JP2011089380A - コンクリート造梁の貫通孔周囲の補強構造 - Google Patents

コンクリート造梁の貫通孔周囲の補強構造 Download PDF

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Abstract

【課題】斜め補強部材を容易に固定できるようにする。
【解決手段】 主筋6とあばら筋7と梁幅方向の貫通孔2と、その貫通孔2を囲む環状補強部材10とを備え、前記主筋6に斜め補強部材20を係止し、その斜め補強部材20は、前記主筋6への係止部21と、その係止部21から前記貫通孔2の梁軸方向両側へそれぞれ伸びて徐々に梁高さ方向中央に近づくせん断補強部22を備える構成とした。貫通孔2の周囲に発生するせん断ひび割れに対抗する機能を有するせん断補強部22が、係止部21を夾んで梁軸方向両方へそれぞれ伸びるので、その斜め補強部材20は、係止部21を夾んで両側のバランスよい。このため、その係止部21を一旦主筋6に係止すれば、その後は斜め補強部材20の体勢が変わりにくく、斜め補強部材20を容易に固定できるようになる。
【選択図】図1

Description

この発明は、鉄筋コンクリート造梁、あるいは鉄骨鉄筋コンクリート造梁に設けた貫通孔周囲の補強材に関するものである。
設備配管等をコンクリート造梁を有する建物内に、あるいはその建物内部から外部へ配する場合、その配管が階高設定に影響を与えないようにするため、例えば、図12に示すように、柱4,4間を結ぶコンクリート造梁(以下、単に「梁」という)1の腹部に配管3を挿通するための貫通孔2を設ける手法が一般的である。
梁1に貫通孔2を設ける場合、そのままでは断面減少、貫通孔周囲への応力集中等により、梁1のせん断耐力が低下するので、その貫通孔2周囲を、鉄筋や溶接金網等のせん断補強材で補強する手法が一般的に用いられている。
せん断補強材として、例えば、図13(a)〜(c)に示すように、梁1に設けた貫通孔2の周囲を囲む環状補強部材10がある。
この種の環状補強部材10は、梁1にせん断応力が作用した場合に生じる初期せん断ひび割れが、図13(a)に示す断面において、符号5で示す矢印のように、貫通孔2から梁軸方向に対して概ね45度方向のラインに沿って4方向へ進展するため、その初期のせん断ひび割れに対してほぼ直交する方向に向くせん断補強材を配置して、その補強効果を高めようとするものである。せん断補強材は、コンクリートとの付着力により、せん断ひび割れの進展を抑制する。
なお、前記環状補強部材10に加えて、せん断補強材として斜め補強部材11を配置する技術が開示されている。
この斜め補強部材11は、例えば、図14(a)〜(c)に示すように、直線状の軸状部材の一端を曲げてフック部11aとしたものがある。この軸状部材からなる斜め補強部材11は、そのフック部11aが、前記貫通孔2を夾んで上方と下方に位置する主筋6のうち、梁幅方向端部の主筋6にそれぞれ係止されている。また、その他端の直棒部11bは、図14(a)〜(c)に示すように、上方に位置する主筋6に係止された斜め補強部材11は斜め方向(梁軸方向、及び梁高さ方向に対して斜め方向)下方に伸び、下方に位置する主筋6に係止された斜め補強部材11は斜め方向(梁軸方向、及び梁高さ方向に対して斜め方向)上方に伸びるように配置されている(例えば、特許文献1参照)。
また、他の構成からなる斜め補強部材11として、図15(a)(b)に示すものがある。この斜め補強部材11は、二本の直線状の軸状部材を並行に並べてそれぞれ直棒部(せん断補強部)11bとし、その直棒部11bの一端同士を直線状の軸状部材からなる連結部11cで接続して、全体としてコ字状の外観となっている。この斜め補強部材11の製作は、1本の連続する軸状部材を曲げ加工することで可能である。なお、二本の直棒部11bの他端は、周囲のコンクリートへの定着度合いを高めるために曲げ加工が施され、抜け止め作用部11dとなっている(例えば、特許文献2参照)。
特開平8−184127号公報(第4頁第1−3図) 特開2002−364119号公報(第7−8頁第1−6図)
図14に示す斜め補強部材11は、直線状の軸状部材を主体とするため、梁1の貫通孔2の周囲に発生する可能性のある前記4方向のせん断ひび割れ(図13の符号5で示す矢印参照)に対応して、その4方向にそれぞれ斜め補強部材11を配置する必要がある。
すなわち、図14(a)に示すように、貫通孔2の上方に位置する1本の主筋6に対し、2つの斜め補強部材11を係止し、そのうち1つは、貫通孔2を夾んで梁軸方向一方へ斜め方向下方に向かって、もう一つは、梁軸方向他方へ斜め方向下方に向かって配置している。また、貫通孔2の下方に位置する1本の主筋6に対し、2つの斜め補強部材11を係止し、そのうち1つは、貫通孔2を夾んで梁軸方向一方へ斜め方向上方に向かって、もう一つは、梁軸方向他方へ斜め方向上方に向かって配置している。このため、図14(a)に示す断面において、4本1組の斜め補強部材11を配置していることとなる。
さらに、その4本1組の斜め補強部材11は、図14(b)に示すように、貫通孔2の伸びる方向に沿って、梁幅方向の表面側と裏面側とにそれぞれ配置しているから、一つの貫通孔2に対する斜め補強部材11の配置数はさらに多くなる。
このように、図14に示す斜め補強部材11は、一つの貫通孔2に対して、斜め補強部材11を多数配置しなければならないという問題がある。
斜め補強部材11の数が多いと、その固定作業が繁雑である。斜め補強部材11は、例えば、折り曲げたフック部11aを主筋6に係止し、所定の位置、所定の向きで動かないように番線等で縛って固定するなどの作業が必要だからである。
この点、図15に示す斜め補強部材11は、並行な2つの直棒部11bの一端同士を直線状の連結部11cで接続したコ字状であるから、1つの斜め補強部材11で、梁幅方向の表面側と裏面側とにそれぞれ設けるべき斜め補強部材11の両方の機能を発揮することができる。すなわち、斜め補強部材11の配置数を減らすことができる。
しかし、そのコ字状の斜め補強部材11は、前記直線状の連結部11cを、梁幅方向に並列する複数の主筋6間に架け渡した後(係止した後)、その直棒部11bが梁軸方向、及び梁高さ方向に対して斜め方向となるように、その他端を持ち上げるなどして直棒部11bの向きを維持した状態に固定しなければならない。特に、貫通孔の周囲を均等に補強するには、各斜め補強部材を、梁軸方向に対して同一角度を成すように配置する必要がある。このような固定作業は、図14に示す斜め補強部材11と同様に煩雑である。
そこで、この発明は、斜め補強部材を容易に固定できるようにすることを課題とする。
上記の課題を解決するために、この発明は、梁に、その梁の梁軸方向に配筋された複数の主筋と、その複数の主筋を囲んで配筋されたあばら筋と、その梁の梁幅方向に伸びる貫通孔と、その貫通孔を囲む環状補強部材とを備え、前記貫通孔の上方又は下方で前記主筋に係止された斜め補強部材を備え、その斜め補強部材は、前記主筋に係止された係止部と、その係止部から前記貫通孔の梁軸方向両側へ伸びてそれぞれ徐々に梁高さ方向中央に近づくせん断補強部を備えることを特徴とするコンクリート造梁の貫通孔周囲の補強構造とした。
貫通孔周囲に発生するせん断ひび割れに対抗する機能を有するせん断補強部が、係止部を夾んで梁軸方向両方へそれぞれ伸びるので、その斜め補強部材は、係止部を夾んで両側のバランスがよい。このため、その係止部を一旦主筋に係止すれば、その後は斜め補強部材の体勢が変わりにくい。したがって、斜め補強部材を容易に固定できる。
この構成において、斜め補強部材の係止部は、その斜め補強部材を主筋に係止出来る機能を有していればよく、例えば、斜め補強部材の一部にフック状の部材を溶接等により取付けて、そのフック状の部材を主筋に引っ掛けてもよいし、あるいは、斜め補強部材の一部を番線等で縛って主筋に係止し、その係止した箇所を前記係止部としてもよい。
これらの各構成において、前記斜め補強部材は、前記係止部を夾んで両側の部材同士が、対称に且つ等しい重量に形成されている構成を採用することができる。この構成によれば、斜め補強部材の姿勢を安定させる上で、さらに有利である。
すなわち、前記係止部を夾んで両側の前記せん断補強部同士は、あるいは、補助せん断補強部を備える場合は、その両側の各せん断補強部と各補助せん断補強部同士は、梁軸方向に対称に、つまり、等しい形状、等しい長さに形成されていることが、斜め補強部材の姿勢を安定させる上で有効であり、もちろん、その両者が、等しい重量に形成されていることが最も望ましい。
これらの各構成において、前記斜め補強部材を貫通孔の上下にそれぞれ配置し、その上下の斜め補強部材の各せん断補強部の先端が、前記梁の高さ方向の中心に達するようにし、その梁の正面視において、前記上下の斜め補強部材が前記貫通孔周囲を囲むように配置されている構成を採用することができる。
このようにすれば、上下の斜め補強部材によって、貫通孔周囲が確実に囲まれるため、高い補強効果が期待できる。
また、斜めせん断補強部材は、次なる構成を採用することもできる。すなわち、その構成は、梁に、その梁の梁軸方向に配筋された複数の主筋と、その複数の主筋を囲んで配筋されたあばら筋と、その梁の梁幅方向に伸びる貫通孔と、その貫通孔を囲む環状補強部材とを備え、前記貫通孔の上方又は下方で前記主筋に係止された斜め補強部材を備え、その斜め補強部材は、前記主筋に係止され梁軸方向に並列する対の係止部と、その対の係止部の一方から前記貫通孔の梁軸方向一方へ伸びて徐々に梁高さ方向中央に近づく第一のせん断補強部と、前記対の係止部の他方から前記貫通孔の梁軸方向他方へ伸びて徐々に梁高さ方向中央に近づく第二のせん断補強部とを備え、前記斜め補強部材は、前記第一のせん断補強部に沿って配置されその第一のせん断補強部に連結された第一の補助せん断補強部と、前記第二のせん断補強部に沿って配置されその第二のせん断補強部に連結された第二の補助せん断補強部とを備え、前記第一のせん断補強部と前記第二のせん断補強部とは、前記第一の補助せん断補強部及び前記第二の補助せん断補強部を介して連結されている構成を採用することができる。
この構成において、貫通孔周囲に発生するせん断ひび割れに対抗する機能を有する第一のせん断補強部及び第二のせん断補強部が、対の係止部を夾んで梁軸方向両方へそれぞれ伸びてそれらが連結されているので、その斜め補強部材は、その対の係止部を夾んで両側のバランスがよい。このため、その係止部を一旦主筋に係止すれば、その後は斜め補強部材の体勢が変わりにくい。したがって、斜め補強部材を容易に固定できる。
また、このように第一の補助せん断補強部、第二の補助せん断補強部を備えれば、せん断ひび割れに対抗する機能がさらに高まるとともに、その第一の補助せん断補強部、第二の補助せん断補強部によって、第一のせん断補強部と前記第二のせん断補強部とを連結し、左右のせん断補強部を一体にする部材を兼ねることができる。
なお、この構成においても、斜め補強部材の係止部は、その斜め補強部材を主筋に係止出来る機能を有していればよく、例えば、斜め補強部材の一部にフック状の部材を溶接等により取付けて、そのフック状の部材を主筋に引っ掛けてもよいし、あるいは、斜め補強部材の一部を番線等で縛って主筋に係止し、その係止した箇所を前記係止部としてもよい。
また、前記斜め補強部材は、前記対の係止部の梁軸方向中央を夾んで両側の部材同士が、対称に且つ等しい重量に形成されている構成を採用することができる。この構成によれば、斜め補強部材の姿勢を安定させる上で、さらに有利である。
すなわち、前記対の係止部を夾んで両側に位置する前記第一のせん断補強部、第二のせん断補強部同士は、あるいは、前記第一の補助せん断補強部、第二の補助せん断補強部を備える場合は、その両側に位置する前記第一の補助せん断補強部と第二の補助せん断補強部同士、及び、第一のせん断補強部と第二のせん断補強部同士は、梁軸方向に対称に、つまり、等しい形状、等しい長さに形成されていることが、斜め補強部材の姿勢を安定させる上で有効であり、もちろん、その両者が、等しい重量に形成されていることが最も望ましい。
また、これらの各構成において、前記斜め補強部材を前記貫通孔の上下にそれぞれ配置し、その上下の斜め補強部材の前記第一のせん断補強部と第二のせん断補強部(22b)の先端が、それぞれ前記梁の高さ方向の中心に達するようにし、その梁の正面視において、前記上下の斜め補強部材が前記貫通孔周囲を囲むように配置されている構成を採用することができる。
このようにすれば、上下の斜め補強部材によって、貫通孔周囲が確実に囲まれるため、高い補強効果が期待できる。
また、これらの各構成において、斜め補強部材が軸状部材又は板状部材で構成されている場合において、その軸状部材又は板状部材を曲げて前記係止部を構成してもよい。
すなわち、その構成は、前記斜め補強部材は軸状部材又は板状部材で構成され、前記係止部は、前記軸状部材又は板状部材に設けられた屈曲部で構成されており、前記屈曲部の内側向きの面が前記主筋に当接した状態で、前記斜め補強部材は前記主筋に係止される構成とし得る。
軸状部材又は板状部材の屈曲部でもって、斜め補強部材を主筋に係止する構成とすれば、斜め補強部材の製作が容易であるし、配筋時の係止作業も容易である。
あるいは、他の構成として、前記斜め補強部材は軸状部材又は板状部材で構成され、前記係止部は、前記軸状部材又は板状部材に設けられた2箇所の屈曲部と、その2箇所の前記屈曲部間に直線部とで構成されており、前記屈曲部の内側向きの面又は前記直線部が前記主筋に当接した状態で、前記斜め補強部材は前記主筋に係止される構成とし得る。
この構成によれば、一つの斜め補強部材を、梁幅方向に並列する複数の主筋に対して係止することができるので、斜め補強部材の姿勢が安定しやすい。また、2箇所の屈曲部間に直線部が介在することで、その斜め補強部材の介在によるコンクリートの被りの減少を抑えることができる。
この発明は、貫通孔周囲に発生するせん断ひび割れに対抗する機能を有するせん断補強部が、係止部を夾んで梁軸方向両方へそれぞれ伸びるので、その斜め補強部材は、係止部を夾んで両側のバランスがよい。このため、その係止部を一旦主筋に係止すれば、その後は斜め補強部材の体勢が変わりにくい。したがって、斜め補強部材を容易に固定できる。
一実施形態の斜視図 一実施形態の正面断面図 図2の側面断面図 一実施形態の斜め補強部材の詳細を示し、(a)は正面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は斜視図、(d)はその変形例を示す斜視図 図4(a)(b)(c)に対応する実施形態の斜め補強部材の詳細を示し、(a)は背面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は平面図、(d)は底面図 他の実施形態の要部斜視図 他の実施形態の斜め補強部材の詳細を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)(d)は斜視図 図7の実施形態の斜め補強部材の詳細を示し、(a)は背面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は平面図、(d)は底面図 さらに他の実施形態の正面断面図 図9の実施形態の斜め補強部材の詳細を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は斜視図 図9の実施形態の斜め補強部材の詳細を示し、(a)は背面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は平面図、(d)は底面図 貫通孔を設けたコンクリート造梁の施工例を示す説明図 従来例を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は環状補強部材の正面図 従来例を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は斜め補強部材の詳細図 従来例を示し、(a)は正面図、(b)は斜め補強部材の斜視図
この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。この実施形態のコンクリート造梁の貫通孔周囲の補強構造は、柱4,4間を結ぶ梁1(例えば、図12参照)に設けた貫通孔2の周囲を環状補強部材10で補強した構成において、その環状補強部材10に加えて、斜め補強部材20を配置したものである。
環状補強部材10及び斜め補強部材20は、それぞれ、梁1にせん断応力が作用した場合に生じる初期せん断ひび割れが、貫通孔2の周囲に進展した場合に、その初期のせん断ひび割れに対して交差する方向に所定の部材が位置するように配置されている。
すなわち、環状補強部材10及び斜め補強部材20は、コンクリートとの付着力により、せん断ひび割れの進展を抑制する。
さらに、斜め補強部材20は、貫通孔2の上下部の主筋6に係止して固定されるため、主筋6を拘束し、座屈を抑制することができる。また、梁の高さ方向の変位を拘束するため、コンクリートの破壊を抑制し、梁1の変形性能を向上させることができる。
図1〜図3は、梁1内の配筋状態の一部を示したものである。図中に示す符号6は主筋を、符号7は、その主筋6周りに巻回して固定されるあばら筋(せん断補強筋)を示している。
梁1の貫通孔2は、その孔中心線の方向が、その梁1の長さ方向(梁1の梁軸方向)に直交して設けられており、その貫通孔2周囲には、その貫通孔2の長さ方向(梁1の梁幅方向)に沿って、梁1の表裏二箇所に、それぞれ前述の環状補強部材10を配置している(図3参照)。その各せん断補強部材10は、図3に示すように、梁1の梁幅方向表面側と裏面側とに、それぞれ所定の被りを確保して貫通孔2を囲むように配置されており、例えば、それぞれ対応する側のあばら筋7に番線等の結束材等により固定されている。
なお、この実施形態の環状補強部材10は、鋼材を任意の形状にしたものであるが、この実施形態以外の周知の環状補強部材10を用いることができる。例えば、ひも状の連続繊維に未硬化の樹脂を含浸させてその樹脂を硬化させたものであってもよい。貫通孔2を囲う形状であれば、軸状部材であっても板状部材であってもよいし、単一の部材であっても複数の部材を組み合わせたものであってもよい。
また、この実施形態の斜め補強部材20の構成は、図4(a)〜(c)、及び、図5(a)〜(d)に示すように、1本の連続する鉄筋(軸状部材)で構成される。なお、この軸状部材の素材は自由であり、この実施形態で用いた鉄筋以外の素材であってもよい。例えば、環状補強部材10の場合と同様、連続繊維に未硬化の樹脂を含浸させてその樹脂を硬化させたものを用いてもよい。
斜め補強部材20は、図1〜図3に示すように、前記軸状部材の長さ方向中央部に、前記主筋6への係止箇所となる係止部21を備えている。この係止部21は、前記軸状部材に設けられた屈曲部21aで構成されている。
また、その係止部21から、貫通孔2の梁軸方向両側へそれぞれ伸びて徐々に梁高さ方向中央に近づくせん断補強部22を備える。すなわち、上方の主筋6に係止される斜め補強部材20においてはせん断補強部22は下方に伸び、下方の主筋6に係止される斜め補強部材20においてはせん断補強部22は上方に伸びる。
この実施形態では、せん断補強部22は直線状であるが、多少の湾曲部、屈曲部を伴っていても初期せん断ひび割れに対抗できる形状であれば差し支えない。
また、屈曲部21aは、両側のせん断補強部22,22間を結ぶように円弧状に形成されており、その円弧の内側向きの面が主筋6に当接した状態で、斜め補強部材20は主筋6に係止されるようになっている。すなわち、図4(b)や図5(b)に示すように、斜め補強部材20は、全体として側面視U字状となっている。
また、図4(a)や図5(a)に示すように、せん断補強部22,22間の成す角度は60度となって、斜め補強部材20は、全体として正面視二等辺の山形形状となっている。なお、この角度は、60度に限定されず、例えば、90度など他の角度に設定してもよい。
せん断補強部22は、図1等に示すように、前記係止部21を主筋6に係止して配置した際に、その先端が梁1の高さ方向中央部に至る、又はそれを超える長さを有していることが望ましい。すなわち、その上下の斜め補強部材20の各せん断補強部22の先端が、それぞれ、前記梁1の高さ方向の中心に達するようにすることが望ましい。このようにすれば、その梁1の正面視において、上下の斜め補強部材20によって、貫通孔2周囲が確実に囲まれるため、高い補強効果が期待できる。
なお、この実施形態では、係止部21を夾んで両側のせん断補強部22,22の先端は、それぞれ周囲のコンクリートへの定着度合いを高めるために曲げ加工が施され、抜け止め作用部23となっている。
また、この実施形態では、軸状部材は全長に亘って同一径となっており、係止部21を夾んで両側の前記せん断補強部22,22は、等しい重量、等しい長さに形成されている。このため、係止部21を夾んで両側のせん断補強部22,22同士のバランスがよく、その斜め補強部材20の姿勢を安定させる上で有効であり、貫通孔2の梁軸方向の両側を均等に補強できる。
この施工方法について説明すると、まず、コンクリート造梁1に必要な通常の配筋を行う。すなわち、図示しない型枠内に、主筋6、あばら筋7、及び貫通孔2を形成するための筒状部材、環状補強部材10を配置する。
この配置方法は通常通りであり、主筋6は、梁軸方向に沿ってその梁1の上部と下部にそれぞれ複数本並列して配置する。また、その主筋6に直交する方向にあばら筋7を配置していく。あばら筋7は、梁長さ方向に沿って所定の間隔で配置し、貫通孔2の位置は避けて配置する。
そのあばら筋7とあばら筋7との間の隙間から、環状補強部材10をそのあばら筋7で囲まれた空間内に差し入れて、その環状補強部材10を貫通孔2周囲に固定する。環状補強部材10は、例えば、あばら筋7に対して番線等の結束材で固定することができる。
次に、同じくあばら筋7とあばら筋7との間の隙間から、斜め補強部材20をそのあばら筋7で囲まれた空間内に差し入れる。このとき、梁1の上方の主筋6に係止する斜め補強部材20については、その係止部21が、貫通孔2の直上にくるように配置し、その係止部21を主筋6に引っ掛ける。また、梁1の下方の主筋6に係止する斜め補強部材20については、その係止部21が、貫通孔2の直下にくるように配置し、その係止部21を主筋6に引っ掛ける。
なお、この実施形態では、梁幅方向に並列する複数本(4本)の主筋6のうち、中央部2本の主筋6を斜め補強部材20を係止する対象としている。梁幅方向外側の主筋6に斜め補強部材20を係止すると、あばら筋7に固定されている環状補強部材10との距離が近接するからである。
すなわち、斜め補強部材20を、梁幅方向外側に位置する主筋6以外の主筋6としたので、斜め補強部材20の位置と環状補強部材10との位置を、梁幅方向に所定距離隔てることができる。このため、斜め補強部材20の配置、固定作業に際し、環状補強部材10との干渉を防ぐことができる。
また、図1及び図2に示すように、斜め補強部材20を係止する下方の主筋6と、斜め補強部材20を係止する上方の主筋6とを、梁幅方向にずらして設定している。これにより、前記係止部21を主筋6に係止して配置した際に、せん断補強部22の先端が梁1の高さ方向中央部に至る、又はそれを超えるように設定することができる。
なお、この実施形態では、図2に示すように、各せん断補強部22の先端が、それぞれ梁1の高さ方向中央部に位置するように設定されている。
以上のように、梁1の上方の主筋6に係止する斜め補強部材20と、梁1の下方の主筋6に係止する斜め補強部材20の2つの斜め補強部材20によって、貫通孔2の周囲を囲うことができるので、その配置が容易である。
また、これらの2つの斜め補強部材20は、それぞれ別々にあばら筋7とあばら筋7との間の隙間を通じて、所定の配置箇所に差し入れることができる。なお、その差し入れの際、あばら筋7を若干ずらして隣り合うあばら筋7との間隔を拡げてもよい。
また、各斜め補強部材20を、係止部21を夾んで梁軸方向両側にせん断補強部22が伸びる構成にしたので、その係止部21を主筋6に固定することで、せん断補強部22の向きが必然的に決まる。特に、梁1の上方の主筋6に係止する斜め補強部材20の場合は、係止部21が主筋6に係止されることで、せん断補強部22はその自重で垂れ下がるように支持されるので、別段に作業者が持ち上げて向きを変えたりしなくても所定の向きに配置される。このため、斜め補強部材20の配置、固定作業が、格段に容易となる。
また、貫通孔2の上下に配置される斜め補強部材20のうち、後に配置される斜め補強部材20(例えば、下方の主筋6に係止する斜め補強部材20)は、先に配置した斜め補強部材20(例えば、上方の主筋6に係止する斜め補強部材20)の先端の位置を基準にすれば、容易に上下対称に配置することができる。このため、斜め補強部材20のせん断補強部22を、貫通孔2の周囲に均等に配置しやすい。
なお、斜め補強部材20の係止部21は、梁幅方向に並列する複数の主筋6に係止できるよう、例えば、図4(d)の変形例に示すように、幅広の楕円の円弧状に形成してもよい。また、斜め補強部材20の製作を容易にするため、その円弧径を大きくすることが望ましい。
さらに、他の実施形態を図6乃至図8に示す。この実施形態は、図4(d)の変形例と同様に、梁幅方向に並列する複数の主筋6に係止できるようにしたものであり、その係止部の構成を、2箇所の屈曲部21b,21bと、その屈曲部21b,21b間の直線部21cとで構成したものである。
すなわち、係止部21は、軸状部材に設けられた2箇所の屈曲部21b,21bと、その2箇所の屈曲部21b,21b間の直線部21cとで構成されており、その各屈曲部21b,21bの内側向きの面が、それぞれ対応する主筋6に当接した状態で、斜め補強部材20が主筋6に係止される構成である。
各屈曲部21b,21bの内側向きの面が、それぞれ対応する主筋6に当接することに代えて、あるいは加えて、直線部21cが主筋6に当接した状態で、斜め補強部材20が主筋6に係止されるようにしてもよい。
他の構成及び作用は、前述の実施形態と同様であるので説明を省略する。
なお、いずれの実施形態においても、軸状部材に代えて、板状部材で構成される斜め補強部材20を採用してもよい。斜め補強部材20として板状部材を採用する場合において、前記係止部21を屈曲部21a,21b等で構成する場合は、その屈曲は、フラットな板状部材の板面を湾曲させるように曲げ加工を施して前記屈曲部21a,21bとすると、容易に製作できる。
さらに他の実施形態を、図9乃至図11に示す。この実施形態は、係止部21を二つ有する斜め補強部材20を用いたコンクリート造梁の貫通孔周囲の補強構造である。
その構成は、図9に示すように、梁1に、その梁1の梁軸方向に配筋された複数の主筋6と、その複数の主筋6を囲んで配筋されたあばら筋7と、その梁1の梁幅方向に伸びる貫通孔2と、その貫通孔2を囲む環状補強部材10とを備えている点等は、前述の実施形態と同様である。
その貫通孔2の上方において、前記主筋6に斜め補強部材20が係止されている。なお、この実施形態では、図9に示すように、貫通孔2の上方にのみ斜め補強部材20を配置しているが、それに加えて、又は代えて、貫通孔2の下方に斜め補強部材20を配置してもよい。
その斜め補強部材20は、前記主筋6に係止され梁軸方向に並列する対の係止部21,21を備える。対の係止部21,21は、それぞれ弧状に曲げられた屈曲部21aで構成される。その対の屈曲部21a,21aの内面が主筋6に当たって、対の係止部21,21は,その主筋6に並列して引っ掛けられるように係止されている。なお、その対の屈曲部21a,21aの先は、それぞれ、梁高さ方向中央に向かって伸びる延長部26となっている。
また、斜め補強部材20は、前記対の係止部21,21のうち、図中左側に示す係止部21(一方の係止部21)から、前記貫通孔2の梁軸方向左側(一方)へ伸びて徐々に梁高さ方向中央に至る第一のせん断補強部22aを備えている。また、その対の係止部21,21のうち、図中右側に示す係止部21(他方の係止部21)から、前記貫通孔(2)の梁軸方向右側(他方)へ伸びて徐々に梁高さ方向中央に近づく第二のせん断補強部(22b)を備えている。
さらに、斜め補強部材20は、前記第一のせん断補強部22aに沿って配置された第一の補助せん断補強部24aを備えている。第一の補助せん断補強部24aは、前記第一のせん断補強部22aの梁高さ方向中央側の端部に設けた屈曲部25によって、その第一のせん断補強部22aに連結されている。第一の補助せん断補強部24aは、その屈曲部25から第一のせん断補強部22aに並行に伸びて、前記対の係止部21,21付近の頂部27に至っている。
また、斜め補強部材20は、前記第二のせん断補強部22bに沿って配置された第二の補助せん断補強部24bを備えている。第二の補助せん断補強部24bは、前記第二のせん断補強部22bの梁高さ方向中央側の端部に設けた屈曲部25によって、その第二のせん断補強部22bに連結されている。第二の補助せん断補強部24bは、その屈曲部25から第二のせん断補強部22bに並行に伸びて、前記対の係止部21,21付近の頂部27に至っている。
第一の補助せん断補強部24aと第二の補助せん断補強部24bとは前記頂部27で連結されており、すなわち、その第一の補助せん断補強部24a及び第二の補助せん断補強部24bを介して、前記第一のせん断補強部22aと前記第二のせん断補強部22bとの連結が行われている。頂部27は、この実施形態のように、前記対の係止部21,21の梁軸方向中央に位置することが望ましい。
また、この斜め補強部材20は、前記対の係止部21,21の梁軸方向中央、すなわち、前記頂部27付近を夾んで左右対称に、且つ等しい重量に形成されている。なお、この実施形態では、前述の実施形態と同様、一本の連続する鉄筋(軸状部材)を曲げ加工することにより、前記斜め補強部材20を構成している。
このように、対の係止部21,21の梁軸方向中央を夾んで、その梁軸方向両側に前記第一のせん断補強部22a、第二のせん断補強部22b、第一の補助せん断補強部24a、第二の補助せん断補強部24bを配置したので、その対の係止部21,21を主筋6に固定することで、第一のせん断補強部22a、第二のせん断補強部22b等の向きが必然的に決まる。特に、梁1の上方の主筋6に係止する斜め補強部材20の場合は、対の係止部21,21が主筋6に係止されることで、第一のせん断補強部22a、第二のせん断補強部22b等はその自重で垂れ下がるように支持されるので、別段に作業者が持ち上げて向きを変えたりしなくても所定の向きに配置される。このため、斜め補強部材20の配置、固定作業が、格段に容易となる。この実施形態では、斜め補強部材20が、前記頂部27付近を夾んで左右対称に、且つ等しい重量に形成されているから、さらにその効果が高い。
また、貫通孔2の上下にそれぞれ斜め補強部材20を配置する場合には、後に配置される斜め補強部材20(例えば、下方の主筋6に係止する斜め補強部材20)は、先に配置した斜め補強部材20(例えば、上方の主筋6に係止する斜め補強部材20)の先端の位置(屈曲部25に相当)を基準にすれば、容易に上下対称に配置することができる。このため、斜め補強部材20のせん断補強部22を、貫通孔2の周囲に均等に配置しやすい。
このように、前記斜め補強部材20を前記貫通孔2の上下にそれぞれ配置した場合、その上下の斜め補強部材20の前記第一のせん断補強部22aと第二のせん断補強部22bの先端が、それぞれ前記梁1の高さ方向の中心に達するようにしているため、その梁1の正面視において、前記上下の斜め補強部材20が、前記貫通孔2周囲を囲むように配置されるようになっていることは、前述の各実施形態と同様である。
なお、この実施形態においても、前述の各実施形態と同様、斜め補強部材20の係止部21を、梁幅方向に並列する複数の主筋6に係止できるよう、例えば、図4(d)の変形例に示すように、幅広の楕円の円弧状に形成してもよいし、また、図7及び図8に示すように、2箇所の屈曲部21b,21bと、その屈曲部21b,21b間の直線部21cとを備える構成としてもよい。
また、この実施形態では、その第一の補助せん断補強部24a及び第二の補助せん断補強部24bを介して、前記第一のせん断補強部22aと前記第二のせん断補強部22bとの連結が行われているが、その第一のせん断補強部22aと第二のせん断補強部22bとの連結は、他の部材、例えば、第一のせん断補強部22aの長さ方向中ほどと第二のせん断補強部22bの長さ方向中ほどとを、梁軸方向に連結する別の部材を設けてもよい。
この別の部材は、貫通孔2に支障しない位置に設けることができる。この場合、第一の補助せん断補強部24aと第二の補助せん断補強部24bとを、頂部27で連結しない構成も採用可能である。
また、この実施形態では、前記第一の補助せん断補強部24a、前記第二の補助せん断補強部24bを、それぞれ、前記第一のせん断補強部22a、第二のせん断補強部22bの先端に設けた屈曲部25で連結する構成としたが、前記第一の補助せん断補強部24aと前記第一のせん断補強部22aとの連結、及び、前記第二の補助せん断補強部24bと第二のせん断補強部22bとの連結は、この実施形態に限定されず、例えば、前記第一の補助せん断補強部24aの長さ方向中ほどと、前記第一のせん断補強部22aの長さ方向中ほどとを連結する別の部材、前記第二の補助せん断補強部24bの長さ方向中ほどと、前記第二のせん断補強部22bの長さ方向中ほどとを連結する別の部材を設けてもよい。
さらに、例えば、図1乃至図8に示す構成において、梁軸方向両側のせん断補強部22、22に対して、それぞれ、前記第一の補助せん断補強部24a、前記第二の補助せん断補強部24bに相当する部材を備えさせてもよい。
1 梁(コンクリート造梁)
2 貫通孔
3 配管
4 柱
6 主筋
7 あばら筋(せん断補強筋)
10 環状補強部材
11,20 斜め補強部材
11a フック部
11b 直棒部(せん断補強部)
11c 連結部
11d 抜け止め作用部
20 斜め補強部材
21 係止部
21a,21b 屈曲部
21c 直線部
22 せん断補強部
22a 第一のせん断補強部
22b 第二のせん断補強部
23 抜け止め作用部
24a 第一の補助せん断補強部
24b 第二の補助せん断補強部
25 屈曲部
26 延長部
27 頂部

Claims (7)

  1. 梁(1)に、その梁(1)の梁軸方向に配筋された複数の主筋(6)と、その複数の主筋(6)を囲んで配筋されたあばら筋(7)と、その梁(1)の梁幅方向に伸びる貫通孔(2)と、その貫通孔(2)を囲む環状補強部材(10)とを備え、
    前記貫通孔(2)の上方又は下方で前記主筋(6)に係止された斜め補強部材(20)を備え、その斜め補強部材(20)は、前記主筋(6)に係止された係止部(21)と、その係止部(21)から前記貫通孔(2)の梁軸方向両側へ伸びてそれぞれ徐々に梁高さ方向中央に近づくせん断補強部(22)を備えることを特徴とするコンクリート造梁の貫通孔周囲の補強構造。
  2. 前記斜め補強部材(20)は、前記係止部(21)を夾んで両側の部材同士が、対称に且つ等しい重量に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート造梁の貫通孔周囲の補強構造。
  3. 前記斜め補強部材(20)を前記貫通孔(2)の上下にそれぞれ配置し、その上下の斜め補強部材(20)の各せん断補強部(22)の先端が、それぞれ前記梁(1)の高さ方向の中心に達するようにし、その梁(1)の正面視において、前記上下の斜め補強部材(20)が前記貫通孔(2)周囲を囲むように配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート造梁の貫通孔周囲の補強構造。
  4. 梁(1)に、その梁(1)の梁軸方向に配筋された複数の主筋(6)と、その複数の主筋(6)を囲んで配筋されたあばら筋(7)と、その梁(1)の梁幅方向に伸びる貫通孔(2)と、その貫通孔(2)を囲む環状補強部材(10)とを備え、
    前記貫通孔(2)の上方又は下方で前記主筋(6)に係止された斜め補強部材(20)を備え、その斜め補強部材(20)は、前記主筋(6)に係止され梁軸方向に並列する対の係止部(21,21)と、その対の係止部(21,21)の一方から前記貫通孔(2)の梁軸方向一方へ伸びて徐々に梁高さ方向中央に近づく第一のせん断補強部(22a)と、前記対の係止部(21,21)の他方から前記貫通孔(2)の梁軸方向他方へ伸びて徐々に梁高さ方向中央に近づく第二のせん断補強部(22b)とを備え、
    前記斜め補強部材(20)は、前記第一のせん断補強部(22a)に沿って配置されその第一のせん断補強部(22a)に連結された第一の補助せん断補強部(24a)と、前記第二のせん断補強部(22b)に沿って配置されその第二のせん断補強部(22b)に連結された第二の補助せん断補強部(24b)とを備え、前記第一のせん断補強部(22a)と前記第二のせん断補強部(22b)とは、前記第一の補助せん断補強部(24a)及び前記第二の補助せん断補強部(24b)を介して連結されていることを特徴とする請求項5に記載の貫通孔周囲の補強構造。
  5. 前記斜め補強部材(20)を前記貫通孔(2)の上下にそれぞれ配置し、その上下の斜め補強部材(20)の前記第一のせん断補強部(22a)と第二のせん断補強部(22b)の先端が、それぞれ前記梁(1)の高さ方向の中心に達するようにし、その梁(1)の正面視において、前記上下の斜め補強部材(20)が前記貫通孔(2)周囲を囲むように配置されていることを特徴とする請求項4に記載のコンクリート造梁の貫通孔周囲の補強構造。
  6. 前記斜め補強部材(20)は軸状部材又は板状部材で構成され、前記係止部(21)は、前記軸状部材又は板状部材に設けられた屈曲部(21a)で構成されており、前記屈曲部(21a)の内側向きの面が前記主筋(6)に当接した状態で、前記斜め補強部材(20)は前記主筋(6)に係止されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載のコンクリート造梁の貫通孔周囲の補強構造。
  7. 前記斜め補強部材(20)は軸状部材又は板状部材で構成され、前記係止部(21)は、前記軸状部材又は板状部材に設けられた2箇所の屈曲部(21b,21b)と、その2箇所の前記屈曲部(21b,21b)間の直線部(21c)とで構成されており、前記屈曲部(21b,21b)の内側向きの面又は前記直線部(21c)が前記主筋(6)に当接した状態で、前記斜め補強部材(20)は前記主筋(6)に係止されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載のコンクリート造梁の貫通孔周囲の補強構造。
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