JP2011090033A - レンズ鏡胴、撮像装置、及び撮像装置の制御方法 - Google Patents

レンズ鏡胴、撮像装置、及び撮像装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】外力によるレンズ保持枠の回転を防止できるようにする。
【解決手段】レンズの光軸を回転中心軸として回転する空芯型のステッピングモータ30と、ステッピングモータ30の回転運動をレンズ保持枠12に伝達し、レンズ保持枠12を回転させる連動キー13bと、連動キー13bによるレンズ保持枠12の回転運動をレンズ11の光軸方向の往復運動に変換するカムピン12a及びヘリコイド14aと、外力によってレンズ保持枠12が回転しないようにするブレーキユニット110とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、撮像装置(例えば、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等)に設けられるレンズ鏡胴や交換レンズに用いられるレンズ鏡胴、撮像装置、及び撮像装置の制御方法に関する。
従来から、カメラのレンズ鏡胴には、レンズを保持するレンズ保持枠を回転駆動するためのアクチュエータが設けられたものがある。そして、アクチュエータとして、直流モータや超音波モータ等が使用されており、これによってレンズ保持枠を回転させながら光軸方向に移動させ、カメラのオート機能(例えば、オートフォーカス機能、オートズーム機能)を実現している。
ここで、直流モータは、安価であるという特徴を有するが、レンズ保持枠を光軸方向に移動させるために必要な駆動トルクを得ようとすると、ギヤを用いた減速機を介在させなければならない。そのため、オートフォーカス動作やオートズーム動作を行うと、ギヤノイズが発生し、それによってレンズ鏡胴の品位が下がるという問題があった。また、直流モータを用いた場合には、レンズ鏡胴の光学性能から要求されるレンズ移動の停止精度を達成するために、フォトインタラプタ等の位置検出センサが必要となる。さらにまた、直流モータや減速機の配置によってレンズ鏡胴に凸部が生じ、外観の面から好ましくないだけでなく、レンズ鏡胴が大型化してしまう。
一方、超音波モータは、人間の可聴域外での駆動周波数によって駆動されることから、駆動騒音(ギヤノイズ)による品位の低下は回避できる。
しかし、レンズ鏡胴への超音波モータの組付け条件がばらつきやすいので、駆動異音が発生しやすいという問題がある。また、超音波モータの駆動には、非線形な駆動周波数と電圧との関係を加味した制御が必要になるので、超音波モータを用いたレンズ鏡胴は、設計工数の増大の問題、修理回復に要する工数の問題等が発生し、コスト高となる。
そこで、このような問題のある直流モータや超音波モータではなく、電磁変換型の中空モータを使って直接的にレンズ保持枠を駆動することにより、騒音や異音等の問題を解消できるようにした技術が知られている。具体的には、固定側レンズ鏡胴と相対的に回動する可動側レンズ鏡胴の外周部に円筒状の界磁マグネットを固設し、界磁マグネットと相対向する固定側レンズ鏡胴部に電機子コイルを固設する。そして、界磁マグネットと相対向する電機子コイルの発生トルクに寄与する導体部上に、磁気感知素子を配置するようにした技術である。
特開昭59−94709号公報
しかし、上記の特許文献1の技術では、電磁変換型の中空モータの停止位置を精度良く制御するために専用の磁気センサが必要となり、コストが高くなってしまう。また、中空モータを停止(合焦)させた後は、消費電力を低減するため、中空モータの停止位置を無通電状態で保持することが必要となるが、上記の特許文献1には、停止位置の保持(中空モータの回転規制)について何も開示されていない。そのため、合焦後の外力(例えば、外部からの衝撃等)によってレンズ保持枠が回転し、フォーカスがずれてしまうことがある。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、安価で、かつ外力によるレンズ保持枠の回転を防止できるようにすることである。
本発明は、以下の解決手段によって、上述の課題を解決する。
請求項1に記載の発明は、レンズを保持するレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠を収容する鏡胴本体と、前記鏡胴本体の外側に設けられ、前記レンズの光軸を回転中心軸として回転する空芯型のステッピングモータと、前記ステッピングモータの回転運動を前記レンズ保持枠に伝達し、前記レンズ保持枠を回転させる伝達部と、前記レンズ保持枠と前記鏡胴本体との間に設けられ、前記伝達部による前記レンズ保持枠の回転運動を前記レンズの光軸方向の往復運動に変換する運動変換手段と、外力によって前記レンズ保持枠が回転しないようにする回転阻止手段と、前記回転阻止手段を作動させる作動装置とを有するレンズ鏡胴である。
また、請求項5に記載の発明は、撮像用のレンズと、前記レンズの光軸上に配置された撮像素子と、上記のレンズ鏡胴とを有する撮像装置である。
さらにまた、請求項6に記載の発明は、このような撮像装置において、前記ステッピングモータ及び前記作動装置を制御する制御装置を有し、前記制御装置は、前記ステッピングモータの回転を停止させるときに、前記ステッピングモータが自力で回転せず、かつ外力によっても回転しないような回転停止電力を供給した状態で、前記作動装置を制御して前記回転阻止手段を作動させ、その後、前記ステッピングモータへの電力の供給を停止するように制御する撮像装置の制御方法である。
(作用)
上記の請求項1、請求項5、及び請求項6に記載の発明は、空芯型のステッピングモータを有している。そして、レンズ保持枠は、ステッピングモータによって回転する。そのため、直流モータや超音波モータを使わず、しかも、ギヤによる伝達をすることなく、レンズ保持枠を回転させることができる。また、専用のセンサを用いることなく、高精度にレンズ保持枠を停止させることができる。
さらに、請求項1、請求項5、及び請求項6に記載の発明は、外力によってレンズ保持枠が回転しないようにする回転阻止手段と、回転阻止手段を作動させる作動装置とを有している。そのため、ステッピングモータを停止させた後は、回転阻止手段により、ステッピングモータに電力を供給することなく、無通電状態で、外力によるレンズ保持枠の回転を防止できる。
本発明によれば、空芯型のステッピングモータにより、低騒音で安価なレンズ鏡胴及び撮像装置とすることができる。また、ステッピングモータを停止させた後は、ステッピングモータに電力を供給することなく、外力によるレンズ保持枠の回転を防止できるので、省電力化を図ることができる。
本発明のレンズ鏡胴の一実施形態としての、交換レンズ鏡胴(第1の実施の形態)を示す光軸方向の断面図である。 図1に示す交換レンズ鏡胴の分解斜視図である。 図1に示す交換レンズ鏡胴におけるステッピングモータの周辺部を示す光軸方向の断面図である。 図1に示す交換レンズ鏡胴におけるオートフォーカス動作の動作例を示す模式図である。 図1に示す交換レンズ鏡胴におけるマニュアルフォーカス動作の動作例を示す模式図である。 本発明のレンズ鏡胴の一実施形態としての、交換レンズ鏡胴(第1の実施の形態)におけるブレーキユニット(第1の例)を示す斜視図である。 図6に示すブレーキユニットにおけるブレーキ作動状態を示す平面図及び断面図である。 図6に示すブレーキユニットにおけるブレーキ解除状態を示す平面図及び断面図である。 図6に示すブレーキユニットの動作例を示すフローチャートである。 図6に示すブレーキユニットの動作例を示すグラフである。 本発明のレンズ鏡胴の一実施形態としての、交換レンズ鏡胴(第2の実施の形態)におけるブレーキユニット(第2の例)を示す平面図である。 図11に示すブレーキユニットの動作例を示すグラフである。 本発明のレンズ鏡胴の一実施形態としての、交換レンズ鏡胴(第3の実施の形態)におけるブレーキユニット(第3の例)を示す平面図である。 図13に示すブレーキユニットの動作例を示すグラフである。 本発明のレンズ鏡胴の一実施形態としての、交換レンズ鏡胴(第4の実施の形態)におけるブレーキユニット(第4の例)を示す平面図である。 図15に示すブレーキユニットの動作例を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について説明する。
ここで、本発明における撮像装置は、以下の実施の形態では、デジタル一眼レフカメラであるとする。また、本発明におけるレンズ鏡胴は、以下の実施の形態では、デジタル一眼レフカメラの交換レンズに用いられる交換レンズ鏡胴であるとする。
さらに、近年では、ズーム系の高級レンズになるほどマニュアル機能の有無が重要視されるようになっている。特に、交換レンズ鏡胴では、撮影者がオート動作(例えば、オートフォーカス動作、オートズーム動作)と、マニュアル動作(例えば、マニュアルフォーカス動作、マニュアルズーム動作)とを任意に選択できることが求められている。
そこで、以下の実施の形態は、オートフォーカス動作及びマニュアルフォーカス動作が可能な交換レンズ鏡胴とする。
なお、説明は、以下の順序で行う。

1.第1の実施の形態(交換レンズ鏡胴:ブレーキユニットの第1の例)
2.第2の実施の形態(交換レンズ鏡胴:ブレーキユニットの第2の例)
3.第3の実施の形態(交換レンズ鏡胴:ブレーキユニットの第3の例)
4.第4の実施の形態(交換レンズ鏡胴:ブレーキユニットの第4の例)
<1.第1の実施の形態>
[交換レンズ鏡胴の断面例]

図1は、本発明のレンズ鏡胴の一実施形態としての、交換レンズ鏡胴10(第1の実施の形態)の光軸方向の断面図である。
また、図2は、図1に示す交換レンズ鏡胴10の分解斜視図である。
図1及び図2に示すように、第1の実施の形態の交換レンズ鏡胴10は、レンズ11(第1の実施の形態では、フォーカスレンズ)を保持するレンズ保持枠12と、レンズ保持枠12を手動操作によって回転させるためのマニュアルリング20と、レンズ保持枠12を電動駆動するための空芯型のステッピングモータ30と、マニュアルリング20の回転力及びステッピングモータ30の駆動力をレンズ保持枠12に伝達するための差動リング13(本発明における中間リングに相当)とを有している。
このようなレンズ保持枠12、マニュアルリング20、ステッピングモータ30、及び差動リング13は、それぞれの中心軸がレンズ11の光軸に一致するようにして直列に配置されている。そして、これらは、固定鏡胴14(本発明における鏡胴本体の一部)と、固定鏡胴14の前部に設けられた前部鏡胴15(本発明における鏡胴本体の他の一部)とを基礎土台としている。また、固定鏡胴14の外側には、カバー16が設けられ、カバー16は、固定鏡胴14の後部に設けられた締結リング17によって固定されている。さらにまた、固定鏡胴14の後部側は、デジタル一眼レフカメラに対して着脱自在となるように形成されている。そのため、この交換レンズ鏡胴10をデジタル一眼レフカメラに装着すれば、レンズ11の光軸上に配置された撮像素子により、レンズ11から入射した被写体像を撮像できる。
ここで、レンズ保持枠12は、円筒状の固定鏡胴14の内部に収容されており、レンズ保持枠12と固定鏡胴14との間には、レンズ保持枠12の回転運動をレンズ11の光軸方向の往復運動に変換する運動変換手段が設けられている。この運動変換手段は、第1の実施の形態では、固定鏡胴14の円筒面に形成されたヘリコイド14aと、レンズ保持枠12の外周面から突出するように設けられたカムピン12aとによって構成されている。具体的には、ヘリコイド14aの内側にカムピン12aが係合することにより、レンズ保持枠12は、光軸と直交する平面内で規制される。そして、レンズ保持枠12を回転させると、カムピン12aがヘリコイド14aにガイドされながら光軸方向に移動する。そのため、レンズ保持枠12の回転運動が光軸方向の往復運動に変換され、レンズ保持枠12は、光軸方向に回転しながら移動する。その結果、交換レンズ鏡胴10のフォーカス動作が実現されることとなる。
このようなフォーカス動作は、マニュアルリング20による手動の回転操作や、ステッピングモータ30による電動の回転駆動によって行われる。具体的には、マニュアルリング20は、前部鏡胴15の外側に設けられ、手動による回転操作により、レンズ11の光軸を回転中心軸として回転するようになっている。そして、手動操作によるマニュアルリング20の回転力をレンズ保持枠12に伝達するために、固定鏡胴14の外側には、マニュアルリング連結環21及び転送リング22が設けられている。
なお、マニュアルリング20の外周面には、手動による回転操作を容易にするために、ラバーリング23(図2参照)が設けられている。
一方、空芯型のステッピングモータ30は、固定鏡胴14の外側に設けられ、ステッピングモータ30に対して所定の押圧力を作用させるための与圧バネ18(図2参照)及び圧力調整リング19(図2参照)を介して、締結リング17によって固定されている。そして、デジタル一眼レフカメラに設けられた制御装置の制御(ステッピングモータ30への回転駆動電力の供給)によってレンズ11の光軸を回転中心軸として回転する。
また、ステッピングモータ30の駆動力をレンズ保持枠12に伝達するために、連動リング31(図2参照)が設けられている。そして、マニュアルリング20に設けられた転送リング22と、ステッピングモータ30に設けられた連動リング31との間に、差動リング13が設けられている。
差動リング13は、図2に示すように、光軸と直交する回転中心軸を持つ円筒状のコロ13aを有している。このコロ13aは、差動リング13の円周上に等間隔で3つ設けられており、各コロ13aの円周面に転送リング22の側面が当接するようになっている。そのため、マニュアルリング20を手動回転させれば、マニュアルリング連結環21及び転送リング22を介して、各コロ13aは、マニュアルリング20の回転に連動して回転する。
また、各コロ13aの円周面には、転送リング22と対向する連動リング31の側面も当接するようになっている。そのため、ステッピングモータ30を回転駆動すれば、連動リング31を介して、各コロ13aは、ステッピングモータ30の回転に連動して回転する。さらにまた、各コロ13aの回転にともなって、差動リング13もレンズ11の光軸を回転中心軸として回転する。そして、差動リング13の回転角は、マニュアルリング20(転送リング22)及びステッピングモータ30(連動リング31)の回転角が0.5倍に半減されたものとなる。
このような差動リング13からは、差動リング13の回転運動をレンズ保持枠12に伝達するための連動キー13b(本発明における伝達部に相当)が突出している。そして、連動キー13bは、レンズ保持枠12に形成されたキー溝12b(図1参照)と係合するようになっている。
したがって、交換レンズ鏡胴10は、手動によるマニュアルリング20の回転操作により、差動リング13の連動キー13bを介してレンズ保持枠12を回転させることができる。そして、カムピン12a及びヘリコイド14aにより、レンズ保持枠12の回転運動が光軸方向の往復運動に変換され、マニュアルフォーカス動作が実現される。また、空芯型のステッピングモータ30の回転駆動により、マニュアルリング20の回転操作と同様に、差動リング13等を介してレンズ保持枠12を回転させることができるので、オートフォーカス動作が実現される。
このように、交換レンズ鏡胴10は、ステッピングモータ30によってオートフォーカス動作を実現できるようになっているが、外力(例えば、外部からの衝撃等)によってステッピングモータ30が回転し、フォーカスがずれてしまうことが考えられる。
そこで、外力によるステッピングモータ30の意図しない回転を防止するため、図1に示すように、ステッピングモータ30には、ブレーキユニット110(本発明における回転阻止手段に相当)が設けられている。
[空芯型のステッピングモータの断面例]

図3は、図1に示す交換レンズ鏡胴10におけるステッピングモータ30の周辺部を示す光軸方向の断面図(図1の円内の上下を反転させた図)である。
図3に示すように、ステッピングモータ30は、固定鏡胴14の外側に設けられた空芯型のものである。そして、ステッピングモータ30の内郭を構成し、連動リング31と一体となって回転するロータ32と、ステッピングモータ30の外郭を構成し、固定鏡胴14側に固定されて回転しないモータケース33とを有している。
また、ロータ32の外側には、マグネット34が固定され、モータケース33の内側には、ステータ35が収容されている。さらにまた、ロータ32とモータケース33との間には、回転半径方向に、玉軸受け36aが配置されている。そして、この玉軸受け36aにより、マグネット34とステータ35との間隔を一定に保持している。
ここで、玉軸受け36aの役割について説明すると、マグネット34とステータ35との間には、絶えず磁気吸引力が発生している。そして、マグネット34の中心とステータ35の中心とが完全に一致していれば、磁気吸引力が相殺されるので、マグネット34が固定されたロータ32がステータ35に引き寄せられることはない。
しかし、組立て時の一般的なばらつきにより、マグネット34の中心とステータ35の中心との間には、微小なずれが生じてしまう。このずれをなくすように組立て工程を管理することは、非常に困難である。そのため、このままではロータ32がステータ35に引き寄せられ、回転半径方向に吸引力が発生する結果、ステッピングモータ30内のロストルクを増加させることとなる。
そこで、このようなロストルクを低減させるため、ステッピングモータ30には、マグネット34の中心とステータ35の中心とを一致させるようにして、玉軸受け36aを配置している。
なお、本発明の回転軸受けは、玉軸受け36aに限られず、コロ軸受け等であってもよい。
このように、ステッピングモータ30は、玉軸受け36aによってロストルクを低減している。そして、ステッピングモータ30の駆動力(ロータ32の回転力)が連動リング31により、コロ13aを介して、差動リング13に効率良く伝達されるようになっている。
なお、第1の実施の形態とは逆に、ロータの内側にステータを固定し、そのステータの外側にマグネットを固定するようにしてもよい。これは、回転するロータをステッピングモータの外郭とし、回転しないステータをステッピングモータの内郭とすることに相当する。
また、ロータ32の差動リング13と反対側の端面には、回転軸方向に配置された玉軸受け36bを介して、摺動リング37が当接している。この玉軸受け36bも、玉軸受け36aと同様に、ステッピングモータ30のロストルクを低減させる。さらにまた、摺動リング37は、フッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン)から形成され、固定鏡胴14の外側に設けられている。そして、摺動リング37の一方の側面が玉軸受け36bと接触し、他方の側面が与圧バネ18(第1の実施の形態では、波バネ)と接触している。
なお、与圧バネ18は、波バネに限られず、コイルバネ等であってもよい。
さらに、与圧バネ18には、圧力調整リング19が接触している。この圧力調整リング19は、内周面にねじ溝が刻まれており、固定鏡胴14の外周面に形成されたねじ山にねじ込まれている。そのため、圧力調整リング19のねじ込み量を適宜調整すれば、それによって与圧バネ18がたわんで反力が発生するので、摺動リング37は、玉軸受け36bを介して、ロータ32に向けて押圧される。さらにまた、この押圧力は、ロータ32に伝達され、連動リング13を経由して、差動リング13のコロ13aと連動リング13との間に所定の摩擦力を発生させる。その結果、コロ13aと連動リング13との間には、滑りが発生しない一定以上の押圧力が作用する。
なお、コロ13aとマニュアルリング20との間にも、滑りが発生しない一定以上の押圧力が作用する。
[オートフォーカス動作の動作例]

図4は、図1に示す交換レンズ鏡胴10におけるオートフォーカス動作の動作例を示す模式図である。
図4に示すように、マニュアルリング20とステッピングモータ30との間には、光軸と直交する回転中心軸を持つ円筒状のコロ13aが設けられている。そして、コロ13aは、マニュアルリング20の回転に連動して回転するとともに、ステッピングモータ30の回転にも連動して回転するようになっている。
また、マニュアルリング20とステッピングモータ30との間には、コロ13aの回転にともなって、光軸を回転中心軸として回転する差動リング13が設けられている。さらにまた、差動リング13からは、差動リング13の回転運動をレンズ保持枠12(図1参照)に伝達するための連動キー13bがマニュアルリング20の内側を通って突出している。
ここで、図4の上図に示す初期状態の交換レンズ鏡胴10において、オートフォーカス動作を行う場合には、ステッピングモータ30の駆動回路にパルス信号を送信する。これにより、ステッピングモータ30は、パルス信号の数に応じて所定の角度ずつ、光軸を回転中心軸として回転する。そして、回転するステッピングモータ30の回転トルクは、コロ13aに伝達され、コロ13aは、光軸と直交する回転中心軸を中心として時計回りに回転する。
また、コロ13aの回転にともなって、差動リング13は、図4の下図に示すように、光軸を回転中心軸として回転する。さらにまた、差動リング13は、連動キー13bを介して、レンズ保持枠12(図1参照)を回転させる。この際、ステッピングモータ30の回転角(ステッピングモータ30の下向きの矢印)に対し、差動リング13の回転角(連動キー13bの下向きの矢印)は、0.5倍に半減されたものとなる。そのため、ステッピングモータ30の回転トルクは、2倍となって差動リング13に伝達される。
したがって、安価で小型のステッピングモータ30を使用しても、レンズ保持枠12(図1参照)を回転させるために必要な回転トルクが得られる。そのため、交換レンズ鏡胴10の制約された空間内に空芯型のステッピングモータ30を配置できる。しかも、ステッピングモータ30の回転トルクは、コロ13aによって伝達されるので、駆動騒音(ギヤノイズ)が発生することもなく、ステッピングモータ30を使用しているので、超音波モータのような駆動異音も発生しない。さらに、ステッピングモータ30は、マイクロステップ駆動等の駆動方式を採用することによって停止位置の精度を向上させることができるだけでなく、ロータ32の回転基準を定義しておくことにより、位置センサが不要となる。
ここで、ステッピングモータ30を回転駆動するとコロ13aが回転し、このコロ13aの回転は、ステッピングモータ30の反対側でコロ13aと当接するマニュアルリング20を回転させるように作用する。
しかし、マニュアルリング20は、図1に示すように、前部鏡胴15の外側に設けられているので、マニュアルリング20と前部鏡胴15との間には、適度な摩擦力が作用している。そして、この摩擦力は、マニュアルリング20を手動によって回転操作する際に適度な負荷となるだけでなく、ステッピングモータ30を回転駆動したときに、コロ13aを介して、マニュアルリング20が一緒に回転しないような負荷となっている。
[マニュアルフォーカス動作の動作例]

図5は、図1に示す交換レンズ鏡胴10におけるマニュアルフォーカス動作の動作例を示す模式図である。
図5の上図に示す初期状態の交換レンズ鏡胴10において、マニュアルフォーカス動作を行った場合、手動操作によって回転するマニュアルリング20の回転トルクがコロ13aに伝達される。そのため、コロ13aは、光軸と直交する回転中心軸を中心として反時計回りに回転する。
また、コロ13aの回転にともなって、差動リング13は、図5の下図に示すように、光軸を回転中心軸として回転するようになる。さらにまた、差動リング13は、連動キー13bを介して、レンズ保持枠12(図1参照)を回転させる。この際、マニュアルリング20の回転角(マニュアルリング20の下向きの矢印)に対し、差動リング13の回転角(連動キー13bの下向きの矢印)は、0.5倍に半減されたものとなる。そのため、撮影者は、マニュアルリング20によって微妙なピント調整を行うことができる。
ここで、マニュアルリング20を回転させるとコロ13aが回転し、このコロ13aの回転は、マニュアルリング20の反対側でコロ13aと当接するステッピングモータ30を回転させるように作用する。そして、マニュアルリング20の回転によってステッピングモータ30が回転してしまうと、マニュアルフォーカス動作の回転量の一部がステッピングモータ30の空転に消費され、撮影者の希望するピント合わせが困難となる。
また、マニュアルフォーカス動作時(オートフォーカス動作時以外)は、省電力化のため、ステッピングモータ30に通電されていないので、ステッピングモータ30の無通電停止時は、玉軸受け36b(図3参照)の転がり抵抗で停止している状態となる。そのため、玉軸受け36bの転がり抵抗以上のトルク(例えば、外部からの衝撃等の外力)が作用すると、ステッピングモータ30が回転してレンズ保持枠12(図1参照)が回転するので、フォーカスがずれてしまう。
そこで、交換レンズ鏡胴10には、ステッピングモータ30の意図しない回転を防止するため、ブレーキユニット110(図1参照)が設けられている。そして、ステッピングモータ30によるオートフォーカス動作に加え、撮影者のマニュアルフォーカス動作を可能としている。また、オートフォーカス動作の終了後は、ステッピングモータ30に対して無通電とし、消費電力を減らしても(0(W)としても)、重力や衝撃によってステッピングモータ30が回転することが防止され、合焦状態が維持される。
[ブレーキユニットの第1の例]

図6は、本発明のレンズ鏡胴の一実施形態としての、交換レンズ鏡胴10(第1の実施の形態)におけるブレーキユニット110(第1の例)を示す斜視図である。
図6に示すように、交換レンズ鏡胴10のステッピングモータ30の外側には、ブレーキユニット110が設けられている。そして、このブレーキユニット110は、外力によってレンズ保持枠12(図1参照)が回転しないようにするため、ステッピングモータ30の回転を阻止するブレーキパッド120(本発明における回転阻止手段に相当)を有している。
また、ブレーキユニット110は、ステッピングモータ30の回転を阻止するようにブレーキパッド120を作動させる作動装置130を有している。そのため、作動装置130によってブレーキパッド120を作動させることにより、ステッピングモータ30がブレーキ作動状態となるので、ステッピングモータ30は、無通電であっても回転しなくなる。
なお、この交換レンズ鏡胴10は、デジタル一眼レフカメラに対して着脱自在となっており、ステッピングモータ30及びブレーキユニット110は、デジタル一眼レフカメラに設けられた制御装置によって制御される。
図7は、図6に示すブレーキユニット110におけるブレーキ作動状態を示す平面図及び断面図である。
また、図8は、図6に示すブレーキユニット110におけるブレーキ解除状態を示す平面図及び断面図である。
図7及び図8に示すように、第1の例のブレーキユニット110は、図3に示すステッピングモータ30のロータ32と一体となって回転する連動リング31の周面に接離するパッド121(図6に示すブレーキパッド120の一部)を有している。そして、パッド121は、傾斜部122aが形成された台座122(ブレーキパッド120の他の一部)に支持されている。
また、連動リング31の周面に向けてパッド121を移動させるためのクサビとして、台座122の傾斜部122a側には、作動装置130(図6参照)を構成するキャリッジ131が設けられている。さらにまた、作動装置130は、台座122の傾斜部122aに対してキャリッジ131を挿入又は離脱させる駆動部として、リードスクリュー132及びステッピングモータ133を有している。そして、キャリッジ131及びステッピングモータ133は、コ字形のベース134(作動装置130の一部)に支持されている。さらに、作動装置130は、連動リング31の周面からパッド121を引き離す方向に付勢する解除バネとして、コイルバネ135を有している。
ここで、図7に示すブレーキ作動状態では、キャリッジ131が台座122の奥まで入り込んだ状態となっている。そのため、キャリッジ131のクサビ部131aが台座122の傾斜部122aを押し上げ、パッド121によって連動リング31を押圧している。その結果、連動リング31を停止させる摩擦力が発生し、外力(例えば、外部からの衝撃等)によるロータ32(図3参照)の回転を阻止できる。
また、このようなブレーキ作動状態は、ステッピングモータ133の通電を遮断しても維持される。具体的には、ステッピングモータ133を回転駆動しない限り、リードスクリュー132も回転しない。そして、リードスクリュー132が貫通するキャリッジ131の貫通面は、リードスクリュー132の周面に形成されたスクリューねじに噛み合っている。そのため、リードスクリュー132が回転しなければ、キャリッジ131は、その位置で停止して動かないので、キャリッジ131のクサビ部131aが台座122の傾斜部122aを押し上げたブレーキ作動状態が維持される。
一方、ブレーキを解除するには、ステッピングモータ133に通電して回転駆動することにより、リードスクリュー132を回転させる。これにより、キャリッジ131の摺動部131bがベース134の表面に沿ってリードスクリュー132の軸方向に移動し、図8に示すように、ステッピングモータ133に近づく。また、コイルバネ135によって連動リング31から引き離す方向に付勢されている台座122は、傾斜部122aがキャリッジ131のクサビ部131aを滑り落ちるようになる。その結果、パッド121による連動リング31の押圧が解除され、ブレーキ解除状態となる。
なお、このようなブレーキ解除状態は、ステッピングモータ133の通電を遮断しても維持される。そして、ステッピングモータ133に通電して逆回転駆動することにより、再びブレーキを作動させることができる。
図9は、図6に示すブレーキユニット110の動作例を示すフローチャートである。
また、図10は、図6に示すブレーキユニット110の動作例を示すグラフである。
ブレーキ作動状態からブレーキを解除し、再びブレーキを作動させるには、ブレーキユニット110及びステッピングモータ30を制御する制御装置(図示せず)により、図9に示す最初のステップS11において、ブレーキユニット110のブレーキを解除する。そして、次のステップS12でステッピングモータ30を回転駆動する。この際、図10に示すように、ブレーキユニット110にブレーキ解除電力を供給し、それとほぼ同時に(ブレーキ解除電力供給後、できるだけ早く)、ステッピングモータ30にも回転駆動電力を供給する。これにより、素早いオートフォーカス動作が可能となる。
ステッピングモータ30への回転駆動電力の供給(ステップS12)は、レンズ保持体12が目標とする移動位置(合焦位置)に移動するまで行う。この際、位置センサによるレンズ保持体12の実位置情報と、目標とする移動位置とを比較して、ステッピングモータ30を回転駆動するクローズド制御を行うことができる。また、ステッピングモータ30の特徴を活かし、ある速度プロファイルを利用して目標とする移動位置まで移動させるオープン制御を行うこともできる。
なお、ステッピングモータ30の回転駆動電力は、加速及び減速による慣性力や静止摩擦力に打ち勝つような電力とする。
このようにしてレンズ保持体12を目標とする移動位置(合焦位置)に移動させた後、ステップS13において、ステッピングモータ30を弱通電停止させる。具体的には、ステッピングモータ30の回転を停止させるときに、ステッピングモータ30に電力を供給しても、静止摩擦力等によってステッピングモータ30が自力で回転せず、停止するような回転停止電力(弱通電停止電力)を供給する。かつ、弱通電停止電力は、重力や外力(例えば、外部からの衝撃等)が作用しても回転しないようにするための必要最小電力とする。そして、すぐに次のオートフォーカス動作が開始される場合に備える。これにより、撮影者は、連続したオートフォーカス動作が可能となり、所望のシーンを撮影できるようになる。
次のステップS14では、ステッピングモータ30に弱通電停止電力を供給した状態のままで、ブレーキユニット110を制御(ブレーキ作動電力を供給)し、ブレーキを作動させてステッピングモータ30の回転を阻止する。この際、ブレーキが完全に作動するまでには、数百ms程度の動作時間が必要となるので、ブレーキの作動完了までの間は、ステップS13の弱通電停止電力の供給を続ける。
なお、ステップS13の弱通電停止電力の供給開始から、ステップS14のブレーキ作動電力の供給開始までの時間差△tは、撮影者に対し、操作性の違和感を感じさせない時間に設定する。
最後のステップS15では、ブレーキを作動させた後(ブレーキの作動完了とほぼ同時)に、ブレーキ作動電力の供給を停止するとともに、ステッピングモータ30への弱通電停止電力の供給を停止する。そのため、ステッピングモータ30は、無通電停止の状態となり、外力(例えば、外部からの衝撃等)によるステッピングモータ30の回転を無通電で阻止できるだけでなく、マニュアルフォーカス動作の操作性を確保できる。
なお、ステッピングモータ30への弱通電停止電力の供給を停止するまでは、デジタル一眼レフカメラのシャッタが有効になっている。
[ブレーキユニットの第2の例]

図11は、本発明のレンズ鏡胴の一実施形態としての、交換レンズ鏡胴(第2の実施の形態)におけるブレーキユニット210(第2の例)を示す平面図である。
図11に示すように、第2の例のブレーキユニット210は、図3に示すステッピングモータ30のロータ32と一体となって回転する連動リング31の周面に接離するパッド221(本発明における回転阻止手段に相当)を有している。そして、パッド221に傾斜部221aが形成されるとともに、連動リング31の周面からパッド221を引き離すための解除マグネット222が取り付けられている。
また、パッド221の傾斜部221a側には、連動リング31の周面に向けてパッド221を移動させるためのクサビ231(本発明における作動装置の一部に相当)が設けられている。そして、クサビ231は、シャフト232を有しており、保持板233とケース234との間で、シャフト232の軸方向に移動自在に支持されている。さらにまた、ブレーキユニット210は、リニアモータを使ったブレーキ作動装置を有している。具体的には、シャフト232には、駆動マグネット235が取り付けられており、コイル236への電力の供給によってシャフト232の軸方向に移動するようになっている。
なお、ケース234の底部は、解除マグネット222の磁気吸引力によってパッド221を連動リング31から引き離すようにするため、磁性板234aとなっている。
ここで、図11の上図に示すブレーキ作動状態では、クサビ231がパッド221の奥まで入り込んだ状態となっている。そのため、クサビ231がパッド221の傾斜部221aを押し上げ、パッド221によって連動リング31を押圧している。その結果、連動リング31を停止させる摩擦力が発生し、外力(例えば、外部からの衝撃等)によるロータ32(図3参照)の回転を阻止できる。また、このようなブレーキ作動状態は、コイル236の通電を遮断しても維持される。
一方、ブレーキを解除するには、コイル236に通電して駆動マグネット235を移動させる。これにより、クサビ231が磁性板234aの表面に沿ってシャフト232の軸方向に移動し、図11の下図に示すように、保持板233に近づく。また、解除マグネット222と磁性板234aとの間の磁気吸引力により、パッド221は、傾斜部221aがクサビ231の表面を滑り落ちるようになる。その結果、パッド221による連動リング31の押圧が解除され、ブレーキ解除状態となる。
なお、このようなブレーキ解除状態は、コイル236への通電を遮断しても維持され、極性を逆にしてコイル236に通電することにより、再びブレーキを作動させることができる。
図12は、図11に示すブレーキユニット210の動作例を示すグラフである。
ブレーキ作動状態からブレーキを解除し、再びブレーキを作動させるには、ブレーキユニット210及びステッピングモータ30を制御する制御装置(図示せず)により、最初に、ブレーキユニット210にブレーキ解除電力を供給(S21)する。また、ブレーキ解除電力の供給とほぼ同時に(ブレーキ解除電力供給後、できるだけ早く)、ステッピングモータ30にも回転駆動電力を供給(S22)する。これにより、素早いオートフォーカス動作が可能となる。そして、ステッピングモータ30への回転駆動電力の供給(S22)は、レンズ保持体12が目標とする移動位置(合焦位置)に移動するまで行う。
このようにしてレンズ保持体12を目標とする移動位置(合焦位置)に移動させ、その後は、ステッピングモータ30に弱通電停止電力を供給(S23)する。そして、すぐに次のオートフォーカス動作が開始される場合に備える。また、弱通電停止電力の供給開始から一定時間後に、ブレーキユニット210にブレーキ作動電力を供給(S24)し、ブレーキを作動させてステッピングモータ30の回転を阻止する。この際、ブレーキの作動完了までは、弱通電停止電力の供給(S23)を続ける。
最後(ブレーキの作動完了とほぼ同時)に、ブレーキ作動電力の供給を停止するとともに、ステッピングモータ30への弱通電停止電力の供給を停止(S25)する。これにより、ステッピングモータ30は、無通電停止の状態となり、外力によるステッピングモータ30の回転を無通電で阻止できるだけでなく、マニュアルフォーカス動作の操作性を確保できる。
なお、ステッピングモータ30への弱通電停止電力の供給を停止するまでは、デジタル一眼レフカメラのシャッタが有効になっている。
[ブレーキユニットの第3の例]

図13は、本発明のレンズ鏡胴の一実施形態としての、交換レンズ鏡胴(第3の実施の形態)におけるブレーキユニット310(第3の例)を示す平面図である。
図13に示すように、第3の例のブレーキユニット310は、図3に示すステッピングモータ30のロータ32の周面に接離する一対のレバー321(本発明における回転阻止手段に相当)を有している。そして、各レバー321は、回転ピン322を中心軸としてそれぞれ回動するようになっている。
また、各レバー321の一端側(回転ピン322から遠い側)には、ロータ32の周面をはさみ込む方向に各レバー321を付勢するための与圧バネ331(本発明における作動装置の一部に相当)が取り付けられている。さらにまた、各レバー321の他端側(回転ピン322から近い側)には、各レバー321を回動させるための圧電素子332が取り付けられている。そのため、圧電素子332に電力を供給して圧電素子332を短縮させることにより、各レバー321は、ロータ32の周面から離れる方向に回動する。
ここで、図13の上図に示すブレーキ作動状態では、与圧バネ331の弾性力によって2つのレバー321がそれぞれロータ32の周面に当接する方向に回動し、ロータ32をはさみ込んで押圧している。その結果、ロータ32を停止させる摩擦力が発生し、外力(例えば、外部からの衝撃等)によるロータ32の回転を阻止できる。また、このようなブレーキ作動状態は、与圧バネ331の弾性力によって実現されるため、無通電で維持される。
一方、ブレーキを解除するには、圧電素子332に通電して圧電素子332を短縮させる。これにより、与圧バネ331の弾性力に抗して各レバー321が回動し、図13の下図に示すように、ロータ32の周面から離れる。その結果、各レバー321によるロータ32の押圧が解除され、ブレーキ解除状態となる。
なお、このようなブレーキ解除状態は、圧電素子332への通電の間だけ維持され、通電を停止することにより、再びブレーキを作動させることができる。
図14は、図13に示すブレーキユニット310の動作例を示すグラフである。
ブレーキ作動状態からブレーキを解除し、再びブレーキを作動させるには、ブレーキユニット310及びステッピングモータ30を制御する制御装置(図示せず)により、最初に、ブレーキユニット310にブレーキ解除電力を供給(S31)する。また、ブレーキ解除電力の供給とほぼ同時に(ブレーキ解除電力供給後、できるだけ早く)、ステッピングモータ30にも回転駆動電力を供給(S32)する。これにより、素早いオートフォーカス動作が可能となる。そして、ブレーキユニット310へのブレーキ解除電力の供給(S31)及びステッピングモータ30への回転駆動電力の供給(S32)は、レンズ保持体12が目標とする移動位置(合焦位置)に移動するまで行う。
このようにしてレンズ保持体12を目標とする移動位置(合焦位置)に移動させ、その後は、ステッピングモータ30に弱通電停止電力を供給(S33)する。また、すぐに次のオートフォーカス動作が開始される場合に備え、弱通電停止電力の供給開始から一定時間は、ブレーキユニット310へのブレーキ解除電力の供給(S31)を継続する。その後、ブレーキ解除電力の供給を停止し、ブレーキを作動させてステッピングモータ30の回転を阻止する。
最後(ブレーキの作動完了後)に、ステッピングモータ30への弱通電停止電力の供給を停止(S34)する。これにより、ステッピングモータ30は、無通電停止の状態となり、外力によるステッピングモータ30の回転を無通電で阻止できるだけでなく、マニュアルフォーカス動作の操作性を確保できる。
なお、ステッピングモータ30への弱通電停止電力の供給を停止するまでは、デジタル一眼レフカメラのシャッタが有効になっている。
[ブレーキユニットの第4の例]

図15は、本発明のレンズ鏡胴の一実施形態としての、交換レンズ鏡胴(第4の実施の形態)におけるブレーキユニット410(第4の例)を示す平面図である。
図15に示すように、ステッピングモータ30(図3参照)のロータ32の周面には、ラック32aが形成されている。そして、第4の例のブレーキユニット410は、ロータ32の回転を阻止するためのフック421(本発明における回転阻止手段に相当)に突起421aが形成されており、この突起421aとラック32aとが噛み合うようになっている。
ここで、フック421は、回転ピン422を中心軸として回動するようになっている。また、フック421の一端側(突起421aと反対側)には、シャフト431が取り付けられており、シャフト431に駆動マグネット432が取り付けられている。そして、コイル433への電力の供給によって駆動マグネット432(シャフト431)が上昇するようになっている。
さらに、回転ピン422には、コイルバネ434が取り付けられている。そして、図15の上図に示すブレーキ作動状態では、コイルバネ434の弾性力によってフック421の突起421aがロータ32に近づく方向に回動し、突起421aとラック32aとが噛み合っている。その結果、外力(例えば、外部からの衝撃等)によるロータ32の回転が阻止される。また、このようなブレーキ作動状態は、コイルバネ434の弾性力によって実現されるため、無通電で維持される。
一方、ブレーキを解除するには、コイル433に通電して駆動マグネット432(シャフト431)を上昇させる。これにより、コイルバネ434の弾性力に抗してフック421が回動し、図15の下図に示すように、突起421aとラック32aとの噛み合いが解除されるので、ブレーキ解除状態となる。
なお、このようなブレーキ解除状態は、コイル433への通電の間だけ維持され、通電を停止することにより、再びブレーキを作動させることができる。
図16は、図15に示すブレーキユニット410の動作例を示すグラフである。
ブレーキ作動状態からブレーキを解除し、再びブレーキを作動させるには、ブレーキユニット410及びステッピングモータ30を制御する制御装置(図示せず)により、最初に、ブレーキユニット410にブレーキ解除電力を供給(S41)する。また、ブレーキ解除電力の供給とほぼ同時に(ブレーキ解除電力供給後、できるだけ早く)、ステッピングモータ30にも回転駆動電力を供給(S42)する。これにより、素早いオートフォーカス動作が可能となる。そして、ブレーキユニット410へのブレーキ解除電力の供給(S41)及びステッピングモータ30への回転駆動電力の供給(S42)は、レンズ保持体12が目標とする移動位置(合焦位置)に移動するまで行う。
このようにしてレンズ保持体12を目標とする移動位置(合焦位置)に移動させ、その後は、ステッピングモータ30に弱通電停止電力を供給(S43)する。また、すぐに次のオートフォーカス動作が開始される場合に備え、弱通電停止電力の供給開始から一定時間は、ブレーキユニット410へのブレーキ解除電力の供給(S41)を継続する。その後、ブレーキ解除電力の供給を停止し、ブレーキを作動させてステッピングモータ30の回転を阻止する。
最後(ブレーキの作動完了後)に、ステッピングモータ30への弱通電停止電力の供給を停止(S44)する。これにより、ステッピングモータ30は、無通電停止の状態となり、外力によるステッピングモータ30の回転を無通電で阻止できるだけでなく、マニュアルフォーカス動作の操作性を確保できる。
なお、ステッピングモータ30への弱通電停止電力の供給を停止するまでは、デジタル一眼レフカメラのシャッタが有効になっている。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、以下のような種々の変形等が可能である。すなわち、
(1)上記の実施形態では、レンズ11をフォーカスレンズとし、オートフォーカス動作及びマニュアルフォーカス動作を実現している。しかし、レンズをズームレンズとし、オートズーム動作及びマニュアルズーム動作を実現するようにしてもよい。また、上記の実施形態では、デジタル一眼レフカメラの交換レンズに用いられる交換レンズ鏡胴としているが、デジタルスチルカメラ等に固定して設けられたレンズ鏡胴であってもよい。
(2)上記の実施形態では、レンズ保持枠12の回転運動をレンズ11の光軸方向の往復運動に変換する運動変換手段として、固定鏡胴14の円筒面にヘリコイド14aを形成するとともに、レンズ保持枠12の外周面から突出するカムピン12aを設けている。しかし、これに限らず、例えば、固定鏡胴の内周面を雌ネジに形成し、レンズ保持枠の外周面を雄ネジに形成することにより、レンズ保持枠の回転運動を往復運動に変換するようにしてもよい。
10 交換レンズ鏡胴(レンズ鏡胴)
11 レンズ
12 レンズ保持枠
12a カムピン(運動変換手段)
13 差動リング(中間リング)
13a コロ
13b 連動キー(伝達部)
14 固定鏡胴(鏡胴本体)
14a ヘリコイド(運動変換手段)
15 前部鏡胴(鏡胴本体)
20 マニュアルリング
30 ステッピングモータ
110 ブレーキユニット
120 ブレーキパッド(回転阻止手段)
130 作動装置
131 キャリッジ(クサビ)
132 リードスクリュー(駆動部)
133 ステッピングモータ(駆動部)
135 コイルバネ(解除バネ)
210 ブレーキユニット
221 パッド(回転阻止手段)
235 駆動マグネット(作動装置)
236 コイル(作動装置)
310 ブレーキユニット
321 レバー(回転阻止手段)
331 与圧バネ(作動装置)
410 ブレーキユニット
421 フック(回転阻止手段)
432 駆動マグネット(作動装置)
433 コイル(作動装置)

Claims (6)

  1. レンズを保持するレンズ保持枠と、
    前記レンズ保持枠を収容する鏡胴本体と、
    前記鏡胴本体の外側に設けられ、前記レンズの光軸を回転中心軸として回転する空芯型のステッピングモータと、
    前記ステッピングモータの回転運動を前記レンズ保持枠に伝達し、前記レンズ保持枠を回転させる伝達部と、
    前記レンズ保持枠と前記鏡胴本体との間に設けられ、前記伝達部による前記レンズ保持枠の回転運動を前記レンズの光軸方向の往復運動に変換する運動変換手段と、
    外力によって前記レンズ保持枠が回転しないようにする回転阻止手段と、
    前記回転阻止手段を作動させる作動装置と
    を有するレンズ鏡胴。
  2. 請求項1に記載のレンズ鏡胴において、
    前記作動装置は、
    前記ステッピングモータの回転部に向けて前記回転阻止手段を移動させるためのクサビと、
    前記回転阻止手段に対して前記クサビを挿入又は離脱させる駆動部と、
    前記ステッピングモータの回転部から前記回転阻止手段を引き離す方向に付勢する解除バネと
    を有するレンズ鏡胴。
  3. 請求項1に記載のレンズ鏡胴において、
    前記鏡胴本体の外側に設けられ、手動による回転操作により、前記レンズの光軸を回転中心軸として回転するマニュアルリングと、
    前記マニュアルリングと前記ステッピングモータとの間に設けられ、前記マニュアルリングの回転に連動して回転するとともに、前記ステッピングモータの回転にも連動して回転するコロと、
    前記コロの回転にともなって、前記レンズの光軸を回転中心軸として回転する中間リングと
    を備え
    前記伝達部は、前記中間リングの回転運動を前記レンズ保持枠に伝達するように設けられている
    レンズ鏡胴。
  4. 請求項1に記載のレンズ鏡胴において、
    前記鏡胴本体は、前記レンズから入射した被写体像を撮像する撮像装置に対して着脱自在である
    レンズ鏡胴。
  5. 撮像用のレンズと、
    前記レンズの光軸上に配置された撮像素子と、
    前記レンズを保持するレンズ保持枠と、
    前記レンズ保持枠を収容する鏡胴本体と、
    前記鏡胴本体の外側に設けられ、前記レンズの光軸を回転中心軸として回転する空芯型のステッピングモータと、
    前記ステッピングモータの回転運動を前記レンズ保持枠に伝達し、前記レンズ保持枠を回転させる伝達部と、
    前記レンズ保持枠と前記鏡胴本体との間に設けられ、前記伝達部による前記レンズ保持枠の回転運動を前記レンズの光軸方向の往復運動に変換する運動変換手段と、
    外力によって前記レンズ保持枠が回転しないようにする回転阻止手段と、
    前記回転阻止手段を作動させる作動装置と
    を有する撮像装置。
  6. 撮像用のレンズと、
    前記レンズの光軸上に配置された撮像素子と、
    前記レンズを保持するレンズ保持枠と、
    前記レンズ保持枠を収容する鏡胴本体と、
    前記鏡胴本体の外側に設けられ、前記レンズの光軸を回転中心軸として回転する空芯型のステッピングモータと、
    前記ステッピングモータの回転運動を前記レンズ保持枠に伝達し、前記レンズ保持枠を回転させる伝達部と、
    前記レンズ保持枠と前記鏡胴本体との間に設けられ、前記伝達部による前記レンズ保持枠の回転運動を前記レンズの光軸方向の往復運動に変換する運動変換手段と、
    外力によって前記レンズ保持枠が回転しないようにする回転阻止手段と、
    前記回転阻止手段を作動させる作動装置と、
    前記ステッピングモータ及び前記作動装置を制御する制御装置と
    を有し、
    前記制御装置は、前記ステッピングモータの回転を停止させるときに、前記ステッピングモータが自力で回転せず、かつ外力によっても回転しないような回転停止電力を供給した状態で、前記作動装置を制御して前記回転阻止手段を作動させ、その後、前記ステッピングモータへの電力の供給を停止するように制御する
    撮像装置の制御方法。
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