JP2011088196A - エンボス鋼板の製造方法およびそのためのワークロール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被加工鋼板を、表面に凹凸模様を形成した一対のワークロールの内の少なくとも一方のロールを中空のリング形状とし、ロール軸外周に当該ロール軸とは同期しない構造で任意に回転可能に装着した状態で、前記一対のワークロール間を通す。
【選択図】図3
Description
これらの製造方法は主としてエンボス模様の凹凸の高低差によって使い分けられている。比較的凹凸の高低差が小さい場合には生産性に優れた圧延加工が主流である。圧延加工の場合、ロールの凹部に材料を流入させて板厚の厚い部分と薄い部分が断続的に形成された状態、すなわち板厚差を設けることでエンボス模様が形成される。
これに対しプレス加工では上型と下型とに凹凸一対となった形状を設け、両者で材料を挟んで板を折り曲げるようにしてエンボス模様を付与する方法となる。そのため、圧延加工に比べると生産性は低いものの、加工負荷は小さく板厚の薄い材料に大きな高低差を付与しやすいという利点がある。
このような圧延加工によるエンボス模様の付与方法も種々の問題点を有しており、その一つを解決するべく、例えば特許文献1で見られるような技術も提案されている。
しかしながら、上ロールと下ロールとに一対となった凹凸形状を設けたワークロールによる圧延エンボス加工の最も大きな問題点は、凹凸状の表面が互いに整合するように一対のロールを位置合わせすることが困難な点である。
このように、本方式の場合、圧延開始前の凹凸位置の合わせ込みと圧延中の位置変動にいかに対応するかが大きな課題である。
また、本発明のエンボス鋼板の製造方法に用いるワークロールは、表面に凹凸模様が形成された一対のワークロールであって、その内の少なくとも一方のロールが、中空のリングと、当該リングを回転自在、かつ着脱可能に保持するロール胴部から構成されていることを特徴とする。
中空のリングは、それを保持するロール胴部との間に軸受けが介されて保持されていることが好ましい。
また回転リングを装着したエンボス付与ロールの前記回転リングは着脱可能であるため、凹凸模様に応じて回転リングのみを用意・交換すれば良く、模様ごとにワークロールから作製する必要がなく、結果的にコストの低減化にも寄与する。
そこで、本発明者らは、圧延開始前の凹凸位置の合わせ込みと圧延中の位置変動にいかに対応するかについて鋭意検討を重ねてきた。
その過程で、表面に凹凸模様を形成した一対のワークロールの内の少なくとも一方のロールをロール軸に対して任意に回転自在とすれば、圧延開始前の凹凸位置の合わせ込みと圧延中の位置変動に対応可能であることに到達した。
以下に、その詳細を説明する。
本発明で使用するワークロールは図1に示すように、ワークロール8の胴部2に回転リング1が軸受け7を介して取り付けており、ガイド板6でワークロール8の胴長方向位置を拘束している。
回転リング1と胴部2との間には、ラジアル方向およびスラスト方向の荷重を受けるベアリング7をつけておくのが好ましい。ベアリング7をつけておくことにより、凹凸段差が大きい場合や、素材板厚が厚い場合などのように比較的圧延荷重が大きくなる条件であっても、回転リング1をスムーズに回転させることが可能となる。
例えば図2に示すように、胴部2に装着した回転リング1を、シム板11を介してガイド板6で締め付ける態様を採用することにより、回転リング1は着脱自在とすることが可能となる。なお、図2中、10はガイド板6を固定するために、胴部2の端に設けられたガイド板固定ねじである。
回転リング1の胴部2に対する取り付けは、まずロール胴部2の外側に軸受け7を挿入する。次いで軸受け7の外側に回転リング1を挿入する。シム板11を挿入した後、胴部2の端に設けられたガイド板固定ねじ10にガイド板6をねじ込み固定する。
外す場合は、逆の手順となる。
凹形状は、素材の板厚分と凸形状を合わせた形状よりも略大きな形状を有しており、凹凸形状両者の刻印ピッチは同一である。このような凹凸形状を有した大略同一外径の上下ワークロール8を2段圧延機にセットする。
そこで、上記圧延機として、表面に凹凸模様が形成された一対のワークロールの内の少なくとも一方のロールが、中空のリング1と、当該リングを回転自在、かつ着脱可能に保持するロール胴部2から構成されているワークロールを組み込んだものを用いれば、本発明方法を実施することができる。
テンションリールの駆動力を大きくして鋼帯を引っ張る形態とすれば、図4における圧延機を駆動力なしの形態としてもよい。テンションリールの駆動力を大きくした場合には、上ロール側だけではなく、下ロール側もリング形式に、すなわち一対のワークロールの上下のロール共にリング形式を採用してもよい。
なお、被加工鋼板が、コイル状に巻かれた鋼帯ではなく切り板である場合には、上下のロールを共にリング形式にすることはできず、一対のワークロールの内の一方のロールのみをリング形式とせざるを得ないことは記載するまでもない。
被加工鋼板を圧延機に通す前の段階で、凹凸形状の回転方向の位置関係を目視で合わせておく。この段階では厳密に凹凸形状のセンターが合っている必要はなく、凸部3が凹部4に概ね入る程度の位置調整をしておけば良い。この後、被加工鋼板をセットし所定の凹凸高さが出るまで上下ワークロール8を調整し、圧延を開始する。
圧延中に上下ワークロール8の周速差などによる凹凸形状の位置変動が生じる状況となった場合には、回転リング1がワークロール8の回転に同期しないで自由な回転をするため、それを相殺する状態となり、凹凸形状の位置関係は、圧延中ほぼ一定に保たれる。
なお素材の強度レベルが高いほど、また板厚が厚いほど圧延荷重が高くなって大きな凹凸差を付与することが困難となるが、本発明では素材の鋼種や板厚は特に限定しない。
上ワークロール8は直径50mmの胴部2の外側に厚み25mmの回転リング1をセットした。上ワークロール8に取り付ける上回転リング1には直径2mmで高さ1mm、ピッチ8mmの円形凸部3を設けた。下ワークロール8には直径100mmのロール自身に、直径5mm、深さ3mm、ピッチ8mmの円形凹部4を設けた。
下ワークロール8を駆動して各種圧延荷重で圧延を行ったところ、表1に示す凹凸高さのエンボス鋼板9を製造することができた。なお、エンボス模様はいずれも底辺部で直径約5mm、ピッチ8mmであった。
3:凸部 4:凹部
5:素材 6:ガイド板
7:軸受け 8:ワークロール
9:エンボス板 10:ガイド板固定ねじ
11:シム板
Claims (3)
- 被加工鋼板を、表面に凹凸模様を形成した一対のワークロールの内の少なくとも一方のロールを中空のリング形状とし、ロール軸外周に当該ロール軸とは同期しない構造で任意に回転可能に装着した状態で、前記一対のワークロール間を通すことを特徴とするエンボス鋼板の製造方法。
- 表面に凹凸模様が形成された一対のワークロールであって、その内の少なくとも一方のロールが、中空のリングと、当該リングを回転自在、かつ着脱可能に保持するロール胴部から構成されていることを特徴とするワークロール。
- 中空のリングがロール胴部との間に軸受けを介して保持されている請求項2に記載のワークロール。
Priority Applications (1)
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JP2009244634A JP2011088196A (ja) | 2009-10-23 | 2009-10-23 | エンボス鋼板の製造方法およびそのためのワークロール |
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ID=44106940
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2009
- 2009-10-23 JP JP2009244634A patent/JP2011088196A/ja active Pending
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