JP2011088545A - 制動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 回転体を連携した移動体が、通常の使用状態では、制動力が作用することなく、楽に移動ができ、地震や、急に押された場合などの非常時には、高速移動を防止して、安全性を確保できるようにすること。
【解決手段】 移動体の車輪100に連係させた回転体1と、通常走行時には上記回転体を車輪100とともに回転させるロック解放状態を維持し、急加速時には移動体に対して回転体の回転を止め、この止められた回転体と回転する車輪との相対回転を可能にするロック状態を維持するロック機構5,7,8と、上記回転体がロックして車輪100のみが回転したき、車輪100の回転に制動力を付与する制動機構とを備えた。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車椅子やキャスターつきの家具などが外力によって急に高速で移動することを防止する制動装置に関する。
地震や人に押されるなどして、キャスターを取り付けた家具やサッシ、椅子などに、予想以上の外力が作用した場合、それが高速で移動し、移動した家具などが人や壁に衝突してしまうといった危険性がある。例えば、病院のベッドなどは、通常時、患者を寝かせた状態で移動する際には、軽い力で移動できるようになっていることが望ましいが、地震などで予想外の大きな外力が作用したときに、急に高速で移動してしまうと、壁などに激突し、患者が大怪我をしてしまうことになる。また、医療機器なども、上記と同様に、通常時には軽く移動できることが望ましいが、地震などによって急に移動して壁などに激突すると、機器が破損して使用できなくなってしまう恐れがある。
その他、家庭にあるピアノや家具などの重量物が軽く移動できるようにキャスターをつけることも一般に行なわれるが、地震などによって予想外の大きな外力が作用した場合に、上記ピアノなどが急に高速で移動すると、壁との間に人が挟まれて大怪我をする事態にもなりかねない。
さらに、地震だけでなく、椅子に人が座った状態で、何らかのアクシデントにより、これが強く押されて急に移動した場合にも、大変危険な状態となる。
このような危険を回避するために、高速回転を抑制するキャスターが知られている。
例えば、特許文献1に記載されたブレーキ機能を備えたキャスターは、常時キャスターの回転に緩やかなブレーキ力を作用させ、高速移動を抑制するものである。
また、特許文献2に記載されたキャスターは、下り坂での急降下を防止したり、ブレーキを掛けたときに、そのブレーキ作用を助けたりする機構を備えている。
特開平10−081105号公報 特開平11−059113号公報
上記特許文献1に記載のブレーキ機構つきキャスターは、常時ブレーキ力が作用するものであり、通常の使用状態におけるキャスターのスムーズな回転も阻害される。そのため、このようなキャスターを用いた乳母車や車椅子などを押すために、大きな力が必要になるという問題があった。また、ピアノやキャビネットなどの重量物の移動を容易にする目的でキャスターを取り付けても、上記ブレーキ機構付きキャスターでは、キャスターの回転が常時重く、期待通りの楽な移動ができないという問題があった。
また、特許文献2に記載のキャスターは、下り坂を転がり落ちることを防止できるが、水平面上での急加速には対応できないものである。
一方、急加速を検出したときに、キャスターを急停止させる構造も考えられるが、移動中にキャスターが急停止したのでは、乳母車や車椅子、ベッドなどに載っている人が、飛び出してしまう危険もある。
この発明の目的は、車輪を連携した移動体が、通常の使用状態では、制動力が作用することなく、楽に移動ができ、地震や、急に押された場合などの非常時には、車輪の回転に対して制動力を付与することで急な高速移動や急停止を防止して、安全性を確保できる制動装置を提供することである。
第1の発明は、移動体の車輪に連係させた回転体と、通常走行時には上記回転体を車輪とともに回転させるロック解放状態を維持し、急加速時には移動体に対して回転体の回転を止め、この止められた回転体と回転する車輪との相対回転を可能にするロック状態を維持するロック機構と、上記回転体がロックして車輪のみが回転したとき、車輪の回転に制動力を付与する制動機構とを備えた点に特徴を有する。
なお、上記回転体が車輪とともに回転する構成には、回転体と車輪とが一体的に回転する構成のほか、一方の回転力が他方に伝達することによって両者が回転するものも含まれる。
第2の発明は、上記第1の発明の制動機構が、上記車輪あるいは上記ロック状態において上記車輪とともに回転する伝達部材と、上記回転体あるいは上記ロック状態において回転体とともに回転する伝達部材とを備え、これら車輪と回転体、車輪と回転体とともに回転する伝達部材、車輪とともに回転する伝達部材と回転体、あるいは上記両伝達部材の接触部間に粘性流体を介在させ、この粘性流体の粘性抵抗で車輪に対する上記制動力を付与する構成にした点を特徴とする。
第3の発明は、上記第1の発明の制動機構が、上記車輪あるいは上記ロック状態において上記車輪とともに回転する伝達部材と、上記回転体あるいは上記ロック状態において回転体とともに回転する伝達部材とを備え、これら車輪と回転体、車輪と回転体とともに回転する伝達部材、車輪とともに回転する伝達部材と回転体、あるいは上記両伝達部材を互いに接触させ、その接触部分の摩擦力で車輪に対する上記制動力を付与する構成にした点を特徴とする。
第4の発明は、上記ロック機構が、上記回転体と相対回転する制動部材と、上記回転体と制動部材とが相まって回転体に摺接可能に保持されるコマ部材と、制動部材に設けるとともにコマ部材の移動を規制する制動部とを備え、この制動部は、上記回転体が水平面に沿っていずれか一方へ移動する際の回転方向後方あるいは前方においてコマ部材を自由移動可能にする幅広部と、回転方向前方あるいは後方においてコマ部材を回転体に圧接させる幅狭部とを備えるとともに、上記制動部を上記幅広部から上記幅狭部に向かう楔状にするとともに、上記幅広部を上記幅狭部よりも下方に位置させてなり、急加速時には、上記コマ部材が上記制動部の幅狭部に嵌って上記ロック状態を維持する構成にした点を特徴とする。
第1〜第4の発明によれば、大きな外力が作用しない通常時には、ロック機構がロック開放状態を維持し、車輪とともに回転体が回転し、車輪には制動力が作用せず、移動体のスムーズな移動が可能である。
一方、急加速時には、ロック機構が回転体と車輪とを相対回転させるロック状態を維持し、制動機構が車輪の回転に制動力を付与するので、移動体の急加速移動を防止できる。
しかも、車輪が回転している状態で制動力を付与するので、移動体が急停止することもなく、急停止した移動体から人やものが飛び出してしまうことも防止できる。
第2の発明では、制動力として粘性流体の粘性抵抗を利用するようにしたので、流体の選定によって様々な制動力を設定できる。
第3の発明では、制動力として接触部分の摩擦力を利用するようにしたので、例えば、流体を用いる場合のようにシールが必要なく、構造を単純化できる。
第4の発明では、急加速時には制動部がコマ部材を回転体に圧接させることによって回転体が制動部材と一体化され、制動部材の移動を規制すれば、回転体の急回転を停止させることができ、回転体に連結した移動体の急な高速移動を防止できる。
また、ロック機構が、急加速を機械的に検出する構造なので、例えば、急加速を電気的に検出するものと比べて、信頼性が高い。
第1実施形態の斜視図である。 第1実施形態のカバーをはずした状態の正面図である。 図1のIII-III線断面図である。 図3の部分拡大図である。 第1実施形態の回転体の斜視図である。 第1実施形態の回転体の正面図である。 第1実施形態のロック状態を示す正面図である。 第2実施形態の斜視図である。 第2実施形態のカバーをはずした状態の正面図である。 図8のX-X線断面図である。 図8のXI-XI線断面図である。 図10の部分拡大図である。 第3実施形態の斜視図である。 第3実施形態のカバーをはずした状態を示す正面図である。 図13のXV-XV線断面図である。 図15の部分拡大図である。 第4実施形態の斜視図である。 第4実施形態のカバーをはずした状態を示す正面図である。 図17のXIX-XIX線断面図である。 図19の部分拡大図である。 第5実施形態の断面図である。 第6実施形態の正面図である。 第6実施形態の連結部材を除いた回転体の正面図である。
図1〜図7に、この発明の第1実施形態を示す。
この第1実施形態の制動装置は、例えば、家具などの底面に取り付けるキャスターとして用いるものであるが、地震などによって急に高速で移動することを防止できる装置である。
この第1実施形態の制動装置は、図1に示すように、回転軸2にキャスターを構成する車輪100を取り付けるとともに、内部に回転体1を設けている。
さらに、上記回転軸2には、上記車輪100及び回転体1と相対回転可能にした連結部材3を取り付けている。この連結部材3は、所定の間隔を保って対向する一対の連結片3a,3bと、これらの間に渡した固定面3cとからなる。そして、上記連結片3a,3bを車輪100の両面を挟むように配置して回転軸2に取り付けるとともに、上方の固定面3cを家具などの移動体側に固定する。
なお、上記車輪100内にはこの発明のロック機構及び制動機構を組み込んでいるが、これらロック機構及び制動機構については後で詳細に説明する。そして、車輪100の表面を円盤状のカバー4で覆っている。
図2は、上記車輪100の内部を説明するために、上記カバー4をはずした状態を示した図で、図3は図1の断面図、図4はその部分拡大図である。
図2、図3に示すように、車輪100には同心の円形凹部100aを形成し、この円形凹部100a内に板状の回転体1を設けている。
この回転体1を図5、図6に示しているが、これらの図5、図6は、図2に現れている一方の面1aとは反対の面1b側から見た図である。この回転体1の面1bには、外周に沿って複数の凹部1cを設けることによってこれら凹部1c間に羽根部1dを形成している。そして、この羽根部1dの内径側に環状のシール溝1eを形成するとともに、中央には上記回転軸2の外周より内径を大きくした軸孔1iを形成している。
また、回転体1の外周面には線状のシール溝1fを形成している。
そして、上記シール溝1e,1fにはシール部材101を嵌めるとともに、回転軸2を軸孔1iに挿入して上記回転体1の面1bを車輪100の円形凹部100aの底面100bに対向させている。
このとき、回転体1の外周のシール溝1fに設けたシール部材101は、車輪100の円形凹部100aの内側面100cで押圧され、シール性を発揮するようにしている。
さらに、車輪100の円形凹部100aの底面100bには、円形凹部100aに回転体1を組み込んだとき、上記回転体1の面1bに形成したシール溝1eに対応する位置に環状凸部100dを形成し、上記環状凸部100dが上記シール溝1e内に突出してシール部材101を押圧し、シール性を確保するようにしている。
そして、上記シール溝1e,1fに嵌めたシール部材101,101間であって、円形凹部100aの底面及び内側面100cと回転体1の外表面との間には粘性流体を充填している。
上記のように車輪100内に組み込んだ回転体1は、上記シール部材101の静摩擦力によって、通常走行時には車輪100と一体的に回転するようにしている。
しかし、後で説明するロック機構によって回転体1の回転が停止した場合には、車輪100のみが回転して回転体1と車輪100とが相対回転し、この相対回転時には、上記車輪100と回転体1との間に充填した粘性流体の粘性抵抗が車輪100に制動力を付与することになる。
具体的には、上記羽根部1dが上記粘性流体を撹拌しながら移動する際に、流体の粘性抵抗を受けることになる。従って、車輪100は、回転体1と一体的に回転しているときとはちがって、制動力を受けることになるので高速回転はせず、結果としてこの車輪100を取り付けた移動体も高速移動はしない。つまり、この第1実施形態では、上記回転体1及び粘性流体が、回転体1と相対回転する車輪100の回転に制動力を付与する制動機構を構成している。
次に、通常走行時には、上記回転体1を車輪とともに回転させるが、急加速時には回転体1の回転を停止させるロック機構について説明する。
図2に示すように、上記回転体1における一方の面1aには、回転体1と同心の円形凹部1gを形成し、この円形凹部1g内に、板状の制動部材5を設けている。この制動部材5は、上下それぞれに、扇型部5a,5bを備え、その中心を上記回転軸2の中心Oと一致させて回転自在に取り付けている。これにより、回転体1、制動部材5、及び連結部材3とは、同一の中心Oを回転中心として相対回転可能になる。
また、上記制動部材5は、図2において上記中心Oより上側の扇型部5aを、下側の扇型部5bよりも小さくするとともに、上側の扇型部5aにはくりぬき穴5cを形成して重量を軽減している。そのため、制動部材5は下側の扇型部5bが重り部となって、外力が作用しない状態では、図2に示す状態を維持し、水平方向の外力が作用したとき、上記中心Oを中心として振り子として揺動する。
さらに、上記上側の扇型部5aには、その円周方向両端付近に、一対の制動溝6,7を形成し、これら制動溝6,7内には、この発明のコマ部材であるころ8,8を収容している。
上記制動溝6,7は、上記円形凹部1gの内側面1hに対向する側を開放するとともに、上記内側面1hまでの距離をころ8の外径よりも大きくした幅広部6a,7aと、ころ8の外径よりわずかに小さくした幅狭部6b,7bとを備えた楔状部を備え、上記幅広部6a,7aを、幅狭部6b,7bよりも下方に位置させている。従って、外力が作用しない通常走行時には、各ころ8,8は自重によって下方の幅広部6a,7aに位置し、上記内側面1hにはほとんど接触せず、制動部材5と回転体1との相対回転を阻害することはない。
また、制動部材5の下側扇型部5bには、上記中心Oを中心とする円弧状の長穴9を形成するとともに、上記連結部材3の連結片3bには、この長穴9に向かって突出する規制ピン10を固定し、この規制ピン10を上記長穴9に挿入している。この規制ピン10は、制動部材5が揺動したとき、上記長穴9内をその円弧に沿って移動するが、制御ピン10が長穴9の端部に当接したとき、上記制動部材5の揺動が停止する。言い換えれば、上記長穴9と規制ピン10とでこの発明の揺動規制手段を構成し、規制ピン10の長穴9内の移動範囲に応じた振幅が上記制動部材5の最大振幅になる。なお、上記長穴9は、制動部材5を貫通する穴でも良いし、上記カバー4側を開口させた凹部でもよい。
また、上記カバー4には、上記規制ピン10を貫通させるために円形の窓4aを形成している。
このような回転体1に所定以上の外力を作用させると制動部材5が揺動し、制動溝部6あるいは7内のころ8が上記幅狭部6bあるいは7bへ押しこまれて制動部材5と回転体1とを一体化する。さらに回転体1と一体化した制動部材5の揺動が上記規制ピン10によって規制されるため、回転体1の回転が停止するロック状態となる。
このように、大きな外力が作用した場合には、回転体1の回転が停止するロック状態となるが、そのメカニズムは以下のように考えられる。
ここでは、車輪100が、図2に示す平面S上を矢印A方向へ移動する場合について説明する。
上記回転体1は、平面S上を矢印A方向へ移動するとき、車輪100は矢印α方向に回転するが、通常走行時には、車輪100と一体的に回転する回転体1も、矢印α方向に回転する。
なお、上記矢印αで示す車輪100及び回転体1の回転方向とは、車輪100が水平の平面S上を転がりながら全体として矢印Aへ移動する際の、車輪100及び回転体1の中心を除く任意の点の、中心Oに対する移動方向のことであり、ここでは反時計方向である。従って、この矢印αは、中心Oを中心とする円周を描くものであるが、図では矢印αの一部のみを記載している。このことは、以下の実施形態においても同様である。
上記のように車輪100がころがりながら、矢印A方向へ移動するとき、その移動が等速運動なら、車輪100と一体的に回転している回転体1に相対回転可能に取り付けられている制動部材5には、水平方向の外力が作用しない。そのため、制御部材5は揺動せず、図2に示す状態を保つ。
車輪100が、停止状態から発進する際には加速度を生じるため、制動部材5の中心には、上記加速度に相当する外力が作用することになるが、その大きさが小さければ、制動部材の揺れも小さく、すぐに減衰して図示の状態を保つことになる。つまり、車輪100及び回転体1の加速度がそれほど大きくならない通常走行時には、上記ころ8は、制動溝6,7の上記幅広部6a,7a側に留まり、回転体1と制動部材5と相対回転を阻害することはない。
これに対し、車輪100が急加速する非常時では、制動部材5の振れが大きくなり、制動部材5は、図2の状態から矢印α方向へ回転して図7に示す状態になる。
このように制動部材5が回転すれば、各制動溝6、7に収容されたころ8,8も制動部材5とともに移動する。上記制動部材5が中心Oを中心に回転し、一対の制動溝6,7のうち、回転方向(矢印α方向)後方の制動溝6が鉛直線Nを超えて、上記幅広部6aが幅狭部6bよりも上方に位置すると、この制動溝6内のころ8が自重で、二点鎖線の位置から幅狭部6b側へ移動する。このように、幅狭部6b側へ移動したころ8は、回転体1の内側面1hに接触する。このとき、ころ8は回転体1の矢印α方向の回転力を受けて、自転してさらに幅狭部6b内に押し込まれることになる。
上記のように、ころ8が幅狭部6b内に押し込まれると、ころ8が回転体1に圧接し、楔効果によって制動部材5と回転体1とを一体化して両者の相対回転を阻止する。
つまり、図7において上方の制動溝6が、この発明におけるコマ部材を移動自由にする幅広部6aと、コマ部材を回転体に圧接させる幅狭部6bとを備えた制動部である。
そして、上記回転体1と制動部材5とが一体化した状態で、上記連結部材3に固定された規制ピン10が制動部材5の長穴9の端部に当接するので、回転体1の回転が停止するロック状態となる。この第1実施形態では、上記制動部と、コマ部材であるころ8と、上記制動部材5と、規制ピン10とでこの発明のロック機構を構成している。
上記ロック状態になって回転体1の回転が停止し、回転体1と車輪100とが相対回転する時には、上記したように、車輪100と回転体1との接触部間に介在させた粘性流体の粘性抵抗が車輪100の回転に制動力を付与するので、車輪100の高速回転を防止できる。
そのため、地震や人に押されるなどによる大きな外力が作用した非常時には、制動部材5が大きく振れて、ころ8を介して制動部材5と回転体1とが一体化されるとともに、その回転を停止させるロック状態を維持できる。従って、上記外力によって車輪100を取り付けた移動体が、予期しない高速で移動してしまう危険を防止できる。しかも、上記制動機構は車輪100を回転させながら制動力を発揮する構成なので、車輪100を急停止させることがなく、急停止による危険も排除できる。
また、この第1実施形態のロック機構において、どのくらいの大きさの外力が作用したときに、非常時として回転体1の回転を停止させるかは、この装置の利用態様によって決めることができる。具体的には、上記制動部材5の振幅がどのくらいになったときに、回転体1にころ8を圧接させるかということであり、上記中心Oを通る鉛直線Nと制動溝6,7との距離や、制動部材5の重心位置を調整することなどによって任意に設計可能である。
なお、上記回転体1が、図2の矢印Aと反対方向に移動する場合には、上記矢印αと反対方向である時計方向の回転方向後方における制動溝7がこの発明の制動部となり、上記制動溝6と同様に機能する。
また、この第1実施形態では、この発明のコマ部材としてころ8を用いているが、コマ部材としては、回転体1に摺接して回転する部材ならその形状はどのようなものでもよく、例えば、ボールでもよい。
さらに、上記ロック状態を維持しているときに、車輪100に対して付与する制動力の大きさは、上記粘性流体の粘度、粘性流体の量、上記羽根部5cの形状などで、調整することが可能である。
図8〜図12に示す第2実施形態は、ロック機構を構成する上記制動部材5の代わりに略扇型の制動部材11を用いた点が、第1実施形態と異なるが、その他の構成は第1実施形態と同じである。そして、第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を用いている。
この第2実施形態の制動装置も、車輪100に形成した円形凹部100a内に回転体1を組み込むとともに、この回転体1と車輪100が相対回転する際には、制動機構が機能して車輪100の回転に制動力を付与する構成は、第1実施形態と同じである。
すなわち、この第2実施形態においても、移動体に大きな外力が作用しない通常走行時には、車輪100と回転体1とは一体化して回転するが、ロック機構によって回転体1の回転を停止させるロック状態となった場合には、制動機構によって車輪100の回転に制動力が付与されるようにしている。そして、この第2実施形態の制動機構の構成は、上記第1実施形態と同じである。
そこで、以下には、第1実施形態と異なるロック機構の構成について詳しく説明する。
この第2実施形態でも、連結部材3に回転軸2を介して回転可能に取り付けた回転体1に円形凹部1gを形成し、そこに制動部材11を収容している。
この制動部材11は扇型の板状部材であり、通常は図9に示す状態を維持し、外力が作用した場合には、制動部材11を重りとする振り子運動をする。
また、上記扇型の円弧を上記円形凹部1gの内側面1hに対向させるとともに、円周方向両端付近に、それぞれ制動溝6,7を備え、それぞれにころ8,8を収容している。これらの制動溝6,7は、上記制動部材11の円弧部の円周方向外側を、上記内側面1hからの距離が上記ころ8の外径よりわずかに小さい幅狭部6b,7bとし、反対側を、上記内側面1hからの距離が上記ころ8の外径よりも大きい幅広部6a,7aとし、制動部材11が自重で下がっている自然状態では、上記幅広部6a,7aを上記幅狭部6b,7bよりも下方に位置するように構成している。
そして、ころ8が上記制動溝6,7の幅広部6a,7a側に位置しているときには、上記ころ8は自由移動可能であり、回転体1と制動部材11との相対回転も可能である。従って、回転体1はスムーズに回転し、回転体1と一体に回転する車輪100もスムーズに回転し移動する。
しかし、上記ころ8が幅狭部6b,7bに入り込んだときには、回転体1の内側面1hに圧接して回転体1と制動部材11とが一体化されることになる。
さらに、制動部材11には、上記中心Oを中心とする円弧状の長穴9を備え、連結部材3の連結片3bに固定した規制ピン10を挿入している。
そのため、上記回転体1と制動部材11とが一体化した状態で、上記規制ピン10が上記長穴9の端部に当接すれば、回転体1の回転を停止させることになる。
そして、この第2実施形態のロック機構でも、大きな外力が作用する非常時には、ころ8が上記制動溝6,7の幅狭部6b,7bに入り込んで、楔効果により回転体1と制動部材11とを一体化し、回転体1の回転を止めるロック状態を維持する。このようにロック状態が維持されると、上記第1実施形態と同様に、車輪100が回転体1と相対回転し、両者の接触面間に介在させた粘性流体の流体抵抗によって車輪100の回転に制動力が付与される。
以下に、この第2実施形態のころ8が、回転体1の急加速時に、制動溝6の幅狭部6bへ入り込んで回転を停止させるロック機構の作用を説明する。
この第2実施形態でも、図9に示すノーマル状態で、制動部材11に形成した制動溝6,7の幅広部6a,7aが幅狭部6b,7bよりも下方に位置しているので、ころ8は自重で幅広部6a,7a内に位置する。この状態では、ころ8が幅広部6a,7a内で自由移動可能であり、制動部材11と回転体1との相対回転はスムーズに行なわれる。
この状態で、大きな外力が作用し、例えば、車輪100が図9の矢印A方向の急加速度で発進した場合、上記制動部材11、及びころ8,8は、それぞれ慣性によって、上記矢印Aとは反対方向である矢印B方向に振れる。この振れは、制動部材11を、上記車輪100及び回転体1と同様の回転方向である矢印αで示す反時計方向に回転させることになる。
このとき、制動部材11は上記中心Oを定点とする扇型の剛体振り子として運動し、上記ころ8,8は、上記円形凹部1gの半径を振り子の長さとする単振り子として運動する。
つまり、急加速度を発生する外力に基づいて、上記両振り子は、同じ方向に振れ始める。しかし、上記両振り子の重心位置は異なるため、両者の周期には差ができるはずである。具体的には、制動部材11による剛体振り子の方が、ころ8による単振り子よりも、中心Oから重心までの距離が短いため、ころ8よりも周期が短く、より早く回転方向を変えるものと考えられる。そのため、最大振幅近傍では、上記制動部材11に比べて、ころ8の方が矢印α方向の回転速度が大きくなり、上記矢印α方向前方側の制動溝6内では、ころ8が制動溝6に対して前方である幅狭部6b側へ移動して幅狭部6bへ入り込む。このようにして、急加速発生の非常時には、上記ころ8が制動部材11の制動溝6内で、上記幅広部6aから幅狭部6bへ移動し、楔効果によって回転体1と制動部材11とを一体化する。
このように非常時には、制動部材11と回転体1とが一体となって上記連結部材3に対して回転するが、上記連結部材3に固定された規制ピン10が制動部材11に形成された長穴9の端部に当接したときに、制動部材11とともに回転体1の回転が停止するロック状態となる。このように、回転体1の回転が停止すれば、車輪100のみが回転するが、その際には、上記粘性流体による制動力が作用して車輪100の回転を緩やかにする。
従って、この第2実施形態においても、車輪100を取り付けた移動体が、地震などの外力によって予期しない高速で移動してしまう危険を防止できる。
なお、この第2実施形態では、回転体1が矢印α方向である反時計方向へ回転する場合には、その回転方向前方の制動溝6が、この発明の制動部であり、回転方向後方に幅広部6a、回転方向前方に幅狭部6bを備えている。また、回転体1が、上記矢印αとは反対の時計方向へ回転する場合には、その回転方向前方となる制動溝7がこの発明の制動部となる。
この第2実施形態においても、どのくらいの大きさの外力が作用したときに、非常時として回転体1の回転を停止させるロック状態とするかは、この装置の利用態様によって決めることができる。具体的には、上記制動部材5の振幅がどのくらいになったときに、回転体1にころ8を圧接させるかということであり、上記中心Oを通る鉛直線Nと制動溝6,7との距離や、制動部材11の重心位置を調整することなどによって任意に設計可能である。
なお、この第2実施形態において、コマ部材としてころ8を用いているが、コマ部材は非常時に回転体1の内側面1hに沿って上方へ跳ね上がり、制動溝6の幅狭部6bに入り込む部材ならば、どのようなものでもかまわないし、回転体1に沿って転動する必要もない。
図13〜図16に示す第3実施形態は、ロック機構を構成する制動部材が、移動体に連結されていて回動しないものである。
また、この第3実施形態では、通常走行時には上記車輪100とともに回転し、急加速時にロック状態が維持され、回転が停止して車輪100と相対回転する回転体1が、円盤状でなくリング状である点が、上記第1,2実施形態と異なる。
そして、以下の説明にも、上記他の実施形態と同じ構成要素には同じ符号を用いる。
この第3実施形態の制動装置は、車輪100の両面を挟んで回転軸2に回転可能に取り付けられる一対の支持片12a,12bとこれらの間に渡した固定面12cとを備えた制動部材12を備えている。そして、この制動部材12の固定面12cを家具などの移動体に連結するようにしている。このように、制動部材12は移動体側に固定されるので、移動体に対して制動部材12が揺動することはない。
なお、図中符号13は、上記制動部材12の表面を覆い、上記ころ8,8が制動溝6,7から脱落することを防止するため、制動部材12に取り付けたカバーである。そして、図14はこのカバー13を取り外した状態を示すものである。
また、この第3実施形態の回転体1は、上記図5,6に示す第1実施形態の回転体1の中央部に中央穴1jを形成したリング状の部材である。そこで、図14に示す一方の面1aと反対側の面1bには、外周に沿った凹部1c及び羽根部1dを備えるとともに、シール部材101を組み込むシール溝1eを備えている。また、回転体1の外周には、シール部材101を組み込むシール溝1fを備えている。
一方、車輪100は、同心の環状凹部100eを備え、この環状凹部100e内に上記回転体1を組み込んでいるが、回転体1の面1bを上記環状凹部100eの底面に対向させ、シール部材101を勘定凸部100dに接触させるとともに、外周面のシール部材101を環状凹部100eの内側面100cに接触させている。そして、上記他の実施形態と同様に、これらシール部材101間であって、車輪100の環状凹部100eと回転体1の接触部間には粘性流体を充填している。
この第3実施形態でも、移動体の通常走行時には、上記シール部材101の接触部の静摩擦によって、回転体1は車輪100と一体的に回転するが、以下に説明するロック機構によってロック状態となって回転体1の回転が停止したときには、上記粘性流体の粘性抵抗によって車輪100の回転に制動力が付与されることになる。
以下に、この第3実施形態のロック機構を説明する。
上記制動部材12の支持片12bには、図14に示すように、回転軸2より下方に扇型部12dを形成し、その円弧部には、図2に示す第1実施形態の制動部材5と同様に、一対の制動溝6,7を形成している。これら制動溝6,7の形状は、上記第1実施形態の制動溝6,7と同じで、幅広部6a,7a及び幅狭部6b,7bを備え、これら制動溝6,7内にころ8,8を収容するとともに、上記幅広部6a,7aを、上記幅狭部6b,7bよりも下方に位置させている。
一方、車輪100の環状凹部100e内であって、回転体1の中央穴1jの内周には、図14〜図16に示すように、上記環状凹部100eの一部によって、回転体1と同心の環状凹部100e’が形成され、この環状凹部100e’にころ8,8の一端側を挿入している。この環状凹部100e’の半径方向外側となる回転体1の中央穴1jと、上記制動部材12の扇状部12dに形成した制動溝6,7とによって上記ころ8,8を保持する。
なお、環状凹部100e’の幅を上記ころ8,8の外径よりも大きくし、上記内側面100fと制動溝6,7とによって保持されたころ8,8は、上記回転体1の中央穴1jの内周面と対向する内側面100fにはほとんど接触しないようにしている。
そして、上記ころ8,8は、各制動溝6,7の幅広部6a,7a側では、自由移動可能に保持され、上記幅狭部6b,7b側では、回転体1の中央穴1jの内周に圧接するようにしている。
このような第3実施形態においても、急加速度が発生しない通常走行時には、ころ8,8は下方の幅広部6a,7a側に位置して、回転体1の中央穴1jに沿って移動し、車輪100とともに回転する回転体1の回転を阻害することはない。
これに対し、例えば、図14の矢印A方向の急加速度が発生するような非常時には、制動溝6内のころ8は、慣性によりその位置を保つため、矢印A方向へ急加速する移動体に対しては、その移動方向とは反対方向である矢印B方向に移動することになり、中央穴1jの内周面に沿って跳ね上がるように移動する。その結果、ころ8は制動溝6の幅狭部6b内に入り込み、上記中央穴1jの内周面に圧接してロック状態を維持し、回転体1の回転を停止させる。そのため、回転体1と車輪100とが相対回転する。
そして、回転体1と車輪100とが相対回転するときには、上記したように、粘性流体の粘性抵抗によって車輪100の回転に制動力が付与され、結果として移動体の高速移動を防止できる。
図17〜図20に示す第4実施形態は、図8に示す第2実施形態等同様に、連結部材3に設けた車輪100の側面側に、制動機構及びロック機構を設けたものである。
そして、車輪100とともに回転したり、相対回転したりする回転体14の形状が、図9〜図11に示す第2実施形態の回転体1と異なる。但し、ロック機構の構成は第2実施形態と同じであり、この第4実施形態においても、上記他の実施形態と同様の符号を用いたものは、同様の機能を有する構成要素である。
第4実施形態の車輪100は、両側面に一対の環状凹部100h、100gを形成している。これら環状凹部100h、100gは、車輪100を軽量化する目的で形成したものであるが、一方の環状凹部100gにこの発明の制動機構を組み、その外方にロック機構を設けている。
上記車輪100の回転軸2を中心に回転する回転体14は、図19に示す車輪100の外方となる外側面には、車輪100の外側に向かって突出し、外周に沿った外側筒部14aと、同心の内側筒部14bとを備えている。これら両筒部14a,14b間には環状凹部14cが形成されるとともに、内側筒部14bには回転軸2を挿入している。
そして、上記外側筒部14aに、カバー15を取り付けているが、図18は、このカバー15と連結部材3を取り外した状態を示している。
また、回転体14の他方の面にも、回転中心を中心とする外側筒部14d及び内側筒部14eを形成し、両筒部14d,14e間を環状凹部14fとしている。但し、内側筒部14eの外周面には段部を形成している。
上記回転体14の外側面に形成された環状凹部14c内には、ロック機構を構成する扇型の制動部材11を収容し、その軸孔に回転体14の内側筒部14bを挿入している。この制動部材11は、扇型の板状部材であり、通常は自重で図18に示す状態を維持するが、外力が作用した場合には、内側筒部14bを支点とした振り子運動をする。この制動部材11は内側筒部14bを回転軸としているが、この内側筒部14bと回転軸2とは同心なので、制動部材11は回転軸2を中心に揺動する第2実施形態と同様に作用する。
また、上記扇型の円弧を上記環状凹部14cの内壁面となる外側筒部14aの内側面に対向させるとともに、円周方向両端付近に、それぞれ制動溝6,7を備え、それぞれにころ8,8を収容している。これらの制動溝6,7は、上記制動部材11の円弧部の円周方向外側を、上記筒部14aの内側面からの距離が上記ころ8の外径よりわずかに小さい幅狭部6b,7bとし、反対側を、上記内側面からの距離が上記ころ8の外径よりも大きい幅広部6a,7aとし、制動部材11が自重で下がっている自然状態では、上記幅広部6a,7aを上記幅狭部6b,7bよりも下方に位置するように構成している。
さらに、上記連結部材の連結片3aには、ストッパー部材19を止めねじ20で固定し、その先端を上記環状凹部14c内に突出させている。一方、カバー15には、このカバー15が回転体14とともに回転したとき、上記ストッパー部材19が回転の妨げにならないように円形の窓15aを開口している。
そして、ころ8が上記制動溝6,7の幅広部6a,7a側に位置しているときには、上記ころ8は自由移動可能であり、回転体14と制動部材11との相対回転も可能である。従って、回転体14はスムーズに回転し、回転体14と一体に回転する車輪100もスムーズに回転し移動する。
しかし、上記ころ8が幅狭部6b,7bに入り込んで、回転体14の筒部14aの内側面に圧接したときには、回転体14と制動部材11とが一体化されることになる。このように回転体14と制動部材11とが一体化して回転すると、制動部材11が上記ストッパー部材19に衝突してその回転が止められるロック状態となる。
次に、この第4実施形態の制動機構について説明する。
車輪100の環状凹部100g内には、図19に示すように側面に段部を形成した環状の伝達部材16設け、これを止めねじ17によって車輪100に固定している。この伝達部材16は、その側面が回転体14の筒部14eの側面に接触し、先端が環状凹部14fの底面に接触する形状を備え、車輪100と一体に回転する車輪側の伝達部材である。
また、回転体14の筒部14dには、キャップ18をねじ結合している。このキャップ18は環状の部材であり、ねじ結合することによって上記環状凹部14fに組み込んだ上記伝達部材16が環状凹部14fから抜けないようにするとともに、回転体14とともに回転する回転体側の伝達部材に相当する部材である。
また、このキャップ18の外周にはシール部材101を組み込むシール溝18aを備え、キャップ18の外周と筒部14dとの接触部をシールするようにしている。なお、図19、図20中、符号18bは、このキャップ18を回転体14にねじ止めする際に工具を挿入する工具挿入穴である。
また、上記キャップ18と上記伝達部材16の間に形成される隙間と、伝達部材16の段部と回転体14の筒部14eとの間に形成される隙間にも、それぞれ環状のシール部材101,101を組み込んでいる。
上記のように、キャップ18と回転体14の筒部14dとの間と、回転体側の伝達部材であるキャップ18と伝達部材16との間と、車輪100側の伝達部材16と回転体14の筒部14eとの間に、それぞれシール部材101を設けてシールするとともに、これらシール部材101,101,101より回転体14側における、回転体14及び回転体側の伝達部材であるキャップ18と車輪100側の伝達部材16との接触部には粘性流体を充填している。この粘性流体は、上記車輪100と回転体14とが相対回転する際に、その回転に粘性抵抗によって制動力付与するものである。
但し、回転体14に大きな外力が作用しない状態では、上記接触部間の静摩擦によって、回転体14と車輪側の伝達部材16とは一体的に回転する。
つまり、この第4実施形態では、車輪100の環状凹部100g内に組み込まれた各部材によってこの発明の制動機構を構成している。
この第4実施形態において、上記制動部材11、制動溝6,7、ころ8、及びストッパー部材19で構成されるロック機構は、上記第2実施形態と同様に作用するので、その詳細な説明は省略するが、通常走行時には、上記回転体14と制動部材11との相対回転が可能なロック開放状態を維持し、回転体14とともに回転する車輪100には、制動力が作用しない。従って、車輪100はスムーズに回転し、移動体もスムーズに移動可能である。
しかし、急加速時には、上記したように回転体14と制動部材11とが一体化し、その回転を上記ストッパー部材19に止められるロック状態となる。
このように、回転体14の回転が停止すると、車輪100のみが回転することになり、車輪側の伝達部材16と、回転体14及び回転体側の伝達部材であるキャップ18との間の相対回転に上記粘性流体の粘性抵抗による制動力が作用し、車輪100の回転を抑制することになる。
これによって、移動体の急加速や、急停止を防止できる。
なお、この第4実施形態においても、上記粘性流体を充填する部分で、相対回転するいずれかの部材に、上記第1実施形態の回転体1のように羽根部を形成して、羽根部が移動する際に受ける抵抗力を制動力として利用することもできる。
上記第1〜第4実施形態では、車輪100の回転に制動力を付与する制動機構に、回転体1,14あるいはそれと一体的に回転する伝達部材と、車輪100あるいは車輪と一体的に回転する伝達部材との接触部間に介在させた粘性流体の粘性抵抗を利用しているが、制動力を付与する構成としては、粘性流体を利用するものに限らない。
例えば、上記各実施形態において、上記接触部間に粘性流体を介在させず部材表面同士の摩擦力のみを利用することもできる。その際、接触面の素材や、表面粗さなどを調整することによって目的にあった制動力を得ることができる。また、上記シール部材101のような弾性部材を介在させて摩擦力を調整することもできる。
さらに、相対回転する車輪側の部材と回転体側の部材とを接触させずに、磁石の引力によって制動力を付与することもできる。このように、制動力として磁力を利用する第5実施形態を図21に示す。
この第5実施形態は、回転体1の外周に環状の永久磁石21を固定するとともに、車輪100の環状凹部の内側面100cには環状の半硬質磁性体22を設けている。そして、上記永久磁石21と半硬質磁性体22とを僅かな空隙を保って対向させている。なお、回転体1の外周に半硬質磁性体22を設け、車輪100の環状凹部の内側面100cに永久磁石21を設けてもよい。
その他の構成は、図8、図9に示す第2実施形態と同様であり、ロック機構は第2実施形態と同じである。そこで、ロック機構についての詳細な説明は省略する。
この第5実施形態では制動部材5と回転体1とが相対回転するロック開放状態では、車輪100が回転すると、上記半硬質磁性体22と上記永久磁石21との引力によって回転体1が車輪100と一体回転する。このとき、車輪100は制動力を受けることが無い。従って、他の実施形態と同様に、上記ロック開放状態が維持される移動体の通常走行時には、車輪100がスムーズに回転し、移動体を抵抗なく移動させることができる。
これに対し、急加速時には、上記第2実施形態と同様に、制動部材5が回転体1と一体化して回転するが、その回転は規制ピン10によって規制され、ロック状態が維持される。
このようなロック状態では、回転体1とともに永久磁石21も停止するので、車輪100は、内側面100cに固定された半硬質磁性体22と上記永久磁石21との引力によって、回転に対する制動力を受けることになる。
従って、この第5実施形態でも、車輪100の急な高速移動は防止できる。また、この磁力を調整することによって、上記ロック状態になったときに、車輪100に付与する制動力を調整できる。
上記第1〜第5実施形態では、車輪100の内周側に回転体1,14を設けて、車輪100の内周と回転体1,14の外周との間に制動機構を設けているが、制動機構を設ける位置は、上記実施形態に限らない。例えば、車輪100に回転軸2を固定し、その回転軸2と回転体の軸穴との間や、回転体1,14に回転軸を固定し、固定した回転軸と車輪の軸穴との間など、車輪100あるいは車輪と一体に回転する伝達部材と、回転体あるいは回転体と一体に回転する伝達部材との対向部間ならどこに制動機構を設けてもよい。
また、上記回転体と車輪100とを同軸上に設けないで、回転体を車輪100の外部に設けてもよい。
図22、図23に示す第6実施形態は、車輪100の外周に回転体1を接触させる制動装置である。
車輪100は、図1に示す第1実施形態と同様の連結部材3に設けた回転軸2に回転可能に取り付けているが、この第6実施形態の車輪100は、内部に回転体1を組み込んでいない。
一方、上記連結部材3と同様の連結部材23に回転軸24を設け、この回転軸24に図23に示す回転体1を取り付けている。この回転体1は、図2に示す第1実施形態と同様に、内側に制動溝6,7を形成した制動部材5と、ころ8を収容している。
また、車輪100を取り付けた連結部材3と回転体1を取り付けた連結部材とを結合部材25で結合するとともに、この結合部材25を家具などの移動体に固定するようにしている。
そして、上記車輪100の外周と回転体1の外周とは、上記回転体1が回転軸24周りに回転可能なロック開放状態において車輪100とともに回転し、車輪100の回転に抵抗とならない程度であって、しかも、回転体1がロック状態となったときには、車輪100が制動力を受けるが急停止しない程度の接触圧を保って配置している。
このような制動装置も、移動体の通常走行時には、制動部材5が図23の状態を維持し、回転体1は車輪100の回転に伴ってスムーズに回転する。言い換えれば、車輪100が制動力を受けずにスムーズに回転し、移動体を軽く移動させることができる。
一方、移動体の急加速時には回転体1に大きな外力が作用し、制動部材5と回転体1とがころ8を介して一体化するとともに、規制ピン10によって回転が停止するロック状態となる。
この第6実施形態では、ロック開放状態で車輪100の回転方向αと回転体1の回転方向βとが反対になるが、制動部材5が移動体の加速度方向と反対方向に振れてロックする点はは上記第1実施形態と同じなので、ロック機構の作用についての説明は省略する。
上記のように、ロック状態が維持されると、回転体1が停止するので、車輪100は停止した回転体1の外周面との摩擦力によって制動力を付与されることになる。
従って、車輪100が急に高速回転して、移動体が高速移動することを防止できる。
なお、上記第1〜第6実施形態では、ロック機構を構成するコマ部材としてころ8を用いているが、これらの実施形態におけるコマ部材としては、ころに限らず、上記ころ8の代わりに、例えば角柱状のこま部材を用いてもよい。
なお、制動機構の構成も、上記実施形態に限らず、通常のダンパ装置や、トルクリミッタ等で利用される様々な構成を利用できる。
100 車輪
1 回転体
2 回転軸
5 制動部材
6,7 制動溝
6a,7a 幅広部
6b,7b 幅狭部
8 ころ
9 長穴
10 規制ピン
11 制動部材
12 制動部材
14 回転体
16 (車輪側の)伝達部材
18 (伝達部材としての)キャップ
19 ストッパー部材
22 半硬質磁性体

Claims (4)

  1. 移動体の車輪に連係させた回転体と、通常走行時には上記回転体を車輪とともに回転させるロック解放状態を維持し、急加速時には移動体に対して回転体の回転を止め、この止められた回転体と回転する車輪との相対回転を可能にするロック状態を維持するロック機構と、上記回転体がロックして車輪のみが回転したとき、車輪の回転に制動力を付与する制動機構とを備えた制動装置。
  2. 上記制動機構は、上記車輪あるいは上記ロック状態において上記車輪とともに回転する伝達部材と、上記回転体あるいは上記ロック状態において回転体とともに回転する伝達部材とを備え、これら車輪と回転体、車輪と回転体とともに回転する伝達部材、車輪とともに回転する伝達部材と回転体、あるいは上記両伝達部材の接触部間に粘性流体を介在させ、この粘性流体の粘性抵抗で車輪に対する上記制動力を付与する構成にした請求項1に記載の制動装置。
  3. 上記制動機構は、上記車輪あるいは上記ロック状態において上記車輪とともに回転する伝達部材と、上記回転体あるいは上記ロック状態において回転体とともに回転する伝達部材とを備え、これら車輪と回転体、車輪と回転体とともに回転する伝達部材、車輪とともに回転する伝達部材と回転体、あるいは上記両伝達部材を互いに接触させ、その接触部分の摩擦力で車輪に対する上記制動力を付与する構成にした請求項1に記載の制動装置。
  4. 上記ロック機構は、上記回転体と相対回転する制動部材と、上記回転体と制動部材とが相まって回転体に摺接可能に保持されるコマ部材と、制動部材に設けるとともにコマ部材の移動を規制する制動部とを備え、この制動部は、上記回転体が水平面に沿っていずれか一方へ移動する際の回転方向後方あるいは前方においてコマ部材を自由移動可能にする幅広部と、回転方向前方あるいは後方においてコマ部材を回転体に圧接させる幅狭部とを備えるとともに、上記制動部を上記幅広部から上記幅狭部に向かう楔状にするとともに、上記幅広部を上記幅狭部よりも下方に位置させてなり、急加速時には、上記コマ部材が上記制動部の幅狭部に嵌って上記ロック状態を維持する構成にした請求項1〜3のいずれか1に記載の制動装置。
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