JP6215169B2 - 引戸用の制動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガイドレールに沿って開閉される引戸用の制動装置に関し、なかでも、開閉途中の引戸が一定速度を越えて開閉されるときに制動して停止させる制動装置に関する。本発明における引戸とは、開口部が単数あるいは複数の戸パネルで開閉される引戸、連動引戸、門扉等を含む概念である。
近年の引戸は、車椅子の使用者や高齢者が戸パネルを開閉することを前提にして、ガイドレールおよびランナーの構造改良や戸パネルの軽量化等に伴い、より小さな力で戸パネルを軽快に開閉できる傾向にある。こうした引戸は、誰もが戸パネルの開閉を軽快に行える反面、開閉時の抵抗が小さすぎるため思わぬ事故を誘発することがある。例えば、バランスを崩したユーザーが戸パネルの把手にもたれ掛かった場合に、戸パネルが急激に移動してユーザーが転倒し負傷することがある。
上記のような事故を未然に防止することに関して、引戸が一定速度を越えて開閉されるときに制動作用を発揮する制動装置が提案されている。例えば特許文献1においては、門扉を支持する車輪の一側に制動装置を配置している。制動装置は、車輪と同行回転する円盤状の制動子保持体と、制動子保持体を収容する丸筒状の制動枠と、制動子保持体の周面に設けた保持溝に収容される制動子(金属製のボール)などで構成してある。制動枠の内面の上部には、制動子保持体の周面と小さな隙間を介して対向する膨出部が設けてあり、それ以外の部分は制動子保持体の周面と大きな隙間を介して対向している。膨出部の両端には、遠心力で保持溝から突出した制動子を受止める係止部(段部)が設けてある。この制動装置は、車輪および制動子保持体が一定速度を越えて回転するときの遠心力で、制動子が保持溝から突出して係止部で受止められることにより、制動子保持体および車輪の回転を急激に停止させる。回転停止した車輪は、ガイドレールあるいは路面上を滑って大きな摩擦力を発揮し門扉を停止させる。
本出願人は同様の制動構造を先に提案している(特許文献2)。そこでは、戸車ローラーと、その回転動力を伝導するギヤトレインと、遠心クラッチと、ロータリーダンパーなどで制動構造を構成している。戸パネルが一定速度を越えて閉じ操作されると、戸車ローラーの回転動力がギヤトレインを介して遠心クラッチに伝動され、同クラッチが動力伝動可能な状態に切換ってロータリーダンパーを作動させる。ロータリーダンパーはオイルダンパーからなり、回転駆動されるギヤとオイルとの間の回転抵抗によって制動力を発揮する。
特開2013−160270号公報(段落番号0029、図4) 特許第5131901号公報(段落番号0042、図1)
特許文献1の制動装置は、制動子保持体が一定速度を越えて回転するときの遠心力で制動子を保持溝に沿って移動させ、保持溝から突出した制動子を係止部で受止めて、車輪の回転を急激に停止させる。この種の制動装置は、軽い制動子を遠心力で径方向へ移動させて車輪の回転を停止するので、制動子保持体の回転速度が比較的低速である場合にも制動作用を発揮できる。しかし、車輪と制動子保持体とが車軸を介して一体化してあるため、運動慣性力が大きくなりやすい門扉とは異なり、軽快に開閉できる引戸に制動装置を適用する場合に問題を生じる。
軽快に開閉できる引戸に上記の制動装置を適用する際には、制動装置の全体を小形化して目立ちにくいようにする必要があるが、そうすると、車輪の直径が極端に小さくなる。そのため、戸パネルを開閉するときの車輪および制動子保持体の回転数が必要以上に高速化し、戸パネルの開閉速度がさほど速くない状態であっても制動装置が作動して、戸パネルの開閉を円滑に行えなくなる。つまり、速度を検知するときの感度が敏感になりすぎる。車輪の直径をある程度大きくすると速度検知の感度を低下できるが、その場合には、制動装置の外観上の体裁が損なわれるのを避けられない。また、制動装置による車輪の回転停止があまりにも急激であるため、停止反力を受けたユーザーの体勢バランスが崩れることがあり、使い勝手に大きな問題がある。
その点、特許文献2の制動構造は、遠心クラッチが動力伝動可能な状態に切換ったのちでないとロータリーダンパーが作動しないので、戸パネルの開閉動作が不必要に停止されるのを解消できる。また、ロータリーダンパーの制動力は緩やかに増減するので、制動構造が作動してから戸パネルが停止するまでの時間を長引かせることができる。しかし、制動構造が作動してから戸パネルが停止するまでのタイムラグが大きい。そのため、バランスを崩したユーザーが戸パネルの把手にもたれ掛かった場合に、戸パネルがもたれ掛かり方向へ移動しロータリーダンパーが作動したとしても、ユーザーの転倒防止に間に合わないおそれがある。さらに、特許文献2の制動構造では、戸車ローラーと、ギヤトレインと、遠心クラッチおよびロータリーダンパーなどで制動構造を構成するので、全体構造が複雑で、構成部品点数が多い分だけ全体コストが嵩む不利があった。
本発明の目的は、戸パネルを開閉する際にユーザーの体勢バランスが崩れるのを確実に防止できる、非力なユーザーに優しく使い勝手に優れた引戸用の制動装置を提供することにある。
本発明の目的は、開閉途中の戸パネルを強制的に制動できるにもかかわらず、戸パネルの開閉動作が不必要に停止されるのを解消できる引戸用の制動装置を提供することにある。
本発明の目的は、回転停止したタイヤとその転動面との摩擦力に加えて、タイヤの食込み作用によっても制動力を発揮でき、従って、小形でコンパクト化されているにもかかわらず、戸パネルの開閉を確実にしかも即時に停止できる引戸用の制動装置を提供することにある。
本発明は、戸パネル1と、戸パネル1で開閉される開口面の周囲壁との間に設けられて、一定速度を越えて開閉移動する戸パネル1を制動する引戸用の制動装置に係る。図1に示すように、制動装置は、転動部7に外接した状態で戸パネル1の開閉動作に連動して回転駆動されるタイヤ13および駆動ギヤ14と、駆動ギヤ14の回転動力を受継ぐ制動ギヤ15と、制動ギヤ15と同行回転して回転数が閾値を越えた状態において制動力を発揮するブレーキ機構と、これらの部材が装着される制動ベース16を備えている。タイヤ13および駆動ギヤ14は、制動ギヤ15の周囲に配置されて、駆動ギヤ14が制動ギヤ15と噛合った状態のままで、制動ギヤ15の回りに回動変位できるようタイヤアーム17で回動可能に支持してある。タイヤアーム17は、タイヤ13が転動部7と外接する向きにばね39で回動付勢する。戸パネル1と開口面の周囲壁のいずれか一方に制動ベース16を固定し、残る他方にタイヤ13と外接する転動部7を設ける。
タイヤ13および駆動ギヤ14は、制動ギヤ15の周囲の左右2個所に配置する。
タイヤ13および駆動ギヤ14を支持するタイヤアーム17と、制動ギヤ15およびブレーキ機構を、ギヤ支軸34を介して制動ベース16に組付けて、制動装置をユニット部品化する。
駆動ギヤ14のギヤ径を制動ギヤ15のギヤ径より小さく設定して、タイヤ13の回転力を駆動ギヤ14から制動ギヤ15へ減速した状態で伝動する。
ブレーキ機構は、制動ギヤ15と同行回転するボールホルダー42と、ボールホルダー42に設けた複数の保持溝43に収容される制動ボール44と、ボールホルダー42を収容するブレーキドラム45を備えている。ブレーキドラム45の内面上部には一対のボール受部47を備えた膨出部48を形成し、膨出部48を除くブレーキドラム45の内面に、制動ボール44が保持溝43から径方向外側へ突出するのを許す逃げ面49を形成する。
戸パネル1に制動ベース16を固定し、開口枠2に固定したガイドレール4に転動部7を一体に設ける。駆動ギヤ14と制動ギヤ15は、制動ギヤ15の周面で噛合って、タイヤ13が転動部7と制動ギヤ15の外郭線とで挟まれた幅狭部Eに臨ませてある。制動ボール44がボール受部47で受止められた状態において、タイヤ13が前記幅狭部Eへ向かって食込んで制動力を増強する。
制動ギヤ15とボールホルダー42は一体に形成して、制動ベース16に装着したギヤ支軸34で回転自在に軸支する。タイヤ13は、駆動ギヤ14と一体に形成したタイヤホィール20と、タイヤホィール20の周面に固定したタイヤ体21とで構成して、タイヤアーム17に装着したタイヤ軸22で回転自在に軸支する。タイヤアーム17はギヤ支軸34で回動可能に支持する。
制動ベース16は、戸パネル1に固定される締結壁31と、締結壁31の外面において同壁31と正対する外立壁32を一体に備えている。外立壁32の外面に、一対のタイヤアーム17の接近限界を規制するストッパー40を設ける。
本発明では、制動ギヤ15の周囲に配置されるタイヤ13および駆動ギヤ14と、これら両者を支持するタイヤアーム17と、制動ギヤ14と同行回転するブレーキ機構と、各部材を支持する制動ベース16などで制動装置を構成した。また、タイヤアーム17をばね39で回動付勢して、タイヤ13を転動部7に常に外接させるようにした。こうした制動装置によれば、戸パネル1が開閉される場合に、タイヤ13を転動面7に沿って回転駆動させて、タイヤ13の回転力で制動ギヤ14およびブレーキ機構を回転駆動できる。また、ブレーキ機構の回転数が閾値を越えた状態では、同機構の制動力によって戸パネル1の開放移動あるいは閉じ移動を強制的に制動し、あるいは停止できる。
従って、本発明の制動装置によれば、バランスを崩したユーザーが戸パネル1の把手9にもたれ掛かった場合でも、ユーザーの体勢バランスが大きく崩れてしまう前に戸パネル1を強制的に制動ないし停止させて、ユーザーが転倒し負傷するのを解消できる。また、戸パネル1が通常の開閉速度で開閉される場合には、ブレーキ機構が制動作用を発揮することはないので、戸パネル1の開閉を軽快に行うことができ、従って、非力なユーザーに優しく使い勝手に優れた引戸用の制動装置を提供することができる。さらに、タイヤ13および駆動ギヤ14を、それぞれタイヤアーム17で制動ギヤ14の回りに回動変位可能に支持するので、例えば戸パネル1が高さ調整された場合であっても、戸パネル1の調整移動に追随してタイヤ13の姿勢を変更できる。従って、戸パネル1の高さ調整時にブレーキ機構を調整する必要がなく、高さ調整とは無関係に、常に適正な制動力を発揮できる制動装置が得られる。
制動ギヤ15の周囲の左右2個所に、タイヤ13および駆動ギヤ14を配置すると、戸パネル1が開放移動し、あるいは閉じ移動する際のいずれの場合にも、戸パネル1を強制的に制動し、あるいは停止できる。従って、戸パネル1を開閉する際にユーザーの体勢バランスが崩れるのを、開閉双方向において確実に防止できる。
タイヤ13および駆動ギヤ14を支持するタイヤアーム17と、制動ギヤ15およびブレーキ機構を、ギヤ支軸34を介して制動ベース16に組付けて、制動装置がユニット部品化してあると、制動装置を既存の戸パネル1に追加装着するだけで、引戸に制動機能を付加することができる。また、ユニット部品化された制動装置は、戸車5やランナーの構造とは無関係に、独立した状態で戸パネル1や開口面の周囲壁に装着すればよいので、戸パネル1の支持構造が上荷重型である場合や、下荷重型である場合にも支障なく適用でき、汎用性に優れる点で有利である。
タイヤ13の回転力を駆動ギヤ14から制動ギヤ15へ減速した状態で伝動すると、制動装置が従来装置に比べて小形化してある場合でも、制動ギヤ15およびブレーキ機構の回転数を低下させて、遠心式のブレーキ機構に作用する遠心力を小さくすることができる。また、ブレーキ機構の駆動回転数が小さくなるのに伴って、戸パネル1が開閉されるときの開閉速度の検知感度を低下して、戸パネルの開閉速度がさほど速くない場合に、ブレーキ機構が不必要に制動作用を発揮するのを解消できる。従って、開閉途中の戸パネル1を強制的に制動できるにもかかわらず、常態において戸パネル1の開閉動作が不必要に停止されるのを解消して、戸パネル1の開閉を円滑に行うことができる。
制動ギヤ15と同行回転するボールホルダー42と、同ホルダー42の保持溝43に収容される制動ボール44と、ボールホルダー42を収容するブレーキドラム45などで構成したブレーキ機構によれば、ブレーキ機構に作用する遠心力が閾値を越えてから、制動力が発揮されるまでのタイムラグを極力小さくできる。例えば遠心クラッチ状に構成したブレーキ機構の場合には、遠心力が閾値を越えたのち制動力が徐々に増加し、ブレーキシューとブレーキドラムとの摩擦抵抗が一定の値に達して、戸パネル1を制動するのに時間がかかるのを避けられない。しかし、ボール式のブレーキ機構の場合には、遠心力が閾値を越えるのに即応して制動ボール44をボール受部47で受止めて、ボールホルダー42の回転を衝撃的に停止させるので、制動力が発揮されるまでのタイムラグを小さくできる。従って、ユーザーの体勢バランスが大きく崩れてしまう前に戸パネル1を強制的に制動して、ユーザーが転倒し負傷するのをさらに確実に解消できる。
戸パネル1に制動ベース16を固定し、開口枠2に固定したガイドレール4に転動部7を一体に設けると、転動部7を面一化できるので、タイヤ13を円滑に回転させてボールホルダー42の回転が乱れるのを防止し、ブレーキ機構による制動力を安定した状態で発揮できる。また、駆動ギヤ14を制動ギヤ15の周面に噛合わせて、タイヤ13を幅狭部Eに臨ませておくことにより、戸パネル1が停止する直前にタイヤ13が幅狭部Eへ向かって食込んで制動力を増強できる。詳しくは、制動ボール44がボール受部47で受止められたとき、タイヤ13と転動部7との間に生じる摩擦力と、幅狭部Eへ向かって食込んだとき、タイヤ13が転動部7に強く押し付けられて接触面積が大きくなることに伴う摩擦力の増加分とを合計した、より大きな摩擦力で戸パネル1を停止できる。従って、ブレーキ機構に作用する遠心力が閾値を越えてから戸パネル1が停止するまでのタイムラグを、さらに小さくできる。
タイヤ13のタイヤホィール20と駆動ギヤ14を一体に形成し、制動ギヤ15とボールホルダー42を一体に形成し、タイヤ13および駆動ギヤ14を支持するタイヤアーム17と、制動ギヤ15およびボールホルダー42を、共通のギヤ支軸34で支持した。こうした、制動装置によれば、ブレーキ機構の構成部品点数を少なくして、その製造コストを削減できる。また、構成部品点数が少ない分だけブレーキ機構の動作の信頼性を向上できる。さらに、タイヤホィール20と、その周面に固定したタイヤ体21でタイヤ13を構成すると、転動部7を転がり移動するときのタイヤ13の転動騒音を小さくできる。加えて、タイヤ13が幅狭部Eへ向かって食込む場合に、タイヤ体21を大きく弾性変形させて転動部7との接触面積を大きくし、より大きな摩擦力で戸パネル1を制動できる。
締結壁31と外立壁32を備えた制動ベース16において、外立壁32の外面に一対のタイヤアーム17の接近限界を規定するストッパー40を設けると、ばね39の付勢力が作用する状態でタイヤアーム17を接近限界に位置保持できる。従って、タイヤアーム17がぐら付くのを防止した状態で、制動装置を戸パネル1に組付けることができ、さらに戸パネル1を上下のガイドレール3・4に組込む際に、左右のタイヤ13を適正な傾斜姿勢で転動部7に外接することができる。
本発明に係る制動装置の縦断正面図である。 制動装置の適用例を示す引戸の正面図である。 制動装置の正面図である。 図1におけるA−A線断面図である。 図1におけるB−B線断面図である。 制動装置の分解斜視図である。 ブレーキ機構の分解斜視図である。 制動装置の動作説明図である。 制動装置の別の適用例を示す縦断正面図である。 制動装置の別の実施例を示す正面図である。 制動装置のさらに別の実施例を示す縦断正面図である。 制動装置のさらに別の実施例を示す縦断正面図である。 図12に係る制動装置の動作説明図である。
図1ないし図8は、本発明に係る引戸用の制動装置の実施例を示す。本発明における前後、左右、上下とは、図2および図4に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。図2において、引戸は3個の戸パネル1と、床面および開口枠2の上枠(開口面の周囲壁)に固定した下ガイドレール(ガイドレール)3および上ガイドレール(ガイドレール)4と、閉じ端側の戸パネル1と左右中央の戸パネル1の下部に配置した戸車(ランナー)5と、図示していない連動機構などで連動引戸として構成してある。連動引戸は、例えば浴室の出入口に適用される。戸車5には、戸パネル1の高さを調整するための高さ調整機構が組込んである。なお、開放端側の戸パネル1はロック構造で開口枠2に移動不能にロックしてあるが、ロックを解除すると開閉操作できる。図4に示すように上ガイドレール4は、下向きに開口するガイド溝を備えたアルミニウム条材からなり、ガイド溝に下向きの振止め壁6が突設され、レール前部に後述するタイヤ13を転動案内する転動部7が一体に形成してある。転動部7は水平の平坦面として形成してある。図4において符号8は振止め壁6で移行案内される振止め溝、図2における符号9は閉じ端側の戸パネル1に設けた把手である。
連動引戸は、把手9を掴んで閉じ端側の戸パネル1を開閉操作することにより、閉じ端側の戸パネル1と中央の戸パネル1を連動して軽快に開閉できる。しかし、開閉時の抵抗が小さいため、バランスを崩したユーザーが把手9にもたれ掛かったような場合に、戸パネル1が急激に開放移動し、あるいは閉じ移動するおそれがある。こうした戸パネル1の意図しない開閉動作を防止するために、閉じ端側の戸パネル1と開口枠2との間に、戸パネル1の開閉速度が一定速度を越えた状態(閾値を越えた状態)で戸パネル1を制動ないし停止させる制動装置を設ける。この実施例では、制動装置が戸パネル1の上部中央に固定してある場合について説明する。
図3ないし図5において制動装置は、戸パネル1の開閉動作に連動して回転駆動されるタイヤ13および駆動ギヤ14と、駆動ギヤ14の回転動力を受継ぐ制動ギヤ15と、制動ギヤ15と同行回転して遠心力(または回転数)が閾値を越えた状態において制動力を発揮するブレーキ機構と、これらの部材を支持する制動ベース16などで、1個のユニット部品として構成してある。戸パネル1が開放操作されるときと、戸パネル1が閉じ操作されるときのいずれの場合にも対応できるようにするために、タイヤ13および駆動ギヤ14は、制動ギヤ15の上半部の周囲の左右2個所に配置してある。また、駆動ギヤ14が制動ギヤ15と噛合った状態のままで、同ギヤ15の中心軸の回りに回動変位できるよう、タイヤ13および駆動ギヤ14はタイヤアーム17で回動可能に支持してある。
左右のタイヤ13は、駆動ギヤ14と一体に形成したプラスチック製のタイヤホィール20と、タイヤホィール20の周面に固定したOリング状のゴム製のタイヤ体21とで構成する。左右のタイヤ13および駆動ギヤ14は、前後一対ずつのタイヤアーム17でタイヤ軸22を介して回動自在に軸支してある。図6に示すように、タイヤアーム17は、タイヤ13および駆動ギヤ14の前後面を挟む前アーム(アーム)23と後アーム(アーム)24を備えており、これら両アーム23・24には、タイヤ軸22用の挿通穴25と、後述するギヤ支軸34用の連結穴26が形成してある。前アーム23および後アーム24はステンレス板材製のプレス金具からなり、後アーム24は前アーム23より長く形成されている。締結壁31と駆動ギヤ14の間に配置した後アーム24の下端には、ばね掛腕27が折曲げ形成してある。
図6において、制動ベース16は、戸パネル1にビス30で固定される四角形状の締結壁31と、締結壁31の前面と正対するトンネル断面状の外立壁32と、これら両壁31・32を繋ぐ底壁33を一体に備えた、ステンレス板材製のプレス金具からなる。締結壁31および外立壁32には、ギヤ支軸34用の連結穴35と、ブレーキ機構を固定するためのビス穴などが形成してある。また、底壁33の側縁寄りには、後述するばね39を係止する穴が形成してある。制動ギヤ15およびブレーキ機構と後アーム24は、締結壁31と外立壁32との間に配置されて、外立壁32の前面に配置した前アーム23と共にギヤ支軸34で支持してある。
詳しくは、ギヤ支軸34を締結壁31の後面側から連結穴35に差込み、さらに後アーム24の連結穴26と、制動ギヤ15およびブレーキ機構と、前アーム23の連結穴26に差し込んだのち、ギヤ支軸34の軸端にビス36をねじ込むことにより各部材を制動ベース16に組付けている。また、前アーム23および後アーム24の間にタイヤ13および駆動ギヤ14とディスタンスカラー37を配置した状態で、タイヤ軸22を挿通穴25、タイヤ13、および駆動ギヤ14に挿通し、タイヤ軸22の軸端にビス38をねじ込むことにより、タイヤ13および駆動ギヤ14をタイヤアーム17に組付けている。
上記の組付け状態において、後アーム24のばね掛腕27と底壁33との間に引張りコイル形のばね39を係止することにより、一対のタイヤアーム17は互いに接近する向きに回動付勢されて、左右のタイヤ13のそれぞれが、転動部7に圧接する向きに回動付勢される。この状態の駆動ギヤ14と制動ギヤ15は、制動ギヤ15の上部左右で噛合っており、タイヤ13は転動部7と制動ギヤ15の外郭線とで挟まれた幅狭部E(図1参照)に臨んでいる。先に説明したように、タイヤアーム17は駆動ギヤ14を支持するギヤ支軸34で回動可能に軸支されている。そのため、外力を受けたタイヤ13がタイヤアーム17と共にギヤ支軸34の回りに回動する場合には、駆動ギヤ14は制動ギヤ15と噛合った状態のままで同ギヤ14の中心軸の回りに回動変位する。外立壁32の前面には、左右のタイヤアーム17の回動軌跡に臨んでストッパー40がねじ込み装着してあり、これらのストッパー40で自由状態におけるタイヤアーム17の接近限界を規定している(図3参照)。
図7に示すように、ブレーキ機構は制動ギヤ15と同行回転するボールホルダー42と、ボールホルダー42に設けた4個の保持溝43に収容される制動ボール44と、ボールホルダー42を収容するブレーキドラム45などで構成する。ボールホルダー42は、ステンレス材を素材にしてロストワックス法で形成することができ、あるいは、プレス機で打抜き形成した板材の多数個を積層し一体化して形成することができる。ボールホルダー42の周面の4個所には、U字状の保持溝43が形成してある。制動ボール44は鋼球からなり、その直径寸法は保持溝43の径方向の深さ寸法と一致している。ブレーキドラム45は外形がトンネル断面状に形成してあり、先のボールホルダー42と同様に、ステンレス材を素材にしてロストワックス法で形成することができ、あるいは、プレス機で打抜き形成した板材の多数個を積層し一体化して形成することができる。ブレーキドラム45の内部には、ボールホルダー42を収容する凹部46が形成してある。
凹部46の内周面の上部中央には、左右一対のボール受部47を備えた膨出部48が形成され、膨出部48を除く凹部46の内面に、制動ボール44が保持溝43から径方向へ突出するのを許す逃げ面49が円弧面状に形成してある。ボール受部47は、制動ボール44の球半径と同じ半径の円弧面で形成してあり、その円弧面の仮想中心を挟む角度は約30度とした。これは、逃げ面49の周方向長さを大きくして、制動ボール44の遠心力が制動ボール44の重力より大きくなった時点で、制動ボール44をボール受部47で直ちに受止めるためである。逃げ面49の半径寸法は、遠心力を受けた制動ボール44が保持溝43から球半径分だけ突出したとき、制動ボール44の周面を受止める値に設定してある。図3に示すようにブレーキドラム45は、左右の下隅に挿通したビス50で制動ベース16の外立壁32に締結固定してある。図3において符号53は、制動ベース16の外面を覆う化粧カバーであり、化粧カバー53は制動ベース16の外立壁32に着脱可能に係合装着してある。
タイヤ13が転動部7に沿って回転駆動されるときのボールホルダー42の駆動回転数を小さくするために、タイヤ13の回転動力を駆動ギヤ14から制動ギヤ15へ減速した状態で伝動している。具体的には、駆動ギヤ14のギヤ径を制動ギヤ15のギヤ径の2分の1に設定して、制動ギヤ15およびボールホルダー42の駆動回転数を、駆動ギヤ14の駆動回転数の2分の1に設定した。このように、タイヤ13の回転動力を制動ギヤ15に減速して伝動すると、ブレーキ機構が戸パネル1の開閉速度を検知するときの感度が敏感になるのを抑止して、戸パネル1の開閉動作が不必要に停止されるのを解消できる。
以下に、ブレーキ機構の動作を説明する。戸パネル1が上下のガイドレール3・4に組込まれる前の状態では、図3に示すように、ばね39で回動付勢された一対の前アーム23は、それぞれストッパー40で接近限界位置において受止められている。この状態のタイヤ13の上半周面は、締結壁31の上縁より上方に突出している。戸パネル1を上下のガイドレール3・4に組込んだ状態では、図1に示すようにタイヤ13が転動部7で受止められるため、左右の駆動ギヤ14は制動ギヤ15と噛合った状態のままで、それぞれ下向きに回動し、タイヤアーム17をばね39の付勢力に抗して同行回動させる。これにより、左右のタイヤアーム17が挟む角度は、接近限界位置において一対のタイヤアーム17が挟む角度よりも大きくなる。
戸パネル1が静止している状態において、ボールホルダー42の下半周面側に位置している制動ボール44は、自重で保持溝43から転がり出て逃げ面49で受止められている。また、ボールホルダー42の上半周面側に位置している制動ボール44は、自重で保持溝43の内奥へ移動してボール全体が保持溝43内に収まっている。図8(a)に示すように、静止していた戸パネル1を矢印P方向へ開放操作すると、転動部7に圧接している左右のタイヤ13は、それぞれ反時計回転方向へ回転駆動され、制動ギヤ15は左右の駆動ギヤ14から均等な回転力を受けて、時計回転方向へ回転駆動される。同時に、ボールホルダー42が制動ギヤ15と同方向へ回転駆動されて制動ボール44に遠心力が作用する。
しかし、戸パネル1の開放速度が低い場合には、ボールホルダー42の駆動回転数が小さく、制動ボール44に作用する遠心力が制動ボール44の重力より小さいため、ボールホルダー42の上半周面側に位置している制動ボール44は保持溝43内に収まった状態を維持する。また、ボールホルダー42の回転速度が小さい場合には、たとえ制動ボール44が逃げ面49で受止められたとしても、ボール受部47に案内されて保持溝43の内部へ押戻される。従って、ブレーキ機構が制動作用を発揮することはなく、ボールホルダー42はブレーキドラム45に対して空転するだけであるため、戸パネル1の開放を軽快に行うことができる。
図8(b)は、戸パネル1の開放速度が一定速度を越えた状態を示している。この状態では、ボールホルダー42の上半周面側に位置している制動ボール44の遠心力が、制動ボール44の重力より大きくなった時点で、全ての制動ボール44が保持溝43から径方向外側へ突出する。この状態のまま、ボールホルダー42が時計回転方向へ回動すると、図8(c)において11時の位置(左上)に位置している制動ボール44がボール受部47で受止められて、制動ボール44およびボールホルダー42の回転が阻止され、同時に駆動ギヤ14およびタイヤ13の回転が阻止される。そのため、タイヤ13のタイヤ体21は転動部7の表面に圧接した状態のままで移動することになり、その時のタイヤ体21と転動部7の間の大きな摩擦力によって、戸パネル1の移動を制動することができる。ボール受部47に衝突した制動ボール44は衝撃的に停止するが、衝突の直後にゴム製のタイヤ体21が転動部7に沿って滑るので、制動ボール44の衝突に伴う衝撃はある程度緩和される。
ブレーキ機構は、タイヤ体21と転動部7の間の摩擦力に加えて、タイヤ13が幅狭部Eへ向かって食込む作用によってさらに大きな制動力を発揮する。タイヤ13の回転が阻止された状態では、戸パネル1の運動慣性力が制動摩擦力より小さくなるまでの間、戸パネル1は矢印P方向へ移動しようとする。そのため、図8(c)に向かって右側のタイヤ13には矢印P方向とは逆向きの摩擦力が作用し、摩擦力を受けたタイヤ13は幅狭部Eへ向かって食込み、タイヤ体21の変形量が増加する。これに伴い、タイヤ体21の変形量が増加した分だけ転動部7との接触面積が増加して制動摩擦力が増強される。従って、従来装置に比べて制動装置が小形化され、コンパクト化されているにもかかわらず、戸パネル1の開閉を確実にしかも即時に停止できる。また、タイヤ13が幅狭部Eへ向かって食込む際にタイヤ体21の変形量が増加することで、制動ボール44がボール受部47と衝突したときの停止衝撃を緩和吸収できる。上記のように、タイヤ13は戸パネル1の移動方向とは逆向きの摩擦力を受けて幅狭部Eへ向かって食込むので、タイヤアーム17を移動付勢するばね39のばね力を大きくする必要はなく、タイヤ13が戸パネル1の上下調整に追従させる程度の、比較的小さなばね力を備えていれば足りる。
なお、戸パネル1が停止した状態では、タイヤ13に作用する摩擦力がゼロとなるためタイヤ体21が自由状態に戻る。また、制動ボール44の自重が、制動ボール44とボール受部47の摩擦力より大きくなると、制動ボール44はボール受部47から離れて、保持溝43内へ自重で落下する。解放状態の戸パネル1を閉じ操作する場合には、戸パネル1の閉じ速度が一定速度を越えた状態で、逃げ面49に沿って反時計回転方向へ回動する制動ボール44が、図8に向かって右側のボール受部47で受止められる点と、図8に向かって左側のタイヤ13が幅狭部Eへ向かって食込む点が異なるだけであるので、その説明を省略する。
以上のように構成した制動装置によれば、体勢バランスが崩れて把手9にユーザーがもたれ掛かる状況において、急開閉された直後のブレーキ機構の制動作用で戸パネル1を減速ないし停止できるので、ユーザーの転倒を確実に防止し安全性を向上できる。また、タイヤ13の回転動力を制動ギヤ15に減速して伝動するので、戸パネル1の開閉速度の検知感度が敏感になり過ぎるのを防止して、戸パネル1の開閉動作が不必要に停止されるのを解消できる。
制動装置の構成部品は全て制動ベース16に組付けられていて、全体装置がユニット部品化してある。そのため、制動ベース16を戸パネル1にビス30で締結するだけで、新規に施工される引戸はもちろんのこと、既存の引戸であっても支障なく適用できる。また、回転動力を得るためのタイヤ13および駆動ギヤ14を、制動ギヤ15の上部左右に配置するので、戸パネル1が開放される場合と閉止される場合のいずれの場合にも、制動作用を均等に発揮できる。さらに、タイヤ13および駆動ギヤ14をタイヤアーム17で支持して、駆動ギヤ14が制動ギヤ15と噛合った状態のままで、同ギヤ15の周りに回動変位可能とするので、戸パネル1が高さ調整される場合であっても、戸パネル1の調整移動に追随してタイヤ13の姿勢を変更できる。従って、戸パネル1の高さが調整された場合でも、ブレーキ機構を調整する手間を省くことができる。
図9は制動装置の別の適用例を示す。そこでは、ユニット部品化された制動装置を戸パネル1の下部に固定している。左右のタイヤ13および駆動ギヤ14は、制動ギヤ15の下半周囲の左右2個所に配置してあり、タイヤ13は床面(開口面の周囲壁)を転動部7にして回転駆動される。この場合のブレーキドラム45の外形は逆トンネル断面状に形成するが、上記の実施例と同様に、凹部46の内周面の上部中央に左右一対のボール受部47を備えた膨出部48を形成する。床面を転動部7として利用する場合には、例えば床面が一群の床板で形成してある場合に多少の凹凸を生じるが、タイヤアーム17がばね39で付勢されて左右のタイヤ13が独立して転動部(床面)7に圧接するので、先の凹凸を吸収しながらタイヤ13を確実に回転駆動することができる。他は先の実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。以下の実施例においても同じとする。
図10は制動装置の別の実施例を示す。そこでは、ばね39を捩じりコイルばねで構成し、一対のばね腕39aを左右の前アーム23に掛止して、タイヤアーム17を互いに接近する向きへ移動付勢した。この場合の後アーム24は、前アーム23と同じ長さに形成してあればよい。
図11は制動装置のさらに別の実施例を示す。この実施例では、ボールホルダー42の上半周面側に位置している制動ボール44の保持溝43からの突出動作を、左右一対の磁石54の吸着力によって補助して、ブレーキ機構が戸パネル1の開閉速度を検知するときの感度を調整できるようにした。磁石54はコ字枠状のホルダー55の両端下面に固定してあり、ホルダー55の左右中央には調整ねじ56がねじ込んである。調整ねじ56を回動操作して磁石54の高さ位置を変更すると、磁石54の下方を通過する制動ボール44に作用する磁力を大小に変更調整でき、これにより、制動ボール44が保持溝43から突出するタイミングを調整できる。
図12および図13は制動装置のさらに別の実施例を示す。そこでは、ブレーキ機構を遠心クラッチ状に構成して、制動ギヤ15の回転速度が一定の値を越える場合に、一対のブレーキシュー60をブレーキドラム45の内面と接触させ、その時の摩擦抵抗によって戸パネル1の開閉移動を停止させるようにした。ブレーキ機構は、制動ギヤ15と一体に形成される断面太鼓形のブレーキ軸61と、ブレーキ軸61と同行回転する一対のブレーキシュー60と、一対のブレーキシュー60を接近する向きに付勢するブレーキばね62と、これらの部材を収容するブレーキドラム45を備えている。ブレーキシュー60の一端は制動ギヤ15に固定した支軸63で回動可能に支持してあり、一対のブレーキシュー60の対向面には、ブレーキ軸61の回転動力を受継ぐ平坦面64が形成してある。
常態における一対のブレーキシュー60は、図12に示すようにブレーキばね62の付勢力を受けて互いに接近対向しており、ブレーキシュー60の周囲の摩擦面65はブレーキドラム45の内面から離れている。しかし、制動ギヤ15の回転速度が一定の値を越えると、図13に示すように、ブレーキシュー60は遠心力を受けて、ブレーキばね62の付勢力に抗しながら支軸63の回りに外開き回動し、その摩擦面65がブレーキドラム45の内面と接触して摩擦抵抗を生じる。このブレーキシュー60とブレーキドラム45の摩擦抵抗によって戸パネル1の開閉移動を停止させる。
上記の実施例では、タイヤ13および駆動ギヤ14が制動ギヤ15の周囲の左右2個所に配置してある場合について説明したが、その必要はなく、タイヤ13および駆動ギヤ14は制動ギヤ15の周囲の左右のいずれか一方に限って配置してあってもよい。例えば、図1に向かって左側のタイヤ13および駆動ギヤ14を省略して、戸パネル1が閉じ移動するときに制動力を発揮させて、勢いよく閉じ操作された戸パネル1による指挟みを防ぐことができる。
また、上記の実施例では、戸パネル1が戸車5で支持してある下荷重型の引戸について説明したが、本発明に係る制動装置は、戸パネル1が吊車型のランナーで支持してある上荷重型の引戸に適用してもよい。また、制動装置は開口枠2の側に設けることができる。例えば、開口面が1個の戸パネル1で開閉される引戸においては、制動装置を開口枠2に固定し、戸パネル1の側に転動面7を設けておくことにより、一定速度を越えて開閉移動する戸パネル1を制動し停止させることができる。本発明に係る制動装置は、戸パネル1が円弧面状の開閉軌跡に沿って開閉される引戸にも適用できる。
さらに、上記の実施例では、タイヤ13の回転力を駆動ギヤ14から制動ギヤ15へ減速した状態で伝動するようにしたが、駆動ギヤ14の回転動力を増速して制動ギヤ15へ伝動し、あるいは駆動ギヤ14の回転動力を等速度で制動ギヤ15へ伝動してもよい。要は、戸パネル1の重量や大きさ、あるいは引戸の適用場所などの違いに応じて、制動装置に要求される仕様や制動機能が種々に異なるので、これらの要求仕様や制動機能に対応して、駆動ギヤ14から制動ギヤ15へ伝動される動力を、減速、増速、等速のいずれかで伝動する制動装置であればよい。
ブレーキ機構は、ボール式のブレーキ機構や、遠心クラッチ式のブレーキ機構以外に、オイルダンパーを制動要素にして構成することができる。タイヤ体21はOリング状に形成する必要はなく、タイヤホィール20の周面の全体を覆う筒リング状に形成することができる。その場合には、タイヤ体21の転動部7との接触面積を大きくして、ブレーキ機構が制動状態に切換ったときの摩擦抵抗を大きくすることができる。転動部7は必ずしも平坦面である必要はなく、例えば突リブ状、凹溝状、逆V字リブ状、V字溝などに形成してあってもよい。その場合のタイヤ13の周面形状は、転動部7の断面形状に合致して形成してあればよい。駆動ギヤ14および制動ギヤ15のそれぞれをタイミングギヤで形成し、左右の駆動ギヤ14と制動ギヤ15にタイミングベルトを巻掛けて、タイヤ13の回転力を制動ギヤ15に伝動することができる。その場合の各ギヤ14・15の回転方向は同じ向きになる。制動ボール44は、少なくとも2個設けてあれば足りる。
1 戸パネル
2 開口枠
4 上ガイドレール(ガイドレール)
7 転動部
13 タイヤ
14 駆動ギヤ
15 制動ギヤ
16 制動ベース
17 タイヤアーム
42 ボールホルダー
43 保持溝
44 制動ボール
45 ブレーキドラム
47 ボール受部
48 膨出部

Claims (8)

  1. 戸パネル(1)と、戸パネル(1)で開閉される開口面の周囲壁との間に設けられて、一定速度を越えて開閉移動する戸パネル(1)を制動する引戸用の制動装置であって、
    制動装置は、転動部(7)に外接した状態で戸パネル(1)の開閉動作に連動して回転駆動されるタイヤ(13)および駆動ギヤ(14)と、駆動ギヤ(14)の回転動力を受継ぐ制動ギヤ(15)と、制動ギヤ(15)と同行回転して回転数が閾値を越えた状態において制動力を発揮するブレーキ機構と、これらの部材が装着される制動ベース(16)を備えており、
    タイヤ(13)および駆動ギヤ(14)は、制動ギヤ(15)の周囲に配置されて、駆動ギヤ(14)が制動ギヤ(15)と噛合った状態のままで、制動ギヤ(15)の回りに回動変位できるようタイヤアーム(17)で回動可能に支持されており、
    タイヤアーム(17)は、タイヤ(13)が転動部(7)と外接する向きにばね(39)で回動付勢されており、
    戸パネル(1)と開口面の周囲壁のいずれか一方に制動ベース(16)が固定され、残る他方にタイヤ(13)と外接する転動部(7)が設けてある引戸用の制動装置。
  2. タイヤ(13)および駆動ギヤ(14)が、制動ギヤ(15)の周囲の左右2個所に配置してある請求項1に記載の引戸用の制動装置。
  3. タイヤ(13)および駆動ギヤ(14)を支持するタイヤアーム(17)と、制動ギヤ(15)およびブレーキ機構が、ギヤ支軸(34)を介して制動ベース(16)に組付けられて、制動装置がユニット部品化してある請求項1または2に記載の引戸用の制動装置。
  4. 駆動ギヤ(14)のギヤ径が制動ギヤ(15)のギヤ径より小さく設定されて、タイヤ(13)の回転力を駆動ギヤ(14)から制動ギヤ(15)へ減速した状態で伝動する請求項1から3のいずれかひとつに記載の引戸用の制動装置。
  5. ブレーキ機構が、制動ギヤ(15)と同行回転するボールホルダー(42)と、ボールホルダー(42)に設けた複数の保持溝(43)に収容される制動ボール(44)と、ボールホルダー(42)を収容するブレーキドラム(45)を備えており、
    ブレーキドラム(45)の内面上部にはボール受部(47)を備えた膨出部(48)が形成され、膨出部(48)を除くブレーキドラム(45)の内面に、制動ボール(44)が保持溝(43)から径方向外側へ突出するのを許す逃げ面(49)が形成してある請求項1から4のいずれかひとつに記載の引戸用の制動装置。
  6. 戸パネル(1)に制動ベース(16)が固定され、開口枠(2)に固定したガイドレール(4)に転動部(7)が一体に設けられており、
    駆動ギヤ(14)と制動ギヤ(15)が、制動ギヤ(15)の周面で噛合って、タイヤ(13)が転動部(7)と制動ギヤ(15)の外郭線とで挟まれた幅狭部(E)に臨ませてあり、
    制動ボール(44)がボール受部(47)で受止められた状態において、タイヤ(13)が前記幅狭部(E)へ向かって食込んで制動力を増強する請求項5に記載の引戸用の制動装置。
  7. 制動ギヤ(15)とボールホルダー(42)が一体に形成されて、制動ベース(16)に装着したギヤ支軸(34)で回転自在に軸支されており、
    タイヤ(13)は、駆動ギヤ(14)と一体に形成したタイヤホィール(20)と、タイヤホィール(20)の周面に固定したタイヤ体(21)とで構成されて、タイヤアーム(17)に装着したタイヤ軸(22)で回転自在に軸支されており、
    タイヤアーム(17)がギヤ支軸(34)で回動可能に支持してある請求項5または6に記載の引戸用の制動装置。
  8. 制動ベース(16)が、戸パネル(1)に固定される締結壁(31)と、締結壁(31)の外面において同壁(31)と正対する外立壁(32)を一体に備えており、
    外立壁(32)の外面に、一対のタイヤアーム(17)の接近限界を規定するストッパー(40)が設けてある請求項5から7のいずれかひとつに記載の引戸用の制動装置。
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