JP2011082041A - 端子対及びこれを用いた電気接続構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体金属を用いることにより、端子対を構成する端子間の電気抵抗を低く抑え、かつ、当該液体金属の劣化に起因する電気抵抗の上昇を未然に防ぐ。
【解決手段】電気接続構造は、雄端子10と雌端子20とを備え、その間に低融点の液体金属30が介在する。液体金属30は、ガリウムと、インジウム及びスズの少なくとも一方とを含む。雄端子10及び雌端子20は、銅または銅合金からなる母材と、その表面に形成されるガリウム反応抑止層とを含む。ガリウム反応抑止層は、母材よりも前記液体金属中のガリウムとの反応性が低い材料からなり、液体金属中のガリウムと母材を構成する銅との反応を阻むことにより、当該反応に起因する液体金属の融点の上昇を抑止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、互いに嵌合可能な端子からなる端子対とこれを用いた電気接続構造に関するものである。
従来の一般的な端子対は、雌型の電気接触部をもつ雌端子と、雄型の電気接触部をもつ雄端子とからなり、これらの電気接触部同士が嵌合して互いに直接接触し合うことにより、端子間の電気的導通が達成される。具体的には、例えば特許文献1に記載されるように、前記雌型の電気接触部に電気接触用のばね片が形成され、このばね片が弾性変形した状態で前記雄型の電気接触部に接触し、その接触荷重が前記ばね片の弾発力によって与えられる。
特開2006−85915号公報
前記両電気接触部同士の間には、接触抵抗が発生する。具体的に、固体金属からなる各電気接触部の表面にはそれぞれ微小な凹凸が存在するので、見かけ接触面積に比べ、真実接触面積(微視的な接触面積)は著しく小さく、その分、端子間の接触抵抗は高くなる。
前記接触抵抗を低減させる手段として、端子間の接触荷重(例えば雌端子に形成される接触ばね片の弾発力による力)を高く設定することが考えられる。しかし、当該接触荷重の上昇に対する固体金属表面の変形度合いは非常に小さいので、端子間の抵抗を大幅に低下させることは困難である。
本発明は、このような事情に鑑み、互いに嵌合可能な第1の端子及び第2の端子を備えた端子対において、その端子間の電気抵抗を大幅に低減させるための技術を提供することを目的とする。
本発明者等は、端子間の電気抵抗を低下させる手段として、これら端子同士の間に液体金属を介在させることに想到した。当該液体金属は、両端子への密着性が高く、また流動性を有するので、当該端子との間に大きな接触面積を有することが可能である。
前記液体金属としては、低融点金属であるガリウムを含むものが好適であり、さらに、その融点を降下させるためにインジウムやスズが混合されることが望まれる。しかし、このような組成をもつ液体金属が実際に端子間に介在すると、当該液体金属中に含まれるガリウムが端子の表面金属と反応し、液体金属中のガリウムの濃度が低下して前記インジウムやスズの濃度が相対的に上昇し、その結果として当該液体金属の融点が上昇しその固化が促進されることが判明した。この固化により生ずる合金層には、振動や熱衝撃によって亀裂が生じやすく、かかる亀裂は当該合金層の電気抵抗(すなわち端子間の電気抵抗)を却って増大させるおそれがある。
前記液体金属の固化を回避する方法として、端子間に介在する液体金属の絶対量を増やすことが考えられるが、前記ガリウムやインジウムは高価であり、また当該絶対量の増加は端子の小型化及び高密度化の妨げになるとともに液体金属の飛散の原因となることから、当該絶対量の増加には著しい制約がある。
本発明者等は、かかる事情から、前記液体金属の固化の原因について探求を重ねた結果、当該固化が、前記端子のごく一般的な材料である銅または銅合金(例えば黄銅)と、液体金属中のガリウムとの化学反応に起因するものであることを突き止めた。すなわち、ガリウム融液と銅または銅合金が直接接触すると、その界面にCuGaまたはCuGaが生成される一方、当該ガリウム融液に含まれるインジウムやスズは銅に反応しないため、当該ガリウム融液中のガリウム濃度が低下してインジウムやスズの濃度が相対的に上昇することを究明した。
本発明は、かかる探求の結果、なされたものであり、第1の電気接触部を有する第1の端子と、前記第1の電気接触部と嵌合可能な第2の電気接触部を有する第2の端子とを備え、前記第1の電気接触部と前記第2の電気接触部とが、ガリウムと、インジウム及びスズの少なくとも一方とを含む液体金属を介して互いに電気的に接続されることが可能な端子対であって、前記第1の電気接触部及び前記第2の電気接触部は、銅または銅合金からなる母材と、前記母材よりも前記液体金属中のガリウムとの反応性が低い材料からなり、この母材の表面のうち少なくとも前記液体金属に臨む面上に形成されるガリウム反応抑止層とを含むものである。
また本発明は、当該端子対と、当該端子対に含まれる第1の電気接触部と第2の電気接触部とが互いに嵌合した状態でこれら電気接触部との間に介在することにより当該電気接触部同士を電気的に接続する液体金属とを有する電気接続構造であって、前記液体金属は、ガリウムと、インジウム及びスズの少なくとも一方とを含むものである。
前記端子対及びこれを用いた電気接続構造によれば、第1の端子及び第2の端子の母材が低抵抗金属である銅または銅合金により構成されるとともに、当該第1の端子の電気接触部(第1の電気接触部)と当該第2の端子の電気接触部(第2の電気接触部)との間にガリウムを含む液体金属が介在することにより、前記第1の端子から前記第2の端子に至るまでの電気的導通経路の抵抗は低く抑えられる。しかも、前記各母材の表面のうち少なくとも前記液体金属に臨む面上に形成されるガリウム反応抑止層が、当該母材を構成する銅または銅合金と当該液体金属中に含まれるガリウムとの化学反応を阻むことにより、当該化学反応に起因する当該液体金属中のガリウム濃度の低下及びインジウムまたはスズの濃度の相対的上昇を有効に抑止し、その結果、当該液体金属が長期にわたって液相を維持することを可能にする。
ここで、前記ガリウム反応防止層を構成する材料は、ガリウムとの反応性が低いものであればよく、具体的には、クロム、鉄、及びこれらの合金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属からなるものが、好適である。
さらに、前記ガリウム反応防止層の表面上には、前記液体金属中のガリウムと反応することにより金属間化合物を生成することが可能な材料からなるガリウム反応層が形成されることが、より好ましい。このガリウム反応層は、前記ガリウムと反応して金属間化合物を生成することにより、当該ガリウムを含む液体金属の濡れ性を向上させる。しかも、当該ガリウム反応層は各端子の母材に比べて微量に抑えることが可能であるため、このガリウム反応層と前記ガリウムとが過度に反応して前記液体金属中のガリウム濃度を低下させることが、防がれる。
前記ガリウム反応層を構成する材料としては、例えば、金、銅、銀、及びニッケルからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属からなるものが好適である。
以上のように、本発明によれば、第1の端子及び第2の端子の電気接触部同士の間に介在する液体金属が、当該電気接触部間の電気抵抗を有効に低下させる。しかも、各端子の母材の表面に設けられたガリウム反応抑止層が、前記液体金属に含まれるガリウムと前記母材を構成する銅または銅合金との反応を抑止し、当該反応に起因する液体金属中のガリウム濃度の低下を抑制することにより、前記液体金属が安定して液相を維持することを可能にする。これにより、当該液体金属が前記電気抵抗を低下させる効果が長期にわたって持続する。
本発明の第1の実施の形態に係る電気接続構造を示す断面正面図である。 前記電気接続構造における各端子の母材及びその表面に形成されたガリウム反応抑止層を示す拡大断面図である。 (a)は端子の母材の表面が直接液体金属に接触する構造を示す拡大断面図、(b)はその構造において前記液体金属と前記母材との界面にガリウム化合物が析出した状態を示す拡大断面図である。 (a)は本発明の第2の実施の形態に係る電気接続構造において端子の母材の表面にガリウム反応抑止層及びガリウム反応層が積層されたものを示す拡大断面図、(b)はその構造において前記ガリウム反応層と液体金属との界面にガリウム化合物が析出した状態を示す拡大断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る端子対を示す断面正面図である。 図5に示す端子対の嵌合状態を示す断面正面図である。 図5のVII−VII線断面図である。
本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる電気接続構造を示す断面図である。この電気接続構造は、第1の端子である雄端子10と、当該雄端子10と嵌合可能な第2の端子である雌端子20と、液体金属30とを備える。前記各端子10,20は、図略の電線の端末に装着され、当該電線と電気的に接続される。前記液体金属30は、前記端子10,20同士の間に介在して両端子10,20同士を電気的に接続する。
前記雄端子10は、単一の金属板から形成されたものであり、雄型の電気接触部(第1の電気接触部)であるタブ12と、ストッパ部14とを有する。前記タブ12は、略一定の厚みを有する板状をなし、雄端子10の軸方向(図1に示される嵌合姿勢では上下方向)に延びる。前記ストッパ部14は、前記電気接触部12の基部から前記軸方向と直交する方向(図1に示される嵌合姿勢では水平方向)に突出する。
前記雌端子20は、単一の金属板を曲げ加工することにより形成されたものであり、基壁22と、外壁24と、接触用ばね片26とを有する。
前記基壁22は、平板状をなし、図1に示される嵌合姿勢では上下方向に延びる。前記外壁24は、前記基壁22の内側面を覆うように形成され、当該基壁22とともに、上向きに開口する箱状の部分を構成する。この箱状部分は、その内側に前記電気接触部12が上から挿入されるのを許容し、かつ、前記液体金属30を収容可能な容器状をなす。
前記接触用ばね片26は、前記基壁22とともに、前記電気接触部12と接触可能な第2の電気接触部を構成する。具体的に、この接触用ばね片26は、前記基壁22の下端部から上向きに転回する第1転回部26aと、この転回部26aから斜め上向きに延びる本体部26bと、この本体部26bの上端から下向きに転回して前記外壁24に接触する第2転回部26cとを一体に有する。前記本体部26bは、上方に向かうに従って前記基壁22から漸次的に離間する向きに傾斜しており、この本体部26bと前記基壁22とにより挟まれた圧入空間内に前記雄端子10のタブ12が上から圧入される。この圧入状態で、前記タブ12と前記基壁22及び前記接触用ばね片26との電気的導通が達成される。
前記液体金属30は、前記タブ12の圧入の前に予め前記圧入空間内に装填され、この圧入空間内に前記タブ12が圧入された状態で、当該タブ12の表面と前記基壁22の内側面及び前記接触用ばね片26の内側面(すなわち前記圧入空間に臨む面)との間に介在し、当該タブ12と当該基壁22及び当該接触用ばね片26とを電気的に接続する。
前記液体金属30は、低融点金属であるガリウム(Ga)と、その融点をさらに低下させるために添加される金属とを含み、その添加金属には、インジウム(In)及びスズ(Sn)の少なくとも一方が含まれる。その配合は適宜設定可能であるが、好適な例としては、次のようなものが挙げられる。
例1:Ga68.5質量%、In21.5質量%、Sn10質量%(融点−19℃)
例2:Ga74質量%、In24質量%、Ag2質量%(融点14.8℃)
例3:Ga62質量%、In25質量%、Sn13質量(融点10.6℃)
例4:Ga62質量%、In23質量%、Sn13質量%、Zn2質量%(融点9.8℃)。
これらの中でも、特にGa−In系合金が好ましく、Ga68.5質量%、In21.5質量%、Sn10質量%からなる液体金属(融点−19℃)が好適である。かかる組成の液体金属は、実際に使用する温度で固相となることがほとんどないので、その使用時に加熱等をほとんど要しない。
この液体金属30の層厚は、適宜設定可能であるが、一般には当該層厚が20〜100μm程度となるように液体金属30が充填されるのが好ましい。
一方、前記各端子10,20は、それぞれ、図2に示すような母材10a,20aと、その表面に形成されるガリウム反応抑止層10b,20bとからなっている。前記各母材10a,20aは、導電率の高い材料である銅または銅合金からなる一方、前記ガリウム反応抑止層10b,20bは前記母材10a,20aよりもガリウムに対する反応性が低い材料、例えば、クロム(Cr)、鉄(Fe)、及びこれらの合金(好ましくはステンレス鋼)により構成されている。このうちクロムは、めっきにより前記母材の表面に容易に成膜されることが可能であり、特に好適である。このガリウム反応抑止層10b,20bの層厚は適宜設定可能であり、一般には数μm程度が好適である。
この電気接続構造では、雄端子10の電気接触部(第1の電気接触部)であるタブ12の表面と、雌端子20の電気接触部(第2の電気接触部)である基壁22及び接触用ばね片26の表面との間に液体金属30が介在するため、両電気接触部同士の直接的な接触のみで電気接続が行われる従来構造に比べ、当該電気接触部間の電気抵抗が有効に低減される。すなわち、前記液体金属30は両電気接触部との密着性が高く、大きな接触面積を有することが可能であるから、固体金属からなる電気接触部同士が直接接触する構造に比べ、これら電気接触部同士を低抵抗にて電気的に接続することが可能である。
しかも、前記各電気接触部においては、銅または銅合金からなる母材10a,20aの表面に、それよりもガリウムとの反応性が低い材料からなるガリウム反応抑止層10b,20bが形成されているため、当該母材10a,20aを構成する銅または銅合金と前記液体金属30を構成するガリウムとの反応による当該液体金属30の劣化を有効に抑止することができる。
より具体的に説明すると、例えば図3(a)に示すように母材10a,20aと液体金属30とが直接接触する構造においては、当該母材10a,20aを構成する銅または銅合金と、前記液体金属30の主成分であるガリウムとが反応することにより、その界面に同図(b)に示すような銅−ガリウム化合物(CuGaまたはCuGa)32が析出する。この反応は、前記液体金属30におけるガリウムの濃度を低下させ、逆に、添加成分であるインジウムやスズの濃度を相対的に上昇させる。この濃度変化は、前記液体金属30の融点を上昇させ、その固化を促進する。このような液体金属30の固化により形成された合金層では、車両走行時の振動や熱衝撃により亀裂が生じやすく、この亀裂は端子10,20間の電気抵抗を却って増大させるおそれがある。
これに対し、図2に示される構造では、母材10a,20aの表面に形成されたガリウム反応抑止層10b,20bが、当該母材10a,20aを構成する銅または銅合金と前記液体金属30中に含まれるガリウムとの反応を阻み、当該反応に起因する液体金属30の劣化(固化)を有効に抑止する。これにより、当該液体金属30の介在による端子10,20間の電気抵抗の低減効果が長期にわたって保証される。しかも、端子10,20の母材10a,20aは従来通り電気伝導率の高い銅または銅合金からなるため、当該端子10,20自身の電気抵抗も低く抑えられる。
なお、前記ガリウム反応抑止層10b,20bは、必ずしも端子10,20の全表面に形成されていなくてもよく、少なくとも各端子10,20の電気接触部が前記液体金属30に臨む面に形成されていれば、前記ガリウムと銅との反応による液体金属30の劣化を防ぐことが可能である。
本発明の第2の実施の形態を図4(a)(b)に示す。この実施の形態では、前記第1の実施の形態に係るガリウム反応抑止層10b,20bの表面上にさらにガリウム反応層10c,20cがそれぞれ形成されている。このガリウム反応層10cは、前記液体金属30中のガリウムと反応することにより金属間化合物を生成することが可能な材料からなる。その材料は、例えば、金(Au)、銅(Cu)、銀(Ag)、及びニッケル(Ni)からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属からなるものが、好適である。これらの材料を用いれば、例えばめっきにより、前記ガリウム反応抑止層10bの表面上に容易に薄膜を形成することが可能である。
前記ガリウム反応抑止層10b,20bは、上述のとおり、液体金属30に含まれるガリウムが母材10a,20aを構成する銅または銅合金と反応することを阻むため、当該反応による液体金属30中のガリウム濃度の低下を抑止する効果を奏するが、その反面、端子10,20の表面に対する液体金属30の濡れ性を低下させるデメリットを有する。しかし、このガリウム反応抑止層10b,20bの表面上にさらに前記ガリウム反応層10c,20cが形成されていれば、当該ガリウム反応層10c,20cと前記液体金属30との界面に図4(b)に示すような金属間化合物(例えば金−ガリウム化合物や銅−ガリウム化合物)34が形成されることにより、端子表面に対する液体金属30の濡れ性が向上する。しかも、当該ガリウム反応層10c,20cと反応するガリウムは微量であるため、当該反応に起因して液体金属30中のガリウム濃度が著しく低下することは前記第1の実施の形態と同様に防がれる。
すなわち、この第2の実施の形態に係る構造では、前記ガリウム反応層10c,20cの層厚を適当に設定することにより、端子10,20に対する液体金属30の濡れ性の向上と、ガリウムの反応に起因する液体金属30の劣化の抑止とを両立させることができる。当該層厚は、前記液体金属30の量や組成、ガリウム反応層10c,20cの材質にもよるが、一般には数μm程度が好適である。
本発明の第3の実施の形態を図5〜図7に示す。この実施の形態では、液体金属を担持するための担持体40が用いられ、この担持体40が雄端子10に取付けられている。
前記図1に示した電気接続構造では、雌端子20が上方に開口する容器状をなしているため、その内側に液体金属30を安定して収容することが可能であるが、図5及び図6に示すような通常の形状の雄端子10及び雌端子20からなる端子対では、両端子10,20間に液体金属を安定した状態で介在させることは難しく、当該液体金属は流出しやすい。そこで、この第3の実施の形態では、前記液体金属を担持するための担持体40が用いられる。
前記雄端子10は、第1の電気接触部であるタブ12を有し、このタブ12の下面に前記担持体40が保持される。より具体的には、前記タブ12の幅方向両縁から図7に示すような一対の抱き込み片16が延設され、これらの抱き込み片16が前記担持体40を抱き込むように保持する。この担持体40は、薄肉の略直方体状をなし、その上面および両側面が前記タブ12の下面および両抱き込み片16の内側面にそれぞれ密着する状態で、当該抱き込み片16に保持される。
この担持体40は、他の固定手段、例えば接着剤で前記タブ12に固着されてもよい。その場合、当該担持体40の大部分を残してその周縁部のみがタブ12に接着されれば、当該タブ12と担持体40が保持する液体金属との接触が確保される。
一方、前記雌端子20は、前記第1の実施の形態と同様に、基壁22と、外壁24と、前記基壁22の前端から後方に転回する接触用ばね片26とを一体に有し、この接触用ばね片26の後部に山型の接触部26dが形成されている。この接触部26dは、前記接触用ばね片26の弾発力により、前記基壁22との間に前記タブ12及び前記担持体40を挟持する。すなわち、この端子対では、前記タブ12の上面が前記基壁22の下面に圧接し、かつ、前記接触用ばね片26の接触部26dが前記担持体40に圧接することにより、端子10,20間の電気的導通が達成される。
前記雌端子20の後端にはバレル部28が形成され、このバレル部28が図略の電線の端末に圧着される。雄端子10の後端にも同様の図略のバレル部が形成されている。
前記担持体40は、比較的小さい空洞を有する多孔体により構成され、その空洞内に前記液体金属が充填される。そして、この液体金属が前記接触用ばね片26の接触部26dと前記タブ12との間に介在することにより、これら接触部26dとタブ12とを相互に電気的に接続する。前記多孔体を構成する材料は、前記液体金属中のガリウムとの反応性が比較的低い金属材料が好ましく、鉄、ステンレス鋼、クロム等が例示される。
この担持体40に液体金属を含浸させるには、例えば容器に収容した液体金属内に前記担持体40を浸漬させればよい。さらに、その浸漬後に真空引きを行えば、担持体40を構成する多孔体内への液体金属の含浸が促進される。
また、この担持体40は、前記タブ12に固定される代わりに、前記接触用ばね片26の上面の適所に固定されてもよい。
以上示した電気接続構造においても、例えばタブ12全体および接触用ばね片26全体が銅または銅合金からなる母材のみで形成されていて前記担持体40と直接接触する場合、当該担持体40に担持される液体金属中のガリウムが前記銅と反応することにより当該液体金属中のガリウム濃度が低下し、その固化が促進されるおそれがある。しかし、少なくとも前記タブ12の下面、抱き込み片16の内側面、及び前記接触部26dの上面に前記母材を覆うガリウム反応抑止層が形成されていれば、このガリウム反応抑止層が銅−ガリウム反応を妨げることにより、前記液体金属の固化(劣化)を有効に抑止することができる。さらに、当該ガリウム反応抑止層の表面上に薄肉のガリウム反応層が形成されれば、前記液体金属の劣化を抑止しながら当該液体金属の端子10,20に対する濡れ性を向上させることができる。
一対の金属板同士の間に、Ga68.5質量%、In21.5質量%、Sn10質量%の組成をもつ液体金属を介在させ、160°Cの温度下で120時間放置する試験を行った。前記金属板の材質には、銅、クロム、鉄、ステンレス鋼(SUS304)、ニッケル、銀(銅からなる母材上への銀めっき)をそれぞれ選定した。
かかる試験の結果、銅、ニッケル、及び銀めっきの表面には、それぞれとガリウムとからなる相当量の金属間化合物が析出した。これに対し、クロム、鉄、及びステンレス鋼の表面にはガリウムを含む合金がほとんど存在しなかった。
クロムからなる基材の表面に金からなる厚さ0.1μmの膜をガリウム反応層として蒸着したものを用意し、その金膜の表面にガリウム融液を薄く塗布して、160°C下で120時間放置した。その結果、前記基材の表面に少量の金−ガリウム化合物が析出したが、この金−ガリウム化合物を拭き取ったところ、前記クロムからなる基材の表面に変化がないことが確認された。
10 雄端子(第1の端子)
10a 雄端子の母材
10b 雄端子のガリウム反応抑止層
10c 雄端子のガリウム反応層
12 タブ(第1の電気接触部)
18 接触面
20 雌端子(第2の端子)
20a 雌端子の母材
20b 雌端子のガリウム反応抑止層
20c 雌端子のガリウム反応層
22 基壁(第2の電気接触部)
26 接触用ばね片(第2の電気接触部)
30 液体金属

Claims (5)

  1. 第1の電気接触部を有する第1の端子と、前記第1の電気接触部と嵌合可能な第2の電気接触部を有する第2の端子とを備え、前記第1の電気接触部と前記第2の電気接触部とが、ガリウムと、インジウム及びスズの少なくとも一方とを含む液体金属を介して互いに電気的に接続されることが可能な端子対であって、
    前記第1の電気接触部及び前記第2の電気接触部は、銅または銅合金からなる母材と、前記母材よりも前記液体金属中のガリウムとの反応性が低い材料からなり、この母材の表面のうち少なくとも前記液体金属に臨む面上に形成されるガリウム反応抑止層とを含むことを特徴とする液体金属が介在する端子対。
  2. 請求項1記載の端子対において、
    前記ガリウム反応防止層は、クロム、鉄、及びこれらの合金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属からなることを特徴とする端子対。
  3. 請求項1または2記載の端子対において、
    前記ガリウム反応防止層の表面上に、前記液体金属中のガリウムと反応することにより金属間化合物を生成することが可能な材料からなるガリウム反応層が形成されることを特徴とする端子対。
  4. 請求項3記載の端子対において、
    前記ガリウム反応層は、金、銅、銀、及びニッケルからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属からなることを特徴とする液体金属が介在する端子対。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の端子対と、前記端子対に含まれる第1の電気接触部と第2の電気接触部とが互いに嵌合した状態でこれら電気接触部との間に介在することにより当該電気接触部同士を電気的に接続する液体金属とを備えた電気接続構造であって、前記液体金属は、ガリウムと、インジウム及びスズの少なくとも一方とを含むことを特徴とする端子対を用いた電気接続構造。
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JP2015174129A (ja) * 2014-03-17 2015-10-05 株式会社日本スペリア社 液状金属接合材並びにその接合方法
CN109193288A (zh) * 2018-08-09 2019-01-11 云南科威液态金属谷研发有限公司 一种运动件间的导电系统

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