JP2011081707A - サプライチェーンマネジメント評価装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ある組織で生じた条件変動が他の組織に与える影響を評価することのできるSCM評価装置を提供することを目的とする。
【解決手段】SCの各組織の行動条件情報が格納されている記憶部21から各組織の行動条件情報を読み出し、少なくとも一つの行動条件情報の一部の要素を変動させる要素制御部22と、変動後の行動条件情報に基づいて、複数の評価指標からSCMを総合的に評価した総合評価値を算出する評価値算出部23とを備え、評価値算出部23は、各評価指標の評価値を算出するための評価関数をそれぞれ有しており、各評価関数は、組織自身の評価に関する項と、他の組織が当該組織に与える影響に基づいて決定される当該組織の評価値を得るための相互連鎖評価項を含み、各評価関数をそれぞれ用いて各評価指標の評価値を算出し、該評価値を用いて総合評価値を算出するSCM評価装置10を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、SCM(サプライチェーンマネジメント)評価装置に関するものである。
従来、複数の組織によって一つの物流システムが構築されている場合に、個々の組織の枠組みを超え、物流システム全体としての生産効率の最適化を図るために、SCMの導入が行われている。
SCMの評価に関する技術として、例えば、特許文献1に開示の技術が提案されている。特許文献1には、製品の生産において、増産の販売計画変動が生じても製品の出荷遅延を生ずることがなく、また資材、仕掛品及び製品の在庫費用と資材調達の物流費用の合計費用を最小とすることのできるSCMを作成することのできる技術が開示されている。
特開2009−075919号公報
SCMを評価する場合、上述した特許文献1に開示されているシステムのように、物流プロセス全体におけるリードタイムや在庫数等の情報から無駄が最も少ない効率的なSCMを作成するという目的の他に、以下のような観点から評価を行いたいという要請がある。
(1)SC(サプライチェーン)を構成している複数の組織間において、ある組織で問題が発生した場合に、その問題が他の組織に与える影響を評価したい。
(2)災害発生時等のように、通常とは異なる事象が発生した場合において、その事象に応じた最適なSCMを検討したい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、第1の目的は、ある組織で生じた条件変動が他の組織に与える影響を評価することのできるSCM評価装置を提供することである。
また、本発明の第2の目的は、災害発生等のように、SCの一部に通常とは異なる事象が発生した場合に、その事象発生下における好適なSCMを選定することのできるSCM評価装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、複数の組織からなるサプライチェーンの各前記組織に対し、それぞれの組織の行動を規定する複数の要素からなる行動条件情報が前記組織毎に格納されている記憶手段と、前記記憶手段から各前記組織の行動条件情報を読み出し、前記組織の前記行動条件情報の一部の要素を変動させる要素制御手段と、前記要素制御手段によって要素の変動が与えられた場合に、該変動後の行動条件情報に基づいて、複数の評価指標からサプライチェーンマネジメントを総合的に評価した総合評価値を算出する評価値算出手段とを備え、前記評価値算出手段は、各前記評価指標の評価値を算出するための評価関数をそれぞれ有しており、各前記評価関数は、組織自身の評価に関する項と、他の組織が当該組織に与える影響に基づいて決定される当該組織の評価値を得るための相互連鎖評価項を含み、各該評価関数をそれぞれ用いて各前記評価指標の評価値を算出し、該評価値を用いて前記総合評価値を算出するサプライチェーンマネジメント評価装置を提供する。
このような構成によれば、記憶部に格納されている各組織の行動条件情報が要素制御手段によって読み出され、所定の組織の行動条件情報の一部の要素に変動が与えられる。変動が与えられた後の行動条件情報は、評価値算出手段に入力され、これらの情報に基づいて各評価指標における評価値が算出され、更に、これらの評価値からSCMを総合的に評価した総合評価値が算出される。
この場合において、各評価指標の評価値を算出する際に使用される評価関数は、組織自身の評価に関する項と、他の組織が当該組織に与える影響に基づいて決定される当該組織の評価値を得るための相互連鎖評価項を含んでいるので、組織が互いに作用し合う影響についても考慮に入れてSCMを全体として評価することが可能となる。これにより、SCMの評価精度を向上させることができる。
また、本発明によれば、所定の組織の行動条件情報の一部の要素に与えた変動が、SCM全体にどのような影響を与えられるのかを把握することができる。
上記複数の評価指標の一例としては、例えば、コスト、リードタイム、生産量等に関する評価指標が挙げられる。
上記サプライチェーンマネジメント評価装置において、前記評価指標には生産量に関する評価指標が含まれており、前記総合評価値算出手段は、各前記評価指標の評価値に所定の重み付け係数を乗じた値を加算することで前記総合評価値を算出し、前記生産量に関する評価指標の重み付け係数は、生産量をパラメータとする関数によって決定されていてもよい。
このように、各評価指標の評価値に所定の重み付け係数を乗じるので、この重み付け係数をそれぞれの評価指標の重要度に応じて設定することで、SCMの特性に応じた評価を行うことが可能となる。また、生産量については、その重み付け係数をある関数によって決定することにより、その時々の市場の状況を評価に取り入れることが可能となる。
上記サプライチェーンマネジメント評価装置において、前記要素制御手段は、前記組織毎に登録された行動条件情報のうち、全ての組織において共通の要素を同じ量だけ順次変動させ、前記総合評価値算出手段は、前記要素制御手段によって変動が与えられたそれぞれの行動条件情報下における総合評価値をそれぞれ算出し、算出された各変動下における総合評価値を互いに比較することで、前記共通の要素の変動に対するサプライチェーンマネジメントの脆弱性を評価することとしてもよい。
このように、各組織の行動条件情報を同じ条件で変動させたときの総合評価値をそれぞれ得、これらを互いに比較することにより、各組織の該要素の変動がSCM全体にどの程度影響を及ぼすのかを把握することができる。また、これにより、SCMに大きな影響を及ぼす組織及び要素を特定することができ、SCMの脆弱性を検出することができる。この結果、その脆弱性に適切に対処することで、より効果的なSCMを作成することが可能となる。
上記サプライチェーンマネジメント評価装置において、前記要素制御手段によって与えられる前記要素の変動は、所定の災害発生時に生じる各組織の機能低下に基づいて与えられ、該要素変動下において算出された前記総合評価値に基づいて該災害発生時における最適なサプライチェーンマネジメントを決定することとしてもよい。
このように、要素制御手段が所定の災害発生時に生じる組織の機能低下に基づいて、該当する組織の行動条件情報の要素に変動を与え、このときの総合評価値をさまざまなSCMの条件下において算出することで、災害発生等のように、SCの一部に通常とは異なる事象が発生した場合に、その事象発生下における好適なSCMを選定することが可能となる。
本発明によれば、ある組織で生じた条件変動が他の組織に与える影響を評価することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、災害発生等のように、SCの一部に通常とは異なる事象が発生した場合に、その事象発生下における好適なSCMを選定することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係るSCM評価装置の概略構成を示したブロック図である。 SCM評価装置が備える機能を展開して示した機能ブロック図である。 SCMの総合評価値を算出する評価関数において、生産量の評価を行う項に用いられる係数を決定するための関数の一例を示した図である。 通常時、災害発生時の対応策1、2におけるSCMの構成をそれぞれ示した図である。
以下に、本発明の一実施形態に係るSCM評価装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るSCM評価装置の概略構成を示したブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係るSCM評価装置10は、計算機システムであり、CPU(中央演算処理装置)11、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置12、補助記憶装置13、キーボードやマウスなどの入力装置14、及びディスプレイやプリンタなどの出力装置15、外部の機器と通信を行うことにより情報の授受を行う通信装置16などを備えている。
補助記憶装置13は、コンピュータ読取可能な記録媒体であり、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。この補助記憶装置13には、各種プログラム(例えば、SCM評価プログラム)が格納されており、CPU11が補助記憶装置13から主記憶装置12にプログラムを読み出し、実行することにより種々の処理を実現させる。
図2は、SCM評価装置10が備える機能を展開して示した機能ブロック図である。図2に示されるように、SCM評価装置10は、記憶部21、要素制御部(要素制御手段)22、および評価値算出部(評価値算出手段)23を主な構成要素として備えている。
記憶部21には、複数の組織からなるSCの各組織に対し、それぞれの組織の行動を規定する複数の要素からなる行動条件情報が組織毎に格納されている。以下、この行動条件情報について簡単に説明する。
例えば、SCを構成する各組織は、自らの行動を規定するルールを有しており、その中で行動条件を持つ。行動条件には、一般的には、始業時間、標準就労時間、従業員数、商品受注締時刻、商品在庫確認時刻、原料標準在庫量など多くの要素がある。
今、仮に、組織1の行動条件が、始業時刻、標準就労時間、従業員数、商品受注〆時刻、商品在庫確認時刻、原料標準在庫量、手持ち資金であり、組織2の行動条件が、始業時刻、標準就労時間、PC台数、商品受注〆時刻、商品在庫確認時刻、商品標準在庫量、手持ち資金、不動産資産であった場合、組織1に(始業時刻、標準就労時間、従業員数、商品受注〆時刻、商品在庫確認時刻、原料標準在庫量、手持ち資金)から構成される任意の条件を与えれば、それに応じた行動が決定する。
同様に、組織2に(始業時刻、標準就労時間、PC台数、商品受注〆時刻、商品在庫確認時刻、商品標準在庫量、手持ち資金、不動産資産)から構成される任意の条件を与えれば、それに応じた行動が決定する。
すなわち、組織1の行動を規定する条件を、始業時刻=x1,1、標準就労時間=x1,2、従業員数=x1,3、商品受注〆時刻=x1,4、商品在庫確認時刻=x1,5、原料標準在庫量=x1,6、手持ち資金=x1,7とした場合、組織1の行動は以下の(1)式により決定することができる。
Figure 2011081707
また、同様に、組織2の行動を規定する条件を、始業時刻=x2,1、標準就労時間=x2,2、PC台数=x2,3、商品受注〆時刻=x2,4、商品在庫確認時刻=x2,5、商品標準在庫量=x2,6、手持ち資金=x2,7、計画生産量=x2,8とした場合、組織2の行動は以下の(2)式により決定することができる。
Figure 2011081707
ここで、上述したように、組織1と組織2とでは、行動条件の要素が異なっている。このように、行動条件の要素が異なっている場合には、行動要素の共通化を図ることにより、SCを構成する全ての組織の行動条件の要素を一致させる。
これにより、上述の場合の組織1と2の行動条件は、いずれも以下の行動条件で表されることとなる。
Figure 2011081707
上記(3)式において、x1’=始業時刻、x2’=標準就労時間、x3’=従業員数、x4’=PC台数、x5’=商品受注〆時刻、x6’=商品在庫確認時刻、x7’=原料標準在庫量、x8’=商品標準在庫量、x9’=手持ち資金、x10’=計画生産量である。
本実施形態では、上記(3)式で表されるベクトルを行動条件情報と定義し、この行動条件情報が組織毎に記憶部21に格納されている。もちろん、行動条件情報を構成する要素は上記例に限定されないが、SCを構成する全ての組織において、行動条件情報の要素は互いに一致していることは必要とされる。
要素制御部22は、記憶部21に格納されている各組織の行動条件情報を読み出し、組織の行動条件情報の一部の要素に変動を与える。例えば、組織1の標準就労時間を1時間短縮するという変動を与える場合には、組織1の行動条件情報を以下の(4)式のように変更すればよい。
Figure 2011081707
評価値算出部23は、上記要素制御部22によって要素の変動が与えられた場合に、該変動後の行動条件情報に基づいて、コスト、リードタイム、生産量からなる3つの評価指標からSCMを総合的に評価した総合評価値を算出する。
評価値算出部23は、コスト、リードタイム、生産量の3つの評価指標について、それぞれの評価値を算出するための評価関数をそれぞれ有しており、これら評価関数を用いて各評価指標の評価値を算出し、該評価値を用いてSCM全体の総合評価値を算出する。
以下、評価関数について説明する。
例えば、組織1の標準就労時間を1時間短縮する場合のSC全体のコストは、個々の組織で発生するコストの積分で表現することが可能であるが、多くの場合、SC以外の要因の影響を受けることが多い。例えば、清涼飲料水の生産や長距離輸送などでは、気象条件から大きな影響を受ける。従って、まず、N個の組織から構成されるSCを考える場合、このような外的要因をX’N+1とすると、このような外的要因を考慮したSC全体のコストにおける評価値は以下の(5)式で表される。
Figure 2011081707
上記(5)式において、Cは外乱を加味したj番目の組織におけるコストを示している。なお、これら行動条件情報に基づく実際のコストの算出等については、例えば、公知の方法を適用し、シミュレーション等を用いて算出することにより、容易に取得することが可能である。
次に、SC全体のコスト評価は、上述した個々の組織で発生するコストの積分で表現が不十分な場合がある。例えば、ある組織で発生するコストが当該組織以外の要因によっても決定される場合、換言すると、ある組織で発生するコストがSC内の他の組織行動の影響を受ける場合には、上述の(5)式で示されるように、個々の組織のコストの積分をするだけでは、SC全体のコストを評価したこととはならない。
例えば、組織2及び組織3からなる2つの組織で生産されている部品Aを組織1が使用する場合であって、組織2が生産する部品の不良品発生率が組織3に比べて少なかった場合には、その不良発生率は、組織1において検品に要するコストに影響を与える。
また、例えば、組織3が組織1と組織4に部品Aを販売している場合であって、組織4の要求品質が組織1に比べて低い場合には、この組織1及び組織4における要求品質が組織3におけるクレーム処理費に影響を与える。
このように、他の組織の影響を受ける自身のコストは、相互連鎖コストとして定義でき、例えば、組織1における組織2及び組織3の影響による相互連鎖コストは、以下のように(6)式で表すことができる。
Figure 2011081707
このような相互連鎖コストは、各組織に対して、SCを構成する他の全ての組織を考慮して算出するべきである。
従って、ある組織iにおける相互連鎖コストは、例えば、以下の(7)式で表すことができる。
Figure 2011081707
以上から、SC全体のコストを評価する評価関数は、以下の(8)式で表すことができる。また、同様の論理からリードタイムについても(9)式のように表すことができる。
Figure 2011081707
これに対し、生産量については、目標生産量からの差が問題となる。すなわち、必要な製品が生産されなければ、それはSCの生産能力低下に繋がり、過剰生産が行われる場合には、不必要に在庫が増加し、それは経済的な脆弱性の原因となる。したがって、生産量に関する評価式は、以下の(10)式により与えられる。
Figure 2011081707
上記(10)式において、RSiは組織iの生産する製品生産量(輸送業者にあっては輸送能力)の最終製品生産量に対する標準的な割合を示す。また、Riは組織毎に設定される定数であるが、上記(10)式における以下の(10−1)式で表わされる項が正の場合、すなわち、組織iの生産が標準より不足している場合には負の値とる。また、以下の(10−1)式で表わされる項が負の場合、すなわち組織iの生産が標準より超過している場合には、正の値をとる。なお、Riの絶対値は正と負の場合で異なっても良い。
Figure 2011081707
また、SCの生産量を考慮する場合、上記(10)式における以下(10−2)式で表わされる項のみを考慮することも可能であるが、上記(10−1)式で表わした項を考慮することにより、SC全体の健全性を考慮することができる。
Figure 2011081707
(8)〜(10)式からわかるように、各評価指標におけるそれぞれの評価値を算出するための評価関数は、外乱を考慮した組織i自体のコストを評価する項(左辺の第1項)と、外乱を考慮するとともに、他の組織が当該組織iに与える影響に基づいて決定される組織iのコストを評価する相互連鎖評価項(左辺の第2項)とを有しており、これらの評価値を全ての組織i(1〜N)において積分することで、各評価指標のSC全体の評価値を得ることができる。
評価値算出部23は、上記評価関数を用いてコスト、リードタイム、生産量の各評価値を算出すると、これらの評価値に所定の重み付けの係数を乗算して足し合わせることで、SCMをSC全体から評価した総合評価値を得る。
総合評価値は以下の(11)式で表すことができる。
Figure 2011081707
上記関数において、コストとリードタイムは、SCMを評価するに当たって負の要因であることから、−(マイナス)の係数が付されている。また、生産量に関しては、2つの項とも+(プラス)の係数が付されている。生産量において、係数γ1は目標生産量からの差を示す項であり、この項はSCMを評価するに当たって負の要因であるが、この項は上述したようにRiによって必ず負の項となるため、γ1には+(プラス)の係数が付されている。また、γ2は最終的な生産量Mfinalを示すため、SCMを評価するに当たり正の要因となる。従って上述した他の項とは異なり、γ2には+(プラス)の係数が付されている。なお、このγ2は生産量をパラメータとする関数によって決定される。
図3にγ2の関数の一例を示す。図3に示すように、例えば、γ2の関数は、生産量が所定数Kを超える領域では一定とされ、所定数Kを割り込む領域では指数関数的に減少する関数とされている。この関数は、例えば、市場シェアを維持するのに最低限必要とされる生産量をKとみなし、市場駆逐リスクが高くなる生産量をK´とみなした場合の例である。評価値算出部23は、設定されている最終生産量に基づいて図3に示したγ2の関数から最終生産量に応じた係数γ2を取得し、この係数γを(11)式に適用することにより、総合評価値を得る。
次に、上記構成を備えるSCM評価装置によって実際に評価を行う場合について具体例を挙げて詳しく説明する。
〔脆弱性の検出〕
以下、SCの脆弱性の検出を行う場合について説明する。
ここでは、SCがN個の組織から構成されており、記憶部21には予め組織1〜組織Nまでの行動条件情報が格納されているものとする。また、以下の説明においては、各組織において標準就労時間が変動した場合におけるSC全体としての脆弱性を検出する場合を想定して説明する。
この場合、要素制御部22は、記憶部21に格納されている各組織の行動条件情報を読み出し、読み出した各組織の行動条件情報の標準就労時間に関する要素を所定量(ここでは、−1)順次変動させる。
具体的には、要素制御部22は、まず、組織1の行動条件情報の標準就労時間の要素を所定量変動させ、変動後の組織1の行動条件情報及び他の組織2〜Nの行動条件情報を評価値算出部23に出力する。
評価値算出部23は、要素制御部22から入力された各組織1〜Nの行動条件情報に基づいて、上記(8)式〜(11)式を用いることにより、組織1の平均就労時間が変動したときの総合評価値TP1を算出する。
次に、要素制御部22は、組織2の行動条件情報の標準就労時間の要素を所定量(−1)変動させ、変動後の組織2の行動条件情報及び他の組織1、3〜Nの行動条件情報を評価値算出部23に出力する。これにより、評価値算出部23は、組織2の平均就労時間が変動したときの総合評価値TP2を算出する。
そして、要素制御部22において、上記処理が各組織3〜Nに対して順番に行われることで、各組織において平均就労時間が所定量変更されたときの総合評価値TP3〜TPNがそれぞれ算出される。
このようにして、総合評価値TP1〜TPNが算出されると、これらの総合評価値を互いに比較することにより、SCMの脆弱性の検討が行われる。例えば、総合評価値TP1〜TPNのうち、TP3が最小の総合評価値を示していた場合、このSCMは組織3の標準就労時間に対して耐性が低く、影響を受けやすいということがいえる。従って、組織3の標準就労時間の変動に対する影響が小さくなるように、SCMを変更することで、より効果的なSCMを作成することができる。
このように、変動条件を設定し、この変動条件をSCを構成する全ての組織に適用して各変動条件下における総合評価値を算出し、算出した総合評価値を互いに比較し合うことで、その変動条件におけるSCMの脆弱性を検出することができる。そして、検出した脆弱性については、その点を改善するようにSCMを変更することで、より最適なSCMを得ることが可能となる。
なお、上記例では、1つの要素を変動させていたが、同時に2つ以上の要素を変動させることとしてもよいし、複数の組織における複数の要素を同時に変動させることとしてもよい。
〔災害発生時におけるSCMの評価〕
次に、ある災害が発生したことを前提とした場合に、その災害発生時において最適なSCMを選択する場合について説明する。
以下の説明では、例えば、図4(a)に示すように、組織1で生産された物資を輸送会社である組織2が組織3へ輸送し、更に、組織3において生産された加工品を輸送会社である組織4が組織5へ輸送するSCを想定する。
このようなSCにおいて、災害発生により組織2の物資輸送力が大幅に低下した場合の対応策として、図4(b)に示すような、代替の組織6が組織1から組織3への物資輸送を担当する対応策1と、図4(c)に示すような組織7で生産された物資を別の輸送会社である組織8が組織3へ輸送する対応策2とあった場合に、SCMの観点からこれら対応策1,2のうち最適な対応策を選定する。
この場合、記憶部11には、対応策1、対応策2のそれぞれについて、SCを構成する各組織の行動条件情報が格納されている。
まず、要素制御部22は、記憶部11から対応策1に対応する組織1〜6の行動条件情報を読み出し、災害発生によって生じる事象に基づいて、読み出した行動条件情報に変動を与える。本例では、災害発生によって組織2の物資輸送力が大幅に低減する場合を想定しているので、要素制御部22は、組織2に係る行動条件情報において物資輸送に関する要素を機能が低減する方向に変動させる。このようにして、行動条件情報に所定の変動が与えられると、各組織の変動後の行動条件情報が評価値算出部23に出力される。本例では、組織2の行動条件情報のみに変動が与えられ、他の組織の行動条件情報については記憶部21に格納されていたままの状態で評価値算出部23に出力されることとなる。
評価値算出部23は、変動後の各組織の行動条件情報に基づいて、各評価関数(8)式〜(10)式を用いてコスト、リードタイム、生産量についてのSC全体の評価値を算出し、更にこれらの評価値と(11)式から対応策1における総合評価値を算出し、この値を記憶する。
同様の手順によって、対応策2についても総合評価値を算出すると、評価値算出部23は、対応策1の総合評価値と対応策2の総合評価値とを比較し、値の大きい方の対応策を最適な対応策としてみなして、この対応策の情報と総合評価値とを出力する。
このように、本実施形態に係るSCM評価装置によれば、災害発生等のように、SCの一部に通常とは異なる事象が発生した場合において、最適なSCMを選定することができる。
10 SCM評価装置
11 CPU
12 主記憶装置
13 補助記憶装置
14 入力装置
15 出力装置
16 通信装置
21 記憶部
22 要素制御部
23 評価値算出部

Claims (4)

  1. 複数の組織からなるサプライチェーンの各前記組織に対し、それぞれの組織の行動を規定する複数の要素からなる行動条件情報が前記組織毎に格納されている記憶手段と、
    前記記憶手段から各前記組織の行動条件情報を読み出し、前記組織の前記行動条件情報の一部の要素を変動させる要素制御手段と、
    前記要素制御手段によって要素の変動が与えられた場合に、該変動後の行動条件情報に基づいて、複数の評価指標からサプライチェーンマネジメントを総合的に評価した総合評価値を算出する評価値算出手段と
    を備え、
    前記評価値算出手段は、各前記評価指標の評価値を算出するための評価関数をそれぞれ有しており、各前記評価関数は、組織自身の評価に関する項と、他の組織が当該組織に与える影響に基づいて決定される当該組織の評価値を得るための相互連鎖評価項を含み、各該評価関数をそれぞれ用いて各前記評価指標の評価値を算出し、該評価値を用いて前記総合評価値を算出するサプライチェーンマネジメント評価装置。
  2. 前記評価指標には生産量に関する評価指標が含まれており、
    前記総合評価値算出手段は、各前記評価指標の評価値に所定の重み付け係数を乗じた値を加算することで前記総合評価値を算出し、前記生産量に関する評価指標の重み付け係数は、生産量をパラメータとする関数によって決定される請求項1に記載のサプライチェーンマネジメント評価装置。
  3. 前記要素制御手段は、前記組織毎に登録された行動条件情報のうち、全ての組織において共通の要素を同じ量だけ順次変動させ、
    前記総合評価値算出手段は、前記要素制御手段によって変動が与えられたそれぞれの行動条件情報下における総合評価値をそれぞれ算出し、
    算出された各変動下における総合評価値を互いに比較することで、前記共通の要素の変動に対するサプライチェーンマネジメントの脆弱性を評価する請求項1または請求項2に記載のサプライチェーンマネジメント評価装置。
  4. 前記要素制御手段によって与えられる前記要素の変動は、所定の災害発生時に生じる各組織の機能低下に基づいて与えられ、該要素変動下において算出された前記総合評価値に基づいて該災害発生時における最適なサプライチェーンマネジメントを決定する請求項1に記載のサプライチェーンマネジメント評価装置。
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