JP2011080356A - トンネル用セグメント - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた構造性能を有しているとともに、トンネル施工の手間と費用を削減することを可能とした、トンネル用セグメントを提供する。
【解決手段】鋼繊維と有機繊維とを含む繊維を全体の体積に対して0.3%以上混入して得られる繊維補強コンクリートにより製造されるトンネル用セグメントであって、繊維として混入される有機繊維が、断面形状が矩形断面で、かつ、30mmよりも大きく60mmよりも小さい長さを有し、なおかつ、断面積が78×10−6mm〜0.78mmの範囲内に構成されていて、このような有機繊維を含むことで繊維の全量を金属繊維とした場合に比べて曲げじん性が向上している。
【選択図】なし

Description

本発明は、トンネルの覆工を構成するセグメントに関する。
シールドトンネル等において使用されるトンネル用セグメントは、土圧や地下水圧に耐えるとともに、推進ジャッキによるトンネル軸方向の圧力にも耐え得る強度が要求される。
従来、トンネル用セグメントは、鉄筋コンクリート製のものが多く使用されている。このようなトンネル用セグメントは、トンネルの大断面化にともない、トンネル用セグメントの強度を高めることを目的として、トンネル用セグメントの部材厚も大きくなりつつある。
ところが、トンネル用セグメントの部材厚が大きくなると、コンクリート量の増加や鉄筋量の増加により材料費が高価になること、トンネル用セグメントの輸送や組立て時の取り扱いが煩雑となること、トンネルの掘削断面積が大きくなることにより工事費が高くなること等の問題点を有していた。
そのため、従来、主筋や配力筋の低減や、トンネル用セグメントの部材厚の薄肉化等を目的として、コンクリートに繊維を混入することで、トンネル用セグメントの強度などの構造的な性能や施工時における角欠けなどに対する抵抗性を向上させて、薄肉化を図る場合がある。
例えば、特許文献1には、繊維補強高流動コンクリートで形成したトンネル用セグメントであって、長さが20〜60mm、直径が0.3〜0.9mm、アスペクト比が30〜100の断面円形の鋼短繊維が、コンクリートに対する混入率が0.4〜2.0容積%混入されたものが開示されている。
ところが、鋼短繊維を含有することによりトンネル用セグメントの強度が増加する効果を得られるものの、鉄筋と同等に鋼材を用いることでコストの低減が図られにくいという問題を有していた。
そのため、繊維の一部を鋼繊維から有機繊維に置き換えることで、材料コストを低減し、トンネル用セグメントの製造コストの削減を図る場合がある。
例えば、特許文献2には、セメント、ポゾラン質微粉末、粒径2mm以下の細骨材、減水剤、断面円形の金属繊維および有機質繊維、水を含む配合物の硬化体からなるコンクリートセグメントが開示されている。かかるコンクリートセグメントでは、金属繊維として径が0.01〜1.0mm、長さが2〜30mmの鋼繊維、有機質繊維として径0.005〜1.0mm、長さ2〜30mmのビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維、炭素繊維から選ばれる1種類以上の繊維が混入されている。
また、特許文献3には、断面円形の鋼繊維とポリプロピレン繊維とが混入されたトンネル用セグメントであって、トンネル用セグメントの単位量当たり35〜45kg/mの鋼繊維(直径0.6mm、長さ30mm)と0.4〜2.0kg/mのポリプロピレン繊維(直径48μm、長さ20mm)が混入されてなるトンネル用セグメントが開示されている。
特開2004−232258号公報 特開2001−207794号公報 特開2006−16900号公報
ところが、トンネル用セグメントの強度を増加させることを目的として、断面積が小さい円形断面の有機繊維の長さを大きくする(30mm以上にする)と、ファイバーボールが生じてしまい、コンクリートの混練時の障害となる場合がある。また、コンクリートの体積に対して繊維の混入量を増加させることもファイバーボールの発生の原因となり、コンクリートの混練時の障害となる場合があった。そのため、トンネル用セグメントの強度などの性能をさらに増加させるには、トンネル用セグメントの部材厚を大きくせざるを得ず、トンネル用セグメントの薄肉化を図るのが困難であった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、優れた構造性能と施工性を有しているとともに、トンネル施工の手間と費用を削減することを可能とした、トンネル用セグメントを提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、第1の発明のトンネル用セグメントは、繊維を全体の体積に対して0.3%以上混入して得られる繊維補強コンクリートにより製造されるトンネル用セグメントであって、前記繊維が、金属繊維と有機繊維とを含み、前記有機繊維は、断面形状が矩形形状で、かつ、30mmよりも大きく60mmよりも小さい長さを有し、なおかつ、断面積が78×10−6mm〜0.78mmであり、前記有機繊維を含むことで、前記繊維の全量を金属繊維とした場合に比べて曲げじん性が向上していることを特徴としている。
また、第2の発明のトンネル用セグメントは、繊維を全体の体積に対して0.3%以上混入して得られる繊維補強コンクリートにより製造されるトンネル用セグメントであって、前記繊維が、金属繊維と有機繊維とを1:1の割合で含み、前記有機繊維は、断面形状が矩形形状で、かつ、30mmよりも大きく60mmよりも小さい長さを有し、なおかつ、断面積が78×10−6mm〜0.78mmであることを特徴としている。
また、第3の発明のトンネル用セグメントは、繊維を全体の体積に対して0.3%以上混入して得られる繊維補強コンクリートにより製造されるトンネル用セグメントであって、前記繊維が、金属繊維と有機繊維とを含み、前記金属繊維は、断面形状が円形形状であり、前記有機繊維は、断面形状が矩形形状で、かつ、30mmよりも大きく60mmよりも小さい長さを有し、なおかつ、断面積が78×10−6mm〜0.78mmであることを特徴としている。
かかるトンネル用セグメントによれば、有機繊維の断面積が矩形形状であるため、従来の円形断面からなる有機繊維と比較して、コンクリートとの付着面積が大きくなる。そのため、従来繊維補強コンクリートと同じ体積の有機繊維を混入した場合であっても、付着応力が大きくなることで、トンネル用セグメントの曲げじん性が向上する。
故に、トンネル用セグメントの薄肉化が可能となるとともに、掘削断面積の小断面化が可能となるため、作業性および経済性の向上が可能となる。
また、前記トンネル用セグメントにおける有機繊維の長さが30mm〜60mmであるため、繊維の長さが2mm〜30mmであった従来のトンネル用セグメントよりも、定着性能が向上するため、より優れた構造性能を有したトンネル用セグメントを提供することが可能となる。
また、前記トンネル用セグメントにおける前記有機繊維の断面積が78×10−6mm〜0.78mm(断面形状を円とみなした場合の直径が0.01mm(10μm)〜1mmとなる断面寸法)であるため、従来のトンネル用セグメントと比較して、同程度の繊維の混入量により、優れた構造性能を有したトンネル用セグメントを提供することが可能となる。
本発明のトンネル用セグメントによれば、優れた構造性能を有しているとともに、トンネル施工の手間と費用を削減することが可能となる。
実施例Aの試験結果を示すグラフ図である。 比較例の試験結果を示すグラフ図である。 比較例の試験結果を示すグラフ図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
本実施形態に係るトンネル用セグメントは、全体の体積に対して0.3%以上、好ましくは0.3%〜2.0%の繊維をコンクリートに混入して得られる繊維補強コンクリートを、所定の形状に硬化させることにより製造されたものである。
本実施形態では、繊維として鋼繊維(金属繊維)と有機繊維とを1:1の割合で使用する。なお、鋼繊維と有機繊維の比率は限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
コンクリートは、セメントと、必要に応じてポゾラン質微粉末あるいは/かつ高炉スラグ微粉末などの混和材と、細骨材と、粗骨材と、減水剤などの混和剤と、水とを含んだ配合物により構成する。なお、コンクリートを構成する材料および各材料の配合等は適宜設定することが可能である。
鋼繊維には、直径が0.3mm〜0.9mmの断面円形であって、長さが30mm〜60mmのものを使用する。
なお、鋼繊維の形状寸法はこれに限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。また、本実施形態では、鋼繊維を使用するものとしたが、鋼繊維の代わりに他の公知の金属繊維を使用することも可能である。
有機繊維としては、ポリプロピレン繊維からなり、その断面形状が長方形状からなるものであって、その長さが30mm〜60mmのものを使用する。
また、有機繊維は、その断面積が78×10−6mm〜0.78mm、つまり、断面形状を円とみなした場合の直径が10μm〜1mmとなる断面寸法に形成されている。
なお、本実施形態では、有機繊維としてポリプロピレン繊維を使用するものとしたが、有機繊維として使用可能な材料はこれに限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ビニロン繊維等の有機繊維が使用可能である。
また、本実施形態では、有機繊維として、断面形状が長方形のものを使用するものとしたが、有機繊維の断面形状は矩形形状であれば限定されるものではなく、例えば正方形であってもよい。
本実施形態に係るトンネル用セグメントの製造は、混練工程、打設工程および養生工程により行われる。
混練工程は、セメントと、必要に応じてポゾラン質微粉末あるいは/かつ高炉スラグ微粉末などの混和材と、細骨材と、粗骨材と、減水剤などの混和剤と水とにより生成されたコンクリートに、鋼繊維とポリプロピレン繊維を練り混ぜることにより行う。
本実施形態に係る混練工程では、コンクリートの粉体部分を練り混ぜる乾燥混練工程と、乾燥混練工程により練り混ぜられた粉体部分に液体部分を投入して練り混ぜる湿潤混練工程と、湿潤混練工程により練り混ぜられたコンクリートに繊維を投入して練り混ぜる繊維混練工程とを含んでいる。
乾燥混練工程は、コンクリートの粉体部分である、セメントとポゾラン質微粉末と細骨材とを、ドライ状態で練り混ぜる。乾燥混練工程における、各材料の練り混ぜ方法や手段は限定されるものではなく、公知の方法および手段から適宜選定して行えばよい。
湿潤混練工程は、コンクリートの粉体部分の練り混ぜが完了した後、コンクリートの液体部分である水と減水剤等を投入して練り混ぜて、コンクリートに所定の流動性を発現させる。なお、湿潤混練工程における練り混ぜ方法や手段は限定されるものではなく、公知の方法および手段から適宜選定して行えばよい。
繊維混練工程は、湿潤混練工程により、所定の流動性が得られたコンクリートに、繊維を混入してさらに練り混ぜる。なお、繊維混練工程における練り混ぜ方法や手段は限定されるものではなく、繊維の混入のタイミングも変更することは可能で、所定の性能を有するコンクリートが製造できるような公知の方法および手段から適宜選定して行えばよい。
また、繊維混練工程では、鋼繊維とポリプロピレン繊維とを1:1の割合で、繊維補強コンクリート全体(コンクリートと繊維との合計)に対する容積比で0.3%以上、好ましくは0.3%〜2.0%の範囲内となるように投入する。
打設工程は、混練工程により、練り混ぜられた繊維補強コンクリートを、所望の形状からなる型枠に流し込むことにより行う。
養生工程では、まず、繊維補強コンクリートの打設後、所定の温度環境下で18時間〜48時間、一次養生を行う。一次養生後、所定の強度が発現したら、脱型して、所定の温度環境下にて二次養生を行う。なお、二次養生は、前記の熱養生に限定されるものではなく、従来のコンクリートで行う、常温による気中養生や水中養生を採用してもよい。また、繊維補強コンクリートの養生方法は前記の方法に限定されるものではない。
本実施形態に係るトンネル用セグメントによれば、有機繊維の断面形状が長方形状に形成されているため、従来の円形断面の有機繊維と比較して、断面積を同一とした場合の表面積(周長)が大きいため、コンクリートとの付着面積が大きくなる。したがって、従来の円形断面の有機繊維を同じ体積混入して製造されたトンネル用セグメントと比較した場合、本実施形態のトンネル用セグメントの方が高い曲げじん性を示す。
また、有機繊維として長方形断面のものを使用しているため、ファイバーボールができにくい。そのため、コンクリートの混練の作業性が向上し、トンネル用セグメントの製造コストの低減化が可能となる。また、従来の繊維補強コンクリートで使用された有機繊維の長さは30mm以下であったのに対し、それよりも長い30mm〜60mmのものを使用することが可能となった。さらに、有機繊維として長さが30mm〜60mmの長いものを使用することで、有機繊維の定着長が長く、トンネル用セグメントの曲げじん性がより向上し、耐久性に優れたトンネル用セグメントを提供することが可能となる。
本実施形態に係るトンネル用セグメントは、上記の通り、従来のトンネル用セグメントと比較して、曲げじん性の向上を図ることが可能なため、トンネル用セグメントの薄肉化が可能となる。そのため、コンクリート量の低減化およびトンネル掘削量の低減化が可能となり、トンネル工事として、大幅なコスト削減を図ることが可能となる。
また、トンネル用セグメントの薄肉化により、トンネル用セグメントと取り扱いが容易となり、施工性の向上を図ることが可能である。
また、有機繊維として、比較的安価なポリプロピレン繊維を使用しているため、トンネル用セグメントの製造コストの削減を図ることが可能である。
また、本実施形態に係る繊維補強コンクリートは、繊維のうち半分をポリプロピレン繊維とすることで、鋼繊維のみを使用する場合と比較して水の混入量が少なくても流動性を確保することが可能である。さらに減水剤が混入されていることで、高流動コンクリートが構成されるため、トンネル用セグメントの製造性に優れている。
また、トンネル用セグメントを構成する繊維補強コンクリートの水分を低減させることで、火災などによる急激な温度上昇によって急激に高い水蒸気圧が発生することを防止することが可能となるため、耐火性に優れたトンネル用セグメントが構成される。
ここで、断面積を同じとした場合の、長方形断面と正方形断面と円形断面の周長の関係は、以下に示す通り、長方形断面>正方形断面>円形断面となる。
長方形の長辺をα、短辺をβ、正方形の一片をa、円の半径をrとした場合、各断面の周長は、以下のとおりとなる。
長方形の周長=2(α+β)
正方形の周長=4a
円の周長=2πr
ここで、αβ=a=πr
Figure 2011080356
Figure 2011080356
したがって、有機繊維の断面形状を長方形にすることにより、従来の円形断面と比較して、有機繊維の表面積が増加して、コンクリートとの付着面積が増加することが証明された。故に、本実施形態に係るトンネル用セグメントは、従来のトンネル用セグメントよりも優れたセグメント強度を有している。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の各実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜設計変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、本発明に係るトンネル用セグメントにおいて、鋼繊維と有機繊維とが混合されることにより、せん断耐力が確保される場合には、せん断補強筋の省略あるいは量の低減化が可能である。
また、本実施形態に係るトンネル用セグメントにおいて、繊維により主筋への力の伝達が十分に行われる場合は、配力筋の低減化あるいは省略が可能である。さらに、十分な強度が発現される場合には、主筋の低減化あるいは省略も可能である。
以下、本発明に係るトンネル用セグメントによるトンネル用セグメントのじん性の向上効果の確認のため行った実証実験結果について説明する。
本実証実験では、本発明に係るトンネル用セグメントを製造し、曲げタフネス試験を行うことで、従来の繊維補強コンクリートにより構成されたトンネル用セグメントと比較することで、その効果の確認を行った。
本実証実験では、表1に示すように、繊維の繊維補強コンクリートの全体の体積に対する混入量を、鋼繊維を0.5%とポリプロピレン2を0.5%として製造したトンネル用セグメント(実施例A)について、曲げタフネス試験を行った。
また、実施例Aの試験に伴い、比較例として、繊維の繊維補強コンクリートの全体の体積に対する混入量を、鋼繊維を1.0%(比較例1)、鋼繊維を0.5%(比較例2)、鋼繊維を0.5%とポリプロピレン1を0.5%(比較例3)、鋼繊維を0.5%とポリエチレンを0.5%(比較例4)とした5種類の繊維補強コンクリートによりそれぞれ製造されたトンネル用セグメントについて、それぞれ曲げタフネス試験を行い、比較した。
ここで、本実証実験で使用した繊維の物性は、表2に示す通りである。
Figure 2011080356
Figure 2011080356
図1に実施例Aの試験結果を示す。図面において、縦軸は荷重、横軸は鉛直変位を示している。なお、図1には、実施例Aの試験結果とともに、比較例1および比較例2の試験結果も示す。
図1に示すように、全体的に比較例1の方が比較例2よりも大きな荷重を受け持つことが可能であるため、鋼繊維の混入量を増加させることで、鉛直変位量が減少することが証明された。
また、実施例Aと比較例1を比較すると、実施例Aの方が、比較例1よりも大きな荷重を受け持つことがわかる。つまり、全体の体積に対して1%混入された繊維のうちの半分を長方形断面で長さの長いポリプロピレン繊維(ポリプロピレン2)、残りの半分を鋼繊維とした場合(実施例A)の方が、繊維の全てを鋼繊維とした場合(比較例1)よりも大きな荷重を受け持つことが可能であることが証明された。これは、付着面積が大きく、かつ、定着長が長いポリプロピレン繊維を使用することで、トンネル用セグメントのじん性が向上することによるためである。
図2に比較例1〜3の試験結果を示す。図面において、縦軸は荷重、横軸は鉛直変位を示している。
図2に示すように、全体の体積に対して0.5%の円形断面で長さの短い有機繊維(ポリプロピレン1)と0.5%の鋼繊維を混入した比較例3と、鋼繊維のみを0.5%混入した比較例2とを比較すると、両者は略同等の線形を示しており、鋼繊維のみを1.0%混入した比較例1よりも、曲げタフネス強度が低下する結果となった。
つまり、比較例3と比較例2の関係からポリプロピレン1を投入することによる効果はほとんど見られず、また、比較例3と比較例1の関係から鋼繊維の一部をポリプロピレン1に置き換えることでトンネル用セグメントの強度が低下することが実証された。
図3に比較例1,2,4の試験結果を示す。図面において、縦軸は荷重、横軸は鉛直変位を示している。
図3に示すように、全体の体積に対して0.5%の円形断面で長さの短い有機繊維(ポリエチレン)と0.5%の鋼繊維を混入した比較例4と、鋼繊維のみを1.0%混入した比較例1および鋼繊維のみを0.5%混入した比較例2とを比較すると、比較例4は、比較例1と比較例2との間に配置されている。つまり、比較例4と比較例2との関係により断面円形で短い長さのポリエチレンを混入することで多少の曲げタフネス強度の増加は見られるものの、比較例4と比較例1との関係から鋼繊維を断面円形で短い長さのポリエチレンに置き換えることでセグメントの曲げタフネス強度が低下することが実証された。
以上の結果により、有機繊維の断面形状を長方形断面にすること、および、有機繊維の長さを30mm以上に長くすることで、トンネル用セグメントのじん性を向上させることが可能となることが実証された。

Claims (3)

  1. 繊維を全体の体積に対して0.3%以上混入して得られる繊維補強コンクリートにより製造されるトンネル用セグメントであって、
    前記繊維が、金属繊維と有機繊維とを含み、
    前記有機繊維は、断面形状が矩形形状で、かつ、30mmよりも大きく60mmよりも小さい長さを有し、なおかつ、断面積が78×10−6mm〜0.78mmであり、
    前記有機繊維を含むことで、前記繊維の全量を金属繊維とした場合に比べて曲げじん性が向上していることを特徴とするトンネル用セグメント。
  2. 繊維を全体の体積に対して0.3%以上混入して得られる繊維補強コンクリートにより製造されるトンネル用セグメントであって、
    前記繊維が、金属繊維と有機繊維とを1:1の割合で含み、
    前記有機繊維は、断面形状が矩形形状で、かつ、30mmよりも大きく60mmよりも小さい長さを有し、なおかつ、断面積が78×10−6mm〜0.78mmであることを特徴とするトンネル用セグメント。
  3. 繊維を全体の体積に対して0.3%以上混入して得られる繊維補強コンクリートにより製造されるトンネル用セグメントであって、
    前記繊維が、金属繊維と有機繊維とを含み、
    前記金属繊維は、断面形状が円形形状であり、
    前記有機繊維は、断面形状が矩形形状で、かつ、30mmよりも大きく60mmよりも小さい長さを有し、なおかつ、断面積が78×10−6mm〜0.78mmであることを特徴とするトンネル用セグメント。
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