JP2011080107A - 蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金、蒸気タービンのタービンロータ、蒸気タービンの動翼、蒸気タービンの静翼、蒸気タービン用螺合部材、および蒸気タービン用配管 - Google Patents

蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金、蒸気タービンのタービンロータ、蒸気タービンの動翼、蒸気タービンの静翼、蒸気タービン用螺合部材、および蒸気タービン用配管 Download PDF

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Abstract

【課題】高温強度特性および鍛造性に優れた蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金、この蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金を用いて作製された、蒸気タービンのタービンロータ、蒸気タービンの動翼、蒸気タービンの静翼、蒸気タービン用螺合部材、および蒸気タービン用配管を提供する。
【解決手段】蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金は、質量%で、C:0.01〜0.15、Cr:16〜26、Co:10〜15、Mo:2〜7、Al:0.3〜2、Ti:0.3〜3、B:0.001〜0.006、W+Mo:9〜12を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、高温の蒸気が作動流体として流入する蒸気タービンの鍛造部品を構成する材料に係わり、特に、鍛造性および溶接性に優れた、蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金、この蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金を用いて作製された、蒸気タービンのタービンロータ、蒸気タービンの動翼、蒸気タービンの静翼、蒸気タービン用螺合部材、および蒸気タービン用配管に関する。
石炭は、世界中の広い範囲に豊富に埋蔵されており、供給の安定性の観点で優位な資源である。そのため、石炭火力発電は、原子力発電とともに、ベース電源として開発が進められている。しかしながら、石炭の単位電力あたりのCO排出量は、他の化石燃料と比較して多く、CO排出量を削減するためには、石炭火力発電システムの高効率化が必要である。
蒸気タービンの発電効率を向上させるためには、タービン蒸気温度を高温化することが最も有効である。近年の蒸気タービン火力発電プラントにおいて、その蒸気温度は600℃以上まで上昇している。さらに現在、蒸気温度が700℃以上の火力発電システムの開発が世界的に行われている。
例えば、この高温の蒸気を受ける動翼が植設されたタービンロータにおいては、タービンロータの周囲に高温の蒸気が回流して高温になるとともに、回転により高い応力が発生する。そのため、タービンロータは、高温、高応力に耐える必要があり、タービンロータを構成する材料として、特に高温度領域において優れた、強度、延性、靭性を有するものが求められている。また、高温の蒸気に曝される蒸気タービンの、動翼、静翼、ボルトなどの螺合部材および配管などにおいても、これらを構成する材料として、タービンロータと同様に、特に高温度領域において優れた、強度、延性、靭性を有するものが求められている。
蒸気温度が700℃を超える場合には、従来の鉄系の材料では高温強度が不足するため、Ni基合金の適用が必須となる(例えば、特許文献1参照。)。Ni基合金の代表例として、インコネル718合金(スペシャルメタル社製)やインコネル617合金(スペシャルメタル社製)が挙げられる。Ni基合金の強化機構は、大きく分けて析出強化型と固溶強化型に分けられる。析出強化型Ni基合金では、NiにAl、Ti、Ta、Nbを添加することによってγ’相(Ni(Al,Ti))、あるいはγ’’相(NiNb) と呼ばれる析出相を析出させることによって高温での強度を向上させている。代表的な析出強化型Ni基合金としては、上記したインコネル718合金が挙げられる。一方、固溶強化型Ni基合金では、NiにCo、Mo、W等を添加することによって、母相そのものを強化している。代表的な固溶強化型Ni基合金としては、上記したインコネル617合金が挙げられる。
特開平7−150277号公報
上記したように、700℃を超える蒸気タービンのタービンロータの材料として、Ni基合金の適用が検討されているが、さらに高温強度を向上させる余地があると考えられる。また、このNi基合金の高温強度は、Ni基合金の鍛造性などを維持しつつ、組成改良等により向上されることが求められている。
さらに蒸気タービンを構成する部材は、高温に長時間曝されるため、その部材を構成する材料においては、長時間に亘って健全性と組織安定性を維持できるものが要求される。
そこで、本発明は、高温強度特性および鍛造性に優れた蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金、この蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金を用いて作製された、蒸気タービンのタービンロータ、蒸気タービンの動翼、蒸気タービンの静翼、蒸気タービン用螺合部材、および蒸気タービン用配管を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様によれば、質量%で、C:0.01〜0.15、Cr:16〜26、Co:10〜15、Mo:2〜7、Al:0.3〜2、Ti:0.3〜3、B:0.001〜0.006、W+Mo:9〜12を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金が提供される。
また、本発明の一態様によれば、質量%で、C:0.01〜0.15、Cr:16〜26、Co:10〜15、Mo:2〜7、Al:0.3〜2、Ti:0.3〜3、B:0.001〜0.006、Ta:0.1〜0.7、W+Mo:9〜12を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金が提供される。
さらに、本発明の一態様によれば、質量%で、C:0.01〜0.15、Cr:16〜26、Co:10〜15、Mo:2〜7、Al:0.3〜2、Ti:0.3〜3、B:0.001〜0.006、Nb:0.1〜0.4、W+Mo:9〜12を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金が提供される。
また、本発明の一態様によれば、質量%で、C:0.01〜0.15、Cr:16〜26、Co:10〜15、Mo:2〜7、Al:0.3〜2、Ti:0.3〜3、B:0.001〜0.006、Ta:0.1〜0.7、Nb:0.1〜0.4、W+Mo:9〜12を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金が提供される。
また、本発明の一態様によれば、質量%で、C:0.01〜0.15、Cr:16〜26、Co:10〜15、Mo:2〜7、Al:0.3〜2、Ti:0.3〜3、B:0.001〜0.006、Ta+2Nb(TaとNbのモル比が1:2):0.1〜0.7、W+Mo:9〜12を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金が提供される。
また、本発明の一態様によれば、上記したいずれかの、蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金を用いて、少なくとも所定部位が鍛造により作製されたことを特徴とする蒸気タービンのタービンロータが提供される。
さらに、本発明の一態様によれば、上記したいずれかの、蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金を用いて、少なくとも所定部位が鍛造により作製されたことを特徴とする蒸気タービンの動翼が提供される。
また、本発明の一態様によれば、上記したいずれかの、蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金を用いて、少なくとも所定部位が鍛造により作製されたことを特徴とする蒸気タービンの静翼が提供される。
また、本発明の一態様によれば、上記したいずれかの、蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金を用いて、少なくとも所定部位が鍛造により作製されたことを特徴とする蒸気タービン用螺合部材が提供される。
また、本発明の一態様によれば、上記したいずれかの、蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金を用いて、少なくとも所定部位が鍛造により作製されたことを特徴とする蒸気タービン用配管が提供される。
本発明の蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金、この蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金を用いて作製された、蒸気タービンのタービンロータ、蒸気タービンの動翼、蒸気タービンの静翼、蒸気タービン用螺合部材、および蒸気タービン用配管によれば、従来のNi基合金よりも高温強度特性に優れ、かつ鍛造性に優れている。
過剰な合金元素の添加によって析出するσ相の様子を走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察した図である。 熱力学計算(Thermo-Calc)によって得られた、MoとWの含有量比(W/(Mo+W))と平衡σ相量の関係を示す図である。 本発明に係る試料9の組織の様子を走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察した図である。 比較例である試料18の組織の様子を走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察した図である。
以下、本発明の一実施の形態を説明する。
図1は、過剰な合金元素の添加によって析出するσ相10の様子を走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察した図である。なお、図1に示したNi基合金の組成成分は、質量%で、Cを0.1、Alを3、Tiを0.3、Crを23、Coを12、Moを10含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなるNi基合金である。
高温高圧の環境に設置される蒸気タービンの部品を構成する材料として、インコネル706やインコネル617などのNi基合金は、有用な材料である。蒸気タービン発電設備における高温化に対応するために、これらの材料の組成改良を行う際、過剰の強化元素の添加は、組織の安定性を悪化させ、有害相と呼ばれる弱化を引き起こす相の析出を助長する可能性がある。
例えば、従来のインコネル617にAl、Tiを複合添加すると、析出するγ’相量は増加し、クリープ強度は向上するが、図1に示すように、過剰な合金元素の添加によって板状あるいは針状のσ相10の析出が促進される。このσ相10は、主としてCr、Mo、Co、Niからなる硬く、脆い金属間化合物である。σ相10の析出は、衝撃値、クリープ特性、低サイクル疲労などの機械的特性の低下を招く。これは、き裂がこのような板状あるいは針状の析出物に沿って進展しやすいこと、あるいは、このような析出物が生じることによって母相に含まれる強化元素が消費されることに起因する。
ここで、図2は、熱力学計算(Thermo-Calc)によって得られた、MoとWの含有量比(W/(Mo+W))と平衡σ相量の関係を示す図である。なお、図2に示したNi基合金の組成成分は、質量%で、Crを23、Coを12.5、Alを1.6、Tiを0.3、Taを0.1、Nbを0.3、Bを0.003、Cを0.05、Mo+W(MoとWの合計)を9含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなるNi基合金である。
図2に示す平衡計算結果によれば、σ相の析出量は、MoをWに置換することによって減少し、W/(Mo+W)が0.8程度まで増加するとσ相は完全に消失する。上記したように、σ相の析出量の増加は、機械的特性の低下を招き、特にσ相の析出量が8%を超える場合にはクリープ寿命の低下が著しいことから、σ相の析出量を8%未満に抑えることが好ましい。
上記した、熱力学計算(Thermo-Calc)によって得られた、MoとWの含有量比(W/(Mo+W))と平衡σ相量の関係を考慮して、本発明に係る一実施の形態における蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金に発明に至った。
本発明に係る一実施の形態における蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金は、以下に示す組成成分範囲で構成される。なお、以下の説明において組成成分を表す%は、特に明記しない限り質量%とする。
(M1)C:0.01〜0.15%、Cr:16〜26%、Co:10〜15%、Mo:2〜7%、Al:0.3〜2%、Ti:0.3〜3%、B:0.001〜0.006%、W+Mo:9〜12%を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなるNi基合金。
(M2)C:0.01〜0.15%、Cr:16〜26%、Co:10〜15%、Mo:2〜7%、Al:0.3〜2%、Ti:0.3〜3%、B:0.001〜0.006%、Ta:0.1〜0.7%、W+Mo:9〜12%を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなるNi基合金。
(M3)C:0.01〜0.15%、Cr:16〜26%、Co:10〜15%、Mo:2〜7%、Al:0.3〜2%、Ti:0.3〜3%、B:0.001〜0.006%、Nb:0.1〜0.4%、W+Mo:9〜12%を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなるNi基合金。
(M4)C:0.01〜0.15%、Cr:16〜26%、Co:10〜15%、Mo:2〜7%、Al:0.3〜2%、Ti:0.3〜3%、B:0.001〜0.006%、Ta:0.1〜0.7%、Nb:0.1〜0.4%、W+Mo:9〜12%を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなるNi基合金。
(M5)C:0.01〜0.15%、Cr:16〜26%、Co:10〜15%、Mo:2〜7%、Al:0.3〜2%、Ti:0.3〜3%、B:0.001〜0.006%、Ta+2Nb:0.1〜0.7%、W+Mo:9〜12%を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなるNi基合金。なお、「Ta+2Nb」は、TaとNbのモル比が1:2を意味する。
ここで、上記(M1)〜(M5)のNi基合金における不可避的不純物において、その不可避的不純物のうち、少なくとも、Siが0.1%以下、Mnが0.1%以下に抑制されていることが好ましい。なお、不可避的不純物としては、上記した、SiおよびMnの他に、例えば、Cu、FeおよびSなどが挙げられる。
上記した組成成分範囲のNi基合金は、運転時の温度が680〜750℃となる蒸気タービンの鍛造部品を構成する材料として好適である。蒸気タービンの鍛造部品として、例えば、蒸気タービンのタービンロータ、蒸気タービンの動翼、蒸気タービンの静翼、蒸気タービン用螺合部材、蒸気タービン用配管などが挙げられる。
ここで、蒸気タービン用螺合部材として、例えば、タービンケーシングやタービン内部の各種構成部品を固定するボルトやナットなどを例示することができる。また、蒸気タービン用配管として、例えば、蒸気タービンプラントなどに設置され、蒸気タービンに高温高圧の蒸気を供給する配管や、蒸気タービン内部の配管などを例示することができる。蒸気タービン用配管として、具体的には、例えば、ボイラからの蒸気を高圧タービンに導く主蒸気管や、ボイラ再熱器からの蒸気を中圧タービンに導く高温再熱蒸気管などを例示することができる。さらに、蒸気タービン用配管として、蒸気タービンに導入された高温高圧の蒸気をノズルボックスに導く主蒸気導入管などを例示することができる。なお、蒸気タービン用配管は、これらに限定されるものではなく、例えば、温度が680〜750℃の蒸気が流動する配管なども含まれる。
上記した、蒸気タービンのタービンロータ、蒸気タービンの動翼、蒸気タービンの静翼、蒸気タービン用螺合部材、蒸気タービン用配管は、いずれも高温高圧の環境に設置される。
なお、上記した蒸気タービンの鍛造部品のすべての部位を上記したNi基合金で構成しても、また、特に高温となる蒸気タービンの鍛造部品の一部の部位を上記したNi基合金で構成してもよい。ここで、蒸気タービンの鍛造部品が高温となるのは、具体的には、例えば、高圧蒸気タービン部の全領域、または高圧蒸気タービン部から中圧蒸気タービン部の一部分までの領域などが挙げられる。さらに、蒸気タービンの鍛造部品が高温となるのは、上記した高温高圧の蒸気を各種蒸気タービンに導く、主蒸気管や高温再熱蒸気管などの配管部が挙げられる。なお、蒸気タービンの鍛造部品が高温となる部分は、これらに限られるものではなく、例えば、温度が680〜750℃程度となる部分であればこれに含まれる。
また、上記した組成成分範囲のNi基合金は、従来のNi基合金よりも高温強度特性に優れ、かつ鍛造性に優れている。すなわち、このNi基合金を用いて、蒸気タービンのタービンロータ、蒸気タービンの動翼、蒸気タービンの静翼、蒸気タービン用螺合部材、蒸気タービン用配管などの蒸気タービンの鍛造部品を構成することで、高温環境下においても高い信頼性を有する、蒸気タービンのタービンロータ、蒸気タービンの動翼、蒸気タービンの静翼、蒸気タービン用螺合部材、蒸気タービン用配管などの鍛造部品を作製することができる。
次に、上記した本発明に係るNi基合金における各組成成分範囲の限定理由を説明する。
(1)C(炭素)
Cは、強化相であるM23型炭化物の構成元素として有用である。また、Cは、炭化物のピーニング効果によって製造時の高温下における結晶粒の粗大化を抑制する。Cの含有率が0.01未満の場合には、炭化物の十分な析出量を確保できないことにより、結晶粒の粗大化を引き起こすことがある。一方、Cの含有率が0.15%を超えると、鍛造性が低下する。そのため、Cの含有率を0.01〜0.15%とした。
(2)Cr(クロム)
Crは、Ni基合金の耐酸化性、耐食性および機械的強度(高温強度特性、以下同じ)を高めるのに不可欠な元素である。Crの含有率が16%未満の場合には、耐酸化性が低下する。一方、Crの含有率が26%を超えると、σ相の析出が著しく促進され、衝撃値、クリープ特性、低サイクル疲労寿命などの機械的特性が悪化する。そのため、Crの含有率を16〜26%とした。
(3)Co(コバルト)
Coは、Ni基合金において、母相内に固溶して母相の機械的強度を向上させる。しかしながら、Coの含有率が15%を超えると、鍛造性が低下する。一方、Coの含有率が10%未満の場合には、機械的強度が低下する。そのため、Coの含有率を10〜15%とした。
(4)Mo(モリブデン)
Moは、Ni母相中に固溶して母相の機械的強度を向上させる効果を有し、また、M23型炭化物中に一部が置換することによって炭化物の安定性を高める。Moの含有率が7%を超えると、σ相の析出による衝撃値、クリープ特性、低サイクル疲労寿命などの機械的特性の低下が顕著になる。一方、Moの含有率が2%未満の場合には、σ相の析出は抑制されるが、上記した効果が発揮されない。そのため、Moの含有率を2〜7%とした。
(5)Al(アルミニウム)
Alは、Niとともにγ’相(ガンマプライム相:NiAl)を生成し、析出によるNi基合金の機械的強度を向上させる。Alの含有率が0.3%未満の場合には、Ni母相に完全に固溶するためγ’相の析出による効果が発揮されない。一方、Alの含有率が2%を超えると、σ相の析出が助長され、機械的特性が低下する。さらに、γ’相の固溶温度が上昇するため熱間加工性が著しく低下する。そのため、Alの含有率を0.3〜2%とした。
(6)Ti(チタン)
Tiは、Alと同様、Niとともにγ’相(ガンマプライム相:NiTi)を生成し、Ni基合金の機械的強度を向上させる。Tiの含有率が0.3%未満の場合には、γ’相の析出による効果が発揮されない。一方、Tiの含有率が3%を超えると、σ相の析出が助長され、機械的特性が低下する。さらに、γ’相の固溶温度が上昇するため熱間加工性が著しく低下する。そのため、Tiの含有率を0.3〜3%とした。
(7)B(ホウ素)
Bは、粒界に偏析して機械的特性を向上させる。Bの含有率が0.001%未満の場合には、この機械的強度を向上させる効果が発揮されない。一方、Bの含有率が0.006%を超えると、粒界脆化を招き、さらに、溶接性が悪化する。そのため、Bの含有率を0.001〜0.006%とした。
(8)W(タングステン)
Wは、Moと同様に、Ni母相中に固溶して母相の機械的強度を向上させる効果を有する。また、Wは、Moよりもσ相の析出に与える影響は小さい。W+Moの含有率が12%を超えると、σ相の析出が顕著となり、機械的特性が低下する。一方、W+Moの含有率が9%未満の場合には、機械的強度を向上させる効果が発揮されない。そのため、W+Moの含有率を9〜12%とした。
ここで、上記したMoおよびWの組成成分範囲から、MoとWの含有量比(W/(Mo+W))は、最小で2/9(約0.22)となる。これは、図2に示された平衡計算結果から、σ相の析出量を8%未満に抑えることができる範囲である。
(9)Ta(タンタル)
Taは、γ’相(ガンマプライム相:Ni(Al,Ti))に固溶して機械的強度を高め、このγ’相の析出強度を安定させる。Taの含有率が0.1%未満の場合には、上記した効果において従来鋼と比べて向上がみられず、Taの含有率が0.7%を超えると、鍛造性が低下する。そのため、Taの含有率を0.1〜0.7%とした。
(10)Nb(ニオブ)
Nbは、Taと同様に、γ’相(ガンマプライム相:Ni(Al,Ti))に固溶して機械的強度を高め、このγ’相の析出強度を安定させる。Nbの含有率が0.1%未満の場合には、上記した効果において従来鋼と比べて向上がみられず、Nbの含有率が0.4%を超えると、溶解や鋳造時において偏析を招く。そのため、Nbの含有率を0.1〜0.4%とした。
また、上記したTaとNbを、(Ta+2Nb)の含有率が0.1〜0.7%の範囲で含有することで、γ’相(ガンマプライム相:Ni(Al,Ti))の析出強度を向上させる。(Ta+2Nb)の含有率が0.1%未満の場合には、上記した効果において従来鋼と比べて向上がみられず、(Ta+2Nb)の含有率が0.7%を超えると、機械的強度は向上するが、鍛造性が低下する。なお、この場合、TaおよびNbは、それぞれ少なくとも0.1%以上含有される。
Nbの比重は、Taの約1/2(Taの比重:16.6、Nbの比重:8.57)であることからTa単独で添加する場合に比べ、TaとNbを複合添加することで固溶量を増大することができる。また、Taは、戦略物質ということもあり、材料調達が不安定であるが、Nbの埋蔵量はTaの約100倍で安定供給が可能である。Taは、Nbよりも融点が高く(Taの融点:約3000℃、Nbの融点:約2470℃)、より高温におけるγ’相が強化され、また、Nbよりも耐酸化性に優れている。
(11)Si(ケイ素)、Mn(マンガン)、Cu(銅)、Fe(鉄)およびS(硫黄)
Si、Mn、Cu、FeおよびSは、本発明に係るNi基合金においては、不可避的不純物に分類されるものである。これらの不可避的不純物は、可能な限りその残存含有率を0%に近づけることが望ましい。また、これらの不可避的不純物のうち、少なくとも、SiおよびMnは、0.1%以下に抑制されることが好ましい。
Siは、普通鋼の場合、耐食性を補うため添加される。しかしながら、Ni基合金はCr含有量が多く、十分に耐食性を確保できることから、本発明に係るNi基合金では、Siの残存含有率を0.1%以下とし、可能な限りその残存含有率を0%に近づけることが望ましい。
Mnは、普通鋼の場合、脆性に起因するS(硫黄)をMnSとして脆性を防止する。しかしながら、Ni基合金におけるSの含有量は極めて少なく、Mnを添加する必要はない。そのため、本発明に係るNi基合金では、Mnの残存含有率を0.1%以下とし、可能な限りその残存含有率を0%に近づけることが望ましい。
上記した本発明に係る蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金は、例えば、Ni基合金を構成する組成成分を真空誘導溶解(VIM)し、その溶湯を所定の型枠に注入して鋳塊を形成し、その鋳塊をソーキング処理し、圧延などによって鍛造し、溶体化処理、時効処理などを施すことで作製される。
ソーキング処理では、1000〜1250℃の温度範囲で3〜72時間維持することが好ましい。また、鍛造は、950〜1100℃の温度範囲で行われる。
溶体化処理では、1000〜1200℃の温度範囲で3〜24時間維持することが好ましい。ここで、溶体化処理温度は、γ’相析出物を均質に固溶化するために行われ、温度が1000℃を下回る温度では十分に固溶されず、1200℃を上回る温度では結晶粒の粗大化により強度が低下する。これらの熱処理は、上記した温度範囲内で段階を分けていくつかの設定条件で処理されてもよい。溶体化処理後の冷却は、水冷または強制空冷などで行われる。
また、700〜800℃の温度範囲で3〜30時間維持することにより、時効処理を行ってもよい。この時効処理を行うことによって、γ’相の早期析出を達成することが可能となる。
また、本発明に係る、鍛造部品である蒸気タービンのタービンロータは、例えば次のように作製される。
例えば、1つの方法(ダブルメルト)として、本発明に係る蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金を構成する組成成分を真空誘導溶解(VIM)し、エレクトロスラグ再溶解(ESR)し、所定の型に流し込む。続いて、ソーキング処理、鍛造処理、溶体化処理、時効処理などを施しタービンロータを作製する。
他の方法(ダブルメルト)として、本発明に係る蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金を構成する組成成分を真空誘導溶解(VIM)し、真空アーク再溶解(VAR)し、所定の型に流し込む。続いて、ソーキング処理、鍛造処理、溶体化処理、時効処理などを施しタービンロータを作製する。
さらに、他の方法(トリプルメルト)として、本発明に係る蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金を構成する組成成分を真空誘導溶解(VIM)し、エレクトロスラグ再溶解(ESR)し、真空アーク再溶解(VAR)し、所定の型に流し込む。続いて、ソーキング処理、鍛造処理、溶体化処理、時効処理などを施しタービンロータを作製する。なお、上記方法によって作製されたタービンロータは、超音波検査等が行われる。
なお、タービンロータを作製する場合においても、ソーキング処理、鍛造処理、溶体化処理、時効処理などは、前述した温度範囲および時間範囲で行われる。
上記した蒸気タービンのタービンロータの製造方法によって、タービンロータの少なくとも所定部位が製造される。所定部位として、タービンロータのうち、例えば、700℃以上の高温に曝される部位などが挙げられる。この場合、タービンロータのうち、例えば、600℃程度の温度に曝される部位は、従来の耐熱合金によって製造する。そして、上記した製造方法によって製造された本発明に係るNi基合金からなる部品と、従来の耐熱合金からなる部品とを、例えば溶接により接合してタービンロータが構成される。
なお、本発明に係るNi基合金からなる部品と、従来の耐熱合金からなる部品との接合方法は、溶接に限らず、例えばボルトおよびナットによって締結してもよい。このように、使用される温度条件に基づいて材料を選択し、タービンロータを構成する部品を分割して作製することで、小鋼塊のNi基合金においても、700℃以上の高温環境中で使用可能なタービンロータを製造することができる。なお、使用される温度条件によっては、タービンロータのすべてを上記した蒸気タービンのタービンロータの製造方法によって製造してもよい。
また、本発明に係る、鍛造部品である蒸気タービンの動翼、蒸気タービンの静翼、蒸気タービン用螺合部材は、例えば次のように作製される。
まず、本発明に係る蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金を構成する組成成分を真空誘導溶解(VIM)し、エレクトロスラグ再溶解(ESR)し、減圧雰囲気で所定の型に流し込み鋳塊を作製し、ソーキング処理を施す。そして、この鋳塊を上記鍛造部品の形状に対応する型に配置して圧延などの鍛造処理、溶体化処理、時効処理などを施すことで蒸気タービンの動翼、蒸気タービンの静翼、蒸気タービン用螺合部材が作製される。すなわち、蒸気タービンの動翼、蒸気タービンの静翼、蒸気タービン用螺合部材は、型鍛造によって作製される。
また、蒸気タービンの動翼、蒸気タービンの静翼、蒸気タービン用螺合部材は、例えば、本発明に係る蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金を構成する組成成分を真空誘導溶解(VIM)し、真空アーク再溶解(VAR)し、減圧雰囲気で所定の型に流し込み鋳塊を作製し、ソーキング処理を施し、上記した同様の鍛造処理、溶体化処理、時効処理などを施す方法で作製されてもよい。
さらに、蒸気タービンの動翼、蒸気タービンの静翼、蒸気タービン用螺合部材は、例えば、本発明に係る蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金を構成する組成成分を真空誘導溶解(VIM)し、エレクトロスラグ再溶解(ESR)し、真空アーク再溶解(VAR)し、減圧雰囲気で所定の型に流し込み鋳塊を作製し、ソーキング処理を施し、上記した同様の鍛造処理、溶体化処理、時効処理などを施す方法で作製されてもよい。
なお、蒸気タービンの動翼、蒸気タービンの静翼および蒸気タービン用螺合部材を作製する場合においても、ソーキング処理、鍛造処理、溶体化処理、時効処理などは、前述した温度範囲および時間範囲で行われる。
一方、本発明に係る、鍛造部品である蒸気タービン用配管は、例えば次のように作製される。
まず、本発明に係る蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金を構成する組成成分を電気炉溶解(EF)し、アルゴン−酸素脱炭(AOD)を行い、鋳塊を作製し、ソーキング処理を施す。この鋳塊を縦型プレスで穿孔しコップ状の素管を作製し、横型プレスでマンドレルとダイスによる加工と再加熱を繰り返し、蒸気タービン用配管の形状に成型することで蒸気タービン用配管が作製される。この加工方法は、エルハルト−プッシュベンチ製管法である。なお、溶体化処理および時効処理は、それぞれ1000〜1200℃の温度範囲で3〜24時間および700〜800℃の温度範囲で3〜30時間とすることにより、γ’相析出物の均質固溶化および早期析出を達成することが可能となる。
なお、上記した、蒸気タービンのタービンロータ、蒸気タービンの動翼、蒸気タービンの静翼、蒸気タービン用螺合部材、蒸気タービン用配管を作製する方法は、上記した方法に限定されるものではない。
以下に、本発明に係る蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金が、高温強度特性および鍛造性に優れていることを説明する。
(高温強度特性および鍛造性の評価)
ここでは、本発明の化学組成範囲にあるNi基合金が、優れた、高温強度特性および鍛造性を有することを説明する。表1は、高温強度特性および鍛造性の評価に用いられた試料1〜試料37の化学組成を示す。なお、試料1〜試料17は、本発明の化学組成範囲にあるNi基合金であり、試料18〜試料37は、その組成が本発明の化学組成範囲にないNi基合金であり、比較例である。また、試料18は、従来鋼であるインコネル617相当の化学組成を有する。なお、ここで使用した本発明の化学組成範囲にあるNi基合金には、不可避的不純物として、Si、Mn以外に、Fe、Cu、Sが含まれている。
高温強度特性をクリープ破断試験によって評価した。クリープ破断試験では、表1に示す化学組成を有する試料1〜試料37のNi基合金20kgをそれぞれ真空誘導溶解炉にて溶解し、鋳塊を作製した。
続いて、この鋳塊に対して、1050℃で5時間ソーキング処理を行った。その後、950〜1100℃(再加熱温度が1100℃)の温度範囲で500kgfハンマー鍛造機にて鍛造した。鍛造後、1180℃で4時間加熱し、その後、強制空冷により冷却して溶体化処理を施した。溶体化処理後、750℃で30時間加熱して時効処理を施し、鍛造鋼とした。そして、この鍛造鋼から所定のサイズの試験片を作製した。
そして、各試料による試験片に対して、温度が700℃、10万時間におけるクリープ破断強度を測定した。なお、クリープ破断試験は、JIS Z 2271の規格に準じて行われた。
ここで、クリープ破断試験における温度条件である700℃は、蒸気タービンの通常の運転時の温度条件およびそれに安全率を見込んだ温度を考慮して設定した。クリープ破断試験の測定結果を表2に示す。
また、各試料に対して、鍛造性の評価を行った。鍛造性の評価は、上記したソーキング処理後の試料を、500kgfハンマー鍛造機にて鍛造し、直径が63mm、長さが500〜570mmの円柱状の試験片を作製した。また、鍛造処理は、鍛造比(JIS G 0701(鋼材鍛錬作業の鍛錬成形比の表わし方)に基づく鍛造比)が3となるまで行った。なお、鍛造処理は、950〜1100℃の範囲で行い、鍛造被対象物である試験片の温度が低下したとき、すなわち鍛造被対象物が硬化してきたときには、再加熱温度1100℃まで再度加熱して鍛造処理を繰り返し行った。鍛造性の評価は、円柱状の試料を冷却後に、鍛造割れの有無を目視観察することで行った。
ここで、鍛造比とは、鍛造処理を施す前における、鍛造被対象物が伸長される方向に垂直な鍛造被対象物の断面積を、鍛造処理後における、鍛造被対象物が伸長された方向に垂直な鍛造被対象物の断面積で除したものである。
鍛造性の評価結果を表2に示す。表2に示されたリヒート回数は、鍛造処理において鍛造比を3とするまでの間に、鍛造被対象物が再加熱された回数である。ここで、表2において、鍛造割れがない場合には「無」と示し、さらに、鍛造性が優れていることを示すため、鍛造性の評価を「○」で示す。一方、鍛造割れがある場合には「有」と示し、さらに、鍛造性が劣ることを示すため、鍛造性の評価を「×」で示す。
表2に示すように、試料1〜試料17は、試料18〜試料37に比べて、高いクリープ破断強度が得られることがわかった。さらに、試料1〜試料17は、鍛造性も優れていることがわかった。試料1〜試料17において、クリープ破断強度が高い値となったのは、析出強化と固溶強化が図られたためと考えられる。
一方、比較例の試料において、例えば、試料24や試料35の従来鋼では、高いクリープ破断強度を示したが、鍛造性が劣っていることがわかった。このように、高温強度特性および鍛造性のすべてに優れた従来鋼はなかった。
ここで、図3は、本発明に係る試料9の組織の様子を走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察した図である。図4は、比較例である試料18の組織の様子を走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察した図である。
図3に示すように、本発明に係る試料9においては、σ相の析出を抑制しつつ、母相中に微細なγ’相20がほぼ均一に分散して安定的に析出していることがわかった。これによって、高いクリープ破断強度が得られたものと考えられる。
一方、図4に示すように、比較例である試料18においては、σ相の析出は抑制されているものの、γ’相がほとんど析出していないことがわかった。
以上、本発明を一実施の形態により具体的に説明したが、本発明はこれらの実施の形態にのみ限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
10…σ相、20…γ’相。

Claims (11)

  1. 質量%で、C:0.01〜0.15、Cr:16〜26、Co:10〜15、Mo:2〜7、Al:0.3〜2、Ti:0.3〜3、B:0.001〜0.006、W+Mo:9〜12を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金。
  2. 質量%で、C:0.01〜0.15、Cr:16〜26、Co:10〜15、Mo:2〜7、Al:0.3〜2、Ti:0.3〜3、B:0.001〜0.006、Ta:0.1〜0.7、W+Mo:9〜12を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金。
  3. 質量%で、C:0.01〜0.15、Cr:16〜26、Co:10〜15、Mo:2〜7、Al:0.3〜2、Ti:0.3〜3、B:0.001〜0.006、Nb:0.1〜0.4、W+Mo:9〜12を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金。
  4. 質量%で、C:0.01〜0.15、Cr:16〜26、Co:10〜15、Mo:2〜7、Al:0.3〜2、Ti:0.3〜3、B:0.001〜0.006、Ta:0.1〜0.7、Nb:0.1〜0.4、W+Mo:9〜12を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金。
  5. 質量%で、C:0.01〜0.15、Cr:16〜26、Co:10〜15、Mo:2〜7、Al:0.3〜2、Ti:0.3〜3、B:0.001〜0.006、Ta+2Nb(TaとNbのモル比が1:2):0.1〜0.7、W+Mo:9〜12を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金。
  6. 前記不可避的不純物のうち、少なくとも、Siを0.1質量%以下、Mnを0.1質量%以下に抑制したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項記載の蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金を用いて、少なくとも所定部位が鍛造により作製されたことを特徴とする蒸気タービンのタービンロータ。
  8. 請求項1乃至6のいずれか1項記載の蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金を用いて、少なくとも所定部位が鍛造により作製されたことを特徴とする蒸気タービンの動翼。
  9. 請求項1乃至6のいずれか1項記載の蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金を用いて、少なくとも所定部位が鍛造により作製されたことを特徴とする蒸気タービンの静翼。
  10. 請求項1乃至6のいずれか1項記載の蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金を用いて、少なくとも所定部位が鍛造により作製されたことを特徴とする蒸気タービン用螺合部材。
  11. 請求項1乃至6のいずれか1項記載の蒸気タービンの鍛造部品用のNi基合金を用いて、少なくとも所定部位が鍛造により作製されたことを特徴とする蒸気タービン用配管。
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