<第1の実施の形態>
[通信システムの構成例]
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。
図1の例においては、家屋やオフィスビルなどの建物B内にフェムトセル基地局1が設置されており、フェムトセル基地局1によりフェムトセルFが形成されている。フェムトセルFの範囲を実線の楕円で示す。
フェムトセルFは、公衆網を構成するマクロセルより狭い、半径数メートル、数十メートルなどの、フェムトセル基地局1が設置されている建物B内の範囲をカバーするセルである。
フェムトセル基地局1にはLAN(Local Area Network)ケーブル2を介してモデム3が接続されている。モデム3は、ADSL回線や光ファイバ回線などよりなるブロードバンド回線4の宅内装置である。フェムトセル基地局1にモデム機能が搭載されている場合、フェムトセル基地局1がブロードバンド回線4に直接接続されるようにしてもよい。
フェムトセル基地局1は、LANケーブル2、モデム3、およびブロードバンド回線4を介して、インターネットなどよりなるネットワーク5に接続され、フェムトセルFに在圏している移動機が行う音声データなどの通信を中継する。
図1の例においては、携帯電話機である移動機21がフェムトセルFに在圏している。移動機21は、例えばCDMA(Code Division Multiple Access)方式に従って、音声データなどの各種のデータの送受信をフェムトセル基地局1との間で行う。
フェムトセル基地局1は、フェムトセルによる無線通信機能だけでなく、ワンセグメント放送によってコンテンツを提供する機能も有する。例えば、フェムトセル基地局1に装着されたメモリカードなどの記録媒体に記録されているコンテンツや、ネットワークを介して外部の装置から送信されてきたコンテンツがワンセグメント放送によって提供される。
フェムトセル基地局1がワンセグメント放送に使う周波数帯域は、ISDB-T仕様の地上デジタル放送規格のワンセグメント放送と同じ、UHF帯の470〜710MHzの帯域であるが、出力する電波の電界強度は、フェムトセルFと同程度の半径数メートルから数十メートルの範囲をカバーする強度である。フェムトセル基地局1がワンセグメント放送に使う電波の強度は、半径数キロメートル、数十キロメートルなどの範囲を対象として放送塔などが出力する電波の強度より弱い。
以下、適宜、フェムトセルFと同程度の範囲を対象としてフェムトセル基地局1が行うワンセグメント放送をエリアワンセグメント放送という。
また、フェムトセル基地局1が出力する電波のうち、フェムトセルFを形成して無線通信を行うための電波を、単に、通信波といい、エリアワンセグメント放送を行うための電波を、単に、放送波という。
ISDB-T仕様の地上デジタル放送規格によれば、UHF帯の470〜710MHzの帯域を40の物理チャネルに分け、それぞれの物理チャネルを13〜52chとしてデジタル放送が行われる。
図1の例においては、建物B内の破線の楕円で示す範囲を対象として、13chと16chを使ってエリアワンセグメント放送が行われている。図1においては楕円の範囲をずらして示しているが、実際には、通信波が到達するフェムトセルFの範囲、13chの放送波が到達する範囲、および16chの放送波が到達する範囲は全てほぼ一致する。
フェムトセル基地局1が出力する電波の到達範囲内にいる移動機21のユーザは、フェムトセルFを使って外部の装置と通信を行うことができるとともに、13chまたは16chの放送波を受信してコンテンツを利用することもできることになる。移動機21には、ワンセグメント放送を受信する機能も搭載されている。
一連の処理については後述するが、図1の通信システムにおいては、フェムトセルFに在圏した回数に応じた動画コンテンツがエリアワンセグメント放送によって提供される。
図2は、コンテンツの提供の例を示す図である。
フェムトセル基地局1が飲食店などの店舗内に設置されており、店舗内にフェムトセルFとエリアワンセグメント放送の受信可能エリアが形成されているものとする。また、図2の上方に示すユーザU1は、フェムトセル基地局1が設置されている店舗の常連客であり、下方に示すユーザU2は、新規で来店した客であるものとする。
ユーザU1が店舗に入り、ユーザU1の移動機がフェムトセルFに在圏した場合、点線矢印A1で示すように、ユーザU1の来店回数が確認される。在圏回数が来店回数と等しいものとして扱われ、ユーザU1の来店回数は、ユーザU1の移動機がフェムトセルFに在圏した回数により特定される。図1の来店回数管理AS(Application Server)14においては、各ユーザの来店回数が移動機の識別情報と対応付けて管理されている。
来店回数が多いことからユーザU1が常連客であると判断された場合、実線矢印A2で示すように、フェムトセル基地局1からユーザU1の移動機に対して、13chの放送波を受信するように誘導するメールが送信される。13chは、常連客用の動画コンテンツの放送に使うチャネルとされている。
このメールを受信した移動機においては、ワンセグメント放送の受信を管理するアプリケーションがユーザの操作によらずに起動し、メールによって指定された13chの受信が開始される。
これにより、ユーザU1の移動機においては、13chで提供される常連客用の動画コンテンツの再生が行われる。図2の例においては、「毎度ありがとうございます。」のメッセージなどを表示する画面を含む動画コンテンツ#1の再生がユーザU1の移動機において行われている。
一方、ユーザU2が店舗に入り、ユーザU2の移動機がフェムトセルFに在圏した場合、点線矢印A11で示すように、ユーザU2の来店回数が確認される。
ユーザU2が新規の顧客であると判断された場合、実線矢印A12で示すように、フェムトセル基地局1からユーザU2の移動機に対して、16chの放送波を受信するように誘導するメールが送信される。16chは、新規の顧客用の動画コンテンツの放送に使うチャネルとされている。
このメールを受信した移動機においては、ワンセグメント放送の受信を管理するアプリケーションが起動し、メールによって指定された16chの受信が開始される。
これにより、ユーザU2の移動機においては、16chで提供される新規の客用の動画コンテンツの再生が行われる。図2の例においては、「いらっしゃいませ。初めてのご来店ありがとうございます。」のメッセージなどを表示する画面を含む動画コンテンツ#2の再生がユーザU2の移動機において行われている。
このように、図1の通信システムにおいては、フェムトセルFに在圏した回数に応じた動画コンテンツがエリアワンセグメント放送によって提供される。上述したコンテンツの他に、常連客の移動機に対して隠れメニューを紹介する動画コンテンツが提供されたり、新規に開店した姉妹店を紹介する動画コンテンツが提供されるようにしてもよい。
図1には1つのフェムトセル基地局しか示していないが、フェムトセル基地局1と同様に、フェムトセルを使った無線通信機能と、エリアワンセグメント放送によってコンテンツを提供する機能とを有するフェムトセル基地局が複数の店舗にそれぞれ設置される。
図1の説明に戻り、フェムトセル基地局1側から見てブロードバンド回線4の先には、ネットワーク5を介して、HSS(Home Subscriber Server)11、在圏・離圏管理AS12、エリアワンセグメント放送管理AS13、および来店回数管理AS14が接続されている。
HSS11、在圏・離圏管理AS12、エリアワンセグメント放送管理AS13、および来店回数管理AS14によって、フェムトセルのコアネットワークが構築される。フェムトセルのコアネットワークには、音声データの交換機としての機能を有するSIP(Session Initiation Protocol)サーバであるCSCF(Call Session Control Function)なども設けられる。
HSS11は、あるセルに在圏した移動機から送信されてくる位置登録の要求を受信する。HSS11は、位置登録の要求を送信してきた移動機の識別情報と、その移動機が在圏したセルを管理する基地局の識別情報とを在圏・離圏管理AS12に送信する。
在圏・離圏管理AS12は、HSS11から送信されてきた情報に基づいて、各移動機が在圏しているセルに関する情報を記憶する。例えば図1の移動機21がフェムトセルFに在圏している場合、フェムトセル基地局1の識別情報と移動機21の識別情報が対応付けて登録される。
エリアワンセグメント放送管理AS13は、フェムトセル基地局がエリアワンセグメント放送に使うチャネルと来店回数の関係を表す情報を記憶する。例えば、13chは来店回数10回以上、14chは来店回数5回、15chは来店回数3回、16chは来店回数1回といったように、チャネルの番号と来店回数が対応付けて管理される。
エリアワンセグメント放送管理AS13は、あるユーザの来店回数の情報が来店回数管理AS14から送信されてきた場合、そのユーザの移動機が在圏しているフェムトセルを管理するフェムトセル基地局が使う複数のチャネルのうち、来店回数に応じたチャネルを決定する。エリアワンセグメント放送管理AS13は、決定したチャネルを指定する情報を含むメールを作成し、移動機に送信する。
来店回数管理AS14は、それぞれの客の来店回数を、それぞれの客の移動機の識別情報と対応付けて管理する。
[通信システムの処理]
図3のシーケンスを参照して、来店回数に応じたコンテンツをエリアワンセグメント放送によって提供する図1の通信システムの処理について説明する。
この処理は、移動機21がフェムトセルFに在圏したときに開始される。移動機21がフェムトセルFに在圏する前のステップS41において、複数のチャネルを使ったエリアワンセグメント放送がフェムトセル基地局1により開始されている。
ステップS51において、移動機21は、位置登録の要求をフェムトセル基地局1に送信する。位置登録の要求には移動機21の識別情報も含まれている。
ステップS42において、フェムトセル基地局1は、移動機21からの位置登録の要求を受信する。
ステップS43において、フェムトセル基地局1は、フェムトセルFに新たに在圏した移動機21の識別情報と、自身の識別情報を送信し、移動機21と自身の認証をHSS11に行わせる。フェムトセル基地局1から送信された情報は、LANケーブル2、モデム3、ブロードバンド回線4、およびネットワーク5を介してHSS11に到達する。
ステップS1において、HSS11は、フェムトセル基地局1から送信されてきた情報を受信し、あらかじめ登録されている情報を参照するなどしてフェムトセル基地局1と移動機21の認証を行う。
フェムトセル基地局1と移動機21の認証が成功した場合、ステップS2において、HSS11は、移動機21がフェムトセルFに在圏していることを表す情報である在圏情報を、ネットワーク5を介して在圏・離圏管理AS12に送信する。在圏情報には、フェムトセル基地局1の識別情報と移動機21の識別情報が含まれている。
ステップS11において、在圏・離圏管理AS12は、HSS11から送信されてきた在圏情報を受信する。
ステップS12において、在圏・離圏管理AS12は、タイマによる所定の時間の計測を開始する。
ここでの時間の計測は、フェムトセルFが形成されている店舗に一度入ったがすぐに出たような人がいた場合に、その入店を来店回数としてカウントしないようにするために行われる。例えば10分といったような所定の時間があらかじめ設定されており、設定されている時間が経過する前に、フェムトセルF以外の他のセルに移動機21が在圏したことを表す在圏情報がHSS11から送信されてきた場合、それ以降の処理は中止される。
あらかじめ設定されている所定の時間が経過した場合、ステップS13において、在圏・離圏管理AS12は、HSS11から送信されてきた在圏情報を、ネットワーク5を介して来店回数管理AS14に送信する。
ステップS31において、来店回数管理AS14は、在圏・離圏管理AS12から送信されてきた在圏情報を受信する。
ステップS32において、来店回数管理AS14は、移動機21のユーザの来店回数を計算する。来店回数管理AS14においては、移動機21の識別情報と対応付けて、フェムトセルFが形成されている店舗に移動機21のユーザが過去に来店した回数(フェムトセルFに過去に在圏した回数)が管理されている。来店回数管理AS14は、在圏情報に含まれる移動機21の識別情報と対応付けて管理している回数に1を加算することによって、移動機21のユーザの現在の来店回数を計算する。
ステップS33において、来店回数管理AS14は、計算した来店回数の情報を、ネットワーク5を介してエリアワンセグメント放送管理AS13に送信する。エリアワンセグメント放送管理AS13に対しては、フェムトセル基地局1の識別情報と移動機21の識別情報も送信される。
ステップS21において、エリアワンセグメント放送管理AS13は、来店回数管理AS14から送信されてきた来店回数の情報を受信する。
ステップS22において、エリアワンセグメント放送管理AS13は、移動機21のユーザの来店回数に応じたチャネルを、フェムトセル基地局1がエリアワンセグメント放送に使っている複数のチャネルの中から決定する。また、エリアワンセグメント放送管理AS13は、決定したチャネルを指定する情報を含む、移動機21を送信先とするメールを作成する。
エリアワンセグメント放送管理AS13により作成されるメールは、メールアドレスによって送信先を指定するいわゆるEメールであってもよいし、電話番号によって送信先を指定するSMS(Short Message Service)のメールであってもよい。エリアワンセグメント放送管理AS13には、各移動機のメールアドレスや電話番号などの情報があらかじめ登録されている。
また、チャネルを指定する情報を含むメールの送信に用いられるメールアドレスや電話番号などの情報が移動機21の識別情報と対応付けてHSS11に登録されているようにしてもよい。この場合、エリアワンセグメント放送管理AS13は、メールアドレスや電話番号などの情報を送信することをHSS11に要求し、要求に応じてHSS11から送信されてきた情報を用いて、チャネルを指定する情報を含むメールを移動機21に送信する。エリアワンセグメント放送管理AS13からHSS11に送信される要求には移動機21の識別情報が含まれており、その識別情報に基づいて、移動機21のメールアドレスや電話番号などの情報がHSS11により特定される。
エリアワンセグメント放送管理AS13により作成されるメールには、受信チャネルを指定する情報の他に、ワンセグメント放送の受信を管理するアプリケーションの起動を指示するコマンドも含まれる。
エリアワンセグメント放送管理AS13により作成されたメールを受信した移動機21においては、アプリケーションの起動が行われ、その後、指定されたチャネルの受信が開始される。エリアワンセグメント放送管理AS13が作成するメールは、ワンセグメント放送の所定のチャネルを受信するように移動機21を誘導するメールとなる。以下、適宜、エリアワンセグメント放送管理AS13が作成するメールをチャネル誘導メールという。
ステップS23において、エリアワンセグメント放送管理AS13は、移動機21の現在の在圏状況を在圏・離圏管理AS12に問い合わせる。
ステップS14において、在圏・離圏管理AS12は、エリアワンセグメント放送管理AS13からの問い合わせを受信し、移動機21が在圏しているセルを表す在圏状況情報をエリアワンセグメント放送管理AS13に送信する。在圏・離圏管理AS12が送信する在圏状況情報には、移動機21が現在在圏しているセルを管理する基地局の識別情報が含まれる。
ステップS24において、エリアワンセグメント放送管理AS13は、在圏・離圏管理AS12から送信されてきた在圏状況情報を受信し、移動機21がフェムトセルFに在圏し続けているか否かを確認する。移動機21がフェムトセルFに既に在圏していない場合、処理は終了される。
一方、移動機21がフェムトセルFに在圏し続けていることを確認した場合、ステップS25において、エリアワンセグメント放送管理AS13はチャネル誘導メールを送信する。エリアワンセグメント放送管理AS13から送信されたチャネル誘導メールは、ネットワーク5、ブロードバンド回線4、モデム3、およびLANケーブル2を介してフェムトセル基地局1に到達する。
ステップS44において、フェムトセル基地局1は、エリアワンセグメント放送管理AS13から送信されてきたチャネル誘導メールを受信し、無線通信を介して移動機21に送信する。
ステップS52において、移動機21は、フェムトセル基地局1から送信されてきたチャネル誘導メールを受信する。
ステップS53において、移動機21は、チャネル誘導メールの内容を表示し、エリアワンセグメント放送が行われていることをユーザに通知する。
移動機21に設けられる決定ボタンを押すなどの所定の操作がユーザにより行われた場合、ステップS54において、移動機21は、ワンセグメント放送の受信を管理するアプリケーションを起動し、指定されるチャネルの受信を開始する。
これにより、移動機21の画面には、移動機21のユーザの来店回数に応じたチャネルで放送されている動画コンテンツが表示される。
以上の処理により、フェムトセルFに対する在圏回数に応じた動画コンテンツを、エリアワンセグメント放送を使って移動機21に提供することができる。
在圏回数に応じた動画コンテンツの放送が行われているチャネルがチャネル誘導メールによって指定され、指定されたチャネルの受信が自動的に開始されるから、移動機21のユーザはチャネルの選択などを自ら行う必要がない。
[各装置の構成例]
図4は、フェムトセル基地局1の構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、フェムトセル基地局1は、ネットワーク通信部31、制御部32、無線通信部33、アンテナ34、エリアワンセグメント放送部35、およびアンテナ36から構成される。
ネットワーク通信部31はネットワークのインタフェースであり、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)、UDP(User Datagram Protocol)などの所定のプロトコルに従って、LANケーブル2とモデム3を介して通信を行う。
ネットワーク通信部31は、無線通信部33から供給された、フェムトセルFに在圏している移動機21からの音声データをモデム3に出力してCSCFなどに送信させる。また、ネットワーク通信部31は、CSCFから送信され、モデム3により受信された音声データを受信し、無線通信部33に出力する。
ネットワーク通信部31は、エリアワンセグメント放送管理AS13からチャネル誘導メールが送信されてきた場合、それを受信し、制御部32に出力する。
制御部32はCPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)などよりなり、所定のプログラムを実行してフェムトセル基地局1の全体の動作を制御する。
例えば、制御部32は、エリアワンセグメント放送部35を制御してエリアワンセグメント放送を行う。また、制御部32は、チャネル誘導メールがネットワーク通信部31から供給された場合、それを無線通信部33に出力し、無線通信を介して移動機21に送信する。
無線通信部33は、空中線電力が20mW以下などの所定の強度の通信波をアンテナ34から出力し、W-CDMA、CDMA2000などの規格に従って、フェムトセルFに在圏している移動機21と無線通信を行う。無線通信部33が出力する通信波は、エリアワンセグメント放送部35が出力する放送波の周波数帯域とは異なる、2GHz帯、800MHz帯などの周波数帯域の電波である。
無線通信部33は、ネットワーク通信部31から供給された音声データを、送信先として指定された移動機21に送信する。また、無線通信部33は、アンテナ34から供給された信号に基づいて受信した移動機21からの音声データをネットワーク通信部31に出力する。
また、無線通信部33は、制御部32から供給されたチャネル誘導メールを移動機21に送信する。
エリアワンセグメント放送部35は、制御部32による制御に従って放送波をアンテナ36から出力し、複数のチャネルを使って複数のコンテンツを放送する。
図5は、フェムトセル基地局1の機能構成例を示すブロック図である。
図5に示す機能部のうちの少なくとも一部は、図4の制御部32内のCPUにより所定のプログラムが実行されることによって実現される。図5に示すように、制御部32においては、提供部51、コンテンツ再生部52、および放送制御部53が実現される。
提供部51は、ネットワーク通信部31から供給されたチャネル誘導メールを受信し、それを無線通信部33に出力して、送信先として指定された移動機21に送信する。チャネル誘導メールを受信した移動機21においては、エリアワンセグメント放送の受信を管理するアプリケーションが起動し、指定されたチャネルの受信が開始されるから、チャネル誘導メールを提供部51が送信することが、コンテンツを提供することに相当する。
コンテンツ再生部52は、フェムトセル基地局1に装着された図示せぬメモリカードに記録されている複数のコンテンツをそれぞれ再生し、放送制御部53に出力する。エリアワンセグメント放送によって提供するコンテンツが、ネットワーク5に接続されるサーバからストリーミングなどによって供給される場合、コンテンツ再生部52は、供給されたコンテンツを受信し、放送制御部53に出力する。
放送制御部53は、エリアワンセグメント放送部35を制御し、コンテンツ再生部52により再生されたコンテンツを、複数のチャネルを使って放送する。
図6は、移動機21の構成例を示すブロック図である。
図6に示すように、移動機21は、アンテナ61、無線通信部62、制御部63、音声処理部64、操作部65、表示部66、ワンセグメント放送受信部67、およびアンテナ68から構成される。
無線通信部62は、アンテナ61から電波を送信し、またはアンテナ61においてフェムトセル基地局1を含む基地局からの電波を受信することによって、そのとき在圏しているセルを管理する基地局とW-CDMA、CDMA2000などの規格に従って通信を行う。
例えば、無線通信部62は、制御部63から供給された移動機21のユーザの音声のデータをフェムトセル基地局1に送信し、フェムトセル基地局1から送信されてきた、通話相手の音声のデータを制御部63に出力する。また、無線通信部62は、フェムトセルFに在圏したタイミングで位置登録の要求をフェムトセル基地局1に送信する。
無線通信部62は、フェムトセル基地局1から送信されてきたチャネル誘導メールを受信し、制御部63に出力する。
制御部63はCPU,ROM,RAMなどよりなり、所定のプログラムを実行して移動機21の全体の動作を制御する。
例えば、制御部63は、無線通信部62から供給されたチャネル誘導メールを受信し、チャネル誘導メールに含まれる情報に従って、ワンセグメント放送の受信を管理するアプリケーションを起動する。
また、制御部63は、アプリケーションを起動した後、ワンセグメント放送受信部67を制御し、チャネル誘導メールによって指定されるチャネルを受信させる。制御部63は、ワンセグメント放送受信部67により受信され、再生されたコンテンツの映像信号を表示部66に出力し、表示させる。
制御部63は、無線通信部62から供給された音声データを音声処理部64に出力し、音声処理部64から供給された音声データを無線通信部62に出力することなども行う。
音声処理部64は、制御部63から供給された音声データをデコードし、通話相手の音声をスピーカから出力させる。また、音声処理部64は、マイクロフォンにより集音した音声をエンコードし、移動機21のユーザの音声のデータを制御部63に出力する。
操作部65は、移動機21の筐体表面に設けられるテンキーや決定ボタンなどの各種のボタン、あるいは、表示部66に重ねて設けられるタッチパネルなどに対するユーザの操作を検出し、検出した操作の内容を表す信号を制御部63に出力する。
表示部66はLCD(Liquid Crystal Display)などよりなり、制御部63による制御に従って、エリアワンセグメント放送によって提供されたコンテンツの映像などの各種の情報を表示する。
ワンセグメント放送受信部67は、フェムトセル基地局1からの放送波がアンテナ68において受信されたことに応じて供給された信号から、所定のチャネルの信号を制御部63による制御に従って取得し、コンテンツを復調する。ワンセグメント放送受信部67は、復調したコンテンツの映像信号を制御部63に出力する。
図7は、移動機21の機能構成例を示すブロック図である。
図7に示すように、制御部63においては、チャネル誘導メール受信部71、表示制御部72、およびチャネル制御部73が実現される。例えばチャネル制御部73は、ワンセグメント放送の受信を管理するアプリケーションが実行されることによって実現される。
チャネル誘導メール受信部71は、無線通信部62から供給されたチャネル誘導メールを受信する。チャネル誘導メール受信部71は、受信したチャネル誘導メールを表示制御部72とチャネル制御部73に出力する。
表示制御部72は、チャネル誘導メール受信部71からチャネル誘導メールが供給された場合、チャネル誘導メールの内容を表示部66に表示させ、エリアワンセグメント放送が行われていることをユーザに通知する。
また、表示制御部72は、エリアワンセグメント放送によって提供されるコンテンツが受信され、コンテンツの映像信号がワンセグメント放送受信部67から供給された場合、その映像信号を表示部66に出力し、コンテンツの映像を表示させる。
チャネル制御部73は、エリアワンセグメント放送の受信を開始することがユーザにより指示された場合、ワンセグメント放送受信部67を制御し、チャネル誘導メールに含まれる情報により指定されるチャネルを受信させる。
図8は、HSS11の構成例を示すブロック図である。
CPU81、ROM82、RAM83は、バス84により相互に接続されている。バス84には、さらに、入出力インタフェース85が接続されている。入出力インタフェース85には、キーボード、マウスなどよりなる入力部86、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部87が接続される。また、バス84には、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部88と、通信部89が接続される。
通信部89は、ネットワークインタフェースなどよりなり、フェムトセル基地局1などの外部の装置とネットワーク5を介して通信を行う。
在圏・離圏管理AS12、エリアワンセグメント放送管理AS13、および来店回数管理AS14も、図8に示すHSS11の構成と同じ構成を有している。以下、適宜、図8に示す構成を在圏・離圏管理AS12、エリアワンセグメント放送管理AS13、来店回数管理AS14の構成として引用して説明する。
図9は、HSS11、在圏・離圏管理AS12、エリアワンセグメント放送管理AS13、および来店回数管理AS14の各装置の機能構成例を示すブロック図である。
図9に示す機能構成のうちの少なくとも一部は、各装置のCPU81が、例えば記憶部88に記憶されているプログラムをRAM83にロードして実行することにより実現される。
図9に示すように、HSS11においては在圏検出部101が実現され、在圏・離圏管理AS12においては在圏管理部111が実現される。
エリアワンセグメント放送管理AS13においては、チャネル管理部121、チャネル誘導メール作成部122、在圏状況問い合わせ部123、およびチャネル誘導メール送信部124が実現される。来店回数管理AS14においては、来店回数記憶部131、来店回数計算部132、および来店回数情報送信部133が実現される。
HSS11の在圏検出部101は、フェムトセル基地局1から送信されてくる情報を受信し、移動機21がフェムトセルFに在圏したことを検出する。在圏検出部101は、フェムトセル基地局1と移動機21の認証を行った後、移動機21の在圏情報を在圏・離圏管理AS12に送信する。
在圏・離圏管理AS12の在圏管理部111は、HSS11から送信されてきた在圏情報に基づいて、移動機21が在圏しているセルに関する情報を記憶する。
在圏管理部111は、在圏情報が送信されてきてから所定の時間が経過した場合、在圏情報を来店回数管理AS14に送信する。また、在圏管理部111は、問い合わせに応じて、移動機21の現在の在圏状況を表す在圏状況情報をエリアワンセグメント放送管理AS13に送信する。
エリアワンセグメント放送管理AS13のチャネル管理部121は、フェムトセル基地局1を含む各フェムトセル基地局がエリアワンセグメント放送に使うチャネルの番号と、来店回数の関係を表す情報を記憶し、チャネルの番号と来店回数を対応付けて管理する。
図10は、チャネル管理部121により管理される情報の例を示す図である。
図10には、「001」、「002」、「003」、「004」のIDで識別されるフェムトセル基地局が使用するエリアワンセグメント放送のチャネルと来店回数の関係を示している。
例えば、「001」のIDで識別されるフェムトセル基地局によるエリアワンセグメント放送は、16ch乃至19chを使って行われる。
16chは、「001」のIDで識別されるフェムトセル基地局が設置されている店舗への来店回数が1回である客用のコンテンツの放送に用いられるチャネルであり、17chは、来店回数が2〜5回である客用のコンテンツの放送に用いられるチャネルとされている。
同様に、18chは、来店回数が6〜10回である客用のコンテンツの放送に用いられるチャネルとされ、19chは、来店回数が11回以上である客用のコンテンツの放送に用いられるチャネルとされている。
「002」、「003」、「004」のIDで識別されるフェムトセル基地局により使われるチャネルについても、同様にして来店回数と対応付けて管理されている。1回は16ch、2回は17chといったように、来店回数毎に、異なるチャネルが対応付けて管理されるようにしてもよい。
図9の説明に戻り、チャネル誘導メール作成部122は、移動機21とフェムトセル基地局1の識別情報、および、移動機21のユーザの来店回数の情報が来店回数管理AS14から送信されてきた場合、それを受信する。
チャネル誘導メール作成部122は、来店回数管理AS14から送信されてきたフェムトセル基地局1の識別情報と対応付けてチャネル管理部121により管理されている複数のチャネルの中から、移動機21のユーザの来店回数に応じたチャネルを決定する。
また、チャネル誘導メール作成部122は、決定したチャネルを指定する情報を含むチャネル誘導メールを作成し、その送信先として、移動機21のメールアドレスや電話番号を設定する。チャネル誘導メール作成部122には、移動機21のメールアドレスや電話番号などの情報があらかじめ登録されている。
チャネル誘導メール作成部122は、作成したチャネル誘導メールを在圏状況問い合わせ部123に出力する。
在圏状況問い合わせ部123は、移動機21の現在の在圏状況を在圏・離圏管理AS12の在圏管理部111に問い合わせ、移動機21がフェムトセルFに在圏し続けていることを確認した場合、チャネル誘導メールをチャネル誘導メール送信部124に出力する。
チャネル誘導メール送信部124は、在圏状況問い合わせ部123から供給されたチャネル誘導メールを、送信先として指定された移動機21に送信する。
来店回数管理AS14の来店回数記憶部131は、各移動機の識別情報と、移動機のユーザの来店回数の情報を対応付けて記憶し、各店舗の客毎の過去の来店回数を管理する。
来店回数計算部132は、在圏・離圏管理AS12の在圏管理部111から移動機21の在圏情報が送信されてきた場合、フェムトセル基地局1が設置されている店舗に対する、移動機21のユーザの過去の来店回数を来店回数記憶部131から読み出す。
また、来店回数計算部132は、読み出した回数に1を加えることによって来店回数を計算する。来店回数計算部132は、計算した来店回数の情報を来店回数情報送信部133に出力するとともに、来店回数記憶部131に記憶されている情報を更新する。
来店回数情報送信部133は、移動機21とフェムトセル基地局1の識別情報、および、来店回数計算部132により計算された来店回数の情報を来店回数情報としてエリアワンセグメント放送管理AS13のチャネル誘導メール作成部122に送信する。
以上においては、HSS11、在圏・離圏管理AS12、エリアワンセグメント放送管理AS13、および来店回数管理AS14がそれぞれ1つのコンピュータにより構成されるものとしたが、それぞれの装置が複数のコンピュータにより構成されるようにしてもよい。
また、複数の装置により実現されるものとして図9に示す構成が1つのコンピュータ上にまとめて実現されるようにしてもよい。
<第2の実施の形態>
[通信システムの構成例]
図11は、本発明の他の実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。
図11に示す構成のうち、図1に示す構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
図11の構成は、来店回数管理AS14の代わりにクーポン配信サイト管理AS201が設けられている点で図1の構成と異なる。
クーポン配信サイト管理AS201は、クーポン画像の配信サイトを管理するアプリケーションサーバである。
クーポン配信サイト管理AS201は、フェムトセルFに在圏している移動機21から、フェムトセルの無線通信を介してアクセスが行われた場合、アクセス回数に応じたクーポン画像を移動機21に配信する。
クーポン画像は、それを店員に提示することによって、フェムトセル基地局1が設置されている店舗において料金の割引などに使うことができる画像である。
すなわち、図11の通信システムにおいては、フェムトセル基地局1を経由してクーポン配信サイト管理AS201にアクセスした回数を店舗の来店回数とし、来店回数に応じたクーポン画像が、フェムトセルFを使った無線通信によって提供される。
図12は、コンテンツとしてのクーポン画像の提供の例を示す図である。
フェムトセル基地局1が飲食店などの店舗内に設置されており、店舗内にフェムトセルFとエリアワンセグメント放送の受信可能エリアが形成されているものとする。
店舗内においては、図12の点線矢印A21で示すように、エリアワンセグメント放送を使って、店舗の広告動画コンテンツの放送が行われている。放送に使われているチャネルの番号を含む、広告動画コンテンツの受信方法などは、店舗に貼られているポスターなどで案内されている。
図12の例においては、ネットワーク5上のサーバ(広告配信システム)から配信された広告動画コンテンツが放送されているが、図1の場合と同様にフェムトセル基地局1により再生された広告動画コンテンツが放送されるようにしてもよい。
店舗に入ったユーザU1は、移動機を操作して所定のチャネルを選択し、エリアワンセグメント放送によって提供される広告動画コンテンツの受信を開始させる。
これにより、ユーザU1は広告動画コンテンツを視聴することができる。上述したように、在圏したことに応じてフェムトセル基地局1から送信されてくるチャネル誘導メールによって、広告動画コンテンツの受信が開始されるようにしてもよい。
フェムトセル基地局1からは、クーポン配信サイト管理AS201のURL(Uniform Resource Locator)を含む情報もエリアワンセグメント放送(データ放送)によって提供される。
広告動画コンテンツを表示する画面から、データ放送の内容を表示する画面に画面表示を切り替える操作が行われた場合、ユーザU1の移動機の画面にはクーポン配信サイト管理AS201のURLなどが表示される。
この状態でクーポン配信サイト管理AS201のURLを選択する操作がユーザU1により行われた場合、実線矢印A22で示すように、クーポン配信サイト管理AS201に対するアクセスが移動機により行われる。
クーポン配信サイト管理AS201においては、各移動機の識別情報と、これまでのアクセス回数が対応付けて管理されている。クーポン配信サイト管理AS201のURLはフェムトセル基地局1によるエリアワンセグメント放送によって提供されるから、そのURLを使ってクーポン配信サイト管理AS201にアクセスした回数は、フェムトセル基地局1が設置されている店舗の来店回数として扱うことが可能である。
例えば、同じURLに基づいて1日に複数回アクセスを行ったとしてもアクセス回数が1回しか増えないような設定がクーポン配信サイト管理AS201にはなされている。
来店したそれぞれの客がクーポン配信サイト管理AS201へのアクセスを1回行うとした場合、来店回数とクーポン配信サイト管理AS201にアクセスした回数は、それぞれフェムトセルFの在圏回数に等しい回数になる。クーポン配信サイト管理AS201から提供されたクーポン画像は、フェムトセルFの在圏回数に応じたコンテンツともいえる。
ユーザU1の移動機によるアクセスが行われた場合、実線矢印A23で示すように、クーポン配信サイト管理AS201からユーザU1の移動機に対して、来店回数に応じたクーポン画像が送信される。
図12の例においては、ユーザU1の来店回数は10回とされ、「おめでとうございます!本日10回目のご来店です。焼酎ボトルをプレゼント!」のメッセージを含むクーポン画像がユーザU1の移動機に送信されている。ユーザU1は、このクーポン画像を移動機の画面に表示させ、店員にみせることによって、焼酎ボトルのサービスを受けることができる。
クーポン配信サイト管理AS201から送信されてくるクーポン画像の内容は、ユーザの来店回数によって異なるものになる。
このように、図11の通信システムにおいては、エリアワンセグメント放送によって提供されるコンテンツはどの客に対しても同じであるが、フェムトセルFを使った無線通信によって提供されるコンテンツが、来店回数によって異なるものになる。
[通信システムの処理]
図13のシーケンスを参照して、来店回数に応じたコンテンツを、フェムトセルを使った無線通信によって提供する図11の通信システムの処理について説明する。
ここでは、移動機21のユーザが自ら操作してエリアワンセグメント放送の受信を開始させるのではなく、エリアワンセグメント放送管理AS13から送信されてきたチャネル誘導メールによってエリアワンセグメント放送の受信が開始されるものとする。
この処理は、移動機21がフェムトセルFに在圏したときに開始される。移動機21がフェムトセルFに在圏する前のステップS141において、広告動画コンテンツと、クーポン配信サイト管理AS201のURLを提供するエリアワンセグメント放送が、所定のチャネルを使ってフェムトセル基地局1により開始されている。
ステップS151において、移動機21は位置登録の要求をフェムトセル基地局1に送信する。
ステップS142において、フェムトセル基地局1は、移動機21からの位置登録の要求を受信する。
ステップS143において、フェムトセル基地局1は、フェムトセルFに新たに在圏した移動機21の識別情報と、自身の識別情報を送信し、移動機21と自身の認証をHSS11に行わせる。
ステップS101において、HSS11は、フェムトセル基地局1から送信されてきた情報を受信し、あらかじめ登録されている情報を参照するなどしてフェムトセル基地局1と移動機21の認証を行う。
フェムトセル基地局1と移動機21の認証が成功した場合、ステップS102において、HSS11は、移動機21の在圏情報を在圏・離圏管理AS12に送信する。在圏情報には、フェムトセル基地局1の識別情報と移動機21の識別情報が含まれている。
ステップS111において、在圏・離圏管理AS12は、HSS11から送信されてきた在圏情報を受信する。
ステップS112において、在圏・離圏管理AS12は、タイマにより所定の時間の計測を開始する。
あらかじめ設定されている所定の時間が経過した場合、ステップS113において、在圏・離圏管理AS12は、HSS11から送信されてきた在圏情報をエリアワンセグメント放送管理AS13に送信する。
ステップS121において、エリアワンセグメント放送管理AS13は、在圏・離圏管理AS12から送信されてきた在圏情報を受信する。
ステップS122において、エリアワンセグメント放送管理AS13は、フェムトセル基地局1がエリアワンセグメント放送に使っているチャネルを指定する情報を含むチャネル誘導メールを作成する。
ステップS123において、エリアワンセグメント放送管理AS13はチャネル誘導メールを送信する。エリアワンセグメント放送管理AS13から送信されたチャネル誘導メールは、ネットワーク5、ブロードバンド回線4、モデム3、およびLANケーブル2を介してフェムトセル基地局1に到達する。
ステップS144において、フェムトセル基地局1は、エリアワンセグメント放送管理AS13から送信されてきたチャネル誘導メールを受信し、無線通信を介して移動機21に送信する。
ステップS152において、移動機21は、フェムトセル基地局1から送信されてきたチャネル誘導メールを受信する。
ステップS153において、移動機21はチャネル誘導メールの内容を表示する。
移動機21に設けられる決定ボタンを押すなどの所定の操作がユーザにより行われた場合、ステップS154において、移動機21は、ワンセグメント放送の受信を管理するアプリケーションを起動し、指定されるチャネルの受信を開始する。
移動機21の画面には広告動画コンテンツの映像が表示される。データ放送の内容を表示する画面に画面表示を切り替える操作が行われた場合、移動機21の画面には、クーポン配信サイト管理AS201のURLなどが表示される。
クーポン配信サイト管理AS201にアクセスすることが指示された場合、ステップS155において、移動機21は、フェムトセル基地局1を経由してクーポン配信サイト管理AS201にアクセスする。
ステップS131において、クーポン配信サイト管理AS201は、移動機21のアクセスを受け、ステップS132に進み、移動機21のユーザの来店回数を計算する。
ステップS133において、クーポン配信サイト管理AS201は、計算した来店回数に応じたクーポン画像を送信する(ダウンロードさせる)。エリアワンセグメント放送管理AS13から送信されたクーポン画像は、ネットワーク5、ブロードバンド回線4、モデム3、およびLANケーブル2を介してフェムトセル基地局1に到達する。
ステップS145において、フェムトセル基地局1は、クーポン配信サイト管理AS201から送信されてきたクーポン画像を受信し、無線通信を介して移動機21に送信する。
ステップS156において、移動機21は、フェムトセル基地局1から送信されてきたクーポン画像を受信し、ステップS157に進み、クーポン画像を表示する。
以上の処理により、来店回数に応じたクーポン画像を移動機21に提供することができる。
[各装置の構成例]
ここで、図11の各装置の構成について説明する。重複する説明については適宜省略する。
図11のフェムトセル基地局1も、図4,5に示す構成と同じ構成を有している。
提供部51(図5)は、クーポン配信サイト管理AS201から送信され、ネットワーク通信部31により受信されたクーポン画像を取得する。提供部51は、取得したクーポン画像を無線通信部33に出力し、無線通信によって移動機21に送信する。
コンテンツ再生部52は、フェムトセル基地局1に装着された図示せぬメモリカードに記録されている広告動画コンテンツを再生し、放送制御部53に出力する。また、コンテンツ再生部52は、データ放送によって提供するクーポン配信サイト管理AS201のURLを含む情報をメモリカードから読み出し、放送制御部53に出力する。
放送制御部53は、エリアワンセグメント放送部35を制御し、所定のチャネルを使って、広告動画コンテンツとクーポン配信サイト管理AS201のURLを含む情報を放送する。
図11の移動機21は、図6に示す構成と同じハードウエア構成を有している。
無線通信部62は、フェムトセル基地局1から送信されてきたクーポン画像を受信し、制御部63に出力する。
ワンセグメント放送受信部67は、所定のチャネルを受信し、広告動画コンテンツとクーポン配信サイト管理AS201のURLを含む情報を制御部63に出力する。
図14は、図11の移動機21の機能構成例を示すブロック図である。
移動機21においては、上述したチャネル誘導メール受信部71、表示制御部72、およびチャネル制御部73に加えて、クーポン画像取得部211が実現される。
ワンセグメント放送受信部67により受信された広告動画コンテンツは表示制御部72に供給され、クーポン配信サイト管理AS201のURLを含む、データ放送によって提供された情報は表示制御部72とクーポン画像取得部211に供給される。
表示制御部72は、ワンセグメント放送受信部67から供給された情報に基づいて、広告動画コンテンツを表示部66に表示させる。
また、表示制御部72は、データ放送の内容を表示することが指示された場合、ワンセグメント放送受信部67から供給された情報に基づいて、クーポン配信サイト管理AS201のURLを含む情報を表示させる。
クーポン画像取得部211は、クーポン配信サイト管理AS201にアクセスすることがユーザにより指示された場合、無線通信部62による無線通信を介してクーポン配信サイト管理AS201にアクセスする。
クーポン画像取得部211は、アクセスすることに応じてクーポン配信サイト管理AS201から送信され、フェムトセル基地局1を経由して送信されてきたクーポン画像を受信し、取得する。クーポン画像取得部211は、取得したクーポン画像を表示制御部72に出力し、表示部66に表示させる。
図11のHSS11、在圏・離圏管理AS12、エリアワンセグメント放送管理AS13、およびクーポン配信サイト管理AS201は、図8に示す構成と同じハードウエア構成を有している。
図15は、HSS11、在圏・離圏管理AS12、エリアワンセグメント放送管理AS13、およびクーポン配信サイト管理AS201の機能構成例を示すブロック図である。
所定のプログラムが各装置のCPU81(図8)により実行されることによって、図15に示すように、HSS11においては在圏検出部101が実現され、在圏・離圏管理AS12においては在圏管理部111が実現される。エリアワンセグメント放送管理AS13においてはチャネル管理部121、チャネル誘導メール作成部122、およびチャネル誘導メール送信部124が実現され、クーポン配信サイト管理AS201においては来店回数記憶部221、来店回数計算部222、クーポン画像管理部223、およびクーポン画像送信部224が実現される。
HSS11の在圏検出部101は、移動機21がフェムトセルFに在圏したことを検出する。在圏検出部101は、フェムトセルFに移動機21が在圏していることを表す在圏情報を在圏・離圏管理AS12に送信する。
在圏・離圏管理AS12の在圏管理部111は、HSS11から送信されてきた在圏情報に基づいて、移動機21が在圏しているセルに関する情報を記憶する。在圏管理部111は、移動機21の在圏状況を表す在圏状況情報をエリアワンセグメント放送管理AS13に送信する。
エリアワンセグメント放送管理AS13のチャネル管理部121は、フェムトセル基地局1を含む各フェムトセル基地局がエリアワンセグメント放送に使うチャネルの番号を管理する。例えば、チャネル管理部121は、フェムトセル基地局の識別情報と対応付けて、各フェムトセル基地局が広告動画コンテンツなどの提供に使っているエリアワンセグメント放送のチャネル番号の情報を記憶している。
チャネル誘導メール作成部122は、移動機21の在圏状況情報が在圏・離圏管理AS12から送信されてきた場合、チャネル管理部121により管理されている情報に基づいて、フェムトセル基地局1が使っているエリアワンセグメント放送のチャネルを指定する情報を含むチャネル誘導メールを作成する。
また、チャネル誘導メール作成部122は、チャネル誘導メールの送信先として、移動機21のメールアドレスや電話番号を設定する。チャネル誘導メール作成部122には、移動機21のメールアドレスや電話番号などの情報があらかじめ登録されている。上述したように、HSS11に登録されている移動機21のメールアドレスや電話番号などの情報がチャネル誘導メールの作成に用いられるようにしてもよい。
チャネル誘導メール作成部122は、作成したチャネル誘導メールをチャネル誘導メール送信部124に出力する。
チャネル誘導メール送信部124は、チャネル誘導メール作成部122から供給されたチャネル誘導メールを、送信先として指定された移動機21に送信する。
クーポン配信サイト管理AS201の来店回数記憶部221は、移動機の識別情報とアクセス回数の情報を対応付けて記憶し、各店舗の客毎の来店回数を管理する。
来店回数計算部222は、移動機21からのアクセスを受けた場合、移動機21の識別情報と対応付けて管理されている来店回数を来店回数記憶部221から読み出し、読み出した回数に1を加えることによって、移動機21のユーザの現在の来店回数を計算する。来店回数計算部222は、計算した来店回数の情報をクーポン画像管理部223に出力するとともに、来店回数記憶部221に記憶されている情報を更新する。
クーポン画像管理部223は、クーポン画像と来店回数の関係を表す情報を記憶する。
図16は、クーポン画像管理部223により管理される情報の例を示す図である。
図16には、「001」、「002」、「003」、「004」のIDで識別されるフェムトセル基地局が提供するクーポン画像と来店回数の関係を示している。
例えば、「001」のIDで識別されるフェムトセル基地局が設置されている店舗に来店した客には画像#11乃至#14が提供される。
画像#11は、「001」のIDで識別されるフェムトセル基地局が設置されている店舗への来店回数が1回である客用のクーポン画像であり、画像#12は、来店回数が2〜5回である客用のクーポン画像とされている。
同様に、画像#13は、来店回数が6〜10回である客用のクーポン画像とされ、画像#14は、来店回数が11回以上である客用のクーポン画像とされている。
「002」、「003」、「004」のIDで識別されるフェムトセル基地局が設置されている店舗に来店した客に提供するクーポン画像についても、同様にして管理されている。
図15の説明に戻り、クーポン画像管理部223は、あるユーザの来店回数の情報が来店回数計算部222から供給された場合、そのユーザが来店した店舗において提供されるクーポン画像の中から、来店回数に応じたクーポン画像を選択する。
クーポン画像管理部223は、選択したクーポン画像を、送信先とする移動機21の情報とともにクーポン画像送信部224に出力する。
クーポン画像送信部224は、クーポン画像管理部223から供給されたクーポン画像を移動機21に送信する。
<第3の実施の形態>
以上においては、来店回数の管理やチャネル誘導メールの作成がコアネットワーク側のアプリケーションサーバにより行われるものとしたが、それらの機能をフェムトセル基地局1に持たせることも可能である。
[フェムトセル基地局の構成例]
図17は、来店回数を管理する機能とチャネル誘導メールを作成する機能を有するフェムトセル基地局1の機能構成例を示すブロック図である。
図17に示す構成のうち、図5の構成と同じ構成には同じ符号を付してある。なお、フェムトセル基地局1のハードウエア構成は図4に示す構成と同じである。
図17に示すように、フェムトセル基地局1の制御部32においては、提供部51、コンテンツ再生部52、放送制御部53、在圏検出部301、来店回数計算部302、来店回数記憶部303、チャネル誘導メール作成部304、およびチャネル管理部305が実現される。
来店回数計算部302は、来店回数管理AS14が有する図9の来店回数計算部132に対応し、来店回数記憶部303は来店回数記憶部131に対応する。チャネル誘導メール作成部304は、図9のエリアワンセグメント放送管理AS13が有するチャネル誘導メール作成部122に対応し、チャネル管理部305はチャネル管理部121に対応する。
図17のフェムトセル基地局1においては、フェムトセルFに在圏した回数に応じた動画コンテンツが、エリアワンセグメント放送によって提供される。
提供部51は、無線通信部33を制御し、チャネル誘導メール作成部304から供給されたチャネル誘導メールを移動機21に送信する。
コンテンツ再生部52は、複数のコンテンツをそれぞれ再生し、再生したコンテンツを放送制御部53に出力する。
放送制御部53は、エリアワンセグメント放送部35を制御し、複数のチャネルを使って、チャネル毎に異なるコンテンツを放送する。
在圏検出部301は、移動機21がフェムトセルFに在圏したことを検出する。例えば、位置登録の要求が移動機21から送信され、無線通信部33において受信されたことに応じて移動機21が在圏したことが検出される。在圏検出部301は、在圏を検出した移動機21の識別情報を来店回数計算部302に出力する。
来店回数計算部302は、移動機21のユーザのこれまでの来店回数を来店回数記憶部303から読み出し、読み出した回数に1を加えることによって移動機21のユーザの現在の来店回数を計算する。また、来店回数計算部302は、計算した来店回数の情報をチャネル誘導メール作成部304に出力するとともに、来店回数記憶部303に記憶されている情報を更新する。
来店回数記憶部303は、フェムトセルFに在圏したそれぞれの移動機の識別情報と来店回数の情報を対応付けて記憶し、フェムトセル基地局1が設置されている店舗の客毎の来店回数を管理する。この例においても、移動機の在圏回数が来店回数として扱われている。
チャネル誘導メール作成部304は、チャネル管理部305により管理されている情報に基づいて、移動機21のユーザの来店回数に応じたチャネルを指定する情報を含むチャネル誘導メールを作成する。
また、チャネル誘導メール作成部304は、チャネル誘導メールの送信先として、あらかじめ登録されている移動機21の電子メールアドレスや電話番号を設定する。チャネル誘導メール作成部122は、作成したチャネル誘導メールを提供部51に出力する。
チャネル管理部305は、エリアワンセグメント放送に使うチャネルの番号と来店回数の関係を表す情報を対応付けて記憶する。
[フェムトセル基地局の動作]
図18のフローチャートを参照して、図17の構成を有するフェムトセル基地局1の処理について説明する。
この処理は、例えば、フェムトセル基地局1の電源がオンにされ、エリアワンセグメント放送を開始することが管理者により指示されたときに開始される。フェムトセル基地局1の筐体には、そのような指示を行うときに操作されるボタンなども設けられている。
ステップS301において、放送制御部53は、エリアワンセグメント放送部35を制御してエリアワンセグメント放送を開始する。複数のチャネルを使って、チャネル毎に異なるコンテンツの提供が開始される。
ステップS302において、在圏検出部301は、フェムトセルFに移動機が在圏したか否かを判定し、在圏したと判定するまで待機する。
例えば、移動機21がフェムトセルFに在圏したことによって、フェムトセルFに移動機が在圏したとステップS302において判定された場合、ステップS303において、来店回数計算部302は、移動機21のユーザの来店回数を計算する。
ステップS304において、チャネル誘導メール作成部304は、来店回数に応じたコンテンツの放送が行われているチャネルを指定する情報を含むチャネル誘導メールを作成する。
ステップS305において、提供部51は、無線通信部33を制御し、チャネル誘導メールを移動機21に送信する。その後、ステップS302に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
以上の処理によっても、来店回数に応じた動画コンテンツを、エリアワンセグメント放送を使って提供することができる。
図18の例においては、来店回数に応じたコンテンツ(動画コンテンツ)をエリアワンセグメント放送を使って提供するものとしたが、フェムトセルFを使い、無線通信を介して提供するようにしてもよい。この場合、提供するコンテンツは動画コンテンツに限られず、上述したようなクーポン画像であってもよい。
<変形例>
以上においては、チャネル誘導メールにはワンセグメント放送の受信を管理するアプリケーションを起動させるコマンドと、受信するチャネルを指定する情報が含まれるものとしたが、アプリケーションを起動させ、所定のチャネルを受信させる方法はチャネル誘導メールを用いた方法に限られない。
例えば、常時起動しているアプリケーションであるウィジェットが移動機にインストールされている場合、そのウィジェットに対して、フェムトセル基地局1から受信チャネルが通知されるようにしてもよい。そのような通知を受信した場合、移動機の画面には、所定のチャネルでエリアワンセグメント放送が行われていることを通知する情報がウィジェットにより表示される。
ユーザは、その表示を確認してウィジェットを選択し、ワンセグメント放送の受信を管理するアプリケーションを起動させ、通知されたチャネルの受信を開始させる。
また、移動機によるエリアワンセグメント放送の受信をEメールやSMSにより制御するのではなく、SIPのクライアント機能が移動機に搭載されている場合、SIPの制御コマンドをエリアワンセグメント放送管理AS13などから移動機に対して送信することによって制御するようにしてもよい。
フェムトセル基地局1に替えて、「ピコセル」、「マイクロセル」と呼ばれる小型セルを形成する基地局が設けられ、その基地局により、以上のようにしてコンテンツが提供されるようにしてもよい。小型基地局は、フェムトセル、ピコセル、マイクロセル等の小型セルを形成する基地局である。
本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。