JP2011083129A - スイッチング電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】可変発振回路の周波数特性が有する温度依存性にも対応しつつ、絶縁トランスの一次側に設けられたスイッチング用トランジスタに流れる過大電流に対して、スイッチング用トランジスタなどを保護する。
【解決手段】可変発振回路を有するスイッチング信号生成手段と、スイッチング信号が供給される一対のスイッチング素子と、一対のスイッチング素子の接続点に絶縁トランスの一次コイルを介して接続された共振用コンデンサと、絶縁トランスの二次側に設けられた整流回路と、この整流回路に得られる出力電圧を基準電圧と比較する比較手段と、この比較出力により可変発振回路の発振素子のインピーダンスを制御するインピーダンス制御手段と、コンデンサに充電する充電電圧により、可変発振回路の初期駆動時の発振周波数をコントロールするソフトスタート回路と、を備え、ソフトスタート回路の充電特性をリニアな特性とし、可変発振回路における発振周波数の時間に対する特性をノンリニアな特性とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、電源起動時に、絶縁トランスの一次側に設けられたスイッチング用トランジスタに流れる過大電流に対して、スイッチング用トランジスタなどを保護することを目的とするスイッチング電源装置に関する。
従来、スイッチング電源装置として電流共振方式によるものが知られている。図4は、この電流共振方式のスイッチング電源装置の中でも、SEPP(Single Ended Push Pull)方式の電源構成を示している。
図4に示すように、このスイッチング電源装置は、スイッチング信号生成回路10として可変発振回路12が設けられ、その発振信号がドライブ回路13に供給されて、例えば互いに逆相関係の一対のスイッチング信号が生成される。
一対のスイッチング信号は、SEPP構成の一対のスイッチング素子21、22に供給される。これら一対のスイッチング素子21、22の接続中点と接地間には、絶縁トランス23の一次コイル23aを介して共振用のコンデンサC3が接続される。
絶縁トランス23の一対の二次コイル23b、23cを流れる二次電流はそれぞれダイオード24a、24bによって両波整流され、両波整流された電流は平滑用コンデンサC4に充電される。したがって平滑用コンデンサC4の両端に得られる電圧が出力電圧Voとして負荷(図示はしない)に供給される。
出力電圧は電圧比較手段としての比較器COMP10に供給され、基準電圧Vrefと電圧比較される。その比較出力は絶縁トランス23の一次側と二次側とを絶縁するために設けられたインダクタンス制御手段を構成するホトカプラー(Tr11とD10)に供給される。ホトカプラーはホトダイオードD10と可変インダクタンス素子として機能するホトトランジスタTr11とで構成され、比較出力に応じた電流がこのホトトランジスタTr11を流れる。
ホトトランジスタTr11は固定の抵抗器R12を介して外部端子に接続される。したがってホトトランジスタTr11がオン状態のときは発振素子である抵抗器R11に対してこの抵抗器R12と、ホトトランジスタTr11による直列インピーダンスが並列接続されたことになる。
この共振回路で一対のスイッチング素子21、22に供給されるスイッチング信号のスイッチング周波数が高いときは一次側共振インピーダンスZが大きくなり、スイッチング周波数が低くなるにしたがって一次側共振インピーダンスZが低下する。一次側共振インピーダンスZがこのような変化を伴うと、一次コイル23aに流れる共振電流も変化することから、この共振電流を制御することで絶縁トランス23の二次側に誘起される出力電圧Voをコントロールできる。
したがって、例えば、出力端子に得られる出力電圧Voが基準電圧Vrefよりも高いときには、ホトトランジスタTr11もその比較出力に応じたインピーダンスとなるから、外部端子の合成抵抗は抵抗器R11単体の場合よりも小さくなり、これによって発振周波数fswが高くなる。
発振周波数fswが高くなると一次コイル23aとコンデンサC3で決まる一次側共振インピーダンスZが大きくなるから、この一次コイル23aを流れる電流が制限され、その値が小さくなる。この電流減少に伴って二次コイル23b、23c側に誘起される電流も少なくなり、その結果、平滑用コンデンサC4への充電電圧が下がる。つまり出力電圧Voが基準電圧Vref方向に制御される。
また、これとは逆に、出力電圧Voが基準電圧Vrefより低下したときには、ホトトランジスタTr11のインピーダンスが大きくなり、外部端子での合成抵抗値が大きくなって、可変発振回路12はその発振周波数fswが低くなるように制御される。その結果としてスイッチング素子21、22に対するスイッチング周波数が下がり、これに伴って絶縁トランス23の一次側共振インピーダンスZが低下して共振電流が増える。共振電流が増えると二次側の電流も増えるから、これによって平滑用コンデンサC4への充電電圧Voが上昇し、基準電圧Vrefに近付くような閉ループ制御が行われる。
ところで、このスイッチング電源装置においては、電源をオンにした起動時から平滑用コンデンサC4が定常状態の電圧まで上昇するまでの期間は、大きな値の共振電流が流れるので、このときの電流でスイッチング素子21、22が大きなダメージを被ることがある。
このようなダメージを少なくするため、従来から起動時の共振電流を制限するものとして、ソフトスタート回路11が設けられているものがある。このソフトスタート回路11はスイッチング信号生成回路10内に設けられ、このソフトスタート回路11に配された外部端子に外付け用の充電用コンデンサC1が接続され、この充電用コンデンサC1への充電を電源オンに同期して開始するようにする。そして、このときの充電電圧の変化によって発振素子である外部端子に接続された発振コンデンサC2の充電電流を変化させる。
発振コンデンサC2への充電電流が時間と共に変化すると、その変化に相応して発振周波数fswも変化する。これを以下、図6を参照して説明する。
図6(A)は、電源オン時からの充電電圧の変化を示すもので、その充電特性は直線Laに示すようにリニアである。このとき可変発振回路12は、これに接続されたソフトスタート回路11に関連する充電用コンデンサC1の充電電圧によってその発振周波数fswが変わる。発振周波数fswもほぼリニアに変化し、図6(B)の直線Lbに示すように、充電電圧がゼロボルトのとき高い周波数で発振し、充電電圧が高くなるにつれ発振周波数fswが低下する特性を示す。
一方、一次側共振インピーダンスZは図5にも示すように、共振周波数foから周波数が高くなるにつれ、一次側共振インピーダンスZが大きくなるような特性曲線Loであるから、一次側共振インピーダンスZと時間の関係を図示すると、図6(C)のようになる。つまり、最初は一次側共振インピーダンスZが高く、その後急激に低下し、充電電圧がフル充電に近づくにつれ、再びインピーダンスの変化が緩やかになるようなノンリニア特性となる。
その結果、この一次共振回路系を流れる一次電流は、図6(D)の曲線Lcに示すように電源オン時から所定の時間まではあまり流れないが、ある程度の時間が経つと急激に電流が増加するようなノンリニア特性となる。これに伴って、出力端子側に接続された平滑用コンデンサC4の出力電圧(充電電圧)Voは図6(E)の曲線Ldに示すように、最初は緩やかに充電されるが、その後、急激な充電が行われるような充電モードとなる。ソフトスタートモードが終了する時点tbの直前は緩やかな充電となり、時点tb以降では閉ループによる電圧制御モードに遷移し、図6(E)の曲線Leに示すように基準電圧Vrefに落ち着く電圧制御が行われる。
このように、一次側共振インピーダンスZの変化による影響を受けてソフトスタートモードが終了する直前までは急激な電流が一次側共振系に流れる。この急激な電流によって一対のスイッチング素子21、22には大きなストレスがかかるため、これらスイッチング素子21、22などがダメージを受けることがある。
このような問題点に対応するために、ソフトスタート回路の充電特性と可変発振回路の周波数特性とをノンリニア特性とすることにより、電源オン時における発振周波数の変化に対して、負荷側に設けられた充電コンデンサの充電が開始してから完了する直前までの発振周波数の変化を緩やかにすることができ、これに伴って絶縁トランスの一次側を流れる電流の急激な変化を抑えることができる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−190063号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、ソフトスタート回路の充電特性を負荷に適した充電特性とすることにより、上記の制御を実現し、安定的な動作が期待できるものの、可変発振回路の周波数特性が有する温度依存性には、対応することができないという問題がある。
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、可変発振回路の周波数特性が有する温度依存性にも対応しつつ、絶縁トランスの一次側に設けられたスイッチング用トランジスタに流れる過大電流に対して、スイッチング用トランジスタなどを保護することができるスイッチング電源回路を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。
(1)本発明は、可変発振回路(例えば、図1の可変発振回路12に相当)を有するスイッチング信号生成手段(例えば、図1のスイッチング信号生成回路10に相当)と、このスイッチング信号が供給される一対のスイッチング素子(例えば、図1の21、22に相当)と、これら一対のスイッチング素子の接続点に絶縁トランスの一次コイルを介して接続された共振用コンデンサ(例えば、図1のC3に相当)と、前記絶縁トランスの二次側に設けられた整流回路(例えば、D1、D2に相当)と、この整流回路に得られる出力電圧を基準電圧と比較する比較手段(例えば、図1のCOMP10に相当)と、この比較出力に基づいて前記可変発振回路の発振素子のインピーダンスを制御するインピーダンス制御手段と、コンデンサに充電する充電電圧により、前記可変発振回路の初期駆動時の発振周波数をコントロールするソフトスタート回路(例えば、図1のソフトスタート回路11に相当)と、を備えたスイッチング電源装置であって、前記ソフトスタート回路の充電特性をリニアな特性とし、前記可変発振回路における発振周波数の時間に対する特性をノンリニアな特性としたことを特徴とするスイッチング電源装置を提案している。
この発明によれば、ソフトスタート回路の充電特性をリニアな特性とし、可変発振回路における発振周波数の時間に対する特性をノンリニアな特性としている。したがって、可変発振回路における発振周波数の時間に対する特性をノンリニアな特性とすることにより、電源オン時における発振周波数の変化に対して、負荷側に設けられた充電コンデンサの充電が開始してから完了する直前までの発振周波数の変化を緩やかにすることができ、これに伴って絶縁トランスの一次側を流れる電流の急激な変化を抑えることができる。つまり、絶縁トランスの一次側に接続されたスイッチング素子には過電流が流れなくなるので、これらスイッチング素子のダメージを従来よりも大幅に軽減でき、これらスイッチング素子を確実に保護できる。また、ソフトスタート回路の充電特性をリニアな特性とすることにより、温度依存性を有する可変発振回路の周波数特性を最適化することができる。
(2)本発明は、(1)のスイッチング電源装置について、前記可変発振回路における発振周波数の時間に対する特性をなす少なくとも1以上の変曲点とその傾きとを任意に決定することができることを特徴とするスイッチング電源装置を提案している。
この発明によれば、可変発振回路における発振周波数の時間に対する特性をなす少なくとも1以上の変曲点とその傾きとを任意に決定することができる。したがって、温度依存性を有する可変発振回路の周波数特性を最適化することができる。
(3)本発明は、(1)のスイッチング電源装置について、前記ソフトスタート回路が、ソフトスタート用コンデンサ(例えば、図2のC1に相当)と、該ソフトスタート用コンデンサを充電する第1の定電流源(例えば、図2のI0に相当)と、前記ソフトスタート用コンデンサの端子電圧と所定の第1の閾値電圧とを比較する第1の比較器(例えば、図2のCOMP1に相当)と、一端が第2の定電流源に接続され、他端が前記可変発振回路に接続される可変発振用コンデンサに接続された第1のスイッチ素子(例えば、図2のSW1に相当)と、前記ソフトスタート用コンデンサの端子電圧と所定の第2の閾値電圧とを比較する第2の比較器(例えば、図2のCOMP2に相当)と、一端が第3の定電流源に接続され、他端が前記可変発振回路に接続される可変発振用コンデンサに接続された第2のスイッチ素子(例えば、図2のSW2に相当)と、を備え、前記第1のスイッチ素子は、前記ソフトスタート用コンデンサの端子電圧が0(V)から前記第1の閾値電圧に上昇する間、所定の速度で開状態となり、前記第2のスイッチ素子は、前記ソフトスタート用コンデンサの端子電圧が前記第1の閾値電圧から前記第2の閾値電圧に上昇する間、所定の速度で開状態となることを特徴とするスイッチング電源装置を提案している。
この発明によれば、ソフトスタート用コンデンサを充電する第1の定電流源により、ソフトスタート回路の充電特性をリニアな特性とすることができる。また、第1のスイッチ素子は、ソフトスタート用コンデンサの端子電圧が0(V)から前記第1の閾値電圧に上昇する間、所定の速度で開状態となり、第2のスイッチ素子は、ソフトスタート用コンデンサの端子電圧が第1の閾値電圧から第2の閾値電圧に上昇する間、所定の速度で開状態となる。したがって、可変発振回路の周波数特性をノンリニアな特性とするとともに、第1の閾値電圧および第2の閾値電圧の電圧値、第1のスイッチ素子および第2のスイッチ素子が開状態となる速度を決定することにより、変曲点のポイントおよびその傾きを自在に設定できるため、温度依存性を有する可変発振回路の周波数特性を最適化することができる。
本発明によれば、電源オン時における発振周波数の変化に対して、負荷側に設けられた充電コンデンサの充電が開始してから完了する直前までの発振周波数の変化を緩やかにすることができ、これに伴って絶縁トランスの一次側を流れる電流の急激な変化を抑えることができる。したがって絶縁トランスの一次側に接続されたスイッチング素子には過電流が流れなくなるので、これらスイッチング素子のダメージを従来よりも大幅に軽減でき、これらスイッチング素子を確実に保護できるという効果がある。
また、負荷に印加される出力電圧、特に電源オン時における電圧変化は、ソフトスタート回路の周波数特性に依存するものであるから、この周波数特性をその負荷に適した1つ以上の変曲点と傾きを任意に設定した温度にほとんど依存しない周波数特性とすることによって、より安定した回路動作を簡単な回路構成により実現できるという効果がある。
本発明のスイッチング電源装置の構成を示す図である。 本発明のソフトスタート回路の構成を示す図である。 本発明のソフトスタート回路の充電特性と可変発振回路の周波数特性とを示す図である。 従来例に係るスイッチング電源装置の構成を示す図である。 従来例に係る一次側共振インピーダンス特性を示す特性図である。 従来例の動作を説明するための波形図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
図1から図3を用いて、本発明に係るスイッチング電源装置について説明する。なお、図1は、本発明に係るスイッチング電源装置の全体構成を示すものであるが、図中、ソフトスタート回路の機能を除いた他の構成要素については、上記において説明した対応する従来例の構成要素と同様の機能を有することから、その詳細な説明は、省略する。
<ソフトスタート回路の構成>
本発明に係るソフトスタート回路は、図2に示すように、定電流源I0、I1、I2と、充電用コンデンサC1、C2と、コンパレータCOMP1、COMP2と、基準電源V1、基準電源V2と、スイッチSW1、SW2と、MOSFETQ1からQ6とから構成されている。
定電流源I0は、端子SSを介して充電用コンデンサC1の一端に接続され、充電用コンデンサC1の他端は、接地されている。コンパレータCOMP1のマイナス端子には、基準電源V1が接続され、プラス端子は、端子SSに接続されている。
定電流源I1は、スイッチSW1の一端に接続され、その他端は、MOSFETQ1のドレインに接続されている。また、MOSFETQ1のドレイン−ゲート間は、ショートされ、ソースは接地されているとともに、そのゲートは、MOSFETQ3のゲートに接続されている。なお、スイッチSW1は、充電用コンデンサC1の端子電圧が0(v)から基準電源V1(v)にあるときに、コンパレータCOMP1の出力により、所定の速度で開状態とされる。
定電流源I2は、スイッチSW2の一端に接続され、その他端は、MOSFETQ2のドレインに接続されている。また、MOSFETQ2のドレイン−ゲート間は、ショートされ、ソースは接地されているとともに、そのゲートは、MOSFETQ4のゲートに接続されている。なお、スイッチSW2は、充電用コンデンサC1の端子電圧が基準電源V1(v)から基準電源V2(v)にあるときに、コンパレータCOMP2の出力により、所定の速度で開状態とされる。
MOSFETQ5とMOSFETQ6は、カレントミラー回路を構成し、端子CTを介して、発振コンデンサC2に充電電流を供給する。また、発振コンデンサC2の端子電圧は、可変発振回路12内の発振器に供給され、発振器は、入力した電圧に応じた周波数の発振信号を出力する。
<ソフトスタート回路の動作>
端子SSに接続された充電用コンデンサC1は、定電流源I0から供給される定電流により充電され、図3上側に示す(図中、SS充電電圧と表示)リニアな充電特性を示す。一方、初期状態では、発振コンデンサC2には、定電流源I1からスイッチSW1、MOSFETQ1、MOSFETQ3のゲート−ドレイン、MOSFETQ5とMOSFETQ6とからなるカレントミラー回路を介して、定電流が供給されるとともに、定電流源I2からスイッチSW2、MOSFETQ2、MOSFETQ4のゲート−ドレイン、MOSFETQ5とMOSFETQ6とからなるカレントミラー回路を介して、定電流が供給される。
次に、充電用コンデンサC1の充電電圧(Va)が0(v)から基準電源V1(v)にある場合、コンパレータCOMP1の出力により、スイッチSW1が所定の速度で開状態とされ、定電流源I1から発振コンデンサC2に供給される電流がスイッチSW1の開速度に応じた傾きで減少する。これによって、可変発振回路12内の発振器に供給される電圧が、スイッチSW1の開速度に応じた傾きで減少することから、発振器の周波数もこれに応じて、低くなり、スイッチSW1が完全に開状態となると、図3の変曲点Aとなる。
さらに、充電用コンデンサC1の充電電圧(Va)が基準電源V1(v)から基準電源基準電源V2(v)にある場合、コンパレータCOMP1の出力により、スイッチSW1が完全に開状態となるとともに、コンパレータCOMP2の出力により、スイッチSW2が所定の速度で開状態とされ、定電流源I2から発振コンデンサC2に供給される電流がスイッチSW2の開速度に応じた傾きで減少する。これによって、可変発振回路12内の発振器に供給される電圧が、スイッチSW2の開速度に応じた傾きでさらに減少することから、発振器の周波数もこれに応じて、低くなり、スイッチSW2が完全に開状態となると、図3の変曲点Bとなる。
上記のような動作により、ソフトスタート回路の充電特性は、リニアな特性となり、可変発振回路の周波数特性は、ノンリニアな特性となる。なお、可変発振回路の周波数特性の変曲点は、基準電源V1、基準電源V2の値を調整することで自在に変更できる。また、その傾きは、スイッチSW1、スイッチSW2の開速度で自在に変更することができる。
したがって、本実施形態によれば、ソフトスタート回路の充電特性をリニアな特性に、可変発振回路の周波数特性をノンリニアな特性にすることにより、そもそもノンリニアに変化する一次側共振インピーダンスZがほぼリニアに変化するようになる。つまり、一次側電流は、一次側共振インピーダンスZの変化によって決まるため、一次側共振インピーダンスZをほぼリニアに変化させることにより、一次側電流の過電流化が阻止され、スイッチング素子に流れる過電流を防止し、スイッチング素子へのダメージを軽減できる。
また、負荷に印加される出力電圧、特に電源オン時における電圧変化は、ソフトスタート回路の周波数特性に依存するものであるから、この周波数特性をその負荷に適した1つ以上の変曲点と傾きを任意に設定した温度にほとんど依存しない周波数特性とすることによって、より安定した回路動作を簡単な回路構成により実現できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
12;可変発振回路
13;ドライバ
14;ソフトスタート回路
I0、I1、I2;定電流源
C1、C2;コンデンサ
COMP1、COMP2;コンパレータ
V1、V2;基準電源
SW1、SW2;スイッチ
Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6;MOSFET

Claims (3)

  1. 可変発振回路を有するスイッチング信号生成手段と、このスイッチング信号が供給される一対のスイッチング素子と、これら一対のスイッチング素子の接続点に絶縁トランスの一次コイルを介して接続された共振用コンデンサと、前記絶縁トランスの二次側に設けられた整流回路と、この整流回路に得られる出力電圧を基準電圧と比較する比較手段と、この比較出力に基づいて前記可変発振回路の発振素子のインピーダンスを制御するインピーダンス制御手段と、コンデンサに充電する充電電圧により、前記可変発振回路の初期駆動時の発振周波数をコントロールするソフトスタート回路と、を備えたスイッチング電源装置であって、
    前記ソフトスタート回路の充電特性をリニアな特性とし、前記可変発振回路における発振周波数の時間に対する特性をノンリニアな特性としたことを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 前記可変発振回路における発振周波数の時間に対する特性をなす少なくとも1以上の変曲点とその傾きとを任意に決定することができることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。
  3. 前記ソフトスタート回路が、
    ソフトスタート用コンデンサと、
    該ソフトスタート用コンデンサを充電する第1の定電流源と、
    前記ソフトスタート用コンデンサの端子電圧と所定の第1の閾値電圧とを比較する第1の比較器と、
    一端が第2の定電流源に接続され、他端が前記可変発振回路に接続される可変発振用コンデンサに接続された第1のスイッチ素子と、
    前記ソフトスタート用コンデンサの端子電圧と所定の第2の閾値電圧とを比較する第2の比較器と、
    一端が第3の定電流源に接続され、他端が前記可変発振回路に接続される可変発振用コンデンサに接続された第2のスイッチ素子と、
    を備え、
    前記第1のスイッチ素子は、前記ソフトスタート用コンデンサの端子電圧が0(V)から前記第1の閾値電圧に上昇する間、所定の速度で開状態となり、前記第2のスイッチ素子は、前記ソフトスタート用コンデンサの端子電圧が前記第1の閾値電圧から前記第2の閾値電圧に上昇する間、所定の速度で開状態となることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。
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