JP2011088013A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】時短状態と通常状態とでそれぞれ遊技機をベース管理するための情報信号を外部機器に対して出力可能な遊技機であって、ベース管理を容易し、かつ遊技者の興趣を損なうことのない遊技機を提供する。
【解決手段】時短状態と通常状態とに変移可能であって、大当り状態として大入賞口の開放時間が長い第一大当り状態と、短い第二大当り状態とを備え、大当り状態中では通常状態とされている遊技機であって、遊技機の状態が時短状態と大当り状態に関してどのような状態にあるかに基づき所定の情報信号(大当り信号β)を生成する情報信号生成手段と、該所定の情報信号を外部に出力する外部情報出力基板とを備えるとともに、情報信号生成手段が、時短状態である場合、第一大当り状態にある場合、終了後に時短状態が付与される第二大当り状態にある場合のいずれかである場合には前記所定の情報信号を生成し、終了後に時短状態が付与されない第二大当り状態にある場合には前記所定の情報信号を生成しないことを特徴とする遊技機。
【選択図】図13

Description

本発明は、遊技領域内を転動流下する遊技球がより始動口に入球しやすい第一状態(いわゆる変動短縮状態、時短状態)と、より入球しにくい第二状態(いわゆる通常状態)とを備える遊技機に関する。
この種の遊技機の代表例であるパチンコ機では、遊技領域内に弾き入れられた遊技球が転動流下して始動入賞装置(特別始動入賞装置)に設けられた始動入賞口(以下、「始動口」という。)に入球したことを契機として、複数種類の図柄を変動させて表示させる図柄変動ゲームが可変表示器において行われる。一方、遊技機の内部では、乱数の取得などによって大当り状態の当選または落選を決定する抽選(大当り抽選)が行われる。抽選結果が当選の場合には、遊技機が大当り状態に移行するとともに、図柄変動ゲームの表示結果が大当りを示す表示結果となることなどにより、遊技者は大当り状態が付与されたことを知覚することができるようになっている。
大当り状態における遊技(大当り遊技)では、遊技領域内に設けられた大入賞口が備える大入賞口扉が開動作して大入賞口へ遊技球が入賞するチャンスが与えられ、遊技者には入賞した遊技球の数に応じて多数の賞球を獲得しうる機会が与えられる。
大当り状態には複数の態様があり、大当り遊技の終了後に、次回の大当りの当選確率が低確率(通常確率)から高確率に変動する確率変動(以下、「確変」という。)状態が付与される確変大当りと、大当り遊技の終了後に変動時間短縮(以下、「時短」という。)状態が付与される時短大当りと、大当り遊技の終了後に上記確変状態も時短状態も与えられない通常大当りと、をすべて備える遊技機が一般的である。また時短状態は、確変状態とともに付与される場合と、確変状態を伴わずに与えられる場合とがある。
時短状態を備える遊技機の場合、大当り抽選の契機となる始動口を開閉可能に覆う開閉羽根などの普通電動役物を備えることが一般的である。かかる普通電動役物は、普通図柄変動ゲームの当選によって開放され、所定時間に亘って遊技球が始動口に入球し易い状態(第一状態:入球率向上状態)となる。上記所定時間の経過後は、再び普通電動役物は閉状態に戻り、遊技球が始動口に入球しにくい状態(第二状態:通常状態)となる。
また、大当り遊技中は、大入賞口への遊技球の入賞率を所望に維持する必要があることから、遊技球が始動口に入球しやすくする必要はなく、遊技機は第二状態をとることが一般的である。
ここで、遊技機が時短状態になると、普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮されたり、普通図柄変動ゲームの当選確率が上昇したりして、普通電動役物が開放される機会が増加するとともに、その開放時間や開閉回数も通常状態と比較して長くなったりする。また遊技球が始動口に入球した場合、所定個数の賞球が遊技者に与えられることが一般的である。したがって時短状態中には、遊技球が始動口に入球しやすくなるとともに賞球が与えられることによって、消費される遊技球数あたりの賞球数であるベースが通常時よりも向上する。
一方、一般的な遊技機においては、大当り遊技の当選や、時短状態であること、所定個数の賞球が払い出されたこと、および遊技球が始動口に入球したことなどの各種情報を、遊技機の外部に情報信号として所定時間(例えば数ミリ秒)ごとに出力している(例えば下記特許文献1を参照)。ここでいう遊技機の外部とは、遊技機が設置される遊技店において遊技機ごとのベースを管理する管理装置(ホールコンピュータ)や、遊技機が設置される島設備の上方に設けられて大当り遊技中や時短状態中などに発光演出される電飾装置(ラッキーランプ)などが挙げられる。
管理装置では、遊技機ごとに時短状態(第一状態)と通常状態(第二状態)とに分けてベースが計算され、遊技店では遊技機ごとに所望の賞球率となるよう、各遊技領域に多数設けられた釘や風車の向きなどを微調整することで遊技球の流路を調節している。
ここで、近年の遊技機においては、一回の大当り遊技にて獲得される賞球数の期待値が多い大当り(第一大当り)と、少ない大当り(第二大当り)とが用意され、遊技者は第一大当りの当選によって多くの賞球を、第二大当りの当選によって確変状態や時短状態の付与を期待するといった多様なゲーム性を提供することが広く行われている。例えば下記特許文献2に記載の遊技機では、大入賞口が30秒程度開放されて10個程度の遊技球の入賞が期待されるラウンドが最大16回繰り返される第一大当りと、大入賞口の開放時間が1.5秒程度で遊技球の入賞が最大1個までしか期待されないラウンドが1〜3ラウンド程度繰り返されて終了する第二大当りとが用意されている。またこのほか、獲得される賞球数の期待値が第二大当りと同等となる小当りが用意されている。これにより、第二大当りの当選と小当りの当選とを遊技者にあからさまに識別されることなく確変状態や時短状態を付与して、言い換えると遊技者が気づかないうちに確変状態や時短状態を発生させることによりその興趣を喚起することができる。
したがってかかる遊技機の場合、第二大当りが当選したことを遊技者に容易に知得されないよう、第二大当りの大当り遊技中にはラッキーランプにおける発光演出を行わないことが通常である。
特開2000−140369号公報 特開2005−270314号公報
しかしながら、上記特許文献2に記載の遊技機のように、賞球数の多い第一大当りとともに、賞球数の少ない第二大当りが用意されている場合、管理装置によって遊技機のベースを管理する上では第二大当りの当選を示す情報信号を取得することが不要となる場合がある。
すなわち、第二大当りによって得られる賞球数の期待値は小当りと同程度に僅かであることから、遊技機が通常状態にあるときに当選した第二大当りがその後に時短状態を伴わないものである場合、ベース管理上は単なる小当りが当選したのと何ら変わりがない。
これに対し、上記特許文献1に記載の遊技機の場合は、時短状態がその後に付与されるか否かを問わず、すべての大当り遊技について、大当り遊技中であることを示す情報を外部に出力している。したがって通常時に当選した第二大当りがその終了後に時短状態を伴わない場合、実質的に賞球のない大当りであるにもかかわらず遊技店の管理装置には当該大当りの当選を示す情報が時々刻々送信されることとなる。
ここで、遊技店には遊技機が多数設置される一方、管理装置は情報の一括管理の要請から通常一台であり、したがってベース管理に不要な情報の取り込みは極力排除することが求められている。
また上記のように第二大当りは遊技者に不意の確変状態や時短状態を付与することを主たる目的として用意されているところ、通常状態で当選した第二大当りが以後に時短状態を伴わない場合については、遊技者の無用な期待感を味わわせないよう、第二大当り遊技中の僅かな時間にのみラッキーランプを発光演出させることは控えることが好ましい。
これに対し、賞球の少ない第二大当りが当選した場合はその大当り遊技中であることを示す情報を一律に外部出力しないという手法をとった場合は以下の問題が生じる。
すなわち、遊技機が時短状態にあるときに当選した第二大当りが、その終了後に再度の時短状態を伴うものであった場合、上述のように第二大当り中は短時間ながらも遊技機が通常状態に移行することから、ラッキーランプにあっては発光演出が一旦停止して遊技者には時短状態の終了かと一瞬の不安を覚えさせることがない。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、すなわち管理装置やラッキーランプなどの外部機器に対して、遊技機が大当り状態であることを示す情報信号や、時短状態と通常状態とでそれぞれ遊技機をベース管理するための情報信号を出力可能な遊技機であって、遊技者の興趣を損なうことがなく、かつ管理装置によるベース管理を容易とする遊技機を提供することを目的とする。本発明の他の目的は以下の説明より明らかとなろう。
本発明は、時短状態を付与可能であり且つ大当り状態として第一大当り状態と第二大当り状態を付与可能な遊技機において、時短状態及び大当り状態の付与状況に基づき所定の情報信号(後述の大当り信号β)を生成する情報信号生成手段と、該所定の信号を外部に出力する外部情報出力基板とを備える。そして、情報信号生成手段は、始動口の状態が時短状態に対応する状態である場合、遊技機の状態が第一大当り状態にある場合、遊技機の状態が終了後に時短状態を付与される第二大当り状態にある場合のいずれかである場合には前記大当り信号βを生成し、遊技機の状態が終了後に時短状態を付与されない第二大当り状態にある場合には前記大当り信号βを生成しないように構成される。本発明は、このように構成された情報信号生成手段を有することで管理装置によるベース管理を損なうことがなく、またラッキーランプによって遊技者に無用な期待や落胆を味わわせることがなくなるという技術思想に基づいて、なされたものである。
すなわち本発明は、
(1)遊技領域内に設けられ、前記遊技領域内を転動流下する遊技球が入球しやすい第一状態と、前記遊技球が入球しにくい第二状態とに変移可能な始動口と、
前記始動口の状態が、第一状態または第二状態のいずれであるかを判定する入球率向上状態判定手段と、
遊技球が前記始動口に入球したことを契機として、遊技者に大当り状態を付与するか否かを決定する大当り抽選をおこなう大当り抽選手段と、
前記大当り抽選に当選した場合に、前記入球率向上状態判定手段による判定結果に基づいて、前記付与されることとなる大当り状態の終了後に、前記始動口を第一状態に変移させるか否かを決定する入球率向上状態付与決定手段と、
前記遊技領域内に設けられ、大当り状態が付与された場合に開放されて遊技球が入賞可能となる大入賞口と、
を備え、
前記大当り状態は、前記大入賞口が開放されてから閉鎖されるまでを1回とするラウンドが1回もしくは複数回繰り返しておこなわれるラウンド遊技であって、かつ前記ラウンド数が多いもしくは1回のラウンドにおける前記大入賞口の開放時間が長い第一大当り状態、または、前記ラウンド遊技であって、前記ラウンド数が少ないもしくは1回のラウンドにおける前記大入賞口の開放時間が短い第二大当り状態が、遊技者に選択的に付与され、
前記第一および第二大当り状態中には前記始動口が第二状態をとる遊技機であって、
前記遊技機の状態が前記大当り状態であるか否かを判定する大当り状態判定手段と、
入球率向上状態判定手段による判定結果に基づく始動口の状態及び大当り状態判定手段による判定結果に基づく遊技機の状態に応じた所定の情報信号を生成する情報信号生成手段と、
前記所定の情報信号を前記遊技機の外部に出力するための外部情報出力基板と、を備えるとともに、
前記情報信号生成手段が、
(i)大当り状態判定手段により判定された前記遊技機の状態が前記第一大当り状態である場合、及び、
(ii)大当り状態判定手段により判定された前記遊技機の状態が前記第二大当り状態である場合であって、かつ、遊技機の状態がその第二大当り状態の終了後に前記始動口が第一状態をとることが入球率向上状態付与決定手段によって決定されている第二大当り状態にある場合、並びに、
(iii)入球率向上状態判定手段により判定された前記始動口の状態が第一状態である場合、のいずれかの場合に該当するときには、前記所定の情報信号を生成し、
(iv)大当り状態判定手段により判定された前記遊技機の状態が前記第二大当り状態である場合であって、かつ、遊技機の状態がその第二大当り状態の終了後に前記始動口が第二状態をとることが入球率向上状態付与決定手段によって決定されている第二大当り状態にある場合には、前記所定の情報信号を生成しない、ことを特徴とする遊技機;
(2)入球率向上状態判定手段の判定結果に基づいて、前記始動口が第一状態にあることを示す第1信号を生成する第1信号生成手段を、更に備え、
外部情報出力基板は、前記所定の情報信号を前記遊技機の外部に出力するための端子を備えるとともに、前記生成された第1信号を遊技機の外部に出力するため第1端子を更に備える、上記(1)に記載の遊技機;
(3)大当り状態判定手段の判定結果に基づいて、前記遊技機が大当り状態にあることを示す第2信号を生成する第2信号生成手段を、更に備え、
外部情報出力基板は、前記所定の情報信号を前記遊技機の外部に出力するための端子を備えるとともに、前記生成された第2信号を遊技機の外部に出力するため第2端子を更に備えており、
前記第2信号生成手段が、
(i)前記遊技機が前記第一大当り状態にある場合、および
(ii)前記遊技機が前記第二大当り状態にある場合であって、かつ、その終了後に前記始動口が第一状態をとることが入球率向上状態付与決定手段によって決定されている第二大当り状態にある場合、には前記第2信号を生成し、
(iii)前記遊技機が前記第二大当り状態にある場合であって、かつ、その終了後に前記始動口が第二状態をとることが入球率向上状態付与決定手段によって決定されている第二大当り状態にある場合には前記第2信号を生成しない、ことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の遊技機;
を要旨とする。
また、
(4)第2信号生成手段が、
前記遊技機が、始動口が第一状態にあるときに行われた前記抽選に当選したことによって付与された前記第二大当り状態にある場合であって、かつ、その終了後に前記始動口が第二状態をとることが入球率向上状態付与決定手段によって決定されている第二大当り状態にある場合には、前記第2信号を生成する上記(3)に記載の遊技機;
(5)第2信号生成手段が、
前記遊技機が、始動口が第一状態にあるときに行われた前記抽選に当選したことによって付与された前記第二大当り状態にある場合であって、かつ、その終了後に前記始動口が第二状態をとることが入球率向上状態付与決定手段によって決定されている第二大当り状態にある場合には、前記第2信号を生成しない上記(3)に記載の遊技機;
によっても上記本発明の目的を達成することができる。
本発明の遊技機によれば、ホールコンピュータによるベース管理の上で有益な第一大当り状態と、大当りの前後で時短状態が継続される第二大当り状態については、遊技機が所定の情報信号を管理装置であるホールコンピュータなどの外部機器に出力することができるようになる。また、当選した第二大当り状態であってその終了後に時短状態が付与されないものについては情報信号を出力しないことによって、ベース管理の上で無用な信号を外部に出力する必要がなくなる。
パチンコ機10の機表側の模式図である。 パチンコ機10の遊技盤103の正面図である。 パチンコ機10の機裏側の模式図である。 外部情報出力基板50に関する図3の拡大図である。 パチンコ機10の電気的接続を示すブロック図である。 パチンコ機10の制御構成を示すブロック図である。 扉開放信号が出力される様子を示すタイミングチャートである。 賞球信号が出力される様子を示すタイミングチャートである。 始動口信号が出力される様子を示すタイミングチャートである。 図柄確定回数信号が出力される様子を示すタイミングチャートである。 第一実施形態にかかるパチンコ機10の(a):役物連続作動装置、(b):第1信号(時短信号)、(c):第2信号(大当り信号α)、(d):大当り信号βのそれぞれタイミングチャート、(e):それらの時刻列である。 第一実施形態にかかるパチンコ機10の(a):役物連続作動装置、(b):特別電動役物、(c):第2信号(大当り信号α)、(d):小当り信号のそれぞれタイミングチャート、(e):それらの時刻列である。 第二実施形態にかかるパチンコ機10の(a):役物連続作動装置、(b):第1信号(時短信号)、(c):第2信号(大当り信号α)、(d):大当り信号βのそれぞれタイミングチャート、(e):それらの時刻列である。 第三実施形態にかかるパチンコ機10の(a):役物連続作動装置、(b):第1信号(時短信号)、(c):第2信号(大当り信号α)、(d):大当り信号βのそれぞれタイミングチャート、(e):それらの時刻列である。
本発明の遊技機としてパチンコ遊技機(以下、パチンコ機という。)を例にとり、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて具体的に説明する。ただし本発明の遊技機としてはパチンコ機のほか、アレンジボール機等であってもよい。
以下、パチンコ機の全体的な機器構成と制御構成について概説した後、本発明においてさらに特徴的な特別図柄当りおよび情報信号の出力について説明する。
<パチンコ機の機器構成について>
図1はパチンコ機10の機表側の模式図、図2は多数の釘によって遊技球の流れに変化を与えつつこれを転動させる経路が形成された遊技盤103の正面図である。また図3はパチンコ機10の機裏側の模式図、図4は外部情報出力基板50に関する図3の拡大図である。図5は、パチンコ機10を構成する各機器の電気的接続を示すブロック図である。
なお、以下の説明において機表側とは遊技者がパチンコ機10に対面する側、機裏側とはその裏面側をいう。
縦長矩形状の機体の外郭をなす外枠101の開口前面側には、各種構成部材を装着する中枠102が開閉自在に組み付けられている。中枠102の前面側には、機内を透視可能に保護する保護ガラス等が装着された前枠104と、上球皿105がそれぞれ横開きに開閉可能に組み付けられている。前枠104を通じて視認される遊技盤103は中枠102に装着される。遊技中には原則として外枠101、中枠102および前枠104は施錠装置110によって互いに閉止されており、例えば不正に遊技球を得ようとする遊技者によって前枠104が開放された場合などには、後述のように扉開放検知スイッチ154から扉開放信号が外部情報出力基板50に出力され、該信号がホールコンピュータ70へと送られることとなる。
前枠104の前面側や遊技盤103の遊技領域113には、LEDの点灯または点滅などにより発光演出を行う装飾ランプ(枠用ランプ115,盤用ランプ116)が設けられている。外枠101の下部などには、各種音声を出力して音声演出を行うスピーカ117が収納されている。中枠102の下部には、上球皿105から溢れた遊技球の受け皿である下球皿108と、遊技領域113に遊技球を発射する弾球装置119が装着されている。
パチンコ機10の機内に配設された遊技盤103には、その盤面に略円形状に湾曲形成したレール141が配設されて、該レール141の内部に遊技領域113が画成されている。そして弾球装置119を操作することにより、上球皿105に貯留されている遊技球がレール141に沿って遊技領域113に打ち出され、該遊技領域113内を転動流下する。
遊技盤103の遊技領域113の略中央には、液晶ディスプレイ型のゲーム表示手段としての演出表示装置140を備えた装飾部材としてのセンター役物120が設けられ、各種の装飾部品により遊技盤103を装飾するとともに、変動画像または画像表示に基づく各種の表示演出、特に複数種類の演出図柄を変動させて表示する演出図柄変動演出や発光演出、および変動する図柄を組み合わせる図柄組合せゲームが行われる。
センター役物120の内側下部にはステージ128が形成され、その上で左右に揺動した遊技球は、ステージに設けられた複数の球出口から再び遊技領域113へと誘導される。この複数の球出口のうち少なくとも一つの球出口へと誘導された遊技球は、ステージ下方に開口形成された特別図柄始動入賞装置(始動口)20へ入賞しやすくなっている。
図2に示すように、本実施形態のパチンコ機10では、始動口は上下に二つ設けられている。上側の始動口(上始動口)20aには、ステージ128の球出口から落下した遊技球と、ステージ128を経由せずに遊技領域113を転動流下してきた遊技球が常に入賞可能となっている。また、下側の始動口(下始動口)20bは普通電動役物ソレノイド221によって開閉羽根22が開放されることによって入賞可能となる。
上始動口20aおよび下始動口20bの内部裏面側には、入賞した遊技球を電磁的に検知する特別図柄始動入賞検知手段としての始動口スイッチ21(上始動口スイッチ21aおよび下始動口スイッチ21b)が設けられている(図6を参照)。始動口スイッチ21にて検出された遊技球は、遊技盤103の奥方で合流し、図示しない機外排出経路を介してパチンコ機10の機外へと排出される。また始動口スイッチ21が遊技球を検知したことを契機として、演出表示装置140では図柄組合せゲームが行われ、例えば「777」などの組み合わせが揃った場合には、遊技者に有利な大当り遊技状態が付与される。演出表示装置140で実行される演出表示は、後述するように演出表示制御基板18(図6を参照)によって制御される。
遊技盤103には、遊技者が視認できる位置に特別図柄表示装置130が設けられている。始動口スイッチ21が遊技球の入賞を検知すると、演出表示装置140による図柄組合せゲームの開始と同時に、特別図柄表示装置130においては特別図柄変動ゲームが開始され、所定時間の演出動作の後、演出図柄の確定停止と同時に、特別図柄も所定の表示パターンにて停止表示される。特別図柄表示装置130における特別図柄の変動表示および停止表示は、後述するようにメインCPU26a,メインROM26bおよびメインRAM26cを備える主制御基板16によって制御される。そして特別図柄の停止表示パターンが、予め設定された大当りパターンと一致すると、遊技者には大当り状態が付与される。
遊技盤103には、役物連続作動装置の作動により連続的な開閉動作が可能な特別電動役物の例として、大入賞口ソレノイド231に開閉駆動される大入賞口扉23を備えた大入賞口24が配設されている。大入賞口24の内部には、大入賞口24への遊技球の入賞を検知するカウントスイッチ25が設けられている。
大当り遊技状態が付与されると、大入賞口扉23は大入賞口ソレノイド231を連続駆動させて大入賞口24を所定時間、所定ラウンド数にわたって開放し遊技球がこれに入賞可能となるため、遊技者は多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。このほか小当り遊技状態として、役物連続作動装置は停止したまま、大入賞口ソレノイド231によって大入賞口扉23を一回または複数回にわたり単発的に開閉駆動し、遊技球を大入賞口24に入賞可能とすることもできる。
本発明および具体的実施形態にかかるパチンコ機10における大当り状態は、大入賞口24が開放されてから閉鎖されるまでを1回とするラウンドが1回または複数回繰り返しておこなわれるラウンド遊技として付与される。
また大当り状態は複数種類が用意されており、ラウンド数がより多い、および/または1回のラウンド数における大入賞口24の開放時間がより長い第一大当り状態と、逆にランド数がより少ない、および/または1回のラウンド数における大入賞口24の開放時間がより短い第二大当り状態とが存在する。
本発明の遊技機においては、後述のように第一大当り状態および第二大当り状態としてそれぞれさらに複数種類の態様により大入賞口24が開放される異なる大当りとして用意されていてもよい。
また大入賞口24は、大当り状態に落選した場合に所定確率で当選する小当り状態が遊技者に付与された場合にも開放されて遊技球の入賞が可能となる。
小当り状態とは、その当選により役物連続作動装置は作動せず、大入賞口24などの入賞口が1回または複数回単発的に開放されて遊技球が入賞可能になるとともに、当該当選によってパチンコ機10が通常状態から時短状態に移行したり、逆に時短状態から通常状態に移行したりすることのない遊技機の状態をいう。
本実施形態のパチンコ機10における小当り状態は、上記第二大当り状態において大入賞口24が開放されるのと同様の開放時間およびラウンド数にて行われる。
なお本発明において小当り状態と第二大当り状態のラウンド遊技とで大入賞口24の開放態様が同様であるとは、本実施形態のように大入賞口24の開放時間と開放回数がまったく同一である場合のほか、遊技者にとって両者の開放態様が容易に識別できない場合や、大入賞口24への遊技球の入賞によって獲得される賞球数の期待値の差がベース管理の上で実質的に差異を生じない程度である場合を含む。
本実施形態のパチンコ機10においては、大入賞口24として、遊技盤103の上方に設けられた上大入賞口24aと、下始動口20bの下方に設けられた下大入賞口24bが設けられており、それぞれの大入賞口(24a,24b)に上記大入賞口扉23、大入賞口ソレノイド231およびカウントスイッチ25が設けられている。
主制御基板16による大当り抽選や小当り抽選に当選すると、遊技者に付与される大当り状態または小当り状態に応じていずれの大入賞口(24a,24b)が開放されるかが主制御基板16によって決定されると、サブ統括制御基板17によって駆動される大入賞口ソレノイド231により、該当する大入賞口の大入賞口扉23が開放されて遊技球が入賞可能となる。
下始動口20bの左右には、アクチュエータ(図示せず)の作動によって揺動する一対の開閉羽根22が設けられており、開閉羽根22の上側を開放して逆ハの字状とすることで遊技球は始動口20bに入賞しやすくなり、逆に上側を閉めてハの字状にすることで始動口20bへの入賞が不可能となる。
開閉羽根22の開放動作は、遊技領域113に設置された普通図柄始動装置(ゲート)125を遊技球が通過したことを契機として行われる。ゲート125は、遊技球がその内部を通過したことを電磁的に検知する普通図柄検知スイッチ126を普通図柄始動検知手段として備えており、遊技球がゲート125を通過すると、パチンコ機10の内部では普通図柄表示制御手段によって抽選がおこなわれ、これに当選した場合は所定時間にわたって開閉羽根22が開放される。
一方、遊技盤103には、遊技者が視認できる位置に普通図柄表示装置135が設けられている。
遊技球がゲート125を通過したことを普通図柄検知スイッチが検知すると、主制御基板16にて普通図柄の当選または落選を決定する普通図柄抽選が行われる。普通図柄抽選の当落結果に応じて、普通図柄表示装置135では普通図柄の変動表示(普通図柄変動ゲーム)が行われた後、所定の表示パターンにて停止表示がなされる。抽選結果が当選であった場合は、開閉羽根22が開放状態となって始動口20bへの遊技球の入賞確率が上昇する。普通図柄変動ゲーム中に他の遊技球がゲート125を通過した場合は、当該通過を示す信号を後述するメインRAMに記憶することで、これを保留球(普通図柄始動保留球)としてストックする。当該保留球は最大4個までストックされることが一般的である。
遊技者に時短状態が付与された場合(パチンコ機10が時短状態である場合)には、遊技球が下始動口20bに入球する確率を向上させるべく、普通図柄抽選の当選確率が向上し、または当該抽選の結果開放される開閉羽根22の開閉回数の増大や開放時間の延長が図られる。また普通図柄変動ゲーム中に他の遊技球がゲート125を多数通過して普通図柄始動保留球が最大ストック数(例えば4個)を超えてしまうことのないよう、時短状態中には普通図柄変動ゲームの変動時間を短縮させて、普通図柄抽選の機会が増大するようにしている。
次に、図3に示すパチンコ機10の機裏側の構成を説明する。中枠102の裏側上部には、遊技場の島設備から供給される遊技球を貯留可能な貯留部材としての球タンク151が装着されている。島設備は、パチンコ機10に対して遊技球を供給する機能と、パチンコ遊技機から排出された遊技球を回収する機構とからなる遊技球循環機構を装備し、該遊技球循環機構により遊技球を供給するとともに回収して循環させるようになっている。また島設備には、パチンコ機10ごとに大当り回数を表示する表示装置や、大当り状態や時短状態が付与されていること発光演出するラッキーランプ60などが設置されている。
中枠102の裏側であって図3における右側方には、球タンク151内の遊技球を上球皿105に向けて払い出す際に遊技球を案内する通路が形成された樋部材152が装着されている。また中枠102の裏側には、外部出力装置としての外部情報出力基板50が装着されている。外部情報出力基板50は、遊技場に設置された各パチンコ機の動作状態を管理するために遊技場の管理室などに設置される管理装置としてのホールコンピュータ70に接続する基板であり、ホールコンピュータ70やラッキーランプ60に対して各種の遊技情報を出力する。
本発明およびその具体的実施形態にかかるパチンコ機10において外部情報出力基板50より出力される情報信号については後記に詳述する。
中枠102の裏側下部には、主制御基板ケース16Kの内部に主制御基板16が取り付けられ、その下部には電源基板155を内部に装備した電源基板ケース155Kと、払出制御基板156を内部に装備した払出制御基板ケース156Kが装着されている。また、中枠102の裏側下部であって主制御基板ケース16Kの下部には、発射制御基板157を内部に装備した発射制御基板ケース157Kが装着されているとともに、主制御中継端子板158と遊技球等貸出装置接続端子板159とが装着されている。
電源基板155は、電源スイッチ155bと、島設備の電源に接続される電源コード155cとを有し、パチンコ機10の各種制御基板や各種演出装置に対して電源を供給する。
払出制御基板156は、遊技球を払い出す払出ユニット161の動作を制御する払出制御装置として機能し、賞球または貸し球として払い出す遊技球の払い出しに関する払出制御を実行する。発射制御基板157は、弾球装置119の操作状態を検知し、その検知結果に応じて遊技球の発射強度などの発射制御を実行する。主制御中継端子板158は、電源基板155、払出制御基板156および発射制御基板157と主制御基板16との間に接続される基板である。主制御中継端子板158は、各基板間で送受信される制御信号(制御コマンド)を中継する機能を有し、主制御基板16と、電源基板155、払出制御基板156および発射制御基板157との間の制御信号(制御コマンド)の送受信を中継する。
払出制御基板156には、払出確認スイッチ168と、エラー検出手段としての満杯スイッチ169とが接続されている。満杯スイッチ169は、上球皿105と下球皿108とを連結する溢れ球通路(図示せず)の途中に設置されている。パチンコ機10は、下球皿108の満杯状態を満杯スイッチ169で検出し、遊技者に遊技球の外部排出を促す制御(満杯状態の報知など)を実行するように構成されている。
遊技球等貸出装置接続端子板159は、カードユニット装置163と、球貸し操作基板164と、払出制御基板156とを接続する基板である。
払出ユニット161は、球タンク151に貯留された遊技球を上球皿105または下球皿108に払い出す装置であり、遊技球の払出数をカウントする払出計数センサ161aと、樋部材152に滞留する遊技球を所定数ずつ排出する払出ソレノイド161bと、これを駆動制御する払出制御センサ161cとを備えている。
遊技盤103の裏面側左上部であって主制御基板ケース16Kの上部には、サブ統括制御基板17および音声・ランプ制御基板19を内部に装備したサブ統括制御基板ケース17Kが装着されている。本実施形態においてサブ統括制御基板17と音声・ランプ制御基板19は一体成形されている。
サブ統括制御基板17は、主制御基板16が出力する制御信号が入力され、演出表示装置140、枠用ランプ115、盤用ランプ116、およびスピーカ117などの演出装置を統括的に制御するための制御信号を、演出表示制御基板18や音声・ランプ制御基板19に出力する。
音声・ランプ制御基板19は、主制御基板16およびサブ統括制御基板17の出力する制御信号に基づき、枠用ランプ115や盤用ランプ116の発光態様と、スピーカ117の音声出力態様を専門的に制御するサブ基板である。
遊技盤103の裏面側中央部であって主制御基板ケース16Kの上部には、演出表示装置140および演出表示制御基板18などを装備した演出表示ユニット165が装着されている。
演出表示制御基板18は、主制御基板16およびサブ統括制御基板17の出力する制御信号に基づき、演出表示装置140の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像)を専門的に制御するサブ基板である。また、サブ統括制御基板ケース17Kおよび演出表示ユニット165の機表側には、特別図柄表示装置130および普通図柄表示装置135に対応する位置に、図柄表示基板167が装着されている。
図柄表示基板167は、主制御基板16の出力する制御信号に基づき、特別図柄表示装置130および普通図柄表示装置135の表示態様(図柄などの表示画像)を専門的に制御するサブ基板である。
また主制御基板16には賞球残数表示基板170が接続されており、主制御基板16が出力する制御信号を入力することにより賞球残数表示装置171の表示内容を制御している。
<パチンコ機の制御構成について>
次に、パチンコ機10の制御構成を図6のブロック図に基づき説明する。
主制御基板16は、メインCPU26a、メインROM26b、メインRAM26c、およびこれらを接続する主制御回路を備え、遊技機全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。
メインCPU26aは各種乱数の値を所定の周期毎に更新している。
乱数としては、(a)普通図柄変動ゲームでの当否を判定する当り判定用乱数、(b)特別図柄変動ゲームでの大当りまたは小当りの当否を判定する特別図柄当り判定用乱数、(c)大当り当選の際に特別図柄表示装置130で停止表示される特別図柄を決定する大当り図柄用乱数、(d)小当り当選の際に特別図柄表示装置130で停止表示される特別図柄を決定する小当り図柄用乱数、(e)上記(a)〜(d)の内部抽選に偏りが生じないよう乱数の初期値を経時的に変化させるための各初期値用乱数、(f)特別図柄変動ゲームの抽選に外れた場合に演出表示装置140で行われる演出図柄の変動表示演出において、大当りの当選を予感させるいわゆるリーチ状態を伴うか否かを判定するリーチ判定用乱数、(g)特別図柄表示装置130における特別図柄変動ゲームの開始から停止までの時間を示す変動パターンを選択抽選する変動パターン振分乱数、などが例示される。
当り判定用乱数(a)は、遊技球がゲート125を通過したことを普通図柄検知スイッチ126が電磁的に検知した場合に、該スイッチより主制御基板16に送られる検知信号をメインCPU26aが知得することによって取得される。
特別図柄当り判定用乱数(b)、大当り図柄用乱数(c)および小当り図柄用乱数(d)は、遊技球が上始動口20aまたは下始動口20bに入球したことをそれぞれ上始動口スイッチ21aや下始動口スイッチ21bが検知した場合に該スイッチより主制御基板16に送られる検知信号をメインCPU26aが知得することによって取得される。
メインROM26bには、パチンコ機10を制御するためのメイン制御プログラム、特別図柄の変動表示パターンや停止表示パターン、取得された各乱数が当選であるか否かが対比判断される大当り判定値または小当り判定値、リーチ判定値などが記憶されている。
メインRAM26cには、パチンコ機10が時短状態(第一状態)であるか、または通常状態(第二状態)であるかを示す時短状態フラグや、始動保留球の記憶数(保留記憶数)など、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数の値など)が記憶(設定)される。
すなわちメインRAM26cおよびこれから時短状態フラグを読み出すメインCPU26aは、始動口20の状態が時短状態(第一状態)または通常状態(第二状態)のいずれであるかを判定する入球率向上状態判定手段として機能する。
始動口20に遊技球が入球し、それぞれの備える始動口スイッチ21からの検知信号がメインCPU26aに入力されると、メインRAM26cに記憶(設定)されている保留記憶数が予め定められた上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。この判定結果が肯定(上限数未満である)の場合、メインCPU26aは、保留記憶数を1加算(+1)し、書き換える。また、メインCPU26aは、特別図柄当り判定用乱数(b)、大当り図柄用乱数(c)および小当り図柄用乱数(d)の値をメインRAM26cから読み出し、メインRAM26cの所定の格納領域に順次格納(記憶)する。保留記憶数は、保留中の変動表示演出の実行回数を示すものである。メインCPU26aは、特別図柄および演出図柄の変動表示演出の開始時に保留記憶数を1減算(−1)し、書き換える。
メインCPU26aは、変動表示の開始直前に、メインRAM26cに格納されている前記特別図柄当り判定用乱数(b)の値とメインROM26bに記憶されている当り判定値とを比較して大当り抽選を行い、大当り当選、小当り当選、または落選のいずれであるかを判定する。
すなわちメインCPU26aおよびこれを備える主制御基板16は、遊技球が始動口20に入球したことを契機として、遊技者に大当り状態を付与するか否かを決定する大当り抽選をおこなう大当り抽選手段として機能する。
そして、メインCPU26aは、当り判定の判定結果が肯定(特別図柄当り判定用乱数の値と大当り判定値または小当り判定値とが一致)の場合、それぞれ大当りまたは小当り(以下、あわせて「特別図柄当り」という場合がある。)を決定する。特別図柄当りを決定したメインCPU26aは、特別図柄当り判定用乱数(b)の値とともにメインRAM26cに記憶した大当り図柄用乱数(c)または小当り図柄用乱数(d)の値を読み出し、該値に予め対応付けられた演出図柄を当り図柄として決定する。当り図柄は、最終的に演出表示装置140にて確定停止表示される当りの図柄組み合わせ(最終的な大当り表示結果または小当り表示結果)を形成する図柄である。また大当り当選の場合、メインCPU26aは、変動パターン振分乱数(g)の値を読み出し、該値に基づき大当り演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する。
特別図柄当りが発生した場合、メインCPU26aは、メインRAM26cに格納された時短状態フラグの値に基づいて、当選した大当り状態または小当り状態の終了後に時短状態や確変状態が付与されるか否かを決定する。
このとき、特に大当り状態の終了後にパチンコ機10に時短状態を付与するか否かの決定は、大当り当選の契機となった遊技球が始動口20に入球したときのパチンコ機10の状態(時短状態または通常状態)と、大当り図柄用乱数(c)の取得値に基づいて決定されることが好ましい。
すなわちメインCPU26aおよびこれを備える主制御基板16は、大当り抽選に当選した場合に、入球率向上状態判定手段による時短状態または通常状態の判定結果に基づいて、付与されることとなる大当り状態の終了後に、始動口20を第一状態に変移させるか否かを決定する入球率向上状態付与決定手段として機能する。
パチンコ機10に時短状態が付与される場合は、当該特別図柄当りの終了後に、当り判定用乱数(a)の当選確率を向上させるなどしてパチンコ機10を第一状態に変移させる。また確変状態が付与された場合は、当該特別図柄当りの終了後に特別図柄当り判定用乱数(b)の当選確率を向上させる。
メインCPU26aは、特別図柄当り判定の判定結果が否定(特別図柄当り判定用乱数(b)の値が、大当り判定値とも小当り判定値とも不一致)の場合、リーチ判定用乱数(f)の値をメインRAM26cから読み出し、該値とメインROM26bに記憶されているリーチ判定値とを比較してリーチか否か(演出図柄の変動表示においてリーチ演出を行うか否か)を判定(リーチ判定)する。そして、メインCPU26aは、リーチ判定の判定結果が肯定(リーチ判定用乱数(f)の値とリーチ判定値とが一致)の場合、リーチを決定する。
また、メインCPU26aは、変動パターン振分乱数(g)の値を読み出し、該値に基づきはずれリーチ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する。なお、はずれリーチ演出は、演出図柄変動表示が、リーチ演出を経て最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示するように展開される演出である。
また、メインCPU26aは、特別図柄当り判定の判定結果が否定であって、さらにリーチ判定の判定結果が否定(リーチ判定用乱数(f)の値とリーチ判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。はずれ図柄は、リーチを形成せずに、最終的に演出表示装置140にて確定停止表示されるはずれの図柄組み合わせを形成する図柄である。
また、メインCPU26aは変動パターン振分乱数(g)の値を読み出し、該値に基づきはずれ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する。はずれ演出は、図柄変動表示が、リーチ演出を経ることなく、最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示するように展開される演出である。
図柄および変動パターンを決定したメインCPU26aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板17の統括CPU27aに出力する。具体的に言えば、メインCPU26aは統括CPU27aに対し、最初に変動パターンを指示するとともに、図柄変動表示演出の開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力する。次にメインCPU26aは、図柄を示す図柄指定コマンドを出力する。その後、メインCPU26aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、図柄の停止(確定停止表示)を指示する図柄停止コマンドを出力する。
サブ統括制御基板17には、統括CPU27a、統括ROM27bおよび統括RAM27cとこれらを接続するサブ統括制御回路が設けられている。統括ROM27bには主に演出内容を決定するためのプログラムが記憶されている。統括CPU27aは主制御基板16から入力される各種コマンドに基づいて演出内容を決定する。統括RAM27cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数の値など)が記憶(設定)される。
具体的には、主制御基板16から変動パターンコマンドと図柄指定コマンドが入力されると、変動パターンに基づいて演出表示装置140における演出パターンや演出図柄を決定する。例えば、主制御基板16から入力された変動パターンがリーチを示す変動パターンであった場合、統括CPU27aは、リーチ図柄を決定すると共に、複数ある演出パターンのうちからいずれを演出表示装置140に表示させるかを決定する。そして、決定した内容を示すコマンドを生成して演出表示制御基板18に対して該コマンドを出力する。
演出表示制御基板18は、サブ統括制御基板17から与えられた乱数値や時刻情報などに基づいて演出表示装置140の表示内容(図柄、背景、文字、キャラクタなどの表示画像)を制御する。
演出表示制御基板18には、演出表示制御CPU28a、演出表示制御ROM28b、演出表示制御RAM28cのほか、図示しない演出表示データROM、演出表示データRAM、およびこれらを接続する演出表示制御回路などが設けられている。演出表示制御ROM28bには、演出表示装置140の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、演出表示データROMには、演出データとしての画像データが記憶されている。画像データには、図柄変動表示の演出内容を演出表示装置140に画像表示するための動画像用のデータを含む。また、演出データRAMには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
音声・ランプ制御基板19には、音声・ランプ制御CPU29a、音声・ランプ制御ROM29b、音声・ランプ制御RAM29cのほか、図示しない音声・ランプデータROM、音声・ランプデータRAM、およびこれらを接続する音声・ランプ制御回路などが設けられている。音声・ランプ制御ROM29bには枠用ランプ115または盤用ランプ116の発光態様を制御するための発光制御プログラムや、スピーカ117の出力音声を制御するための音声制御プログラムが記憶されている。また音声・ランプデータROMには演出データとしての音声データが記憶されている。
<特別図柄当りについて>
本実施形態のパチンコ機10においては、第一大当り状態として以下の大当りi〜iv、第二大当り状態として大当りvとvi、および小当り状態として小当りviiが用意されている。
(大当りi)付与されるラウンド遊技のラウンド数が多く(例えば15ラウンド)、各ラウンドでは下大入賞口24bが、(1)遊技球が所定数(例えば9個)入賞するか、または(2)比較的長時間(例えば25秒間)が経過するまで継続して開放され、かつ当該大当り遊技状態の終了後、次の大当り判定に当選するまで確変状態と時短状態がともに付与される大当り;
(大当りii)付与されるラウンド遊技のラウンド数が多く(例えば16ラウンド)、各ラウンドでは上大入賞口24aが、(1)遊技球が所定数(例えば9個)入賞するか、または(2)比較的短時間(例えば2.6秒間)の開放が3回まで繰り返され、かつ当該大当り遊技状態の終了後、次の大当り判定に当選するまで確変状態と時短状態がともに付与される大当り;
(大当りiii)付与されるラウンド遊技のラウンド数が多く(例えば16ラウンド)、各ラウンドでは上大入賞口24aが、(1)遊技球が所定数(例えば9個)入賞するか、または(2)比較的短時間(例えば2.6秒間)の開放が2回まで繰り返され、かつ当該大当り遊技状態の終了後、次の大当り判定に当選するまで確変状態と時短状態がともに付与される大当り;
(大当りiv)付与されるラウンド遊技のラウンド数が多く(例えば16ラウンド)、各ラウンドでは上大入賞口24aが、(1)遊技球が所定数(例えば9個)入賞するか、または(2)比較的短時間(例えば2.6秒間)の開放が1回のみおこなわれ、かつ当該大当り遊技状態の終了後、次の大当り判定に当選するまで確変状態と時短状態がともに付与される大当り;
(大当りv)付与されるラウンド遊技のラウンド数が少なく(例えば2ラウンド)、各ラウンドでは上大入賞口24aが、(1)遊技球が所定数(例えば9個)入賞するか、または(2)ごく短時間(例えば0.6秒間)の開放が1回のみおこなわれ、かつ当該大当り遊技状態の終了後、次の大当り判定に当選するまで確変状態が付与される大当り;
(大当りvi)付与されるラウンド遊技のラウンド数が少なく(例えば2ラウンド)、各ラウンドでは上大入賞口24aが、(1)遊技球が所定数(例えば9個)入賞するか、または(2)ごく短時間(例えば0.6秒間)の開放が1回のみおこなわれ、かつ当該大当り遊技状態の終了後に確変状態が付与されない大当り;
(小当りvii)付与されるラウンド遊技のラウンド数が少なく(例えば1ラウンド)、当該ラウンドでは上大入賞口24aが、(1)遊技球が所定数(例えば9個)入賞するか、または(2)ごく短時間(例えば0.6秒間)の開放が2回まで繰り返される小当り;
特別図柄当りは、パチンコ機10が確変状態にある場合に数十分の1程度、低確率状態にある場合に数百分の1程度であることが一般的である。またかかる特別図柄当りのうち、上記大当りi〜viまたは小当りviiのいずれが当選するかについては、それぞれ等しい確率としても、いずれかに重率を掛けてもよい。本実施形態のパチンコ機10においては、大当りi〜ivの第一大当り状態:大当りv:大当りvi:小当りvii=7:1:2:1の当選確率としている。
上記いずれの特別図柄当りが当選した場合についても、当該当り状態の最中にパチンコ機10は、始動口20に遊技球がより入球しにくい通常状態(第二状態)をとる。
すなわち当該当選の契機となった遊技球の始動口20への入賞の際にパチンコ機10が時短状態であった場合も、これらの特別図柄当り状態の際にパチンコ機10は通常状態に変移する。
なお大当りvおよびviについては、その終了後に以下の条件で時短状態が付与される。
パチンコ機10が時短状態にある場合に始動口20に遊技球が入球したことによって取得された特別図柄当り判定用乱数(b)が大当りvまたはviに該当する大当り判定値と一致したことによって当該大当りvまたはviに当選した場合は、当該大当りvまたはviの終了後に、次の大当り判定に当選するまでの時短状態が付与され、すなわち当該大当りvまたはviの当選によって時短状態が継続される。
一方、パチンコ機10が通常状態にある場合に同じく当該大当りvまたはviに当選した場合は、当該大当りvまたはviの終了後に、100回の特別図柄変動ゲームが実行されるまで時短状態が付与される。
パチンコ機10においては、単位時間あたりの遊技球の発射数量が決められている。本実施形態のパチンコ機10においては、均等間隔で1分間に100個としている。ここで、上記小当りviiおよび第二大当り状態v,viにおけるラウンドあたりの大入賞口24の最大開放時間(第二大当り状態の場合は例えば0.6秒間、小当りの場合は例えば1.2秒間)と、大入賞口24の上記閉鎖条件(1)である上記所定数(例えば9個)との関係としては、上記所定数が、当該開放時間内に発射される遊技球数よりも多く、好ましくはその2倍以上、さらに好ましくは4倍以上であるとよい。本実施形態のパチンコ機10の場合、遊技球の発射間隔は0.6秒/個であるため、第二大当り状態の各ラウンドにおける大入賞口24の開放時間内に発射される遊技球は1個、小当り状態においては2個である。
したがってかかる関係とすることにより、弾球装置119より発射された遊技球が大入賞口24に至るまでの時間に揺らぎがあったとしても、小当りviiおよび第二大当り状態v,viにおいて開放された大入賞口24は、いずれも実質的に上記閉鎖条件(2)によって、すなわち上記最大開放時間の経過によって閉鎖されることとなる。
したがって本実施形態の小当りviiおよび第二大当り状態v,viでは、パチンコ機10の内部的にはラウンド数が1ラウンドまたは2ラウンドと異なり、役物連続作動装置が作動するか否かという相違があるものの、遊技者から見た大入賞口24の開閉態様としてはいずれも、大入賞口24のごく短時間(例えば0.6秒間)の開放が2回繰り返されるのみであって両者はまったく等しいものとなる。すなわち本実施形態のパチンコ機10は、第二大当り状態と小当り状態とで大入賞口24の開閉態様が同様である。
また小当りviiに関しては、その終了後に新たに時短状態も確変状態も付与されることはなく、したがって当該小当りviiの当選の契機となった始動口20への入球の瞬間にパチンコ機10が時短状態または確変状態であった場合は、当該時短状態または確変状態が小当りviiの終了後にも継続され、パチンコ機10が通常状態であった場合は小当りviiの終了後もパチンコ機10は通常状態をとる。
このため本実施形態のパチンコ機10においては、ひとたび発生した時短状態(第一状態)は、大当りviが当選し、その後に他の大当りに当選することなく特別図柄変動ゲームが100回消化されるまで消滅しない(第二状態に変移しない)こととなる。
このように大当り状態および小当り状態を設定することにより遊技者は、ラウンド数が明らかに多くまた大入賞口24の開放時間の明らかに長い第一大当り状態と、ラウンド数が明らかに少なくまた大入賞口24の開放時間の明らかに短い第二大当りまたは小当りとは、演出表示装置140や特別図柄表示装置130の表示態様によらずとも容易に判別することができる。
しかし、第二大当り状態である大当りvおよびviと、小当りviiとは大入賞口24の開放態様のみによってはいずれの当りであるかが遊技者には判別できないことから、そのいずれかが当選した際に遊技者の興趣は大いに喚起される。
すなわち本実施形態のパチンコ機10においては、これら三種の当り当選時における演出表示装置140の演出態様は互いに判別不可能に共通設定とされている。またこれら三種の当り当選時の停止表示パターンが互いに判別可能に設定されている特別図柄表示装置130は遊技盤103の比較的目立たない位置に設けられ、かつ停止表示パターンは大当りv,viおよび小当りviiについてそれぞれ複数通りに用意されている。したがって大入賞口24がごく短時間かつ僅かに2回開放されたことを知得して大当りv,viまたは小当りviiのいずれかが当選したことを知った遊技者は、その瞬間の特別図柄表示装置130の停止表示パターンを確認していずれの当りであったかを判別することはきわめて困難である。その一方、大当りvはその当選後にパチンコ機10が確変状態となって遊技者はきわめて有利な状態であるのに対し、大当りviの当選後にはパチンコ機10が低確率状態にあり遊技者の期待度は低くなるという大きな相違がある。したがって確変状態、時短状態とも当選前の状態を引き継ぐ小当りviiが当選した場合を含め、大当りv,viのいずれが当選した場合も、遊技者はパチンコ機10が確変状態となっていること(すなわち大当りvが当選したこと)を期待して遊技を行うことができる。
<情報信号の出力について>
図3および図4に示す外部情報出力基板50には、情報信号をそれぞれ出力する複数のコネクタ51〜58がパチンコ機10の背面側に向けて設けられている。このうちコネクタ57は島設備のラッキーランプ60と接続され、他のコネクタはホールコンピュータ70と接続される。
コネクタ51からは、前枠104が中枠102に対して、および/または中枠102が外枠101に対して開放状態にあることを示す扉開放信号を出力する。図7は扉開放信号が出力される様子を示すタイミングチャートである。島設備に固定された外枠101に対して中枠102が、または中枠102に対して前枠104が開放されることによって扉開放検知スイッチ154がオフとなると(同図(a):時刻A)、扉開放検知スイッチ154から主制御中継端子板158を介して主制御基板16に扉開放信号が送信され(同図(b):時刻A)、該信号は主制御基板16から外部情報出力基板50のコネクタ51を介してホールコンピュータ70に出力される。
一方、前枠104が中枠102に対して、および中枠102が外枠101に対してそれぞれ閉鎖されると扉開放検知スイッチ154は再びオンとなり(同図(a):時刻B)、扉開放検知スイッチ154から発せられる扉開放信号は停止される(同図(b):時刻B)。
コネクタ52からは、大入賞口24や始動口20またはその他の入賞口に遊技球が入賞したことによって払い出される賞球が所定数(例えば10個)となったことを示す賞球信号を出力する。図8は賞球信号が出力される様子を示すタイミングチャートである。賞球数は払出ユニット161の払出計数センサ161aによってカウントされ(同図(a))、これが所定数(例えば10個)となるごとに払出制御基板156から主制御中継端子板158を介して主制御基板16に賞球信号が送信され(同図(b):時刻A)、該信号が外部情報出力基板50のコネクタ52より出力される。所定時間にわたって賞球信号が出力されると該信号は停止される(同図(b):時刻B)。
コネクタ53からは、始動口20(上始動口20aまたは下始動口20b)に遊技球が入球したことを示す始動口信号を出力する。図9は始動口信号が出力される様子を示すタイミングチャートである。始動口20に遊技球が入球したことを始動口スイッチ21(上始動口スイッチ21aまたは下始動口スイッチ21b)が検知すると(同図(a):時刻A)、該スイッチは主制御基板16を介して外部情報出力基板50のコネクタ52より始動口信号を出力する(同図(b):時刻A,C)。該信号は所定時間にわたって出力された後に停止される(同図(b):時刻B,D)。また始動口20に遊技球が続けて入球した場合は、ホールコンピュータ70による出力信号が互いに重複したりノイズと判断されたりしないよう、始動口信号は互いに所定時間をあけて出力される(同図(b):時刻D〜E)。
コネクタ54からは、特別図柄表示装置130にて特別図柄が確定停止した回数を示す図柄確定回数信号を出力する。図10は図柄確定回数信号が出力される様子を示すタイミングチャートである。特別図柄表示装置130にて所定時間にわたる特別図柄変動ゲームが開始され(同図(a):時刻A)、該所定時間が経過すると、主制御基板16のメインCPU26aは特別図柄を所定のパターンにて確定停止させる信号を図柄表示基板167に出力するとともに(同図(a):時刻B)、主制御基板16は外部情報出力基板50のコネクタ54に図柄確定回数信号を出力する(同図(b):時刻B)。該信号は所定時間にわたって出力された後に停止される(同図(b):時刻C)。
なお、かかる図柄確定回数信号(同図(b))は、ホールコンピュータ70に出力してもよく、ラッキーランプ60に出力してもよく、または分岐ケーブル等を介してこれら両方に出力してもよい。
図11(a)は役物連続作動装置である大入賞口ソレノイド231が駆動されて大入賞口24が開放されたことを示すタイミングチャート、同図(b)はパチンコ機10が時短状態であることを示す第1信号(時短信号)のタイミングチャート、同図(c)はパチンコ機10が後記所定の条件を満たす大当り状態であることを示す第2信号(大当り信号α)のタイミングチャートである。また同図(d)は第1信号と第2信号の論理和、すなわち第1信号または第2信号の少なくともいずれかがオンであるときに出力される大当り信号βのタイミングチャートである。同図(e)は時刻列を表す。
外部情報出力基板50のコネクタ55からは第1信号が、コネクタ56からは第2信号(大当り信号α)が、コネクタ57からは大当り信号βが、それぞれ出力される。
通常状態(第二状態)であるパチンコ機10は、時刻Aにおいて第二大当りである大当りvまたはviが当選し、2ラウンドにわたり役物連続作動装置が作動する(同図(a):時刻A〜B)。通常状態で当選した大当りvまたはviは、その終了後に時短状態(第一状態)が付与されない(同図(b):時刻B)。
つぎに、通常状態(第二状態)でパチンコ機10は第一大当りである大当りi〜ivのいずれかが当選し、15ラウンドまたは16ラウンドにわたり役物連続作動装置が作動する(同図(a):時刻C)。大当りi〜ivは、いずれもその終了後に時短状態(第一状態)が付与されるため主制御基板16は外部情報出力基板50のコネクタ55に第1信号を送信する(同図(b):時刻D)。すなわち主制御基板16は、入球率向上状態判定手段を構成するメインCPU26aがメインRAM26cに格納された時短状態フラグを参照することでパチンコ機10が入球率向上状態にあるか否かを判定し、該判定結果に基づいて、始動口20が第一状態にあることを示す第1信号を生成する第1信号生成手段として機能する。
つぎに、時短状態(第一状態)でパチンコ機10では、第二大当りである大当りvが当選し(同図(a):時刻E)、大当り状態中ゆえ時短状態は一旦停止する(同図(b):時刻E〜F)。時短状態中に当選した大当りvの終了後は、再度時短状態が付与されるため、第1信号の出力が再開される(同図(b):時刻F)。
つぎに、パチンコ機10では第一大当りである大当りi〜ivのいずれかが当選し、15ラウンドまたは16ラウンドにわたり役物連続作動装置が作動する(同図(a):時刻G)。かかる大当り状態の間は時短状態が停止される(同図(b):時刻G〜H)。大当りi〜ivの終了後には時短状態が再度新たに付与されるため、主制御基板16はコネクタ55に第1信号を再度出力する(同図(b):時刻H)。
つぎに、時短状態のパチンコ機10では第二大当りである大当りviが当選し、2ラウンドにわたり役物連続作動装置が作動する(同図(a):時刻I〜J)。大当りviの間は時短状態が停止し(同図(b):時刻I〜J)、大当りviの終了後は100回の特別図柄変動ゲームが実行されるまで時短状態が付与され(同図(b):時刻J〜K)、その後、パチンコ機10は通常状態に変移する(同図(b):時刻K)。
本実施形態のパチンコ機10において、第2信号(大当り信号α)を出力するコネクタ56からは、通常状態(第二状態)中に当選した第二大当りがその終了後に時短状態(第一状態)を伴わないものである場合は第2信号を出力せず、時短状態中に当選した第二大当りがその終了後に再度の時短状態を伴うものである場合は、当該第二大当り遊技中に主制御基板16からコネクタ56に向けて第2信号を出力することを特徴とする。すなわち主制御基板16は、パチンコ機10の状態が大当り状態であるか否かを判定する大当り状態判定手段として機能し、あわせて、かかる大当り状態判定の結果に基づいて、パチンコ機10が大当り状態にあることを示す第2信号を生成する第2信号生成手段として機能する。
これにより、ホールコンピュータ70によるベース管理に実質的に不要な情報信号は出力されず、ホールコンピュータ70の負荷を軽減することができる。
具体的には、同図(c):時刻A〜Bに示すように通常状態中に当選してその終了後の時短状態を伴わない第二大当りである大当りvまたはviついては第2信号を出力せず、同図(c):時刻E〜Fに示すように時短状態中に当選してその終了後の時短状態を伴う第二大当りである大当りv、同じく同図(c):時刻I〜Jに示す大当りviについては第2信号を出力している。
またコネクタ56からは、同図(c):時刻C〜DおよびG〜Hに示すように、ホールコンピュータ70におけるベース管理に重要な情報となる第一大当り状態の発生に関しても第2信号を出力する。
このように、コネクタ55および56を通じて第1信号および第2信号をホールコンピュータ70に出力することにより、ホールコンピュータ70において両信号をOR条件で合成することにより、時短状態中に当選した第二大当り状態中の遊技を、時短状態中におけるはずれ遊技と読み替えてベースを算出することも可能である。特に本実施形態のパチンコ機10のように第二大当り状態の実行時間が高々1〜2秒程度であって当該大当り状態中に獲得が期待される賞球数が僅かである場合、当該第二大当り状態中の遊技をベース計算に算入してもしなくても実質的な差異は生じないことから、ホールコンピュータ70にあっては当該短時間を切り分けることなく一連の時短状態として扱うことが可能となり、その演算量を低減することができる。
コネクタ57から出力される大当り信号βは、第1信号と第2信号をOR条件で合成した信号である。したがって同図(d)に示すように本実施形態のパチンコ機10の場合、第一大当り状態が当選してから(時刻C)、大当りviが当選し(時刻I)、その終了後に付与される100回の特別図柄変動ゲームの消化による時短状態の終了(時刻K)まで、大当り信号βは絶えずコネクタ57に出力されることとなる。
本実施形態のコネクタ57には島設備のラッキーランプ60が接続される。大当り信号βが入力されたラッキーランプ60は電飾が点灯し、遊技者には当該パチンコ機10が大当り状態または時短状態であることが明示されるため、遊技者に有利な当該状態が付与されていることをより大きな興奮をもって知ることができる。
このとき同図(b)に示す第1信号または同図(c)に示す第2信号をもってラッキーランプ60を点灯させた場合は、前者にあっては大当り状態の最中(時刻C〜D,E〜F,G〜H,I〜J)に、後者にあっては大当り状態の合間(時刻D〜E,F〜G,H〜I)にラッキーランプ60が消灯してしまうこととなり、遊技者には当該有利な状態が終了したかの不安を覚えさせることとなる。
これに対し、本実施形態のように第1信号と第2信号との論理和である大当り信号βをラッキーランプ60に出力することにより、遊技者は時短状態がひと続きに継続しているものと認識して、安心してまた期待を維持したまま遊技を継続することができる。
かかる出力を得るにあたり、第1信号の出力コネクタ(コネクタ55)と第2信号の出力コネクタ(コネクタ56)とを二又の一端側とする分岐ケーブルによって、両コネクタとラッキーランプ60とを接続して行うこともできるが、本実施形態のパチンコ機10のように第1信号と第2信号との論理和である大当り信号βを一つのコネクタ(コネクタ57)から出力することにより、外部情報出力基板50とラッキーランプ60とを単線ケーブルにて接続することが可能となるため、島設備に対するパチンコ機10の設置および配線作業が容易であり、かつコネクタの選択ミスが発生する虞が低減される。
本実施形態の外部情報出力基板50は、第1信号のみを出力するコネクタ55(第一端子)と、第2信号のみを出力するコネクタ56(第二端子)と、第1信号および第2信号をともに出力するコネクタ57(第三端子)とを個別に備えているといえる。これにより、各コネクタからの出力信号を分配することなく、コネクタ55と56をホールコンピュータ70に、コネクタ57をラッキーランプ60に、それぞれ接続することが可能である。
また本実施形態のパチンコ機10では、通常状態中に当選した第二大当りがその終了後にも時短状態を伴わない場合、すなわち本実施形態における大当りvまたはviが通常状態において当選した場合には、コネクタ57を介して大当り信号βをラッキーランプ60に出力しないことから、遊技者には無用な期待を抱かせることがない。
図12(a)は第一大当りが当選して役物連続作動装置が作動したことを示すタイミングチャート、同図(b)は特別電動役物である大入賞口24が開放または閉鎖されたことを示すタイミングチャート、同図(c)はコネクタ57から出力される上記第2信号(大当り信号α:図11(c)を参照)のタイミングチャート、図12(d)はパチンコ機10が小当り状態にあることを示す小当り信号のタイミングチャート、同図(e)は時刻列を表す。
小当り信号は、外部情報出力基板50のコネクタ58を通じてホールコンピュータ70に出力される。
パチンコ機10に大当りi〜ivのいずれかが当選すると(同図(a):時刻A)役物連続作動装置がオンとなり、特別電動役物の開閉動作(同図(b):時刻A〜B)が所定ラウンド数(例えば15ラウンドまたは16ラウンド)にわたって繰り返される(同図(b):時刻A〜D)。当該大当りの終了とともに役物連続作動装置はオフとなる(同図(a):時刻D)。大当り信号αは、この間継続的にコネクタ57よりホールコンピュータ70に出力される。大当り状態の終了後にパチンコ機10に小当りviiが当選すると(同図(d):時刻E)小当り信号が主制御基板16からコネクタ58を通じてホールコンピュータ70に出力される。
なお上記実施形態では小当りviiの当選によってパチンコ機10が時短状態と通常状態とを互いに変移することがなく、かつ小当りvii中に獲得される賞球数の期待値は僅かであるため、ホールコンピュータ70によるベース管理上は実質的に無意味な信号ともいえる。したがって小当り状態の当選回数をホールコンピュータ70で管理することが不要である場合などは、コネクタ58から出力される小当り信号をホールコンピュータ70に送信することは任意である。
なお、図11(d)に示す大当り信号βにおいては、時短状態中に当選した小当りviiに限って、当該小当り状態中であることを示す小当り信号(図12(d))と第1信号との論理和(小当り状態ゆえ第2信号はオフとなる)をコネクタ57より出力してもよい。すなわち時短状態中であるか通常状態中であるかを問わず小当り状態中にパチンコ機10は通常状態をとるため、時短状態中にこれが当選した場合は、ラッキーランプ60の点灯演出がその間だけ途切れて遊技者に無用の不安を与えることを防止するため、小当り信号をもって大当り信号βの当該途切れを補完するとよい。
一方、通常状態中に当選した小当り状態をラッキーランプ60に出力した場合、当該小当りの終了後に確変状態も時短状態も与えられず、かつ小当り状態中に獲得される賞球数の期待値も僅かであることから、遊技者に無用の期待を与えてしまうこととなる。したがって通常状態中に小当り状態が当選した場合はコネクタ57から出力される大当り信号βに、小当り信号を重畳しないことが望ましい。
<第二実施形態について>
図13は本発明の第二実施形態にかかるパチンコ機10の外部情報出力基板50より出力される第1信号(同図(b))、第2信号(大当り信号α:同図(c))および大当り信号β(同図(d))のタイミングチャートである。
本実施形態のパチンコ機10では、上記大当りi〜viおよび小当りviiに加えて、
(大当りviii)付与されるラウンド遊技のラウンド数が少なく(例えば2ラウンド)、各ラウンドでは上大入賞口24aが、(1)遊技球が所定数(例えば9個)入賞するか、または(2)ごく短時間(例えば0.6秒間)の開放が2回まで繰り返され、かつ当該大当り遊技状態の終了後には常に時短状態が付与される大当り;
(大当りix)付与されるラウンド遊技のラウンド数が少なく(例えば2ラウンド)、各ラウンドでは上大入賞口24aが、(1)遊技球が所定数(例えば9個)入賞するか、または(2)ごく短時間(例えば0.6秒間)の開放が2回まで繰り返され、かつ当該大当り遊技状態の終了後には常に時短状態が付与されない大当り;
が、それぞれ大当りvと同等の当選確率にて当選するよう設定されている。
本実施形態のパチンコ機10においては、パチンコ機10が第一大当り状態にある場合と、当選時にパチンコ機10が通常状態であったか時短状態であったかを問わずその終了後に時短状態が付与される第二大当り状態にある場合に、第2信号(大当り信号α)をコネクタ56からホールコンピュータ70に向けて出力し、通常状態中に当選した第二大当り状態であって、かつ、その終了後に時短状態が付与されないものについては当該第二大当り状態中に第2信号を生成しないことを特徴とする。
また本実施形態においては、時短状態中に当選した第二大当り状態であって、かつ、その終了後に時短状態が付与されないものについても、当該第二大当り状態中に第2信号を生成することとしている。
通常状態中のパチンコ機10において第二大当り状態である大当りv,viまたはixが当選すると(同図(a):時刻A)、当該大当り状態の終了後に時短状態は付与されないため、第2信号は出力されない(同図(c):時刻A〜B)。つぎに、通常状態中に第二大当り状態である大当りviiiが当選すると(同図(a):時刻C)、当該大当りはその終了後に時短状態を伴うことから主制御基板16は第2信号(大当り信号α)をコネクタ56に出力する(同図(c):時刻C〜D)。そして時短状態が開始されると第1信号が主制御基板16よりコネクタ55に出力される(同図(b):時刻D)。
つぎに、パチンコ機10に第一大当り状態である大当りi〜ivのいずれかが当選すると(同図(a):時刻E)、時短状態は一旦停止されて第1信号はストップし(同図(b):時刻E)、所定のラウンド数(例えば15ラウンドまたは16ラウンド)にわたりラウンド遊技が行われる(同図(a):時刻E〜F)。当該大当り状態の終了後には時短状態が付与されるため第1信号は再び出力される(同図(b):時刻F)。
つぎに、時短状態中のパチンコ機10に大当りv,viまたはviiiが当選すると(同図(a):時刻G)、その終了後に時短状態が付与されることから当該大当り状態中に第2信号が出力される(同図(c):時刻G〜H)。
さらに、当該大当り状態の終了後に付与された時短状態中に大当りixが当選すると(同図(a):時刻I)、本実施形態のパチンコ機10においては当該大当り状態中に第2信号(大当り信号α)をコネクタ56に出力する(同図(c):時刻I〜J)。
コネクタ57からラッキーランプ60に出力される大当り信号βは、第1信号と第2信号との論理和であるため、同図(d)に示すように時刻C〜Jにわたって継続的に出力される。
このように本実施形態のパチンコ機10においては、時短状態中に当選した第二大当りと、当該大当り状態の終了後に時短状態が付与される第二大当たりについて、いずれも大当り信号αをホールコンピュータ70に、大当り信号βをラッキーランプ60に、それぞれ出力している。また通常状態中に当選した第二大当りであってその終了後に時短状態が付与されないものについては、大当り信号αおよびβを出力しないこととしている。
これにより、時短状態の開始または停止の契機となった第二大当りの当選がホールコンピュータ70にとって明確となるため、出力される情報信号に不可避的に混入するノイズを排除して、パチンコ機10を通常状態と時短状態とに分けてベース計算をする演算処理が容易となる。
また本実施形態においても第一実施形態と同様に、通常状態で当選した第二大当りがその後の時短状態を伴わないものである場合、ラッキーランプ60には大当り信号βが出力されないため、遊技者への無用の期待を抱かせることがなく、またホールコンピュータ70によるベース管理に実質的に不要な情報信号の出力を抑制することができる。
<第三実施形態について>
図14は本発明の第三実施形態にかかるパチンコ機10の外部情報出力基板50より出力される第1信号(同図(b))、第2信号(大当り信号α:同図(c))および大当り信号β(同図(d))のタイミングチャートである。
本実施形態のパチンコ機10についても、上記大当りi〜vi,viii,ixおよび小当りviiが用意されている。
本実施形態のパチンコ機10においては、第二実施形態と同様に、パチンコ機10が第一大当り状態にある場合と、当選時にパチンコ機10が通常状態であったか時短状態であったかを問わずその終了後に時短状態が付与される第二大当り状態にある場合に、第2信号(大当り信号α)をコネクタ56からホールコンピュータ70に向けて出力する。
また本実施形態のパチンコ機10においては、当選時に通常状態であったか時短状態であったかを問わず、その終了後に時短状態が付与されない第二大当り状態にある場合には、第2信号を出力しないこととしている。
すなわち第三実施形態のパチンコ機10は、時短状態中に行われた大当り抽選に当選したことによって付与された第二大当り状態であって、かつその終了後にパチンコ機10が通常状態となる場合については第2信号(大当り信号α)を出力せず、第二実施形態のパチンコ機10ではこれを出力する点でのみ相違する。
第三実施形態において当選する大当り状態(同図(a))は、第二実施形態におけるもの(図13(a))と同一とする。したがって時刻A〜Iまでのタイミングチャートは第二実施形態(図13)と第三実施形態(図14)とで共通している。
時刻Iで、時短状態中に大当りixが当選すると、当該大当り状態はその終了後に時短状態が付与されないことから、本実施形態においては第2信号(大当り信号α)をコネクタ56より出力しない(図14(c):時刻I〜J)。したがって第1信号と第2信号の論理和である大当り信号βも当該大当りixの間は出力されないこととなる(同図(d):時刻I〜J)。
このように本実施形態のパチンコ機10においては、当該当選時にパチンコ機10が通常状態であったか時短状態であったかを問わず、第二大当たり状態の終了後に時短状態が付与される場合について、大当り信号αをホールコンピュータ70に、大当り信号βをラッキーランプ60に、それぞれ出力している。
これにより、時短状態の開始契機となった第二大当りの当選がホールコンピュータ70にとって明確となるほか、ホールコンピュータ70によるベース管理の上で実質的に不要な情報信号の出力を抑制することができる。
すなわち通常状態中に当選した第二大当りであってその後に時短状態が付与されないもの(図14(a):時刻A〜B)については、そもそも発生頻度が低く、当該大当り中に獲得される賞球数の期待値も少なく、通常状態におけるパチンコ機10のベース管理において敢えて当該第二大当り状態中の遊技を排除してこれを算出することは実質的に不要であることから、当該大当り状態の成立を示す大当り信号α(第2信号)をホールコンピュータ70に出力していない。
また時短状態に当選した第二大当りであってその後に時短状態が付与されないもの(図14(a):時刻I〜J)についても、発生頻度は低く、当該大当り中に獲得される賞球数の期待値も少ないため、当該第二大当り状態中の遊技を通常状態に含めてベースを計算しても実質的に問題は生じない。したがって同図(c):時刻I〜Jに示すように当該第二大当り状態中に大当り信号α(第2信号)を出力しないことにより、ホールコンピュータ70の演算負荷を軽減することができる。
なお本実施形態の場合、ラッキーランプ60に出力される大当り信号βについても、通常状態中に当選した第二大当り状態の後に時短状態が付与されないもの(同図(d):時刻A〜B)についてはこれを出力せず、遊技者に無用の期待を与えることがない。
また時短状態中に当選した第二大当り状態であってその後に時短状態が付与されないもの(同図(d):時刻I〜J)についても大当り信号βを出力していないが、長時間にわたる時短状態の最後のごく短時間だけ行われる当該第二大当りの最中にラッキーランプ60の電飾が消灯するだけであって、時短状態が終了したことによる遊技者の失望感を増長させることはない。
またこのほか第二および第三実施形態においては、上記第一実施形態と同様に、コネクタ58からホールコンピュータ70にむけて小当り信号を出力するか否かは任意である。また時短状態中に小当り状態が当選した場合には、第1信号と小当り信号との論理和(小当り状態ゆえ第2信号はオフとなる)をコネクタ57よりラッキーランプ60に出力してもよい。これにより、遊技者に付与された時短状態を示すラッキーランプ60の電飾点灯が、小当り状態の当選とともに一時的に消灯して遊技者に不安を与えることがない。
また、通常状態中に当選した第二大当り状態がその終了後に時短状態を伴わない場合にコネクタ57よりラッキーランプ60に大当り信号βを出力しない本発明のパチンコ機10にあっては、同じく通常状態中に当選した小当り状態の当選を示す小当り信号をラッキーランプ60に出力しないことが好ましい。当該小当り状態の行われるごく短時間の遊技中のみラッキーランプ60が点灯して遊技者に無用の期待感を与えることとなるためである。
またかかる小当り信号をラッキーランプ60に出力しないことにより、遊技者にとっては第二大当り状態の当選と、小当り状態の当選とが大入賞口24の開閉態様のみによっては判別できず、たとえ小当り状態が当選した場合であっても、これが大当りvである、すなわちパチンコ機10には確変状態が内部的に付与されているのではないかとの期待感をもって以後の遊技を行うことができる。
なお、本明細書によれば、次の(A)から(F)に示すような発明を読み取ることも可能である。すなわち、
(A)遊技領域内に設けられ、前記遊技領域内を転動流下する遊技球がより入球しやすい第一状態と、前記遊技球がより入球しにくい第二状態とに変移可能な始動口と、
前記始動口の状態が、第一状態または第二状態のいずれであるかを判定する入球率向上状態判定手段と、
入球率向上状態判定手段の判定結果に基づいて、前記始動口が第一状態にあることを示す第1信号を生成する第1信号生成手段と、
遊技球が前記始動口に入球したことを契機として、遊技者に大当り状態を付与するか否かを決定する大当り抽選をおこなう大当り抽選手段と、
前記大当り抽選に当選した場合に、前記入球率向上状態判定手段による判定結果に基づいて、前記付与されることとなる大当り状態の終了後に、前記始動口を第一状態に変移させるか否かを決定する入球率向上状態付与決定手段と、
前記遊技領域内に設けられ、大当り状態が付与された場合に開放されて遊技球が入賞可能となる大入賞口と、
を備え、
前記大当り状態は、前記大入賞口が開放されてから閉鎖されるまでを1回とするラウンドが1回もしくは複数回繰り返しておこなわれるラウンド遊技であって、かつ前記ラウンド数がより多いもしくは1回のラウンドにおける前記大入賞口の開放時間がより長い第一大当り状態、または、前記ラウンド遊技であって、前記ラウンド数がより少ないもしくは1回のラウンドにおける前記大入賞口の開放時間がより短い第二大当り状態が、遊技者に選択的に付与され、
前記第一および第二大当り状態中には前記始動口が第二状態をとる遊技機であって、
前記遊技機の状態が前記大当り状態であるか否かを判定する大当り状態判定手段と、
大当り状態判定手段の判定結果に基づいて、前記遊技機が大当り状態にあることを示す第2信号を生成する第2信号生成手段と、
前記生成された第1信号および第2信号を前記遊技機の外部に出力するための外部情報出力基板と、を備えるとともに、
前記第2信号生成手段が、
(i)前記遊技機が、前記第一大当り状態にある場合、および
(ii)前記遊技機が、始動口が第一状態にあるときに行われた前記抽選に当選したことによって付与された前記第二大当り状態にある場合であって、かつ、その終了後に前記始動口が第一状態に変移することが入球率向上状態付与決定手段によって決定されている第二大当り状態にある場合、には前記第2信号を生成し、
(iii)前記遊技機が、始動口が第二状態にあるときに行われた前記抽選に当選したことによって付与された前記第二大当り状態にある場合であって、かつ、その終了後に前記始動口が第二状態をとることが入球率向上状態付与決定手段によって決定されている第二大当り状態にある場合には前記第2信号を生成しないことを特徴とする遊技機;
(B)遊技球が前記始動口に入球したことを契機として小当り抽選をおこなう小当り抽選手段を備え、前記大当り抽選に落選した場合であって前記小当り抽選に当選した場合には、前記大入賞口が開放されて遊技球が入賞可能となる小当り状態が遊技者に付与される上記(A)に記載の遊技機であって、
遊技機が前記小当り状態にある場合には、前記第2信号生成手段が前記第2信号を生成せず、かつ、前記大入賞口が前記第二大当り状態のラウンド遊技と同様の開放態様にて開放または閉鎖されることを特徴とする遊技機;
(C)前記外部情報出力基板が、前記第1信号と第2信号とをともに出力する一の出力端子を備えることを特徴とする上記(A)または(B)のいずれかに記載の遊技機;
(D)第2信号生成手段が、
前記遊技機が、始動口が第一状態にあるときに行われた前記抽選に当選したことによって付与された前記第二大当り状態にある場合であって、かつ、その終了後に前記始動口が第二状態をとることが入球率向上状態付与決定手段によって決定されている第二大当り状態にある場合には、前記第2信号を生成する上記(A)または(B)に記載の遊技機;
(E)第2信号生成手段が、
前記遊技機が、始動口が第一状態にあるときに行われた前記抽選に当選したことによって付与された前記第二大当り状態にある場合であって、かつ、その終了後に前記始動口が第二状態をとることが入球率向上状態付与決定手段によって決定されている第二大当り状態にある場合には、前記第2信号を生成しない上記(A)または(B)に記載の遊技機;
(F)前記外部情報出力基板が、前記第1信号のみを出力する第一端子と、前記第2信号のみを出力する第二端子と、前記第1信号と第2信号とをともに出力する第三端子と、を備える上記(A)または(B)に記載の遊技機;
の発明を読み取ることができ、これらの発明によっても上記本発明の目的を達成することができる。
10 パチンコ機
16 主制御基板
20 特別図柄始動入賞装置(始動口)
20a 上始動口
20b 下始動口
21 始動口スイッチ
21a 上始動口スイッチ
21b 下始動口スイッチ
22 開閉羽根
23 大入賞口扉
24 大入賞口
50 外部情報出力基板
51〜58 コネクタ
60 ラッキーランプ
70 ホールコンピュータ
113 遊技領域

Claims (3)

  1. 遊技領域内に設けられ、前記遊技領域内を転動流下する遊技球が入球しやすい第一状態と、前記遊技球が入球しにくい第二状態とに変移可能な始動口と、
    前記始動口の状態が、第一状態または第二状態のいずれであるかを判定する入球率向上状態判定手段と、
    遊技球が前記始動口に入球したことを契機として、遊技者に大当り状態を付与するか否かを決定する大当り抽選をおこなう大当り抽選手段と、
    前記大当り抽選に当選した場合に、前記入球率向上状態判定手段による判定結果に基づいて、前記付与されることとなる大当り状態の終了後に、前記始動口を第一状態に変移させるか否かを決定する入球率向上状態付与決定手段と、
    前記遊技領域内に設けられ、大当り状態が付与された場合に開放されて遊技球が入賞可能となる大入賞口と、
    を備え、
    前記大当り状態は、前記大入賞口が開放されてから閉鎖されるまでを1回とするラウンドが1回もしくは複数回繰り返しておこなわれるラウンド遊技であって、かつ前記ラウンド数が多いもしくは1回のラウンドにおける前記大入賞口の開放時間が長い第一大当り状態、または、前記ラウンド遊技であって、前記ラウンド数が少ないもしくは1回のラウンドにおける前記大入賞口の開放時間が短い第二大当り状態が、遊技者に選択的に付与され、
    前記第一および第二大当り状態中には前記始動口が第二状態をとる遊技機であって、
    前記遊技機の状態が前記大当り状態であるか否かを判定する大当り状態判定手段と、
    入球率向上状態判定手段による判定結果に基づく始動口の状態及び大当り状態判定手段による判定結果に基づく遊技機の状態に応じた所定の情報信号を生成する情報信号生成手段と、
    前記所定の情報信号を前記遊技機の外部に出力するための外部情報出力基板と、を備えるとともに、
    前記情報信号生成手段が、
    (i)大当り状態判定手段により判定された前記遊技機の状態が前記第一大当り状態である場合、及び、
    (ii)大当り状態判定手段により判定された前記遊技機の状態が前記第二大当り状態である場合であって、かつ、遊技機の状態がその第二大当り状態の終了後に前記始動口が第一状態をとることが入球率向上状態付与決定手段によって決定されている第二大当り状態にある場合、並びに、
    (iii)入球率向上状態判定手段により判定された前記始動口の状態が第一状態である場合、のいずれかの場合に該当するときには、前記所定の情報信号を生成し、
    (iv)大当り状態判定手段により判定された前記遊技機の状態が前記第二大当り状態である場合であって、かつ、遊技機の状態がその第二大当り状態の終了後に前記始動口が第二状態をとることが入球率向上状態付与決定手段によって決定されている第二大当り状態にある場合には、前記所定の情報信号を生成しない、ことを特徴とする遊技機。
  2. 入球率向上状態判定手段の判定結果に基づいて、前記始動口が第一状態にあることを示す第1信号を生成する第1信号生成手段を、更に備え、
    外部情報出力基板は、前記所定の情報信号を前記遊技機の外部に出力するための端子を備えるとともに、前記生成された第1信号を遊技機の外部に出力するため第1端子を更に備える、請求項1に記載の遊技機。
  3. 大当り状態判定手段の判定結果に基づいて、前記遊技機が大当り状態にあることを示す第2信号を生成する第2信号生成手段を、更に備え、
    外部情報出力基板は、前記所定の情報信号を前記遊技機の外部に出力するための端子を備えるとともに、前記生成された第2信号を遊技機の外部に出力するため第2端子を更に備えており、
    前記第2信号生成手段が、
    (i)前記遊技機が前記第一大当り状態にある場合、および
    (ii)前記遊技機が前記第二大当り状態にある場合であって、かつ、その終了後に前記始動口が第一状態をとることが入球率向上状態付与決定手段によって決定されている第二大当り状態にある場合、には前記第2信号を生成し、
    (iii)前記遊技機が前記第二大当り状態にある場合であって、かつ、その終了後に前記始動口が第二状態をとることが入球率向上状態付与決定手段によって決定されている第二大当り状態にある場合には前記第2信号を生成しない、ことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
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