JP2011085192A - 一方向クラッチおよびそのリユース方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 一方向クラッチ構成部品の摩耗等の破損状況を組込み状態で判断することができ、一方向クラッチ外輪と一体に相対回転可能とする部品と、一方向クラッチとの組込み及び分解を容易にすることができる一方向クラッチおよびそのリユース方法を提供する。
【解決手段】 この一方向クラッチは、内周面の円周方向複数箇所にカム面7を有し軸の外周に配置される外輪3と、この外輪3の前記各カム面7と前記軸との間に介在する複数の係合子4と、これら複数の係合子4を保持する保持器6とを備える。各カム面7が、前記軸に対する外輪3の一方向の相対回転では係合子4が係合して外輪3の相対回転を阻止し、他方向の相対回転では係合子4が非係合状態になって回転を許容する楔面を構成する。外輪3及び係合子4の硬度を前記軸の硬度よりも高くし、外輪3と一体に相対回転可能とするトルク伝達輪を嵌め合い状態に連結する連結部RKを、外輪3の側面に設けた。
【選択図】 図3
【解決手段】 この一方向クラッチは、内周面の円周方向複数箇所にカム面7を有し軸の外周に配置される外輪3と、この外輪3の前記各カム面7と前記軸との間に介在する複数の係合子4と、これら複数の係合子4を保持する保持器6とを備える。各カム面7が、前記軸に対する外輪3の一方向の相対回転では係合子4が係合して外輪3の相対回転を阻止し、他方向の相対回転では係合子4が非係合状態になって回転を許容する楔面を構成する。外輪3及び係合子4の硬度を前記軸の硬度よりも高くし、外輪3と一体に相対回転可能とするトルク伝達輪を嵌め合い状態に連結する連結部RKを、外輪3の側面に設けた。
【選択図】 図3
Description
この発明は、例えば、事務機器の駆動部等に使用される一方向クラッチおよびそのリユース方法に関し、この一方向クラッチの再利用を行うための技術に関する。
従来の一方向クラッチとして、外装部材の筒部を外輪外周面に被せ、外装部材の閉塞端面で外輪の一方の端面を閉塞している。さらに、筒部の端部内周面に形成した嵌合溝に蓋の外周面のリブを嵌合したものが開示されている(特許文献1,2)。
従来の樹脂部品等に組込む一方向クラッチは、この一方向クラッチを様々な樹脂部品の中へ組込む。このため、一方向クラッチに問題が無くても、樹脂部品の寿命により一方向クラッチも同時に廃却されている。
また、現行の一方向クラッチを再利用するとしても、一方向クラッチが樹脂部品の内部に組込まれた構造のため、潤滑剤の再封入に手間が掛かる。つまり、内部封入の潤滑剤や一方向クラッチ外輪への含油の再封入を行う場合、一方向クラッチを樹脂部品から一旦取り出す必要がありこの作業に非常に手間が掛かる。
また、現行の一方向クラッチを再利用するとしても、一方向クラッチが樹脂部品の内部に組込まれた構造のため、潤滑剤の再封入に手間が掛かる。つまり、内部封入の潤滑剤や一方向クラッチ外輪への含油の再封入を行う場合、一方向クラッチを樹脂部品から一旦取り出す必要がありこの作業に非常に手間が掛かる。
この対策として、本件出願人は、樹脂部品を一方向クラッチの側面に取付ける技術を提案している(特許文献3)。この技術によれば、一方向クラッチを再利用するにあたり、一方向クラッチに破損が発生しているか否かの確認として、空転トルクによりばねの破損の有無を確認し得る。つまり再利用しようとする一方向クラッチを一定軸に挿入して、この一方向クラッチの空転トルクが、新品時の空転トルクのレベルと差が小さければ、ばねの破損は無いと判断できる。
しかし、一方向クラッチの「ころ」や、外輪内径の「カム面」の摩耗等の破損状況を組込み状態で判断することができない。
しかし、一方向クラッチの「ころ」や、外輪内径の「カム面」の摩耗等の破損状況を組込み状態で判断することができない。
この発明の目的は、一方向クラッチ構成部品の摩耗等の破損状況を組込み状態で判断することができ、一方向クラッチ外輪と一体に相対回転可能とする部品と、一方向クラッチとの組込み及び分解を容易にすることができる一方向クラッチおよびそのリユース方法を提供することである。
この発明の一方向クラッチは、内周面の円周方向複数箇所にカム面を有し軸の外周に配置される外輪と、この外輪の前記各カム面と前記軸との間に介在する複数の係合子と、これら複数の係合子を保持する保持器と、この保持器に支持されて前記各係合子に前記カム面に向かって前記円周方向へ弾性による力を付与するばね部材とを備え、前記各カム面が、前記軸に対する外輪の一方向の相対回転では前記係合子が係合して外輪の相対回転を阻止し、他方向の相対回転では前記係合子が非係合状態になって回転を許容する楔面を構成する一方向クラッチにおいて、前記外輪及び係合子の硬度を前記軸の硬度よりも高くし、前記外輪と一体に相対回転可能とするトルク伝達輪を嵌め合い状態に連結する連結部を、前記外輪の側面に設けたことを特徴とする。
この構成によると、外輪及び係合子の硬度を軸の硬度よりも高くしたため、外輪の摩耗よりの軸の摩耗が先に生じる。一方向クラッチの使用後品を回収し、軸に摩耗が生じていなければ、前記一方向クラッチの使用後品も摩耗が生じていないと判断できる。よって、一方向クラッチ構成部品の摩耗等を確認することなく、一方向クラッチをリユース可能と判断できる。また、トルク伝達輪を嵌め合い状態に連結する連結部を、外輪の側面に設けたため、一方向クラッチとトルク伝達輪との組込み及び分解がし易くなる。したがって、一方向クラッチを装置から容易に回収することができる。
前記外輪を、油が含浸された多孔質の焼結材から成る含油焼結体としてもよい。この場合、潤滑は、外輪に含浸された油で行うため、グリース潤滑に比べて使用後に一方向クラッチに増ちょう剤等の付着がない。このため、グリース潤滑させた一方向クラッチを洗浄する場合に比べて、再利用する際の一方向クラッチの洗浄が容易になり、工数低減を図ることができる。
前記外輪の内周面に、複数の係合子の軸方向移動を規制する径方向内向きの閉塞つばを設けると共に、前記外輪の開放端面を閉塞する蓋を設け、これら蓋と閉塞つばとトルク伝達輪とを、前記連結部を介して一体回転するように連結しても良い。このように蓋と閉塞つばとを利用することで、一方向クラッチとトルク伝達輪との組込み及び分解がし易くなる。
前記外輪の内周面に、複数の係合子の軸方向移動を規制する径方向内向きの閉塞つばを設けると共に、前記外輪の開放端面を閉塞する蓋を設け、これら蓋と閉塞つばとトルク伝達輪とを、前記連結部を介して一体回転するように連結しても良い。このように蓋と閉塞つばとを利用することで、一方向クラッチとトルク伝達輪との組込み及び分解がし易くなる。
前記トルク伝達輪が樹脂から成るものであっても良い。この場合、トルク伝達輪の形状について設計の自由度を高め、これにより前記連結部の形状、寸法等に応じたトルク伝達輪を得ることができる。
この発明の一方向クラッチのリユース方法は、内周面の円周方向複数箇所にカム面を有し軸の外周に配置される外輪と、この外輪の前記各カム面と前記軸との間に介在する複数の係合子と、これら複数の係合子を保持する保持器とを備え、前記各カム面が、前記軸に対する外輪の一方向の相対回転では前記係合子が係合して外輪の相対回転を阻止し、他方向の相対回転では前記係合子が非係合状態になって回転を許容する楔面を構成する一方向クラッチを再利用するリユース方法において、前記外輪及び係合子の硬度を前記軸の硬度よりも高くし、前記外輪と一体に相対回転可能とするトルク伝達輪を嵌め合い状態に連結する連結部を、前記外輪の側面に設け、前記一方向クラッチのうち、前記軸およびトルク伝達輪から離脱した一方向クラッチの使用後品を回収し、この回収した一方向クラッチを分解することなく洗浄を行う洗浄過程と、この洗浄過程の後、一方向クラッチに潤滑剤の再供給を行う潤滑剤供給過程とを有するものである。
この構成によると、軸およびトルク伝達輪から離脱した一方向クラッチの使用後品を回収する。この回収した一方向クラッチを分解することなく洗浄する。その後、一方向クラッチに潤滑剤の再供給を行った後、例えば空転トルク等の検査を行う。
この場合にも、外輪及び係合子の硬度を軸の硬度よりも高くしたため、使用していた軸の摩耗の有無を確認し、軸に摩耗が生じていなければ、一方向クラッチの使用後品も摩耗が生じていないと判断できる。よって、一方向クラッチ構成部品の摩耗等を確認することなく、一方向クラッチをリユース可能と判断できる。
この場合にも、外輪及び係合子の硬度を軸の硬度よりも高くしたため、使用していた軸の摩耗の有無を確認し、軸に摩耗が生じていなければ、一方向クラッチの使用後品も摩耗が生じていないと判断できる。よって、一方向クラッチ構成部品の摩耗等を確認することなく、一方向クラッチをリユース可能と判断できる。
前記外輪を、油が含浸された多孔質の焼結材から成る含油焼結体とし、前記洗浄過程において、前記外輪を含む一方向クラッチを洗浄・脱脂した後、潤滑剤供給過程において、前記外輪に再含油を行うものであっても良い。この場合、潤滑は、外輪に含浸された油で行うため、グリース潤滑に比べて使用後に一方向クラッチに増ちょう剤等の付着がない。このため、グリース潤滑させた一方向クラッチを洗浄する場合に比べて、再利用する際の一方向クラッチの洗浄が容易になり、工数低減を図ることができる。
前記外輪に、再生回数がわかる印を付加しても良い。この場合、一方向クラッチが新品か再生品かの区別ができるうえ、一方向クラッチ生産側およびユーザ側での管理が可能となる。
再生した一方向クラッチの出荷検査として、軸に前記一方向クラッチを組込み、前記軸に対する外輪の一方向の相対回転で外輪の相対回転を阻止(ロック)するか否かを確認し、前記軸に対する外輪の他方向の相対回転で回転を許容(空転)するか否かを確認しても良い。このようにロック及び空転確認を行った後、一方向クラッチをユーザ等に出荷し得る。
再生した一方向クラッチの出荷検査として、軸に前記一方向クラッチを組込み、前記軸に対する外輪の一方向の相対回転で外輪の相対回転を阻止(ロック)するか否かを確認し、前記軸に対する外輪の他方向の相対回転で回転を許容(空転)するか否かを確認しても良い。このようにロック及び空転確認を行った後、一方向クラッチをユーザ等に出荷し得る。
この発明の一方向クラッチは、前記外輪及び係合子の硬度を前記軸の硬度よりも高くしたため、軸に摩耗が生じていなければ、前記一方向クラッチの使用後品も摩耗が生じていないと判断できて、摩耗等の破損状況を組込み状態で判断することができる。また、トルク伝達輪を嵌め合い状態に連結する連結部を、外輪の側面に設けたため、一方向クラッチ外輪と一体に相対回転可能とする部品と、一方向クラッチとの組込み及び分解を、一方向クラッチの側面から行えて容易化することができる。
この発明の一方向クラッチのリユース方法は、前記外輪及び係合子の硬度を前記軸の硬度よりも高くし、前記外輪と一体に相対回転可能とするトルク伝達輪を嵌め合い状態に連結する連結部を、前記外輪の側面に設け、前記一方向クラッチのうち、前記軸およびトルク伝達輪から離脱した一方向クラッチの使用後品を回収し、この回収した一方向クラッチを分解することなく洗浄を行う洗浄過程と、この洗浄過程の後、一方向クラッチに潤滑剤の再供給を行う潤滑剤供給過程とを有する。外輪及び係合子の硬度を前記軸の硬度よりも高くしたため、摩耗等の破損状況を組込み状態で判断することができる。外輪と一体に相対回転可能とするトルク伝達輪を嵌め合い状態に連結する連結部を、前記外輪の側面に設けたため、一方向クラッチ外輪と一体に相対回転可能とする部品と、一方向クラッチとの組込み及び分解を容易にすることができる。
この発明の一実施形態を図1ないし図4と共に説明する。この発明の実施形態に係る一方向クラッチは、例えば、複写機・プリンタ、ファクシミリ等の事務機器の駆動部に使用される。但し、事務機器用に必ずしも限定されるものではない。以下の説明は、一方向クラッチのリユース方法の説明をも含む。この一方向クラッチの使用時には、図3に示すように、一方向クラッチ構成部品と後述するトルク伝達輪1とが連結され、一方向クラッチおよびトルク伝達輪1の嵌合孔に軸2が挿通され、この軸2の外周に設けられた環状の止め輪溝に、一方向クラッチを抜け止めする止め輪E1,E1が着脱自在に嵌め込まれる。
図1に示すように、一方向クラッチは、外輪3と、複数の係合子4と、ばね部材5と、保持器6とを備える。図2に示すように、外輪3は、内周面の円周方向複数箇所にカム面7を有し、図2、図3に示すように軸2の外周に配置される。前記係合子4としてころが適用される。一つのころはばね部材5の一つのばね片5aと共に外輪3の各カム面7と軸2との間のポケットPtに介在する。前記各カム面7は軸2との間で所定の楔角δを成す楔面を構成する。各ころはばね片5aのばね力により楔角δの幅狭方向に付勢されている。前記保持器6は、複数のころを保持する。
この一方向クラッチは、図2に示すように、各カム面7が、軸2に対する外輪3の一方向(図2矢印A1方向)の相対回転では前記ころが係合して外輪3の相対回転を阻止する。つまり、ころが楔角δの幅狭方向に移動して係合状態となり、軸2に対する外輪3の相対回転を阻止し、これにより外輪3にトルク伝達を行う。他方向(図2矢印A2方向)の相対回転では前記ころが非係合状態になって外輪3の相対回転を許容する。つまり、ころがばね片5aのばね力に抗して楔角δの幅拡方向に移動して非係合状態となり、軸2に対する外輪3の相対回転を許容する。これにより、外輪3へのトルク伝達を遮断する。
外輪3は、油が含浸された多孔質の焼結材から成る含油焼結合金等の含油焼結体であり、略円筒形状に形成される。この外輪3及び係合子4の硬度は、嵌合しようとする軸2の硬度よりも高く設定されている。具体的には、外輪3及び係合子4の材質として、外輪3では、SUJ2焼入れ及び浸炭焼入れ、鉄系焼結の焼入れ及び浸炭焼入れ、SUS440C・SUS416焼入れ及び浸炭焼入れ等のマルテンサイト系SUSステンレス材等を適用することができ、係合子4では、SUJ2焼入れ及び浸炭焼入れ、SUS440C・SUS416焼入れ及び浸炭焼入れ等のマルテンサイト系SUSステンレス材等を適用することができ、これらの材質を適用する場合、軸2の材質として熱処理を施していないいわゆる生材のSUM材、SUS303、SUS304、SUS416を適用することができる。この外輪3の開放端面(図1(A)左端面)は蓋8により閉塞される。外輪3の内周面には、複数のころおよび複数のばね片5aの軸方向移動を規制する径方向内向きの閉塞つば9が設けられている。この閉塞つば9に周方向一定間隔おきに複数(この例では5つ)の貫通孔9aが形成されている。外輪3の内周面は、周方向に隣接する二つのカム面7,7の間に、径方向に所定角度傾斜した段差部分が設けられ、この段差部分が前記ばね部材5及び保持器6を組込む際の位置決め部10となる。
保持器6は、前記蓋8と、複数の柱部11とを有する。複数の柱部11は、蓋8の内面に一体に固着され、各柱部11は蓋8の内面から軸方向ポケット内に突出するように設けられる。これら複数の柱部11は、周方向に所定の間隔を空けて配置される。柱部11は、蓋8の内径面8aに沿った内側面11aと、外輪3のカム面7の拡大側端部から前記位置決め部10に合致する外側面11bとを有する。また、外輪3の一つのカム面7と、同カム面7の両側の柱部11,11とによって一つのポケットPtが区画され、各ポケットPtにころが収納される。
前記ばね部材5は、一枚の金属板によって形成された環状部5bと、複数のばね片5aとを有する板ばねである。環状部5bは、軸2の外周に径方向隙間を介して装着される内径孔を有する。この環状部5bの外周縁部を周方向一定間隔おきに切り起こすこと等により、複数のばね片5aが形成される。
各ばね片5aの基端部は、環状部5bを成す面から略直角に屈曲して立ち上がり、各ばね片5aの先端部が自由端部となる。これら基端部と先端部との中間部を「く」の字形状に曲げ形成している。環状部5bのうち各基端部付近に、外輪3のカム面7に接する位置決め用の突起等が設けられている。また環状部5bの各基端部付近に、位置決め用の貫通孔5baが形成されている。
各ばね片5aの基端部は、環状部5bを成す面から略直角に屈曲して立ち上がり、各ばね片5aの先端部が自由端部となる。これら基端部と先端部との中間部を「く」の字形状に曲げ形成している。環状部5bのうち各基端部付近に、外輪3のカム面7に接する位置決め用の突起等が設けられている。また環状部5bの各基端部付近に、位置決め用の貫通孔5baが形成されている。
連結部RKについて説明する。
連結部RKは、外輪3と一体に相対回転するトルク伝達輪1を嵌め合い状態に連結するものであり、外輪3の側面に設けられている。連結部RKは、外輪3の一側面(図1(A)右側面)における嵌合孔形成部12と、この嵌合孔形成部12の嵌合孔14に嵌り込む嵌合部15とを有する。嵌合孔形成部12は、図1(B)に示すように、五角孔状の嵌合孔14が外輪3の一端から閉塞つば9にわたって形成されている。嵌合孔形成部12は、嵌合孔14の各角部を形成する部分が他の部分よりも薄肉に形成されている。
連結部RKは、外輪3と一体に相対回転するトルク伝達輪1を嵌め合い状態に連結するものであり、外輪3の側面に設けられている。連結部RKは、外輪3の一側面(図1(A)右側面)における嵌合孔形成部12と、この嵌合孔形成部12の嵌合孔14に嵌り込む嵌合部15とを有する。嵌合孔形成部12は、図1(B)に示すように、五角孔状の嵌合孔14が外輪3の一端から閉塞つば9にわたって形成されている。嵌合孔形成部12は、嵌合孔14の各角部を形成する部分が他の部分よりも薄肉に形成されている。
前記嵌合孔形成部12の嵌合孔14に、トルク伝達輪1の嵌合部15が嵌り込むように形成されている。トルク伝達輪1は、ギヤ部16と前記嵌合部15とを有し、合成樹脂により一体成形されている。嵌合部15は、五角孔状の嵌合孔14に対応するように五角柱状に形成され、この嵌合部15の先端面が閉塞つば9に当接するように軸方向に所定距離延びている。
前記保持器6の各柱部11の先端部分に突起13が設けられる。この突起13は、ばね部材5の貫通孔5ba及び閉塞つば9の貫通孔9aを貫通する。閉塞つば9の5つの貫通孔9aは、五角孔状の嵌合孔14の各角部付近に配置される。保持器6の各柱部11の突起13は、対応するばね部材5の貫通孔5baおよび閉塞つば9の貫通孔9aにそれぞれ挿入される。外輪3の嵌合孔14に、トルク伝達輪1の嵌合部15が嵌り込むことにより、外輪3とトルク伝達輪1とが一体に連結される。
一方向クラッチのリユース方法について説明する。
図4(a),(b)に示すように、新品の一方向クラッチを装置に組み込み稼動する。この装置を例えば所定期間稼動させた後、図4(c)に示すように、軸2およびトルク伝達輪1から離脱した一方向クラッチの使用後品を回収する。この回収した一方向クラッチを、図4(d)に示すように、構成部品毎に分解することなく洗浄、脱脂、乾燥を行う。次に、図4(e)に示すように、外輪外径面に、この一方向クラッチの再生回数等がわかる「印」を付加する。「印」として、例えば、再生品、再生回数等がわかる識別マークを、刻印、ペンシルグラインダー等を用いて外輪外径面の目視可能な表面に施す。図4(e)の例では再生回数が「1」の外輪外径面に、「・」の識別マークを施している。
図4(a),(b)に示すように、新品の一方向クラッチを装置に組み込み稼動する。この装置を例えば所定期間稼動させた後、図4(c)に示すように、軸2およびトルク伝達輪1から離脱した一方向クラッチの使用後品を回収する。この回収した一方向クラッチを、図4(d)に示すように、構成部品毎に分解することなく洗浄、脱脂、乾燥を行う。次に、図4(e)に示すように、外輪外径面に、この一方向クラッチの再生回数等がわかる「印」を付加する。「印」として、例えば、再生品、再生回数等がわかる識別マークを、刻印、ペンシルグラインダー等を用いて外輪外径面の目視可能な表面に施す。図4(e)の例では再生回数が「1」の外輪外径面に、「・」の識別マークを施している。
次に、この一方向クラッチに、図4(f)に示すように、含油、遠心分離、防錆を施す。含有過程では、多孔質の焼結材から成る外輪3に再含油が行われる。この後、遠心分離過程において、外輪3の表面の油分を飛散させる。その後この一方向クラッチに防錆処理を施す。含油焼結体でない外輪の場合には、「含油」に代えて、一方向クラッチにグリース再封入を行う。
再生した一方向クラッチの出荷検査として、図4(g)に示すように、軸2に前記一方向クラッチを組込み、軸2に対する外輪3の一方向の相対回転で外輪3の相対回転を阻止(ロック)するか否かを確認する。また、軸2に対する外輪3の他方向の相対回転で回転を許容(空転)するか否か及び空転トルクのレベルを確認する。このようにロック及び空転確認を行った後、一方向クラッチをユーザ等に出荷し得る。
再生した一方向クラッチの出荷検査として、図4(g)に示すように、軸2に前記一方向クラッチを組込み、軸2に対する外輪3の一方向の相対回転で外輪3の相対回転を阻止(ロック)するか否かを確認する。また、軸2に対する外輪3の他方向の相対回転で回転を許容(空転)するか否か及び空転トルクのレベルを確認する。このようにロック及び空転確認を行った後、一方向クラッチをユーザ等に出荷し得る。
以上説明した一方向クラッチによると、外輪3及び係合子4の硬度を軸2の硬度よりも高くしたため、外輪3及び係合子4の摩耗よりも軸2の摩耗が先に生じる。一方向クラッチの使用後品を回収し、軸2に摩耗が生じていなければ、一方向クラッチの使用後品も摩耗が生じていないと判断できる。よって、外輪3のカム面7の摩耗状態や、ころの摩耗状態等を確認することなく、換言すれば、一方向クラッチ構成部品毎に分解してこれら構成部品の摩耗状態を確認することなく摩耗等の破損状況を組込み状態で、一方向クラッチをリユース可能と判断できる。また、トルク伝達輪1を嵌め合い状態に連結する連結部を、外輪3の側面に設けたため、一方向クラッチとトルク伝達輪1との組み込み及び分解が、一方向クラッチの側面から行えて容易化できる。したがって、一方向クラッチを装置から容易に回収することができる。
前記トルク伝達輪1が合成樹脂から成るものであるため、トルク伝達輪1の形状について設計の自由度を高めることができる。トルク伝達輪1の嵌合部15を、外輪3の五角孔状の嵌合孔14に対応するように五角柱状に容易に形成し得る。このように連結部の形状、寸法等に応じたトルク伝達輪1を得ることができる。
外輪3を、油が含浸された多孔質の焼結材から成る含油焼結体とし、この外輪3を含む一方向クラッチを洗浄・脱脂した後、外輪3に再含油を行う。この場合、潤滑は、外輪3に含浸された油で行うため、グリース潤滑に比べて使用後に一方向クラッチに増ちょう剤等の付着がない。このため、グリース潤滑させた一方向クラッチを洗浄する場合に比べて、再利用する際の一方向クラッチの洗浄が容易になり、工数低減を図ることができる。
また、外輪3に、再生回数がわかる印を付加したため、一方向クラッチが新品か再生品かの区別ができるうえ、一方向クラッチ生産側およびユーザ側での管理が可能となる。
また、外輪3に、再生回数がわかる印を付加したため、一方向クラッチが新品か再生品かの区別ができるうえ、一方向クラッチ生産側およびユーザ側での管理が可能となる。
次に、この発明の他の実施形態について説明する。
以下の説明においては、各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
以下の説明においては、各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
図5の一方向クラッチは、図1の連結部に代えて、保持器6の蓋8A等に、トルク伝達輪1を嵌め合い状態に連結する連結部を設けたものである。この蓋8Aは、図1の蓋8よりも軸方向寸法が長く形成される。蓋8Aの表面には、径方向に延びる突起8Aa,8Aaが180度対称位置に設けられる。トルク伝達輪1のギヤ部の一端部には、突起8Aa,8Aaに嵌め込まれる図示外の凹部が径方向に延びるように形成されている。これら突起8Aa,8Aaと、前記貫通孔5ba,9aに挿入される柱部11の突起13とにより連結部が構成される。その他の構成は、図1のものと同様である。この図5の一方向クラッチにおいても、外輪3及び係合子4の硬度を軸2(図2)の硬度よりも高くしたため、外輪3のカム面7の摩耗状態や、ころの摩耗状態等を確認することなく、一方向クラッチをリユース可能と判断できる。トルク伝達輪を嵌め合い状態に連結する連結部を、外輪3の側面に設けたため、一方向クラッチとトルク伝達輪1との組み込み及び分解がし易くなる。したがって、一方向クラッチを装置から容易に回収することができる。
他の形態として、油が含浸された多孔質の焼結材から成る外輪に代えて、グリース潤滑を行う外輪を適用することも可能である。外輪の端面に、再生回数がわかる印を付加しても良い。ばね部材は種々の形態のものを代替可能である。金属板から成るばね部材に代えてコイルばねから成るばね部材を適用することも可能である。係合子として、ボール等を適用しても良い。トルク伝達輪として、プーリを適用しても良い。
1…トルク伝達輪
2…軸
3…外輪
4…係合子
5…ばね部材
6…保持器
7…カム面
8…蓋
9…閉塞つば
RK…連結部
2…軸
3…外輪
4…係合子
5…ばね部材
6…保持器
7…カム面
8…蓋
9…閉塞つば
RK…連結部
Claims (8)
- 内周面の円周方向複数箇所にカム面を有し軸の外周に配置される外輪と、この外輪の前記各カム面と前記軸との間に介在する複数の係合子と、これら複数の係合子を保持する保持器と、この保持器に支持されて前記各係合子に前記カム面に向かって前記円周方向へ弾性による力を付与するばね部材とを備え、前記各カム面が、前記軸に対する外輪の一方向の相対回転では前記係合子が係合して外輪の相対回転を阻止し、他方向の相対回転では前記係合子が非係合状態になって回転を許容する楔面を構成する一方向クラッチにおいて、
前記外輪及び係合子の硬度を前記軸の硬度よりも高くし、前記外輪と一体に相対回転可能とするトルク伝達輪を嵌め合い状態に連結する連結部を、前記外輪の側面に設けたことを特徴とする一方向クラッチ。 - 請求項1において、前記外輪を、油が含浸された多孔質の焼結材から成る含油焼結体とした一方向クラッチ。
- 請求項1または請求項2において、前記外輪の内周面に、複数の係合子の軸方向移動を規制する径方向内向きの閉塞つばを設けると共に、前記外輪の開放端面を閉塞する蓋を設け、これら蓋と閉塞つばとトルク伝達輪とを、前記連結部を介して一体回転するように連結した一方向クラッチ。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記トルク伝達輪が樹脂から成る一方向クラッチ。
- 内周面の円周方向複数箇所にカム面を有し軸の外周に配置される外輪と、この外輪の前記各カム面と前記軸との間に介在する複数の係合子と、これら複数の係合子を保持する保持器とを備え、前記各カム面が、前記軸に対する外輪の一方向の相対回転では前記係合子が係合して外輪の相対回転を阻止し、他方向の相対回転では前記係合子が非係合状態になって回転を許容する楔面を構成する一方向クラッチを再利用するリユース方法において、
前記外輪及び係合子の硬度を前記軸の硬度よりも高くし、前記外輪と一体に相対回転可能とするトルク伝達輪を嵌め合い状態に連結する連結部を、前記外輪の側面に設け、
前記一方向クラッチのうち、前記軸およびトルク伝達輪から離脱した一方向クラッチの使用後品を回収し、この回収した一方向クラッチを分解することなく洗浄を行う洗浄過程と、
この洗浄過程の後、一方向クラッチに潤滑剤の再供給を行う潤滑剤供給過程と、
を有する一方向クラッチのリユース方法。 - 請求項5において、前記外輪を、油が含浸された多孔質の焼結材から成る含油焼結体とし、前記洗浄過程において、前記外輪を含む一方向クラッチを洗浄・脱脂した後、潤滑剤供給過程において、前記外輪に再含油を行う一方向クラッチのリユース方法。
- 請求項5または請求項6において、前記外輪に、再生回数がわかる印を付加した一方向クラッチのリユース方法。
- 請求項5ないし請求項7のいずれか1項において、再生した一方向クラッチの出荷検査として、軸に前記一方向クラッチを組込み、前記軸に対する外輪の一方向の相対回転で外輪の相対回転を阻止するか否かを確認し、前記軸に対する外輪の他方向の相対回転で回転を許容するか否か及び空転トルクのレベルを確認する一方向クラッチのリユース方法。
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JP2009238321A JP2011085192A (ja) | 2009-10-15 | 2009-10-15 | 一方向クラッチおよびそのリユース方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2009
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