JP2011082155A - 非水系電解質電池の製造方法、非水系電解質電池の製造に用いる巻芯 - Google Patents

非水系電解質電池の製造方法、非水系電解質電池の製造に用いる巻芯 Download PDF

Info

Publication number
JP2011082155A
JP2011082155A JP2010204955A JP2010204955A JP2011082155A JP 2011082155 A JP2011082155 A JP 2011082155A JP 2010204955 A JP2010204955 A JP 2010204955A JP 2010204955 A JP2010204955 A JP 2010204955A JP 2011082155 A JP2011082155 A JP 2011082155A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
core
contact angle
separator
tetrafluoroethylene
electrolyte battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010204955A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5481330B2 (ja
Inventor
Atsuhiro Otsuka
淳弘 大塚
Satoshi Nishikawa
聡 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP2010204955A priority Critical patent/JP5481330B2/ja
Publication of JP2011082155A publication Critical patent/JP2011082155A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5481330B2 publication Critical patent/JP5481330B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Cell Separators (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、アラミド樹脂を含む耐熱性多孔質層を適用したセパレータを用いて非水系電解質電池を製造する場合における製造上の不具合を改善する非水系電解質電池の製造方法を提供する。
【解決手段】正極、少なくとも一方の表面層がアラミド樹脂を含む耐熱性多孔質層であるセパレータ、および負極を、水に対する接触角が90°以上である表面を有する巻芯により捲回して電池素子を作製する工程を有する非水系電解質電池の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性に優れたセパレータを備えた非水系電解質電池を製造する方法及びそれに用いる巻芯に関するものであり、特に正極、セパレータおよび負極を巻芯に捲回させ、捲回させた電池素子を巻芯から取り外すのに好適な方法及び巻芯に関する。
携帯電話・ノートパソコンといった携帯用電子機器の主電源には、高エネルギー密度を有するという特徴から、主にリチウムイオン二次電池が用いられている。これらの電子機器の高性能化に伴い、リチウムイオン二次電池は小型化・高容量化の要求が高く、高エネルギー密度化の開発が活発である。一方、リチウムイオン二次電池のエネルギー密度の向上に伴い安全性を確保する技術開発も重要となっており、セパレータの耐熱性を向上させる技術も着目されている。
耐熱性を向上させたセパレータとして、例えば、アラミド樹脂を含む多孔質層をポリオレフィン微多孔膜に被覆したセパレータが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。このようなセパレータは、従来のセパレータに比べて耐熱性が高いため、リチウムイオン二次電池の安全性を向上させることができる。
ところで、円筒型、角型などの捲回型リチウムイオン二次電池は、渦巻状の電池素子を外装に入れ、タブを取り付け、電解質を注入することで製造される。ここで、この電池素子は、一般にセパレータの一端を捲回機の巻芯に取り付けた後、両面に正極板と負極板を配した別のセパレータをさらに巻き芯に取り付けた後、巻芯を回転させてセパレータと前記両極板を同時に捲回し、これを巻芯から抜き取ることで製造される。
この巻芯は、ステンレス鋼等の金属材料で作製されているのが一般的である。このような従来のステンレス鋼等で作製された巻芯において、一般的なポリエチレン微孔膜からなるセパレータを用いた場合には電池素子を巻芯から良好に引き抜くことができる。
ところが、特許文献1、2に記載されたようなアラミド樹脂を含む耐熱性多孔質層は滑り性が悪いため、(i)電池素子を巻芯から抜き取る際に電池素子が容易に抜けない、(ii)無理に引き抜くと電池素子の中心部が巻芯とともに突出し、竹の子状になるといった形くずれが生じる、(iii)セパレータのずれや損傷により極板間での短絡が生じる可能性がある、といった問題が懸念される。
この点、巻芯として、ビッカース硬度2000HV以上、摩擦係数0.5以下である表面部を有したものを用いる技術が知られている(例えば、特許文献3参照)。このような技術によれば、上述した問題を解決することが可能となる。
特許第3175730号 特開2005−209570号公報 特開2009−70726号公報
しかしながら、電池素子を巻芯から抜き取る際に形くずれ等が発生しない程度の滑り性を有していても、極性の高いアラミド樹脂と親和性の高い材料を巻芯の表面に用いた場合、アラミド樹脂と巻芯の接着性が高くなるため、耐熱性多孔質層の一部が剥がれ落ちて巻芯の表面に付着してしまう場合がある。このような場合は、巻芯の表面に付着した異物が電池素子の製造に支障を来たす恐れがある。
そこで、本発明は、上述した問題を解決し、アラミド樹脂を含む耐熱性多孔質層を適用したセパレータを用いて非水系電解質電池を製造する場合における製造上の不具合を改善することを目的とする。
具体的には、本発明は、セパレータ等を捲回して作製された電池素子の巻芯からの抜き取り性に優れた非水系電解質電池の製造方法及び巻芯を提供することを目的とする。
前述の課題に対して電池の製造工程に関する検討を鋭意検討した結果、適切な巻芯を選定することにより、上記の製造上の不具合を改善できることを見出し本発明に至った。すなわち、前記課題を達成するための具体的手段は、以下に示す通りである。
<1> 正極、少なくとも一方の表面層がアラミド樹脂を含む耐熱性多孔質層であるセパレータ、および負極を、水に対する接触角が90°以上である表面を有する巻芯により捲回して電池素子を作製する工程を有する非水系電解質電池の製造方法である。
<2> 前記表面は、水に対する接触角が90°以上である材料を含み、前記水に対する接触角が90°以上である材料が、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、無電解めっきにより金属とともに共析されたフッ素樹脂、窒化クロム、および炭化クロムから選ばれる少なくとも一種である前記<1>に記載の非水系電解質電池の製造方法である。
<3> 前記巻芯の表面は、前記セパレータの耐熱性多孔質層に対する摩擦係数が0.6以下であることを特徴とする前記<1>または前記<2>に記載の非水系電解質電池の製造方法である。
<4> 前記巻芯の表面は、下地材に、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、及びポリテトラフルオロエチレンから選ばれる少なくとも一種を含むコーティング液を塗布して形成されたものである前記<1>〜前記<3>のいずれか1つに記載の非水系電解質電池の製造方法である。
<5> 前記巻芯の表面は、下地材に、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、及びポリテトラフルオロエチレンから選ばれる少なくとも一種を含む粉体塗料を塗布して形成されたものである前記<1>〜前記<3>のいずれか1つに記載の非水系電解質電池の製造方法である。
<6> 前記巻芯の表面は、下地材に、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、及びポリテトラフルオロエチレンから選ばれる少なくとも一種を含むシートを付着させて形成されたものである前記<1>〜前記<3>のいずれか1つに記載の非水系電解質電池の製造方法である。
<7> 前記巻芯の表面は、下地材に、炭化クロムをめっきして形成されたものである前記<1>〜前記<3>のいずれか1つに記載の非水系電解質電池の製造方法である。
<8> 前記巻芯の表面は、下地材に、炭化クロムを溶射して形成されたものである前記<1>〜前記<3>のいずれか1つに記載の非水系電解質電池の製造方法である。
<9> 正極、セパレータ、負極、および電解質を具備する非水系電解質電池の、前記正極、前記セパレータ、および前記負極を捲回して電池素子を製造する工程において用いられ、水に対する接触角が90°以上である表面を有する巻芯である。
<10> 前記表面は、水に対する接触角が90°以上である材料を含む前記<9>に記載の巻芯である。
本発明によれば、アラミド樹脂を含むセパレータを用いた非水系電解質電池の製造上の問題を解決し、セパレータ等を捲回して作製された電池素子の巻芯からの抜き取り性に優れた非水系電解質電池の製造方法及び巻芯を提供することができる。これにより、耐熱性多孔質層の剥がれ落ちが回避され、安全性の高い電池を好適に製造することが可能となる。
円筒型電池作製に用いる巻芯の一例を示す模式図である。 本発明の実施例における摩擦係数の測定方法を説明するための模式図である。 本発明における接触角の測定方法を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は以下の構成に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できるものであればいずれの構成をも採用できる。
本発明は、正極、セパレータ、負極および電解質を具備する非水系電解質電池の製造方法であって、前記セパレータの少なくとも一方の表面層がアラミド樹脂を含む耐熱性多孔質層である場合において、正極、セパレータおよび負極を、水に対する接触角が90°以上である表面を有する巻芯により捲回して電池素子を作製する工程を設けて構成されたものである。
本発明は、巻芯の表面の水に対する接触角が90°以上である(好ましくは「水に対する接触角が90°以上である材料」を含む)ことにより、アラミド樹脂を含む耐熱性多孔質層に対する摩擦係数を低減することができると共に、巻芯と耐熱性多孔質層とが過度に接着することを防止できる。これにより、電池素子を巻芯から抜き取る際に、電池素子が型崩れして竹の子状になったり、耐熱性多孔質層の一部が破損したりすることを防止できる。
[巻芯の構成]
本発明において用いられる巻芯について、具体的に説明する。巻芯は、図1に示したような、本体部1と、これを支持する支持体部2とを備えて構成されている。本体部1にはセパレータを挟むスリット3が設けられたタイプを採用できる。なお、支持体部2は、図示しないモーターに連結されて回転するような構成となっている。本体部1の少なくともセパレータと接触する表面は、水に対する接触角が90°以上であり、好ましくは「水に対する接触角が90°以上である材料」を含んで形成されている。
巻芯の表面を形成する「水に対する接触角が90°以上である材料」としては、例えば、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(以下、ETFEということがある。)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(以下、FEPということがある。)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、PFAということがある。)、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEということがある。)等のテトラフルオロエチレン系重合体や、無電解めっきにより金属とともに共析されたフッ素樹脂等の有機材料、または窒化クロム、炭化クロム等の無機材料などから目的等の場合に応じて選択することができる。
水に対する接触角が90°以上である材料は、一種単独で用いるほか、二種以上を併用してもよい。
上記巻芯の表面について、極性の高いアラミド樹脂との接着性が高いと芯抜けにおいて不良が発生するため、極性の高い水に対する接触角が90°以上の材料が好ましく用いられる。接触角は、さらに好ましくは100°以上である。なお、巻芯の表面に水に対する接触角が90°以上の材料を用いたとしても、巻芯の下地の材質や表面層の形成方法、表面層の凹凸状態によって、必ずしも巻芯の表面の接触角が90°以上になるとは限らない。
水に対する接触角は、図3に示すように、平面状に成形した際の表面と該表面上に滴下された水滴の接線とのなす角度θであり、接触角計(DM300 協和界面科学株式会社製)を用いて、空気中常温で静的法により測定される値である。また、測定においては、巻芯の形状が複雑であり、測定が困難である場合、巻芯と同等のコーティングをステンレス鋼板に実施し、巻芯と同等の表面組成を持つ板を作製し、接触角を測定すればよい。
ここで、巻芯の表面とは、水に対する接触角が90°以上である材料が有機材料の場合、深さ100μmまでの厚みの層であり、特に、深さ10μmまでの厚みの層に「水に対する接触角が90°以上である材料」が含有されていることが好ましい。また、水に対する接触角が90°以上である材料が無機材料の場合、深さ10μmまでの厚みの層であり、特に、深さ3μmまでの厚みの層に「水に対する接触角が90°以上である材料」が含有されていることが好ましい。
また、「水に対する接触角が90°以上である材料」としてETFE、FEP、PFA、PTFE等のテトラフルオロエチレン系重合体を用いる場合、表面のETFE、FEP、PFA、PTFE等は、表面をなす層の固形分に対して10質量%以上、好ましくは40質量%以上含まれていることが好ましい。さらに、セパレータと接触する巻芯面積の全面積中、ETFE、FEP、PFA、PTFE等のテトラフルオロエチレン系重合体を含む部分の面積が30%以上、好ましくは50%以上を占めることが好ましい。
本発明におけるETFE中のエチレンの含有量は、共重合体の成形性の観点から、1〜50mol%程度とすることが好ましく、さらに好ましくは1〜20mol%の範囲である。
本発明におけるFEP中のヘキサフルオロプロピレンの含有量は、共重合体の成形性の観点から、1〜40mol%程度とすることが好ましく、さらに好ましくは1〜20mol%の範囲である。
本発明におけるPFAとは、すなわちテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体とは−CFCF−と−CF(ORf)CF−の2種のモノマー単位からなる共重合体をいう。ここでRfは炭素数が1〜8のパーフロオロアルキル基である。この共重合体中のパーフルオロアルキルビニルエーテルの含有量は共重合体の成形性の観点から、1〜40mol%程度とすることが好ましく、さらに好ましくは1〜20mol%の範囲である。
「水に対する接触角が90°以上である材料」としてフッ素樹脂を用いる場合、表面のフッ素樹脂は、表面をなす層の固形分に対して5質量%以上、好ましくは20質量%以上含まれていることが好ましい。さらに、セパレータと接触する巻芯面積の全面積中、フッ素樹脂を含む部分の面積が10%以上、好ましくは30%以上を占めることが好ましい。
また、「水に対する接触角が90°以上である材料」として窒化クロム、炭化クロムを用いる場合、表面の窒化クロム又は炭化クロムは、表面をなす層の固形分(質量基準)に対して窒化クロム又は炭化クロムの質量比は30%以上であることが好ましい。30%以上であれば、表面層の強度及び滑りが良好である。さらに、セパレータと接触する巻芯面積の全面積中、窒化クロム又は炭化クロムを含む部分の面積は30%以上、好ましくは50%以上を占めることが好ましい。
窒化クロムを用いる場合、巻芯の表面に窒化クロム以外に金属または金属酸化物が混合されてもよい。窒化クロム以外の金属または酸化物等としては、特に限定されるものではないが、好ましくはビッカース硬度が200HV以上であることが好ましい。例えば、アークイオンプレーティングにより、ターゲートに窒化クロムと混合したい金属との合金を用いることで、窒化クロム以外の金属を混合することが可能である。
また、滑り性向上のために、巻芯の表面に炭化クロム以外にフッ素樹脂を混合してもよい。この場合、前記フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリクロロトリフルオロエチレン、パーフルオロアルキル基含有アクリレート系共重合体、フッ化ビニリデン系共重合体、トリフルオロエチレン・ビニルエーテル交互共重合体等が挙げられ、好ましくは、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体である。
本発明では、巻芯の表面は、前記セパレータの耐熱性多孔質層に対する摩擦係数が0.6以下であることが好ましい。ここで、本発明における摩擦係数は、以下の実施例で示した測定方法により得られた摩擦係数で定義される。セパレータの耐熱性多孔質層に対する摩擦係数が0.6以下であると、耐熱性多孔質層に対する滑り性が良好であり、電池素子を巻芯から抜き取る際の型崩れの発生を防止することができる。
[巻芯の製造方法]
本発明の巻芯は、本体部1の表面のうち、少なくともセパレータと接触する部分が、好ましくは「水に対する接触角が90°以上である材料」で形成され、水に対する接触角が90°以上である表面を有していれば、その製造方法は特に限定されるものではない。水に対する接触角が90°以上である材料が有機材料である場合は、大きく分類して、コーティングによる方法、接着による方法、または粉体塗装による方法、あるいは無電解めっきにより金属と共析する方法により好適に作製される。また、水に対する接触角が90°以上である材料が無機材料である場合は、真空蒸着法、アークイオンプレーティング法、プラズマCVD法、スパッタリング法、電解めっき、溶射コーティング等により好適に作製される。
(コーティングによる方法)
コーティングによる方法は、ステンレス鋼やリボン鋼等の金属材料等からなる下地材の表面に、「水に対する接触角が90°以上である材料」を含有したコーティング液をコーティングする方法であり、複雑な形状の巻芯においても均一被覆が可能である点において優れている。具体的に本方法では、下地材を脱脂処理または空焼きを行って表面の有機物等を除去した後、ブラスター処理等で表面を粗面化後、洗浄・乾燥を実施し、その後「水に対する接触角が90°以上である材料」を含有するコーティング液を用いてトップ塗装を行い、乾燥・焼成を実施することが好適である。この場合、水に対する接触角が90°以上である材料として、前記テトラフルオロエチレン系重合体、特にテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いる場合に好適である。
焼成においては、ETFE等の接触角90°以上の有機材料の融点以上の温度で焼成し、ETFE等の有機材料を溶融させて表面を平滑にするが、焼成を実施せずに、乾燥により溶媒を蒸発させ、ETFE等の有機材料の微粒子を表面にそのまま残す方法も有効である。また、接着性向上のために、下地材とトップ塗装によるコーティング層の間にプライマー層を含有させてもよい。
上記コーティング方法としては、特に限定されるものではないが、例えばスピンコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング等が挙げられ、複雑な形状に均一かつ容易にコーティングできる点でスプレーコーティングとディップコーティングが望ましい。
前記「水に対する接触角が90°以上である材料」としてETFEを用いる場合、接着性向上や塗膜の耐久性向上のために、トップ塗装のコーティング剤には、ETFE以外の樹脂を混合させてもよい。具体的に、ETFE以外の樹脂としては、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、ゴム系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素樹脂等が利用可能であり、金属との接着性を考慮すると、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂がより好ましく、塗膜の耐久性を考慮するとETFE以外のフッ素樹脂の混合が好ましい。ETFE以外のフッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリクロロトリフルオロエチレン、パーフルオロアルキル基含有アクリレート系共重合体、フッ化ビニリデン系共重合体、トリフルオロエチレン・ビニルエーテル交互共重合体等が挙げられる。
前記「水に対する接触角が90°以上である材料」としてFEPを用いる場合、接着性向上や塗膜の耐久性向上のために、トップ塗装のコーティング剤にはFEP以外の樹脂を混合させてもよい。具体的に、FEP以外の樹脂としては、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、ゴム系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素樹脂等が利用可能であり、金属との接着性を考慮すると、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂がより好ましく、塗膜の耐久性を考慮するとFEP以外のフッ素樹脂の混合が好ましい。FEP以外のフッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリクロロトリフルオロエチレン、パーフルオロアルキル基含有アクリレート系共重合体、フッ化ビニリデン系共重合体、トリフルオロエチレン・ビニルエーテル交互共重合体等が挙げられる。
前記「水に対する接触角が90°以上である材料」としてPFAを用いる場合、接着性向上や塗膜の耐久性向上のために、トップ塗装のコーティング剤にはPFA以外の樹脂を混合させてもよい。具体的に、PFA以外の樹脂としては、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、ゴム系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素樹脂等が利用可能であり、金属との接着性を考慮すると、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂がより好ましく、塗膜の耐久性を考慮するとPFA以外のフッ素樹脂の混合が好ましい。PFA以外のフッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリクロロトリフルオロエチレン、パーフルオロアルキル基含有アクリレート系共重合体、フッ化ビニリデン系共重合体、トリフルオロエチレン・ビニルエーテル交互共重合体等が挙げられる。
前記「水に対する接触角が90°以上である材料」としてPTFEを用いる場合、接着性向上や塗膜の耐久性向上のために、トップ塗装のコーティング剤にはPTFE以外の樹脂を混合させてもよい。具体的に、PTFE以外の樹脂としては、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、ゴム系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素樹脂等が利用可能であり、金属との接着性を考慮すると、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂がより好ましく、塗膜の耐久性を考慮するとPTFE以外のフッ素樹脂の混合が好ましい。PTFE以外のフッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリクロロトリフルオロエチレン、パーフルオロアルキル基含有アクリレート系共重合体、フッ化ビニリデン系共重合体、トリフルオロエチレン・ビニルエーテル交互共重合体等が挙げられる。
コーティング液は、コーティング液に含有される樹脂を溶解させた状態、あるいは、当該樹脂を溶解させずにサスペンジョンとして存在させた状態のどちらでもよい。したがって、コーティング液に用いる溶媒としては特に限定されるものではなく、有機系溶剤や水等を用いることができる。
(接着による方法)
接着による方法は、ステンレス鋼やリボン鋼等の金属材料等からなる下地材に、「水に対する接触角が90°以上である材料」を含有するシートを接着剤等で接着する方法や、熱収縮チューブ等を利用して当該下地材に「水に対する接触角が90°以上である材料」を被覆する方法があり、被覆が簡易かつ短時間で加工ができる点で優れている。接着による方法は、水に対する接触角が90°以上である材料として、前記テトラフルオロエチレン系重合体、特にETFE、FEP、PFA、PTFEを用いる場合に好適である。
(粉体塗装による方法)
粉体塗装による方法は、有機溶媒や水等を用いず塗膜形成成分のみで配合されている、「水に対する接触角が90°以上である材料」を含む粉体塗料を、電気的または融着によりステンレス鋼やリボン鋼等の基材にコーティングする方法であり、溶剤等を使用しない観点でコスト的に優れている。粉体塗装による方法も、水に対する接触角が90°以上である材料として、前記テトラフルオロエチレン系重合体、特にETFE、FEP、PFA、PTFEを用いる場合に好適である。
上記塗膜形成成分には、基材との接着性、塗膜表面の滑り性および塗膜強度を向上させるために、「水に対する接触角が90°以上である材料」としてETFE、FEP、PFA、PTFEを用いる場合はETFE、FEP、PFA、PTFE以外の樹脂、フィラーおよびレベリング剤等の添加剤を混合して用いてもよい。
ETFE、FEP、PFA、又はPTFE以外の樹脂としては、上述した「コーティングによる方法」の場合と同様のものを用いることができる。
上記フィラーとしては、特に限定されるものではないが、金属酸化物、金属水酸化物等
が挙げられ、好ましくはビッカース硬度が500HV以上の金属が好ましい。
(無電解めっきにより共析する方法)
無電解めっきにより共析する方法としては、例えば次亜りん酸塩等を還元剤とし、フッ素樹脂微粒子が分散しためっき液に、被めっき物を浸漬して、フッ素樹脂を含有する金属皮膜を得る方法が挙げられる。ここで、めっき液としては、無電解ニッケル−リン合金、ニッケル−ホウ素合金、ニッケル−リン−ホウ素合金等のめっき液が挙げられ、それぞれのめっき液に対応する合金マトリックスを得ることが可能である。具体的には例えば、カニフロン(登録商標、日本カニゼン社製)、メタフロン(上村工業株式会社製)等を用いることができる。
フッ素樹脂とは、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリクロロトリフルオロエチレン、パーフルオロアルキル基含有アクリレート系共重合体、フッ化ビニリデン系共重合体、トリフルオロエチレン・ビニルエーテル交互共重合体等のフッ素樹脂が挙げられ、単独で用いられてもよいし、2種類以上のフッ素樹脂を混合して用いてもよい。
無電解めっきにより金属と共析されたフッ素樹脂は、巻芯の表面をなす層中、例えば5〜50体積%の範囲であることができ、好ましくは5〜30体積%である。具体的には、フッ素樹脂量が50体積%以下であると、被覆物の強度を高く保て、5体積%以上であると、滑り性に優れる。
金属とは、還元剤によって還元される金属であればよく、特に限定されない。例えば、銅、金、銀、ニッケル、スズが挙げられるが、フッ素樹脂と良好なマトリックスを形成するという点においてニッケルがより好ましい。
無電解めっきによりフッ素樹脂を含むニッケル−リン合金マトリックス皮膜を得た後、フッ素樹脂が溶融する温度で熱処理を実施することが皮膜硬度を高くする点において好ましい。
(窒化クロムあるいは炭化クロムを用いた場合の方法)
窒化クロムを用いる場合、真空蒸着法、アークイオンプレーティング法、プラズマCVD法、スパッタリング法等により作製されるのが好ましく、中でも低温で簡易にコーティングできる点でアークイオンプレーティング法がより好ましい。
また、炭化クロムを用いる場合、例えば、めっき浴にステンレス鋼等の下地材を浸漬し、電解めっきにより炭化クロムを積層させる方法が挙げられる。具体的に、前記めっき浴には、クロム酸を主としたサージェント浴、フッ化浴、高速めっき浴等の炭化クロム浴を用いることができ、めっき後、焼成を行ない、巻芯の表面硬度を向上させることも有効である。また、ステンレス鋼等の下地材に炭化クロムを溶射してコーティングする方法も有効である。溶射の方法は、特に限定されないが、プラズマ溶射または超音速溶射が好ましい。
(その他の巻芯の作製方法)
以上のような方法により、「水に対する接触角が90°以上である材料」を含有する層を巻芯に被覆することが可能であるが、その他の方法として、「水に対する接触角が90°以上である材料」を含有する円柱の棒を削り巻芯の形に加工する方法も有効である。
[非水系電解質電池の構成]
非水系電解質電池は、正極と負極がセパレータを介して対向している電池素子に電解質が含浸され、これが外装に封入された構造となっている。この非水系電解質電池の形状は、角型、円筒型、コイン型などがあるが、本発明はいずれの形状においても好適に適用することが可能である。
正極は、例えば正極活物質、導電助剤およびバインダーからなる正極合剤を、集電体上に形成したものである。正極活物質としては例えばLiCoO、LiNiO、LiMn0.5Ni0.5、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3、LiMn、LiFePO等のリチウム含有遷移金属酸化物が挙げられる。導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラックといった炭素材料が挙げられる。バインダーとしては例えばポリフッ化ビニリデンなどの有機高分子が挙げられる。集電体にはアルミ箔、ステンレス箔、チタン箔などを用いることが可能である。
セパレータは、少なくともその一方の表面がアラミド樹脂を含む耐熱性多孔質層となったものであり、耐熱性多孔質層のみで構成されたもの、耐熱性多孔質層と他層が積層された構造のもののいずれもが含まれる。特にセパレータは、耐熱性に加えてシャットダウン特性などの各種機能を有していることが好ましく、耐熱性多孔質層と孔が複数形成されたポリオレフィン微多孔膜を少なくとも1層ずつ含み、前記セパレータの少なくとも一方の表面に前記耐熱性多孔質層が配置されているものが好ましい。さらに、セパレータは、形状安定性やハンドリング性等の観点から、ポリオレフィン微多孔膜の表裏両面のそれぞれに耐熱性多孔質層が配置された3層構造のものが好ましい。アラミド樹脂としては、例えばメタ型全芳香族ポリアミドやパラ型全芳香族ポリアミド等が挙げられる。耐熱性多孔質層には、金属酸化物や金属水酸化物等の粒子などの無機フィラーが含有されていてもよい。ポリオレフィン微多孔膜を構成するポリオレフィンには、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等を使用できる。
負極は、例えば負極活物質、導電助剤およびバインダーからなる負極合剤を、集電体上に形成したものである。負極活物質としては例えば炭素材料、シリコン、アルミニウム、スズ、金属合金などが挙げられる。導電助剤としてはアセチレンブラック、ケッチェンブラックといった炭素材料が挙げられる。バインダーとしては例えばポリフッ化ビニリデン、カルボキシメチルセルロースなどの有機高分子が挙げられる。集電体には銅箔、ステンレス箔、ニッケル箔などを用いることが可能である。
電解質は、リチウム塩を非水系溶媒に溶解させたものである。リチウム塩としては、例えばLiPF、LiBF、LiClOなどが挙げられる。非水系溶媒としては例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、ビニレンカーボネートなどが挙げられ、これらは単独で用いても混合して用いてもよい。
外装材は金属缶またはアルミラミネートパック等が挙げられる。
[非水系電解質電池の製造方法]
以上のような非水電解質電池の製造方法について説明する。まず、正極、セパレータおよび負極をそれぞれ製造しておく。この後、巻芯の本体部1のスリット3の間にセパレータの一端を通して、巻芯を少しだけ回転させてセパレータの一端を巻芯に巻き付けておく。このとき、巻芯の本体部1の表面部とセパレータの耐熱性多孔質層とが互いに当接した状態となっている。そして、さらに両面に正極と負極を配した別のセパレータを巻芯に取り付け、捲回機により巻芯を回転させて、セパレータと正極と負極を同時に捲回する。これを巻芯から抜き取ることで電池素子を作製することができる。この後、電池素子をタブ付けしてから、これを外装に挿入する。そして、外装内に電解質を注入し、封止することで非水電解質電池を製造することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示すような円筒型電池用巻芯を作製した。具体的に、この巻芯は本体部1と支持体部2からなり、本体部1にはセパレータを挟むスリット3がある。これら材質はステンレス鋼からなる。
上記本体部1のステンレス鋼を脱脂し、粗面化後、プライマー(EPW−1606BLダイキン工業株式会社製)をスプレー塗装・乾燥後、トップコートとしてETFE(ネオフロン(登録商標)ETFE EC−6510 ダイキン工業株式会社製)を静電粉体塗装・焼成し、ETFEを含有した表面を持つ巻芯Aを得た。なお、この巻芯Aの表面において、ETFEを含有する層の厚みは60μmであった。
ここで、正極は、正極活物質としてのコバルト酸リチウムと、導電助剤と、バインダーとを混合した合剤を、アルミ箔集電体に塗工することで作製した。負極は、負極活物質としてのグラファイトと、導電助剤と、バインダーとを混合した合剤を、銅箔集電体に塗工して作製した。また、セパレータはポリエチレン微多孔膜の表裏両面にメタ型アラミドからなる耐熱性多孔質層を被覆したものを適用した。このセパレータは、メタ型アラミドをジメチルアセトアミドに6重量%溶解し、さらに無機フィラーとして6重量%の水酸化アルミニウム(平均粒子径1μm)を添加した溶液をポリエチレン微多孔膜の表裏に塗工し、これをジメチルアセトアミドが50重量%溶解した水溶液に浸漬することによって凝固させ水洗・乾燥することで作製した。
次に、巻芯Aを回転させて、セパレータと正極と負極を同時に捲回した後、この渦巻状の電池素子を本体部1から引き抜いた。この渦巻状の電池素子を電池缶に挿入し、電解質を注入した後、電池缶の開口部を蓋で封口することにより円筒型電池を作製した。
[実施例2]
本体部1のステンレス鋼をETFE熱収縮チューブに通し、乾燥機で熱処理することにより、巻芯とETFE熱収縮チューブを接着させ、ETFEを含有した表面を持つ巻芯Bを得た以外は実施例1と同様にし、円筒型電池を作製した。
[比較例1]
本体部1について、コーティングを実施せずにステンレス鋼からなる巻芯Cを用いた以外は実施例1と同様の方法で円筒型電池を作製した。
[摩擦係数の測定]
摩擦係数の測定用ピンとして、ステンレス鋼からなる円柱状のピンを実施例1および2のそれぞれと同様の方法でコーティングし、巻芯AおよびBと同様の表面を有するピンAとピンBを得て、これを用いて下記の通り摩擦係数の測定を実施した。また、比較例1の摩擦係数については、比較例1の巻芯Cと同様のステンレス鋼からなるピンCを用いて、下記の通り、摩擦係数の測定を実施した。なお、測定した結果はまとめて表1に示す。
実施例1のようにして作製したセパレータを幅12.5mmの帯状に裁断した。そして、図2に示すように、固定された状態のピンにセパレータを当接させて、セパレータを20 mm/sの速度で走行させた。なお、図2は、ピンの軸方向から見た場合のピンとセパレータの位置関係を概念的に示したものであり、図中破線の矢印はフィルムの走行方向を示す。セパレータを走行させる際、セパレータの巻きつけ角度θ(ピンの軸方向から見た場合における、セパレータとピンが接触している円弧部分の中心角)を、1.05ラジアン、1.57ラジアン、2.09ラジアン、2.62ラジアン、3.14ラジアンへとそれぞれ変更させた。各角度θにおいて、ピンよりも上流側におけるセパレータの張力T1を40gとし、ピンよりも下流側におけるセパレータの張力T2を測定し、この測定をピンA〜Cのそれぞれについて行った。そして、下記の式(1)から摩擦係数を得るために、得られたデータを、横軸に角度(ラジアン)、縦軸をLN(T2/T1)としたグラフにプロットし、線形の近似曲線の傾きから、摩擦係数を算出した。また、この時の近似曲線の相関係数はすべて0.98以上であった。
LN(T2/T1)=μθ・・・・式(1)
[接触角の測定]
接触角の測定サンプルとして、ステンレス鋼板に実施例1と同様の方法でコーティングし、巻芯Aと同様の表面を有する板Aを得て、これを用いて下記の通り接触角の測定を実施した。また、ETFE熱収縮チューブを板に被覆することが困難であったため、ETFE熱収縮チューブと同じ組成のシートを、巻芯Bと同様の表面を有する板Bとして、評価した。さらに、比較例1の接触角については、比較例1の巻芯Cと同様のステンレス鋼からなる板Cを用いて、下記の通り、接触角の測定を実施した。なお、測定した結果はまとめて表1に示す。
接触角は、接触角計(DM300 協和界面科学株式会社製)を用いて、空気中で静的法により測定した。また、液滴には純水を使用した。
[芯抜け性の評価1]
実施例1〜2および比較例1において、円筒型電池作製において、巻芯から電池素子を引き抜く工程で良好に引き抜けるかどうかを検討した。結果を表1に示す。良好に引き抜けたものを○、竹の子状になったり捲回状態が乱れてしまったものを×と評価した。
[芯抜け性の評価2]
実施例1〜2および比較例1において、円筒型電池作製において、巻芯から電池素子を作製する工程を10回繰り返し、それぞれ円筒型電池を10個作製した。そして、作製後、巻芯にセパレータ由来の付着物があるかどうかを目視で確認した。巻芯に付着物がある場合を×と判断し、付着物がない場合を○と判断して、結果を表1に示した。
前記表1より、表面の材質がETFEである実施例1および2は摩擦係数が0.4以下と低く、接触角も100°以上であった。また、芯抜け性の評価では、芯抜けは良好であり、かつアラミド層の一部が剥がれ落ちて巻芯に付着することもなかった。
一方、比較例1の表面にETFEを含有しない材質では、摩擦係数が0.7以上と高く、接触角が65°以下であった。また、芯抜け性の評価において、芯抜けの中心部が巻芯とともに突出するという不具合とアラミド層の一部が巻芯に付着していることが確認された。
以上の結果から、セパレータの表面層にアラミド樹脂を含む場合において、巻芯の表面がETFEを含むことにより、セパレータの耐熱性多孔質層に対する摩擦係数を低減でき、かつ接触角が高いため巻芯との接着を低減できたため、アラミド層の剥がれを起こすことなく芯抜けを良好に実施できた。
[実施例3]
図1に示すような円筒型電池用巻芯を作製した。具体的に、この巻芯は本体部1と支持体部2からなり、本体部1にはセパレータを挟むスリット3がある。これら材質はステンレス鋼からなる。
上記本体部1のステンレス鋼を脱脂し、粗面化後、プライマー(EK―1909S21L ダイキン工業株式会社製)をスプレー塗装・乾燥後、トップコートとしてFEP(ネオフロン(登録商標)FEP ND−110 ダイキン工業株式会社製)をスプレー塗装・乾燥し、FEPを含有した表面を持つ巻芯Dを得た。なお、この巻芯Dの表面において、FEPを含有する層の厚みは25μmであった。
この巻芯Dを用いて次のように円筒型電池を作製した。まず、2枚のセパレータの一端を巻芯Dのスリットに挟み、一方のセパレータを間に挟むようにして正極と負極を配置した。
ここで、正極は、正極活物質としてのコバルト酸リチウムと、導電助剤と、バインダーとを混合した合剤を、アルミ箔集電体に塗工することで作製した。負極は、負極活物質としてのグラファイトと、導電助剤と、バインダーとを混合した合剤を、銅箔集電体に塗工して作製した。また、セパレータはポリエチレン微多孔膜の表裏両面にメタ型アラミドからなる耐熱性多孔質層を被覆したものを適用した。このセパレータは、メタ型アラミドをジメチルアセトアミドに6重量%溶解し、さらに無機フィラーとして6重量%の水酸化アルミニウム(平均粒子径1μm)を添加した溶液をポリエチレン微多孔膜の表裏に塗工し、これをジメチルアセトアミドが50重量%溶解した水溶液に浸漬することによって凝固させ水洗・乾燥することで作製した。
次に、巻芯Dを回転させて、セパレータと正極と負極を同時に捲回した後、この渦巻状の電池素子を本体部1から引き抜いた。この渦巻状の電池素子を電池缶に挿入し、電解質を注入した後、電池缶の開口部を蓋で封口することにより円筒型電池を作製した。
[実施例4]
上記本体部1のステンレス鋼を脱脂し、粗面化後、プライマー(TC−11000 ダイキン工業株式会社製)をスプレー塗装・乾燥後、トップコートとしてFEP(ネオフロン(登録商標)FEP NC−1500 ダイキン工業株式会社製)を静電粉体塗装・焼成し、PFAを含有した表面を持つ巻芯Eを得た。なお、この巻芯Eの表面において、FEPを含有する層の厚みは63μmであった。
[実施例5]
本体部1のステンレス鋼を市販のFEP熱収縮チューブに通し、乾燥機で熱処理することにより、巻芯とFEP熱収縮チューブを接着させ、FEPを含有した表面を持つ巻芯Fを得た以外は実施例3と同様にし、円筒型電池を作製した。
[比較例2]
本体部1について、コーティングを実施せずにステンレス鋼からなる巻芯Gを用いた以外は実施例3と同様の方法で円筒型電池を作製した。
[摩擦係数の測定]
摩擦係数の測定用ピンとして、ステンレス鋼からなる円柱状のピンを実施例3〜5のそれぞれと同様の方法でコーティングし、巻芯D〜Fと同様の表面を有するピンD〜Fを得て、これを用いて上記実施例1等と同様にして摩擦係数の測定を実施した。また、比較例2の摩擦係数については、比較例2の巻芯Gと同様のステンレス鋼からなるピンGを用いて、上記実施例1等と同様にして、摩擦係数の測定を実施した。なお、測定した結果はまとめて表2に示す。
[接触角の測定]
接触角の測定サンプルとして、ステンレス鋼板に実施例3および4と同様の方法でコーティングし、巻芯DまたはEと同様の表面を有する板DおよびEを得て、これを用いて下記の通り接触角の測定を実施した。また、FEP熱収縮チューブを板に被覆することが困難であったため、FEP熱収縮チューブと同じ組成の市販のシートを、巻芯Fと同様の表面を有する板Fとして、評価した。さらに、比較例2の接触角については、比較例2の巻芯Gと同様のステンレス鋼からなる板Gを用いて、下記の通り、接触角の測定を実施した。なお、測定した結果はまとめて表2に示す。
接触角は、接触角計(DM300 協和界面科学株式会社製)を用いて、空気中で静的法により測定した。また、液滴には純水を使用した。
[芯抜け性の評価]
実施例3〜5および比較例2において、上記実施例1等における「芯抜け性の評価1」及び「芯抜け性の評価2」と同様の方法により評価した。
表2より、表面の材質がFEPである実施例3〜5は摩擦係数が0.4以下と低く、接触角も100°以上であった。また、芯抜け性の評価では、芯抜けは良好であり、かつアラミド層の一部が剥がれ落ちて巻芯に付着することもなかった。
一方、比較例2の表面にFEPを含有しない材質では、摩擦係数が0.7以上と高く、接触角が65°以下であった。また、芯抜け性の評価において、芯抜けの中心部が巻芯とともに突出するという不具合とアラミド層の一部が巻芯に付着していることが確認された。
以上の結果から、セパレータの表面層にアラミド樹脂を含む場合において、巻芯の表面がFEPを含むことにより、セパレータの耐熱性多孔質層に対する摩擦係数を低減でき、かつ接触角が高いため巻芯との接着を低減できたため、アラミド層の剥がれを起こすことなく芯抜けを良好に実施できた。
[実施例6]
図1に示すような円筒型電池用巻芯を作製した。具体的に、この巻芯は本体部1と支持体部2からなり、本体部1にはセパレータを挟むスリット3がある。これら材質はステンレス鋼からなる。
上記本体部1のステンレス鋼を脱脂し、粗面化後、プライマー(EK―1909S21L ダイキン工業株式会社製)をスプレー塗装・乾燥後、トップコートとしてPFA(ネオフロン(登録商標)PFA AD−2CRE ダイキン工業株式会社製)をスプレー塗装・乾燥し、PFAを含有した表面を持つ巻芯Hを得た。なお、この巻芯Hの表面において、PFAを含有する層の厚みは26μmであった。
この巻芯Hを用いて次のように円筒型電池を作製した。まず、2枚のセパレータの一端を巻芯Hのスリットに挟み、一方のセパレータを間に挟むようにして正極と負極を配置した。
ここで、正極は、正極活物質としてのコバルト酸リチウムと、導電助剤と、バインダーとを混合した合剤を、アルミ箔集電体に塗工することで作製した。負極は、負極活物質としてのグラファイトと、導電助剤と、バインダーとを混合した合剤を、銅箔集電体に塗工して作製した。また、セパレータはポリエチレン微多孔膜の表裏両面にメタ型アラミドからなる耐熱性多孔質層を被覆したものを適用した。このセパレータは、メタ型アラミドをジメチルアセトアミドに6重量%溶解し、さらに無機フィラーとして6重量%の水酸化アルミニウム(平均粒子径1μm)を添加した溶液をポリエチレン微多孔膜の表裏に塗工し、これをジメチルアセトアミドが50重量%溶解した水溶液に浸漬することによって凝固させ水洗・乾燥することで作製した。
次に、巻芯Hを回転させて、セパレータと正極と負極を同時に捲回した後、この渦巻状の電池素子を本体部1から引き抜いた。この渦巻状の電池素子を電池缶に挿入し、電解質を注入した後、電池缶の開口部を蓋で封口することにより円筒型電池を作製した。
[実施例7]
本体部1のステンレス鋼を脱脂し、粗面化後、プライマー(TC−11000 ダイキン工業株式会社製)をスプレー塗装・乾燥後、トップコートとしてPFA(ネオフロン(登録商標)PFA AC−5600 ダイキン工業株式会社製)を静電粉体塗装・焼成し、PFAを含有した表面を持つ巻芯Iを用いた以外は実施例6と同様の方法で円筒型電池を作製した。なお、この巻芯Iの表面において、PFAを含有する層の厚みは65μmであった。
[実施例8]
本体部1のステンレス鋼を脱脂し、粗面化後、プライマー(TC−1509M1 ダイキン工業株式会社製)をスプレー塗装・乾燥後、トップコートとしてPFA(ネオフロン(登録商標)PFA ACX−31 ダイキン工業株式会社製)を静電粉体塗装・焼成し、PFAを含有した表面を持つ巻芯Jを用いた以外は実施例6と同様の方法で円筒型電池を作製した。なお、この巻芯Jの表面において、PFAを含有する層の厚みは40μmであった。
[実施例9]
本体部1のステンレス鋼を市販のPFA熱収縮チューブに通し、乾燥機で熱処理することにより、巻芯とPFA熱収縮チューブを接着させ、PFAを含有した表面を持つ巻芯Kを得た以外は実施例6と同様にし、円筒型電池を作製した。
[比較例3]
本体部1について、コーティングを実施せずにステンレス鋼からなる巻芯Lを用いた以外は実施例6と同様の方法で円筒型電池を作製した。
[摩擦係数の測定]
摩擦係数の測定用ピンとして、ステンレス鋼からなる円柱状のピンを実施例6〜9のそれぞれと同様の方法でコーティングし、巻芯H〜Kと同様の表面を有するピンH〜Kを得て、これを用いて上記実施例1等と同様にして摩擦係数の測定を実施した。また、比較例3の摩擦係数については、比較例3の巻芯Lと同様のステンレス鋼からなるピンLを用いて、上記実施例1等と同様にして、摩擦係数の測定を実施した。なお、測定した結果はまとめて表3に示す。
[接触角の測定]
接触角の測定サンプルとして、ステンレス鋼板に実施例6〜8とそれぞれと同様の方法でコーティングし、巻芯H〜Jと同様の表面を有する板H〜Jを得て、これを用いて下記の通り接触角の測定を実施した。また、PFA熱収縮チューブを板に被覆することが困難であったため、PFA熱収縮チューブと同じ組成の市販のシートを、巻芯Kと同様の表面を有する板Kとして、評価した。さらに、比較例3の接触角については、比較例3の巻芯Lと同様のステンレス鋼からなる板Lを用いて、下記の通り、接触角の測定を実施した。なお、測定した結果はまとめて表3に示す。
接触角は、接触角計(DM300 協和界面科学株式会社製)を用いて、空気中で静的法により測定した。また、液滴には純水を使用した。
[芯抜け性の評価]
実施例6〜9および比較例3において、上記実施例1等における「芯抜け性の評価1」及び「芯抜け性の評価2」と同様の方法により評価した。
表3より、表面の材質がPFAである実施例6〜9は摩擦係数が0.4以下と低く、接触角も100°以上であった。また、芯抜け性の評価では、芯抜けは良好であり、かつアラミド層の一部が剥がれ落ちて巻芯に付着することもなかった。
一方、比較例3の表面にPFAを含有しない材質では、摩擦係数が0.7以上と高く、接触角が65°以下であった。また、芯抜け性の評価において、芯抜けの中心部が巻芯とともに突出するという不具合とアラミド層の一部が巻芯に付着していることが確認された。
以上の結果から、セパレータの表面層にアラミド樹脂を含む場合において、巻芯の表面がPFAを含むことにより、セパレータの耐熱性多孔質層に対する摩擦係数を低減でき、かつ接触角が高いため巻芯との接着を低減できたため、アラミド層の剥がれを起こすことなく芯抜けを良好に実施できた。
[実施例10]
図1に示すような円筒型電池用巻芯を作製した。具体的に、この巻芯は本体部1と支持体部2からなり、本体部1にはセパレータを挟むスリット3がある。これら材質はステンレス鋼からなる。
上記本体部1のステンレス鋼を脱脂し、粗面化後、プライマー塗装としてポリフロン(PTFE ED―1939D21L ダイキン工業株式会社製)をスプレー塗装・乾燥後、トップコートとしてPTFE(ポリフロン(登録商標)PTFE EK−3705S21L ダイキン工業株式会社製)をスプレー塗装・乾燥し、PTFEを含有した表面を持つ巻芯Mを得た。なお、この巻芯Mの表面において、PTFEを含有する層の厚みは32μmであった。
この巻芯Mを用いて次のように円筒型電池を作製した。まず、2枚のセパレータの一端を巻芯Mのスリットに挟み、一方のセパレータを間に挟むようにして正極と負極を配置した。
ここで、正極は、正極活物質としてのコバルト酸リチウムと、導電助剤と、バインダーとを混合した合剤を、アルミ箔集電体に塗工することで作製した。負極は、負極活物質としてのグラファイトと、導電助剤と、バインダーとを混合した合剤を、銅箔集電体に塗工して作製した。また、セパレータはポリエチレン微多孔膜の表裏両面にメタ型アラミドからなる耐熱性多孔質層を被覆したものを適用した。このセパレータは、メタ型アラミドをジメチルアセトアミドに6重量%溶解し、さらに無機フィラーとして6重量%の水酸化アルミニウム(平均粒子径1μm)を添加した溶液をポリエチレン微多孔膜の表裏に塗工し、これをジメチルアセトアミドが50重量%溶解した水溶液に浸漬することによって凝固させ水洗・乾燥することで作製した。
次に、巻芯Mを回転させて、セパレータと正極と負極を同時に捲回した後、この渦巻状の電池素子を本体部1から引き抜いた。この渦巻状の電池素子を電池缶に挿入し、電解質を注入した後、電池缶の開口部を蓋で封口することにより円筒型電池を作製した。
[実施例11]
トップコートとして、PTFE(ポリフロン(登録商標)PTFE ED−3209MW1L ダイキン工業株式会社製)を使用した以外は実施例10と同様にして巻芯Nを得て、この巻芯Nを用いた以外は実施例10と同様にして円筒型電池を作製した。なお、この巻芯Nの表面において、PTFEを含有する層の厚みは29μmであった。
[実施例12]
本体部1のステンレス鋼を脱脂し、粗面化後、PTFE(ポリフロン(登録商標)PTFE TC−7105GN ダイキン工業株式会社製)を塗装・乾燥し、PTFEを含有した表面を持つ巻芯Oを得た以外は実施例10と同様にし、円筒型電池を作製した。なお、この巻芯Oの表面において、PTFEを含有する層の厚みは21μmであった。
[実施例13]
本体部1のステンレス鋼を市販のテフロン(登録商標)熱収縮チューブに通し、乾燥機で熱処理することにより、巻芯とテフロン(登録商標)熱収縮チューブを接着させ、PTFEを含有した表面を持つ巻芯Pを得た。この巻芯Pを用いた以外は実施例10と同様にし、円筒型電池を作製した。
[比較例4]
本体部1について、コーティングを実施せずにステンレス鋼からなる巻芯Qを用いた以外は実施例10と同様の方法で円筒型電池を作製した。
[比較例5]
巻芯の本体部1と支持体部2にアルミニウムを用いた。本体部1の表面を#800のサンドペーパーで粗面化後、塩酸溶液に60分間浸漬し、水洗した。この後、撥水剤として低分子量PTFE塗料(セフラルルーブI、セントラル硝子社製)の2質量%水溶液を調製して本体部1にディップ法で塗布し、340℃で20分間焼き付けした。これにより低分子量PTFEを含有した表面を持つ巻芯Rを得た。この巻芯Rを用いた以外は実施例10と同様にし、円筒型電池を作製した。
[摩擦係数の測定]
摩擦係数の測定用ピンとして、ステンレス鋼からなる円柱状のピンを実施例10〜13のそれぞれと同様の方法でコーティングあるいは接着し、巻芯M〜Pと同様の表面を有するピンM〜Pを得て、これを用いて上記実施例1等と同様にして摩擦係数の測定を実施した。また、比較例4の摩擦係数については、比較例4の巻芯Qと同様のステンレス鋼からなるピンQを用いて、上記実施例1等と同様にして、摩擦係数の測定を実施した。また、比較例5の摩擦係数については、比較例5の巻芯Rと同様のアルミニウムからなるピンRを用いて、上記実施例1等と同様にして摩擦係数の測定を実施した。なお、測定した結果はまとめて表4に示す。
[接触角の測定]
接触角の測定サンプルとして、ステンレス鋼板に実施例10〜12のそれぞれと同様の方法でコーティングし、巻芯M〜Oと同様の表面を有する板M〜Oを得て、これを用いて下記の通り接触角の測定を実施した。また、実施例13についてはテフロン(登録商標)熱収縮チューブを板に被覆することが困難であったため、テフロン(登録商標)熱収縮チューブと同じ組成の市販のシートを、巻芯Pと同様の表面を有する板Pとして、評価した。さらに、比較例4の接触角については、比較例4の巻芯Qと同様のステンレス鋼からなる板Qを用いて、下記の通り、接触角の測定を実施した。また、比較例5の接触角については、比較例5の巻芯Rと同様のアルミニウムからなる板Rを用いて、下記の通り、接触角の測定を実施した。なお、測定した結果はまとめて表4に示す。
接触角は、接触角計(DM300 協和界面科学株式会社製)を用いて、空気中で静的法により測定した。また、液滴には純水を使用した。
[芯抜け性の評価]
実施例10〜13および比較例5において、上記実施例1等における「芯抜け性の評価1」及び「芯抜け性の評価2」と同様の方法により評価した。
表4より、表面の材質がPTFEである実施例10〜13は摩擦係数が0.4以下と低く、接触角も100°以上であった。また、芯抜け性の評価では、芯抜けは良好であり、かつアラミド層の一部が剥がれ落ちて巻芯に付着することもなかった。
一方、比較例4の表面にPTFEを含有しないステンレス材質では、摩擦係数が0.7以上と高く、接触角が65°以下であった。また、芯抜け性の評価において、芯抜けの中心部が巻芯とともに突出するという不具合とアラミド層の一部が巻芯に付着していることが確認された。
また、比較例5は、表面の材質がPTFEの一種であるにも関わらず、接触角が89°と低い値となり、いずれの芯抜け性評価も不良であった。これは巻芯本体材料や巻芯表面の凹凸構造が影響したものと考えられる。これより、撥水性に優れたPTFEを用いても、最終的に接触角が90°以上の表面にならなければ、十分に良好な芯抜け性が得られないことが分かった。
以上の結果から、セパレータの表面層にアラミド樹脂を含む場合において、巻芯の表面がPTFEを含み、かつ、接触角が90°以上であることにより、セパレータの耐熱性多孔質層に対する摩擦係数を低減でき、かつ接触角が高いため巻芯との接着を低減できたため、アラミド層の剥がれを起こすことなく芯抜けを良好に実施できた。
[実施例14]
図1に示すような円筒型電池用巻芯を作製した。具体的に、この巻芯は本体部1と支持体部2からなり、本体部1にはセパレータを挟むスリット3がある。これら材質はステンレス鋼からなる。
本体部1のステンレス鋼を脱脂し、粗面化後、アルカリ洗浄・酸洗浄を実施し、カニフロンA(登録商標、日本カニゼン社製)のPTFE複合無電解Ni−Pメッキ液を用いて、90℃で80分間無電解めっきを行った後、350℃で加熱を行い、膜厚20μmのPTFEを含むニッケル−リン合金マトリックス皮膜を持つ巻芯Sを得た。
この巻芯Sを用いて次のように円筒型電池を作製した。まず、2枚のセパレータの一端を巻芯Sのスリットに挟み、一方のセパレータを間に挟むようにして正極と負極を配置した。
ここで、正極は、正極活物質としてのコバルト酸リチウムと、導電助剤と、バインダーとを混合した合剤を、アルミ箔集電体に塗工することで作製した。負極は、負極活物質としてのグラファイトと、導電助剤と、バインダーとを混合した合剤を、銅箔集電体に塗工して作製した。また、セパレータはポリエチレン微多孔膜の表裏両面にメタ型アラミドからなる耐熱性多孔質層を被覆したものを適用した。このセパレータは、メタ型アラミドをジメチルアセトアミドに6重量%溶解し、さらに無機フィラーとして6重量%の水酸化アルミニウム(平均粒子径1μm)を添加した溶液をポリエチレン微多孔膜の表裏に塗工し、これをジメチルアセトアミドが50重量%溶解した水溶液に浸漬することによって凝固させ水洗・乾燥することで作製した。
次に、巻芯Sを回転させて、セパレータと正極と負極を同時に捲回した後、この渦巻状の電池素子を本体部1から引き抜いた。この渦巻状の電池素子を電池缶に挿入し、電解質を注入した後、電池缶の開口部を蓋で封口することにより円筒型電池を作製した。
[比較例6]
本体部1について、無電解めっきを実施せずにステンレス鋼からなる巻芯Tを用いた以外は実施例14と同様の方法で円筒型電池を作製した。
[摩擦係数の測定]
摩擦係数の測定用ピンとして、ステンレス鋼からなる円柱状のピンを実施例14と同様の方法で無電解めっきし、巻芯Sと同様の表面を有するピンSを得て、これを用いて上記実施例1等と同様にして摩擦係数の測定を実施した。また、比較例6の摩擦係数については、比較例6の巻芯Tと同様のステンレス鋼からなるピンTを用いて、上記実施例1等と同様にして、摩擦係数の測定を実施した。なお、測定した結果はまとめて表5に示す。
[接触角の測定]
接触角の測定サンプルとして、ステンレス鋼板に実施例14と同様の方法で無電解めっきし、巻芯Sと同様の表面を有する板Sを得て、これを用いて下記の通り接触角の測定を実施した。また、比較例6の接触角については、比較例6の巻芯Tと同様のステンレス鋼からなる板Tを用いて、下記の通り、接触角の測定を実施した。なお、測定した結果はまとめて表5に示す。
接触角は、接触角計(DM300 協和界面科学株式会社製)を用いて、空気中で静的法により測定した。また、液滴には純水を使用した。
[芯抜け性の評価]
実施例14および比較例6において、上記実施例1等における「芯抜け性の評価1」及び「芯抜け性の評価2」と同様の方法により評価した。
表5より、表面が無電解めっきにより金属とともに共析されたフッ素樹脂を含む材質である実施例14は摩擦係数が0.4以下と低く、接触角も100°以上であった。また、芯抜け性の評価では、芯抜けは良好であり、かつアラミド層の一部が剥がれ落ちて巻芯に付着することもなかった。
一方、表面が無電解めっきにより金属とともに共析されたフッ素樹脂を含まない材質である比較例6では、摩擦係数が0.7以上と高く、接触角が65°以下であった。また、芯抜け性の評価において、芯抜けの中心部が巻芯とともに突出するという不具合とアラミド層の一部が巻芯に付着していることが確認された。
以上の結果から、セパレータの表面層にアラミド樹脂を含む場合において、巻芯の表面が無電解めっきにより金属とともに共析されたフッ素樹脂を含むことにより、セパレータの耐熱性多孔質層に対する摩擦係数を低減でき、かつ接触角が高いため巻芯との接着を低減できたため、アラミド層の剥がれを起こすことなく芯抜けを良好に実施できた。
[実施例15]
図1に示すような円筒型電池用巻芯を作製した。具体的に、この巻芯は本体部1と支持体部2からなり、本体部1にはセパレータを挟むスリット3がある。これら材質はステンレス鋼からなる。
上記本体部1のステンレス鋼の表面に、窒化クロムをアークイオンプレーティング法にてコーティングし、巻芯Uを得た。コーティング膜厚は3μmであった。
この巻芯Uを用いて次のように円筒型電池を作製した。まず、2枚のセパレータの一端を巻芯Uのスリットに挟み、一方のセパレータを間に挟むようにして正極と負極を配置した。
ここで、正極は、正極活物質としてのコバルト酸リチウムと、導電助剤と、バインダーとを混合した合剤を、アルミ箔集電体に塗工することで作製した。負極は、負極活物質としてのグラファイトと、導電助剤と、バインダーとを混合した合剤を、銅箔集電体に塗工して作製した。また、セパレータはポリエチレン微多孔膜の表裏両面にメタ型アラミドからなる耐熱性多孔質層を被覆したものを適用した。このセパレータは、メタ型アラミドをジメチルアセトアミドに6重量%溶解し、さらに無機フィラーとして6重量%の水酸化アルミニウム(平均粒子径1μm)を添加した溶液をポリエチレン微多孔膜の表裏に塗工し、これをジメチルアセトアミドが50重量%溶解した水溶液に浸漬することによって凝固させ水洗・乾燥することで作製した。
次に、巻芯Uを回転させて、セパレータと正極と負極を同時に捲回した後、この渦巻状の電池素子を本体部1から引き抜いた。この渦巻状の電池素子を電池缶に挿入し、電解質を注入した後、電池缶の開口部を蓋で封口することにより円筒型電池を作製した。
[比較例7]
本体部1について、コーティングを実施せずにステンレス鋼からなる巻芯Vを用いた以外は実施例15と同様の方法で円筒型電池を作製した。
[摩擦係数の測定]
摩擦係数の測定用ピンとして、ステンレス鋼からなる円柱状のピンを実施例15と同様の方法で作製し、巻芯Uと同様の表面を有するピンUを得て、これを用いて上記実施例1等と同様にして摩擦係数の測定を実施した。また、比較例7の摩擦係数については、比較例7の巻芯Vと同様のステンレス鋼からなるピンVを用いて、上記実施例1等と同様にして、摩擦係数の測定を実施した。なお、測定した結果はまとめて表6に示す。
[接触角の測定]
接触角の測定サンプルとして、ステンレス鋼板に実施例15と同様の方法で作製し、巻芯Uと同様の表面を有する板Uを得て、これを用いて下記の通り接触角の測定を実施した。
また、比較例7の接触角については、比較例7の巻芯Vと同様のステンレス鋼からなる板Vを用いて、下記の通り、接触角の測定を実施した。なお、測定した結果はまとめて表6に示す。
接触角は、接触角計(DM300 協和界面科学株式会社製)を用いて、空気中で静的法により測定した。また、液滴には純水を使用した。
[芯抜け性の評価]
実施例15および比較例7において、上記実施例1等における「芯抜け性の評価1」及び「芯抜け性の評価2」と同様の方法により評価した。
表6より、表面の材質が窒化クロムである実施例15は摩擦係数が0.4以下と低く、接触角も100°以上であった。また、芯抜け性の評価では、芯抜けは良好であり、かつアラミド層の一部が剥がれ落ちて巻芯に付着することもなかった。
一方、比較例7の表面に窒化クロムを含有しない材質では、摩擦係数が0.7以上と高く、接触角が65°以下であった。また、芯抜け性の評価において、芯抜けの中心部が巻芯とともに突出するという不具合とアラミド層の一部が巻芯に付着していることが確認された。
以上の結果から、セパレータの表面層にアラミド樹脂を含む場合において、巻芯の表面が窒化クロムを含むことにより、セパレータの耐熱性多孔質層に対する摩擦係数を低減でき、かつ接触角が高いため巻芯との接着を低減できたため、アラミド層の剥がれを起こすことなく芯抜けを良好に実施できた。
[実施例16]
図1に示すような円筒型電池用巻芯を作製した。具体的に、この巻芯は本体部1と支持体部2からなり、本体部1にはセパレータを挟むスリット3がある。これら材質はステンレス鋼からなる。
上記本体部1のステンレス鋼にダイクロンコーティング(千代田第一工業製)を施し、炭化クロムを表面に持つ巻芯Wを得た。なお、この巻芯Wの表面において、炭化クロムを含有する層の厚みは33μmであった。
この巻芯Wを用いて次のように円筒型電池を作製した。まず、2枚のセパレータの一端を巻芯Wのスリットに挟み、一方のセパレータを間に挟むようにして正極と負極を配置した。
ここで、正極は、正極活物質としてのコバルト酸リチウムと、導電助剤と、バインダーとを混合した合剤を、アルミ箔集電体に塗工することで作製した。負極は、負極活物質としてのグラファイトと、導電助剤と、バインダーとを混合した合剤を、銅箔集電体に塗工して作製した。また、セパレータはポリエチレン微多孔膜の表裏両面にメタ型アラミドからなる耐熱性多孔質層を被覆したものを適用した。このセパレータは、メタ型アラミドをジメチルアセトアミドに6質量%溶解し、さらに無機フィラーとして6質量%の水酸化アルミニウム(平均粒子径1μm)を添加した溶液をポリエチレン微多孔膜の表裏に塗工し、これをジメチルアセトアミドが50質量%溶解した水溶液に浸漬することによって凝固させ水洗・乾燥することで作製した。
次に、巻芯Wを回転させて、セパレータと正極と負極を同時に捲回した後、この渦巻状の電池素子を本体部1から引き抜いた。この渦巻状の電池素子を電池缶に挿入し、電解質を注入した後、電池缶の開口部を蓋で封口することにより円筒型電池を作製した。
[実施例17]
本体部1のステンレス鋼に、ブラスト処理後、超音速溶射法によりコーティングした炭化クロムを表面に持つ巻芯Xを得た。そして、この巻芯Xを用いた以外は実施例16と同様の方法で円筒型電池を作製した。なお、この巻芯Xの表面において、炭化クロムを含有する層の厚みは5μmであった。
[比較例8]
本体部1について、コーティングを実施せずにステンレス鋼からなる巻芯Yを用いた以外は実施例16と同様の方法で円筒型電池を作製した。
[摩擦係数の測定]
摩擦係数の測定用ピンとして、ステンレス鋼からなる円柱状のピンを実施例16および実施例17と同様の方法で作製し、巻芯Wまたは巻芯Xと同様の表面を有するピンWおよびピンXを得て、これを用いて上記実施例1等と同様にして摩擦係数の測定を実施した。また、比較例8の摩擦係数については、比較例8の巻芯Yと同様のステンレス鋼からなるピンYを用いて、上記実施例1等と同様にして、摩擦係数の測定を実施した。なお、測定した結果はまとめて表7に示す。
[接触角の測定]
接触角の測定サンプルとして、ステンレス鋼板に実施例16および実施例17と同様の方法で作製し、巻芯Wまたは巻芯Xと同様の表面を有する板Wおよび板Xを得て、これを用いて下記の通り接触角の測定を実施した。また、比較例8の接触角については、比較例8の巻芯Yと同様のステンレス鋼からなる板Yを用いて、下記の通り、接触角の測定を実施した。なお、測定した結果はまとめて表7に示す。
接触角は、接触角計(DM300 協和界面科学株式会社製)を用いて、空気中で静的法により測定した。また、液滴には純水を使用した。
[芯抜け性の評価]
実施例16〜17および比較例8において、上記実施例1等における「芯抜け性の評価1」及び「芯抜け性の評価2」と同様の方法により評価した。
表7より、表面が炭化クロムを含有する材質である実施例16および実施例17は摩擦係数が0.4以下と低く、接触角も100°以上であった。また、芯抜け性の評価では、芯抜けは良好であり、かつアラミド層の一部が剥がれ落ちて巻芯に付着することもなかった。
一方、比較例8の表面に炭化クロムを含有しない材質では、摩擦係数が0.7以上と高く、接触角が65°以下であった。また、芯抜け性の評価において、芯抜けの中心部が巻芯とともに突出するという不具合とアラミド層の一部が巻芯に付着していることが確認された。
以上の結果から、セパレータの表面層にアラミド樹脂を含む場合において、巻芯の表面が炭化クロムを含むことにより、セパレータの耐熱性多孔質層に対する摩擦係数を低減でき、かつ接触角が高いため巻芯との接着を低減できたため、アラミド層の剥がれを起こすことなく芯抜けを良好に実施できた。
本発明は非水電解質電池の製造に好適に適用可能である。
1・・・巻芯の本体部
2・・・巻芯の支持体部
3・・・巻芯のスリット部

Claims (10)

  1. 正極、少なくとも一方の表面層がアラミド樹脂を含む耐熱性多孔質層であるセパレータ、および負極を、水に対する接触角が90°以上である表面を有する巻芯により捲回して電池素子を作製する工程を有する非水系電解質電池の製造方法。
  2. 前記表面は、水に対する接触角が90°以上である材料を含み、
    前記水に対する接触角が90°以上である材料が、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、無電解めっきにより金属とともに共析されたフッ素樹脂、窒化クロム、および炭化クロムから選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の非水系電解質電池の製造方法。
  3. 前記巻芯の表面は、前記セパレータの耐熱性多孔質層に対する摩擦係数が0.6以下である請求項1または請求項2に記載の非水系電解質電池の製造方法。
  4. 前記巻芯の表面は、下地材に、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、及びポリテトラフルオロエチレンから選ばれる少なくとも一種を含むコーティング液を塗布して形成されたものである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の非水系電解質電池の製造方法。
  5. 前記巻芯の表面は、下地材に、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、及びポリテトラフルオロエチレンから選ばれる少なくとも一種を含む粉体塗料を塗布して形成されたものである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の非水系電解質電池の製造方法。
  6. 前記巻芯の表面は、下地材に、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、及びポリテトラフルオロエチレンから選ばれる少なくとも一種を含むシートを付着させて形成されたものである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の非水系電解質電池の製造方法。
  7. 前記巻芯の表面は、下地材に、炭化クロムをめっきして形成されたものである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の非水系電解質電池の製造方法。
  8. 前記巻芯の表面は、下地材に、炭化クロムを溶射して形成されたものである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の非水系電解質電池の製造方法。
  9. 正極、セパレータ、負極、および電解質を具備する非水系電解質電池の、前記正極、前記セパレータ、および前記負極を捲回して電池素子を製造する工程において用いられ、水に対する接触角が90°以上である表面を有する巻芯。
  10. 前記表面は、水に対する接触角が90°以上である材料を含む請求項9に記載の巻芯。
JP2010204955A 2009-09-11 2010-09-13 非水系電解質電池の製造方法、非水系電解質電池の製造に用いる巻芯 Expired - Fee Related JP5481330B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010204955A JP5481330B2 (ja) 2009-09-11 2010-09-13 非水系電解質電池の製造方法、非水系電解質電池の製造に用いる巻芯

Applications Claiming Priority (15)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009210512 2009-09-11
JP2009210514 2009-09-11
JP2009210509 2009-09-11
JP2009210515 2009-09-11
JP2009210511 2009-09-11
JP2009210513 2009-09-11
JP2009210512 2009-09-11
JP2009210514 2009-09-11
JP2009210510 2009-09-11
JP2009210515 2009-09-11
JP2009210511 2009-09-11
JP2009210509 2009-09-11
JP2009210513 2009-09-11
JP2009210510 2009-09-11
JP2010204955A JP5481330B2 (ja) 2009-09-11 2010-09-13 非水系電解質電池の製造方法、非水系電解質電池の製造に用いる巻芯

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011082155A true JP2011082155A (ja) 2011-04-21
JP5481330B2 JP5481330B2 (ja) 2014-04-23

Family

ID=44075975

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010204955A Expired - Fee Related JP5481330B2 (ja) 2009-09-11 2010-09-13 非水系電解質電池の製造方法、非水系電解質電池の製造に用いる巻芯

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5481330B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015115422A (ja) * 2013-12-10 2015-06-22 住友電工プリントサーキット株式会社 プリント配線板
WO2018025785A1 (ja) * 2016-08-04 2018-02-08 帝人株式会社 巻芯、電極巻回体の製造装置及び電極巻回体の製造方法
CN110676465A (zh) * 2018-07-03 2020-01-10 夏普株式会社 空气电极、金属空气电池以及空气电极的制造方法
CN111584809A (zh) * 2020-04-30 2020-08-25 浙江金非新能源科技有限公司 一种锂离子电池卷芯用浆料及其制备方法和涂胶工艺

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11144763A (ja) * 1997-11-05 1999-05-28 Toray Ind Inc 電 池
JPH11176463A (ja) * 1997-12-09 1999-07-02 Fuji Photo Film Co Ltd シート体の巻回装置
JP2001351669A (ja) * 2000-06-08 2001-12-21 Toshiba Tungaloy Co Ltd 帯状部材巻取用の巻芯
JP2003017110A (ja) * 2001-07-03 2003-01-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電池の製造方法
JP2003073036A (ja) * 2001-08-31 2003-03-12 Ube Ind Ltd 巻 芯
JP2009070726A (ja) * 2007-09-14 2009-04-02 Teijin Ltd 非水電解質電池の製造方法
WO2009048263A1 (en) * 2007-10-12 2009-04-16 Lg Chem, Ltd. Preparation process for preventing deformation of jelly-roll type electrode assembly
JP2009193841A (ja) * 2008-02-15 2009-08-27 Panasonic Corp 電池の製造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11144763A (ja) * 1997-11-05 1999-05-28 Toray Ind Inc 電 池
JPH11176463A (ja) * 1997-12-09 1999-07-02 Fuji Photo Film Co Ltd シート体の巻回装置
JP2001351669A (ja) * 2000-06-08 2001-12-21 Toshiba Tungaloy Co Ltd 帯状部材巻取用の巻芯
JP2003017110A (ja) * 2001-07-03 2003-01-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電池の製造方法
JP2003073036A (ja) * 2001-08-31 2003-03-12 Ube Ind Ltd 巻 芯
JP2009070726A (ja) * 2007-09-14 2009-04-02 Teijin Ltd 非水電解質電池の製造方法
WO2009048263A1 (en) * 2007-10-12 2009-04-16 Lg Chem, Ltd. Preparation process for preventing deformation of jelly-roll type electrode assembly
JP2009193841A (ja) * 2008-02-15 2009-08-27 Panasonic Corp 電池の製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015115422A (ja) * 2013-12-10 2015-06-22 住友電工プリントサーキット株式会社 プリント配線板
WO2018025785A1 (ja) * 2016-08-04 2018-02-08 帝人株式会社 巻芯、電極巻回体の製造装置及び電極巻回体の製造方法
CN110676465A (zh) * 2018-07-03 2020-01-10 夏普株式会社 空气电极、金属空气电池以及空气电极的制造方法
CN111584809A (zh) * 2020-04-30 2020-08-25 浙江金非新能源科技有限公司 一种锂离子电池卷芯用浆料及其制备方法和涂胶工艺
CN111584809B (zh) * 2020-04-30 2022-08-26 浙江金非新能源科技有限公司 一种锂离子电池卷芯用浆料及其制备方法和涂胶工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JP5481330B2 (ja) 2014-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6687489B2 (ja) 積層体、非水電解液二次電池用セパレータ、非水電解液二次電池用部材及び非水電解液二次電池
CN111492504A (zh) 非水系二次电池用隔膜及非水系二次电池
WO2014021293A1 (ja) 非水電解質電池用セパレータ及び非水電解質電池
JP6058159B2 (ja) 非水系二次電池用セパレータ及び非水系二次電池
US20130143117A1 (en) Paste for forming conductive protection layer on collector laminate in non-aqueous rechargeable electricity-storage device
CN113678312A (zh) 非水系二次电池用隔膜及非水系二次电池
JP2009070726A (ja) 非水電解質電池の製造方法
US20190189993A1 (en) Nonaqueous electrolyte secondary battery
US10062888B2 (en) Porous membrane
JP2017103046A (ja) 非水電解液二次電池用セパレータ
JP5481330B2 (ja) 非水系電解質電池の製造方法、非水系電解質電池の製造に用いる巻芯
JP2017084754A (ja) 非水電解液二次電池用積層セパレータ、非水電解液二次電池用部材および非水電解液二次電池
WO2014021291A1 (ja) 非水電解質電池用セパレータおよび非水電解質電池
US11367876B2 (en) Copper foil for secondary battery, method of manufacturing the same, and secondary battery including the same
WO2023201913A1 (zh) 一种锂电隔膜与电池集成制备方法
JP4952314B2 (ja) 非水系二次電池用セパレータおよびこれを備えた非水系二次電池
JP7277234B2 (ja) 非水電解液二次電池用積層セパレータ
US10741815B2 (en) Nonaqueous electrolyte secondary battery
US20190189991A1 (en) Nonaqueous electrolyte secondary battery
KR20190142246A (ko) 비수 전해액 이차 전지용 다공질층
KR20190142250A (ko) 비수 전해액 이차 전지용 다공질층
US20190190074A1 (en) Nonaqueous electrolyte secondary battery
US20190190079A1 (en) Nonaqueous electrolyte secondary battery
JP2020177772A (ja) 非水電解液二次電池用多孔質層
KR102717518B1 (ko) 비수 전해액 이차 전지

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130510

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131023

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131029

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140128

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140217

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5481330

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees