JP2011080107A - 蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金、蒸気タービンのタービンロータ、蒸気タービンの動翼、蒸気タービンの静翼、蒸気タービン用螺合部材、および蒸気タービン用配管 - Google Patents
蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金、蒸気タービンのタービンロータ、蒸気タービンの動翼、蒸気タービンの静翼、蒸気タービン用螺合部材、および蒸気タービン用配管 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金は、質量%で、C:0.01〜0.15、Cr:16〜26、Co:10〜15、Mo:2〜7、Al:0.3〜2、Ti:0.3〜3、B:0.001〜0.006、W+Mo:9〜12を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなる。
【選択図】なし
Description
Cは、強化相であるM23C6型炭化物の構成元素として有用である。また、Cは、炭化物のピーニング効果によって製造時の高温下における結晶粒の粗大化を抑制する。Cの含有率が0.01未満の場合には、炭化物の十分な析出量を確保できないことにより、結晶粒の粗大化を引き起こすことがある。一方、Cの含有率が0.15%を超えると、鍛造性が低下する。そのため、Cの含有率を0.01〜0.15%とした。
Crは、Ni基合金の耐酸化性、耐食性および機械的強度(高温強度特性、以下同じ)を高めるのに不可欠な元素である。Crの含有率が16%未満の場合には、耐酸化性が低下する。一方、Crの含有率が26%を超えると、σ相の析出が著しく促進され、衝撃値、クリープ特性、低サイクル疲労寿命などの機械的特性が悪化する。そのため、Crの含有率を16〜26%とした。
Coは、Ni基合金において、母相内に固溶して母相の機械的強度を向上させる。しかしながら、Coの含有率が15%を超えると、鍛造性が低下する。一方、Coの含有率が10%未満の場合には、機械的強度が低下する。そのため、Coの含有率を10〜15%とした。
Moは、Ni母相中に固溶して母相の機械的強度を向上させる効果を有し、また、M23C6型炭化物中に一部が置換することによって炭化物の安定性を高める。Moの含有率が7%を超えると、σ相の析出による衝撃値、クリープ特性、低サイクル疲労寿命などの機械的特性の低下が顕著になる。一方、Moの含有率が2%未満の場合には、σ相の析出は抑制されるが、上記した効果が発揮されない。そのため、Moの含有率を2〜7%とした。
Alは、Niとともにγ’相(ガンマプライム相:Ni3Al)を生成し、析出によるNi基合金の機械的強度を向上させる。Alの含有率が0.3%未満の場合には、Ni母相に完全に固溶するためγ’相の析出による効果が発揮されない。一方、Alの含有率が2%を超えると、σ相の析出が助長され、機械的特性が低下する。さらに、γ’相の固溶温度が上昇するため熱間加工性が著しく低下する。そのため、Alの含有率を0.3〜2%とした。
Tiは、Alと同様、Niとともにγ’相(ガンマプライム相:Ni3Ti)を生成し、Ni基合金の機械的強度を向上させる。Tiの含有率が0.3%未満の場合には、γ’相の析出による効果が発揮されない。一方、Tiの含有率が3%を超えると、σ相の析出が助長され、機械的特性が低下する。さらに、γ’相の固溶温度が上昇するため熱間加工性が著しく低下する。そのため、Tiの含有率を0.3〜3%とした。
Bは、粒界に偏析して機械的特性を向上させる。Bの含有率が0.001%未満の場合には、この機械的強度を向上させる効果が発揮されない。一方、Bの含有率が0.006%を超えると、粒界脆化を招き、さらに、溶接性が悪化する。そのため、Bの含有率を0.001〜0.006%とした。
Wは、Moと同様に、Ni母相中に固溶して母相の機械的強度を向上させる効果を有する。また、Wは、Moよりもσ相の析出に与える影響は小さい。W+Moの含有率が12%を超えると、σ相の析出が顕著となり、機械的特性が低下する。一方、W+Moの含有率が9%未満の場合には、機械的強度を向上させる効果が発揮されない。そのため、W+Moの含有率を9〜12%とした。
Taは、γ’相(ガンマプライム相:Ni3(Al,Ti))に固溶して機械的強度を高め、このγ’相の析出強度を安定させる。Taの含有率が0.1%未満の場合には、上記した効果において従来鋼と比べて向上がみられず、Taの含有率が0.7%を超えると、鍛造性が低下する。そのため、Taの含有率を0.1〜0.7%とした。
Nbは、Taと同様に、γ’相(ガンマプライム相:Ni3(Al,Ti))に固溶して機械的強度を高め、このγ’相の析出強度を安定させる。Nbの含有率が0.1%未満の場合には、上記した効果において従来鋼と比べて向上がみられず、Nbの含有率が0.4%を超えると、溶解や鋳造時において偏析を招く。そのため、Nbの含有率を0.1〜0.4%とした。
Si、Mn、Cu、FeおよびSは、本発明に係るNi基合金においては、不可避的不純物に分類されるものである。これらの不可避的不純物は、可能な限りその残存含有率を0%に近づけることが望ましい。また、これらの不可避的不純物のうち、少なくとも、SiおよびMnは、0.1%以下に抑制されることが好ましい。
ここでは、本発明の化学組成範囲にあるNi基合金が、優れた、高温強度特性および鍛造性を有することを説明する。表1は、高温強度特性および鍛造性の評価に用いられた試料1〜試料37の化学組成を示す。なお、試料1〜試料17は、本発明の化学組成範囲にあるNi基合金であり、試料18〜試料37は、その組成が本発明の化学組成範囲にないNi基合金であり、比較例である。また、試料18は、従来鋼であるインコネル617相当の化学組成を有する。なお、ここで使用した本発明の化学組成範囲にあるNi基合金には、不可避的不純物として、Si、Mn以外に、Fe、Cu、Sが含まれている。
Claims (11)
- 質量%で、C:0.01〜0.15、Cr:16〜26、Co:10〜15、Mo:2〜7、Al:0.3〜2、Ti:0.3〜3、B:0.001〜0.006、W+Mo:9〜12を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金。
- 質量%で、C:0.01〜0.15、Cr:16〜26、Co:10〜15、Mo:2〜7、Al:0.3〜2、Ti:0.3〜3、B:0.001〜0.006、Ta:0.1〜0.7、W+Mo:9〜12を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金。
- 質量%で、C:0.01〜0.15、Cr:16〜26、Co:10〜15、Mo:2〜7、Al:0.3〜2、Ti:0.3〜3、B:0.001〜0.006、Nb:0.1〜0.4、W+Mo:9〜12を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金。
- 質量%で、C:0.01〜0.15、Cr:16〜26、Co:10〜15、Mo:2〜7、Al:0.3〜2、Ti:0.3〜3、B:0.001〜0.006、Ta:0.1〜0.7、Nb:0.1〜0.4、W+Mo:9〜12を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金。
- 質量%で、C:0.01〜0.15、Cr:16〜26、Co:10〜15、Mo:2〜7、Al:0.3〜2、Ti:0.3〜3、B:0.001〜0.006、Ta+2Nb(TaとNbのモル比が1:2):0.1〜0.7、W+Mo:9〜12を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金。
- 前記不可避的不純物のうち、少なくとも、Siを0.1質量%以下、Mnを0.1質量%以下に抑制したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金。
- 請求項1乃至6のいずれか1項記載の蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金を用いて、少なくとも所定部位が鍛造により作製されたことを特徴とする蒸気タービンのタービンロータ。
- 請求項1乃至6のいずれか1項記載の蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金を用いて、少なくとも所定部位が鍛造により作製されたことを特徴とする蒸気タービンの動翼。
- 請求項1乃至6のいずれか1項記載の蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金を用いて、少なくとも所定部位が鍛造により作製されたことを特徴とする蒸気タービンの静翼。
- 請求項1乃至6のいずれか1項記載の蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金を用いて、少なくとも所定部位が鍛造により作製されたことを特徴とする蒸気タービン用螺合部材。
- 請求項1乃至6のいずれか1項記載の蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金を用いて、少なくとも所定部位が鍛造により作製されたことを特徴とする蒸気タービン用配管。
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