まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、図4に示す遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する透明なアクリル製のアクリル板61と、そのアクリル板61に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7における下部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、特別図柄表示器8は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。すなわち、第1特別図柄表示器8は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。尚、特別図柄表示器8は、0〜9の数字を可変表示するものに限らず、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられているとともに、該演出表示装置9の上部中央位置には、遊技の進行に応じて内部に設けられた発光ダイオード(LED)が発光することで、所定の図形を表示可能な発光表示器100が設けられている。尚、発光表示器100は、その下方部分が出表示装置9に入り込む一方、その上方部分が演出表示装置9から上方側に遊技領域7内にはみ出すように設けられており、遊技領域7を流下する遊技球が該発光表示器100にも衝突可能とされている。
演出表示装置9では、遊技領域の下方に設けられている特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動)が行われる。よって、演出表示装置9は、識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、特別図柄表示器8で特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられているとともに、該可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備える。
特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技や小当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、特別図柄表示器8での特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄ともいう)の可変表示を行う。特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、特別図柄表示器8において大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
演出表示装置9の下方に設けられた可変入賞球装置15には、前述したように第1始動入賞口13が設けられており、該第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される(図2参照)。
また、可変入賞球装置15には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
特別図柄表示器8の右近傍位置には、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、特別図柄表示器8での可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
なお、この実施例では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、可変入賞球装置15の下方に設けられている特別可変入賞球装置20は開閉板を備えており、特別図柄表示器8に特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施例では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(例えば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、この実施例では、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)においても、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
遊技領域7の中央右部周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、遊技領域7の左下部周辺には、所定の図柄に発光する装飾発光部201a,201bや、内在するLEDにより所定色に発光する発光部202や、特別可変入賞球装置20の開閉回数(ラウンド回数)が点灯されるLEDの数にて表示されるラウンド回数表示部203を有する装飾発光器200が、遊技領域7を流下する遊技球が衝突し得るように設けられている。
また、遊技領域7の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。また、遊技領域7の外周上部であって、2つのスピーカ27R,27Lの間に位置する部位には枠LED28が設けられている。枠LED28および装飾用LED25、発光表示器100並びに装飾発光器200は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
また、打球供給皿3を構成する部材に、遊技者が操作可能な操作手段としての操作部150が設けられている。操作部150には、遊技者が押圧操作することが可能とされ、内部にLED150bを内在することで点灯可能な透明樹脂部材から成る押圧操作部(図示略)が設けられている。なお、押圧操作部の下方には、押圧操作部の押圧操作を検出するための操作スイッチ150aが設けられている(図3参照)。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成されたガイドレール40(図4参照)を通って遊技領域7に入り、演出表示装置9や発光表示器100や装飾発光器200、並びに遊技領域7に立設された多数の誘導釘に衝突しながら、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入り第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aで検出されると、特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、開始条件が成立したこと)、特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に対応する。特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施例では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
尚、これら大当りの種別としては、通常遊技状態に比べて大当りが発生する確率が高い確率変動状態(以下、確変状態ともいう)に移行する確率変動大当り(確変大当り)と、確率変動状態に移行しない通常大当りがあり、これらのいずれの大当りとするかについても、ランダムR或いは乱数回路503からの個別の乱数により決定される。
このような大当り遊技状態が発生する特定の表示態様は、大当り図柄と呼ばれ、この例では予め複数種類定められている。尚、確変大当りが決定された場合の大当り図柄は、確変図柄といい、通常大当りが決定された場合の大当り図柄である通常図柄とは異なる図柄が予め割り当てられている。
このように大当り遊技状態が発生した場合には、特別可変入賞球装置20の開閉板が開成して遊技者にとって有利な第1の状態となる。この第1の状態は、所定期間(たとえば30秒間)の経過または打玉の所定個数(たとえば10個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立することにより終了し、その後、遊技者にとって不利な第2の状態となる。第1の状態となっている特別可変入賞球装置20に進入した打玉がカウントスイッチ23により検出されれば、その回の第1の状態の終了を待って再度開閉板が開成されて第1の状態となる。この第1の状態の繰返し継続制御は、本実施例では最大15回まで実行可能とされている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施例では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ30a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU91およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ90を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU91は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ82および入力ポート83を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU91は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)89に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施例では、演出制御用マイクロコンピュータ90と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP89が演出制御基板80に搭載されている。VDP89は、演出制御用マイクロコンピュータ90とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP89は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU91は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU91は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP89に出力する。VDP89は、演出制御用CPU91から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ82に入力する。入力ドライバ82は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU91は、出力ポート85を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU91は、出力ポート84を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を枠LED28や、装飾LED25や、発光表示器100内の各LED(背面LED101、文字内LED102、導光板LED103、スポットLED104)や、装飾発光器200内の各LED(中央部LED221、上部エリアLED222a、下部エリアLED222b、表示ユニット250内のレンズ付きLED素子(図示略))に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
また、演出制御用CPU91は、入出力ポート86を介して操作部150に接続されており、該入出力ポート86を介して操作部150内のLED50bを駆動する信号を出力するとともに、操作部150内の操作スイッチ150aから遊技者の押圧操作に応じて出力される操作信号が入力される。
次に、遊技機の動作について、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理に基づいて簡潔に説明する。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、メイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する。次にスタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する。
そして、RAMクリア処理を行う。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する。これらの処理によって、例えば、図示しない普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する。この実施例では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施例では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ90である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図示しないタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ30a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8および大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ90に演出制御コマンドを送出する処理を行う。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および各入賞口スイッチ30a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ30a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し、処理を終了する。
この実施例では、特別図柄表示器8に大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
特別図柄表示器8に小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。特別図柄表示器8に小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施例では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施例では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施例では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1に用いた遊技盤6について、図1及び図4に基づき説明すると、遊技盤6は、図4の正面図に示すような外観形状とされた板状の構造体であり、その前面には、ガイドレール40によって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域7が形成されている。
この遊技領域7内には、前述した発光表示器100や装飾発光器200、演出表示装置9、可変入賞球装置15、特別可変入賞球装置20、特別図柄表示器8、特別図柄保留記憶表示器18、ゲート32、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41、装飾LED25が設けられているとともに、遊技球が進入することで所定数の遊技球の払出しが実施される入賞口30、39が設けられており、これら入賞口30、39に進入した遊技球は、遊技盤6の背面側に誘導されて、各入賞口30、39に対応して設けられた入賞口スイッチ30a、39aにて検出される。
尚、遊技領域内には、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の誘導釘が設けられている。
打球供給皿(上皿)4から供給され、パチンコ遊技機1の下方に設けられた打球操作ハンドル5の操作によって揺動されるハンマー(図示略)によって、遊技領域7に向けて発射された遊技球は、ガイドレール40に沿って遊技領域7に入り、その後、遊技領域を流下していく。いずれの入賞口30、39や可変入賞球装置15、特別可変入賞球装置20等に入賞しなかった遊技球はアウト口26に流入することで、パチンコ遊技機1の背面側に誘導されてパチンコ遊技機1の下方からアウト玉として排出される。
本実施例の遊技盤6は、前述したように透明なアクリル板61により形成されており、演出表示装置9や発光表示器100、可変入賞球装置15、装飾発光器200、装飾LED25等が配置されていない、遊技球が流下可能な遊技領域7が透明とされ、遊技盤6の前方側から、遊技盤6の背面側を視認できるようになっている。
ここで、本実施例に用いた発光表示器100について、主に図5〜図11を用いて以下に説明する。
本実施例の発光表示器100は、演出表示装置9から独立した単独の表示器とされており、図5(a)に示すように、略ハート形とされた飾りケース110に囲まれ、宝石のような多面体形状に形成された透明なアクリル樹脂製の外部レンズ111から成る略ハート形の表示部100’内に、所定の図形である「A」の飾り文字が、該発光表示器100に内蔵されている前述した背面LED101、文字内LED102、導光板LED103が点灯されることで、浮かび上がるように表示される。
発光表示器100は、図6に示すように、発光表示器100の前面側から、発光表示器100の前面外周を覆う飾りケース110と、主に外周部に多面体部分が形成され、透明なアクリル樹脂製の外部レンズ111と、中心部から放射状に多面体部分が形成され、透明なアクリル樹脂製の内部レンズ112と、前記外部レンズ111と内部レンズ112とを飾りケース110との間に挟持して保持するとともに、導光板114と拡散板120とを基台ケース130との間に挟持して保持する固定ホルダ113と、飾り文字「A」の輪郭が発光部115とされた透明なアクリル樹脂製の導光板114と、該導光板114の上方端部に形成された光投入部116から導光板114内に光を入射する複数の導光板LED103が一列状に配置された基板から成る導光板照光モジュール117と、白濁したアクリル板から成り、入射する光を拡散する拡散板120と、飾り文字「A」の外形形状を有した、前方側に開口する有底箱状の文字箱体124を有し、その底部所定位置に該飾り文字「A」の内部を照光する文字内LED102が配置されている飾り文字ユニット121と、多数の背面LED101が点在して配置された略ハート状の基板から成り、飾り文字「A」の外部の領域を照光する背面基板125と、最も背面側に設けられ、背面基板125や飾り文字ユニット121の収納、並びに固定ホルダ113との間に導光板114や拡散板120を挟持して保持するとともに、発光表示器100を遊技盤6に固定するための基台ケース130とから構成されている。
導光板照光モジュール117において、導光板LED103が実装されている実装面と反対面の中央部位置には、図6に示すように、スポットLED104が前面に設けられた箱状のケーブル導出部119が設けられており、スポットLED104が発光することで、外部レンズ111に設けられているスポット発光部111’が発光するようになっている。
また、基台ケース130の上部中央位置には、箱状のケーブル導出部119が嵌着可能な嵌着部137が設けられており、該嵌着部137にケーブル導出部119を嵌着することで、導光板照光モジュール117を基台ケース130に固定できるようになっている。
基台ケース130は、図6に示すように、略ハート形をした有底箱状の樹脂製ケースとされており、その上方と下方の両端部位置に、該基台ケース130を遊技盤6にネジ固定するためのネジ固定部136が設けられている。
また、底面には、背面基板125を装着固定するためのネジ穴が形成された、上下2つの柱状突起132が形成されており、背面基板125に形成されたネジ孔128からネジを挿入して固定することで、背面基板125が基台ケース130に、底面との間に所定の間隙を有して固定される(図5(b)参照)。
また、基台ケース130の左右の側壁には、背面基板125の外周に設けられた切欠部と係合することで、該背面基板125を柱状突起132にガイドしつつ、該背面基板125の移動を規制するための円筒部131が設けられている。
尚、底面に設けられた134は、導光板照光モジュール117から導出された接続ケーブル118が挿通される挿通口であり、135は、背面基板125から導出された接続ケーブル127が挿通される挿通口であり、133は、飾りケース110の前方側から挿入される固定ネジ109のネジ受け部である。
背面基板125には、図6、図7に示すように、その前面側に、チップ型のLED素子からなる複数の背面LED101が、点在するように実装されており、該背面LED101により、飾り文字ユニット121の遮光性を有する文字箱体124により仕切られた文字内部以外の領域が、照光される。
また、図7に示すように、飾り文字ユニット121も、文字箱体124の底面所定位置に、チップ型のLED素子からなる複数の文字内LED102が、点在するように実装されていて、文字箱体124により仕切られた文字内部が文字内LED102によって照光される。尚、これら文字内LED102の配置位置や個数は、文字全体が文字内LED102によってほぼ均一に照光されるように、飾り文字の形状等に応じて適宜に決定すれば良い。
また、背面基板125には、飾り文字ユニット121の背面に形成されている接続端子122が挿通される装着穴126が設けられており、該装着穴126に接続端子122を挿通してハンダ付けすることで、飾り文字ユニット121が背面基板125に実装されて固定されるとともに、該接続端子122を介して電気的に接続されることで、背面基板125から供給される電力により、飾り文字ユニット121内に設けられた文字内LED102が点灯される。
このように、有底箱状の飾り文字ユニット121が、背面LED101が実装された背面基板125上に配置され、該飾り文字ユニット121の文字箱体124底部に文字内LED102を設けることで、背面LED101の発光色の光が飾り文字ユニット121内部に入射して、文字内LED102の発光色の光と混成することが防止され、飾り文字の内部は文字内LED102によってのみ照光されことで、飾り文字ユニット121による飾り文字「A」は、文字内LED102の発光色のみにより表示される。
尚、本実施例では、第1領域となる文字箱体124の内部である飾り文字内部を照光する第1発光体や、第2領域となる飾り文字外部を照光する第2発光体として、チップ型のLED素子である文字内LED102や背面LED101を用いており、このようにすることは、LED素子を用いることで、発光による発熱を抑えることや、少ない面積に多くのLED素子を実装でき、LED素子の配置の自由度を向上できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら文字内LED102や背面LED101を、スルホール端子を有するチップ型以外のLED素子を用いたり、或いは、発光ダイオード以外の発光素子、例えば、面状に発光するエレクトロルミネッセンス(EL)素子や、小型の電球等を用いるようにしても良い。
また、本実施例では、文字内LED102や背面LED101のチップ型のLED素子として、R(赤)、G(緑)、B(青)に発光が可能であって、これらR(赤)、G(緑)、B(青)を同時に発光することで白色光を発光可能であるとともに、発光する色を組み合わせることで、7色の発光が可能なLED素子を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらLED素子として、所定の色のみに発光可能な単色LED素子を用いるようにしても良い。
また、本実施例では、有底箱状の飾り文字ユニット121を用いており、このようにすることは、背面LED101の光が、間隙等から飾り文字の内部に入射してしまうことを良好に防ぐことができることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図12に示すように、飾り文字ユニット121を底面のない側壁のみの飾り文字ユニット121’とし、背面基板125上の該飾り文字ユニット121’の内部に位置する領域(第1領域)に、文字内LED102を実装し、該飾り文字ユニット121’の外部に位置する領域(第2領域)に背面LED101を設けるようにしても良い。但し、この場合には、飾り文字ユニット121’と背面基板125との接合部から、背面LED101の光が飾り文字内部に入射しないようにすることが好ましい。
拡散板120と導光板114は、図5(b)並びに図6に示すように、第1領域を成す飾り文字ユニット121と、第2領域を成す飾り文字ユニット121の外部領域を成す背面基板125を覆うように、飾り文字ユニット121の直上位置に設けられており、飾り文字ユニット121の光や、背面LED101の光が、拡散板120により適宜に拡散された後、導光板114並びに、導光板114の前方に配置される内部レンズ112、外部レンズ111を透過することで、これら透過光を表示部100’において視認することができる。
ここで、本実施例の導光板114並びに導光板照光モジュール117について、図8を用いて詳述すると、導光板照光モジュール117には、図8に示すように、所定数のチップ型の導光板LED103が、一列状に並んで実装されている。そして、導光板114の上方端部は、各導光板LED103を収容可能な半円形の切欠部が所定間隔に形成された光投入部116とされており、各導光板LED103から放射された光を導光板114内に効率良く入射させることができるようになっている。
また、導光板114には、図8(b)に示すように、飾り文字ユニット121の前方端面123の直上に位置する部位に、導光板114を成すアクリル部材と屈折率が異なる樹脂による発光部115が飾り文字「A」の輪郭を成すように形成されており、導光板LED103が発光することによって導光板114内に入射した光が、導光板114内を伝播して発光部115に到達すると、屈折率の違いによって全反射されずに発光部115内に入射することで、該発光部115から導光板114の表面側に放射されることで、飾り文字「A」の輪郭となる発光部115が発光するようになっている。
これら発光部115を形成する方法としては、例えば、導光板114を成すアクリル部材と屈折率が異なる樹脂で、比較的透明性を有する樹脂、例えば、ポリエステル系樹脂を母材とするスクリーンインクを用いて、スクリーン印刷により形成すれば良い。尚、これらスクリーンインクに、光拡散材を分散させたものを使用しても良い。
このようにスクリーンインク等による印刷により、導光板114の表面に凸状となる発光部115を形成することは、容易にかつ高い寸法精度にて飾り文字「A」の輪郭を成す発光部115を形成できるばかりか、図8(b)に示すように、発光部115が導光板114の表面上に形成されるので、図8(c)の導光板114’に示すように、導光板114’の表面に凹部を形成して発光部115’とした場合に比較して、これら凹部によって導光板114’内を進行する光が減衰されてしまうことが少なく、導光板照光モジュール117から遠方となる発光部115’または発光部115’に囲まれた内部の発光部115’の発光強度が、著しく低くなってしまうことを防止できるとともに、発光部115が凸状とされていることで、該発光部115の下方から入射してくる文字内LED102の光等が、該凸状の発光部115により前方方向以外の方向に屈折されるので、該発光部115の発光色に、文字内LED102の発光色や背面LED101の発光色が混入していまうことを低減できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、文字等の図形の形状が囲まれた内部を有しない場合や、或いは導光板114の厚みが十分取れる場合等には、これら導光板114を、図8(c)のように、発光部115’を凹部とした導光板114’としても良いし、更には、これら以外の方法によって発光部115を形成しても良い。
尚、導光板照光モジュール117に設けられている導光板LED103やスポットLED104のチップ型のLED素子としても、文字内LED102や背面LED101と同じくR(赤)、G(緑)、B(青)に発光が可能であって、これらR(赤)、G(緑)、B(青)を同時に発光することで白色光を発光可能であるとともに、発光する色を組み合わせることで、7色の発光が可能なLED素子を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらLED素子として、所定の色のみに発光可能な単色LED素子を用いるようにしても良い。
ここで、発光表示器100の遊技盤6への配置状況について説明する。発光表示器100は、まず、基台ケース130に形成されたネジ固定部136によりアクリル板61表面にネジ固定される。
そして、このようにして配置、固定された基台ケース130に、上述したように、導光板照光モジュール117を取付けるとともに、飾り文字ユニット121が実装された背面基板125をネジ固定した後、その上部に拡散板120と導光板114を配置し、その前方側から固定ホルダ113を装着することで拡散板120と導光板114を基台ケース130に固定する。
そして、該固定ホルダ113の前方側に、内部レンズ112と外部レンズ111とを重ね合わせて配置した後、その前方側から飾りカバー110をかぶせて、該飾りカバー110の下方をネジ109にて固定する。
このようにして遊技盤6に取付けされた発光表示器100は、図9〜図11に示すように発光する。
具体的には、図9(a)のように、いずれのLEDの点灯がない状態において、導光板LED103のみを、例えば、白色に発光させた場合には、図9(b)に示すように、導光板114の発光部115のみが発光するので、表示部100’には、飾り文字「A」の輪郭のみが白色に発光表示される。
また、文字内LED102のみを、例えば、青色に発光させた場合には、図10(a)に示すように、表示部100’には、青色に発光する飾り文字「A」が表示される。
そして、文字内LED102に加えて導光板LED103を点灯した場合には、図10(b)に示すように、表示部100’には、白色に発光する輪郭を有する青色に発光する飾り文字「A」が表示される。このように、図柄の境界となる飾り文字「A」の輪郭が強調されて飾り文字「A」の明瞭性が向上するので、発光によって高い装飾効果を得ることができる。
尚、上記した例では、飾り文字「A」を青色、文字の輪郭となる発光部115を白色に発光させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2領域となる飾り文字「A」以外の領域を照光する背面LED101を発光させない場合には、発光部115を飾り文字「A」と同色の青色に発光させるようにしても良く、このようにすれば、図柄の境界となる発光部115の発光色が、同時に発光する飾り文字「A」の発光色と同一なるので、境界を明確化できる。
つまり、本発明の第3発光体となる導光板LED103の発光色を、該導光板LED103とともに発光する第1発光体となる文字内LED102の発光色と同一とするようにしても良い。
一方、背面LED101のみを、例えば、赤色に発光させた場合には、図11(a)に示すように、飾り文字「A」以外の領域が、点状に発光する表示が表示部100’に表示される。
尚、図11においては、非点灯とされた飾り文字「A」を白色にて示しているが、これは、図10において、飾り文字「A」の点灯状態を黒色にて示していることから、飾り文字「A」の非点灯状態を白色にて示したものであって、飾り文字「A」が背面LED101と同様に点灯されているものではない。
また、図示しないが、背面LED101とともに、導光板LED103を発光させる場合には、上述したように、導光板LED103を白色に発光させるのではなく、背面LED101と同じ発光色となる、赤色に発光させるようにしても良い。
つまり、本発明の第3発光体となる導光板LED103の発光色を、該導光板LED103とともに発光する第2発光体となる背面LED101の発光色と同一とするようにしても良い。
そして、背面LED101、文字内LED102、導光板LED103を全て点灯した場合には、図11(b)に示すように、表示部100’には、飾り文字「A」以外の領域が点状に発光するとともに、白色に発光する輪郭を有する青色に発光する飾り文字「A」が表示される。
このように、本発明の第3発光体となる導光板LED103の発光色を、第1発光体となる文字内LED102の発光色並びに第2発光体となる背面LED101の発光色と異なるようにしたので、境界となる飾り文字「A」の輪郭を明確化できる。
尚、本実施例では、導光板LED103の発光色を、第1発光体となる文字内LED102の発光色並びに第2発光体となる背面LED101の発光色とも異なる白色としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、このように、文字内LED102の発光色と背面LED101の発光色とが異なる場合であれば、導光板LED103の発光色を、文字内LED102の発光色または背面LED101の発光色のいずれか一方と同じとするようにしても良い。
つまり、本発明の第3発光体となる導光板LED103の発光色を、第1発光体となる文字内LED102の発光色または第2発光体となる背面LED101の発光色の少なくとも一方と異なるようにすれば良い。
次に、本実施例に用いた装飾発光器200について、主に図12〜図15を用いて以下に説明する。
本実施例の装飾発光器200は、図4並びに図12(a)に示すように、ガイドレール40の内周に沿って設けられ、略扇形の外形を有している。
装飾発光器200には、上端部、中央部、下端部にそれぞれ、円筒の装飾体238が設けられているとともに、上端部の装飾体238と中央部の装飾体238との間に、前述したラウンド回数表示部203を有している。
中央部の装飾体238と下端部の装飾体238との間には、所定色に発光する発光部202を有するとともに、各装飾体238の下方位置には、該装飾体238の下方を囲むように、装飾発光部201a,201bを有するとともに、該装飾発光部201a,201bとガイドレール40との間には、装飾発光部201a,201bと共に同時に発光する連動発光部204を有しており、装飾発光部201a,201bにおいて、所定の図柄である幾何学模様が表示される。
装飾発光器200は、図13に示すように、主に、装飾発光器200の前面を成し、装飾発光部201a,201bに対応する各光学部品(拡散板、図柄導光板、透明カバー)を保持するカバーホルダ235と、該カバーホルダ235に装着される前述した装飾体238等の各種の装着物と、装飾発光器200の基体となる基台ケース210と、これら基台ケース210内に収納される各種のLEDが実装されたLED基板220や上述した各光学部品とから構成されている。
基台ケース210は、図13に示すように、略扇形とされた外周に前方に向けて立設するように形成された側壁を有する有底の箱状体であり、その上端部、中央部、下端部には、該基台ケース210を、遊技盤6を成すアクリル板61の表面に固定するために、アクリル板61の背面から挿通される固定ネジ215のネジ受部212が設けられている。
これらアクリル板61の表面と当接する基台ケース210の背面外周部には、ほぼ全周に渡って図12(b)に拡大表示するように、段部217が形成されており、該段部217によって、アクリル板61(遊技盤6)の表面と基台ケース210との当接面の外周辺部に空隙64が形成されるようになっており、このようにすることで、装飾発光器200に遊技球が衝突して基台ケース210が振動することにより、基台ケース210の外周角部よってアクリル板61の表面が削られて微細な擦過粉を生じ、これら擦過粉によって装飾発光器200に覆われていない遊技領域7の透明性が低下してしまうことを防止できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら段部217を設けないようにしても良い。
また、本実施例では、間隙64を設けるのみとしているが、これらの間隙64に、液状ゴム材等の弾性部材を充填することで、例え、間隙64内部にて擦過粉が発生しても、該擦過粉が遊技領域7内に進入しないようにしても良い。
また、本実施例では、空隙64を基台ケース210に段部217を設けることで形成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら空隙64を、例えば、基台ケース210のアクリル板61との当接面の外形よりも、少し小さい外形形状を有する所定厚みのスペーサを、基台ケース210とアクリル板61との間に挟んで、空隙64を形成するようにしても良い。尚、この場合において、スペーサの材質を、適宜な弾性を有する弾性体とするようにしても良い。
基台ケース210の底面には、該基台ケース210に収納されるLED基板220を固定するための柱状突起211が、上部、下部、中央部に3つ形成されており、柱状突起211上にLED基板220が、底面との間に所定の間隙を有して固定される。
尚、図中の213は、LED基板220から導出された接続ケーブル(図示略)を挿通するための挿通口である。
LED基板220には、装飾発光部201aと装飾発光部201aに対応する連動発光部204を照光する上部エリアLED222aと、遊技領域7の中央に設置された演出表示装置9の方向に向けて斜めに2列に並んで実装され、発光部202を照光する単色発光可能な中央部LED221と、装飾発光部201bと装飾発光部201bに対応する連動発光部204を照光する下部エリアLED222bと、が実装されている。
尚、本実施例では、上部エリアLED222a、中央部LED221、下部エリアLED222bとして、チップ型のLED素子を用いており、このようにすることは、上述した発光表示器100と同じく、LED素子を用いることで発光による発熱を抑えることや、少ない面積に多くのLED素子を実装でき、LED素子の配置の自由度を向上できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら上部エリアLED222a、中央部LED221、下部エリアLED222bを、スルホール端子を有するチップ型以外のLED素子を用いたり、或いは、発光ダイオード以外の発光素子、例えば、面状に発光するエレクトロルミネッセンス(EL)素子や、小型の電球等を用いるようにしても良い。
また、本実施例では、中央部LED221のチップ型のLED素子として、単色(本実施例では赤)のLED素子を用い、上部エリアLED222aと下部エリアLED222bのLED素子として、R(赤)、G(緑)、B(青)に発光が可能であって、これらR(赤)、G(緑)、B(青)を同時に発光することで白色光を発光可能であるとともに、発光する色を組み合わせることで、7色の発光が可能なLED素子を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、中央部LED221のチップ型のLED素子として、上部エリアLED222aと下部エリアLED222bと同様の多色に発光可能なLED素子を用いたり、或いは、上部エリアLED222aと下部エリアLED222bのチップ型のLED素子として、中央部LED221と同じ単色のLED素子を用いるようにしても良い。
LED基板220の中央部には、中央部LED221の外周を発光部202の形状に囲むことで、上部エリアLED222aと下部エリアLED222bの光が発光部202のエリア内に入射することを規制するとともに、中央部LED221の光が装飾発光部201a,201bのエリア内に入射することを規制するための、遮光性を有する遮光部材230と、該遮光部材230の前方側開口を覆う拡散板231とが配置されることで、中央部LED221が発光することにより、発光部202が所定色に点灯する。
尚、遮光部材230と拡散板231とは、カバーホルダ235により、移動不能に保持される。
上部エリアLED222aと下部エリアLED222bの前方には、図13に示すように、装飾発光部201a,201bの形状と同様の外形形状を有する光学部品である拡散板232a,232b、図柄導光板233a,233b、透明カバー234a,234bが、それぞれ配置される。
拡散板232a,232bは、光透過性を有する白濁したアクリル樹脂製で、上部エリアLED222aと下部エリアLED222bから放射される光を拡散して図柄導光板233a,233bの裏面に入射させるためのものであり、このように、拡散板232a,232bを、上部エリアLED222aと下部エリアLED222bと図柄導光板233a,233bとの間に配置することで、図柄導光板233a,233bの裏面に入射する入射光の強度ムラを低減することができる。
尚、拡散板232aの下方部並びに拡散板232bの上方部には、図13に示すように、その前方端面が連動発光部204となる突起部232a’、232b’が設けられており、上部エリアLED222aと下部エリアLED222bから放射された光が、突起部232a’、232b’の前方端面に導光されて放射される。よって、これら連動発光部204は、上部エリアLED222aと下部エリアLED222bの発光により発光する装飾発光部201a,201bと連動して発光する。
拡散板232a,232bの前方には、透明なアクリル樹脂から成り、該拡散板232a,232bにより拡散された光によって幾何学模様に発光する図柄導光板233a,233bと、透明なアクリル樹脂から成り、図柄導光板233a,233bにゴミが付着すること等を防止するための透明カバー234a,234bが配置される。
そして、これら透明カバー234a,234b、図柄導光板233a,233b並びに拡散板232a,232bは、カバーホルダ235に形成された装飾発光部201a,201bに対応する各開口に臨むように、カバーホルダ235に保持、固定される。
また、カバーホルダ235は、装飾体238が装着される裏面部に、基台ケース210に形成された嵌合受部216と嵌合する嵌合凸部235’が設けられており、該嵌合凸部235’を嵌合受部216に嵌合させることで、基台ケース210の前面を覆うように、基台ケース210と一体化される。
尚、カバーホルダ235にネジ固定される236、237は、発光部202を覆う透明カバーと、装飾板であり、239は、連動発光部204を覆う透明カバーであり、240は、連動発光部204と装飾発光部201a,201bとを仕切る仕切部材である。
カバーホルダ235の上方部のラウンド回数表示部203は、図13に示すように、背面ケース251、LED素子が実装された表示基板252、表示基板252に実装されているレンズ付きLED素子に装着され、該レンズ付きLED素子から放射される光を前方に誘導する表示フレーム253、透明カバー254並びに装飾カバー255から成る個別の表示ユニット250が装着されている。
ここで、本実施例の図柄導光板233a,233bについて、図14〜図16を用いて詳述する尚、図柄導光板233aと図柄導光板233bとは、幾何学模様が異なるだけで構造は同一であるので、以下の説明においては、図柄導光板233aを例に説明をするが、図柄導光板233bについても同様である。
図14(a)は、本実施例に用いた図柄導光板233aの表面と裏面を示す図である。図柄導光板233aは、図14(a)に示すように、装飾発光部201aの形状と同様の外形を有する、透明なアクリル樹脂から成る板状体である。
図柄導光板233aの表面には、図14(c)のC−C断面に示すように、図柄導光板233aの前面260から前方に突出する凸部261が、発光する所定の図柄である幾何学模様を成すように形成されている。
尚、凸部261は、本実施例の図柄導光板233aを射出成形により成形しており、成形金型からの離型性を考慮して、その幅寸法が、前方側ほど小さくなるテーパ形状としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら凸部261を、テーパ形状を有しない形状としても良い。
また、本実施例では、凸部261の高さ寸法L2を、これら凸部261が形成されていない領域における図柄導光板233aの厚み寸法L1よりも大きくしている、すなわち、図柄導光板233aの厚み寸法L1を凸部261の高さ寸法L2より小さくしており、このようにすることは、後述するように、発光に寄与しない凸部261以外の領域における厚み寸法が薄くなるので、狭いスペースにも取付けることが可能となり、取付けの汎用性を向上できるばかりか、これら発光に寄与しない凸部261以外の領域に、導光部材であるアクリル樹脂が無駄に使用されることを回避できるので、図柄導光板233aに使用されるアクリル樹脂(導光部材)の使用量や、図柄導光板233aの製造コストを削減することができることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら図柄導光板233aの厚み寸法L1を凸部261の高さ寸法L2と同じまたは大きくするようにしても良い。
これら凸部261に対応する裏面262の対応部分、具体的には、後述するように、凸部261にて誘導される光が入射する入射領域となる、表側を上方とした場合における凸部261の直下部分が凹部263とされている。
これら凹部263の形状としては、その幅が、凸部261の最大幅となる前面260における凸部261の幅寸法よりも大きいと、凹部263から入射した全ての光が凸部261内に進入して誘導されず、一部の光が凸部261以外の前面260から放射されてしまい、前面260の一部が発光してしまう一方、前面260における凸部261の幅寸法よりも著しく小さいと、該凹部263から入射して凸部261内を誘導され、凸部261の前方端面から放射される光量が少なくなってしまうので、前面260の一部が発光してしまうことのない最大の幅寸法とすれば良く、本実施例では、前面260における凸部261の幅寸法とほぼ同一の寸法としている。
また、これら凹部263の深さ寸法については、これらの深さ寸法が大きいと、図柄導光板233aの機械的強度が低下してしまうとともに、成形時における反り等の不良が大きくなってしまう一方、深さ寸法が小さいと、後述する熱転写によって、該凹部263内にも転写箔264が転写されてしまう場合があるので、転写箔264が転写されてしまうことがなく、図柄導光板233aの機械的強度が低下してしまうことのない深さ寸法、例えば、0.1〜1.0mm程度とすれば良い。
尚、本実施では、上述したように、これら図柄導光板233aを射出成形にて成形しているので、凹部263の形状としては、前述した凸部261と同じく、金型からの離型性を考慮して、図16(a)に示すように、テーパ形状とされている。
また、これら凹部263の底部形状については、図16(a)に示すように、本実施例では平坦状としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図16(b)に示すように、中央部が裏面側に膨らんだ凸レンズ状の形状とした凹部263’することで、凹部263’から入射する光を集光して凸部261に入射させることができるようにするとともに、凹部263’の幅寸法を前面260における凸部261の幅寸法よりも大きくして、凹部263以外の前面260を発光させることなく、凸部261にて誘導される光量を増やすようにしても良い。
そして、これら凹部263以外の裏面262には全て、本発明の転写遮光層となる金属光沢を有するアルミ層を含む転写箔264が転写されており、図14(b)に示すように、該転写箔264が転写されている裏面262については、該転写箔264によって図柄導光板233a内への光の入射が阻止されて遮光される一方、該転写箔264が転写されていない凹部263からは、図柄導光板233a内へ光が入射して凸部261内を前方端面まで誘導された後、該凸部261の前方端面から放射されることで、幾何学模様に形成された凸部261の前方端面が発光するとともに、凹部263から凸部261内に入射したが入射角度が大きくて後方側に乱反射された一部の光が、転写箔264内のアルミ層により反射されて前方側に放射されることで、凸部261の周囲部分も微弱に発光する。
ここで、図柄導光板233a(図柄導光板233bも同様)の裏面262に転写箔264を形成する流れについて図15に基づいて説明すると、まず、図15(a)に示すように、凸部261が収容可能な溝部271を有する転写治具270に、凸部261並びに凹部263射出成形により形成されたアクリル樹脂成形体233a’を、凸部261が形成された面を下面として、該凸部261が溝部271に収納されて、凹部261以外の上面が平坦となるように載置する。
このように本実施例では、図柄導光板233aの透明材料として、熱可塑性のアクリル樹脂を使用しているので、転写時における加熱によってアクリル樹脂成形体233a’が変形してしまうことを防止するために転写治具270を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら転写治具270を用いることなく転写を実施しても良い。
そして、該上面に熱転写フィルムを、その転写面(後述する熱溶融接着剤が形成されている面)が上面と対向するように載置する。
これら熱転写フィルムとしては、遮光性を有するアルミ蒸着層やアルミ箔層を加熱によって被着体に転写可能な公知のものを使用でき、これら熱転写フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、離型層とアルミ箔層と熱溶融接着剤層から成る転写箔層が形成されたものが例示される。
尚、本実施例では、転写箔264であるアルミ箔が転写形成される熱転写フィルムを用いており、このようにすることは、アルミ等の金属箔は光を透過し難く、転写が良好にできるように箔の厚みを薄くしても十分な遮光性を得ることができることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらアルミ等の金属箔に代えて、遮光性の有する遮光インク層等を転写する熱転写フィルムを用いても良い。
次に、載置した熱転写フィルムの背面側(上方側)から、平坦面を有する加熱ヘッドを熱転写フィルムに押し当てた後(図5(b)、所定期間が経過した時点で加熱ヘッドによる押し当てを解除して、熱転写フィルムを冷却する。
このようにすることで熱転写フィルムが、熱溶融接着剤層と当接する凹部263以外の裏面262に、加熱により溶融した熱転写フィルムの熱溶融接着剤層により接着される。
その後、接着された熱転写フィルムを上面から剥離すると、熱溶融接着剤層により接着されていた凹部263以外の裏面262に、転写箔264が転写されて遮光される一方、凹部263には転写箔264が転写されないことにより、該凹部263から図柄導光板233a内に、拡散板232aにより拡散されて均一化された光を入射させることができるようになり、該凹部263から入射した光が、前述したように凸部261内を誘導されて幾何学模様に形成された凸部261の前方端面から放射されるので、図柄導光板233aを幾何学模様に発光させることが可能となる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、図柄導光板233a,233bを射出成形にて成形しており、このようにすることは、凹部263が形成位置を、凸部261に対応する正確な位置とすることができることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら図柄導光板233a,233bをその他の方法、例えば、L1にL2を加えた寸法厚みを有するアクリル板から、削りだしによって図柄導光板233a,233bを形成しても良いし、或いは、液状の光硬化性樹脂に光りを照射して立体物を成型する光造形によって形成するようにしても良い。
また、前記実施例では、装飾発光部201a,201bにおいて表示される図柄を幾何学模様の図柄としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの図柄は、パチンコ遊技機1を演出するのに好適な文字や図形やこれらの組み合わせであれば良い。
また、前記実施例では、拡散板232a,232b、図柄導光板233a,233b、透明カバー234a,234b等の透明材料としてアクリル樹脂を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら透明材料としては、光の減衰が少ない高い透明性を有し、機械的強度のある透明材料であれば利用することができ、例えば、ポリカードネート樹脂等を使用しても良い。
また、前記実施例では、図柄導光板233a,233bの前面260に、凸部261を有する形態を例示しており、このようにすることは、凸部261の前方端面(突起部端部)が発光する発光するようになるので、表示される図柄に立体感を持たせることができ、意匠性を向上できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら凸部261を有しないものであっても良い。
また、前記実施例では、本発明の発光体となる上部エリアLED222a、下部エリアLED222bと、図柄導光板233a,233bとの間に、光拡散部材となる拡散板232a,232bを設けており、このようにすることは、拡散板232a,232bにより拡散されて均一化された光が、拡散板232a,232bに入射するようになるので、凸部261の前方端面における発光強度のバラツキを低減できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、発光体として面状発光体である有機ELパネル等を用いる場合等においては、これら拡散板232a,232bを設けないようにしても良い。
また、前記実施例では、アクリル板61から成る遊技盤6を用いた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら遊技盤6は、従来公知の材木板を用いたものであっても、アクリル板61や材木板以外の他の材質板を用いたものであっても良い。