JP2011089729A - 複式熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】板チューブを用いるものにおいて、ろう付け時の積層方向の変形を抑制可能とすると共に、チューブ根付部における熱応力の発生を低減可能とする複式熱交換器を提供する。
【解決手段】複式熱交換器10の第1チューブ111は、平板材の中央部が折り曲げられて、端部同士が接合されて、長手方向に直交する断面が扁平状に形成される板チューブ111である。第1チューブ111の扁平状断面の長辺側で互いに対向する対向面111bに、第1チューブ111の内側にへこみ、第1チューブ111の長手方向の一端から他端に連続して延びるリブ111cをそれぞれ形成し、このリブ111cを第1チューブ111の内側で互いに接合する。更に、リブ111cを、積層方向から見て、ヘッダ平面部121aの内領域で曲げ部121bの近傍に配置する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えばラジエータやコンデンサ等の異種の熱交換器を一体化した複式熱交換器に関するものである。
従来の複式熱交換器として、例えば特許文献1に示されるものが知られている。特許文献1における複式熱交換器は、ハイブリッド車両の電子部品を冷却するラジエータと、冷凍サイクルの高圧冷媒を凝縮するコンデンサとが一体化されたものである。この複式熱交換器は、複数積層されるラジエータチューブ群と、コンデンサチューブ群とが積層方向に隣接するように並べられて、各チューブの長手方向端部がヘッダタンクに接続されて形成されている。
コンデンサチューブは、使用される冷媒の圧力がラジエータの冷却水圧力よりも高いことから、押出し加工によって内部に複数の流路が並ぶ耐圧チューブとして形成されている。一方、ラジエータチューブは、上記のコンデンサチューブよりも使用圧力が低いことに加えて冷却水流通抵抗を低減させるために、一枚の板材を折り曲げ、横断面が扁平状となる板チューブとして形成されている。そして、この板チューブの内部の中央には、板材の折り曲げによって形成されて、扁平状断面の短辺方向に延びる支柱が設けられている。
これにより、ラジエータチューブとして板チューブを使用する場合でも、チューブの短辺方向(積層方向)における強度を向上させることができ、ろう付け時のチューブ短辺方向におけるラジエータチューブの変形を防止できるようにしている。
特開2001−174190号公報
上記複式熱交換器の各チューブの積層方向最外部には、ヘッダタンクに接続されて、補強部材として機能するサイドプレートが設けられている。例えば、ラジエータチューブ内に高温の冷却水が流れると、ラジエータチューブは冷却水の温度に応じて温度上昇するが、サイドプレートはこの温度の影響を受けにくいため、ラジエータチューブとサイドプレートとの間に温度差が生じる。つまり、温度の影響の大きいラジエータチューブは温度の影響の少ないサイドプレートに比べて、より大きく熱膨張しようとする(特に長手方向に延びようとする)。よって、サイドプレートによって、ヘッダタンクの位置が拘束される形となり、ラジエータチューブとヘッダタンクとの接合部(以下、チューブ根付部という)において過大な熱応力が発生する。そして、この熱応力の発生が繰り返されると、ラジエータチューブが疲労破壊に至る場合がある。
また、サイドプレートによる拘束がない場合であっても、ラジエータの冷却水と、コンデンサの冷媒との間に温度差があると、ラジエータチューブとコンデンサチューブとの間に相対的に熱膨張差が生じ、ラジエータチューブとコンデンサチューブのうち、相対的に剛性の低いチューブのチューブ根付部に上記と同様の熱応力が発生する。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、板チューブを用いるものにおいて、ろう付け時の積層方向の変形を抑制可能とすると共に、チューブ根付部における熱応力の発生を低減可能とする複式熱交換器を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明では、内部に第1流体が流通し、複数積層される第1チューブ(111)と、
内部が複数の流路に区画されて、内部に第1流体よりも高圧の第2流体が流通し、第1チューブ(111)の積層方向の一方側に連続して複数積層される第2チューブ(211)と、
第1、第2チューブ(111、211)の積層方向の両最外方に配設されるサイドプレート(113、213)と、
内部が第1、第2チューブ(111、211)用の第1、第2空間(120A、120B)に区画され、第1、第2チューブ(111、211)の長手方向端部がそれぞれ第1、第2空間(120A、120B)内に連通接続されると共に、サイドプレート(113、213)の長手方向端部が接続される円筒状の一対のヘッダタンク(120)とを備え、
第1、第2チューブ(111、211)の外部を流通する外部流体と第1流体との間、および外部流体と第2流体との間でそれぞれ熱交換を行う複式熱交換器において、
一対のヘッダタンク(120)における互いに対向する部位には、円筒状に対して平面状となるヘッダ平面部(121a)と、このヘッダ平面部(121a)から円筒状に移行する曲げ部(121b)とが形成されており、
曲げ部(121b)は、第1、第2チューブ(111、211)の外部流体流れ方向の幅寸法内の領域に配置されて、第1、第2チューブ(111、211)と一対のヘッダタンク(120)とが接続されており、
第1チューブ(111)は、平板材の中央部が折り曲げられて、端部同士が接合されて、長手方向に直交する断面が扁平状に形成される板チューブ(111)であり、
扁平状断面の長辺側で互いに対向する対向面(111b)には、第1チューブ(111)の内側にへこみ、第1チューブ(111)の長手方向の一端から他端に連続して延びるリブ(111c)がそれぞれ形成されて、
リブ(111c)は、第1チューブ(111)の内側で互いに接合されており、
更に、リブ(111c)は、積層方向から見て、ヘッダ平面部(121a)内領域で曲げ部(121b)の近傍に配置されていることを特徴としている。
これにより、第1チューブ(111)のリブ(111c)は、対向面(111b)同士を繋ぐ支柱のごとく形成されるので、第1チューブ(111)を板チューブとして形成する場合であっても、扁平状断面の短辺方向の剛性を上げることができる。よって、第1チューブ(111)および第2チューブ(211)を積層して、この積層方向に所定の圧縮力をかけて複式熱交換器(10)をろう付けする際にも、第1チューブ(111)が変形してしまうのを抑制することができる。
また、請求項1に記載の発明では、ヘッダプレート(121)にヘッダ平面部(121a)と曲げ部(121b)とが形成されて、曲げ部(121b)が第1チューブ(111)の幅寸法内の領域に配置されている。このような複式熱交換器(10)においては、第1チューブ(111)とサイドプレート(113、213)との間に温度差が生じると、サイドプレート(113、213)に対して第1チューブ(111)が熱膨張しようとする(第1チューブ(111)が延びようとする)が、第1チューブ(111)の熱膨張はサイドプレート(113、213)によって拘束され、第1チューブ(111)は積層方向にたわむように変形力を受け、第1チューブ(111)においてはヘッダプレート(121)の曲げ部(121b)近傍に熱応力が発生しやすくなる。
第1チューブ(111)において、この熱応力が発生しやすい部位(曲げ部(121b)の近傍)には、リブ(111c)を配置すると共に、リブ(111c)を第1チューブ(111)の長手方向の一端から他端に連続して設けるようにしているので、第1チューブ(111)の積層方向の剛性を大きくして、熱応力を分散することができ、熱応力に対して積層方向のたわみの発生(変形量)を抑えることができ、効果的に熱応力を低減することができる。
請求項2に記載の発明では、内部に第1流体が流通し、複数積層される第1チューブ(111)と、
内部が複数の流路に区画されて、内部に第1流体よりも高圧の第2流体が流通し、第1チューブ(111)の積層方向の一方側に連続して複数積層される第2チューブ(211)と、
内部が第1、第2チューブ(111、211)用の第1、第2空間(120A、120B)に区画され、第1、第2チューブ(111、211)の長手方向端部がそれぞれ第1、第2空間(120A、120B)内に連通接続される円筒状の一対のヘッダタンク(120)とを備え、
第1、第2チューブ(111、211)の外部を流通する外部流体と第1流体との間、および外部流体と第2流体との間でそれぞれ熱交換を行う複式熱交換器において、
一対のヘッダタンク(120)における互いに対向する部位には、円筒状に対して平面状となるヘッダ平面部(121a)と、このヘッダ平面部(121a)から円筒状に移行する曲げ部(121b)とが形成されており、
曲げ部(121b)は、第1、第2チューブ(111、211)の外部流体流れ方向の幅寸法内の領域に配置されて、第1、第2チューブ(111、211)と一対のヘッダタンク(120)とが接続されており、
第1チューブ(111)は、平板材の中央部が折り曲げられて、端部同士が接合されて、長手方向に直交する断面が扁平状に形成される板チューブ(111)であり、
扁平状断面の長辺側で互いに対向する対向面(111b)には、第1チューブ(111)の内側にへこみ、第1チューブ(111)の長手方向の一端から他端に連続して延びるリブ(111c)がそれぞれ形成されて、
リブ(111c)は、第1チューブ(111)の内側で互いに接合されており、
更に、リブ(111c)は、積層方向から見て、ヘッダ平面部(121a)内領域で曲げ部(121b)の近傍に配置されていることを特徴としている。
これにより、上記請求項1に記載の発明と同様に、リブ(111c)によって、第1チューブ(111)の扁平状断面の短辺方向の剛性を上げることができるので、第1チューブ(111)および第2チューブ(211)を積層して、この積層方向に所定の圧縮力をかけて複式熱交換器(10)をろう付けする際にも、第1チューブ(111)が変形してしまうのを抑制することができる。
また、複式熱交換器(10)において、第1流体と第2流体との間に温度差があると、第1チューブ(111)と第2チューブ(211)との間に相対的に熱膨張差が生じ、第1チューブ(111)と第2チューブ(211)のうち、相対的に剛性の低いチューブ、即ち、第1チューブ(111)は第2チューブ(211)によって拘束される形となり、ヘッダプレート(121)の曲げ部(121b)近傍に熱応力が発生しやすくなる。
第1チューブ(111)において、この熱応力が発生しやすい部位(曲げ部(121b)の近傍)には、リブ(111c)を配置すると共に、リブ(111c)を第1チューブ(111)の長手方向の一端から他端に連続して設けるようにしているので、上記請求項1に記載の発明と同様に、第1チューブ(111)の積層方向の剛性を大きくして、熱応力を分散することができ、熱応力に対して積層方向のたわみの発生(変形量)を抑えることができ、効果的に熱応力を低減することができる。
請求項3に記載の発明のように、第1チューブ(111)の幅寸法の中心から曲げ部(121b)までの距離をL、幅寸法の中心からリブ(111c)までの距離をTとした時に、0.3L≦T≦0.67Lとすると、後述の実施形態での説明のように、効果的な熱応力の低減が可能となる。
請求項4に記載の発明では、リブ(111c)のへこみ形状は、円弧状に形成されたことを特徴としている。
これにより、リブ(111c)を外側に向けて拡がる溝とすることができるので、ヘッダタンク(120)と第1チューブ(111)とをろう付けする際に、チューブ根付部からろう材が毛細管現象によってリブ(111c)を伝わって流れ出すのを抑制することができる。
請求項5に記載の発明では、リブ(111c)の互いに接合される部位は、平面状に形成されたことを特徴としている。
これにより、対向するリブ(111c)同士を安定させて当接することができ、確実な接合が可能となる。
請求項6に記載の発明では、リブ(111c)は、曲げ部(121b)に対応するように1つの対向面(111b)に対して2つ形成されたことを特徴としている。
これにより、最小限のリブ(111c)の形成で効果的な熱応力の低減が可能となる。
請求項7に記載の発明では、第1チューブ(111)の内側に対応する平板材の表面には、ろう材層(111g)と犠牲腐食層(111h)とが設けられており、ろう材層(111g)によって、リブ(111c)は第1チューブ(111)の内側で互いに接合されたことを特徴としている。
これにより、第1チューブ(111)内部の腐食性を向上させると共に、リブ(111c)同士を確実に接合できる。
請求項8に記載の発明では、第1チューブ(111)の平板材の端部同士が接合される部位は、平板材が板厚方向に重ねられた重ね部(111e)として形成されており、重ね部(111e)は、外部流体の上流側を向くように配置されたことを特徴としている。
これにより、外部流体の上流側から異物が第1チューブ(111)に衝突しても、重ね部(111e)の板厚を実質的に2倍にすることができるので、異物による損傷を低減できる。
請求項9に記載の発明のように、車両エンジンルーム内に配設されて、第1流体は、車両の発熱機器を冷却する冷却水であり、第2流体は、車両の冷凍装置内を循環する高圧側冷媒であり、外部流体は、空気である複式熱交換器に用いて好適である。
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
複式熱交換器の全体を示す正面図である。 図1におけるII−II部を示す断面図である。 ラジエータ用のチューブを示す外観斜視図である。 ラジエータ用のチューブの製造方法を示す長手方向から見た外観図である。 図4におけるV部を示す拡大図である。 ラジエータ用のチューブを示す断面図である。 複式熱交換器の組立て要領を示す概略図である。 リブの位置に対する発生応力比を示すグラフである。 チューブの強度の確認要領を示す概略図である。 チューブの強度を確認した結果を示すグラフである。 その他の実施形態におけるチューブを示す外観図である。 更に、その他の実施形態におけるチューブを示す外観図である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態における複式熱交換器10は、ハイブリッド自動車用空調装置の冷凍サイクル(本発明の冷凍装置に対応)内の冷媒を凝縮液化する冷媒凝縮器200に、走行用モータを制御するインバータ(本発明の発熱機器に対応)を冷却するラジエータ100が一体的に形成されたものである。以下、図1〜図6を用いて複式熱交換器10の全体構成について詳細に説明する。
図1、2に示すように、複式熱交換器10のコア部は、ラジエータ100用のコア部110と、冷媒凝縮器200用のコア部210とを備えており、各コア部110、210を形成するチューブ111、211の長手方向(図1の左右方向)両端部が、それぞれ左右のヘッダタンク120、130に接続されて形成されている。
複式熱交換器10は、車両のエンジンルーム内の走行風を受け易い場所、通常はエンジン冷却用ラジエータの前方側に位置するように、両ヘッダタンク120、130に設けられた取付けピン123a、124a、133a、134aを介して車体に取り付けられる。尚、コア部110、210には、走行時のラム圧および図示しない送風機により図2中の下側から上側に向けて冷却風(本発明における外部流体に対応)が供給される。以下説明する複式熱交換器10を構成する各部材は、アルミニウムあるいはアルミニウム合金から成り、嵌合、かしめ、治具固定等により組付けられ、予め各部材表面の必要部位に設けられたろう材により一体でろう付けされている。
コア部110は、内部をインバータ冷却用の冷却水(本発明における第1流体に対応)が流通する複数のチューブ111(本発明における第1チューブに対応)、および放熱面積を拡大して熱交換性能を向上させる複数のフィン112が交互に積層され、上側の最外方のフィン112の更に外方(最上方)に強度部材としてのサイドプレート113が配設されたものである。
チューブ111は、平板材の中央部が折り曲げられて、端部同士が接合され、長手方向に直交する断面が扁平状に形成された板チューブである(図2(b))。本実施形態では、このチューブ111に特徴を持たせており、詳細については後述する。
フィン112は、薄肉の帯板材からローラ加工によって波形に形成されたコルゲートフィンである。サイドプレート113は、一般部において断面がコの字状を呈しており、反チューブ側に開口している。また、長手方向端部は、ヘッダタンク120、130との接合のために板状となっている。
コア部210は、内部を冷凍サイクル内の冷媒(本発明における第2流体に対応)が流通する複数のチューブ(本発明における第2チューブに対応)211、および放熱面積を拡大して熱交換性能を向上させる複数のフィン212が交互に積層され、下側の最外方のフィン212の更に外方(最下方)に強度部材としてのサイドプレート213が配設されたものである。
チューブ211は、上記チューブ111の積層方向(図1の上下方向)の一方側(図1の下側)に連続して積層されるように配置されている。チューブ211は、長手方向に直交する断面が扁平状を成して、複数の区画壁により内部流路が複数に区画されたものであり、例えば押出し加工によって形成されている。冷媒によるチューブ211内の圧力は、冷却水によるチューブ111内の圧力よりも高い設定となっており、チューブ211は、板チューブとして形成されたチューブ111よりも耐圧性を有する耐圧チューブとなっている。
フィン212は、薄肉の帯板材からローラ加工によって波形に形成されたコルゲートフィンである。サイドプレート213は、一般部において断面がコの字状を呈しており、反チューブ側に開口している。また、長手方向端部は、ヘッダタンク120、130との接合のために板状となっている。ここでは、フィン212、およびサイドプレート213は、上記コア部110用のフィン112、およびサイドプレート113とそれぞれ同一仕様のものを採用している。
更に、コア部210は、上側となる凝縮部210Aと下側となる過冷却部210Bとに分けられている。凝縮部210Aは、複数積層されるチューブ211のうち、後述する左ヘッダタンク120のセパレータ126とセパレータ127との間(右ヘッダタンク130のセパレータ136とセパレータ137との間)に配置されるチューブ群より成り、また、過冷却部210Bは、残りのチューブ群より成る。ここでは、凝縮部210Aが過冷却部210Bの上側に配置され、過冷却部210Bのチューブ群の積層本数は、凝縮部210Aのチューブ群の積層本数よりも少ない設定としている。
コア部110とコア部210との間、即ち、積層されたチューブ111と積層されたチューブ211との間には、ダミーチューブ311(ここでは一本の設定)が介在されている。ダミーチューブ311も、チューブ211と同一仕様のものを採用している。
上記コア部110、およびコア部210の左右側には、上下方向に延びる一対のヘッダタンク(右ヘッダタンク120と左ヘッダタンク130)が設けられている。両ヘッダタンク120、130は、断面が略円形状を成す筒状体を成しており、板状に形成されたヘッダプレート121、131と、半円筒状に形成されたタンクプレート122、132とが接合されて形成されている。
ヘッダプレート121、131は、一対のヘッダタンク120、130において互いに対向する側(チューブ側)に配置されており、上下方向に直交する断面がコの字状となるように形成されている。ヘッダプレート121、131のチューブ111、211、311側の面は、平面状となるヘッダ平面部121aとして形成されている。また、コの字状の開口側は、タンクプレート122、132側に向けて拡がるようにヘッダ平面部121aから折り曲げられている。この折り曲げられた部位から先端部までの間は、タンクプレート122、132と共に、筒状体の円周壁を形成している。折り曲げられた部位は、曲げ部121bとなっている。曲げ部121bは、ヘッダ平面部121aから筒状体(ヘッダタンク120、130)の円周壁に移行する部位となっている。
タンクプレート122、132は、ヘッダプレート121、131の反チューブ側に配置されており、半円筒状の端部には段部122aが形成されている。そして、この段部122aにヘッダプレート121、131の開口側先端部が嵌合され、ヘッダプレート121、131とタンクプレート122、132とが接合され、各ヘッダタンク120、130が形成されている。
そして、両ヘッダタンク120、130の長手方向両端部の開口部には、キャップ123、124、133、134が設けられ、両ヘッダタンク120、130の開口部はキャップ123、124、133、134によって閉塞されている。各キャップ123、124、133、134には、取付けピン123a、124a、133a、134aが接合されている。
また、両ヘッダタンク120、130には、内部の空間を仕切るセパレータ125、126、127、135、136、137がそれぞれ設けられている。上記セパレータ125、126、127、135、136、137のうち、セパレータ125、126、135、136によって、両ヘッダタンク120、130内はそれぞれ第1空間120A、断熱空間、第2空間120Bの3つの空間に分割されている。更に、セパレータ127、137によって、第2空間120Bがそれぞれ2つの空間に分割されている。
セパレータ125、126、135、136は、両ヘッダタンク120、130の上下方向において、コア部110とコア部210との境界部に介在されるダミーチューブ311を上下方向に挟む位置に対応するように設けられている。そして、キャップ123とセパレータ125(キャップ133とセパレータ135)との間の空間は、チューブ111と連通するための第1空間120Aとなっている。また、セパレータ125とセパレータ126(セパレータ135とセパレータ136)との間の空間は、ダミーチューブ311が連通する断熱空間となっている。更に、セパレータ126とキャップ124(セパレータ136とキャップ134)との間の空間は、チューブ211と連通するための第2空間120Bとなっている。
また、セパレータ127、137は、コア部210の凝縮部210Aと過冷却部210Bとの境界部位置に対応するように設けられて、第2空間120Bをそれぞれ2つの空間に分割している。
両ヘッダタンク120、130のヘッダプレート121、131には図示しないチューブ孔が複数穿設されており、各チューブ111、211、311の長手方向両端部がこのチューブ孔に挿入嵌合され、チューブ111と第1空間120Aとが互いに連通するように、また、チューブ211と第2空間120Bとが互いに連通するように、更にチューブ311と断熱空間とが互いに連通するように接合(連通接続)されている。各チューブ111、211、311とヘッダプレート121、131のチューブ孔との接合部は、チューブ根付部となる。また、サイドプレート113、213の長手方向端部も両ヘッダプレート121、131に設けられたプレート孔(図示せず)に嵌合され、接合されている。
左ヘッダタンク120のキャップ123とセパレータ125との間には出口パイプ128が設けられ、出口パイプ128は左ヘッダタンク120内の第1空間120Aと連通している。また、右ヘッダタンク130のキャップ133とセパレータ135との間には入口パイプ138が設けられ、入口パイプ138は右ヘッダタンク130内の第1空間120Aと連通している。
また、左ヘッダタンク120のセパレータ126とセパレータ127との間には入口ジョイント231が設けられ、入口ジョイント231は左ヘッダタンク120内の第2空間120Bの上側の空間(凝縮部210A)と連通している。また、左ヘッダタンク120のヘッダキャップ124とセパレータ127との間には出口ジョイント232が設けられ、出口ジョイント232は左ヘッダタンク120内の第2空間120Bの下側の空間(過冷却部210B)と連通している。
尚、セパレータ125とセパレータ126との間(断熱空間)、およびセパレータ135とセパレータ136との間(断熱空間)は、共に、冷却水および冷媒のどちらも流れない空間となっている。従って、ダミーチューブ311にも冷却水、冷媒は流れずに、空気だけが満たされた状態となっている。
右ヘッダタンク130の反チューブ側には、モジュレータ240が設けられている。モジュレータ240は、凝縮部210Aからの冷媒を気液二相に分離すると共に、気液二相のうち液相冷媒を過冷却部210Bに流出するレシーバである。即ち、モジュレータ240は、円筒状の本体部の長手方向両端部にそれぞれキャップが装着されて形成された容器体であり、モジュレータ240内部は、右ヘッダタンク130内の第2空間120Bの上側の空間(凝縮部210A)、および第2空間120Bの下側の空間(過冷却部210B)と連通するように左ヘッダタンク130に接続されている。尚、モジュレータ240の内部には、冷凍サイクル内に侵入した水分を除去するための乾燥剤、および異物を除去するためのフィルタが設けられている。
次に、本実施形態のチューブ111における特徴について説明する。
図2に示すように、チューブ111、211、311の冷却風の流れ方向の寸法(以下、チューブ幅方向)は全て同一の寸法A(以下、チューブ幅寸法A)となっており、このチューブ幅寸法Aに対してヘッダプレート121(131)の開口側で拡げられた先端部間の寸法が、チューブ幅寸法Aと略同等に成るようにして、チューブ111、211、311がヘッダプレート121のチューブ孔に接合されている。よって、ヘッダプレート121の曲げ部121bは、チューブ幅寸法Aの外側ではなくて、チューブ幅寸法A内の領域に位置している。更に、曲げ部121bは、チューブ幅方向の端部近傍に位置している。チューブ幅方向の中心から曲げ部121bまでの距離をLとすると、L<A/2となっている。
また、図3、図4に示すように、チューブ111は、平板材から形成された断面扁平状の板チューブであり、平板材の中央部が折り曲げられて、端部同士が接合されて形成されている。折り曲げられた部位は、折曲げ部111aとなっており、端部同士で接合される部位は、平板材が板厚方向に重ねられた重ね部111eとして形成されている。そして、扁平状断面の長辺側で互いに対向する対向面111bには、リブ111cが形成されている。
リブ111cは、チューブ111の内側に向けてへこみ、チューブ111の長手方向の一端から他端に向けて連続して延びるように形成されている。リブ111cは、1つの対向面111bにおいて2本形成されている。リブ111cのへこみ形状は、図5に示すように、半径Rとなる円弧状に形成されている。円弧は2つの円弧から形成されており、両円弧の中心位置は、リブ111cの幅方向に対してa寸法だけずれており、それにより、リブ111cのチューブ111内側となる頂部には、a寸法に相当する平面部111dが形成されている。両対向面111bに形成されたリブ111cは、チューブ111の内側で頂部の平面部111d同士が互いに当接して接合されている。リブ111cはへこみ形状が円弧状に形成されることで、へこみの頂部側から外側に向けて拡がる形となっている。
図6に示すように、チューブ111を形成する平板材は、芯材111fの一方側の面にろう材(ろう材層)111gと犠牲材(犠牲腐食層)111hとがクラッドされ、他方側の面に犠牲材(犠牲腐食層)111iがクラッドされた4層構造となっている。そして、ろう材111gと犠牲材111hとがクラッドされた面がチューブ111の内側の面となって、チューブ111が形成されて、ろう材111gによってリブ111cは互いにろう付けされている。尚、重ね部111eもろう材111gによって接合されている。
チューブ幅方向におけるリブ111cの位置は、図2に示すように、ヘッダプレート121(131)の曲げ部121bの内側近傍となるようにしている。つまり、チューブ111の積層方向から見て(図2)、リブ111cの位置が、ヘッダ平面部121aをチューブ111の長手方向に投影した時の領域(2L)内に入るようにしている。且つ、リブ111cの位置が、曲げ部121bのポイントをチューブ111の長手方向に投影した時のライン(図2中の寸法Lを示す寸法引き出し線)の近傍となるようにしている。
更に、具体的に説明すると、チューブ幅方向におけるチューブ111の中心からリブ111cまでの距離をTとし、チューブ111の中心から曲げ部121bまでの距離をLとした時に、T<Lとしている。定量的には本実施形態では、チューブ幅寸法Aを22mm、距離Lを10mm、距離Tを6mmとしている。
また、図2に示すように、チューブ111の重ね部111eは、冷却風流れの上流側を向くようにしている。つまり、複式熱交換器10が車両エンジンルームに搭載された状態で、重ね部111eが全てグリル側(反エンジン側)を向くようにしている。
次に、本実施形態の複式熱交換器10の製造方法を簡単に説明する。
まず、サイドプレート213を一番下にセットして、フィン212(フィン112)とチューブ211とをそれぞれ所定本数だけ交互に積層していき(積み上げていき)、その上にチューブ311を乗せ、更にフィン112(フィン212)とチューブ111とをそれぞれ所定本数だけ交互に積層する(積み上げる)。そして、一番上にサイドプレート113をセットする。
次に、図7に示すように、ワイヤ等の保持冶具により、チューブ111、211、311の積層方向に所定の圧縮力を加えて、積層されたサイドプレート113、213、チューブ111、211、311、およびフィン112(212)の組立て状態(積層状態)を保持する。
次に、ヘッダプレート121(131)とタンクプレート122(132)との間の所定部位にセパレータ125、126、127(135、136、137)を介在させて、ヘッダタンク120(130)の組立て体を形成して、このタンク組立て体のチューブ孔に、チューブ111、211、311の長手方向端部を挿入し、同時にサイドプレート113、213の長手方向端部をプレート孔に挿入する。
次に、ヘッダタンク120、130の所定の部位にキャップ123、124、133、134、取付けピン123a、124a、133a、134a、出口パイプ128、入口パイプ138、入口ジョイント231、出口ジョイント232、モジュレータタ240(乾燥剤、フィルタは除く)を仮組付けする。
そして、上記仮組付けされた複式熱交換器の組立て体をろう付け炉に投入して、ろう材の融点まで加熱して、各部材の当接部位を一体的にろう付けする。更に、モジュレータ240内に乾燥剤とフィルタを装着する。
次に、上記のように構成される複式熱交換器10の作動および作用効果について説明する。
冷媒凝縮器200において、入口ジョイント231は、図示しない圧縮機の吐出側と接続され、また、出口ジョイント232は、図示しない膨張弁と接続されている。圧縮機から吐出された冷媒(例えば60℃)は、入口ジョイント231から左ヘッダタンク120の第2空間120B(セパレータ127の上側)に流入し、凝縮部210Aを流れ、冷却風と熱交換されて凝縮液化される。
更に、この冷媒は右ヘッダタンク130の第2空間120B(セパレータ137の上側)に流入し、モジュレータ240内に流入する。モジュレータ240において冷媒は、気液二相に分離されると共に、気液二相のうち液相冷媒のみが右ヘッダタンク130の第2空間120B(セパレータ137の下側)を経て、過冷却部210Bに流入して冷却風により過冷却される。そして、過冷却された冷媒は、左ヘッダタンク120の第2空間120B(セパレータ127の下側)を経て出口ジョイント232から流出し、膨張弁に至る。
一方、ラジエータ100においては、入口パイプ138は、図示しないインバータの冷却水出口部と車両用配管によって接続され、また、出口パイプ128は、図示しないインバータの冷却水入口部と車両用配管によって接続されている。冷却水出口部から吐出された冷却水(例えば50℃)は、車両用配管を経て入口パイプ138から右ヘッダタンク130の第1空間120Aに流入する。そして、冷却水は、チューブ111を流れ、冷却風と熱交換されて冷却される。更に、この冷却水は左ヘッダタンク120の第1空間120Aを流れ、出口パイプ128から流出して、車両用配管を経て冷却水入口部に至る。
上記冷媒凝縮器200、およびラジエータ100での熱交交換においては、チューブ311、および両ヘッダタンク120、130の断熱空間によって、冷媒凝縮器200とラジエータ100との熱移動は抑制される。
本実施形態では、チューブ111にリブ111cを設けるようにしている。このリブ111cは、対向面111b同士を繋ぐ支柱のごとく形成されるので、チューブ111を板チューブとして形成する場合であっても、扁平状断面の短辺方向の剛性を上げることができる。よって、チューブ111、およびチューブ211を積層して、この積層方向に所定の圧縮力(図7)をかけて複式熱交換器10をろう付けする際にも、チューブ111が変形してしまうのを抑制することができる。
また、ヘッダプレート121(131)には、ヘッダ平面部121aと曲げ部121bとが形成されて、曲げ部121bがチューブ幅寸法A内の領域に配置されている。このような複式熱交換器10においては、チューブ111内に冷却水が流通して、チューブ111とサイドプレート113との間に温度差が生じると、サイドプレート113に対してチューブ111が熱膨張しようとする(チューブ111が延びようとする)が、チューブ111の熱膨張はサイドプレート113によって拘束され、チューブ111は積層方向にたわむように変形力を受け、チューブ111においてはヘッダプレート121の曲げ部121bの内側近傍に熱応力が発生しやすくなる(チューブ根付部における熱応力)。
この熱応力が発生しやすい曲げ部121の内側近傍には、上記のリブ111cを配置すると共に、リブ111cをチューブ111の長手方向の一端から他端に連続して設けるようにしているので、チューブ111の積層方向の剛性を大きくして、熱応力を分散することができ、熱応力に対して積層方向のたわみの発生(変形量)を抑えることができ、効果的に熱応力を低減することができる。
チューブ111の中心からリブ111cまでの距離T(図2)に対するチューブ111での発生熱応力比は、図8に示すようになり、本実施形態での距離T=6mmの設定時において、従来技術(リブ設定のないもの)に対して発生熱応力比を約80%に低減することができた。また、距離Tは、3mm〜6.7mmの範囲が良好であり、発生応力比が100%以下となることを確認した。
本実施形態では、チューブ幅寸法Aを22mm、曲げ部121aまでの距離Lを10mmとしており、上記好適な距離Tを、Lとの関係で示すと、T=0.6Lが好適であり、更に、0.3L≦T≦0.67Lとするのが好ましい、と言える。
また、リブ111cのへこみ形状を円弧状に形成するようにしているので、リブ111cを外側に向けて拡がる溝とすることができ、ヘッダタンク120、130とチューブ111とをろう付けする際に、チューブ根付部からろう材が毛細管現象によってリブ111cを伝わって流れ出すのを抑制することができる。ろう材がチューブ根付部から流れ出し、フィン112に至ると、ろう材がフィン材に拡散して、フィンの融点が低下して、ろう付け時にフィンが溶けるという不具合が発生するが、上記のようにリブ111cのへこみ形状を円弧状にすることで、ろう材の流れ出しを抑制して、フィン溶けを抑制することができる。
また、リブ111cの互いに接合される部位に平面部111dを設けるようにしているので、対向するリブ111c同士を安定させて当接することができ、確実な接合が可能となる。
また、リブ111cを1つの対向面111bに対して、曲げ部121bに対応するように2つ設けるようにしているので、最小限のリブ111cの形成で効果的な熱応力の低減が可能となる。
また、チューブ111の内側の表面には、ろう材111gと犠牲材111hとを設け、このろう材111gによって、リブ111cがチューブ111の内側で互いに接合されるようにしているので、チューブ111内部の腐食性を向上させると共に、リブ111c同士を確実に接合できる。
また、チューブ111の平板材の端部同士が接合される部位を重ね部111eとして形成すると共に、重ね部111eが冷却風の上流側を向くように配置するようにしているので、冷却風の上流側から異物がチューブ111に衝突しても、重ね部111eの板厚を実質的に2倍にすることができ、異物による損傷を低減できる。
図9はチューブの強度の確認要領を示す概略図である。チューブ強度の確認要領は、固定台310に対して45度に傾斜させた評価用のコア部110(210)の上側から筒320をガイドにして錘330を落下させて、ポンチ340によってチューブ穴あき発生に至る錘330の落下高さを調べるものである。確認用のチューブは、チューブ111、211、およびリブ111cと重ね部111eとが形成されない従来チューブである。この強度確認においては、図10に示すように、本実施形態のチューブ111の強度は、押出し成形のチューブ211と同等の強度が得られた。
(その他の実施形態)
本発明は、上記第1実施形態に限定して解釈されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の対応が可能である。
上記第1実施形態では、一対のヘッダタンク120、130に接続されるサイドプレート113によってチューブ111の熱膨張が拘束され、チューブ111に熱応力が発生しやすくなる場合に対して、その熱応力の低減を図るものとして説明した。しかしながら、複式熱交換器10にサイドプレート113を設けない場合、あるいはサイドプレート113の長手方向端部を両ヘッダタンク120、130に接続しない場合であっても、ラジエータ100の冷却水と冷媒凝縮器200の冷媒との間に温度差があると、チューブ111とチューブ211との間に相対的に熱膨張差が生じ、チューブ111とチューブ211のうち、相対的に剛性の低いチューブ、即ち、チューブ111はチューブ211によって拘束される形となり、ヘッダプレート121の曲げ部121b近傍に熱応力が発生しやすくなる。
よって、このような場合であっても、チューブ111の熱応力が発生しやすい曲げ部121bの近傍に、リブ111cを設けることで、上記第1実施形態と同様に、チューブ111の積層方向の剛性を大きくして、熱応力を分散することができ、熱応力に対して積層方向のたわみの発生(変形量)を抑えることができ、効果的に熱応力を低減することができる。
また、リブ111cのへこみ形状は、円弧状に限らず、三角状、矩形状等としても良い。尚、矩形状のリブ111cにおいては、リブ111cの幅方向寸法を適宜選定することで、ろう付け時のチューブ根付部からのフィン側へのろう材の流れ出しを抑制できる。
また、リブ111cの頂部に平面部111dを設けるようにしたが、対向し合うリブ111c同士が良好に当接して接合されれば、この平面部111dを廃止しても良い。
また、リブ111cを1つの対向面111bにおいて2本設けるようにしたが、これに限らず図11に示すように、3本以上設けるようにしても良い。
また、チューブ111(平板材)の犠牲材111h、111iは、複式熱交換器10が置かれる腐食環境に応じて廃止しても良い。
また、チューブ111の重ね部111eを、冷却風の上流側を向くように配置したが、必ずしもその配置を適用する必要はなく、異物等による穴あきの影響を考慮して決定すれば良い。
また、チューブ111の成形にあたっては、重ね部111eに替えて、図12に示すように、平板材の端部同士が付き合わせて形成される付き合せ部111jとしても良い。
また、ダミーチューブ311は、両熱交換器100、200間の熱影響の度合いに応じて設定するようにすれば良い。
また、複式熱交換器10として、インバータの冷却水を冷却するラジエータ100と、冷凍サイクルの冷媒を凝縮液化する冷媒凝縮器200との組み合わせとしたが、これに限らず、他の熱交換器、例えばエンジン冷却水の冷却用ラジエータ、各種オイルを冷却するオイルクーラ、エンジン吸気を冷却するインタークーラ等の熱交換器の組合せとしても良い。
10 複式熱交換器
111 チューブ(第1チューブ、板チューブ)
111b 対向面
111c リブ
111e 重ね部
111g ろう材(ろう材層)
111h 犠牲材(犠牲腐食層)
111j 付き合せ部
113 サイドプレート
120 右ヘッダタンク
120A 第1空間
120B 第2空間
121a ヘッダ平面部
121b 曲げ部
130 右ヘッダタンク
211 チューブ(第2チューブ)
213 サイドプレート

Claims (9)

  1. 内部に第1流体が流通し、複数積層される第1チューブ(111)と、
    内部が複数の流路に区画されて、内部に前記第1流体よりも高圧の第2流体が流通し、前記第1チューブ(111)の積層方向の一方側に連続して複数積層される第2チューブ(211)と、
    前記第1、第2チューブ(111、211)の積層方向の両最外方に配設されるサイドプレート(113、213)と、
    内部が前記第1、第2チューブ(111、211)用の第1、第2空間(120A、120B)に区画され、前記第1、第2チューブ(111、211)の長手方向端部がそれぞれ前記第1、第2空間(120A、120B)内に連通接続されると共に、前記サイドプレート(113、213)の長手方向端部が接続される円筒状の一対のヘッダタンク(120)とを備え、
    前記第1、第2チューブ(111、211)の外部を流通する外部流体と前記第1流体との間、および前記外部流体と前記第2流体との間でそれぞれ熱交換を行う複式熱交換器において、
    前記一対のヘッダタンク(120)における互いに対向する部位には、前記円筒状に対して平面状となるヘッダ平面部(121a)と、このヘッダ平面部(121a)から前記円筒状に移行する曲げ部(121b)とが形成されており、
    前記曲げ部(121b)は、前記第1、第2チューブ(111、211)の前記外部流体流れ方向の幅寸法内の領域に配置されて、前記第1、第2チューブ(111、211)と前記一対のヘッダタンク(120)とが接続されており、
    前記第1チューブ(111)は、平板材の中央部が折り曲げられて、端部同士が接合されて、長手方向に直交する断面が扁平状に形成される板チューブ(111)であり、
    前記扁平状断面の長辺側で互いに対向する対向面(111b)には、前記第1チューブ(111)の内側にへこみ、前記第1チューブ(111)の長手方向の一端から他端に連続して延びるリブ(111c)がそれぞれ形成されて、
    前記リブ(111c)は、前記第1チューブ(111)の内側で互いに接合されており、
    更に、前記リブ(111c)は、前記積層方向から見て、前記ヘッダ平面部(121a)内領域で前記曲げ部(121b)の近傍に配置されていることを特徴とする複式熱交換器。
  2. 内部に第1流体が流通し、複数積層される第1チューブ(111)と、
    内部が複数の流路に区画されて、内部に前記第1流体よりも高圧の第2流体が流通し、前記第1チューブ(111)の積層方向の一方側に連続して複数積層される第2チューブ(211)と、
    内部が前記第1、第2チューブ(111、211)用の第1、第2空間(120A、120B)に区画され、前記第1、第2チューブ(111、211)の長手方向端部がそれぞれ前記第1、第2空間(120A、120B)内に連通接続される円筒状の一対のヘッダタンク(120)とを備え、
    前記第1、第2チューブ(111、211)の外部を流通する外部流体と前記第1流体との間、および前記外部流体と前記第2流体との間でそれぞれ熱交換を行う複式熱交換器において、
    前記一対のヘッダタンク(120)における互いに対向する部位には、前記円筒状に対して平面状となるヘッダ平面部(121a)と、このヘッダ平面部(121a)から前記円筒状に移行する曲げ部(121b)とが形成されており、
    前記曲げ部(121b)は、前記第1、第2チューブ(111、211)の前記外部流体流れ方向の幅寸法内の領域に配置されて、前記第1、第2チューブ(111、211)と前記一対のヘッダタンク(120)とが接続されており、
    前記第1チューブ(111)は、平板材の中央部が折り曲げられて、端部同士が接合されて、長手方向に直交する断面が扁平状に形成される板チューブ(111)であり、
    前記扁平状断面の長辺側で互いに対向する対向面(111b)には、前記第1チューブ(111)の内側にへこみ、前記第1チューブ(111)の長手方向の一端から他端に連続して延びるリブ(111c)がそれぞれ形成されて、
    前記リブ(111c)は、前記第1チューブ(111)の内側で互いに接合されており、
    更に、前記リブ(111c)は、前記積層方向から見て、前記ヘッダ平面部(121a)内領域で前記曲げ部(121b)の近傍に配置されていることを特徴とする複式熱交換器。
  3. 前記第1チューブ(111)の前記幅寸法の中心から前記曲げ部(121b)までの距離をL、
    前記幅寸法の中心から前記リブ(111c)までの距離をTとした時に、
    0.3L≦T≦0.67Lであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の複式熱交換器。
  4. 前記リブ(111c)のへこみ形状は、円弧状に形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の複式熱交換器。
  5. 前記リブ(111c)の互いに接合される部位は、平面状に形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の複式熱交換器。
  6. 前記リブ(111c)は、前記曲げ部(121b)に対応するように1つの前記対向面(111b)に対して2つ形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の複式熱交換器。
  7. 前記第1チューブ(111)の内側に対応する前記平板材の表面には、ろう材層(111g)と犠牲腐食層(111h)とが設けられており、前記ろう材層(111g)によって、前記リブ(111c)は前記第1チューブ(111)の内側で互いに接合さたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の複式熱交換器。
  8. 前記第1チューブ(111)の前記平板材の端部同士が接合される部位は、前記平板材が板厚方向に重ねられた重ね部(111e)として形成されており、
    前記重ね部(111e)は、前記外部流体の上流側を向くように配置されたことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の複式熱交換器。
  9. 車両エンジンルーム内に配設されて、
    前記第1流体は、前記車両の発熱機器を冷却する冷却水であり、
    前記第2流体は、前記車両の冷凍装置内を循環する高圧側冷媒であり、
    前記外部流体は、空気であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の複式熱交換器。
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