JP2011090336A - 偏光板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 PVA系偏光子を用いた偏光板において、高温ないし高湿下での信頼性が良好な耐久性の優れた偏光板の製造方法を提供する。
【解決手段】 ポリビニルアルコール系偏光子を挟持する様に2枚の保護フィルムを貼り合わせる偏光板の製造方法であって、前記保護フィルムの透湿度が、40℃×90%R.Hで5〜300(g/m2・24h)であり、前記ポリビニルアルコール系偏光子は、ポリビニルアルコール系フィルムに、二色性染料を吸着させる染色工程、硼素化合物で架橋する架橋工程、および浴中で一軸延伸する延伸工程の後に、乾燥して水分率を15重量%以下に調整したものであり、前記水分率の状態でポリビニルアルコール系偏光子に保護フィルムを貼り合わせる前記偏光板の水分率が3重量%以下の偏光板の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は液晶表示装置に使用される偏光板の製造方法に関する。特に本発明は、高温下ないしは高湿下のような過酷な環境下でも光線透過率、偏光度、画像の色相などの変化が少なく環境耐久性に優れた偏光板の製造方法に関する。
近年、パーソナルコンピューター、卓上電子計算機、電子時計、ワードプロセッサ−、自動車や機械類の計器類等に液晶表示装置が用いられ、これに伴い高偏光性能を有する偏光板の需要も増大している。特に、近年はあらゆる分野で液晶表示装置が使用されるため、過酷な条件で使用される場合も想定しておく必要があり、高温ないしは高湿下においても光線透過率、偏光度、画像の色相などの特性の変化が少なく耐久性に優れた偏光板が要請されている。
従来より偏光板としては、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素又は二色性染料を吸着させたポリビニルアルコール(PVA)系フィルムを偏光子として用い、前記偏光子の表裏両面側を、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムなどの保護フィルムで挟持した偏光板が比較的安価でしかも偏光性能が優れており、汎用されている。
即ち、PVA系フィルムを、二色性を有するヨウ素又は、二色性染料で染色する染色工程、ほう酸や、ほう砂等で架橋する架橋工程、および一軸延伸する延伸工程(染色、架橋、延伸の各工程は、別々に行う必要はなく同時に行ってもよく、また、各工程の順番も特に規定するものではない。)の後に、乾燥し、TACフィルム等の保護フィルムと貼り合わせて製造されている。しかし、屋外用や車載用など、高湿ないし高温における熱信頼性が高く要求される分野においては、TACフィルムの透湿度、吸水率が高いため、過剰な水分の浸入による偏光板の特性の劣化が大きいことが問題となってきた。そこで、偏光子としてヨウ素又は二色性染料を吸着させたポリビニルアルコール系フィルム(以下、PVA系偏光子と略称する)を用いた偏光板において、保護層として透明で透湿率や吸水率の低いフィルムを用いることが検討されている。
特開平6−51117号公報 特開平7−77608号公報 特開平11−142645号公報
しかしPVA系偏光子は、親水性のため、もともと偏光子自身の吸湿性が高く、ただ単に、保護フィルムとして前述したような透湿率や吸水率の低いフィルムを用いたのでは、PVA系偏光子から発散される水分の透過が妨げられ、高温環境下などでは、偏光板自体の内部が高温高湿状態となってしまい、その結果、光線透過率(以下、単に透過率と言う。)、偏光度などの変化量が大きくなり、偏光板としての信頼性は低いものとなっていた。
本発明は、従来例の前述のような問題点を解決し、PVA系偏光子を用いた偏光板において、低透湿性の保護フィルムを用いても高温ないし高湿下での信頼性が良好な偏光板を提供することを目的とするものであり、本発明者らは、PVA系偏光子と、透明なフィルムを偏光子の保護フィルムとして偏光子の両側に積層した偏光板において、前記PVA系偏光子の水分率ならびに前記保護フィルムの透湿性を鋭意検討した結果、PVA系偏光子の水分率を極力低下させた状態で、透湿性の低い保護フィルムを貼り合わせることにより信頼性が高く耐久性の優れた偏光板が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明の偏光板の製造方法は次のものである。
(1) ポリビニルアルコール系偏光子を挟持する様に2枚の保護フィルムを貼り合わせる偏光板の製造方法において、
前記保護フィルムの透湿度が、40℃×90%R.Hで5〜300(g/m 2 ・24h)であって、
前記ポリビニルアルコール系偏光子は、ポリビニルアルコール系フィルムに、二色性染料を吸着させる染色工程、硼素化合物で架橋する架橋工程、および浴中で一軸延伸する延伸工程の後に、乾燥して水分率を15重量%以下に調整したものであり、
前記水分率の状態でポリビニルアルコール系偏光子に保護フィルムを貼り合わせる前記偏光板の水分率が3重量%以下の偏光板の製造方法。
)前記()項に記載の偏光板の製造方法においては、保護フィルムが、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノルボルネン系樹脂およびポリオレフィン系樹脂からなる群から選ばれた樹脂からなる保護フィルムであることが好ましい。
本発明は、PVA系偏光子を用いた偏光板において、高温ないし高湿下での信頼性が良好な耐久性の優れた偏光板の製造方法を提供することができる。更に、保護フィルムとして透湿度が、40℃×90%R.Hで5〜300(g/m2・24h)である保護フィルムを用いる本発明の好ましい態様とすることにより、耐久性における光学特性変化量を従来のものと比較して小さくでき好ましい。
本発明による偏光板の基本的な構成は、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素又は二色性染料を吸着させたポリビニルアルコール(PVA)系フィルムからなる偏光子の両側に、適宜の接着層、例えば、ビニルアルコール系ポリマー等からなる接着層を介して保護フィルムとなる透明保護フィルムを接着したものからなる。
本発明の、少なくともPVA系偏光子と、それを挟持する2枚の保護フィルムからなる偏光板においては、前記偏光板の水分率が3重量%以下(以下、単に水分率重量%を水分率%として表示する。)であることが必要であり、更により耐久性の良い偏光板とするには、水分率が1%以下であることが好ましい。偏光板の水分率が3%より大きい場合には、高温ないし高湿環境下での透過率変化量、偏光度変化量あるいは色相変化量が大きくなり耐久性の良い偏光板を得ることが出来ない。
また、本発明の偏光板は、少なくとも、PVA系偏光子とそれを挟持する2枚の保護フィルムからなる偏光板において、前記PVA系偏光子の水分率を15%以下に調整した状態で保護フィルムを貼り合わせることによって得られる。更に好ましくは、前記PVA系偏光子の水分率を5%以下に調整した状態で保護フィルムを貼り合わせることによって、より耐久性の良い偏光板を製造し得る。尚、前記PVA系偏光子の水分率を15%より大きい状態で保護フィルムを貼り合わせた場合には、偏光板の水分率を3%以下、より好ましくは1%以下にすることは困難である。
尚、本発明の偏光板は、例えばPVA系フィルムに、ヨウ素又は二色性染料を吸着させる染色工程、ほう酸や、ほう砂等の硼素化合物で架橋する架橋工程、および一軸延伸する延伸工程(染色、架橋、延伸の各工程は、別々に行う必要はなく同時に行ってもよく、また、各工程の順番も特に規定するものではない。)の後に、乾燥し、保護フィルムと貼り合わせて製造される。
ポリビニルアルコール系フィルムの製造法としては、ポリビニルアルコールを水又は有機溶媒に溶解した原液を流延製膜して、浴中で延伸(湿式延伸)してヨウ素染色又はアゾ系、アントラキノン系、テトラジン系等の二色性染色で染色するか、延伸と染色を同時に行うか、染色して延伸した後、ホウ素化合物処理する方法が挙げられる。原液調製に際し使用される溶媒としては、水、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のアミン類及びこれらの混合物が用いられる。延伸は一軸方向に3.5倍以上、好ましくは4.5倍以上延伸することが望ましい。この際、前記と直角方向にも延伸(幅方向の収縮を防止する程度或いはそれ以上の延伸)を行っても差し支えない。延伸温度は、30〜130℃の範囲が適当である。なお、ポリビニルアルコール系フィルムの延伸は、上記に示した例は湿式延伸の代表的な一例を示したが、これに限定されるものではない。
フィルムへの二色性染料ないしヨウ素による染色つまり二色性染料ないしヨウ素の吸着はフィルムにこれらを含有する液体を接触させることによって行われる。通常は、ヨウ素−ヨウ化カリウムの水溶液、又はアゾ系、アントラキノン系、テトラジン系等の二色性染料の水溶液が用いられる。ヨウ素の濃度は0.1〜2.0g/l、ヨウ化カリウムの濃度は10〜50g/l、ヨウ素/ヨウ化カリウムの重量比は20〜100が適当であり、二色性染料の濃度は、0.1〜3.0g/lが適当である。染色時間は30〜500秒程度が実用的である。
かくして得られる偏光子の水分を、前述のような小さい範囲に調整する水分の調整方法については特に限定するものではないが、例えば次のような方法が挙げられる。
<1>偏光子の乾燥温度を高温にする。特に限定するものではないが、例えば乾燥温度を30℃〜80℃とする。
<2>偏光子の乾燥時間を長時間にする。特に限定するものではないが、例えば乾燥時間を10分〜1時間とする。
<3>偏光子を一旦巻き取り、20℃〜50℃で1〜24時間乾燥後、保護フィルムと貼り合わせる
かくして低い水分率の偏光子を用いることにより、加熱信頼性試験時に水分の発散を抑え、偏光板中が高湿雰囲気になることを抑制し、偏光板の加熱耐久性を向上させることができる。
PVA系偏光子を挟持する透明保護フィルムとしては、透明性、機械特性、熱安定性に優れ、透湿度が40℃×90%R.Hで5〜300(g/m2・24h)であるものが好ましく用いられる。透明保護フィルムの透湿度が40℃×90%R.Hで5(g/m2・24h)以上のフィルムを用いることにより、偏光子中に残っていた水分が光学耐久性を低下させると言う問題のない偏光板が提供でき、また、透湿度が40℃×90%R.Hで300(g/m2・24h)以下であるフィルムを用いることにより、偏光板の周囲雰囲気からの水分の侵入による光学耐久性の低下を防止でき好ましい。
これらの保護フィルムの代表例としては、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノルボルネン系樹脂およびポリオレフィン系樹脂などからなるフィルムが挙げられる。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体などが挙げられる。また、ポリイミド系樹脂としては、例えば、ピロメリット酸無水物とジアミノジフェニルエーテルなどの芳香族テトラカルボン酸無水物と芳香族ジアミンとの縮合反応とイミド閉環反応などによって製造された樹脂や無水マレイン酸とジアミノジフェニルメタンなどの芳香族ジアミンとから得られる付加型ポリイミドなどが挙げられる。ノルボルネン系樹脂としては、例えば(a)ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体を、必要に応じてマレイン酸付加、シクロペンタジエン付加の如き変性を行った後に、水素添加した樹脂、(b)ノルボルネン系モノマーを付加重合させた樹脂、(c)ノルボルネン系モノマーとエチレンやα−オレフィンなどのオレフィン系モノマーと付加重合させた樹脂、(d)ノルボルネン系モノマーとシクロペンテン、シクロオクテン、5,6−ジヒドロジシクロペンタジエンなどの環状オレフィン系モノマーと付加重合させた樹脂などが挙げられる。また、ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ4−メチルペンテン−1などの炭素数が1から6のα−オレフィンのホモポリマーないしコポリマーなどが挙げられる。
透明保護フイルムは、本発明の目的を損なわない限り、ハードコート処理や反射防止処理、スティッキングの防止や拡散ないしアンチグレア等を目的とした処理などを施したものであってもよい。ハードコート処理は、偏光板表面の傷付き防止などを目的に施されるものであり、例えばシリコーン系などの適宜な紫外線硬化型樹脂による硬度や滑り性等に優れる硬化皮膜を透明保護フィルムの表面に付加する方式などにて形成することができる。
一方、反射防止処理は偏光板表面での外光の反射防止を目的に施されるものであり、従来に準じた反射防止膜などの形成により達成することができる。またスティッキング防止は隣接層との密着防止を目的に、アンチグレア処理は偏光板の表面で外光が反射して偏光板透過光の視認を阻害することの防止などを目的に施されるものであり、例えばサンドブラスト方式やエンボス加工方式等による粗面化方式や透明微粒子の配合方式などの適宜な方式にて透明保護フィルムの表面に微細凹凸構造を付与することにより形成することができる。
前記の透明微粒子には、例えば平均粒径が0.5〜20μmのシリカやアルミナ、チタニアやジルコニア、酸化錫や酸化インジウム、酸化カドミウムや酸化アンチモン等が挙げられ、導電性を有する無機系微粒子を用いてもよく、また、架橋又は未架橋のポリマー粒状物等からなる有機系微粒子などを用いうる。透明微粒子の使用量は、透明樹脂100重量部あたり2〜70重量部、就中5〜50重量部が一般的である。
透明微粒子配合のアンチグレア層は、透明保護フィルムそのものとして、あるいは透明保護フィルム表面への塗工層などとして設けることができる。アンチグレア層は、偏光板透過光を拡散して視角を拡大するための拡散層(視角補償機能など)を兼ねるものであってもよい。なお上記した反射防止層やスティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等は、それらの層を設けたシートなどからなる光学層として透明保護フィルムとは別体のものとして設けることもできる。
保護フィルムとPVA系偏光子とを貼り合わせる場合には、接着剤ないし粘着剤が用いられる。かかる接着剤ないし粘着剤の種類は、偏光板の水分率や特性変化の点より、揮発分の少ない組成で硬化時ないし乾燥時に高温を要せず、短時間での処理が可能なものが好ましい。接着剤ないし粘着剤の具体例としては、例えばポリビニルアルコール系(PVA系)接着剤、アクリル系粘着剤、ポリエステル−イソシアネート系接着剤等、あるいは、ホウ酸やホウ砂、グルタルアルデヒドやメラミン、シュウ酸などのビニルアルコール系ポリマーの水溶性架橋剤から少なくともなる接着剤などが用いられる。
尚、偏光子の厚みは特に限定するものではないが、通常、15〜30μm程度の厚みの偏光フィルムを用いることが好ましく、保護フィルムの厚みとしては、80〜25μm、より好ましくは60〜25μm程度の厚みのものが好ましく用いられる。
かくして得られた偏光板は、更に粘着剤層や剥離フィルムを付加することが出来る。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に具体的に記載されたもののみに限定されるものではない。
[実施例1]
クラレ株式会社製ポリビニルアルコールフィルム(9P75R)の厚さ75μmの長尺ポリビニルアルコールフィルムをガイドロールを介して連続搬送しつつ、ヨウ素とヨウ化カリウム配合の染色浴(30℃)に浸漬して染色処理と2.5倍の延伸処理を施した後、ホウ酸とヨウ化カリウムを添加した酸性浴(60℃)中でトータルで5倍となる延伸処理と架橋処理を施し、得られた厚み約30μmのヨウ素−PVA系偏光子を乾燥機中で50℃で30分間乾燥させて水分率4.9%の偏光子を得た。次に保護層として使用する厚さ100μmのノルボルネン系樹脂フィルム(ジェイ・エス・アール社製商品名“アートン”)上に接着層となるPVA系接着剤を塗布乾燥し、偏光子の両面に貼り合わせ偏光板を得た。
得られた偏光板の特性を表1に示した。
[実施例2]
実施例1と同様にして製造した厚み約30μmのヨウ素−PVA系偏光子を、乾燥機中で50℃で10分間乾燥させて水分率7.5%の偏光子を得た以外は実施例1と同様の方法で偏光板を得た。
得られた偏光板の特性を表1に示した。
[実施例3]
実施例1と同様にして製造した厚み約30μmのヨウ素−PVA系偏光子を、乾燥機中で50℃で5分間乾燥させて水分率10.0%の偏光子を得た。次に保護層として厚さ50μmのポリカーボネートフィルム(鐘淵化学工業(株)社製ポリカーボネートフィルム)を使用した以外は実施例1と同様の方法で偏光板を得た。
得られた偏光板の特性を表1に示した。
[比較例1]
実施例1と同様にして製造した厚み約30μmのヨウ素−PVA系偏光子を、乾燥機中で25℃で2分間乾燥させて水分率19.5%の偏光子を得た。次に保護層として使用する厚さ80μmのTAC(トリアセチルセルロース)フィルムで上記偏光子の両面を挟み込んだフィルム間にPVA系接着剤を滴下し貼り合わせ偏光板を得た。
得られた偏光板の特性を表1に示した。
[比較例2]
実施例1と同様にして水分率4.9%の偏光子を得た。次に保護層として厚さ80μmのTAC(トリアセチルセルロース)フィルム上に接着剤となるPVA(ポリビニルアルコール)系接着剤を塗布、乾燥し、上記偏光子の両面に貼り合わせて偏光板を得た。
得られた偏光板の特性を表1に示した。
[比較例3]
比較例1と同様にして、水分率19.5%の偏光子を得た以外は実施例1と同様の方法で偏光板を得た。
得られた偏光板の特性を表1に示した。
実施例、比較例で得た偏光子および偏光板について以下の特性の評価を行った。
(保護フィルムの透湿度の測定方法)
JIS Z 0208に準じた方法で、40℃/90%R.H(R.H:相対湿度)の試験条件で測定する。
(水分率測定)
偏光子の水分率:保護フィルムとの貼り合せ直前の偏光子の一部を切断した(サンプルサイズ10×30mm)。大気中の水分の影響を避けるために、すばやく150℃に調製したカールフィッシャー水分計に付属している加熱炉に入れ、窒素ガスを200m1/minで流入させた。この窒素ガスをカールフィッシャー水分計の滴定セル溶液中にバブリングさせることにより偏光子の水分率を測定した。
偏光板の水分率:作製された偏光板をサイズ10×30mmに切断し、35℃/80%R.Hで、48時間保存した後、偏光子と同様の方法で偏光板の水分率を測定した。
(耐熱性試験)
サイズ25×50mmの大きさに切断した偏光板をスライドガラスにアクリル系粘着剤を用いて貼り付け、光学特性(初期の光学特性)を測定した後、90℃の乾燥機に入れ、所定時間前記乾燥機に投入した後の光学特性(試験後の光学特性)を測定した。
(耐湿性試験)
サイズ25×50mmの大きさに切断した偏光板をスライドガラスにアクリル系粘着剤を用いて貼り付け、光学特性(初期の光学特性)を測定した後、60℃/95%R.Hの乾燥機に入れ、所定時間前記条件の乾燥機に投入した後の光学特性(試験後の光学特性)を測定した。
(光学特性の測定)
光線透過率変化量:JIS Z−8701に準じ、視感度補正を行い光線透過率(以下、単に透過率と略称する)を求める。
透過率変化量は、
(数1)
透過率変化量=試験後透過率−初期透過率
で求める。
偏光度:偏光度は、次の式により求める。
Figure 2011090336
(数3)
偏光度変化量=試験後偏光度−初期偏光度

色相a、色相b:JIS Z−8701に準じ、視感度補正を行い色相a、色相bを求める。
色相変化量は、
(数4)
色相a変化量=試験後色相a−初期色相a
色相b変化量=試験後色相b−初期色相b
で求める。
結果を以下の表1に記した。
Figure 2011090336

Claims (2)

  1. ポリビニルアルコール系偏光子を挟持する様に2枚の保護フィルムを貼り合わせる偏光板の製造方法において、
    前記保護フィルムの透湿度が、40℃×90%R.Hで5〜300(g/m2・24h)であって
    前記ポリビニルアルコール系偏光子は、ポリビニルアルコール系フィルムに、二色性染料を吸着させる染色工程、硼素化合物で架橋する架橋工程、および浴中で一軸延伸する延伸工程の後に、乾燥して水分率を15重量%以下に調整したものであり、
    前記水分率の状態でポリビニルアルコール系偏光子に保護フィルムを貼り合わせる前記偏光板の水分率が3重量%以下の偏光板の製造方法。
  2. 保護フィルムが、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノルボルネン系樹脂およびポリオレフィン系樹脂からなる群から選ばれた樹脂からなる保護フィルムである請求項1に記載の偏光板の製造方法。
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