JP2011093164A - 熱変色性筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦体の汚れや損傷を防止でき、また、ペン先突出状態と摩擦体突出状態とを同時に得ることができ、且つ、ペン先没入状態と摩擦体没入状態とを同時に得ることができる熱変色性筆記具を提供する。
【解決手段】軸筒2内に熱変色性インキを収容する。軸筒2の前端に熱変色性インキが吐出可能なペン先31を設ける。軸筒2の後端部に、前記熱変色性インキの筆跡を摩擦しその際に生じる摩擦熱で熱変色性インキの筆跡を熱変色させる摩擦体4を設ける。第1の操作部51を径方向内方に押圧することによりペン先31を軸筒2の前端孔21から突出状態にする第1の出没機構5を備える。第2の操作部61を径方向内方に押圧することにより摩擦体4を軸筒2の後端孔22より突出状態にする第2の出没機構6を備える。第1の出没機構5と第2の出没機構6とを独立して設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱変色性筆記具に関する。詳細には、熱変色性インキを内蔵し且つ外面に前記熱変色性インキの筆跡を摩擦熱で熱変色させる摩擦体を備えた熱変色性筆記具に関する。
従来、熱変色性インキを内蔵した熱変色性筆記具において、特許文献1には、熱変色性インキによる筆跡を摩擦熱で熱変色させるための摩擦体を、軸胴の後端に設ける構成が記載されている。また、特許文献2には、軸筒の前端より摩擦体が出没する熱変色性筆記具が開示されている。
特開2004−148744号公報 特開2009−184279号公報
特許文献1の熱変色性筆記具は、摩擦体が軸筒の後端より常時突出されているため、摩擦体が塵や埃等の付着で汚れたり、損傷したりするおそれがある。
特許文献2の熱変色性筆記具は、摩擦体がペン先に対して相対的に前後に移動する構成であり、ペン先突出状態と摩擦体突出状態とを同時に得ることができないため、ペン先突出状態のまま摩擦体を使用できず、不便である。また、特許文献2の熱変色性筆記具は、ペン先没入状態と摩擦体没入状態とを同時に得ることができないため、ペン先または摩擦体のどちらかが外部に突出され、ペン先や摩擦体を損傷させるおそれがある。
本発明は、前記従来の問題点を解決するものであって、摩擦体の汚れや損傷を防止でき、また、ペン先突出状態と摩擦体突出状態とを同時に得ることができ、且つ、ペン先没入状態と摩擦体没入状態とを同時に得ることができる熱変色性筆記具を提供しようとするものである。尚、本発明で、「前」とは、ペン先側を指し、「後」とは、その反対側を指す。尚、本発明で、「ペン先突出状態」とは、ペン先が軸筒の前端より外部に突出した状態をいい、「ペン先没入状態」とは、ペン先が軸筒内に没入した状態をいい、「摩擦体突出状態」とは、摩擦体が軸筒の後端より外部に突出した状態をいい、「摩擦体没入状態」とは、摩擦体が軸筒内に没入した状態をいう。
[1]本願の第1の発明は、軸筒2内に熱変色性インキを収容し、前記軸筒2の前端に前記熱変色性インキが吐出可能なペン先31を設け、前記軸筒2の後端部に、前記熱変色性インキの筆跡を摩擦しその際に生じる摩擦熱で前記熱変色性インキの筆跡を熱変色させる摩擦体4を設けた熱変色性筆記具であって、軸筒2の側壁に設けた操作部61を径方向内方に押圧することによって軸筒2後端より摩擦体4が出没する出没機構6を備えたことを要件とする。
前記第1の発明の熱変色性筆記具1は、摩擦体4の使用時に摩擦体4を軸筒2の後端より外部に突出させ、摩擦体4の不使用時に摩擦体4を軸筒2内に収容することができ、摩擦体4の汚れや損傷を防止できる。
[2]本願の第2の発明は、前記第1の発明の熱変色性筆記具1において、筆記体3を軸筒2前部内に前後方向に移動可能に収容し、摩擦体4を軸筒2後部内に前後方向に移動可能に収容し、前記筆記体3の内部に熱変色性インキを収容し、前記筆記体3の前端に前記熱変色性インキが吐出可能なペン先31を設け、前記軸筒2の側壁に設けた第1の操作部51を径方向内方に押圧することによりペン先31を軸筒2の前端孔21から突出状態にし、再度、前記第1の操作部51を径方向内方に押圧することにより前記ペン先突出状態を解除しペン先31を軸筒2の前端孔21より軸筒2内に没入状態にする第1の出没機構5を備え、前記軸筒2の側壁に設けた第2の操作部61を径方向内方に押圧することにより摩擦体4を軸筒2の後端孔22から突出状態にし、再度、前記第2の操作部61を径方向内方に押圧することにより前記摩擦体突出状態を解除し摩擦体4を軸筒2の後端孔22より軸筒2内に没入状態にする第2の出没機構6を備え、前記第1の出没機構5と前記第2の出没機構6とを独立して設けたことを要件とする。
前記第2の発明の熱変色性筆記具1は、第1の出没機構5と第2の出没機構6とを独立して設けたことにより、ペン先突出状態と摩擦体突出状態とを同時に得ることができ、且つ、ペン先没入状態と摩擦体没入状態とを同時に得ることができる。その結果、ペン先突出状態且つ摩擦体突出状態のとき、ペン先突出状態のまま摩擦体4を使用でき、一方、ペン先没入状態且つ摩擦体没入状態のとき、ペン先31及び摩擦体4の損傷を防止できる。
・摩擦体
本発明の摩擦体4は、弾性材料(軟質材料)から構成されることが好ましい。前記摩擦体4を構成する弾性材料は、弾性を有する合成樹脂(ゴム、エラストマー)が好ましく、例えば、シリコーン樹脂、SBS樹脂(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)、SEBS樹脂(スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)、フッ素系樹脂、クロロプレン樹脂、ニトリル樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等が挙げられる。前記摩擦体4を構成する弾性を有する合成樹脂は、高摩耗性の弾性材料(例えば、消しゴム等)からなるものよりも、摩擦時に摩耗カス(消しカス)が殆ど生じない低摩耗性の弾性材料からなることが好ましい。
・熱変色性インキ
本発明において、前記熱変色性インキは、可逆熱変色性インキが好ましい。前記可逆熱変色性インキは、発色状態から加熱により消色する加熱消色型、発色状態または消色状態を互変的に特定温度域で記憶保持する色彩記憶保持型、または、消色状態から加熱により発色し、発色状態からの冷却により消色状態に復する加熱発色型等、種々のタイプを単独または併用して構成することができる。
本発明は、摩擦体の使用時に摩擦体を軸筒の後端より外部に突出させ、摩擦体の不使用時に摩擦体を軸筒内に収容することができ、摩擦体の汚れを防止できる。
本発明の実施の形態のペン先没入状態且つ摩擦体没入状態を示す縦断面図である。 図1のペン先突出状態且つ摩擦体突出状態を示す縦断面図である。
本発明の実施の形態を図1及び図2に示す。
本実施の形態の熱変色性筆記具1は、軸筒2と、該軸筒2の前部内に収容される筆記体3と、該筆記体3のペン先31を軸筒2の前端孔21より出没自在にさせる第1の出没機構5と、該軸筒2の後部内に収容される摩擦体4と、該摩擦体4を軸筒2の後端孔22より出没自在にさせる第2の出没機構6とを備える。
・筆記体
前記筆記体3は、ペン先31と、該ペン先31が前端開口部に圧入固着されたインキ収容管32と、該インキ収容管32内に充填される熱変色性インキと、該熱変色性インキの後端に充填され且つ該熱変色性インキの消費に伴い前進する追従体(例えば高粘度流体)とからなる。前記熱変色性インキは、加熱により消色し、冷却により発色するタイプの可逆熱変色性インキが採用される。
前記ペン先31は、例えば、前端に回転可能にボールを抱持した金属製のボールペンチップのみからなる構成、または前記ボールペンチップの後部外面を保持した合成樹脂製のペン先ホルダーからなる構成のいずれであってもよい。また、前記インキ収容管32の後端開口部に、インキ収容管32と外部とが通気可能な通気孔を備えた尾栓を取り付けてもよい。前記ペン先31は、ボールペンチップ以外のペン先(例えば、繊維ペン体等)でもよい。
・摩擦体
前記摩擦体4は、弾性材料(例えば、シリコーン樹脂、SBS樹脂、SEBS樹脂等)により形成される部材である。前記摩擦体4を構成する弾性材料は、高摩耗性の弾性材料(例えば、消しゴム等)ではなく、摩擦時に摩耗カス(消しカス)が殆ど生じない低摩耗性の弾性材料からなる。前記摩擦体4は、後端孔22より外部に突出可能な小径部41と、該小径部41より後方に連設され且つ前端に摺動体用スプリングが係止可能な大径部42とからなる。
・軸筒
軸筒2は、前軸2aと、該前軸2aの後端開口部に連結される後軸2bと、該後軸2bの後端開口部に取り付けられる尾冠2cとからなる。前記前軸2aの前端には、ペン先31が出没可能な前端孔21が軸方向に貫設され、前記前軸2a後部の側壁には第1の側孔23が径方向に貫設される。前記尾冠2cの後端には、摩擦体4が出没可能な後端孔22が軸方向に貫設される。前記後軸2b前部の側壁には第2の側孔24が径方向に貫設される。前記前軸2a内部には、筆記体3及び第1の出没機構5が収容される。前記後軸2b内部には、摩擦体4及び第2の出没機構6が収容される。
・第1の出没機構
前記出没機構は、回転カム機構を用いたサイドノック式出没機構であり、軸筒2内面(前軸2a内面)に形成された第1のカム部52と、該第1のカム部52と係合し且つ筆記体3の後端と当接する第1の回転部材53と、該第1の回転部材53と係合し且つ軸線に対して傾斜するカム面54aを有する、軸方向に移動可能な第1の摺動体54と、該第1の摺動体54を第1のカム部52に対して後方に付勢する第1の摺動体用スプリング55と、該第1の摺動体54のカム面54aに接触し且つ径方向内方に変位可能な第1の操作部51と、軸筒2の前部内(前軸2a内)に収容され且つ筆記体3を後方に付勢する筆記体用スプリング7とからなる。前記第1の操作部51は第1の側孔23の一端に回動自在に設けられる。本実施の形態の第1の出没機構5は、ペン先突出操作及びペン先没入操作のいずれもが第1の操作体を径方向内方に押圧操作するダブルノック式である。
前記第1のカム部52は、前方に突出する鋸歯状の複数のカム歯と、該カム歯間に形成され、第1の回転部材53の突条が係合するカム溝とを備える。前記第1の回転部材53は、その外面に長手方向に延びる突条を備え、該突条が、カム部のカム溝と係合される。前記第1の摺動体54は、その前端部に、カム部のカム溝内を摺動するガイド突条と、第1の回転部材53の突条の後端と係合するカム歯とを備え、一方、その後端部にカム面54aを備える。
・第2の出没機構
前記出没機構は、回転カム機構を用いたサイドノック式出没機構であり、軸筒2内面(後軸2b内面)に形成された第2のカム部62と、該第2のカム部62と係合し且つ摩擦体4の前端と当接する第2の回転部材63と、該第2の回転部材63と係合し且つ軸線に対して傾斜するカム面64aを有する、軸方向に移動可能な第2の摺動体64と、該第2の摺動体64を第2のカム部62に対して前方に付勢する第2の摺動体用スプリング65と、該第2の摺動体64のカム面64aに接触し且つ径方向内方に変位可能な第2の操作部61と、軸筒2後部内(後軸2b内)に収容され且つ摩擦体4を前方に付勢する摩擦体用スプリング8とからなる。前記第2の操作部61は第2の側孔24の一端に回動自在に設けられる。本実施の形態の出没機構は、摩擦体突出操作及び摩擦体没入操作のいずれもが第2の操作部61を径方向内方に押圧操作するダブルノック式である。
前記第2のカム部62は、後方に突出する鋸歯状の複数のカム歯と、該カム歯間に形成され、第2の回転部材63の突条が係合するカム溝とを備える。前記第2の回転部材63は、その外面に長手方向に延びる突条を備え、該突条が、第2のカム部62のカム溝と係合される。前記第2の摺動体64は、その後端部に、第2のカム部62のカム溝内を摺動するガイド突条と、第2の回転部材63の突条の前端と係合するカム歯とを備える。
前記第1の出没機構5と第2の出没機構6とは互いに独立して設けられる。
本実施の形態の熱変色性筆記具1は、摩擦体4の使用時に摩擦体4を軸筒2の後端より外部に突出させ、摩擦体4の不使用時に摩擦体4を軸筒2内に収容することができ、摩擦体4の汚れや損傷を防止できる。また、本実施の形態の熱変色性筆記具1は、回転式やサイドスライド式の出没機構に比べ、摩擦体4の突出操作及び摩擦体4の没入操作が迅速となる。
本実施の形態の熱変色性筆記具1は、第1の出没機構5と第2の出没機構6とを独立して設けたことにより、ペン先突出状態と摩擦体突出状態とを同時に得ることができ、且つ、ペン先没入状態と摩擦体没入状態とを同時に得ることができる。その結果、ペン先突出状態且つ摩擦体突出状態のとき、ペン先突出状態のまま摩擦体4を使用でき、一方、ペン先没入状態且つ摩擦体没入状態のとき、ペン先31及び摩擦体4の損傷を防止できる。
1 熱変色性筆記具
2 軸筒
2a 前軸
2b 後軸
2c 尾冠
21 前端孔
22 後端孔
23 第1の側孔
24 第2の側孔
3 筆記体
31 ペン先
32 インキ収容管
4 摩擦体
41 小径部
42 大径部
5 第1の出没機構
51 第1の操作部
52 第1のカム部
53 第1の回転部材
54 第1の摺動体
54a カム面
55 第1の摺動体用スプリング
6 第2の出没機構
61 第2の操作部
62 第2のカム部
63 第2の回転部材
64 第2の摺動体
64a カム面
65 第2の摺動体用スプリング
7 筆記体用スプリング
8 摩擦体用スプリング

Claims (2)

  1. 軸筒内に熱変色性インキを収容し、前記軸筒の前端に前記熱変色性インキが吐出可能なペン先を設け、前記軸筒の後端部に、前記熱変色性インキの筆跡を摩擦しその際に生じる摩擦熱で前記熱変色性インキの筆跡を熱変色させる摩擦体を設けた熱変色性筆記具であって、軸筒の側壁に設けた操作部を径方向内方に押圧することによって軸筒後端より摩擦体が出没する出没機構を備えたことを特徴とする熱変色性筆記具。
  2. 筆記体を軸筒前部内に前後方向に移動可能に収容し、摩擦体を軸筒後部内に前後方向に移動可能に収容し、前記筆記体の内部に熱変色性インキを収容し、前記筆記体の前端に前記熱変色性インキが吐出可能なペン先を設け、
    前記軸筒の側壁に設けた第1の操作部を径方向内方に押圧することによりペン先を軸筒の前端孔から突出状態にし、再度、前記第1の操作部を径方向内方に押圧することにより前記ペン先突出状態を解除しペン先を軸筒の前端孔より軸筒内に没入状態にする第1の出没機構を備え、
    前記軸筒の側壁に設けた第2の操作部を径方向内方に押圧することにより摩擦体を軸筒の後端孔から突出状態にし、再度、前記第2の操作部を径方向内方に押圧することにより前記摩擦体突出状態を解除し摩擦体を軸筒の後端孔より軸筒内に没入状態にする第2の出没機構を備え、
    前記第1の出没機構と前記第2の出没機構とを独立して設けた請求項1記載の熱変色性筆記具。
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