変とすることを特徴とする請求項8記載の内燃機関の制御装置。
  10. 前記複数のアクチュエータは、前記燃料噴射弁の燃料噴射圧を調節すべく操作される燃圧調節手段を含むものであり、
    前記設定手段は、前記燃料噴射圧を低くすべく前記燃圧調節手段の操作量を補正することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  11. 前記設定手段は、前記燃料噴射弁の燃料噴射時間を長くすべく該燃料噴射弁の操作量を補正することを特徴とする請求項10記載の内燃機関の制御装置。
  12. 前記放電火花の発生状態を検出する検出手段を更に備え、
    前記設定手段は、前記検出された放電火花の発生状態を前記気流の強度と相関を有するパラメータとして用いて、前記複数のアクチュエータのうち少なくとも1つの操作量を可変設定することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  13. 前記気流の強度と相関を有するパラメータには、前記内燃機関の負荷と相関を有するパラメータ及び機関回転速度のうち少なくとも一方が含まれることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  14. 前記点火プラグ周辺に生じる気流の方向についての情報を取得する取得手段を更に備え、
    前記設定手段は、該取得手段の取得値を前記気流の方向と相関を有するパラメータとして用いて、前記点火プラグ周辺に生じる気流の方向が、該点火プラグに最も近接する前記燃料噴霧へと前記放電火花が引き付けられるのを妨げない方向であるか否かを推定する推定手段を備え、該推定手段によって前記妨げない方向であると推定された時期に、前記放電火花を発生させるべく前記点火駆動手段を操作することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  15. 前記複数のアクチュエータは、前記燃焼室内の気流を制御する気流制御手段を含むものであり、
    前記内燃機関の運転状態に基づき、該内燃機関の燃焼制御を行うべく前記気流制御手段を操作する燃焼制御手段を更に備え、
    前記設定手段は、該設定手段によって前記アクチュエータが操作される状況下において、前記気流制御手段の操作を制限する手段を備えることを特徴とする請求項14記載の内燃機関の制御装置。
  16. 前記複数のアクチュエータは、前記燃焼室内の気流を制御する気流制御手段を含むものであり、
    前記設定手段は、前記点火プラグ周辺に生じる気流の方向と相関を有するパラメータに応じて、前記点火プラグ周辺に生じる気流の方向が、該点火プラグに最も近接する前記燃料噴霧へと前記放電火花が引き付けられるのを妨げない方向となるように前記気流制御手段を操作することを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  17. 前記燃料噴射弁は、前記点火プラグに噴射燃料が直接衝突したり、前記電極間を前記噴射燃料が通過したりしないように前記燃料を噴射するものであり、
    前記点火プラグの中心軸線から該点火プラグに最も近接する前記燃料噴霧の中心軸線に下ろした垂線上であって且つ、該燃料噴霧の中心軸線に対して前記点火プラグの中心軸線の反対側にあって該燃料噴霧に接触しない位置に、前記内燃機関のシリンダヘッドから延びる突起物が配置されることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  18. 内燃機関の燃焼室内に突出する点火プラグと、該燃焼室内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁とを備える内燃機関において、
    前記燃料噴射弁には、複数の噴孔が形成されており、
    該複数の噴孔から噴射された燃料によって形成される複数の燃料噴霧のうち前記点火プラグを挟むように形成される2つの燃料噴霧のそれぞれと、該点火プラグの中心軸線との距離が相違することを特徴とする内燃機関。
  19. 前記点火プラグの接地電極のうち該点火プラグの中心電極と対向する部分へとつながる連結部分は、前記点火プラグの中心軸線から該点火プラグに最も近接する前記燃料噴霧の中心軸線に下ろした垂線に交わるように配置されていることを特徴とする請求項18記載の内燃機関。
  20. 前記点火プラグの接地電極のうち該点火プラグの中心電極と対向する部分へとつながる連結部分は、前記点火プラグの中心軸線から該点火プラグに最も近接する前記燃料噴霧の中心軸線に下ろした垂線と該点火プラグの中心軸線とを含む平面のうち該点火プラグの中心軸線よりも前記最も近接する燃料噴霧側の面が、前記点火プラグの中心軸線を中心に、前記燃料噴射弁の中心軸線のうち該燃料噴射弁の先端部と交わるまで鋭角で回転した際に通過する空間を避けて配置されていることを特徴とする請求項18記載の内燃機関。
  21. 前記点火プラグの中心軸線から該点火プラグに最も近接する前記燃料噴霧の中心軸線に下ろした垂線上であって且つ、該燃料噴霧の中心軸線に対して前記点火プラグの中心軸線の反対側にあって該燃料噴霧に接触しない位置に、前記内燃機関のシリンダヘッドから延びる突起物が配置されていることを特徴とする請求項18〜20のいずれか1項に記載の内燃機関。
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