JP2011093455A - スイングアーム及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数を少なく抑え、製造効率を高め、強度剛性も確保可能なスイングアームを提供する。
【解決手段】後部に後輪を軸支する左右のアーム部と、該左右のアーム部の前部に溶接されるとともに、車体フレームまたはエンジンに連結されるピボットパイプとを有するスイングアームにおいて、左右のアーム部を、パイプ材を略U字状に曲げ加工することで一体に形成された左右一対のストレート部4L,4Rで構成し、ストレート部4L,4R間を結ぶ曲げ部5に左右方向に延びる切欠き部を形成して、この切欠き部にピボットパイプ3を溶接する。
【選択図】図1
【解決手段】後部に後輪を軸支する左右のアーム部と、該左右のアーム部の前部に溶接されるとともに、車体フレームまたはエンジンに連結されるピボットパイプとを有するスイングアームにおいて、左右のアーム部を、パイプ材を略U字状に曲げ加工することで一体に形成された左右一対のストレート部4L,4Rで構成し、ストレート部4L,4R間を結ぶ曲げ部5に左右方向に延びる切欠き部を形成して、この切欠き部にピボットパイプ3を溶接する。
【選択図】図1
Description
本発明は、鞍乗り型車両のスイングアーム及びその製造方法に関する。
特許文献1には、矩形断面の押し出しパイプ材からなる左右のアーム部と、当該左右のアーム部の前部に溶接されるピボットパイプ(筒軸)と、左右のアーム部間に溶接されるクロス部(ブリッジ部材)とからなるスイングアームが開示されている。この構造では、シンプルかつ製造コストの低い構成で、強度及び剛性(強度剛性)を確保可能なスイングアームが得られる。
しかしながら、上記従来の構造では、左右のアーム部それぞれが別部材で、かつ、クロス部も別部材であるため、多数の部品及び多数の溶接作業が必要であり、さらなる製造コストの低減の余地があった。
そこで、本発明は係る実情に鑑み、部品点数を少なく抑え、製造効率を高め、強度剛性も確保可能なスイングアーム及びその製造方法の提供を目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載の発明は、後部に後輪を軸支する左右のアーム部(例えば実施形態におけるストレート部4L,4R)と、該左右のアーム部の前部に溶接されるとともに、車体フレームまたはエンジンに連結されるピボットパイプ(例えば実施形態におけるピボットパイプ3)とを有するスイングアームにおいて、前記左右のアーム部は、パイプ材(例えば実施形態におけるアルミパイプ材P)を略U字状に曲げ加工することで一体に形成された左右一対のストレート部(例えば実施形態におけるストレート部4L,4R)からなり、前記パイプ材の前記ストレート部間を結ぶ曲げ部(例えば実施形態における曲げ部5)に左右方向に延びる切欠き部(例えば実施形態における切欠き部11)が設けられ、該切欠き部に前記ピボットパイプが溶接されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記左右のアーム部の後部上面に、当該スイングアームと車体フレームとの間に連結されるクッションユニットの端部を挿通するクッション挿通孔(例えば実施形態におけるクッション挿通孔7L,7R)が設けられ、前記左右のアーム部の後部に、前記挿通孔に挿通された前記クッションユニットを固定するためのクッション取付孔(例えば実施形態におけるクッション取付孔8L,8R)が設けられることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記パイプ材の曲げ部は、単一の円弧で形成されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記パイプ材の曲げ部には、前記左右のアーム部から弧状に延びる二つの円弧部(例えば実施形態における円弧部9L,9R)と、該二つの円弧部を結ぶ直進部(例えば実施形態における直進部10)とが設けられ、前記直進部に前記切欠き部が設けられることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、前記パイプ材の曲げ部には、三つの円弧部(例えば実施形態における前方円弧部32L,32R及び後方円弧部33)が設けられ、前記三つの円弧部のうち、前記左右のアーム部に隣接する二つの円弧部に、前記切欠き部がそれぞれ設けられ、該切欠き部それぞれに前記ピボットパイプ(例えば実施形態におけるピボットパイプ35L,35R)が溶接されることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、前記パイプ材は、前記ピボットパイプより上下幅を大きく設定され、前記切欠き部は、側面視で半円状に形成されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、後部に後輪を軸支する左右のアーム部(例えば実施形態におけるストレート部4L,4R)と、該左右のアーム部の前部に溶接されるとともに、車体フレームまたはエンジンに連結されるピボットパイプ(例えば実施形態におけるピボットパイプ3)とを有するスイングアームの製造方法であって、所定の長さに切断されたパイプ材(例えば実施形態におけるアルミパイプ材P)の両端側に、前記スイングアームと車体フレームとの間に連結されるクッションユニットの端部を挿通するクッション挿通孔クッション挿通孔(例えば実施形態におけるクッション挿通孔7L,7R)と、該クッション挿通孔に挿通される前記クッションユニットを固定するためのクッション取付孔(例えば実施形態におけるクッション取付孔8L,8R)と、アクスルの挿通孔(例えば実施形態における挿通孔6L,6R)とを形成する工程と、前記パイプ材を曲げ加工して、略真直ぐに延びる左右一対のストレート部(例えば実施形態におけるストレート部4L,4R)、及び、該ストレート部間を結ぶ曲げ部(例えば実施形態における曲げ部5)を一体に形成する工程と、前記曲げ部に左右方向に延びる切欠き部(例えば実施形態における切欠き部11)を形成する工程と、前記切欠き部に前記ピボットパイプを溶接する工程と、を有することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、1本のパイプ材をプレス曲げ等により略U字状に曲げ加工するのみで、スイングアームの左右のアーム部を設けることができ、かつ、両アーム部間の曲げ部を補強部(ブリッジ部材)として設けることができるため、部品点数を少なく抑えことができるとともに製造効率を高めることができる。
また、補強部としての曲げ部はアーム部と一体のため、強度剛性を確保でき、さらには、曲げ部が左右のアーム部間を結ぶことでその左右方向幅は比較的長く確保されるため、ここに設ける切欠き部の左右方向幅を比較的長くでき、ピボットパイプとの溶着長を十分に確保し、ピボットパイプの溶接部位の強度剛性も確保できる。
この結果、極力少ない部品と作業工程で、強度剛性を確保可能なスイングアームを提供できる。
また、補強部としての曲げ部はアーム部と一体のため、強度剛性を確保でき、さらには、曲げ部が左右のアーム部間を結ぶことでその左右方向幅は比較的長く確保されるため、ここに設ける切欠き部の左右方向幅を比較的長くでき、ピボットパイプとの溶着長を十分に確保し、ピボットパイプの溶接部位の強度剛性も確保できる。
この結果、極力少ない部品と作業工程で、強度剛性を確保可能なスイングアームを提供できる。
請求項2に記載の発明によれば、クッション挿通孔及びクッション取付孔をプレス加工(打ち抜き)や切削加工等で設けるだけで、パイプ材の中空部分を使った、リヤクッションユニットの取付部を設けることが可能となり、より部品点数の削減をでき、より製造効率を高めることができる。
請求項3に記載の発明によれば、曲げ部の曲げ加工部分を少なく抑えることができ、製造効率をより向上できる。
請求項4に記載の発明によれば、ピボットパイプとの溶着長をより確保し易くでき、ピボットパイプの溶接部の強度剛性の一層の向上を図ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、エンジンやカラーが間に設けられる左右分割ピボット部を有する車両に対しても、極力少ない部品と作業工程で、強度剛性を確保可能なスイングアームを提供できる。
請求項6に記載の発明によれば、スイングアームの断面積の確保により全体の強度剛性をより十分に確保でき、また、半円状の切欠き部とピボットパイプとの当接面を大きくすることができるため、互いに結合する溶接部の強度剛性も向上させることができる。
請求項7に記載の発明によれば、極力少ない部品と効率的な作業工程で、強度剛性を確保可能なスイングアームを提供できる。
以下、本発明の実施形態について図面を基に説明する。
<第1の実施形態>
図1〜図3に、本実施形態に係るスイングアーム1の斜視図、上面図、左側面図を示す。以下では、スイングアーム1が自動二輪車等の鞍乗り型車両に搭載された際の方向を用いて実施形態を説明するものとし、図中には前方を示す矢印FR、左方を示す矢印LH、上方を示す矢印UPを示している。
図1〜図3に、本実施形態に係るスイングアーム1の斜視図、上面図、左側面図を示す。以下では、スイングアーム1が自動二輪車等の鞍乗り型車両に搭載された際の方向を用いて実施形態を説明するものとし、図中には前方を示す矢印FR、左方を示す矢印LH、上方を示す矢印UPを示している。
図1〜図3に示すようにスイングアーム1は、後部に後輪を軸支するスイングアーム本体2と、このスイングアーム本体2の前部に溶接されるとともに、車体フレームまたはエンジンに連結されるピボットパイプ3とを備えている。
スイングアーム本体2は、矩形断面のアルミパイプ材を略U字状に曲げ加工することで形成されており、後方に向けて略真直ぐに延びる左右一対のアーム部としてのストレート部4L,4Rと、これらストレート部4L,4Rの前端間を結ぶ曲げ部5とで構成されている。ストレート部4L,4R及び曲げ部5は一体であり、スイングアーム本体2は、図2に示すように平面視で略U字状を呈し、ストレート部4L,4Rは略平行状態で延びている。
ストレート部4L,4Rの後方の両端部には、後輪を軸支するためのアクスル挿通孔6L,6R、当該スイングアーム1と車体フレームとの間に連結されるリヤクッションユニットを取り付けるためのクッション挿通孔7L,7R及びクッション取付孔8L,8Rが形成されている。
アクスル挿通孔6L,6Rは、ストレート部4L,4Rの後端部のやや手前において、ストレート部4L,4Rの延び方向に沿う長孔として形成されており、矩形断面を有するストレート部4L,4Rそれぞれの後部側両側面を貫通するように形成されている。また、クッション挿通孔7L,7Rは、リヤクッションユニットを上方からストレート部4L,4Rの内部まで挿通すべく、ストレート部4L,4Rの後部上面であって、アクスル挿通孔6L,6Rよりも前方側に形成されている。そして、クッション取付孔8L,8Rは、クッション挿通孔7L,7Rに挿通されたリヤクッションユニットを例えばボルト締め等で固定するためのものであり、クッション挿通孔7L,7Rの下方のストレート部4L,4Rの後部側面に形成されている。これらクッション取付孔8L,8Rも、矩形断面を有するストレート部4L,4Rそれぞれの後部側両側面を貫通するように形成されている。
図4を参照し、本図においてCはリヤクッションユニットを示している。より詳しく説明すると、この図に参照されるようにクッション挿通孔7L,7Rは、リヤクッションユニットCの下端を上方からストレート部4L,4Rの内部まで挿通させる。また、クッション取付孔8L,8Rは、クッション挿通孔7L,7Rに挿通されたリヤクッションユニットCの下端の固定部C1を固定するためのボルトBを挿通させる。
図1〜図3に戻り、曲げ部5は、左右のストレート部4L,4Rを連結するクロス部材としての機能を有しており、本実施形態では、図2に示すように平面視で略コの字型に形成されている。より具体的に説明すると、曲げ部5は、左右のストレート部4L,4Rの前端部に一端を結合して弧状に延びる二つの円弧部9L,9Rと、左右方向に真直ぐ延びて、前述の二つの円弧部9L,9Rを結ぶ直進部10とで平面視略コの字型に形成されている。
直進部10の前面には、図4に示すように、左右方向に延び、中空である直進部10の内部空間を露出させる切欠き部11が形成されている。この切欠き部11は、その上縁及び下縁が左右方向に真直ぐ延びるように形成されるとともに、両端部は、図2に示すように、ピボットパイプ3の周面に沿うように側面視で半円状に形成されている。ここで直進部10の上下幅Lは、切欠き部11の両端部を半円状に形成すべく、ピボットパイプ3の直径Dよりも大きく設定されている。なお、切欠き部11の左右方向における幅寸法は、切欠き部11の両端部がピボットパイプ3の外周面略半分を受け入れ可能な半円状になるように設定されている。
そして、ピボットパイプ3が切欠き部11に溶接されている。ピボットパイプ3は、中空円筒のアルミパイプ材から形成されており、図2に示すように、その周面を切欠き部11に沿わせるように当接させた状態で溶接される。ここで、図中、12U,12Dは溶接部を示している。溶接12U,12Dは、ピボットパイプ3の上部と切欠き部11の上縁とが当接する領域、及び、ピボットパイプ3の下部と切欠き部11の下縁とが当接する領域に形成されている。
以上のような構成で本実施形態のスイングアーム1は構成されている。次に、本実施形態に係るスイングアーム1の製造方法について、図4を参照しながら説明する。図4において、Pは矩形断面のアルミパイプ材を示している。
先ず、アルミ押し出しパイプ材を所定の長さに切断し、アルミパイプ材Pを形成する。次に、切断したアルミパイプ材Pの両端側に、先で説明した、アクスル挿通孔6L,6R、クッション挿通孔7L,7R、及び、クッション取付孔8L,8Rをそれぞれの所定の箇所に、プレス抜きによって形成する。
続いて、図中矢印Aに示すように、アルミパイプ材Pをプレスによって曲げ加工して、略真直ぐに延びる左右一対のストレート部4L,4Rを形成するとともに、ストレート部4L,4R間を結ぶ曲げ部5を形成する。ここでスイングアーム本体2が形成される。
そして、曲げ部5に左右方向に延びる切欠き部11を切削による機械加工で形成し、その後、切欠き部11にピボットパイプ3を溶接する。以上の手順を経て、スイングアーム1は構成される。
なお、上記で説明したアルミパイプ材Pはスイングアームの外観性の向上を図るため、矩形断面の外側角部及び内側角部にR面取りがなされ、さらに外側角部のR(面取り半径)は内側角部のRよりも大きくなっており、曲げ加工のし易い断面形状を形成するようになっている。
以上に説明したように本実施形態に係るスイングアーム1では、1本のアルミパイプ材Pをプレス曲げにより略U字状に曲げ加工するのみで、スイングアーム1の左右のアーム部としてのストレート部4L,4Rを設けることができ、かつ、ストレート部4L,4R間の曲げ部5を補強部(ブリッジ部材)として設けることができるため、部品点数を少なく抑えることができるとともに製造効率を高めることができる。
また、補強部としての曲げ部5はストレート部4L,4Rと一体のため、強度剛性を確保でき、さらには、曲げ部5が左右のストレート部4L,4R間を結ぶことでその左右方向幅は比較的長く確保されるため、ピボットパイプ3との溶着長を十分に確保でき、ピボットパイプ3の溶接部位の強度剛性も高くできる。つまり、ストレート部4L,4Rは、スイングアームのアーム部として機能し、両者間には後輪を介在させる程度のクリアランスが設定されるので、曲げ部5の左右方向幅は比較的長く確保される。このため、この曲げ部5に設ける切欠き部11の左右方向幅も比較的長くでき、ピボットパイプ3との溶着長を十分に確保し、ピボットパイプ3の溶接部位の強度剛性も高くできる。
この結果、極力少ない部品と作業工程で、強度剛性を確保可能なスイングアームを提供できる。
また、クッション挿通孔7L,7R及びクッション取付孔8L,8Rをプレス加工(打ち抜き、なお切削加工等でも良い)で設けるだけで、アルミパイプ材Pの中空部分を使った、リヤクッションユニットCの取付部を設けており、より一層の部品点数削減が図られているとともに、より一層の製造効率の向上が図られている。
さらに、曲げ部5は、左右のストレート部4L,4Rから弧状に延びる二つの円弧部9L,9Rと、該二つの円弧部9L,9Rを結ぶ直進部10とで構成され、直進部10に切欠き部11が設けられているため、ピボットパイプ3との溶着長を確保し易く、溶接長が十分に確保されており、ピボットパイプ3の溶接部の強度剛性の一層の向上が図られている。
その上、アルミパイプ材Pは、ピボットパイプ3より上下幅を大きく設定され、切欠き部11は、側面視で半円状に設けられていることで、スイングアーム1の断面積の確保により全体の強度剛性をより十分に確保でき、また、半円状の切欠き部11とピボットパイプ3との当接面を大きくして、互いに結合する溶接部の強度剛性も一層向上させている。
また、スイングアーム1の手順にあっては、アルミパイプ材Pの曲げ加工前に、アクスル挿通孔6L,6R、クッション挿通孔7L,7R、及び、クッション取付孔8L,8Rを形成することで、曲げ加工後にこれら各種孔を形成するよりも容易にこれらを形成できるため、効率的な作業工程でスイングアーム1を提供できる。
ここで、図5は、スイングアーム1を搭載した自動二輪車13を示している。図5を用いてスイングアーム1を搭載した自動二輪車13について説明する。
自動二輪車13において、車体フレーム14に懸架されたエンジン15の下方後部にはピボット部16が形成される。スイングアーム1は、そのピボットパイプ3をピボット部16に軸支され上下方向に揺動可能とされるとともに、後部にアクスルを介して後輪17を支持する。そして、ストレート部4L,4R(紙面手前の4Lのみ示す)後部のクッション挿通孔7L,7R(紙面手前の7Lのみ示す)にはリヤクッションユニットCが挿通され、リヤクッションユニットCの下端の固定部C1にはクッション取付孔8L,8Rから挿通されたボルトが締結される(図3等も参照のこと)。そして、リヤクッションユニットCの上端は車体フレーム14に固定されている。
このように本発明に係るスイングアーム1を自動二輪車に搭載すれば、製造コストの低減に加え、スイングアーム1はアルミパイプ材からなり非常に軽量であるため、自動二輪車の軽量化も図ることができる。
自動二輪車13において、車体フレーム14に懸架されたエンジン15の下方後部にはピボット部16が形成される。スイングアーム1は、そのピボットパイプ3をピボット部16に軸支され上下方向に揺動可能とされるとともに、後部にアクスルを介して後輪17を支持する。そして、ストレート部4L,4R(紙面手前の4Lのみ示す)後部のクッション挿通孔7L,7R(紙面手前の7Lのみ示す)にはリヤクッションユニットCが挿通され、リヤクッションユニットCの下端の固定部C1にはクッション取付孔8L,8Rから挿通されたボルトが締結される(図3等も参照のこと)。そして、リヤクッションユニットCの上端は車体フレーム14に固定されている。
このように本発明に係るスイングアーム1を自動二輪車に搭載すれば、製造コストの低減に加え、スイングアーム1はアルミパイプ材からなり非常に軽量であるため、自動二輪車の軽量化も図ることができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図6には本実施形態に係るスイングアーム20が示されている。第1の実施形態と共通する部位には、同一符号を示し、説明は省略するものとする。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図6には本実施形態に係るスイングアーム20が示されている。第1の実施形態と共通する部位には、同一符号を示し、説明は省略するものとする。
図6に示すスイングアーム20では、アルミパイプ材を略U字状に曲げ加工することで形成されており、その曲げ部21が単一の円弧、すなわち、平面視で半円状に形成されている。そして、曲げ部21の前面に切欠き部11が形成され、この切欠き部11にピボットパイプ3が溶接されている。その他の構成は上記第1の実施形態と同様である。
このような第2の実施形態に係るスイングアーム20では、第1の実施形態と同様の効果を奏することができるとともに、曲げ部21が単一の円弧で形成されているため、曲げ加工部分を少なく抑えることができる。すなわち、曲げ加工部分を一箇所のみに抑えることができるため、製造効率をより向上できる。なお、本実施形態のスイングアーム20の製造の手順も第1の実施形態と同様である。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図7には本実施形態に係るスイングアーム30が示されている。第1の実施形態と共通する部位には、同一符号を示し、説明は省略するものとする。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図7には本実施形態に係るスイングアーム30が示されている。第1の実施形態と共通する部位には、同一符号を示し、説明は省略するものとする。
図7に示すスイングアーム30は、アルミパイプ材に複数の曲げ部分が形成されるように曲げ加工されることで作製され、スイングアーム30を全体で見た場合には、概ね略U字状に形成されている。そして、図中31に示す曲げ部においては、三つの円弧部が構成されている。具体的には、曲げ部31は、左右のストレート部4L,4Rの前端部に一端を結合し前方に向けて湾出する半円状の前方円弧部32L,32Rと、前方円弧部32L,32Rそれぞれの内側端部に結合し、後方に向けて湾出する半円状の後方円弧部33とで構成され、曲げ部31は平面視でM字状あるいはW字状を呈している。
前方円弧部32L,32Rそれぞれには、切欠き部34L,34Rが形成され、この切欠き部34L,34Rには、ピボットパイプ35L,35Rがそれぞれ溶接されている。すなわち、本実施形態で曲げ部31は、左右のストレート部4L,4Rに隣接する二つの前方円弧部32L,32Rにそれぞれ切欠き部34L,34Rが形成され、それぞれにピボットパイプ35L,35Rが溶接されている。その他の構成については、上記第1の実施形態と同様である。
このような第3の実施形態に係るスイングアーム30では、第1の実施形態と同様の効果を奏することができるとともに、エンジンやカラーが間に設けられる左右分割ピボット部を有する車両に対しても、極力少ない部品と作業工程で、強度剛性を確保可能なスイングアームを提供できる。なお、本実施形態のスイングアーム30の製造の手順も第1の実施形態と同様である。
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図8には本実施形態に係るスイングアーム40が示されている。第1の実施形態と共通する部位には、同一符号を示し、説明は省略するものとする。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図8には本実施形態に係るスイングアーム40が示されている。第1の実施形態と共通する部位には、同一符号を示し、説明は省略するものとする。
図8に示すスイングアーム40には、その左右のストレート部4L,4R間に板状のクロスフレーム41が設けられている。このようにすればスイングアームの強度剛性をより向上できる。ここで、クロスフレーム41の取り付けとしては、ボルト締め、リベット接合、溶接等が考えられるが、ボルト締め、リベット接合の際は母材が中空部材であることから容易に取り付け部を形成できる。なお、本実施形態のスイングアーム30の製造の手順も第1の実施形態と同様である。
以上で本発明を第1〜第4の実施形態に基づき説明したが、上記実施形態における構成はこの発明の一例であり、部品構成や構造、形状、大きさ、数及び配置等を含め、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。例えば上記の実施形態では、スイングアームを形成するパイプ材の材質をアルミとしたが、その他の金属であっても良い。また、パイプ材は、矩形断面の部材を用いたが、中空円形断面のパイプ材等であっても良い。
また、上記実施形態では、スイングアームにリヤクッションユニットの挿通孔やアクスルの挿通孔を形成することを説明したが、この他にもチェーンガイド、チェーンケース、チェーンスライダ等の取り付け孔を形成しても良く、この場合も、これら孔をプレス加工で容易に形成できるため、部品点数削減や製造の効率化の向上が図れる。
また、上記実施形態でスイングアーム1,20,30は略U字状に曲げ加工される旨の説明をしたが、本発明は、ピボットパイプを除いたスイングアームを見た場合に厳密にU字形状であるようなものに限られるものではなく、この略U字状は、平面視でコ字状やV字状、第三実施形態のように全体で見た場合に概ねU字状である場合等をも含む概念である。より具体的に説明すると、上記実施形態では、左右一対のアーム部としてのストレート部4L,4Rが、略平行状態で延びる例を説明したが、例えば後方に向けってやや拡がって延びる、又は、後方に向かってややすぼむように延びるような形態等も本発明の概念に含まれるものである。また、ストレート部4L,4Rが曲げ部5から後方に向けてやや拡がって延び、その中間部分で折れ曲がり互いに平行となる(すなわち、この平行部分がストレート部に対応する)ような形態等も本発明の概念に含まれる。
1,20,30,40 スイングアーム
3,35L,35R ピボットパイプ
4L,4R ストレート部
5 曲げ部
6L,6R アクスル挿通孔
7L,7R クッション挿通孔
8L,8R クッション取付孔
9L,9R 円弧部
10 直進部
11 切欠き部
32L,32R 前方円弧部(円弧部)
33 後方円弧部(円弧部)
3,35L,35R ピボットパイプ
4L,4R ストレート部
5 曲げ部
6L,6R アクスル挿通孔
7L,7R クッション挿通孔
8L,8R クッション取付孔
9L,9R 円弧部
10 直進部
11 切欠き部
32L,32R 前方円弧部(円弧部)
33 後方円弧部(円弧部)
Claims (7)
- 後部に後輪を軸支する左右のアーム部と、該左右のアーム部の前部に溶接されるとともに、車体フレームまたはエンジンに連結されるピボットパイプとを有するスイングアームにおいて、
前記左右のアーム部は、パイプ材を略U字状に曲げ加工することで一体に形成された左右一対のストレート部からなり、
前記パイプ材の前記ストレート部間を結ぶ曲げ部に左右方向に延びる切欠き部が設けられ、前記切欠き部に前記ピボットパイプが溶接されていることを特徴とするスイングアーム。 - 前記左右のアーム部の後部上面に、当該スイングアームと車体フレームとの間に連結されるクッションユニットの端部を挿通するクッション挿通孔が設けられ、
前記左右のアーム部の後部に、前記挿通孔に挿通された前記クッションユニットを固定するためのクッション取付孔が設けられることを特徴とする請求項1に記載のスイングアーム。 - 前記パイプ材の曲げ部は、単一の円弧で形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のスイングアーム。
- 前記パイプ材の曲げ部には、前記左右のアーム部から弧状に延びる二つの円弧部と、該二つの円弧部を結ぶ直進部とが設けられ、
前記直進部に前記切欠き部が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載のスイングアーム。 - 前記パイプ材の曲げ部には、三つの円弧部が設けられ、
前記三つの円弧部のうち、前記左右のアーム部に隣接する二つの円弧部に、前記切欠き部がそれぞれ設けられ、該切欠き部それぞれに前記ピボットパイプが溶接されることを特徴とする請求項1又は2に記載のスイングアーム。 - 前記パイプ材は、前記ピボットパイプより上下幅を大きく設定され、
前記切欠き部は、側面視で半円状に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のスイングアーム。 - 後部に後輪を軸支する左右のアーム部と、該左右のアーム部の前部に溶接されるとともに、車体フレームまたはエンジンに連結されるピボットパイプとを有するスイングアームの製造方法であって、
所定の長さに切断されたパイプ材の両端側に、前記スイングアームと車体フレームとの間に連結されるクッションユニットの端部を挿通するクッション挿通孔と、該クッション挿通孔に挿通される前記クッションユニットを固定するためのクッション取付孔と、アクスルの挿通孔とを形成する工程と、
前記パイプ材を曲げ加工して、略真直ぐに延びる左右一対のストレート部、及び、該ストレート部間を結ぶ曲げ部を一体に形成する工程と、
前記曲げ部に左右方向に延びる切欠き部を形成する工程と、
前記切欠き部に前記ピボットパイプを溶接する工程と、を有することを特徴とするスイングアームの製造方法。
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