JP2011078156A - 電線支持具 - Google Patents

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幸平 三谷
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Abstract

【課題】バインド線を使用することなく電線を支持可能な電線支持具を提供すること。
【解決手段】本発明の電線支持具は、電線の外周面における直径方向の一方側に位置する所定領域に該所定領域を直径方向内側に押圧するようにして当接する第1当接部を有する第1保持部材と、第1方向において第1保持部材と離間して配置され、電線の外周面における他の領域であって一方側と直径方向において反対側に位置する前記他の領域に該他の領域を前記直径方向内側であって第1当接部における押圧方向と向かい合う方向に押圧するようにして当接する第2当接部を有する第2保持部材と、を備え、第1保持部材と第2保持部材とは、第1方向に直交する第2方向における第1当接部と第2当接部との距離が、電線の直径よりも短くなるように配置される。
【選択図】図1

Description

本発明は、電線等を支持する電線支持具に関する。
従来より、電柱に架設される電線は、電柱に取り付けられた腕金に固定されるピン碍子を介して腕金に支持されると共に、バインド線を巻き付けることによりピン碍子に固定される。電線は、バインド線でピン碍子に固定されることにより、揺動等の動きが規制される(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−157447号公報
ところで、バインド線は高圧電流が流れる送電線等の固定にも用いられることから、一般に金属線に絶縁材料を被覆したものが使用される。しかし、バインド線は、風雨や直射日光にさらされることから、絶縁材料が摩耗や損傷を起こしやすい。特に、強風等により電線が揺動を繰り返すと、絶縁材料が電線と擦れて摩耗しやすくなる。そして、絶縁材料が摩耗すると、バインド線が巻き付けられた電線を介して、バインド線が充電されるおそれがある。
バインド線が電線等を介して充電されると、例えば、金属製の腕金に留まった鳥がバインド線に触れることにより、電線と腕金との間に地絡事故を引き起こすおそれがある。
本発明は、バインド線を使用することなく電線を支持可能な電線支持具を提供することを目的とする。
本発明は、電線の外周面における直径方向の一方側に位置する所定領域に該所定領域を前記直径方向内側に押圧するようにして当接する第1当接部を有する第1保持部材と、第1方向において前記第1保持部材と離間して配置され、前記電線の外周面における前記他の領域であって前記一方側と前記直径方向において反対側に位置する他の領域に該他の領域を前記直径方向内側であって前記第1当接部における押圧方向と向かい合う方向に押圧するようにして当接する第2当接部を有する第2保持部材と、を備え、前記第1保持部材と前記第2保持部材とは、前記第1方向に直交する第2方向における前記第1当接部と前記第2当接部との距離が、前記電線の直径よりも短くなるように配置される電線支持具に関する。
また、前記第1保持部材と前記第2保持部材とは、前記所定領域を含み前記第1方向に垂直な電線断面の中心と、前記他の領域を含み前記第1方向に垂直な電線断面の中心とが、前記第2方向において互いに離間するよう前記電線を保持することが好ましい。
また、前記第1保持部材は、略C字状に形成されると共に、端部同士が互いに離間して形成される離間部であって前記電線が挿脱可能に形成される第1離間部を有し、前記第2保持部材は、略C字状に形成されると共に、端部同士が互いに離間して形成される離間部であって前記電線が挿脱可能に形成される第2離間部を有し、前記第1離間部と前記第2離間部とは、前記第2方向において互いに反対側を向くように形成されることが好ましい。
また、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向に延びると共に、前記第1保持部材を挿脱位置と固定位置とに回転可能に軸支する第1軸部材と、前記第3方向に延びると共に、前記第2保持部材を挿脱位置と固定位置とに回転可能に軸支する第2軸部材と、を更に備え、前記第1保持部材は、略C字状に形成されると共に、端部同士が互いに離間して形成される第1離間部を有し、前記第2保持部材は、略C字状に形成されると共に、端部同士が互いに離間して形成される第2離間部を有し、前記第1保持部材及び前記第2保持部材が前記挿脱位置に配置された場合、前記第1離間部及び前記第2離間部は、前記第1方向に並んで配置されると共に、前記第2方向におけるそれぞれの離間距離が前記電線の直径よりも大きく、前記第1保持部材及び前記第2保持部材が前記固定位置に配置された場合、前記第1離間部及び前記第2離間部は、前記第2方向におけるそれぞれの離間距離が前記電線の直径よりも小さいことが好ましい。
また、前記第1離間部及び第2離間部は、前記第3方向を向くように形成されることが好ましい。
本発明によれば、バインド線を使用することなく電線を支持可能な電線支持具を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る電線支持具が電線を支持した状態を示す外観斜視図である。 図1に示す電線支持具の平面図である。 図1に示す電線支持具の左側面図である。 第1実施形態に係る電線支持具の第1保持部材に電線を挿通した状態を示す平面図である。 第1実施形態に係る電線支持具の第1保持部材に挿通した電線をS字状に弾性変形させた状態を示す平面図である。 図5に示す電線支持具の第2保持部材に電線を挿通した状態を示す平面図である。 本発明の第2実施形態に係る電線支持具を示す外観斜視図である。 図7に示す電線支持具の平面図である。 挿脱位置にある第1保持部材及び第2保持部材に電線を挿入させる状態を示す平面図である。 (A)の左側面図である。 第1保持部材及び第2保持部材を回転させて、第1保持部材及び第2保持部材を挿脱位置から固定位置に移動させた状態を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態に係る電線支持具1について、図1から図3を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る電線支持具1が電線Wを支持した状態を示す外観斜視図である。図2は、図1に示す電線支持具1の平面図である。図3は、図1に示す電線支持具1の左側面図である。
図1から図3に示すように、第1実施形態に係る電線支持具1は、略C字状に形成された第1保持部材2と、略C字状に形成された第2保持部材3と、第1保持部材2を支持する第1支持部材4と、第2保持部材3を支持する第2支持部材5と、第1支持部材4及び第2支持部材5を支持する支持ベース部材7と、支持ベース部材7を所定の腕金Uに接続する接続部6と、を備える。
電線支持具1は、第1支持部材2と第2支持部材3に電線Wを挿入して、電線Wを押圧するように第1保持部材2と第2保持部材3とを電線Wに当接させることにより電線Wを保持する。以下、電線支持具1について具体的に説明する。
第1保持部材2は、Y方向に沿って配置されており、電線Wが挿脱可能な第1離間部20と、電線Wの第1領域W1が当接する第1当接部21と、を備える。
第1離間部20は、X方向(第1方向)と直交するY方向(第2方向)の一方側であるY1側に形成されており、第1当接部21は、Y方向におけるY1側と反対側のY2側に形成されている。つまり、第1離間部20と第1当接部21とは、Y方向においてそれぞれ対向する側に形成されている。
第1離間部20は、第1保持部材2の端部同士である一端部22と他端部23とが互いに離間することにより形成される。また、一端部22と他端部23とは、一端部22と他端部23の間を電線Wが挿脱可能に離間している。
第1当接部21は、Y方向におけるY2側の第1保持部材2の内周部に形成されている。
第1当接部21は、第1離間部20を介して挿入された電線Wの第1領域W1に、第1領域W1を電線Wの直径方向における内側に押圧するようにして当接する。
第2保持部材3は、Y方向に沿って配置されており、電線Wが挿脱可能な第2離間部30と、電線Wの第2領域W2が当接する第2当接部31と、を備える。
第2離間部30は、Y方向におけるY2側に形成されており、第2当接部31は、Y方向におけるY1側に形成されている。つまり、第2離間部30と第2当接部31とは、Y方向においてそれぞれ対向する側に形成されている。
第2離間部30は、第2保持部材3の端部同士である一端部32と他端部33とが互いに離間することにより形成される。また、一端部32と他端部33とは、一端部32と他端部33の間を電線Wが挿脱可能に離間している。
第2当接部31は、Y方向におけるY1側の第2保持部材3の内周部に形成されている。
第2当接部31は、第2離間部30を介して挿入された電線Wの第2領域W2に、第2領域W2を直径方向における内側であって第1当接部21における押圧方向と向かい合う方向に押圧するようにして当接する。
第1支持部材4は棒状に形成されており、Z方向(第3方向)に延びるように配置されている。また、第1支持部材4の先端部40側には、第1離間部20がY方向におけるY1側に位置するように第1保持部材2が接続されている。
第2支持部材5は棒状に形成されており、Z方向(第3方向)に延びるように配置されている。また、第2支持部材5の先端部50側には、第2離間部30がY方向におけるY2側に位置するように第2保持部材3が接続されている。
支持ベース部材7は、X方向に長い長尺の板状に形成されている。
支持ベース部材7の第1面70には、X方向におけるX1側の端部近傍に第1支持部材4の基端部41が接続されている。一方、X方向におけるX1側と反対のX2側における端部近傍には、第2支持部材5の基端部51が接続されている。
なお、第1支持部材4と第2支持部材5とは、第1当接部21と当接する第1領域W1におけるZ方向の電線断面の中心W3と、第2当接部31と当接する第2領域W2におけるZ方向の電線断面の中心W4とが、Y方向において、互いに離間するように支持ベース部材7に連結されている。具体的には、第1支持部材4と第2支持部材5とは、第1保持部材2の第1当接部21と第2保持部材3の第2当接部31とのY方向における距離が電線Wの直径よりも短くなるように、支持ベース部材7に接続されている。
接続部6は、接続部本体60と、ナット61と、ストッパ部62とを備える。
接続部本体60は棒状に形成されている。接続部本体60の基端部は、支持ベース部材7の第2面71に連結されている。一方、接続部本体60の先端側にはネジ溝63が形成されている。接続部本体60の長さは、接続する腕金Uの厚さ方向における長さよりも長くなるように形成されている。
ナット61は、接続部本体60のネジ溝63に螺合可能に形成されている。
ストッパ部62は、つば状に形成されており、接続部本体60の基端側に取り付けられている。
次に、第1実施形態に係る電線支持具1の使用方法について、図4から図6を参照しながら説明する。
図4は、第1実施形態に係る電線支持具1の第1保持部材2に電線Wを挿通した状態を示す平面図である。図5は、第1実施形態に係る電線支持具1の第1保持部材2に挿通した電線WをS字状に弾性変形させた状態を示す平面図である。図6は、図5に示す電線Wを電線支持具1の第2保持部材3に挿通した状態を示す平面図である。
作業者は、まず、図4に示すように、第1離間部20から電線Wを挿入し、第1当接部21に電線Wを当接させる。ここで、第1離間部20は、電線Wが挿入可能に一端部22と他端部23とが互いに離間して形成されている。そのため、作業者は、第1離間部20から、電線Wを第1当接部21側に挿通させることができる。
次に、作業者は、図5に示すように、電線WをS字状に弾性変形(折り曲げて)させて、電線WのX方向におけるX2側をY方向におけるY2側に移動させる。ここで、作業者が電線WのX2側をY2側に移動させると、電線Wの第1領域W1がY2側に移動しようとする。しかし、第1領域W1は、第1保持部材2の第1当接部21と当接している。そのため、第1領域W1は、第1当接部21によりY1側に押圧され、第1当接部21と当接した状態で保持される。
次に、作業者は、図6に示すように、S字状に弾性変形させてY2側に折り曲げたX2側の電線Wを、Y1側に移動させ、第2離間部30から第2当接部31側に電線Wを挿入する。ここで、第2離間部30は、電線Wが挿入可能に一端部32と他端部33とが互いに離間して形成されている。そのため、作業者は、第2離間部30においても、電線Wを挿通させることができる。
第2離間部30から第2保持部材3に挿入された電線Wは、第1当接部21と第2当接部31とのY方向における距離が電線Wの直径よりも短いため、依然S字状に弾性変形した状態のままにある。そのため、電線Wは、直線状態に戻ろうとして、さらにY1方向に移動しようとする。しかし、Y方向における第2離間部30の反対側(Y1側)には、第2当接部31がある。そのため、第2当接部31がY2方向に押圧するように電線Wと当接し、第2保持部材3に挿入された電線Wは、第2当接部と当接した状態で保持される。
このように、第1実施形態に係る電線支持具1においては、第1領域W1が第1当接部21によりY1方向に押圧されるようにして当接され、第2領域W2が第2当接部31によりY2方向に押圧されるようにして当接されることにより、電線Wが保持される。
以上のような構成を有する本実施形態に係る第1実施形態に係る電線支持具1によれば、以下のような効果を奏する。
第1実施形態に係る電線支持具1は、第1当接部21と当接する第1領域W1におけるZ方向の電線断面の中心W3と、第2当接部31と当接する第2領域W2におけるZ方向の電線断面の中心W4とが、Y方向において離間するように形成されている。具体的には、第1保持部材2の第1当接部21と、第1保持部材2とX方向に離間した第2保持部材3の第2当接部31と、のY方向における距離が電線Wの直径よりも短くなるように形成されている。
そのため、電線Wを例えばS字状に弾性変形させるようにして保持することが可能になる。つまり、電線Wの弾性の取り変形を利用して、電線Wを強固に保持することができる。これにより、例えば、バインド線を使用することなく、電線Wを保持することができる。
また、電線支持具1は、第1離間部20を第1当接部21とY方向における反対側に形成し、第2離間部30を第2当接部31のY方向における反対側に形成している。つまり、第1離間部及び第2離間部は、第1当接部及び第2当接部から最も離れた位置に形成されている。そのため、電線Wが第1保持部材2及び第2保持部材3から飛び出すことを抑制することができる。
また、電線支持具1は、第1離間部20と第2離間部30とがY方向において反対側に向くように形成されている。そのため、電線Wが第1保持部材2及び第2保持部材3から外れてしまうことを抑制することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る電線支持具1Aについて、図7及び図8を参照しながら説明する。
図7は、本発明の第2実施形態に係る電線支持具1Aを示す外観斜視図である。図8は、図7に示す電線支持具1Aの平面図である。
なお、第2実施形態においては、主として、第1実施形態に係る電線支持具1との相違点を中心に説明し、第1実施形態に係る電線支持具1と同じ構成のものについては同じ符号を付して、説明を省略する。つまり、第2実施形態においては、特に説明されない点については、第1実施形態についての説明が適宜適用される。また、第1実施形態と同様の構成のものについては、第1実施形態と同様の効果が奏される。
図7及び図8に示すように、第2実施形態に係る電線支持具1Aは、第1離間部20がZ方向におけるZ1側に形成されると共に、第1保持部材2AがZ方向に延びる第1軸部材4Aにより回転可能に支持され、第2離間部30がZ1側に形成されると共に、第2保持部材3がZ方向に延びる第2軸部材5Aにより回転可能に支持されていることにおいて、第1実施形態に係る電線支持具1と相違する。
以下、第1保持部材2A、第2保持部材3A、第1軸部材4A及び第2軸部材5Aを中心に説明する。
第1保持部材2Aは、電線Wが挿脱可能な第1離間部20と、電線Wの第1領域W1が当接する第1当接部21と、第1補助当接部21Aとを備える。
第1離間部20は、第1保持部材2Aの端部同士である一端部22と他端部23とが互いに離間することにより形成される。なお、一端部22と他端部23とは、電線Wの直径よりも大きく離間しており、一端部22と他端部23の間を電線Wが挿脱可能に離間している。また、図7に示すように、第1保持部材2Aは、第1離間部20がZ方向におけるZ1側を向くように配置される。
第1当接部21は、第1保持部材2AのY方向におけるY2側における内周部に形成されている。
第1補助当接部21Aは、第1当接部21のY方向における反対側(Y1側)に形成されている。具体的には、第1補助当接部21Aは、第1保持部材2AのY1側における内周部に形成されている。
第2保持部材3Aは、電線Wが挿脱可能な第2離間部30と、電線Wの第2領域W2が当接する第2当接部31と、第2補助当接部31Aとを備える。
第2離間部30は、第2保持部材3Aの端部同士である一端部32と他端部33とが互いに離間することにより形成される。なお、一端部32と他端部33とは、電線Wの直径よりも大きく離間しており、一端部32と他端部33の間を電線Wが挿脱可能に離間している。また、図7に示すように、第2保持部材3Aは、第2離間部30がZ方向におけるZ1側を向くように配置される。
第2当接部31は、第2保持部材3AのY方向におけるY1側における内周部に形成されている。
第2補助当接部31Aは、第2当接部31のY方向における反対側(Y2側)に形成されている。具体的には、第2補助当接部31Aは、第2保持部材3AのY2方向側における内周部に形成されている。
第1軸部材4Aは、棒状に形成されおり、Z方向に延びるように配置されている。また、第1軸部材4Aは、基端部41Aが支持ベース部材7のX方向におけるX1側端部近傍であって、支持ベース部材7のY方向における略中央部に回転自在に連結されている。一方、第1軸部材4Aの先端部40Aには、第1離間部20がZ方向におけるZ1側に位置するように第1保持部材2が接続されている。
第1軸部材4Aは、第1保持部材2AがY方向に沿って位置する挿脱位置と、第1軸部材4Aを軸に挿脱位置から所定角度回転させた固定位置とに回転可能に支持する。
第2軸部材5Aは、棒状に形成されおり、Z方向に延びるように配置されている。また、第2軸部材5Aは、基端部51Aが支持ベース部材7のX方向におけるX2側端部近傍であって、支持ベース部材7のY方向における略中央部に回転自在に連結されている。一方、第2軸部材5Aの先端部50Aには、第2離間部30がZ方向におけるZ1側に位置するように第2保持部材3Aが接続されている。
第2軸部材5Aは、第2保持部材3AがY方向に沿って位置する挿脱位置と、第2軸部材5Aを軸に挿脱位置から所定角度回転させた固定位置とに回転可能に支持する。
次に、第2実施形態に係る電線支持具1Aの使用方法について、図9Aから図10を参照しながら説明する。
図9Aは、挿脱位置にある第1保持部材2及び第2保持部材3に電線Wを挿入させる状態を示す平面図であり、図9Bは、図9Aの左側面図である。図10は、第1保持部材2A及び第2保持部材3Aを回転させて、第1保持部材2A及び第2保持部材3Aを挿脱位置から固定位置に移動させた状態を示す平面図である。
図9Aから図10に示すように、第2実施形態に係る電線支持具1Aは、第1保持部材2A及び第2保持部材3Aを回転させることにより、電線Wが挿脱可能な挿脱位置から、電線Wが固定される固定位置に変更可能に形成されている。
図9A及び9Bに示すように、挿脱位置にある電線支持具1Aの第1保持部材2Aは、Y方向に沿って位置している。具体的には、第1離間部20の一端部22がY方向におけるY2側に位置し、他端部23がY方向におけるY1側に位置している。また、第1保持部材2Aは、第1離間部20がZ方向におけるZ1側に位置している。
同様に、挿脱位置にある電線支持具1Aの第2保持部材3Aは、Y方向に沿って位置している。具体的には、第2離間部30の一端部32がY方向におけるY2側に位置し、他端部33がY方向におけるY1側に位置している。また、第2保持部材3Aは、第2離間部30がZ方向におけるZ1側に位置している。
作業者は、まず、挿脱位置に位置した第1保持部材2Aと第2保持部材3Aに電線Wを挿入する。具体的には、Z方向におけるZ1側からZ2側に向かって、第1離間部20から第1保持部材2に電線Wを挿入すると共に、第2離間部30から第2保持部材3に電線Wを挿入する。
ここで、第1離間部20における一端部22と他端部23とは、電線Wの直径よりも大きく離間しており、一端部22と他端部23の間を電線Wが挿脱可能となっている。また、第1保持部材2AはY方向に沿って位置している。そのため、挿脱位置における第1離間部20のY方向における長さは、電線Wの直径よりも長くなる。これにより、電線Wが挿通可能となる。
同様に、第2離間部30における一端部32と他端部33とは、電線Wの直径よりも大きく離間しており、一端部32と他端部33の間を電線Wが挿脱可能に離間している。また、第2保持部材3AはY方向に沿って位置している。そのため、挿脱位置における第2離間部30のY方向における長さは、電線Wの直径よりも長くなる。これにより、電線Wが挿通可能となる。
更に、第1離間部20及び第2離間部30は、同じ側(Z方向におけるZ1側)に位置している。そのため、作業者は、電線Wを同時に第1保持部材2と第2保持部材3に挿入することができる。
次に、作業者は、第1軸部材4Aと第2軸部材5Aを回転させて、第1保持部材2Aと第2保持部材3Aを図10に示す固定位置に移動させる。
まず、作業者は第1軸部材4Aを回転させる。第1軸部材4Aを回転させると、第1保持部材2Aが第1軸部材4Aを軸に矢印Aの方向に回転する。第1保持部材2Aが矢印Aの方向に回転すると、第1当接部21が電線Wの第1領域W1に当接する。
第1当接部21が電線Wの第1領域W1に当接すると、作業者は第1当接部21が第1領域W1を押圧した状態で第1保持部材2Aを固定する。第1保持部材2Aの固定は、支持ベース部材7に第1軸部材4Aを固定することにより行われる。
このとき、第1当接部21とY方向における反対側に形成される第1補助当接部21Aは、第1領域W1の直径方向における反対側を、第1当接部21が第1領域W1を押圧する方向と向かい合う方向に押圧する。
また、第1保持部材2Aが矢印Aの方向に回転すると、第1離間部20における一端部22と他端部23のY方向における長さが電線Wの直径よりも短くなる。これにより、電線WのZ方向における飛び出しが規制される。
次に、作業者は第2軸部材5Aを回転させる。第2軸部材5Aを回転させると、第2保持部材3Aが第2軸部材5Aを軸に矢印Aの方向に回転する。第2保持部材3Aが矢印Aの方向に回転すると、第2当接部31が電線Wの第2領域W2に当接する。
第2当接部31が電線Wの第2領域W2に当接すると、作業者は第2当接部31が第2領域W2を押圧した状態で第2保持部材3Aを固定する。第2保持部材3Aの固定は、支持ベース部材7に第2軸部材5Aを固定することにより行われる。
このとき、第2当接部31のY方向における反対側に形成される第2補助当接部31Aは、第2領域W2の直径方向における反対側を、第2当接部31が第2領域W2を押圧する方向と向かい合う方向に押圧する。
また、第2保持部材3Aが矢印Aの方向に回転すると、第2離間部30における一端部32と他端部33のY方向における長さが電線Wの直径よりも短くなる。これにより、電線WのZ方向における飛び出しが規制される。
このように、第1保持部材2Aと第2保持部材3Aとが固定位置に位置した場合においては、第1領域W1が第1当接部21によりY1方向に押圧されるようにして当接され、第2領域W2が第2当接部31によりY2方向に押圧されるようにして当接されることにより、電線Wは保持される。また、電線WのZ方向における飛び出しが規制される。
以上のような構成を有する第2実施形態に係る電線支持具1Aによれば、第1実施形態に係る電線支持具1と同様の構成により生じる効果に加え、以下のような効果を奏する。
第2実施形態に係る電線支持具1Aは、第1保持部材2Aと第2保持部材3Aを回転させることにより、Y方向における第1離間部20の離間距離及び第2離間部30の離間距離が電線Wの直径よりも長い挿脱位置と、Y方向における第1離間部20の離間距離及び第2離間部30の離間距離が電線Wの直径よりも短い固定位置とに変更可能に構成されている。
そのため、例えば、同じ方向に第1離間部20及び第2離間部30を形成した場合においても、電線Wが第1離間部20と第2離間部30から飛び出すことを防止することができる。これにより、同じ方向に第1離間部20及び第2離間部30を形成することが可能になり、電線Wを容易に電線支持具1Aに支持させることが可能になる。
なお、本発明は、上記実施形態に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。
例えば、第1実施形態においては、第1保持部材2と第2保持部材3とは、Z方向において同じ高さに形成したが、本発明においてはこれに限らない。例えば、第2保持部材を第1保持部材よりも低い位置又は高い位置に形成する構成であってもよい。
また、第1実施形態においては、第1離間部20を第1当接部21のY方向における反対側に形成し、第2離間部30を第2当接部31のY方向における反対側に形成したが、本発明においてはこれに限らない。第1離間部と第2離間部は、それぞれ第1当接部と第2当接部のY方向における反対側以外の位置に形成してもよい。
1,1A 電線支持具
2 第1保持部材
3 第2保持部材
4A 第1軸部材
5A 第2軸部材
20 第1離間部
21 第1当接部
30 第2離間部
31 第2当接部
W 電線
W1 第1領域(所定領域)
W2 第2領域(他の領域)
W3 第1中心
W4 第2中心

Claims (5)

  1. 電線の外周面における直径方向の一方側に位置する所定領域に該所定領域を前記直径方向内側に押圧するようにして当接する第1当接部を有する第1保持部材と、
    第1方向において前記第1保持部材と離間して配置され、前記電線の外周面における他の領域であって前記一方側と前記直径方向において反対側に位置する前記他の領域に該他の領域を前記直径方向内側であって前記第1当接部における押圧方向と向かい合う方向に押圧するようにして当接する第2当接部を有する第2保持部材と、を備え、
    前記第1保持部材と前記第2保持部材とは、前記第1方向に直交する第2方向における前記第1当接部と前記第2当接部との距離が、前記電線の直径よりも短くなるように配置される電線支持具。
  2. 前記第1保持部材と前記第2保持部材とは、
    前記所定領域を含み前記第1方向に垂直な電線断面の中心と、前記他の領域を含み前記第1方向に垂直な電線断面の中心とが、前記第2方向において互いに離間するよう前記電線を保持する請求項1に記載の電線支持具。
  3. 前記第1保持部材は、
    略C字状に形成されると共に、端部同士が互いに離間して形成される離間部であって前記電線が挿脱可能に形成される第1離間部を有し、
    前記第2保持部材は、
    略C字状に形成されると共に、端部同士が互いに離間して形成される離間部であって前記電線が挿脱可能に形成される第2離間部を有し、
    前記第1離間部と前記第2離間部とは、前記第2方向において互いに反対側を向くように形成される
    請求項1又は2に記載の電線支持具。
  4. 前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向に延びると共に、前記第1保持部材を挿脱位置と固定位置とに回転可能に軸支する第1軸部材と、
    前記第3方向に延びると共に、前記第2保持部材を挿脱位置と固定位置とに回転可能に軸支する第2軸部材と、を更に備え、
    前記第1保持部材は、略C字状に形成されると共に、端部同士が互いに離間して形成される第1離間部を有し、
    前記第2保持部材は、略C字状に形成されると共に、端部同士が互いに離間して形成される第2離間部を有し、
    前記第1保持部材及び前記第2保持部材が前記挿脱位置に配置された場合、
    前記第1離間部及び前記第2離間部は、前記第1方向に並んで配置されると共に、前記第2方向におけるそれぞれの離間距離が前記電線の直径よりも大きく、
    前記第1保持部材及び前記第2保持部材が前記固定位置に配置された場合、
    前記第1離間部及び前記第2離間部は、前記第2方向におけるそれぞれの離間距離が前記電線の直径よりも小さい
    請求項1に記載の電線支持具。
  5. 前記第1離間部及び第2離間部は、前記第3方向を向くように形成される請求項4に記載の電線支持具。
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