JP2011089179A - 熱風炉設備の操業方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高炉送風用の複数基の熱風炉を備えた熱風炉設備の操業方法であって、操業中の少なくとも一時期において、送風工程にある熱風炉への送風量を調整することで熱風温度を制御するとともに、高炉に送風しない余剰分の熱風を、燃焼工程にある他の熱風炉に導き、その熱風を、(イ)熱風を燃焼用空気及び/又は燃料ガスの予熱用熱媒として用いる、(ロ)熱風を燃焼用空気に混合する、のいずれか又は両方の形態で用いる。従来法に較べて混冷を大幅に減少させ、或いは混冷をなくすことができるとともに、熱風炉設備の燃料原単位を低減することできるので、熱風炉設備の熱効率を大幅に高めることができる。
【選択図】図1
Description
熱風炉の熱効率を向上させるために、例えば、特許文献1では、燃焼排ガスの顕熱を回収して燃焼用空気や燃料ガスを予熱することにより、熱効率の向上を図っている。また、特許文献2のように、燃料ガスである高炉ガス(Bガス)とコークス炉ガス(Cガス)の混合比率と燃焼用空気量を最適化することで、高効率燃焼を実現し、熱効率の向上を図る取り組みもなされている。
また、特許文献3には、送風工程にある熱風炉で発生した熱風の一部を燃焼工程にある熱風炉に燃焼用空気として供給する方法が示されている。
また、燃料ガスであるBガスとCガスの混合比率は製鉄所の操業状態で制約を受けるため、必ずしも最適な比率にできないことも多く、大幅な熱効率向上につながるとは言い難い。
また、特許文献3のように、送風工程にある熱風炉で発生した熱風の一部を燃焼工程にある熱風炉に燃焼用空気として供給すれば、熱風炉設備の燃料原単位を低減することができるが、これだけでは大幅な熱効率の向上は望めない。
[1]高炉送風用の複数基の熱風炉を備えた熱風炉設備の操業方法であって、
操業中の少なくとも一時期において、送風工程にある熱風炉への送風量を調整することで熱風温度を制御するとともに、高炉に送風しない余剰分の熱風を、燃焼工程にある他の熱風炉に導き、該熱風を下記(イ)及び/又は(ロ)の形態で用いることを特徴とする熱風炉設備の操業方法。
(イ)熱風を燃焼用空気及び/又は燃料ガスの予熱用熱媒として用いる。
(ロ)熱風を燃焼用空気に混合する。
送風期間がラップする任意の2基の熱風炉(1x),(1y)による送風を、下記(i),(ii)の条件で行うことを特徴とする熱風炉設備の操業方法。
(i)熱風炉(1x)又は熱風炉(1y)の単独送風時には、送風工程にある熱風炉への送風量を調整することで熱風温度を制御するとともに、高炉に送風しない余剰分の熱風を、燃焼工程にある他の熱風炉に導き、該熱風を下記(イ)及び/又は(ロ)の形態で用いる。
(イ)熱風を燃焼用空気及び/又は燃料ガスの予熱用熱媒として用いる。
(ロ)熱風を燃焼用空気に混合する。
(ii)熱風炉(1x)及び熱風炉(1y)の同時送風時には、両熱風炉(1x),(1y)で発生した熱風の混合割合を調整することで熱風温度を制御するとともに、高炉に送風しない余剰分の熱風を、燃焼工程にある他の熱風炉に導き、該熱風を下記(イ)及び/又は(ロ)の形態で用いる。
(イ)熱風を燃焼用空気及び/又は燃料ガスの予熱用熱媒として用いる。
(ロ)熱風を燃焼用空気に混合する。
[4]上記[1]又は[2]の操業方法において、混冷を行うことなく熱風温度を制御することを特徴とする熱風炉設備の操業方法。
(イ)熱風を燃焼用空気及び/又は燃料ガスの予熱用熱媒として用いる。
(ロ)熱風を燃焼用空気に混合する。
本発明法では、操業中の少なくとも一時期において、送風工程にある熱風炉1への送風量を調整することで熱風温度を制御する。具体的には、送風工程にある熱風炉1の蓄熱量に応じて当該熱風炉1への送風量を調整し、所定の熱風温度が得られるようにし、高炉6に一定温度の熱風を供給するような操業を行う。このような操業は送風工程の全期間中行ってもよいし、例えば、後述するパラレル送風方式の実施形態のように、送風工程の一部期間に限って行ってもよい。
このような操業は、混冷を行うことなく実施することが可能であり、また、混冷を実施する場合でも、熱風温度を補完的に制御する手段として行えば足りる。
ここで、熱風炉1への送風量を調整することで熱風温度を制御した場合、高炉6に送風しない余剰分の熱風量が変動することになるが、燃焼工程にある他の熱風炉1に導く熱風量を一定にしたい場合には、熱風炉1で発生させる余剰分の熱風量hが、燃焼工程にある他の熱風炉1で必要とする熱風量h0に対して常にh≧h0となるようにし、[h−h0]の熱風は他の熱源として使用するか、或いは放散させればよい。
これに対して本発明では、送風工程にある熱風炉1への送風量を調整することで熱風温度を制御するので、従来法に較べて混冷を大幅に減少させ、或いは混冷をなくすことができる(効果1)。一方、送風工程にある熱風炉1への送風量は、高炉6に送風しない余剰分が生じるような量とし、この余剰分の熱風を、上記のように燃焼工程にある他の熱風炉1に導き、燃焼用空気などの予熱用熱媒や燃焼用空気の一部として用いる。
そして、本発明によれば、以上述べたような「効果1」と「効果2」により、従来では実現できなかったレベルの熱効率向上と省エネルギーが達成される。
本発明法は、特に、燃焼用空気の高温化によって熱効率の向上を図るのに有利な方法であり、例えば、蓄熱室3への送風量を従来法に較べて20vol%増加させ、この20vol%分の熱風(送風工程で得られた熱風の20vol%)を、燃焼工程にある他の熱風炉1に導いて燃焼用空気に混合し、燃焼用空気温度を300℃まで高めることにより、エクセルギー効率が約5%向上することになる。熱風炉設備のエネルギー消費は製鉄所全体の約8%を占めるので、数%程度の効率向上でも、その効果は非常に大きい。
(i)熱風炉1x又は熱風炉1yの単独送風時には、送風工程にある熱風炉への送風量を調整することで熱風温度を制御するとともに、高炉に送風しない余剰分の熱風を、燃焼工程にある他の熱風炉に導き、この熱風を前記(イ)及び/又は(ロ)の形態で用いる。
(ii)熱風炉1x及び熱風炉1yの同時送風時には、両熱風炉1x,1yで発生した熱風の混合割合を調整することで熱風温度を制御するとともに、高炉に送風しない余剰分の熱風を、燃焼工程にある他の熱風炉に導き、この熱風を前記(イ)及び/又は(ロ)の形態で用いる。
パラレル送風方式で送風を行う熱風炉設備において、上記のような操業形態で送風と熱風温度制御を行うことにより、特に高い熱効率で操業を行うことができる。
(i)分岐管pを通じて供給される熱風を燃焼用空気及び/又は燃料ガスの予熱用熱媒として用いるために、分岐管pを燃焼用空気及び/又は燃料ガスの予熱器に接続する。
(ii)分岐管pを通じて供給される熱風を燃焼用空気に混合するために、分岐管pを燃焼用空気配管に接続する。
なお、本発明の熱風炉設備では、高炉6への送風仕様(温度,流量)と送風工程にある熱風炉1から出てくる熱風の状態(温度,流量)によって、送風量や熱風分岐量を調整することができるコントローラを設けることが好ましい。
2 燃焼室
3 蓄熱室
4 予熱器
5 送風管
6 高炉
7 開閉弁
8 燃焼用空気配管
p 分岐管
Claims (4)
- 高炉送風用の複数基の熱風炉を備えた熱風炉設備の操業方法であって、
操業中の少なくとも一時期において、送風工程にある熱風炉への送風量を調整することで熱風温度を制御するとともに、高炉に送風しない余剰分の熱風を、燃焼工程にある他の熱風炉に導き、該熱風を下記(イ)及び/又は(ロ)の形態で用いることを特徴とする熱風炉設備の操業方法。
(イ)熱風を燃焼用空気及び/又は燃料ガスの予熱用熱媒として用いる。
(ロ)熱風を燃焼用空気に混合する。 - 高炉送風用の複数基の熱風炉を備えた熱風炉設備の操業方法であって、複数基の熱風炉から順次選択される熱風炉の送風期間がラップするように送風が行われる操業方法において、
送風期間がラップする任意の2基の熱風炉(1x),(1y)による送風を、下記(i),(ii)の条件で行うことを特徴とする熱風炉設備の操業方法。
(i)熱風炉(1x)又は熱風炉(1y)の単独送風時には、送風工程にある熱風炉への送風量を調整することで熱風温度を制御するとともに、高炉に送風しない余剰分の熱風を、燃焼工程にある他の熱風炉に導き、該熱風を下記(イ)及び/又は(ロ)の形態で用いる。
(イ)熱風を燃焼用空気及び/又は燃料ガスの予熱用熱媒として用いる。
(ロ)熱風を燃焼用空気に混合する。
(ii)熱風炉(1x)及び熱風炉(1y)の同時送風時には、両熱風炉(1x),(1y)で発生した熱風の混合割合を調整することで熱風温度を制御するとともに、高炉に送風しない余剰分の熱風を、燃焼工程にある他の熱風炉に導き、該熱風を下記(イ)及び/又は(ロ)の形態で用いる。
(イ)熱風を燃焼用空気及び/又は燃料ガスの予熱用熱媒として用いる。
(ロ)熱風を燃焼用空気に混合する。 - 混冷を行うことで、熱風温度を補完的に制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱風炉設備の操業方法。
- 混冷を行うことなく熱風温度を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱風炉設備の操業方法。
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