JP2011094362A - 浮沈式水域汚染拡散防止システム及び水域汚染拡散防止方法 - Google Patents

浮沈式水域汚染拡散防止システム及び水域汚染拡散防止方法 Download PDF

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Abstract

【課題】陸上部から確実に汚濁防止膜を遠隔操作でき、かつ、汚濁防止膜の沈下状況を確認できる浮沈式水域汚染拡散防止システム及び水域汚染拡散防止方法を提供する。
【解決手段】この浮沈式水域汚染拡散防止システム10は、水面Sに浮上しかつ水中に沈下可能なフロータ1と、水中に垂下するようにフロータに連結されたカーテン状の汚染防止膜2と、フロータに対する給気・排気のための給排気手段4,6と、給排気手段を制御するための制御手段7,8と、フロータの水深情報を得るための圧力センサ1aと、を備え、制御手段による携帯電話網を介した遠隔操作でフロータにおける給排気手段の排気バルブ6による排気を制御してフロータの沈下を制御するとともに、圧力センサによるフロータの水深情報を携帯電話網を介して取得する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水域で発生する汚濁の拡散を防止するための浮沈式水域汚染拡散防止システム及び水域汚染拡散防止方法に関する。
従来、海洋を主とする公有水面等での浚渫工事や埋立工事等において、発生する汚濁の拡散を物理的に防止し、周辺へ濁りの影響を与えないようにするために、作業区域を囲むように膜材が設置されている。汚濁防止膜とは、この膜材から主に構成された複合的な構造物をいうが、このうちの浮沈式汚濁防止膜は浮上・沈下可能に構成されたものである。
従来の浮沈式汚濁防止膜について図19により説明する。浮沈式汚濁防止膜は、図19(a)のように、垂下型のカーテンと、カーテンとともに浮上・沈下が可能なフロータとを有し、係留部としてアンカーロープとアンカーとを有し、緩衝ブイを介してフロータを係留する。係留部のアンカーとしてはコンクリートブロックが用いられることが多い。フロータは、合成ゴム製であり、フロータ内の空気を出し入れすることにより浮上、沈下させることができる。従来の浮沈式汚濁防止膜の沈下作業は、フロータ端部に接続したホース先端の排気弁を機側にて手動で開き、図19(b)のように、フロータ内の空気を排出してフロータとともにカーテンを水底へと沈下させる。この沈下により工事区域の工事船舶の出入口確保や台風等の荒天時の緊急待避が可能となる。
また、特許文献1は、フロータの浮沈作業を送信機と受信機により無線で遠隔操作することを開示する。また、特許文献2は主のフロータを浮上させるための給排気弁を補助ロータで浮上させることを開示する。また、特許文献3は、マリンホースやオイルフェンスに適用される、強制沈下ブイが接続された浮沈式長尺物の強制沈下構造を開示する。
特開平09−328740号公報 特開平10−280373号公報 特開昭62−111015号公報
荒天時に従来通り汚濁防止膜の沈下作業を機側にて行うことは、落水等の危険性があるため、かかる危険防止のために特別な対策が必要である。一方、陸上から遠隔操作で汚濁防止膜の沈下作業を行う場合、沈下状況を確認できないという問題があった。例えば、船舶の航行のために汚濁防止膜を沈下させる場合、船舶が安全に航行できる水深まで汚濁防止膜が沈下したか否かを確認することができない。さらに、広範囲の水域に汚濁防止膜を設置している場合、何らかの原因で汚濁防止膜が破損して沈んでしまったとき、発見するまで時間がかかる。
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、陸上部から確実に汚濁防止膜を遠隔操作でき、かつ、汚濁防止膜の沈下状況を確認できる浮沈式水域汚染拡散防止システム及び水域汚染拡散防止方法を提供することを目的とする。また、広範囲に汚濁防止膜を設置した場合でも、一括して確実に管理できる浮沈式水域汚染拡散防止システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための浮沈式水域汚染拡散防止システムは、水面に浮上しかつ水中に沈下可能なフロータと、水中に垂下するように前記フロータに連結されたカーテン状の汚染防止膜と、前記フロータに対する給気・排気のための給排気手段と、前記給排気手段を制御するための制御手段と、前記フロータの水深情報を得るための圧力センサと、を備え、前記制御手段による無線通信網を介した遠隔操作で前記フロータにおける前記給排気手段の排気バルブによる排気を制御して前記フロータの沈下を制御するとともに、前記圧力センサによる前記フロータの水深情報を前記無線通信網を介して取得することを特徴とする。
この浮沈式水域汚染拡散防止システムによれば、フロータにおける排気バルブによる排気を無線通信網による遠隔操作により制御してフロータの沈下を制御することができるので、陸上部や遠隔地から安全かつ確実に汚濁防止膜の沈下を遠隔操作できる。また、圧力センサによりフロータの水深情報を無線通信網を介して取得するので、汚濁防止膜に近づかなくとも汚濁防止膜の沈下状況を陸上部や遠隔地において確実に確認することができる。
上記浮沈式水域汚染拡散防止システムにおいて前記フロータは中空筒状の形状及び弾力性を有し、前記給排気手段は、前記フロータの中空内部に連続して通された給気・排気のための給排気ホースを有し、前記給排気ホースは、前記フロータの中空内部においてホースの内外に通気可能とされ、その先端を前記フロータ外に開口させて給排気口とするとともに、可撓性と、前記フロータ内部が排気されて所望深さに沈下されても潰れない保形性と、を有することが好ましい。これにより、フロータの沈下の際に、フロータが均一に潰れずにエアが残った部分が生じるような場合でも、その残った部分のエアは給排気ホースを通して排出することができるから、フロータを含めて汚染防止膜全体をスムーズに沈下させることができる。
また、前記制御手段は、前記排気バルブの開閉状態及び前記圧力センサで取得した前記フロータの水深情報に基づく前記フロータの浮上・沈下状態を表示する表示手段を有することが好ましい。かかる表示により、フロータを含めて汚染防止膜の浮上・沈下状態を簡単に把握することができ、しかも、排気バルブの開閉状態をも把握することができる。
また、前記制御手段は、前記表示手段において前記排気バルブが閉状態であるが、前記圧力センサで取得した前記フロータの水深情報に基づいて前記フロータの沈下状態を検知したとき、フロータの異常沈下と判断して警報手段を作動させることが好ましい。排気バルブが閉状態であるにも関わらず、圧力センサによりフロータの沈下状態を検知すると、フロータを含めて汚染防止膜の異常沈下と判断し、警報手段による警報音や警報光等で異常沈下を工事関係者に知らしめることができる。
また、前記無線通信網は汎用の携帯電話網であることが好ましい。無線通信網を汎用の携帯電話網とすることで、使用可能なエリアが全国的になり、場所的な制限が少なくなる。
上記目的を達成するための別の浮沈式水域汚染拡散防止システムは、上述の浮沈式水域汚染拡散防止システムにおいて複数の前記フロータ及び前記汚染防止膜を直列的に配置したことを特徴とする。
この浮沈式水域汚染拡散防止システムによれば、より広範囲に汚染防止膜を設置することができるとともに、フロータにおける排気バルブによる排気を無線通信網による遠隔操作により制御してフロータの沈下を制御することができるので、陸上部や遠隔地から安全かつ確実に汚濁防止膜の沈下を遠隔操作でき、また、圧力センサによりフロータの水深情報を無線通信網を介して取得するので、汚濁防止膜に近づかなくとも汚濁防止膜の沈下状況を陸上部や遠隔地において確実に確認することができる。このため、汚濁防止膜を一括して確実に管理することができる。
上記浮沈式水域汚染拡散防止システムにおいて前記複数のフロータのうちの一部のみを沈下させることが可能であることが好ましい。これにより、例えば、工事区域における工事船舶の出入口確保等のために必要な部分の汚濁防止膜を沈下させるだけでよく、すべての汚濁防止膜を沈下させる必要がないため、効率的に沈下させることができ、また、再浮上も効率的に行うことができる。
また、前記複数のフロータのそれぞれに圧力センサを設け、前記各圧力センサで取得した前記各フロータの水深情報に基づいて前記フロータ毎に沈下状態を検知することが好ましい。複数のフロータのそれぞれに圧力センサを設けることで、フロータ毎に沈下状況を把握できるので、フロータ等が部分的に異常沈下したとき、どの部分が異常沈下したかを簡単に把握でき、原因調査や修理等の対策を円滑に行うことができる。また、工事区域における工事船舶の出入口確保等のために一部のフロータ・汚濁防止膜を沈下させた場合、沈下対象のフロータ等の沈下状況を確実に把握できる。
上記目的を達成するための水域汚染拡散防止方法は、エアの充填により水面に浮上しエアの排気で沈下するフロータと、水中に垂下するように前記フロータに連結されたカーテン状の汚染防止膜と、を用いて所定水域における汚染の拡散を防止する方法であって、前記フロータを沈下させる際に無線通信網を介した遠隔操作で前記フロータからの排気バルブによる排気を制御して前記フロータの沈下を制御するとともに、前記フロータに設けた圧力センサによる前記フロータの水深情報を前記無線通信網を介して取得することを特徴とする。
この水域汚染拡散防止方法によれば、フロータからの排気バルブによる排気を無線通信網による遠隔操作により制御してフロータの沈下を制御することができるので、陸上部や遠隔地から安全かつ確実に汚濁防止膜の沈下を遠隔操作できる。また、圧力センサによりフロータの水深情報を無線通信網を介して取得するので、汚濁防止膜に近づかなくとも汚濁防止膜の沈下状況を陸上部や遠隔地において確実に確認することができる。
本発明の浮沈式水域汚染拡散防止システム及び水域汚染拡散防止方法によれば、陸上部から確実に汚濁防止膜を遠隔操作でき、かつ、汚濁防止膜の沈下状況を確実に確認することができる。また、広範囲に汚濁防止膜を設置した場合でも、一括して確実に管理することができる。
第1の実施形態による浮沈式水域汚染拡散防止システムを概略的に示す図であり、フロータが浮上した状態を示す図(a)及びフロータが沈下した状態を示す図(b)である。 図1のフロータを長手方向に切断して内部をみた図である。 図2のフロータをIII-III線方向に切断してみた図である。 図1〜図3のフロータが潰れた状態を示す図3と同様の図である。 図1の浮沈式水域汚染拡散防止システムにおける通信系及び制御系を説明するための図であり、フロータ等を沈下させるときのフローをあわせて示す図である。 図5と同様の図であり、異常警報を発するときのフローをあわせて示す図である。 図1の浮沈式水域汚染拡散防止システム10のフロータ沈下動作を説明するためのフローチャートである。 図1の浮沈式水域汚染拡散防止システム10のフロータの異常沈下の検知動作を説明するためのフローチャートである。 図1の浮沈式水域汚染拡散防止システム10のフロータ浮上動作を説明するためのフローチャートである。 第2の実施形態による浮沈式水域汚染拡散防止システムを概略的に示す図であり、各フロータが浮上した状態を示す図(a)及び各フロータが沈下を始め水底に達するまでの状態を示す図(b)〜(e)である。 第2の実施形態において管理事務所に設置される制御装置の遠隔操作制御部の平面図であり、遠隔操作制御部の各ランプが各フロータの浮上状態及び各排気バルブの閉状態を示す図(a)、各フロータの浮上状態及び各排気バルブの開状態を示す図(b)、及び各フロータの沈下状態及び各排気バルブの開状態を示す図(c)である。 第2の実施形態におけるフロータの異常沈下の検知動作を説明するための図10と同様の図である。 図12のフロータの異常沈下を検知したときの遠隔操作制御部の各ランプの点灯状態の一例を示す図11と同様の図である。 第2の実施形態におけるフロータの部分沈下動作を説明するための図10と同様の図である。 図14のフロータの部分沈下のときの遠隔操作制御部の各ランプの点灯状態の一例を示す図11と同様の図である。 第2の実施形態におけるフロータの浮上動作を説明するための図10と同様の図であり、フロータのすべてが沈下した状態(a)、フロータの一部が浮上した状態(b)、すべてのフロータが浮上した状態(c)を示す図である。 図16(a)のフロータのすべてが沈下した状態における遠隔操作制御部の各ランプの点灯状態(a)、図16(b)のフロータの一部が浮上したときの各ランプの点灯状態(b)、図16(c)のすべてのフロータが浮上したときの各ランプの点灯状態(b)を示す図11と同様の図である。 第2の実施形態による浮沈式水域汚染拡散防止システムにおいて各フロータに設けられる排気バルブと給気バルブの配置例を示す図である。 従来の浮沈式汚濁防止膜が水面に浮上した状態を示す図(a)及び水底に沈下した状態を示す図(b)である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
〈第1の実施形態〉
図1は第1の実施形態による浮沈式水域汚染拡散防止システムを概略的に示す図であり、フロータが浮上した状態を示す図(a)及びフロータが沈下した状態を示す図(b)である。図2は図1のフロータを長手方向に切断して内部をみた図である。図3は図2のフロータをIII-III線方向に切断してみた図である。図4は図1〜図3のフロータが潰れた状態を示す図3と同様の図である。
図5は図1の浮沈式水域汚染拡散防止システムにおける通信系及び制御系を説明するための図であり、フロータ等を沈下させるときのフローをあわせて示す図である。図6は、図5と同様の図であり、異常警報を発するときのフローをあわせて示す図である。
図1(a)に示すように、本実施形態による浮沈式水域汚染拡散防止システム10は、水面Sに浮上しかつ水中に沈下可能なフロータ1と、水中に垂下するようにフロータ1に連結された汚染拡散防止のための膜状のカーテン2と、フロータ1の内部に連続して通された給排気ホース4と、給排気ホース4の一端部4aが延びかつ携帯電話装置7a(図5)で各種信号の送信・受信が可能な制御用ブイ5と、給排気ホース4の他端部4bが延びかつ携帯電話装置で各種信号の送信・受信が可能なもう1つの制御用ブイ5’と、陸上側の管理事務所等に設置され各種信号の送信・受信が可能な携帯電話装置8aと遠隔操作制御部8b(図5)とを有する制御装置8と、を備える。
図1(a)のフロータ1、カーテン2等は、浚渫工事や埋立工事等が行われる所定の水域において、発生した汚濁が外部に拡散しないように配置される。なお、図1(a)(b)では、図19のような係留ブイ、アンカー、アンカーロープ等からなる、フロータ1、カーテン2等の係留手段の図示は省略している。
フロータ1は、合成ゴム製で弾力性があり中空筒状の形状を有し、内部にエアを充填し膨らませることで浮力により水面Sに浮上し、内部のエアを抜くことでカーテン2やウエイト3等とともに自重により水中に沈下する。
フロータ1の外面には圧力センサ1aが設けられ、フロータ1がカーテン2やウエイト3等とともに沈下したとき、圧力センサ1aにより水圧を検知することでフロータ1の水深情報を得ることができる。
カーテン2は、例えば、耐久性、耐寒性、耐薬品性、耐腐食性、乾湿強度保持性等を総合的に充足するポリエステル織物から構成されるが、かかる材料に限定されるものではない。カーテン2の下端には、カーテン2が水中で安定するように鉄鋼製のチェーンや板材や丸棒等からなるウエイト3が吊り下げられている。
給排気ホース4は、図2のように、フロータ1の内部において通気可能なようにホースの内外に貫通した多数の通気孔4cをフロータ内の全域にわたって有している。通気孔4cは、ホース4の同一円周上に180度位置をかえて一対形成し、長さ方向に隣り合って90度ずつ円周方向に角度をかえて一対形成するようにして多数設けることが好ましく、また、網目状のように多数形成してもよい。かかる給排気ホース4により、かかる多数の通気孔4cを通してフロータ1の内部にエアを充填し、また、フロータ1の内部からエアを抜くことができる。給排気ホース4は、フロータ1の両端側から制御用ブイ5,5’まで延びている。
給排気ホース4は、フロータ1が浮上しているときは、図3のように、フロータ1内の略中心に位置し、フロータ1とともに水底に沈下した際に図4のようにフロータ1が潰れてもその水圧によっては潰れることがない程度の保形性を有しかつ可撓性のある不透水材料製ホースから構成されており、例えば、厚肉のビニールホースや、肉厚内に螺旋状の補強線材が埋設された補強線材入り合成樹脂ホースから構成できる。
また、フロータ1の外面に設けられた圧力センサ1aからの電気ケーブルが給排気ホース4に沿うようにして制御用ブイ5まで延びている。
図5,図6の管理事務所側の制御装置8の携帯電話装置8aと、制御用ブイ5、5’側の携帯電話装置7aとは、汎用の携帯電話網により各種信号の送信・受信が可能となっている。
制御用ブイ5は、図1(a)のように、フロータ1の一端近くの水面Sに浮上し、遠隔制御可能な排気バルブ6と、警報ランプや警報音発生器からなる警報部9と、携帯電話装置7a(図5)により各種信号の通信を行い排気バルブ6と警報部9とを制御する制御装置7と、各部分6,9,7への電力供給のためのバッテリ(図示省略)と、を備える。
排気バルブ6は、例えば電磁弁から構成され、管理事務所側から携帯電話装置8aで送られて携帯電話装置7aで受信した指令信号に基づいて制御装置7から出力する開閉信号により開閉制御される。また、制御装置7は、排気バルブ6の開閉状態を示すバルブ開状態信号、バルブ閉状態信号を制御用ブイ5側の携帯電話装置7aから管理事務所側の携帯電話装置8aに送信する。
排気バルブ6にはフロータ1の一端側から延びた給排気ホース4の一端部4aが排気口として接続され、制御装置7からの開信号により排気バルブ6が開き、フロータ1の内部のエアを排出する。また、フロータ1内にエアを充填する場合、コンプレッサ等を搭載した作業船が接近し、給排気ホース4の一端部4aが給気口としてコンプレッサ側に接続される。フロータ1内へのエア充填時には排気バルブ6は制御装置7からの閉信号により閉じられる。なお、排気バルブやコンプレッサ側に対する給排気口は、フロートの外面に開口を設け、この開口に給排気用のホースを連結するようにしてもよい。
制御用ブイ5の警報部9は、管理事務所側からの指令信号に基づく制御装置7からの作動信号により、警報ランプで点滅等により警報光を発し、警報音発生器で警報音(ブザー音や電子合成音等)を発し、例えば、フロータ1の沈下開始のとき、沈下を知らせる警報音や警報光が発生し、また、フロータ1が何らかの原因により破損し、沈下してしまったとき、異常沈下を知らせる警報音や警報光が発生する。この場合、フロータ1の通常の沈下の場合と、異常沈下の場合とで、警報音や警報光の種類を変更し、後者の場合には、より緊急性をあらわす音や光が発生するようにしてもよい。
また、制御装置7には、圧力センサ1aから延びた電気ケーブルにより圧力センサ1aの検知信号が入力する。図1(b)のように任意の水深Lを予め設定し、圧力センサ1aがその設定した水深Lよりも深い水深に対応した水圧を検知したとき、制御装置7は水深検知信号を発し、携帯電話装置7aにより管理事務所側の携帯電話装置8aに送信する。
制御用ブイ5’は、フロータ1の他端近くの水面Sに浮上し、遠隔制御可能な排気バルブ6’と、警報ランプや警報音発生器からなる警報部9’と、携帯電話装置により各種信号の通信を行い排気バルブ6’と警報部9’とを制御する制御装置7’と、各部分6’,9’,7’への電力供給のためのバッテリ(図示省略)と、を備える。
制御用ブイ5’の排気バルブ6’,警報部9’,制御装置7’は制御用ブイ5側のものと同様に構成されている。排気バルブ6’にはフロータ1の他端側から延びた給排気ホース4の他端部4bが排気口として接続されている。
また、制御用ブイ5’は省略可能であるが、制御用ブイ5,5’をともに配置することで、給排気ホース4の両端部4a,4bから2つの排気バルブ6,6’を介してフロータ1の内部のエアを効率的に排出することができる。
図1(a)、図5,図6のように、陸上側の管理事務所に設置される制御装置8の遠隔操作制御部8bは、排気バルブ6の開閉指令信号を発するためのスイッチ8cと、フロータ1や排気バルブ6の各状態を示す複数のランプ8d〜8gと、警報ランプ8fと、警報ブザー9iと、を有する。ランプ8dはフロータ1の浮上状態を示し、ランプ8eはフロータ1の沈下状態を示し、ランプ8fは排気バルブ6の開状態を示し、ランプ8gは排気バルブ6の閉状態を示す。
遠隔操作制御部8bにおいて、スイッチ8cを閉から開にすることで、携帯電話装置8aにより排気バルブ6の開指令信号を制御用ブイ5側へ送信する。排気バルブ6が開くと、制御用ブイ5から携帯電話装置8aでバルブ開状態信号を送信し、このバルブ開状態信号受信すると、排気バルブ6の開状態を示すランプ8fが点灯する。また、排気バルブ6が閉じると、制御用ブイ5からバルブ閉状態信号を受信し、排気バルブ6の閉状態を示すランプ8gが点灯する。
また、圧力センサ1aが設定された水深Lよりも深い水深を検知すると、制御用ブイ5側から水深検知信号を送信し、携帯電話装置8aで受信し、その水深検知情報によりフロータ1等の沈下と判断されて沈下状態を示すランプ8eが点灯する。水深検知信号を受信しなければ、フロータ1等の浮上と判断されて浮上状態を示すランプ8dが点灯し続ける。
次に、図1の浮沈式水域汚染拡散防止システム10のフロータ沈下動作について図1〜図5及び図7のフローチャートを参照して説明する。
図1(a)のようにフロータ1が水面S上に浮上している状態から図1(b)のようにフロータ1を沈下させる場合、制御用ブイ5の排気バルブ6を開き(図7のS01)、制御用ブイ5の警報部9からフロータ1の付近に沈下警報音を発生させる(図7のS02)。
具体的には、図5のように、(1)沈下指令のために制御装置8の遠隔操作制御部8bのスイッチ8cを閉から開にすると、(2)携帯電話装置8aから排気バルブ6の開指令信号を送信する。(3)この開指令信号を制御用ブイ5の携帯電話装置7aが受信すると、(4)制御装置7が警報部9から沈下警報音を発生させるとともに、(5)排気バルブ6を制御して排気バルブ6を開く。
次に、遠隔操作制御部8bの排気バルブ6の開を示すランプ8fが点灯しているか否かを確認し(図7のS03)、排気バルブ6が開いて制御用ブイ5側からバルブ開状態信号を受信することでランプ8fが点灯している場合、フロータ1が沈下し設定した水深Lにあることを圧力センサ1aで検知すると(図7のS04)、遠隔操作制御部8bのフロータ1の沈下を示すランプ8eが点灯する(図7のS05)。なお、ステップS03でランプ8fが点灯していない場合やステップS05でランプ8eが点灯していない場合は、ステップS01に戻る。
具体的には、図5の(5)で制御用ブイ5の排気バルブ6が開くと、フロータ1の内部のエアが給排気ホース4の一端部4aの排気口を通して排出されて、フロータ1が萎んでカーテン2やウエイト3等とともに水中に沈下を始める。次に、図5のように、(6)圧力センサ1aが設定された水深Lよりも深い水深を検知すると、(7)制御用ブイ5の制御装置7が水深検知信号を携帯電話装置7aから送信する。(8)管理事務所側の制御装置8の携帯電話装置8aで水深検知信号を受信すると、(9)遠隔操作制御部8bのフロータ1の沈下を示すランプ8eが点灯し、沈下表示がなされる。
上述のようにして、フロータ1がカーテン2やウエイト3等とともに水中へ沈下すると、フロータ1は、図4のように、水圧により潰されるが、フロータ1の内部の給排気ホース4は潰されずにその形状を保っている。このため、フロータ1が不均一に潰れて内部にエアが残るような場合でも、フロータ1の内部の給排気ホース4の通気孔4c(図2)を通して残ったエアを排出できるので、フロータ1、カーテン2、ウエイト3等の所望の沈下部分全体がスムーズに沈下することができ、図1(b)のように水底Tに達することができる。なお、再浮上のためのフロータ1内への給気も給排気ホース4の通気孔4cを通して円滑に行うことができる。
以上のように、本実施形態の浮沈式水域汚染拡散防止システム10によれば、工事区域における工事船舶の出入口確保や台風等の荒天時の緊急待避等のために、携帯電話網を利用した遠隔操作により、作業者がフロータ1等に接近する必要なく、フロータ1をカーテン2やウエイト3等とともに確実かつ安全に水底Tへと沈下させることができる。
次に、図1の浮沈式水域汚染拡散防止システム10のフロータの異常沈下の検知動作について図1〜図6及び図8のフローチャートを参照して説明する。
排気バルブ6が閉で、遠隔操作制御部8bの排気バルブ6の閉を示すランプ8gが点灯しているとき、圧力センサ1aが設定された水深Lよりも深い水深を検知すると(図8のS11)、フロータ1の一部破損等に起因する異常沈下であると検知して、管理事務所側の遠隔操作制御部8bで警報音が発生し警報ランプが点滅する(図8のS12)。
具体的には、図6のように、(1)圧力センサ1aが設定された水深Lよりも深い水深を検知すると、(2)制御用ブイ5の制御装置7が水深検知信号を携帯電話装置7aから送信する。(3)管理事務所側の制御装置8が携帯電話装置8aで水深検知信号を受信し、(4)遠隔操作制御部8bが排気バルブ6の開閉指令のためのスイッチ8cが閉であることを確認すると、沈下指令がなく、フロータ1等の異常沈下を検知し、(5)遠隔操作制御部8bの警報ランプ8fと警報ブザー9iとが作動し、管理事務所側で異常沈下警報が発せられる。
以上のようにして、圧力センサ1aの水深検知によりフロータ1等の異常沈下が検知されると、管理事務所側において警報音や警報光が発生することで、工事関係者にフロータ1等の異常沈下を知らせることができる。このため、直ちに必要な対策をとることができ、原因調査や修理作業を行うことができる(図8のS13)。
なお、管理事務所側で異常沈下警報が発せられたとき、その警報信号が制御装置8の携帯電話装置8aから送信され、制御用ブイ5の携帯電話装置7aが受信して制御装置7が警報部9を作動させ、例えば、制御用ブイ5で警報音が発生したり、警報ランプで赤色光が点滅するようにしてもよい。また、上述の異常沈下警報が発生したとき、制御装置8の携帯電話装置8aから沈下警報情報が工事関係者の予め登録された携帯電話に送信されるようにしてもよい。
次に、図1の浮沈式水域汚染拡散防止システム10のフロータ浮上動作について図1〜図5及び図9のフローチャートを参照して説明する。
まず、制御用ブイ5の排気バルブ6が閉であることを確認する(図9のS21)。すなわち、制御装置8の遠隔操作制御部8bで排気バルブ6の閉を示すランプ8gが点灯していることを確認する。このとき、遠隔操作制御部8bで排気バルブ6の開を示すランプ8fが点灯し、排気バルブ6が開であれば、スイッチ8cを開から閉にすることで、排気バルブ6を閉じる。
周囲の海域に異常がないことを確認し(図9のS22)、コンプレッサ等を搭載した作業船が制御用ブイ5に接近し、給排気ホース4の一端部4aを給気口としてコンプレッサ側に接続してから、コンプレッサで送気する(図9のS23)。この送気により、給排気ホース4を通してフロータ1内にエアが充填される。
次に、エア充填によりフロータ1が水面Sに浮上すると(図9のS24)、制御装置8の遠隔操作制御部8bでフロータ1の浮上を示すランプ8dが点灯していることを確認する(図9のS24)。なお、ステップS24でフロータ1が浮上しない場合は、ステップS21に戻る。
以上のようにして、例えば、図1(b)のように水底Tに沈下していたフロータ1をカーテン2やウエイト3等とともに浮上させることができる。
以上のように、第1の実施形態によれば、フロータ1、カーテン2、ウエイト3等からなる汚濁防止膜の沈下作業の際に、汎用の携帯電話網により排気バルブを遠隔操作することで、沈下作業を荒天時等においても汚濁防止膜に近づかないで陸上側から安全かつ確実に行うことができる。この場合、汎用の携帯電話網を利用するので、電送距離に制限がなく、遠隔地においても沈下作業を実行することができる。
また、フロータに設けた圧力センサにより、予め設定した水深までフロータが沈下したことを検知できるので、汚濁防止膜に近づかなくとも、汚濁防止膜の沈下状況を確認することができる。また、フロータにおける損傷等のために汚濁防止膜が不測に沈下してしまった場合でも、フロータの圧力センサが沈下を検知し、管理事務所等に警報を発することができる。
また、図5,図6のように、汎用の携帯電話網により遠隔地においても沈下制御可能でかつフロータの浮上・沈下状態や排気バルブの開閉状態を確認できるので、管理事務所の設置場所は現場水域の近くでなくともよく、設置場所の選択の自由度が増す。
〈第2の実施形態〉
図10は第2の実施形態による浮沈式水域汚染拡散防止システムを概略的に示す図であり、各フロータが浮上した状態を示す図(a)及び各フロータが沈下を始め水底に達するまでの状態を示す図(b)〜(e)である。図18は図10(a)の浮沈式水域汚染拡散防止システムにおいて各フロータに設けられる排気バルブと給気バルブの配置例を示す図である。
図10(a)に示すように、本実施形態による浮沈式水域汚染拡散防止システム50は、図1(a)の浮沈式水域汚染拡散防止システム10を一単位として、複数単位を組み合わせて複数のフロータ・カーテンを直列的に配置することで、汚染防止膜を広範囲に設置し、より広い範囲で汚濁拡散防止を図るものである。
すなわち、浮沈式水域汚染拡散防止システム50は、図1(a)のフロータ1と同様に構成されて水面Sに浮上しかつ水中に沈下可能な複数のフロータ11〜20を備え、各フロータ11〜20に連結された膜状のカーテン2が水中に垂下し、各カーテン2の下端部にはウエイト3が吊り下げられている。
各フロータ11〜20は、上述と同様の給排気ホース4が各フロータ内に連続して通されて各フロータの両端から遠隔制御可能な各排気バルブまで延びており、各排気バルブの制御によりそれぞれ独立して排気可能であるとともに、遠隔制御可能な給気バルブにより直列的にエア給気が可能である。
すなわち、各フロータ11〜20の近傍の水面Sには、複数の制御用ブイ21〜31が浮上している。各制御用ブイ21〜31は、上述の制御用ブイ5とほぼ同様に構成されている。以下、制御用ブイ5と比べて異なる部分について主に説明する。
図18のように、両端に位置する制御用ブイ21,31は上述の制御用ブイ5と同様の排気バルブ21a,31aを備えている。制御用ブイ22〜30は、それぞれ遠隔制御可能な排気バルブ(22a,22b)(23a,23b)(24a,24b)(25a,25b)(26a,26b)(27a,27b)(28a,28b)(29a,29b)(30a,30b)を2つずつ備え、さらに、遠隔制御可能な給気バルブ22c〜30cを備えている。
各フロータ11〜20は、その両端から2本ずつ給排気ホース4が各制御用ブイ21〜31に延び、各給排気ホース4の一端部、他端部が各排気バルブ21a〜31a,22b〜30bに接続している。各給気バルブ22c〜30cは、例えば、電磁弁から構成され、各排気バルブの手前に2本の給排気ホース4を連通できるように配置され、常時、閉とされている。
上述の各排気バルブを制御することで各フロータ11〜20の排気を独立して行うことができる。例えば、フロータ15内のエアを抜く場合、制御用ブイ25の排気バルブ25b、制御用ブイ26の排気バルブ26aをそれぞれ開く。
また、各フロータ11〜20に給気する場合、各制御用ブイ21〜31の排気バルブをすべて閉じ、各給気バルブ22c〜30cを開き、各フロータ11〜20の内部を直列的に連結し、例えば、制御用ブイ31においてフロータ20からの給排気ホース4の一端部をコンプレッサ側と接続し、給排気ホース4を通してエアを送り込む。
各フロータ11〜20の長手方向略中央の外面には、上述の圧力センサ1aと同様の圧力センサ11a〜20aが設けられており、各圧力センサ11a〜20aからの電気ケーブル(図示省略)は各制御用ブイまで延び、各検知信号が各制御装置に入力する。各圧力センサ11a〜20aについて任意の水深Lを予め設定し、各圧力センサ11a〜20aが設定した水深Lよりも深い水深に対応した水圧を検知したとき、制御装置は水深検知信号を発し、フロータ11〜20の沈下と判断することができる。
上述と同様の陸上側の管理事務所等に設置される制御装置8と各制御用ブイ21〜31とは、携帯電話網を介して各種信号の送信・受信が可能となっている。すなわち、上述と同様に、図18の各制御用ブイ21〜31の各排気バルブ21a〜31a,22b〜30b及び給気バルブ22c〜30cは管理事務所の制御装置8により携帯電話網を介して遠隔操作され、また、各圧力センサ11a〜20aによる水深検知信号及び各排気バルブのバルブ開閉状態信号が各制御用ブイ21〜31側から携帯電話網を介して管理事務所側に送信される。
なお、図10(a)〜(e)において、各フロータ11〜20から各制御用ブイ21〜31まで延びる各給排気ホース4は、各フロータ11〜20が図10(e)のように水底Tに沈下したときでも余裕のある長さである。
次に、本実施形態による浮沈式水域汚染拡散防止システム50のフロータ沈下動作について図10(a)〜(e)及び図11(a)〜(c)を参照して説明する。図11は陸上側の管理事務所に設置される制御装置の遠隔操作制御部の平面図であり、遠隔操作制御部の各ランプが各フロータの浮上状態及び各排気バルブの閉状態を示す図(a)、各フロータの浮上状態及び各排気バルブの開状態を示す図(b)及び各フロータの沈下状態及び各排気バルブの開状態を示す図(c)である。
陸上側の管理事務所には上述と同様の制御装置8が設置され、制御装置8の遠隔操作制御部8bは、図5,図6とほぼ同様に構成され、図11(a)〜(c)のように、各フロータ11〜20について、浮上状態を示すランプ8d、沈下状態を示すランプ8e、排気バルブの開状態を示すランプ8f、8f’、閉状態を示すランプ8g、8g’が縦方向に並んでいる。なお、ランプ8f、8f’、ランプ8g、8g’は、半割されて半円状になっており、例えば、フロータ20に関しては、図の右側の半円状のランプ8f、8gが排気バルブ31aの開閉状態を示し、左側の半円状のランプ8f’、8g’が排気バルブ30bの開閉状態を示す。図11(a)〜(c)で黒丸(●)のランプが点灯状態(ランプ8f、8f’、ランプ8g、8g’の場合、2つとも点灯)で、白丸(○)のランプが消灯状態(ランプ8f、8f’、ランプ8g、8g’の場合、2つとも消灯)である。
浮沈式水域汚染拡散防止システム50のフロータ沈下は、図7のフローと基本的に同様のステップで行われるが、以下、主に制御装置8の遠隔操作制御部8bの動作と関連して説明する。
図10(a)のように各フロータ11〜20が水面S上に浮上しているとき、遠隔操作制御部8bは図11(a)のように、浮上状態を示す各ランプ8d及び各排気バルブの閉状態を示す各ランプ8g、8g’がそれぞれ点灯している。
次に、遠隔操作制御部8bの各スイッチ8cを閉から開にすることで、携帯電話網により各排気バルブの開指令信号が各制御用ブイ21〜31側に送信され、各排気バルブが開き、各制御用ブイ21〜31側からバルブ開状態信号を携帯電話網で受信すると、図11(b)のように、遠隔操作制御部8bで各排気バルブの開状態を示す各ランプ8f、8f’が点灯する。
上述のように、各排気バルブが開くと、各フロータ11〜20内のエアが抜け始め、図10(b)のように、各フロータ11〜20が部分的に沈下を始め、さらに、図10(c)のように沈下するが、各フロータ11〜20の各圧力センサ11a〜20aがまだ設定された水深Lに達していないので、遠隔操作制御部8bの各ランプ表示は、図11(b)のままである。
次に、図10(d)のように、各フロータ11〜20がさらに沈下して、各フロータ11〜20の各圧力センサ11a〜20aが設定された水深Lに達すると、その水深検知信号を各制御用ブイ21〜31側から携帯電話網で受信し、図11(c)のように、遠隔操作制御部8bで各フロータ11〜20の沈下状態を示す各ランプ8eが点灯する。
各フロータ11〜20はさらに沈下し、最終的に、図11(e)のように、カーテン2やウエイト3等とともに水底Tに達する。
以上のように、本実施形態の浮沈式水域汚染拡散防止システム50によれば、図10(a)のようにフロータの長さを図1(a)よりも長く構成した場合でも、工事区域の工事船舶の出入口確保や台風等の荒天時の緊急待避等のために、汎用の携帯電話網を利用した遠隔操作により、作業者がフロータ11〜20等に接近する必要なく、各フロータ11〜20をカーテン2やウエイト3等とともに確実かつ安全に水底Tへと沈下させることができる。
また、図10(b)〜(e)の沈下の際に、各フロータ11〜20が不均一に潰れて内部にエアが残るような場合でも、各フロータ11〜20の内部の給排気ホース4の通気孔4c(図2)を通して残ったエアを排出できるので、各フロータ11〜20、カーテン2、ウエイト3等の所望の沈下部分全体がスムーズに沈下することができ、図10(e)のように水底Tに達することができる。なお、図10(b)〜(e)では、各フロータ11〜20は部分的または全体的に潰れるが、潰れた状態の図示は省略している。以下の図でも同様である。
次に、本実施形態による浮沈式水域汚染拡散防止システム50のフロータの異常沈下の検知動作について図12及び図13を参照して説明する。図12は本実施形態におけるフロータの異常沈下の検知動作を説明するための図10と同様の図である。図13はフロータの異常沈下を検知したときの遠隔操作制御部の各ランプの点灯状態の一例を示す図11と同様の図である。
浮沈式水域汚染拡散防止システム50の異常沈下の検知動作は、図8のフローと基本的に同様のステップで行われるが、以下、主に制御装置8の遠隔操作制御部8bの動作と関連して説明する。
図12のように、フロータ11〜20のうちの、例えば、フロータ13の一部13bが破損してフロータ13内のエアが抜けて、フロータ13とともにその近くのフロータ12,14,15が水中に沈下し、フロータ13,14の圧力センサ13a,14aが設定された水深Lよりも深く、フロータ12,15の圧力センサ12a、15aが設定された水深Lよりも浅い場合、フロータ13,14の圧力センサ13a,14aからの水深検知信号を管理事務所側で携帯電話網により受信すると、図13のように、遠隔操作制御部8bでフロータ13,14の沈下状態を示す各ランプ8eが点灯する。
しかし、図13のように、遠隔操作制御部8bにおいて、スイッチ8cはすべて閉であり、各制御用ブイ21〜31の各排気バルブはすべて閉状態を示すランプ8g,8g’が点灯しているので、遠隔操作制御部8bは、フロータ13,14が異常沈下したことを検知し、警報ランプ8fと警報ブザー9iとを作動させる。
以上のようにして、図10(a)のようにフロータの長さを図1(a)よりも長く構成した場合、各フロータ11〜20の一部が異常沈下したとき、各圧力センサ11a〜20aの水深検知により、警報を発するとともに、異常沈下したフロータを簡単に直ちに特定できるので、原因調査や修理作業を円滑に行うことができる。
次に、本実施形態による浮沈式水域汚染拡散防止システム50のフロータの部分沈下動作について図14及び図15を参照して説明する。図14は本実施形態におけるフロータの部分沈下動作を説明するための図10と同様の図である。図13はフロータの部分沈下のときの遠隔操作制御部の各ランプの点灯状態の一例を示す図11と同様の図である。
図10のようにフロータ11〜20のすべてを沈下させる必要がなく、例えば、図14のように、フロータ16を中心にフロータ15〜17を沈下させる場合、図15のように、遠隔操作制御部8bでフロータ15〜17に対応する各スイッチ8cを閉から開にすると、携帯電話網により各排気バルブ25b,26a,26b,27a,27b,28a(図18)の開指令信号が送信され、フロータ15〜17の各排気バルブが開き、各制御用ブイ側からバルブ開状態信号を携帯電話網で受信すると、遠隔操作制御部8bでフロータ15〜17の各排気バルブの開状態を示す各ランプ8f,8f’が点灯する。
そして、フロータ15〜17内のエアが抜けて、フロータ15〜17が沈下し、フロータ16の圧力センサ16aが設定された水深Lよりも深く、フロータ15,17の圧力センサ15a、17aが設定された水深Lよりも浅い場合、フロータ16の圧力センサ16aからの水深検知信号を管理事務所側で携帯電話網により受信すると、図15のように、遠隔操作制御部8bでフロータ16の沈下状態を示すランプ8eが点灯する。
以上のようにして、フロータ11〜20の一部を沈下させて、沈下させた一部のフロータが設定された水深Lよりも深い水深に達したことを検知できる。このため、例えば、図14のように、工事区域において工事船舶SHが出入りする場合、その出入りに必要な部分のフロータを沈下させるだけで対応可能となる。また、フロータ11〜20のすべてを沈下させる必要がないため、フロータの再浮上に手間取らず、効率的な沈下・浮上動作が可能となる。
なお、図14のように船舶SHの航行のためにフロータ等を沈下させる場合、船舶が安全に航行できる水深までフロータ等が沈んだ時に制御用ブイ26,27の警報部の警報ランプを点灯するように構成することが好ましく、安心して航行できる。この場合、水深Lは、船舶が安全に航行できる水深に設定される。
次に、本実施形態による浮沈式水域汚染拡散防止システム50のフロータの浮上動作について図16及び図17を参照して説明する。図16は本実施形態におけるフロータの浮上動作を説明するための図10と同様の図であり、フロータのすべてが沈下した状態(a)、フロータの一部が浮上した状態(b)、すべてのフロータが浮上した状態(c)を示す図である。図17はフロータのすべてが沈下した状態における遠隔操作制御部の各ランプの点灯状態(a)、フロータの一部が浮上したときの各ランプの点灯状態(b)、すべてのフロータが浮上したときの各ランプの点灯状態(b)を示す図11と同様の図である。
浮沈式水域汚染拡散防止システム50のフロータの浮上動作は、図9のフローと基本的に同様のステップで行われるが、以下、主に制御装置8の遠隔操作制御部8bの動作と関連して説明する。
図16(a)のようにフロータ11〜20のすべてが水底Tに沈下した状態からフロータを浮上させる場合、各制御用ブイ21〜31の排気バルブをすべて閉じ、各給気バルブ22c〜30cを開き、各フロータ11〜20の内部を直列的に連結する。そして、遠隔操作制御部8bにおいて、各制御用ブイ21〜31の各排気バルブの閉状態を示すランプ8g、8g’がすべて点灯しているか否かを確認し、開状態を示すランプ8f、8f’が点灯しているときは、スイッチ8cの操作によりその排気バルブを閉じる。図17(a)のように閉状態を示すランプ8g、8g’がすべて点灯することで、すべての排気バルブが閉じた状態であることがわかる。
作業船CSは、コンプレッサ等を搭載しており、制御用ブイ31に接近し、フロータ20の給排気ホース4の一端部を給気口としてコンプレッサ側と接続し、コンプレッサを作動させることで、フロータ20の給排気ホース4の一端部からフロータに給気を始める。
上述の給気により、フロータ20から順にエアが充填され、例えば、図16(b)のように、フロータ20が水面Sに浮上し、フロータ19,18,17が浮上途中で、フロータ11〜16がまだ水底Tに沈下した状態となる。このとき、遠隔操作制御部8bでは、図17(b)のように、フロータ11〜17の沈下状態を示すランプ8eが点灯する一方、フロータ18〜20の浮上状態を示すランプ8dが点灯するので、フロータ11〜17の圧力センサ11a〜17aが設定した水深Lよりも深く、フロータ18〜20の圧力センサ18a〜20aが設定した水深Lよりも浅い状態であることがわかる。
上記給気を続けることで、フロータ20に続いてフロータ19から順にエアが充填され、図16(c)のようにフロータ11〜20のすべてが水面Sに浮上する。このとき、遠隔操作制御部8bでは、図17(c)のように、フロータ11〜20の浮上状態を示すランプ8dがすべて点灯する。
上述のようにして、浮沈式水域汚染拡散防止システム50のフロータ11〜20をカーテン及びウエイト3等とともに水面Sに浮上させることができる。
以上のように、第2の実施形態によれば、フロータ、カーテン、ウエイト等からなる汚濁防止膜を広範囲に設置している場合でも、複数のフロータ等の沈下を汎用の携帯電話網を利用して遠隔操作により制御することで統括して一括に管理できるので、作業の迅速化、省力化を図ることができる。
また、汚濁防止膜が破損して不測に沈下したとき、各フロータに設けた圧力センサにより、どの汚濁防止膜が沈下したかを直ちに簡単に特定できるので、汚濁防止膜を広範囲の水域に設置した場合でも発見するまで時間がかからず、原因調査や修理作業を円滑に行うことができる。
以上のように本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、図1(b)や図12等において、圧力センサについて、設定した水深Lは1つであったが、複数の水深を設定することで、フロータ等が沈下したとき、その沈下した水深を複数段階に遠隔操作制御部に表示するようにしてもよい。
また、図5,図6の制御装置8としてパーソナルコンピュータ(パソコン)を用いてもよく、フロータの浮上・沈下状態や排気バルブの開閉状態を、遠隔操作制御部8bのランプ表示に代えて、パソコンに接続された液晶パネル等からなるディスプレイの画面上に表示するようにしてもよい。
また、本実施形態では、浮沈式水域汚染拡散防止システムを浮沈式汚染防止膜の構造として説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、オイルフェンスのフロートとして上述のフロータを用いるようにしてもよい。
また、図1,図10において、各フロータに連結される給排気ホース4は、各フロータ内に連続して通され、フロータ内で通気孔4cを有するが、本発明は、これに限定されず、例えば、給排気ホースをフロータ内に連続して通さずにフロータに単に連結する構成としてもよい。
本実施形態では、無線通信網として汎用の携帯電話網を用いることで、使用可能なエリアが全国的になり、場所的な制限が少なくなるが、必ずしも携帯電話網に限定されず、汎用性があり、場所的な制限が少ないものであれば、別の無線通信網を用いてもよい。
10 浮沈式水域汚染拡散防止システム
1 フロータ
1a 圧力センサ
2 カーテン
3 ウエイト
4 給排気ホース
4a,4b 給排気ホースの一端部、他端部
4c 通気孔
5,5’ 制御用ブイ
6,6’ 排気バルブ
7,8 制御装置
7a,8a 携帯電話装置
8b 遠隔操作制御部
50 浮沈式水域汚染拡散防止システム
11〜20 フロータ
11a〜20a 圧力センサ
21〜31 制御用ブイ
21a〜31a,22b〜30b 排気バルブ
22c〜30c 給気バルブ
L 設定された水深
S 水面
T 水底

Claims (9)

  1. 水面に浮上しかつ水中に沈下可能なフロータと、水中に垂下するように前記フロータに連結されたカーテン状の汚染防止膜と、前記フロータに対する給気・排気のための給排気手段と、前記給排気手段を制御するための制御手段と、前記フロータの水深情報を得るための圧力センサと、を備え、
    前記制御手段による無線通信網を介した遠隔操作で前記フロータにおける前記給排気手段の排気バルブによる排気を制御して前記フロータの沈下を制御するとともに、前記圧力センサによる前記フロータの水深情報を前記無線通信網を介して取得することを特徴とする浮沈式水域汚染拡散防止システム。
  2. 前記フロータは中空筒状の形状及び弾力性を有し、
    前記給排気手段は、前記フロータの中空内部に連続して通された給気・排気のための給排気ホースを有し、
    前記給排気ホースは、前記フロータの中空内部においてホースの内外に通気可能とされ、その先端を前記フロータ外に開口させて給排気口とするとともに、可撓性と、前記フロータ内部が排気されて所望深さに沈下されても潰れない保形性と、を有する請求項1に記載の浮沈式水域汚染拡散防止システム。
  3. 前記制御手段は、前記排気バルブの開閉状態及び前記圧力センサで取得した前記フロータの水深情報に基づく前記フロータの浮上・沈下状態を表示する表示手段を有する請求項1または2に記載の浮沈式水域汚染拡散防止システム。
  4. 前記制御手段は、前記表示手段において前記排気バルブが閉状態であるが、前記圧力センサで取得した前記フロータの水深情報に基づいて前記フロータの沈下状態を検知したとき、フロータの異常沈下と判断して警報手段を作動させる請求項3に記載の浮沈式水域汚染拡散防止システム。
  5. 前記無線通信網は汎用の携帯電話網である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の浮沈式水域汚染拡散防止システム。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の浮沈式水域汚染拡散防止システムにおいて複数の前記フロータ及び前記汚染防止膜を直列的に配置したことを特徴とする浮沈式水域汚染拡散防止システム。
  7. 前記複数のフロータのうちの一部のみを沈下させることが可能である請求項6に記載の浮沈式水域汚染拡散防止システム。
  8. 前記複数のフロータのそれぞれに圧力センサを設け、前記各圧力センサで取得した前記各フロータの水深情報に基づいて前記フロータ毎に沈下状態を検知する請求項6または7に記載の浮沈式水域汚染拡散防止システム。
  9. エアの充填により水面に浮上しエアの排気で沈下するフロータと、水中に垂下するように前記フロータに連結されたカーテン状の汚染防止膜と、を用いて所定水域における汚染の拡散を防止する方法であって、
    前記フロータを沈下させる際に無線通信網を介した遠隔操作で前記フロータからの排気バルブによる排気を制御して前記フロータの沈下を制御するとともに、前記フロータに設けた圧力センサによる前記フロータの水深情報を前記無線通信網を介して取得することを特徴とする水域汚染拡散防止方法。
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