JP2011088195A - レーザ切断用ガスノズルとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノズル本体内部の整流構造を煩雑な機械加工によらず簡便な手段で形成する。
【解決手段】アルミニウムからなるコーン型のマスタ1の表面にノズル本体2の内壁に形成する整流構造3の形状に対応した形状の凹凸部4を形成し、このマスタ1の表面に電気めっき法の原理で銅の皮膜5を形成する。そして、この皮膜5形成後に、ノズル本体2の外形研削を行い、ノズル本体2を形成したマスタ1をそのまま希硝酸等の酸性溶液、又はアルカリ性溶液に浸漬し、マスタ1のみを溶解する。すると、内壁に整流構造3を形成したノズル本体2が形成できる。この一連の工程においては、この整流構造3の形成に機械的な加工手段を用いないので、その構造が複雑であっても、簡便に作製することができる。
【選択図】図1
【解決手段】アルミニウムからなるコーン型のマスタ1の表面にノズル本体2の内壁に形成する整流構造3の形状に対応した形状の凹凸部4を形成し、このマスタ1の表面に電気めっき法の原理で銅の皮膜5を形成する。そして、この皮膜5形成後に、ノズル本体2の外形研削を行い、ノズル本体2を形成したマスタ1をそのまま希硝酸等の酸性溶液、又はアルカリ性溶液に浸漬し、マスタ1のみを溶解する。すると、内壁に整流構造3を形成したノズル本体2が形成できる。この一連の工程においては、この整流構造3の形成に機械的な加工手段を用いないので、その構造が複雑であっても、簡便に作製することができる。
【選択図】図1
Description
この発明は、金属板等を切断するレーザ加工機のヘッド部分に用いられるレーザ切断用ガスノズルとその製造方法に関する。
鋼板等のワークの切断加工に用いる加工手段の一つとして、レーザ切断加工機を用いる方法がある。このレーザ切断加工機は、炭酸ガスレーザやYAGレーザ等のレーザ光源と、レーザ光源からのレーザ光を伝送する光ファイバーやミラーから構成される伝送系と、伝送されたレーザ光をワークに照射するヘッド部とを有している(例えば、下記特許文献1〜3を参照)。
前記ヘッド部には、レーザ切断用ガスノズル(以下、適宜「ノズル」と称する。)が設けられている。このノズルには、図4に示すように、先細のテーパ形状を有するノズル本体2に、レーザ光Lを集光するレンズ7が設けられ、アシストガスfを導入するガス導入孔8と、レーザ光L及びアシストガスfを出射・噴射するノズル孔6が形成されている。
レンズ7を通過したレーザ光Lは、ノズル孔6を通ってワークW表面で集光され、このワークWを局所的に溶融する。さらに、このレーザ光Lと同軸にノズル孔6からアシストガスfを噴射し、この噴射圧でワークWの溶融物を吹き飛ばして除去する。このレーザ光Lによる溶融と、アシストガスfによる溶融物の除去とが同時に行われることによって、ワークWの切断加工が連続的になされる。
このアシストガスfとして、一般的に酸素、窒素、アルゴン等が用いられる。酸素を用いるとレーザ光Lを照射した際にワークW表面において酸化反応が生じ、その際の反応熱で切断速度や加工限界(加工の安定性)を向上することができる反面、ワークW表面に酸化被膜が形成されるため、この酸化被膜を生じさせないようにしたい場合は、酸素の使用は好ましくない。この場合には、窒素やアルゴン等の不活性ガスを用いて、酸化被膜の発生を抑制する。
このアシストガスfによる溶融物の除去効率は、主にノズル孔6からのアシストガスfの噴射速度(噴射圧)によって決まる。この噴射速度は、主にレギュレータによって調節されるガス供給圧力に依存するが、ノズル本体2の形状も大きく影響する。すなわち、このノズル本体2は、その根元から先端に向かって先細となるテーパ部が形成されているのが一般的であり、アシストガスfの流速は、ノズル先端に向かうほど大きくなる。そうすると、その先端部(ノズル孔6付近)においてガス流動が乱れて大きな圧力損失が生じ、このノズル孔6からスムーズに噴射されない恐れがある。
そこで、例えば図5に示すように、ノズル孔6の内壁にらせん状の溝9や、ノズル本体2の軸方向に並んだ複数の溝10等をタップや切削工具を用いて形成し、このノズル孔6から噴射するアシストガスfの整流作用を持たせるようにした構成が開示されている(下記特許文献4を参照)。
上述したガス流動の乱れは、小径のノズル孔6を大量のアシストガスfが一気に通過しようとする際に生じやすい。そこで、このノズル孔6の内壁に形成した溝9、10によって、この内壁に沿うガス流動を中央に一度に集中させるのではなく、ノズル内で徐々に集中させることにより、先端部での圧力損失を減らすことが出来る。
このようにノズル孔6先端部での圧力損失が減ることにより、これと同軸にワークWに照射されるレーザ光Lによって溶融したワークWを確実に除去することができ、レーザ光LによるワークWの切断が円滑になされる。
図5に示した構成における溝9、10は、ノズル孔6の先端からタップ等を挿し込むことが可能な、ノズル本体2先端のノズル孔6内壁にのみ形成されている。しかしながら、この溝9、10を形成するのがノズル孔6のみでは、アシストガスfの十分な整流作用を得られるとは言い難い。すなわち、このアシストガスfはノズル本体2のテーパ部を通って供給され、しかもこのテーパ部で次第に流路が狭まるため、ノズル先端部でガス流動に乱れが生じやすい。この乱れが既に生じた状態では、ノズル本体2のノズル孔6部分にのみ整流構造を形成しても、良好なガス流動を回復することは難しいからである。
このため、このテーパ部における整流作用を確保するために、テーパ部の内壁にも突起や溝等の整流構造を形成する必要があるが、この整流構造自体の死角となって切削工具の刃先が届かず、うまく加工ができない等の問題が生じることがある。この場合、ノズル本体2を一旦複数のパーツに分割し、それらの内壁に突起や溝を形成した後に、分割したノズル本体を一体化する必要がある。このため、その加工工程の複雑化によって製造コストが大幅に上昇するおそれがある。
そこで、この発明は、ノズル本体内部の整流構造を煩雑な機械加工によらず簡便な手段で形成することを課題とする。
上記の課題を解決するため、この発明は、先細のテーパ形状を有するノズル本体にレーザ光を通して、このノズル本体のノズル孔から前記レーザ光を出射して、このレーザ光でワークを局所的に溶融するとともに、前記レーザ光と同軸に前記ノズル孔からアシストガスを噴射して、その噴射圧で前記ワークの溶融物を除去してその切断を行う際に用いるレーザ切断用ガスノズルの製造方法において、先細のテーパ形状の導電性部材からなるマスタのコーン面に、ノズル本体の内壁に形成する整流構造の形状に対応する凹凸部を形成する第一工程と、前記マスタをめっき液中に浸漬し、このマスタを陰極として通電し、マスタ表面に金属皮膜を形成する第二工程と、前記金属皮膜の形成後に形状仕上げ加工を施す第三工程と、前記仕上げ加工後にマスタを溶解除去する第四工程とから、レーザ切断用ガスノズルの製造方法を構成した。
このマスタは一体品とするのが、その取り扱い上、最も都合がよいが、前記凹凸部の形状が複雑で一体品のままこの凹凸部を形成するのが困難な場合は、マスタを一旦分割した上で各分割マスタにそれぞれ凹凸部を形成し、この形成後に導電性接着剤等で一体化する手法も採用し得る。ノズル本体は、後述するように分割することなく一体物とすることが好ましいが、このマスタは、電気鋳造の際に特に応力が負荷されることもなく、分割体としたことによって特に不都合は生じないためである。
前記マスタの溶解除去の工程においては、一般的には塩酸や希硫酸等の酸性溶液や、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ性溶液が用いられるが、この溶解除去の時間等を適切に管理して、析出した金属ができるだけこの酸性溶液又はアルカリ性溶液によってダメージを受けないようにするのであれば、これ以外の種類の酸やアルカリも適宜採用することができる。
このマスタを除去すると、ノズル本体の内壁には整流構造が形成されており、この内壁に対し追加加工する必要はない。このため、作業工程を簡便なものとし得る。
また、前記構成においては、金属皮膜として銅を採用するのが好ましい。
銅はレーザ光の吸収率が低く(1〜2%程度)、仮に銅表面にレーザ光が入射してもその大部分が反射されるため、ノズル本体内を通過する際のレーザ光の損失が少ない。このため、レーザ光の大部分がワークに照射され、その切断作業を効率的に行い得る。また、銅は熱伝導率が高いためノズルに熱が蓄積しにくく、このノズル本体に付属して設けるレンズの集光特性等に悪影響を及ぼす恐れが低い。さらに、銅はイオン化傾向が小さいため、塩酸や希硫酸等にはほとんど溶けず、上述したマスタの溶解工程においてほとんどダメージを受けない。
銅はレーザ光の吸収率が低く(1〜2%程度)、仮に銅表面にレーザ光が入射してもその大部分が反射されるため、ノズル本体内を通過する際のレーザ光の損失が少ない。このため、レーザ光の大部分がワークに照射され、その切断作業を効率的に行い得る。また、銅は熱伝導率が高いためノズルに熱が蓄積しにくく、このノズル本体に付属して設けるレンズの集光特性等に悪影響を及ぼす恐れが低い。さらに、銅はイオン化傾向が小さいため、塩酸や希硫酸等にはほとんど溶けず、上述したマスタの溶解工程においてほとんどダメージを受けない。
また、前記各構成においては、整流構造を、前記ノズル本体の内壁からノズル本体の内側に起立する突起とするのが好ましい。
この突起は、このノズル本体の内壁に沿って形成され、ノズル先端部で一度にガスを集中させることなく、徐々に中央に集中させることができる。このため、ノズル孔から円滑にアシストガスが噴射され、ワークの溶融物を効率的に吹き飛ばすことができる。
この突起は、このノズル本体の内壁に沿って形成され、ノズル先端部で一度にガスを集中させることなく、徐々に中央に集中させることができる。このため、ノズル孔から円滑にアシストガスが噴射され、ワークの溶融物を効率的に吹き飛ばすことができる。
前記構成においては、突起をノズル本体の根元側から先端に向かって、このノズル本体の軸心周りに周回するらせん形状を有するらせん状突起とすることもできる。
このようにらせん状突起とすることにより、上述したのと同様に、ノズル先端部で一度にガスを集中させるのではなく、徐々に中央に集中させることができ、ワークの溶融物を効率的に吹き飛ばすことができる。
このようにらせん状突起とすることにより、上述したのと同様に、ノズル先端部で一度にガスを集中させるのではなく、徐々に中央に集中させることができ、ワークの溶融物を効率的に吹き飛ばすことができる。
また、前記各突起を形成した構成においては、この突起の起立した先端が、ノズル本体の先端側に傾斜するようにするのが好ましい。傾斜をつけることにより、抵抗を少なくしてこのガスを中央に集中させることができる。
前記各構成におけるマスタの素材としては、アルミニウムを採用するのが好ましい。
このアルミニウムは他の金属と比較して比較的融点が低く、しかも硬度が低いため、鋳造又は母材の研削のいずれの手法でも、容易にノズル形状に成形することができる。また、公知の加工手段によって、このマスタの表面に、ノズル本体内壁の整流構造に対応する形状の凹凸を容易に加工することができる。さらに、アルミニウムは両性金属であって、酸又はアルカリ溶液のいずれにも溶解するため、電気鋳造後のマスタ溶解工程を容易に行うことができる。
このアルミニウムは他の金属と比較して比較的融点が低く、しかも硬度が低いため、鋳造又は母材の研削のいずれの手法でも、容易にノズル形状に成形することができる。また、公知の加工手段によって、このマスタの表面に、ノズル本体内壁の整流構造に対応する形状の凹凸を容易に加工することができる。さらに、アルミニウムは両性金属であって、酸又はアルカリ溶液のいずれにも溶解するため、電気鋳造後のマスタ溶解工程を容易に行うことができる。
また、前記マスタを、ワックスの表面に導電体を形成することによって構成するのも好ましい。
このワックスは加熱すると軟化するため、容易にマスタ形状に成形することができるとともに、電気鋳造後に加熱することによって、容易に融解除去することができる。
このワックスは加熱すると軟化するため、容易にマスタ形状に成形することができるとともに、電気鋳造後に加熱することによって、容易に融解除去することができる。
上述した各構成によって製造されたノズルは、いわゆる電気鋳造法によって得られるものであって、ノズル本体と整流構造とを一体に成形することができる。このため、突起や溝が複雑な形状をしており、切削工具の刃先が届かない死角が存在する場合であっても、このノズル本体を分割して前記突状等を加工する必要がない。このため、分割体のそれぞれに加工を行った後にそれらを一体とする工程を必要とせず、その作業工程を簡便なものとし得るとともに、このノズル本体の機械強度の確保も図ることができる。
この発明によると、ノズル本体の内壁にアシストガスの整流作用を発揮する整流構造を有するレーザ切断用ガスノズルを、電気鋳造法により製造した。この電気鋳造法は前記整流構造の形状の複雑さに関係なく、その形成が可能なので、このノズルを一体成形品とすることができる。このため、その製造工程を簡便なものとすることができ、ノズルの低コスト化を図ることができる。
この発明に係るレーザ切断用ガスノズルの製造方法の工程を図1に示して説明する。なお、以下において説明する各図においては、レーザ光を集光するためのレンズ、及びアシストガスをノズル本体に導入するためのガス導入口の記載は省略している。
まず、アルミニウムからなるコーン状のマスタ1のコーン面に、ノズル本体2の内壁に形成する整流構造3の形状に対応する凹凸部4を形成する。この実施形態に係る整流構造3は、前記内壁に形成した1本の突起3aであって、コーン面には1本の周溝4aが形成されている(同図(a)を参照)。このマスタ1は、コーン型のアルミニウムの母材の表面に、機械加工により凹凸部4を形成したり、この凹凸部4の形状に対応する突起部を形成した鋳型にアルミニウムの溶湯を流し込んだりすることにより成形する。
この突起3aの形状が複雑な形状であって、前記コーン面の加工の際に切削工具の刃先が届きにくい場合には、前記母材を複数に分割した上で凹凸部4を形成し、成形された複数の分割マスタを導電性接着剤等の導電部材で一体化し、これをマスタ1として用いることもできる。また、鋳型によりマスタ1を成形する場合においても、この鋳型を分割型とし、各分割鋳型で成形した分割マスタを上述したのと同様に一体化し、これをマスタ1として用いることもできる。
次に、硫酸銅を主成分とする電気めっき槽にこのマスタ1を浸漬し、マスタ1を陰極、銅を陽極として直流電流を通電し、電気めっき法により金属皮膜5を形成する(同図(b)を参照)。
さらに、金属皮膜5の形成後、外形研削により金属皮膜5の厚さを所定厚さとするとともに、先端側にノズル孔6を形成して、ノズル本体2の形状とする(同図(c)を参照)。このノズル孔6の大きさはレーザ切断装置の加工対象、レーザ出力、加工条件等によって変わるが、通常は内径が1mm程度である。
前記外形研削が完了したら、ノズル本体2を形成したマスタ1をそのまま酸性溶液(塩酸、希硝酸等)又はアルカリ性溶液(水酸化ナトリウム等)に浸漬する。そうすると、アルミニウムからなるマスタ1のみが溶解して、銅からなるノズル本体2のみがそのまま残る(同図(d)を参照)。
このようにして、ノズル本体の内壁に沿って形成された突起3aにより、図2中に矢印fで示すように、ノズル先端部で一度にガスを集中させるのではなく、徐々に中央に集中させることができる。そのため、ノズル先端部での圧力損失が減少する。この結果、レーザ光の照射によって溶融したワークを効率的に吹き飛ばすことができ、このレーザ光による高速切断が可能となる。
この実施形態においては、突起3aの先端をノズル本体2のノズル孔6側(先端側)に傾斜するように構成した。このようにすることにより、ガス流動に対する抵抗を少なくして、ノズル本体2の根元側から先端側に向けて、アシストガスをスムーズに流動させることができる。
また、この実施形態では突起3aの本数を1本としたが、この本数を増やしてガス流動に対する抵抗を高め、ノズル本体2の中心軸近傍におけるガス流動が一層スムーズになるように制御することもできる。
また、この実施形態では突起3aの本数を1本としたが、この本数を増やしてガス流動に対する抵抗を高め、ノズル本体2の中心軸近傍におけるガス流動が一層スムーズになるように制御することもできる。
このノズルの他の実施形態を図3に示す。同図(a)はノズル本体2の内壁に形成した整流構造3を示し、同図(b)はこのノズル本体2の電気鋳造の際に使用するマスタ1を示している。
このマスタ1も図1に示したマスタ1と同様にアルミニウムからなり、そのコーン面には、ノズル本体2の内壁に形成する整流構造3の形状に対応する凹凸部4が形成されている。この実施形態に係る整流構造3は、前記内壁に形成した、らせん状突起3bであって、コーン面には、このらせん状突起3bに対応する1本のらせん溝4bが形成されている。このマスタ1も、上述したマスタ1と同様に、アルミニウム母材の機械加工や、鋳型にアルミニウムの溶湯を流し込むこと等により成形する。
このマスタ1も図1に示したマスタ1と同様にアルミニウムからなり、そのコーン面には、ノズル本体2の内壁に形成する整流構造3の形状に対応する凹凸部4が形成されている。この実施形態に係る整流構造3は、前記内壁に形成した、らせん状突起3bであって、コーン面には、このらせん状突起3bに対応する1本のらせん溝4bが形成されている。このマスタ1も、上述したマスタ1と同様に、アルミニウム母材の機械加工や、鋳型にアルミニウムの溶湯を流し込むこと等により成形する。
このノズル本体の内壁に沿って形成されるらせん状突起3bにより、図3(a)中に矢印fで示すように、ノズル先端部で一度にガスを集中させるのではなく、徐々に中央に集中させることができる。そのため、ノズル先端部での圧力損失が減少する。この結果、上述したのと同様に、レーザ光の照射によって溶融したワークを効率的に吹き飛ばすことができ、このレーザ光による高速切断が可能となる。
上記各実施形態では、ノズル本体2の内壁に形成する整流構造3のいくつかの事例を示したが、これらと同様にノズル本体2の中心軸近傍のアシストガスの流速を内壁近傍の流速よりも高めることができる構造であればこれらに限定されない。
また、上記各実施形態では、マスタ1の素材としてアルミニウムを採用したが、アルミニウムの代わりにワックスを同形状に成形し、このワックスの表面に導電体を形成してマスタ1とすることもできる。このワックスは融点が低く加工性も良好なので、容易に所定のマスタ1形状に成形することができ、電気鋳造後は加熱によって容易に溶融除去することができる。
本願発明に係る製造方法で製造したガスノズルは、電気鋳造法で製造されるので、複雑な整流構造3を形成した場合でも一体品として製造できる。このため、ノズル本体2を分割して作製し、それらを一体化して完成品とする場合と比較して、作業工数及び製造コストを大幅に低減することができる。
1 マスタ
2 ノズル本体
3 整流構造
3a 突起
3b らせん状突起
4 凹凸部
4a (コーン面の)周溝
4b (コーン面の)らせん状溝
5 金属皮膜
6 ノズル孔
7 レンズ
8 ガス導入孔
2 ノズル本体
3 整流構造
3a 突起
3b らせん状突起
4 凹凸部
4a (コーン面の)周溝
4b (コーン面の)らせん状溝
5 金属皮膜
6 ノズル孔
7 レンズ
8 ガス導入孔
Claims (8)
- 先細のテーパ形状を有するノズル本体(2)の内部にレーザ光(L)を通し、このノズル本体(2)先端のノズル孔(6)から前記レーザ光(L)を出射して、このレーザ光(L)でワーク(W)を局所的に溶融するとともに、前記レーザ光(L)と同軸に前記ノズル孔(6)からアシストガス(f)を噴射して、その噴射圧で前記ワーク(W)の溶融物を除去してその切断を行う際に用いるレーザ切断用ガスノズルの製造方法において、
先細のテーパ形状の導電性部材からなるマスタ(1)のコーン面に、ノズル本体(2)の内壁に形成する整流構造(3)の形状に対応する凹凸部(4)を形成する第一工程と、
前記マスタ(1)をめっき液中に浸漬し、このマスタ(1)を陰極として通電し、マスタ(1)表面に金属皮膜(5)を形成する第二工程と、
前記金属皮膜(5)の形成後に、形状仕上げ加工を施す第三工程と、
前記仕上げ加工後にマスタ(1)を溶解除去する第四工程と、
から構成されることを特徴とするレーザ切断用ガスノズルの製造方法。 - 前記金属皮膜(5)が銅からなることを特徴とする請求項1に記載のレーザ切断用ガスノズルの製造方法。
- 前記整流構造(3)が、前記ノズル本体(2)の内壁から、ノズル本体(2)の内側に起立する突起(3a)であることを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ切断用ガスノズルの製造方法。
- 前記突起(3a)が、ノズル本体(2)の根元側から先端に向かって、このノズル本体(2)の軸心周りに周回するらせん形状をなすらせん状突起(3b)であることを特徴とする請求項3に記載のレーザ切断用ガスノズルの製造方法。
- 前記各突起(3a、3b)の起立した先端が、ノズル本体(2)の先端側に傾斜していることを特徴とする請求項3又は4に記載のレーザ切断用ガスノズルの製造方法。
- 前記マスタ(1)の素材が、アルミニウムであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のレーザ切断用ガスノズルの製造方法。
- 前記マスタ(1)が、ワックスの表面に導電体を形成することによって構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のレーザ切断用ガスノズルの製造方法。
- 請求項1乃至7のレーザ切断用ガスノズルの製造方法によって製造されたレーザ切断用ガスノズルであって、前記ノズル本体(2)と整流構造(3)の全体が一体成形されていることを特徴とするレーザ切断用ガスノズル。
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JP2017533100A (ja) * | 2014-10-28 | 2017-11-09 | 中国科学院寧波材料技術與工程研究所Ningbo Institue of Material Technology & Engineering Chinese Academy of Sciences | レーザ加工ヘッド及びその応用、レーザ加工システム及び方法 |
JP2018047036A (ja) * | 2016-09-21 | 2018-03-29 | 株式会社トプコン | 非接触式眼圧計 |
US10814424B2 (en) | 2018-02-16 | 2020-10-27 | Fanuc Corporation | Laser machining head having function of rectifying assist gas |
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