JP2011078175A - 車両用回転電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 回転軸の剛性を容易に確保することができる。
【解決手段】 車両用回転電機は、ケーシング14、15によって固定保持された固定子5と、固定子5の内周側に配置された回転子2とを有する。回転子2の中心には回転軸2aが相互回転不能に装着され、回転軸2aは、回転子2の両側の位置で、軸受3、4によって回転自在に支承されている。軸受3,4は回転軸2の先端側、基端側に配置され、ケーシング14,15によってそれぞれ固定保持されている。回転軸2の先端部にはプーリー1が固着され、プーリー1には、ベルトを介してエンジンの駆動力が伝達される。回転軸2aの基端部には、プーリー1に近い方から、位置検出装置、反プーリー側軸受4、スリップリング10が順次装着されている。位置検出装置がスリップリング10よりさらに回転軸基端側に設けられないので、回転軸2aの最小径はスリップリング10の内径で規定される。
【選択図】図1
【解決手段】 車両用回転電機は、ケーシング14、15によって固定保持された固定子5と、固定子5の内周側に配置された回転子2とを有する。回転子2の中心には回転軸2aが相互回転不能に装着され、回転軸2aは、回転子2の両側の位置で、軸受3、4によって回転自在に支承されている。軸受3,4は回転軸2の先端側、基端側に配置され、ケーシング14,15によってそれぞれ固定保持されている。回転軸2の先端部にはプーリー1が固着され、プーリー1には、ベルトを介してエンジンの駆動力が伝達される。回転軸2aの基端部には、プーリー1に近い方から、位置検出装置、反プーリー側軸受4、スリップリング10が順次装着されている。位置検出装置がスリップリング10よりさらに回転軸基端側に設けられないので、回転軸2aの最小径はスリップリング10の内径で規定される。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両用回転電機に関する。
車両用回転電機としては、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。特許文献1に示されるような回転電機は、回転子の回転位置を検出する位置検出装置PSを備えている。この位置検出装置は、回転軸に装着された磁気発生部と、磁気発生部からの磁束を検出する磁気センサとを備えている。磁気センサは、回転電機のケーシングなどの固定部材に取り付けられる。
特許文献1記載の回転電機では、回転子の回転軸の先端部にプーリーが設けられ、その基端部には、プーリーに近い方から、軸受、スリップリング、位置検出用磁気発生部が順次装着されている。すなわち、回転子における磁気発生部取り付け位置は、回転軸の端部、つまりスリップリングおよび軸受よりも外側である。換言すると、位置検出装置は、回転軸の基端部となる回転電機の最も外側に設置される。
特許文献1の車両用回転電機のように、回転子における磁気発生部が回転軸の端部に位置する構造の場合、回転軸における磁気発生部を取り付ける部位の外径を、スリップリング若しくは軸受を取り付ける部分の外径より小さくせざるを得ず、回転軸の剛性を低下させる要因となる。例えば、磁極鉄心の取り付け部外径が最も大きく直径約17mm、一段下がってスリップリングの圧入部が直径約7mm、さらにその先に磁気発生部を取り付ける部位の直径が約5mmとされる。
回転軸には界磁巻線や磁極鉄心等の重量物が取り付けられるが、回転子の製造時には回転軸の軸中心を支持して回転子を保持する方式が一般的である。このため、回転軸の剛性低下は、製造時の加工速度を上げられず工数増大等の要因となる可能性がある。
(1)請求項1の発明による車両用回転電機は、一対の軸受で支承され、一端側に駆動力伝達部材が装着される回転軸と、前記一対の軸受間において前記回転軸に固定され、界磁巻線を備えた回転子磁極を有する回転子と、前記回転子の外周に配置された固定子巻線を有する固定子と、前記駆動力伝達部材とは反対側に位置する前記回転軸の端部に設けられ、前記界磁巻線に給電するためのスリップリングと、前記駆動力伝達部材側の軸受を支持する第1ケーシングと、前記駆動力伝達部材と反対側の軸受(反駆動力伝達部材側軸受)を支持する第2ケーシングと、前記反駆動力伝達部材側軸受と前記回転子との間に設けられ、前記回転子の磁極位置を検出する位置検出装置とを備えることを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1記載の車両用回転電機において、前記位置検出装置は、前記回転軸に装着され、磁束を発生する磁気発生部と、前記第2ケーシングに装着され、前記磁束を検出する磁気検出器とを備えることを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項2記載の車両用回転電機において、前記第2ケーシングは、前記反駆動力伝達部材側軸受の軸受支持部と、前記支持部よりも前記駆動力伝達部材側に設けた前記磁気検出器を支持する検出器支持部とを有し、前記スリップリングの外径寸法をC、前記反駆動力伝達部材側軸受の外径寸法をB、前記磁気発生部の外径寸法をAとするとき、A>B>Cであることを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項2または3に記載の車両用回転電機において、前記第2ケーシングと前記回転子との間隙に、前記位置検出装置の封水のためのラビリンスパッキンが形成されていることを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項4記載の車両用回転電機において、前記ラビリンスパッキンは、前記回転子に設けた冷却ファンが前記反駆動力伝達部材側軸受と対向する面に設けられ環状の凹溝、および前記第2ケーシングに設けられ、前記凹溝に嵌り込む環状凸部を備えることを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1記載の車両用回転電機において、前記位置検出装置は、前記回転軸に装着され、磁束を発生する磁気発生部と、前記第2ケーシングに装着され、前記磁束を検出する磁気検出器とを備えることを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項2記載の車両用回転電機において、前記第2ケーシングは、前記反駆動力伝達部材側軸受の軸受支持部と、前記支持部よりも前記駆動力伝達部材側に設けた前記磁気検出器を支持する検出器支持部とを有し、前記スリップリングの外径寸法をC、前記反駆動力伝達部材側軸受の外径寸法をB、前記磁気発生部の外径寸法をAとするとき、A>B>Cであることを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項2または3に記載の車両用回転電機において、前記第2ケーシングと前記回転子との間隙に、前記位置検出装置の封水のためのラビリンスパッキンが形成されていることを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項4記載の車両用回転電機において、前記ラビリンスパッキンは、前記回転子に設けた冷却ファンが前記反駆動力伝達部材側軸受と対向する面に設けられ環状の凹溝、および前記第2ケーシングに設けられ、前記凹溝に嵌り込む環状凸部を備えることを特徴とする。
本発明によれば、回転軸の剛性を確保することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。以下では、本発明を内燃機関であるエンジンに電動力を与えて、それを始動または加速アシストし、車載バッテリの充電が必要な時にはエンジンの回転力を受けて発電する車両用回転電機に採用した場合を例に挙げて説明する。
車両用回転電機は車載バッテリを電源とするものであって、車載バッテリから供給された直流電力を交流電力に変換するインバータ装置から出力される三相交流電力により駆動される。車両用回転電機とインバータ装置は、交流電力の受給を行うための外部接続電線によって電気的に接続されている。
図1および図2に示すように、車両用回転電機は、フロントブラケット14およびリアブラケット15によって固定保持された固定子5と、固定子5の内周側に配置された回転子2とを有する。固定子5は、環状の固定子鉄心5aに固定子巻線5bを挿入した構成を有する。回転子2は、一対の磁極鉄心6および7の内周部に界磁巻線(図示省略)を巻回した構成を有する。すなわち、この実施の形態の回転電機はルンデル型回転電機である。
回転子2には回転軸2aが一体回転するように装着されている。回転軸2aは、回転子2の両側の位置で軸受3および4によって回転自在に支承されている。軸受3は、回転軸2aの先端側のフロントブラケット14によって保持され、軸受4は、回転軸2aの基端側のリアブラケット15によって保持されている。回転軸2aの先端側、あるいは先端部とは、回転子2から図1の左方に突出する軸部を指し、回転軸2aの基端側、あるいは基端部とは、回転子2から図1の右方に突出する軸部を指す。
なお、以下の説明では、フロントブラケット14とリアブラケット15を単にケーシング14,15と呼ぶ。
なお、以下の説明では、フロントブラケット14とリアブラケット15を単にケーシング14,15と呼ぶ。
回転電機は、回転子2と一体に回転する回転軸2aの回転位置を検出する位置検出装置PSを備えている。この位置検出装置PSは、回転軸に装着された磁気発生部12と、磁気発生部12からの磁束を検出する磁気センサ13とを備えている。磁気センサ13は、基端側軸受4を支持するケーシング15に取り付けられる。
回転軸2aの先端部には動力伝達部材であるプーリー1が固着され、プーリー1には、ベルト(図示せず)を介してエンジンの駆動力が伝達される。すなわち、回生走行時、回転子2は、エンジンからプーリー1に伝達された駆動力によって固定子5に対して回転する。また、エンジン始動時、もしくはエンジンアシスト走行時、回転電機の回転駆動力がプーリー1からエンジンに伝達される。
なお、回転軸2aの先端側を支承する軸受3をプーリー側軸受、回転軸2aの基端側を支承する軸受4を反プーリー側軸受と呼ぶ。
なお、回転軸2aの先端側を支承する軸受3をプーリー側軸受、回転軸2aの基端側を支承する軸受4を反プーリー側軸受と呼ぶ。
回転軸2aの基端部には、プーリー1に近い方から、位置検出装置PSを構成する磁気発生部12、軸受4、およびスリップリング10が順次装着されている。スリップリング10によって磁極鉄心6および7の界磁巻線に給電され、位置検出装置PSによって回転子2の磁極位置が検出される。
以下、主要部である固定子5、回転子2、位置検出装置PS、およびスリップリング10について詳細に説明する。
[固定子]
固定子5は、珪素鋼板などの薄板状磁性鉄心を複数積層して形成した円筒状積層鉄心である固定子鉄心5a、固定子鉄心5aの内周部に形成された複数のスロット(図示せず)に巻かれた固定子巻線5b、および固定子巻線5bの引出し線17および端子19を備える。固定子鉄心5aは、ケーシング14および15によって、回転軸2aの先端、基端、それぞれの方向からボルトで挟み込まれ、これによって固定子5が固定保持されている。
固定子5は、珪素鋼板などの薄板状磁性鉄心を複数積層して形成した円筒状積層鉄心である固定子鉄心5a、固定子鉄心5aの内周部に形成された複数のスロット(図示せず)に巻かれた固定子巻線5b、および固定子巻線5bの引出し線17および端子19を備える。固定子鉄心5aは、ケーシング14および15によって、回転軸2aの先端、基端、それぞれの方向からボルトで挟み込まれ、これによって固定子5が固定保持されている。
固定子巻線5bは複数の巻線導体から構成されている。複数の巻線導体のそれぞれは丸線から形成された連続導体であり、波状に成形され波状の折り返し部が固定子鉄心5aの軸方向両端から軸方向外側に突出するように、固定子鉄心5aに形成された複数のスロットに収納されている。巻線導体は三相の相巻線を形成しており、各相巻線の一端側が中性点として結線されることにより、固定子巻線5bはスター結線で構成されている。
ケーシング15には、 引出し線17および端子19が通る穴が設けられており、引出し線17および端子19は、絶縁と防水を兼ねたパッキン21を介して、穴部に挿入されている。パッキン21には端子19が通るスリットが設けられており、パッキン21のスリットを通った端子19は端子台22に挿入されている。端子台22内に挿入された端子19は、ボルトによって外部出力電線23と接続されている。
[回転子]
回転子2と一体に回転する回転軸2aは丸棒からの切削加工により製作され、磁極鉄心6および7は、回転軸2aの中央部に圧入固定されている。回転子2には、磁極鉄心6および7の背面部に冷却ファン8および9が取り付けられ、固定子巻線5bおよび界磁巻線を冷却するように構成されている。
回転子2と一体に回転する回転軸2aは丸棒からの切削加工により製作され、磁極鉄心6および7は、回転軸2aの中央部に圧入固定されている。回転子2には、磁極鉄心6および7の背面部に冷却ファン8および9が取り付けられ、固定子巻線5bおよび界磁巻線を冷却するように構成されている。
磁極鉄心6および7の径方向端部には複数の爪形磁極が形成されている。各磁極鉄心の複数の爪形磁極は周方向に等間隔に配置されている。爪形磁極は、周方向の断面(回転軸を含む面で切断した断面)が略三角形状、径方向の断面(回転軸心と直交する断面)が略台形状である。一対の磁極鉄心6および7は、一方の磁極鉄心6(または7)と爪形磁極間にもう一方の磁極鉄心7(または6)の爪形磁極が配置され、一方の磁極鉄心7(または6)の爪形磁極ともう一方の磁極鉄心7(または6)の爪形磁極が周方向に交互に配置されるように、軸方向に対向している。周方向に交互に配置された爪形磁極の内周側と対向する磁極鉄心の外周表面には、周方向に環状に複数回巻かれた界磁巻線がボビン(図示せず)を介して巻装されている。
回転軸2aの両端部にはセンタ穴2bおよび2cが形成されている。これらセンタ穴2bおよび2cは、回転軸2aの加工、磁極鉄心6および7の外径部の加工、スリップリング10の銅リング10aおよび10bの加工に使用される。回転軸2aの先端部にはネジ部2dが形成され、プーリー1は、ネジ部2dに螺合したナット1aによって固定されている。
冷却ファン8は鋼板のプレス成形品であり、冷却ファン9は鋼板のプレス成形品であるインサート金具9bを有した樹脂成形品である。冷却ファン8および9は溶接によって磁極鉄心6および7に、それぞれ固定されている。また、冷却ファン9の樹脂部内径側には、環状の凹溝部9aが形成されている。
冷却ファン9を、鋼板のプレス品をインサート成形した樹脂ファンとすることで、インサート金具9bにより磁極鉄心への溶接固定を可能とすると同時に、樹脂成形とすることにより環状の凹溝部9aの形成を容易にしている。この環状の凹溝部9aは後述するラビリンスパッキンを構成する。
[スリップリング]
スリップリング10は、固定用樹脂部10cと、給電のためのブラシ11に接触する銅リング10aおよび10bとを有する。回転軸2aのスリップリング装着位置には段差部2fが形成され、ここに樹脂部10cが圧入され、この樹脂部10cに銅リング10aおよび10bが装着されている。
スリップリング10は、固定用樹脂部10cと、給電のためのブラシ11に接触する銅リング10aおよび10bとを有する。回転軸2aのスリップリング装着位置には段差部2fが形成され、ここに樹脂部10cが圧入され、この樹脂部10cに銅リング10aおよび10bが装着されている。
銅リング10aおよび10bと樹脂部10cとの間には、それぞれリード線が組み込まれており、接続端子18aを用いて、リード線と磁極鉄心に巻かれた界磁巻線とを溶接接続することによりリード線と界磁巻線が電気的にも接続されている。接続端子18aは回転子2の回転軸2aに樹脂部18bを介して挿入されている。
スリップリング10の銅リング10aおよび10bにブラシ11が摺動接触することにより、界磁巻線に電流を供給して励磁することができ、磁極鉄心6および7をそれぞれNおよびS極に磁化することができる。上述したように、磁極鉄心6の爪部と磁極鉄心7の爪部は、周方向に交互に配置されているので、周方向に交互に配設された磁極鉄心6および7の極性がN極とS極に交互に配置される構造となっている。
ブラシ11は、ブラシホルダ16によって保持され、スリップリング10の銅リング10aおよび10bの外周表面上にバネ等の弾性力によって押し付けられている。ブラシホルダ16は、界磁電流制御回路(図示せず)とブラシ11を接続するためのインサート端子16a、コネクタ部16bおよびスリップリング10を保護する筒部16cを有している。筒部16cはケーシング15側のみ開口しており、開口部はパッキン27を挟んでケーシング15と接している。
ブラシホルダ16の外側には、ブラシホルダ16を保護するためのリアカバー24が取り付けられている。リアカバー24はアルミダイカストによって成形されており、同じくアルミダイカストによって成形されるケーシング15にボルトによって固定されている。
[位置検出装置]
上述したように、位置検出装置PSは、回転軸2aに装着されて回転軸2aとともに回転する磁気発生部12と、磁気発生部12の周囲に固定配置された磁気センサ13とを有する。磁気発生部12は、磁極位置を検出する磁束を出力する永久磁石(不図示)と、永久磁石を保持する永久磁石ホルダ(不図示)とを備えて構成されている。永久磁石ホルダは環状円板体であり、回転軸2aの外周面に装着される。永久磁石は回転子の磁極に対応するように、かつ、N極とS極とが周方向に交互になるように、軸方向に着磁された複数の単位磁石を周方向に配置して構成したリング状の構造体である。
なお、磁気発生部12は、薄板の磁性材料を打ち抜き成形した後、所定枚数積層して構成されている。
上述したように、位置検出装置PSは、回転軸2aに装着されて回転軸2aとともに回転する磁気発生部12と、磁気発生部12の周囲に固定配置された磁気センサ13とを有する。磁気発生部12は、磁極位置を検出する磁束を出力する永久磁石(不図示)と、永久磁石を保持する永久磁石ホルダ(不図示)とを備えて構成されている。永久磁石ホルダは環状円板体であり、回転軸2aの外周面に装着される。永久磁石は回転子の磁極に対応するように、かつ、N極とS極とが周方向に交互になるように、軸方向に着磁された複数の単位磁石を周方向に配置して構成したリング状の構造体である。
なお、磁気発生部12は、薄板の磁性材料を打ち抜き成形した後、所定枚数積層して構成されている。
磁気発生部12は、回転軸2aに挿入された樹脂部18bに突き当てて取り付けられており、回転軸2aに圧入固定されたストッパ26によって固定されている。反プーリー側軸受4は、ストッパ26よりも基端側、すなわちスリップリング10側に配置され、樹脂部10cが圧入された段差部2fは、反プーリー側軸受4よりも基端側に設けられている。
位置検出装置PSの磁気センサ13は、ケーシング15の先端側内周面に固定用リテーナ25を介してボルトで固定されている。固定用リテーナ25は鋼板のプレス成形品であり、固定用リテーナ25は磁気センサ13の先端側を覆う。固定用リテーナ25は、リテーナ25をケーシング内周面に当接して取付ける環状平板と、この環状平板の内周側から回転子2に向かって軸方向に突出する環状の円筒凸部25aとを備えて構成されている。
回転電機の組立ての際、位置検出装置PSの磁気センサ13を予め固定用リテーナ25およびボルトによってケーシング15に固定しておく。また、回転軸2aの基端側には、図2に詳細が示されているように、樹脂部18bと、磁気発生部12と、ストッパ26と、反プーリー側軸受4と、樹脂部10cの外周面に装着されている銅リング10aおよび10bを有するスリップリング10とが、回転軸先端側から基端側に向かう順番に予め装着されている。
そして、回転軸2aの基端側からケーシング15を、磁気発生部12、軸受4およびスリップリング10の周囲に被せる。そのため、磁気発生部12の外径寸法をA、軸受4の外径寸法をB、銅リング10aおよび10bの外径寸法をCとするとき、これら寸法は、A>B>Cとなるように設定されている。
上述したように、回転子2には冷却ファン9の内径部に環状の凹溝部9aが設けられ、上述したようにケーシング15を回転軸基端側から被せるとき、固定用リテーナ25の環状の凸部25aが空隙を持って凹溝部9a内に挿入され、嵌合する。凸部25aと溝部9aは、それらの嵌合構造によってラビリンスパッキンを構成し、ケーシング15と回転子2の間隙に、位置検出装置PSのための封水構造が得られる。
冷却ファン9は遠心ファンであり、ラビリンスパッキン周囲に負圧を発生させる。これによって、ラビリンスパッキンの封水性能は一層高められる。
冷却ファン9は遠心ファンであり、ラビリンスパッキン周囲に負圧を発生させる。これによって、ラビリンスパッキンの封水性能は一層高められる。
リアブラケットであるケーシング15は、その外周面に周方向に所定間隔で設けたボルト孔を有し、そのボルト孔にボルトを挿通してフロントブラケットであるケーシング14に螺着される。これにより、左右一対のケーシング14および15により回転子2および固定子5が固定設置される。
このように構成された車両用回転電機の作用効果を説明すると以下のとおりである。
(1)位置検出装置PSを反プーリー側軸受4と回転子2の間に設けたので、従来例のように、回転軸2aの反プーリー側軸受4から突出する回転軸2aの端部に位置検出装置PSを設ける場合に比べて、反プーリー側軸受4から突出する回転軸2aの基端側の径を大きくできる。その結果、回転軸2aの剛性を大きくすることができる。
(1)位置検出装置PSを反プーリー側軸受4と回転子2の間に設けたので、従来例のように、回転軸2aの反プーリー側軸受4から突出する回転軸2aの端部に位置検出装置PSを設ける場合に比べて、反プーリー側軸受4から突出する回転軸2aの基端側の径を大きくできる。その結果、回転軸2aの剛性を大きくすることができる。
より具体的に説明する。
回転軸2aには、界磁巻線や磁極鉄心6および7等の重量物が取り付けられるため、回転軸2aの剛性が十分でないと機械加工時の外力に耐えられず、1回当りの削り代を大きく取れず、加工速度が上げられない等の問題が生じ、加工工数が増大する。本実施の形態では、磁気発生部12を回転軸2aの基端部から中心部に移動した。そのため、回転軸2aの最も基端側にはスリップリング10が設けられ、回転軸2aの最小径はスリップリング10の内径寸法で規定される。
回転軸2aには、界磁巻線や磁極鉄心6および7等の重量物が取り付けられるため、回転軸2aの剛性が十分でないと機械加工時の外力に耐えられず、1回当りの削り代を大きく取れず、加工速度が上げられない等の問題が生じ、加工工数が増大する。本実施の形態では、磁気発生部12を回転軸2aの基端部から中心部に移動した。そのため、回転軸2aの最も基端側にはスリップリング10が設けられ、回転軸2aの最小径はスリップリング10の内径寸法で規定される。
従来の回転電機では、回転軸2aの最も基端側に磁気発生部12が設置されているため、回転軸2aの最小径は磁気発生部12の内径寸法で規定される。スリップリング10の内径寸法を例えば約7mm、磁気発生部12の内径寸法をたとえば5mmとすると、従来例の回転電機の回転軸2aの最小径は5mmとなる。これに対して、本実施の形態の回転軸2aの最小外径寸法は、スリップリング10の内径寸法の約7mmとなる。
以上から、本発明の回転電機のように、位置検出装置PSを回転軸2aの基端側から中心側に設定して、回転軸2aの最小径をスリップリング10の内径寸法で規定するようにすれば、回転軸2aの最小径を従来例よりも大きく設定することができる。また、反プーリー側軸受4から突出する基端側突出長さを従来例よりも短くすることができる。したがって、本発明による回転電機によれば、従来例に比べて回転軸2aの剛性を十分大きく設定することができる。
(2)また、位置検出装置PSは、その性質上、磁気発生部の振れや、磁気発生部と磁気センサの同心度等に対して高い取り付け精度を要求される。そのため、回転軸の剛性低下によって引き起こされる製造時の変形等を修正する作業が必要となり、工数増大の要因となる可能性がある。しかしながら、上記構成を採用した本発明によれば、位置検出装置を回転軸2aの基端側から中心側に設けるように変更したので、以上のような不具合を解消できる。
(3)位置検出装置PSを反プーリー側軸受4と回転子2との間に設け、反プーリー側軸受4を支持するケーシング15と回転子2、具体的にはケーシング15と冷却ファン9との間にラビリンスパッキンLPを設けたので、位置検出装置PSを泥水等の被水から確実に保護することができる。その結果、従来必要であった専用の泥水カバーが不要となる。
より具体的に説明する。
磁気発生部12を回転軸2aの基端部から中心部に移動し、かつ位置検出装置PSの磁気センサ13をケーシング15に取り付ける固定用リテーナ25に環状の凸部25aを設け、ケーシング15をケーシング14に一体化するとき、冷却ファン9の内径部に設けられた環状の溝部9aに環状の凸部25aを挿入してラビリンス構造を形成した。これにより、従来の車両用回転電機に対し、部品点数を減らしつつ位置検出装置PSの防水性を確保し、固定部の錆や腐食の影響を抑制することができる。
磁気発生部12を回転軸2aの基端部から中心部に移動し、かつ位置検出装置PSの磁気センサ13をケーシング15に取り付ける固定用リテーナ25に環状の凸部25aを設け、ケーシング15をケーシング14に一体化するとき、冷却ファン9の内径部に設けられた環状の溝部9aに環状の凸部25aを挿入してラビリンス構造を形成した。これにより、従来の車両用回転電機に対し、部品点数を減らしつつ位置検出装置PSの防水性を確保し、固定部の錆や腐食の影響を抑制することができる。
また、特許文献1の回転電機における保護カバーや、保護カバーの封水のためのパッキン、さらには、磁気発生部を回転軸に固定するナットを削減できる。また、保護カバーの除去により、全長が短縮される。
(4)スリップリング10の外径寸法をC、反プーリー側軸受4の外径寸法をB、磁気発生部12の外径寸法をAとするとき、A>B>Cとした。したがって、磁気発生部12、軸受4およびスリップリング10を装着した回転軸2aの基端側から、予め固定用リテーナ25を取り付けたケーシング15を被せることができ、このとき同時に、固定用リテーナ25の凸部25aが回転子2の冷却ファン9に設けた凹溝9aに挿入されてラビリンスパッキングを構成する。したがって、組立工数も増加することがない。
以上により、安価で信頼性の高い回転電機を供給することができる。
本発明は、以上説明した実施の形態の回転電機に限定されない。例えば、位置検出装置PSを、冷却ファン9の凹溝部9aと磁気センサ固定用リテーナ25に設けた凸部25aとでラビリンスパッキンを構成したが、磁気センサ13を防水する構造であれば、ラビリンスパッキンに限定されない。
エンジンとの間で駆動力を授受する駆動力伝達部材をプーリー1としたが、プーリー以外の駆動伝達部材でもよい。回転子2が一対の磁極鉄心6および7を有する形式のルンデル側発電電動装置を一例として説明したが、本発明は、ルンデル型以外の発電電動装置に限定されない。
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。すなわち、本発明は、一対の軸受で支承され、一端側にプーリーなどで構成される駆動力伝達部材が装着される回転軸と、一対の軸受間において回転軸に固定され、界磁巻線を備えた回転子磁極を有する回転子と、回転子の外周に配置された固定子巻線を有する固定子と、駆動力伝達部材とは反対側に位置する回転軸の端部に固定され、界磁巻線に給電するためのスリップリングと、駆動力伝達部材側(プーリー側)の軸受を支持する第1ケーシングと、反駆動力伝達部材側(反プーリー側)の軸受を支持する第2ケーシングと、反駆動力伝達部材側軸受と回転子との間に設けられ、回転子の磁極位置を検出する位置検出装置とを備えた回転電機であれば、その他の詳細な構成は問わない。
1:プーリー 2:回転子
2a:回転軸 3,4:軸受
5:固定子 6,7:磁極鉄心
8,9:冷却ファン 9a:環状の凹溝部
10:スリップリング 11:ブラシ
12:磁気発生部 13:磁気センサ
14:ケーシング 15:ケーシング
25:リテーナ 25a:環状の凸部
PS:位置検出装置 LP:ラビリンスパッキン
2a:回転軸 3,4:軸受
5:固定子 6,7:磁極鉄心
8,9:冷却ファン 9a:環状の凹溝部
10:スリップリング 11:ブラシ
12:磁気発生部 13:磁気センサ
14:ケーシング 15:ケーシング
25:リテーナ 25a:環状の凸部
PS:位置検出装置 LP:ラビリンスパッキン
Claims (5)
- 一対の軸受で支承され、一端側に駆動力伝達部材が装着される回転軸と、
前記一対の軸受間において前記回転軸に固定され、界磁巻線を備えた回転子磁極を有する回転子と、
前記回転子の外周に配置された固定子巻線を有する固定子と、
前記駆動力伝達部材とは反対側に位置する前記回転軸の端部に設けられ、前記界磁巻線に給電するためのスリップリングと、
前記駆動力伝達部材側の軸受を支持する第1ケーシングと、
前記駆動力伝達部材と反対側の軸受(反駆動力伝達部材側軸受)を支持する第2ケーシングと、
前記反駆動力伝達部材側軸受と前記回転子との間に設けられ、前記回転子の磁極位置を検出する位置検出装置とを備えることを特徴とする車両用回転電機。 - 請求項1記載の車両用回転電機において、
前記位置検出装置は、前記回転軸に装着され、磁束を発生する磁気発生部と、前記第2ケーシングに装着され、前記磁束を検出する磁気検出器とを備えることを特徴とする車両用回転電機。 - 請求項2記載の車両用回転電機において、
前記第2ケーシングは、前記反駆動力伝達部材側軸受の軸受支持部と、前記支持部よりも前記駆動力伝達部材側に設けた前記磁気検出器を支持する検出器支持部とを有し、
前記スリップリングの外径寸法をC、前記反駆動力伝達部材側軸受の外径寸法をB、前記磁気発生部の外径寸法をAとするとき、A>B>Cであることを特徴とする車両用回転電機。 - 請求項2または3に記載の車両用回転電機において、
前記第2ケーシングと前記回転子との間隙に、前記位置検出装置の封水のためのラビリンスパッキンが形成されていることを特徴とする車両用回転電機。 - 請求項4記載の車両用回転電機において、
前記ラビリンスパッキンは、前記回転子に設けた冷却ファンが前記反駆動力伝達部材側軸受と対向する面に設けられ環状の凹溝、および前記第2ケーシングに設けられ、前記凹溝に嵌り込む環状凸部を備えることを特徴とする車両用回転電機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009225139A JP2011078175A (ja) | 2009-09-29 | 2009-09-29 | 車両用回転電機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009225139A JP2011078175A (ja) | 2009-09-29 | 2009-09-29 | 車両用回転電機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2011078175A true JP2011078175A (ja) | 2011-04-14 |
Family
ID=44021575
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2009225139A Pending JP2011078175A (ja) | 2009-09-29 | 2009-09-29 | 車両用回転電機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2011078175A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013207985A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Denso Corp | 駆動装置 |
JP2020182266A (ja) * | 2019-04-23 | 2020-11-05 | 株式会社マキタ | 電動作業機 |
-
2009
- 2009-09-29 JP JP2009225139A patent/JP2011078175A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013207985A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Denso Corp | 駆動装置 |
JP2020182266A (ja) * | 2019-04-23 | 2020-11-05 | 株式会社マキタ | 電動作業機 |
JP7324609B2 (ja) | 2019-04-23 | 2023-08-10 | 株式会社マキタ | 電動作業機 |
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