JP2011089803A - 内燃機関のガス濃度計測装置およびセンサプラグ - Google Patents

内燃機関のガス濃度計測装置およびセンサプラグ Download PDF

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Abstract

【課題】通常の点火機構を崩さずに、点火プラグの着火位置により近い位置におけるガス濃度を検出する、より簡単なセンサプラグを使った内燃機関のガス濃度計測装置と、それに用いるセンサプラグを提供する。
【解決手段】軸方向に貫通する貫通孔を備えた中心電極21と、貫通孔の燃焼室側の端部に嵌着された凸レンズ23と、貫通孔にプラグ部から凸レンズの後ろまで挿入されて固定された1対の光ファイバ22a,22bと、中心電極の燃焼室側の延長位置に設けられた反射鏡26とを備えた点火プラグでなるセンサプラグ1と、1対のうちの一方の光ファイバ22aに接続され赤外レーザ光を供給する赤外レーザと、1対のうちの他方の光ファイバ22bに接続された赤外検出器とを具備するガス濃度計測装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の燃焼室内のガス濃度を計測する装置に関し、特に内燃機関の稼働状態における点火プラグ周辺のガス濃度変化を測定できるようなガス濃度計測装置およびこれに用いるセンサプラグに関する。
内燃機関の燃焼室における燃料ガス濃度およびガス濃度変化を知ること、特に運転中の内燃機関におけるガス濃度変化を把握することは、内燃機関の設計が適正であったか、シミュレーションが正確に実態を示しているかなどを検証するため、さらには、内燃機関における燃焼制御を実行するために、強く要望されている。
たとえば、内燃機関内のガス濃度はサイクル毎に安定しているか、スロットルふかしのときの応答性は確かか、燃料の供給は十分か、暖気運転時のガス濃度変化は妥当か、など、内燃機関設計や調整において、ガス濃度の変化状態を解明する必要は大きい。
特許文献1には、点火プラグの中心電極を貫通し、中心電極と外部電極の間のスパークの発生するギャップ部に光導入口を有し、ギャップ部に発生するスパーク光を分光光度計に導く光ファイバを備えた、燃焼フィードバック制御用のガス組成分析装置が開示されている。
開示されたガス組成分析装置は、ギャップ部にスパークを発生させることによりガス組成を分析するので、通常の点火タイミング以外の膨張行程や排気行程においても、点火プラグに高電圧を印加してスパークを発生させれば、適宜ガス組成を知ることができる。
開示されたガス組成分析装置は受動測定であるため、検出光を伝送する光ファイバが1本あればよく、構成は簡素である。しかし、開示のガス組成分析装置は、燃焼するガスの特性赤外光を検出して組成を知るものであるので、スパークが存在しないタイミングでは検出ができない。
特許文献2には、燃料噴射制御装置に使用する、空燃比(A/F)の測定装置であって、内燃機関の燃焼室におけるガス濃度の能動計測を行う装置が開示されている。点火前の点火プラグ近傍の局所空燃比を検出して、空燃比が最もリッチとなるタイミングで点火時期を迎えることができるようにするものである。開示装置は、スパークが発生するギャップ部に光源で発生した光を透過させて、空間に存在する燃料ガスによって減衰した光を光電変換素子で検出することで、点火プラグ近傍におけるガス濃度を知るものである。
開示されたガス濃度計測装置は、特許文献2の図3や図4に示されるように、ギャップ部に光を導き透過した光を光電変換素子に導く光学素子を点火プラグの中心電極と接地電極の間に添設し、光の通路を点火プラグの中に設けるので、点火プラグの径を拡大させる。したがって、この計測装置を導入するには、シリンダヘッドに特殊な点火プラグを取り付ける大きなネジ孔を形成する必要がある。
特許文献3には、本明細書の図7に示すような、点火プラグと合体したセンサが開示されている。センサ先端には、凹面反射鏡が設けられていて、光ファイバから円柱状のサファイア板を介して放出される赤外線レーザ光を凹面反射鏡で反射して、再びサファイア板を介して、もう一方の光ファイバに入射させて受光器に伝達するようにしている。
特許文献3に開示されたセンサでは、光ファイバの通る筒部が点火プラグの中心電極にほぼ沿うように設けられるが、点火プラグの径は添設されたセンサの分だけ大きくなる。このため、測定対象の内燃機関はシリンダヘッドの改造を行う必要がある。また、中心電極はプラグの中心軸に位置させることができず、多少偏芯した位置に設けられるので、シリンダヘッドの点火プラグ用雌ねじにねじ込むときの位相により異なる位置関係を持つようになる。したがって、通常の点火状態を厳密な意味で再現するものとはならない。
特許第2796023号公報 特許第2921325号公報 特開2005−233694公報
従来のガス濃度計測装置で用いる点火プラグは、プラグ部にセンサを追加して組み込むため、点火プラグのサイズが大きくなり、既存の内燃機関に対して直接に適用することができず、別途、測定用の燃焼室を準備する必要がある。また、特許文献3記載のガス濃度計測装置では、点火位置と測定位置がずれるため、着火点における燃料ガス濃度を正確に知ることができない。特に、測定位置のずれによる検出遅れはほぼ一定であるため、内燃機関の点火周波数が高くなると相対的に検出濃度の誤差が大きくなるので問題である。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、通常の点火機構を崩さずに、点火プラグの着火位置により近い位置におけるガス濃度を検出する、より簡単なセンサプラグを使った内燃機関のガス濃度計測装置と、それに用いるセンサプラグを提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の内燃機関のガス濃度計測装置は、軸方向に貫通する貫通孔を備えた中心電極と、貫通孔の燃焼室側の端部に嵌着された凸レンズと、貫通孔にプラグ部から凸レンズの後ろまで挿入されて固定された1対の光ファイバと、中心電極の燃焼室側の延長位置に設けられた反射鏡とを備えた点火プラグでなるセンサプラグと、1対のうちの一方の光ファイバに接続され赤外レーザ光を供給する赤外レーザと、1対のうちの他方の光ファイバに接続された赤外検出器とを具備するガス濃度計測装置である。
本発明のガス濃度計測装置は、センサプラグをシリンダヘッドに取り付けたときに、赤外レーザから発生される所定の波長の赤外レーザ光を一方の光ファイバから凸レンズを介して放出し反射鏡で反射させて、さらに凸レンズで集光し他方の光ファイバに入射させて赤外検出器に供給し、赤外検出器で検出された赤外光強度に基づいて燃焼室内のガス濃度を測定することを特徴とする。
また、本発明のセンサプラグは、本発明のガス濃度計測装置の構成部品であって、軸方向に貫通する貫通孔を備えた中心電極と、貫通孔の燃焼室側の端部に嵌着された凸レンズと、貫通孔にプラグ部から凸レンズの後ろまで挿入されて固定された1対の光ファイバと、中心電極の燃焼室側の延長位置に設けられた反射鏡とを備えた点火プラグであることを特徴とする。
本発明のガス濃度計測装置は、燃料ガスに含まれるC−H基が吸収し易い特性赤外光を使い、下式に表されたランベルト−ベール(Lambert−Beer)の法則に基づいて、凸レンズの外面と反射鏡の間のガス濃度を測定する。
log(I/I)=εLc
ここで、Iは入射光強度、Iは透過光強度、εは吸収係数(l/cm・mol)、Lは光路長(cm)、cはガスのモル濃度(mol/l)である。
なお、内燃機関の排気行程において燃料ガスがほとんどゼロになるため、赤外検出器の出力は最大になる。このときの出力値を上式の入射光強度Iとして利用することができる。
C−H基には、1.6μm、2.3μm、3.4μm、7.6μmなどに、顕著な吸収バンドがあるが、最も吸収率が高い3.4μmの赤外レーザ光を使用することが好ましい。なお、波長3.4μm近傍の光を発生するヘリウムネオンレーザは、比較的入手しやすいという利点もある。
赤外レーザから放出された波長3.4μmの赤外レーザ光は、光ファイバを伝って、センサプラグ内の光ファイバ端面からそれぞれの放散角をもって放射される。放射された赤外レーザ光は、凸レンズで収束して燃焼室内に放射され、反射鏡で反射されて再度凸レンズに入射して収束され、もう一方の光ファイバに入射し、赤外検出器に伝送される。赤外検出器の検出光に基づいて、ランベルト−ベールの法則に従って、入射光強度から燃料ガス濃度を算定する。
本発明のセンサプラグは、点火プラグの、たとえば2.0mmの外径をもった中心電極にたとえば1.5mmの内径をもった貫通孔を穿って、この貫通孔にセンサ部を仕込む。したがって、点火プラグとしてのサイズが変化しないから、常用のシリンダヘッドに取り付けて、通常の点火状態の再現ができる。すなわち、既存のエンジンについても、測定用点火プラグと差し替えるだけでガス濃度測定が可能である。
また、検出する燃料ガスは、貫通孔の中の凸レンズの表面から反射鏡の反射面の間に存在するガスであるので、ガス濃度計測装置は点火位置近傍におけるガス濃度を測定することができる。さらに、本発明のガス濃度計測装置は光学式測定原理を用いるので、リアルタイム測定が可能である。
さらに、自動二輪車用の内燃機関においては、4行程の排気行程におけるガス濃度がほとんどゼロになるので、内燃機関のガス濃度計測装置の基準値Iを排気行程における検出出力におけば、4行程を経る度に基準の検出出力を確認することができる。
なお、中心電極はコバールで形成され、凸レンズはサファイア製の円柱状のドラムレンズであって、凸レンズの外周と中心電極の内壁を銀ロウでロウ付けする。サファイアとコバールは熱膨張係数が近いので、ロウ付けにより密着度が維持でき、振動を防止する。また、凸レンズをロウ付けするため、気密性に優れ、ガスが貫通孔を通って漏れ出ることを防止し、光ファイバの熱被曝を防止する。さらに、センサ構造の簡素化を達成し、かつ、凸レンズと光ファイバ先端を接近させることができる。
また、反射鏡は、中心電極の端部に設けることができる。反射鏡を中心電極に固定することにより、センサプラグの組立前に位置調整をして、組立後の調整を簡素化することができる。さらに、中心電極の突出長を調整することにより、ガス濃度計測をする位置を調整することができる。
また、点火プラグの外側電極部から支持されたブリッジを設けて、ブリッジの内側、中心電極に対向する面に反射鏡を形成してもよい。
反射鏡は、燃焼室内の過酷な環境において必要とされる耐腐食性の観点から、ハステロイなどの耐食性合金で形成することが好ましい。
本発明の内燃機関のガス濃度計測装置およびセンサプラグによれば、既存の点火プラグをそのままセンサプラグに置き換えるだけで、内燃機関の燃焼室における点火点付近の燃料ガス濃度をリアルタイムで測定することができるようになるので、自動車などの内燃機関の設計資料として反映させたり、内燃機関の調整を正確に行ったり、内燃機関の自動燃焼制御に利用したりすることができる。
本発明の1実施形態に係るセンサプラグの一部断面側面図である。 本実施形態に係るセンサプラグの要部拡大一部断面側面図である。 本実施形態のガス濃度計測装置の構成を説明するブロック図である。 本実施形態におけるエンジンの4行程と赤外光強度の関係を説明する線図である。 本実施形態における別のセンサプラグを示す側面図である。 本発明の保護管付きセンサプラグの例を示す一部断面側面図である。 従来のセンサプラグの例を示す一部断面側面図である。
以下、図面を用い実施形態に基づいて本発明のガス濃度計測装置およびセンサプラグを詳細に説明する。
図1は本発明の1実施形態に係るセンサプラグについて中心電極部を断面で表した側面図、図2はセンサプラグの先端部を拡大して示した一部断面側面図である。
本実施形態のセンサプラグ1は、図1と図2に示す通り、既製のシリンダヘッドに使用される点火プラグと同じプラグ構造を利用したもので、中心軸位置に配置される中心電極21に貫通孔を穿って、センサ部品を組み込んだところが相違する。
すなわち、センサプラグ1は、エンジンのシリンダヘッドにねじ込まれる雄ねじ12と、雄ねじ12と電気的に接続された接地電極あるいは外部電極16と、中心軸位置に配置される中心電極21と、接地電極16と中心電極21の間に配置される絶縁体14と、中心電極21と電気的に接続され、図示しないソケットを介して図外の点火回路から高電圧の供給を受けるコネクタプラグ13とを具備し、接地電極16と中心電極21の間にスパーク17を発生させる点火プラグ11として機能する。
一方、中心電極21には、貫通孔が設けられ、貫通孔の中に赤外レーザ光を伝搬する1対の光ファイバ22a,22bが収納されている。光ファイバ22a,22bの先端部は、ホルダ22cで把持され貫通孔の内壁に固定されて、光ファイバ22a,22bの端面位置が変化しないようにされている。
光ファイバ22a,22bの端面と僅かな間隔をもって、凸レンズ23が設けられている。凸レンズ23は円断面を有するドラムレンズで、貫通孔の内壁にロウ付けされて、気密性を確保し、外気やガスが貫通孔を介して漏洩しないようになっている。
中心電極21の燃焼室側の端面は、凸レンズ23の後方、所定の距離だけ離れた位置にあり、端面には内側に向けて反射鏡25が設置されていて、凸レンズ23を透過して入射する入射光を凸レンズ23の方に反射させるようになっている。反射鏡25は、ハステロイなど耐食性のよい合金の平坦面を研磨して形成することが好ましい。
凸レンズ23の表面と反射鏡25の表面の間を赤外光が往復する間に燃料ガスが吸収して減衰した赤外光の強度に基づいてガス濃度を計測するので、この領域の中心電極21の外壁には、燃焼室内の混合ガスが自由に流通できるような隙間または開口が設けられている。
中心電極21に収容された光ファイバ22aには、燃料ガスの含まれるガス空間を透過させる赤外レーザ光が供給される。赤外レーザ光は、中心電極21内の光ファイバ22a端面から放出される。光ファイバ22aから放出される赤外レーザ光は、所定の照射角を有する拡散光となるので、凸レンズ23を用いて集光することにより光強度を維持する必要がある。凸レンズ23を通過した赤外レーザ光は、反射鏡25の反射面に投射され反射して再び凸レンズ23に逆方向から入射し、集光されて、赤外検出器に接続された光ファイバ22bの端面に入射する。
光ファイバ22a,22bの端面と、凸レンズ23と、反射鏡25との光学的配置は、製造時に適正に調整することができる。
赤外レーザ光は、凸レンズ23表面と反射鏡25の反射面との間を往復する間にガス濃度に対応して吸収され減衰する。
たとえば、雄ねじ12の外径が10mmのプラグでは、中心電極21の外径が2mm程度になるが、本実施形態のセンサプラグ1では、中心電極21の軸心に貫通孔を穿って、先端の所定位置にサファイア製のドラムレンズ23を挿入して固定することができる。また、寸法が異なるプラグについても、適用に合わせて適宜寸法を選択することができる。
筒形の中心電極21をコバールで形成し、サファイア製ドラムレンズ23の外周と中心電極21の内壁を銀ロウでロウ付けする。サファイアとコバールは熱膨張率が近いので、激しい温度変化があっても両者間の密着度は劣化しない。したがって、内燃機関の燃焼室内と中心電極21の貫通孔を介した外部空間との間の気密がよく保持できる。このため、中心電極21内の光ファイバ22a,22bは燃焼室からの熱に被曝されない。また、ドラムレンズ23は中心電極21の内壁によく固定されるので、振動が起こらない。
なお、コバールと石英では熱膨張係数に差があるので、中心電極21をコバールで形成したときは、凸レンズ23を石英で形成することは好ましくない。
図3は、本実施形態におけるガス濃度計測装置を使用するときの構成を説明する構成図である。
図1と図2で説明したセンサプラグ1は測定対象のエンジン6に装着される。
エンジン6は、シリンダ6aと、シリンダ6a内を往復運動するピストン6bと、ピストン6bの運動により容積を変化させる燃焼室6cと、燃焼室6cに燃料を含む空気を供給する吸気弁6dと、燃焼室6cから燃焼後のガスを排気する排気弁6eを備える。センサプラグ1のコネクタプラグには、点火回路7の高電圧出力を伝達するソケットが接続されている。
燃料と空気の混合ガスは、ピストン6bが下降する間に吸気弁6dを介して燃焼室6cに導入され、ピストン6bの上昇により室内で圧縮された混合ガスにセンサプラグ1で点火して爆発させ、ガスの膨張に伴いピストン6bが押し返され、さらに戻ってくるピストン6bにより燃焼室6c内の燃焼ガスは排気弁6eを介して排気される。
エンジン6は、上記の通り、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程を繰り返して、ピストン6bに往復運動をさせる。ピストン6bの往復運動は、図外のクランクにより回転運動に変換され、車輪を回転させる。
センサプラグ1の一方の光ファイバ22aは、赤外レーザ2から赤外レーザ光を導く光ファイバケーブル5aと光学的に接続される。また、他方の光ファイバ22bは、赤外検出器3に収集した赤外レーザ光を導く光ファイバケーブル5bに光学的に接続される。
光検出器3の検出出力は分析装置4に送信され、分析装置4は、ランベルト−ベールの法則に従ってガス濃度を算定して、その結果を表示する。
ここで使用される赤外レーザ光は、ガス濃度の変化により吸収量が大きく変化するものが好ましい。化石燃料はC−H基を含み、エンジンの混合ガスのC−H基を含む成分は燃料ガスとすることができるため、混合ガスにおける燃料ガスの濃度は、C−H基吸収帯に当たる赤外光を利用して計測することができる。
C−H基には、1.6μm、2.3μm、3.4μm、7.6μmなどに、顕著な吸収バンドがある。また、3.4μmの赤外レーザ光が、最も吸収率が高い。そこで、本実施形態では、3.4μmの赤外レーザ光を使用することとした。なお、波長3.4μm近傍の光を発生するヘリウムネオンレーザは、比較的入手しやすく、利用しやすい。
このように、本実施形態のガス濃度計測装置は、C−H基が吸収し易い波長3.4μmの赤外レーザ光を使い、ランベルト−ベールの法則(log(I/I)=εLc)に基づいて、点火プラグ近傍のガス濃度をリアルタイムで測定する。
なお、ガス濃度計測装置には、入射光の強度を測るセンサがないが、燃焼室内の燃料ガス濃度の変化と対比することにより、透過光用の赤外検出器の出力から入射光強度を推定することができる。
図4は、4サイクルエンジンにおける吸気・圧縮・膨張・排気の4つの行程とバルブ開度および赤外光強度との関係を示すグラフである。
吸気行程では、ピストンが下降する間に吸気弁が開いて、新しい混合ガスが燃焼室に導入される。ついで、圧縮行程において、ピストンが上昇して燃焼室内の混合ガスが圧縮され、燃焼ガスの濃度が上昇する。この間、本実施形態のガス濃度計測装置では、照射する赤外レーザ光を濃いガスがよく吸収するため、赤外光強度が低下する。ピストンが上死点に達する寸前に点火プラグにより混合ガスに点火すると、燃料が爆発的に燃焼し膨張行程に進む。燃料は直ぐに燃焼しきってしまうため、波長3.4μmの赤外レーザ光が透過しやすくなって、赤外検出器で検出する赤外光強度は増加する。ピストンが下死点を過ぎる前から排気弁が少しずつ開いて、排気行程に進み、ピストンが上昇するにつれて燃焼ガスが排出される。
排気行程の最終段階では吸気弁が開いて新しい混合ガスが流入し始めるので、その前に、燃料ガスが含まれないガスにおける赤外光強度を測定する。このときの赤外検出器における出力は、ランベルト−ベールの法則におけるガスのモル濃度cがゼロのときに当たるので、燃料ガスによる吸収がなく入射光の光強度に減衰がないと考えて、この値を入射光強度Iと見なして演算に使用することができる。
この方法によれば、入射光強度は、エンジンが排気行程を通る度に較正をすることができるので、本実施形態のガス濃度計測装置は経時変化に対して耐性のある測定ができる。なお、排気行程における入射光の光強度が何らかの原因で減衰する場合にも、減衰分を定常的な外乱と捉えることにより、ガス濃度演算における基準値Iとすることができる。
本実施形態におけるガス濃度計測装置は、既製のエンジンについても点火プラグをセンサプラグと入れ替えるだけで、点火プラグ近傍におけるガス濃度変化を測定することができる。したがって、測定により実際のエンジン行程を乱すことがなく、通常の作動状態におけるガス濃度変化を知ることができ、エンジンの設計や調整が適正であったか、シミュレーションが正確に実態を示しているかなどを検証するために利用することができる。
図5は、本実施形態における第2の実施例のセンサプラグを示す斜視図である。
本実施例のセンサプラグは、図1などに示した先の実施例と比較して、反射鏡の位置が相違するだけで、その他の構成は同じである。したがって、以下の説明は、先の実施例と異なる部分について詳細に行い、図1や図2に示した要素と同様の機能を有する要素については説明を省略し、あるいは、同じ参照番号を付して説明を簡単化する。
本実施例のセンサプラグは、反射鏡29を中心電極先端部27に形成する代わりに、接地電極16に接続される雄ねじ12に固定されたブリッジ28に形成したものである。ブリッジ28は、中央にハステロイなど耐食性のよい合金で形成される平坦部を備え平坦部の両側に支持脚を備えたU字形の支持部材で、支持脚の端は雄ねじ12の端面に固定されている。
平坦部の内側は、研磨されて反射鏡29を形成している。
また、中心電極先端部27の頂点位置は、赤外レーザ光が通過する開口になっている。なお、図5には、保護管31の一部が表れている。
本実施例のセンサプラグは、図1などの実施例におけるセンサプラグと同様に、燃焼室内の点火条件を乱さず、点火点近傍のガス濃度変化を的確にリアルタイムに測定するツールとなる。また、測定領域が点火プラグの点火位置を挟んで広がるため、より的確な点火位置近傍のガス濃度変化を把握することができる。
ただし、先の実施例では、反射鏡が中心電極と一体に形成されるため、反射鏡と凸レンズの間の距離などのセンサとしてのディメンジョンを予め調整することができるが、本実施例のセンサプラグでは、中心電極部をプラグに組み込んだ後で位置調整を行う必要がある。
図6は、本実施形態における第2の実施例に係るセンサプラグを示す一部断面側面図である。
本実施例のセンサプラグは、図1や図5などに示した先の実施例に対して、ケーブルの保護管を備えたところが相違するだけで、その他の構成は同じである。したがって、以下の説明は、先の実施例と異なる部分について詳細に行い、先の実施例において説明した要素と同様の機能を有する要素については説明を省略し、あるいは、同じ参照番号を付して説明を簡単化する。
センサプラグ1には、小径筒31と大径筒32が入れ子状態に組み合わされる筒形の保護管が設けられる。小径筒31の先端はセンサプラグ1の胴にビス止めされ、小径筒31と大径筒32は入れ子になって摺動し、ビスで所定の位置に止められる。 大径筒32の底にはファイバコネクタ34a,34bが設けられ、赤外レーザの出力を導いてくる光ファイバ22aを入射用光ファイバケーブル33aと接続させ、反射鏡で反射して集まる赤外レーザの出力を導く光ファイバ22bを赤外検出器と接続する光ファイバケーブル33bと接続させる。
また、点火のために中心電極に高電圧を供給する電線ケーブル35はソケットを介してセンサプラグのコネクタプラグ13に接続させる。
センサプラグ1に保護管31,32をセットするときは、大径筒32の底に電線ケーブル35と光ファイバケーブル33a,33bを固定しておいて、小径筒31を大径筒32のなかに押し込んで、電線ケーブル35と光ファイバケーブル33a,33bを露出させる。そして、電線ケーブル35の端点をコネクタプラグ13に接続し、光ファイバケーブル33a,33bをそれぞれ中心電極の光ファイバと接続した後、小径筒31を大径筒32から引き出してセンサプラグ1の胴に填めてビスで固定する。さらに、保護管の全長を、電線ケーブル35と光ファイバケーブル33a,33bが弛まないような長さに整えて、大径筒32を小径筒31にビス止めする。
ファイバコネクタ34a,34bは保護管の底に設けられ、ケーブルのためのコネクタプラグ13は一旦露出されるセンサプラグ1の端部に設けられる。このように、光ファイバと電線ケーブルの取り付け位置が分離し、かつ固定されているので、組立が容易である。また、損傷を受けやすい光ファイバは万全の保護が受けられる。
さらに、保護管付きのセンサプラグ1は、保護管の尻側を掴んで容易にエンジンに取り付けることができる。また、保護管を加重したため、センサの振動を抑制し、光ファイバの揺れを防止することができる。
本発明のガス濃度計測装置およびセンサプラグは、常態のエンジンに取り付けて点火点近傍の燃料ガス濃度をリアルタイムで測定するので、エンジン設計の適否の判定やエンジン調整の当否の判定など、エンジン開発のツールとして利用することにより産業上大きな貢献をする。
1 センサプラグ
2 赤外レーザ
3 赤外検出器
4 分析装置
5a 光ファイバケーブル
5b 光ファイバケーブル
6 エンジン
6a シリンダ
6b ピストン
6c 燃焼室
6d 吸気弁
6e 排気弁
7 点火回路
11 点火プラグ
12 雄ねじ
13 コネクタプラグ
14 絶縁体
16 接地電極(外部電極)
17 スパーク
21 中心電極
22a,22b 光ファイバ
22c ホルダ
23 凸レンズ(ドラムレンズ)
25 反射鏡
29 反射鏡
27 中心電極先端部
28 ブリッジ
31 小径筒(保護管)
32 大径筒(保護管)
33a,33b 光ファイバケーブル
34a,34b ファイバコネクタ
35 電線ケーブル

Claims (7)

  1. 軸方向に貫通する貫通孔を備えた中心電極と、該貫通孔の燃焼室側の端部に嵌着された凸レンズと、該貫通孔にプラグ部から凸レンズの後ろまで挿入されて固定された1対の光ファイバと、該中心電極の燃焼室側の延長位置に設けられた反射鏡とを備えた点火プラグでなるセンサプラグと、
    前記1対のうちの一方の光ファイバに接続され赤外レーザ光を供給する赤外レーザと、
    前記1対のうちの他方の光ファイバに接続された赤外光検出器とを具備し、
    前記センサプラグをシリンダヘッドに取り付けたときに、前記赤外レーザから発生される所定の波長の赤外レーザ光を前記一方の光ファイバから前記凸レンズを介して放出し前記反射鏡で反射させて、さらに前記凸レンズを介して前記他方の光ファイバに入射させて前記赤外線検出器に供給して、前記赤外線検出器で検出された赤外線強度に基づいて前記燃焼室内のガス濃度を測定する、
    内燃機関のガス濃度計測装置。
  2. 前記中心電極はコバールで形成され、前記凸レンズはサファイア製の丸断面のドラムレンズであって、該凸レンズの外周と前記中心電極の内壁を銀ロウでロウ付けしたことを特徴とする、請求項1記載のガス濃度計測装置。
  3. 前記反射鏡は、前記中心電極の燃焼室側の端部に設けられたことを特徴とする、請求項1または2記載のガス濃度計測装置。
  4. 前記反射鏡は、前記点火プラグのネジ部に支持されたブリッジの内側に形成されたことを特徴とする、請求項1または2記載のガス濃度計測装置。
  5. 前記所定の波長の赤外レーザ光はC−H結合の特性赤外光である、請求項1から4のいずれか一項に記載のガス濃度計測装置。
  6. 前記燃焼室内のガス濃度は、内燃機関の排気行程における赤外光強度を基準濃度として判定することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のガス濃度計測装置。
  7. 軸方向に貫通する貫通孔を備えた中心電極と、該貫通孔の燃焼室側の端部に嵌着された凸レンズと、該貫通孔にプラグ部から凸レンズの後ろまで挿入されて固定された1対の光ファイバと、該中心電極の燃焼室側の延長位置に設けられた反射鏡とを備えた点火プラグでなる、内燃機関のガス濃度計測装置用のセンサプラグ。
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