JP2011090875A - 発光装置 - Google Patents

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均 栗原
Shusuke Gamo
秀典 蒲生
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Abstract

【課題】発光輝度を向上させることの出来る照明装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、電子放出源を有するカソード電極と、前記カソード電極と対向する位置に設けられ、前記電子放出源から電界放出された電子により励起されて発光する蛍光体を有するアノード電極と、前記カソード電極と前記アノード電極との間に設けられ、前記電子放出源から放出された電子を通過させる開口部を有するゲート電極と、前記アノード電極の前記蛍光体が形成された面と対向する面に設けられたフレネルレンズと、を備えた発光装置である
【選択図】図1

Description

本発明は、電界電子放出型の発光装置に関する。
近年、白熱電球、蛍光灯といった従来の照明装置に対し、真空中で冷陰極電子放出源から電界放出された電子で蛍光体を励起発光させる照明装置が開発されており、電界放出型照明ランプ(Feild Emission Lamp)として知られている。
例えば、電界電子放出型の発光装置として、カソード電極に対して正の電位を与えたゲート電極によって電子を引き出し、さらに正の高電位を与えた蛍光体付きのアノード電極に電子を衝突させて蛍光発光させるものが提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、電界電子放出型の発光装置では、蛍光体から発せられた光は、蛍光体の周囲に拡散するため、投光面側から観察して輝度が低くなる傾向があった。
特開2006−339012号公報
そこで、本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、発光輝度を向上させることの出来る照明装置を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態は、電界電子放出型の照明装置において、電子放出源を有するカソード電極と、前記カソード電極と対向する位置に設けられ、前記電子放出源から電界放出された電子により励起されて発光する蛍光体を有するアノード電極と、前記カソード電極と前記アノード電極との間に設けられ、前記電子放出源から放出された電子を通過させる開口部を有するゲート電極と、前記アノード電極の前記蛍光体が形成された面と対向する面に設けられたフレネルレンズと、を備えたことを特徴とする発光装置である。
また、前記発光装置は、前記フレネルレンズと前記アノード電極との間に透明基板を設け、前記透明基板は第1透明基板と第2透明基板とを重ねてなり、前記フレネルレンズは前記第1透明基板上に積層され、前記アノード電極は前記第2透明基板上に積層されていてもよい。
また、前記発光装置は、前記フレネルレンズは単一のレンズより形成されたフレネルレンズであってもよい。
また、前記発光装置は、前記フレネルレンズは複数のレンズが配列されたレンズパターンを有するフレネルレンズであってもよい。
また、前記発光装置は、前記ゲート電極の開口部の位置と対応するように、前記レンズパターンのレンズは配置されていてもよい。
本発明の発光装置は、投光面側にフレネルレンズを形成することにより、蛍光体から発せられた光を集光し観察側に放射することが出来る。このため、投光面側の輝度を向上させることが出来る。
本発明の発光装置の一例を示す概略断面図である。 本発明の発光装置のアノード電極の一例を示す概略断面図である。 本発明の発光装置のフレネルレンズの一例を示す概略上面図である。 本発明の発光装置のフレネルレンズの一例を示す概略上面図である。
以下、本発明の発光装置について、具体的に説明を行なう。
図1は、本発明の発光装置の一例を示す概略断面図であり、所定間隔で置かれた透明基板3と基板4によって囲まれた内部に、カソード電極9、電子放出源8、ゲート電極7、蛍光体6、アノード電極5を底面側から投光面側に向かって順に配置している。
また、フレネルレンズ2がアノード電極6側の投光面側に形成されている。
電子放出源は、電界を集中させ、電界放出を行なう部位である。電子放出源は電界を集中させるのに適した形状であることが好ましく、円錐、円柱、スピント型マイクロコーンなどの形状に加工されていてもよい。
また、シリコン、金属材料、金属酸化物ウィスカー、ナノ炭素材料などであってもよい。
また、電子放出源は、ナノ炭素材料であることが好ましい。炭素材料は、表面に酸化膜を形成しないため、シリコンや金属材料に比較して、低い表面仕事関数を維持できる。さらに、ナノオーダーの先端構造を持つため、より低い電圧での電子放出を得ることができる。
ここで、ナノ炭素材料としては、例えば、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノフィラメント、カーボンナノウォール、カーボンナノコイル、などが挙げられる。
特に、カーボンナノチューブは高密度で垂直配高して製造出来ることが知られており、垂直配高したカーボンナノチューブは電界集中に適した形状および特性を示すことから、電子放出源として用いるのに好ましい。
カソード電極は、導電性材料であれば良い。
例えば、金属材料または半金属材料であれば良く、具体的には、銅、銀、タングステン、アルミニウム、ニッケル、モリブデン、鋼、ステンレス、インバー、コバール、シリコン、単結晶シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、酸化インジウムスズ、などであってもよい。
カソード電極を保持する基板上に、カソード電極を薄膜上に形成する場合、(1)導電性材料を蒸着やスパッタ法等によって堆積する、(2)銀ペースト材を塗布して乾燥・焼成する、などの方法により形成してよい。
また、カソード電極自体を基板状に形成してもよい。
また、カソード電極上にカソードマスクを形成してもよい。
カソードマスクは、パターン形成されており、電子放出源において電子を放出させる領域を制御する。
また、カソードマスクは、導電性材料よりなる。
カソードマスクに用いる導電性材料としては、例えば、金属材料または半金属材料であれば良く、具体的には、銅、銀、タングステン、アルミニウム、ニッケル、モリブデン、鋼、ステンレス、インバー、コバール、シリコン、単結晶シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、酸化インジウムスズ、などであってもよい。
ゲート電極は、カソード電極上の電子放出源から電子を放出させ、この電子をアノード電極の方向へと導くための電極である。
また、ゲート電極は、電子を通過させる開口部を有し、導電性材料よりなる。
ゲート電極に用いる導電性材料としては、例えば、金属材料または半金属材料であれば良く、具体的には、銅、銀、タングステン、アルミニウム、ニッケル、モリブデン、鋼、ステンレス、インバー、コバール、シリコン、単結晶シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、酸化インジウムスズ、などであってもよい。
ゲート電極の開口部において、開口部の形成方法は、機械加工、エッチング、スクリーン印刷などの加工方法を用いて良い。
また、ゲート電極の開口部において、開口部を形成する領域は、ゲート電極上において、ゲート電極およびカソード電極に対して垂直な方向から見たとき、少なくともカソード電極上の電子放出源が形成された部分の直上に形成されていればよい。
また、ゲート電極の開口部において、開口部の形状は、円形、矩形、ライン状など適宜設計し、決定してよい。
なお、本発明の発光装置において、ゲート電極は必須の構成部位ではない。本発明の発光装置は、アノード電極、ゲート電極、カソード電極を有する3極構造の発光装置に限定されず、アノード電極とカソード電極とを対向配置した2極構造の発光装置であってもよい。
アノード電極は、前記ゲート電極を挟んで前記電子放出源と対向して配置される。
アノード電極は、透明導電膜であればよい。例えば、透明導電膜として、酸化インジウムスズ、酸化亜鉛、酸化スズ、を用いても良い。
また、アノード電極は、透明基板上に保持されている。例えば、透明基板として、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート、などを用いても良い。
透明基板上にアノード電極を形成する場合、形成方法として、適宜公知の薄膜形成方法を用いることが出来る。例えば、薄膜形成方法として、スパッタ、真空蒸着、レーザーアブレーション、イオンプレーティング、CVD、スプレー法、ディップ法、などを用いても良い。
また、透明基板とアノード電極を重ねた厚みは後述するフレネルレンズの焦点距離fと同程度であることが好ましい。透明基板の厚みをフレネルレンズの焦点距離fと同程度とすることにより、アノード電極上の蛍光体から発せられた光を好適にフレネルレンズで集光させることが出来る。
なお、ここで、「同程度」とは、焦点距離fに対し、透明基板の厚みが焦点距離fの90%以上110%以下程度の範囲にあることをいう。
また、透明基板は、第1透明基板と第2透明基板とを重ねてなり、前記フレネルレンズは前記第1透明基板上に積層され、前記アノード電極は前記第2透明基板上に積層されていることが好ましい。
第1透明基板と第2透明基板とを重ねて透明基板を形成することで、フレネルレンズの保持とアノード電極の保持について、それぞれ個別の基板で保持形成することが出来、製造工程の省力化を計れる。また、第1透明基板と第2透明基板とを重ねて透明基板を形成することにより、透明基板全体の厚みについて好適に調整することが出来、好適に透明基板とアノード電極を重ねた厚みをフレネルレンズの焦点距離fと同程度とすることが出来る。
図2に、第1透明基板と第2透明基板とを重ねて透明基板を形成した場合における本発明の発光装置のアノード電極の一例を示す概略断面図を示す。
図2では、第1透明基板31上にフレネルレンズ2が形成され、第2透明基板32上にアノード電極5、蛍光体6が形成されており、第1透明基板31、第2透明基板32、およびアノード電極5を重ねた厚みはフレネルレンズ2の焦点距離fと同程度である。
蛍光体は、前記アノード電極上に設けられ、電子放出源から放出された電子を受けて発光する部位である。
蛍光体は、発光する波長や用途に応じ、適宜選択してよい。例えば、硫化亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化イットリウムなどの微粒子を用いても良い。
蛍光体の形成方法としては、適宜公知の薄膜形成方法を用いることが出来る。例えば、薄膜形成方法として、フォトグラフィ法、沈殿法、電着法、インクジェット法、スクリーン印刷などを用いても良い。
また、蛍光体はパターン形成して塗布されてもよく、該パターンの上面形状は適宜設計してよい。例えば、全面に蛍光体層を形成してもよいし、蛍光体層に任意のパターン(ラインパターン、ドットパターンなど)を形成してもよい。
本発明は、アノード電極の前記蛍光体が形成された面と対向する面に設けられたフレネルレンズを形成している。投光面側にフレネルレンズを形成することにより、蛍光体からの発せられた光を集光し観察側に放射することが出来る。このため、投光面側の輝度を向上させることが出来る。
フレネルレンズを形成する材料としては、光学特性に優れ、フレネルレンズの形状に形成できる加工性を備えた材料を用いることが好ましい。例えば、PMMA、高密度ポリエチレン、アクリル樹脂、などの材料を用いても良い。
また、フレネルレンズは単一のレンズより形成されたフレネルレンズであってもよい。
図3に、単一のレンズよりなるフレネルレンズの一例を示す。
また、フレネルレンズは複数のレンズが配列されたレンズパターンを有するフレネルレンズであってもよい。このとき、レンズパターンの配列は、適宜設計してよい。例えば、(1)格子配列、(2)六方最密配列、などであってもよい。
図4に、複数のレンズが配列されたレンズパターンを有するフレネルレンズの一例を示す。図4では、各レンズが格子配列に配列されたものの一例を示す。
また、前記カソード電極と前記アノード電極との間に、前記電子放出源から放出された電子を通過させる開口部を有するゲート電極を設ける場合、ゲート電極の開口部の位置と対応するように、前記レンズパターンのレンズは配置されていることが好ましい。
ゲート電極を形成した3極構造の電界電子放出型の照明装置では、電界放出された電子はゲート電極の開口部を通過しアノード電極に向かうため、開口部のないゲート電極部分からは電子が放出されない。このため、アノード電極上の蛍光体において、ゲート電極の開口部に対応する電子の衝突する発光部分と、ゲート電極の開口部外に対応する電子の衝突しない非発光部分が存在する。
このため、ゲート電極の開口部の配列と、フレネルレンズのレンズパターンの配列を対応させることで、個別の発光部分に対し好適に各レンズを配置することが出来、光の集光効率を向上させることが出来る。
本発明の発光装置は、(1)ディスプレイ用途:液晶バックライト、プロジェクタ光源、LEDディスプレイ光源、(2)シグナル用途:交通信号灯、産業/業務用回転灯・信号灯、非常灯・誘導灯、(3)センシング用途:赤外線センサ光源、産業用光センサ光源、光通信用光源、(4)医療・画像処理用途:医療用光源(眼底カメラ・スリットランプ)、医療用光源(内視鏡)、画像処理用光源、(5)光化学反応用途:硬化・乾燥/接着用光源、洗浄/表面改質用光源、水殺菌/空気殺菌用光源、(6)自動車用光源:ヘッドランプ、リアコンビネーションランプ、内装ランプ、(7)一般照明:オフィス照明、店舗照明、施設照明、舞台照明・演出照明、屋外照明、住宅照明、ディスプレイ照明(パチンコ機、自動販売機、冷凍・冷蔵ショーケース)、機器・什器組込照明、などの用途に用いられる発光装置として利用が期待される。
1……発光装置
2……フレネルレンズ
3……透明基材
31……第1透明基材
32……第2透明基材
4……基板
5……アノード電極
6……蛍光体
7……ゲート電極
8……電子放出源
9……カソード電極

Claims (5)

  1. 電界電子放出型の照明装置において、
    電子放出源を有するカソード電極と、
    前記カソード電極と対向する位置に設けられ、前記電子放出源から電界放出された電子により励起されて発光する蛍光体を有するアノード電極と、
    前記アノード電極の前記蛍光体が形成された面と対向する面に設けられたフレネルレンズと、
    を備えたことを特徴とする発光装置。
  2. 前記フレネルレンズと前記アノード電極との間に透明基板を設け、
    前記透明基板は第1透明基板と第2透明基板とを重ねてなり、
    前記フレネルレンズは前記第1透明基板上に積層され、
    前記アノード電極は前記第2透明基板上に積層されていること
    を特徴とする請求項1に記載の発行装置。
  3. 前記フレネルレンズは単一のレンズより形成されたフレネルレンズであること
    を特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の発光装置。
  4. 前記フレネルレンズは複数のレンズが配列されたレンズパターンを有するフレネルレンズであること
    を特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の発光装置。
  5. 前記カソード電極と前記アノード電極との間に、前記電子放出源から放出された電子を通過させる開口部を有するゲート電極を設け、
    前記ゲート電極の開口部の位置と対応するように、前記レンズパターンのレンズは配置されていること
    を特徴とする請求項4に記載の発光装置。
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