JP2011086814A - 窒化物薄膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】窒化物薄膜をより低い結晶成長温度で成長させ、より高いIn組成とすることにより、より高い緑色発光強度の実現が可能な窒化物薄膜の製造方法を提供する。
【解決手段】c軸に平行な結晶面に対して+c軸方向に2°以上傾斜した主表面を備える六方晶系結晶構造を有する結晶基板101を用意(作製)する。言い換えると、六方晶系結晶構造を有する結晶基板101の主表面を、c軸に平行な結晶面に対して+c軸方向に2°以上傾斜させる。次に、結晶基板101の主表面の上に、インジウムを含む窒化物の薄膜121を形成する。
【選択図】図1B

Description

本発明は、InGaNなどのインジウムを含む窒化物の薄膜を形成する窒化物薄膜の製造方法に関するものである。
近年、発光ダイオードやレーザなどの発光素子に用いる半導体材料として、III族窒化物半導体が着目されている。例えば、III族窒化物半導体としてGaNやInGaNなどがある。この窒化物半導体は、バンドギャップエネルギーが、赤外光から紫外光の波長に対応する広い範囲にあり、青色や緑色などの発光ダイオードや、発振波長が紫外域から赤外域の半導体レーザの材料として有望視され、既に用いられている。
このようなIII族窒化物半導体の薄膜は、一般には、主表面がC面とされている結晶基板(C面基板)の上に、結晶成長することで形成されている。III族窒化物半導体のC面は極性面であり、表面がC面とされたIII族窒化物半導体薄膜を用いて作製された素子では、素子を構成する膜厚方向に電界が生じる。この電界の発生の原因は、結晶層単体であっても存在する自然分極と、素子としての積層構造間の格子定数の違いによる歪みによって発生するピエゾ分極とである。
特に、発光領域として用いられる量子井戸構造内では、量子閉じ込めシュタルク効果(QCSE)と呼ばれる「電子とホール(正孔)との波動関数の空間分離」が生じる。この結果、電子とホールの再結合確率が小さくなり、InGaN/GaNなどの構成の量子井戸の内部量子効率が低下し、発光素子の発光効率も低下する(非特許文献1参照)。
この問題を解消するために、例えば、主表面がM面とされたGaN基板を用いるなど、無極性面へのIII族窒化物半導体の結晶成長が有望である。この無極性面成長では、c軸が成長面内に含まれることになり、膜厚方向に上述したような電界の発生が生じない。従って、無極性面成長によれば、電子とホールとの再結合確率を向上させることができ、内部量子効率の向上が図れる。このため、無極性面成長によれば、III族窒化物半導体を用いた発光ダイオードやレーザの発光効率を向上させることが可能となる。
S.F.Chichibu et al. ,"Origin of defect-insensitive emission probability in In-containing(Al,In,Ga)N alloy semiconductors",Nature Materials, vol.5, pp.810-819, 2006. M.C.Schmidt et al. ,"High Power and High External Efficiency m-Plain InGaN Light Emitting Diodes", Jpn. J. Appl. Phys. , vol.46, pp.L126-L128, 2007. Y.Narukawa et al. ,"Ultra-High Efficiency White Light Emitting Diodes", Jpn. J. Appl. Phys. , vol.45, pp.L2085-L1086, 2006. J.W.Mathews and A.E.Blakeslee, "Defect in epitaxial multilayers: I.Msfit dislocations",J.Cryst.Growth, vol.27, pp.118-125, 1974. R.People and J.C.Bean, "Calculation of critical layer thickness versus lattice mismatch for GexSi1-x/Si strained-layer heterostructures", Appl/ Phys. Lett. ,PP.322-324, 1985.
ところで、よく知られているように、人間の視覚は、緑色に対してより高い感度を有しているため、緑色の発光素子では、より高い発光強度が要求される。しかしながら、上述したようなIII族窒化物半導体薄膜を用いた発光素子では、緑色の発光強度が、現状では、要求される特性に達していないという問題がある。この原因は、高いインジウム(In)組成を有する窒化物薄膜の作製が、容易ではないところにある。
よく知られているように、Inの組成をより高くしようとすると、得られる窒化物薄膜では、相分離が発生して結晶性の劣化が起き、このために、上述したような、より高い緑色の発光強度の実現が阻害されている。高いインジウムの組成は、理論的には、インジウムを含む窒化物薄膜の結晶成長温度を例えば1000℃と高温にすることで可能となる。しかしながら、このような高温条件では、結晶成長環境における窒素の圧力を非常に高い値とすることが必要となり、現実的ではない。従って、現状では、より低い結晶成長温度で、より高いIn組成とした窒化物薄膜の製造技術の開発が望まれている。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、より低い結晶成長温度で、より高いIn組成とした窒化物薄膜が製造できるようにすることを目的とする。
本発明に係る窒化物薄膜の製造方法は、c軸に平行な結晶面に対して+c軸方向に2°以上傾斜した主表面を備える六方晶系結晶構造を有する結晶基板の上に、インジウムを含む窒化物薄膜を形成するようにしたものである。
上記窒化物薄膜の製造方法において、c軸に平行な結晶面は、M面およびA面より選択された面であればよい。なお、結晶基板は、GaNまたはZnOの結晶基板であればよい。また、インジウムを含む窒化物は、InN,InGaN,InAlN,InAlGaNより選択されたものである。また、有機金属気相成長法により薄膜を形成することができる。
以上説明したように、本発明によれば、c軸に平行な結晶面に対して+c軸方向に2°以上傾斜した主表面を備える六方晶系結晶構造を有する結晶基板を用いるようにしたので、より低い結晶成長温度で、より高いIn組成とした窒化物薄膜が製造できるようになるという優れた効果が得られる。
本発明の実施の形態における窒化物薄膜の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態における窒化物薄膜の製造方法を説明するための工程図である。 結晶基板101の構成を説明する斜視図である。 結晶基板101のステップの状態を示す断面図である。 InGaNを成長した各試料のX線回折2θ−ωスキャンの結果を示す特性図である。 InGaNを成長した各試料のX線ロッキングカーブのピーク強度を示す特性図である。 各試料のフォトルミネッセンスの傾斜角度依存性について示す特性図である。 各試料におけるIn組成の傾斜角度依存性を示す特性図である。 各試料におけるInGaN膜のフォトルミネッセンスのピーク波長と傾斜角度との関係を示す特性図である。 作製した試料のInGaN膜表面の微分干渉顕微鏡観察による写真である。 本発明の実施の形態における他の窒化物薄膜の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態における他の窒化物薄膜の製造方法を説明するための工程図である。 本発明の実施の形態における他の窒化物薄膜の製造方法を説明するための工程図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1Aおよび図1Bは、本発明の実施の形態における窒化物薄膜の製造方法を説明するための工程図である。本実施の形態における窒化物薄膜の製造方法は、c軸に平行な結晶面に対して+c軸方向に2°以上傾斜した主表面を備える六方晶系結晶構造を有する結晶基板の上に、例えば、InGaNなどのインジウムを含む窒化物の薄膜を形成するものである。
まず、図1Aに示すように、c軸に平行な結晶面に対して+c軸方向に2°以上傾斜した主表面を備える六方晶系結晶構造を有する結晶基板101を用意(作製)する。言い換えると、六方晶系結晶構造を有する結晶基板101の主表面を、c軸に平行な結晶面に対して+c軸方向に2°以上傾斜させる。次に、図1Bに示すように、結晶基板101の主表面の上に、インジウムを含む窒化物の薄膜121を形成する。
ここで、結晶基板101について説明する。図1Cに示すように、結晶基板101は、ウルツ鉱型結晶構造などの六方晶系結晶構造を有する化合物より構成され、c軸111に平行な結晶面より傾斜した基板面(主表面)102を備え、基板面102は、c軸111に垂直で基板面102に含まれる(基板面102を通る)軸を中心として+c軸方向に2°以上傾斜(回転)しているものである。図1Cにおいて、θが2°以上となっている。
例えば、結晶基板101は、GaNの結晶基板であり、基板面102は、c軸111に平行な結晶面であるM面103に対して傾斜しており、c軸111に垂直で基板面102を通る仮想のs軸112を中心として、+c軸方向に例えば4.6°回転している。なお、s軸112は、M面103の法線であるm軸113とc軸111とに垂直な仮想の軸である。
本実施の形態における結晶基板101のステップ(原子ステップ)は、図2の部分断面図に示すように、M面103と平行なテラス201からなるステップが階段状に形成され、c軸111(図2には示さず)は、ステップを構成するテラスと平行になる。また、ステップ端202は、ガリウム(Ga)極性の状態となる。このため、まず、結晶基板101の上には、基板平面(基板面102)方向の極性が制御された状態で、InGaN薄膜などの窒化物薄膜が形成(エピタキシャル成長)できるようになる。
また、結晶基板101の表面は、ステップ端202がGa極性に制御されているので、この上への窒化物薄膜の形成では、インジウム原子の取り込みが促進できるようになる。この結果、より高いIn組成とした窒化物薄膜が、相分離を抑制した状態で、製造できるようになるため、高いIn組成の窒化物薄膜を、より低い成長温度で結晶(エピタキシャル)成長することが可能となる。
次に、結晶基板101を含む、GaNのM面結晶(M面GaN)基板を用いたInGaNの結晶成長について、実験結果と共に説明する。
InGaNの成長には、有機金属気相成長法を用い、III族元素の原料には、トリメチルインジウム(TMIn)、およびトリメチルガリウム(TMGa)を用い、窒素源量(V族原料)には、アンモニアガスを用いる。また、成長圧力は86665.8Pa(650Torr)とし、成長温度は750℃とする。また、V族原料とIII族原料の供給比は、8000である。
また、試料として用いるM面GaN基板は、傾斜角度を[000−1]方向へ、−6°〜+5°の範囲とする。なお、InGaNは、M面GaN基板の上に直接成長する。
はじめに、InGaNを成長した各試料のX線回折2θ−ωスキャンの結果を図3に示す。図3において、試料名にある括弧中の数字は、傾斜角度を示しており、傾斜角が−5.9°,−0.8°,+0.1°,+2.1°,および+4.6°の、5種類のM面GaN基板を試料として用いている。
図3に示すように、いずれの試料においても、InGaNとGaNのピークが共に観察される。また、傾斜角度が0より増加すると、この増加に伴い、InGaNピークの2θ値が減少(左方向に移動)しており、インジウムの組成比が増加していることが示されている。言い換えると、傾斜角度が0より増加すると、インジウムの取り込み量が促進されていることがわかる。特に、傾斜角度が+2.1°のところで、インジウムの組成比が特徴的に増加していることが示されている。
一方、傾斜角度の増加に伴い、表面平坦性と界面急峻性を現すフリンジの数が減少している。M面GaN基板の表面には変性はなく平坦であるので、成長したInGaN膜の表面平坦性が、X線の波長レベルの比較では、傾斜角度が大きいほど低下していることを示している。
さらに、図4に示すように、傾斜角度の増加に伴い、X線ロッキングカーブの半値幅が広がっている。結晶学においては、3元系のInGaN膜において、Inの組成比が増加するとX線ロッキングカーブの半値幅が広がるものとされているので、これが、図4の結果に反映されているものと考えられる。
次に、試料の光学特性として、フォトルミネッセンスの傾斜角度依存性について、図5に示す。また、図5に示す結果より、In組成の傾斜角度依存性を求め、これを図6に示す。図6からわかるように、マイナス(−)方向の傾斜角度としたM面GaN基板へのInGaNの成長では、In組成は0.06以下となる。これに対し、プラス(+)方向の傾斜角度としたM面GaN基板へのInGaNの成長では、傾斜角度が+2.1°以上で、In組成は0.06以上となる。これは、傾斜角度が2°を超えると、N極性原子ステップ端面と比べ、Ga極性原子ステップ端面の方が、インジウムを取り込みやすいことを示している。
次に、InGaNフォトルミネッセンスのピーク波長と、傾斜角度との関係を図7に示す。図7では、歪み印加状態(Strained)と歪みのない緩和した状態(Relaxed)との各々に対応するシミュレーションによって求めたピーク波長を点線で示す。また、図7では、各サンプルによる結果を黒丸で示す。図7より明らかなように、歪みを考慮すると、実験の結果と一致することとがわかる。このことより、実験により形成したInGaN膜中には、歪みが内在していることがわかる。
次に、作製した試料のInGaN膜の表面の微分干渉顕微鏡観察による写真を図8に示す。図8の(a)は、傾斜角が−5.9°のM面GaN基板に形成したInGaN膜の表面を示す。また、図8の(b)は、傾斜角が−0.8°のM面GaN基板に形成したInGaN膜の表面を示す。また、図8の(c)は、傾斜角が+4.6°のM面GaN基板に形成したInGaN膜の表面を示す。
傾斜角度が−5.9°および+4.6°においては、平坦なInGaN膜表面が観察される。これに対し、傾斜角度が−0.8°では、[0001]方向に垂直な方向に、笹の葉上のパタンが観察される。これは、傾斜角度の絶対値が大きい方の基板は、高密度な原子ステップをもち、層状成長モード(Frank-van der Merwe mode)のステップフロー成長を促進させるためと考えられる。これに対し、傾斜角度の絶対値が小さい方の基板は、原子ステップの密度が低くなり、この上では、InGaNが二次元核成長し、ラフパタンが形成されやすい状態と考えられる。この場合の成長モードは、層状成長+島状成長モード(Stranski-Krastanow mode)と考えられる。
以上に説明した実験の結果より、傾斜基板を用いることで、まず、InGaN膜の結晶性の改善が確認できる。また、M面GaN基板において、c軸に平行な結晶面に対して+c軸方向に2°以上、特に2°を超えて傾斜させることで、成長させている窒化物薄膜中へInが取り込まれ易くなることがわかる。また、より多くのInが取り込める状態が、750℃とより低い結晶成長温度で実現されていることがわかる。このように、本実施の形態によれば、より低い結晶成長温度で、より高いIn組成とした窒化物薄膜が製造できるようになり、緑色発光の発光ダイオードやレーザの開発に非常に有利である。また。図8の写真の結果より、+4.6°以上とより大きい角度とすることで、インジウムがより取り込まれやすくなると共に、より平坦な窒化物薄膜の表面が得られるようになることがわかる。
次に、結晶基板を酸化亜鉛(ZnO)から構成した場合について説明する。ZnOより結晶基板を構成する場合も、前述したGaNの場合と同様である。結晶基板の基板面(主表面)が、ZnO結晶のc軸に平行な結晶面(例えばM面)に対して+c軸方向に2°以上、特に2°を超えて傾斜していればよい。この場合、結晶基板の基板面におけるステップのステップ端は、Zn極性となる。
また例えば、ZnOからなる結晶基板の上にInGaNを成長させる場合、前述同様に、有機金属気相成長法を用いればよい。ここで、ZnOは、アンモニアガスなどが存在する領域で700℃程度の高温にすると、表面が劣化する。このため、ZnOからなる結晶基板の上に、より高いIn組成のInGaN膜を形成する場合、より低温で成長させたInGaN膜をバッファ層として用いればよい。
以下、ZnOからなる結晶基板の上に、より高いIn組成としたInGaN膜の形成について、より詳細に説明する。
まず、図9Aに示すように、c軸に平行な結晶面に対して+c軸方向に2°以上傾斜した主表面を備えるZnO結晶からなる結晶基板901を用意する。次に、図9Bに示すように、ZnOからなる結晶基板901の上に、InGaNからなるバッファ層902を形成する。バッファ層902の形成では、有機金属気相成長法を用い、III族元素の原料には、TMIn、およびトリエチルガリウム(TEGa)を用い、窒素源量(V族原料)には、アンモニアガスを用いる。また、成長圧力は86665.8Pa(650Torr)とし、成長温度は500℃とする。また、V族原料とIII族原料の供給比は、16000とする。このように、成長温度を500℃と低温とすることで、ZnOからなる結晶基板901の表面劣化が抑制できる。バッファ層902は、例えば、層厚20nm程度に形成すればよい。
次に、図9Cに示すように、バッファ層902の上に、より高いIn組成としたInGaN膜903を形成する。InGaN膜903の形成では、有機金属気相成長法を用い、III族元素の原料には、TMIn、およびTMGaを用い、窒素源量(V族原料)には、アンモニアガスを用いる。また、成長圧力は86665.8Pa(650Torr)とし、成長温度は750℃とする。また、V族原料とIII族原料の供給比は、16000とする。このInGaN膜903の形成では、結晶基板901の表面はバッファ層902で覆われているので、上述したような750℃の温度としても、結晶基板901の表面劣化は抑制できる。
以上のようにすることで、ZnOからなる結晶基板901の上に形成したInGaN膜903は、結晶基板901の基板面の傾斜角を+c軸方向に例えば2.1°とした場合、In組成は0.18以上となり、GaN基板の場合に比較してより多くのInが取り込める。これは、In組成比の高いInGaNの格子定数に、ZnOの格子定数が非常に近いためである。ZnOの格子定数は、GaNに比較して、InGaNの格子定数に近いため、InGaN膜のIn組成比をより高くする目的に対しては、ZnOを用いる方がよい。また、In組成が0.18程度のInGaNを用いることは、緑色の発光強度がより高い発光素子を得るという目的に合致している。また、ZnOからなる結晶基板901においても、傾斜角を+c軸方向に4.6°と大きくすることで、インジウムがより取り込まれやすくなると共に、より平坦な窒化物薄膜の表面が得られるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形が実施可能であることは明白である。
例えば、上述では、GaN基板およびZnO基板を例に説明したが、これに限るものではなく、コランダム(Al23)などの六方晶系結晶構造を有する結晶基板であれば同様である。ただし、格子間定数の差などを考慮すれば、InGaN膜を形成する場合、ZnO基板を用いることがよりよい。
また、上述では、InGaN膜の形成を例に説明したが、これに限るものではなく、InN,InGaN,InAlN,InAlGaNなどの、Inを含む窒化物であれば、前述と同様である。また、上述では、M面を基準に説明したが、これに限るものではなく、A面でもよく、c軸に平行な結晶面を基準とし、この結晶面に対して+c軸方向に2°以上傾斜した主表面を備える六方晶系結晶構造を有する結晶基板を用いれば、前述同様である。
101…結晶基板、102…基板面(主表面)、103…M面、111…c軸、112…s軸、113…m軸。

Claims (5)

  1. c軸に平行な結晶面に対して+c軸方向に2°以上傾斜した主表面を備える六方晶系結晶構造を有する結晶基板の上に、インジウムを含む窒化物の薄膜を形成する
    ことを特徴とする窒化物薄膜の製造方法。
  2. 請求項1記載の窒化物薄膜の製造方法において、
    前記c軸に平行な結晶面は、M面およびA面より選択された面であることを特徴とする窒化物薄膜の製造方法。
  3. 請求項1または2記載の窒化物薄膜の製造方法において、
    前記結晶基板は、GaNおよびZnOより選択された材料の結晶基板である
    ことを特徴とする窒化物薄膜の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の窒化物薄膜の製造方法において、
    前記インジウムを含む窒化物は、InN,InGaN,InAlN,InAlGaNより選択されたものである
    ことを特徴とする窒化物薄膜の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の窒化物薄膜の製造方法において、
    有機金属気相成長法により前記薄膜を形成する
    ことを特徴とする窒化物薄膜の製造方法。
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