JP2011076334A - プラントの診断方法及び診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラントの異常事象を正確に把握でき、トラブルを未然に防止することができるプラントの診断方法及び診断装置を提供する。
【解決手段】プラントの各種センサ11で測定された複数の運転データに基づいて、診断装置21によりプラントの劣化を診断するプラントの診断装置において、制御コントローラ・データ収集手段14で収集された運転データから選択された複数の運転データが入力されるプラント診断装置21を備え、プラント診断装置21は、複数の運転データに対するしきい値がそれぞれ設定されており、複数の運転データとこれらの運転データに対応する前記しきい値とをそれぞれ比較して、運転データがしきい値を超える場合にその運転データを異常予兆有りと判定する異常予兆判定手段23と、前記異常予兆有りと判定された運転データが2以上存在するとき、異常予兆有りと判定された運転データの組み合わせに基づいて異常が発生した部位を特定する異常部位特定手段24とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プラントの運転データに基づいてプラントの異常事象を診断するプラントの診断方法及び診断装置に関する。
従来、発電所や機械設備などのプラントにおいて、プラントの各種運転データに基づいて遠隔からプラントを監視、診断する方法が種々提案、実用化されている。これは、プラントの各部位に設置されたセンサにより運転データを収集し、この運転データに基づいて、プラントの制御室にいる運転員がプラントの各種データを直接監視したり、またはこれらの短期から長期的傾向を示すトレンドデータを分析することで実施されている。
図6に従来のプラント診断装置100の一例を示す。プラント診断装置100は、プラントの各機器に設置された各種センサ106の計測値が入力される制御コントローラ・データ収集装置101を備える。制御コントローラ・データ収集装置101は、各種センサ106の計測値を収集し、必要に応じてこれらの運転データを分析する。収集された運転データ又は分析データは、データ管理装置103に蓄積されるとともに、オペレーションシステム102を介してプラント運転員又は保守管理者104に提示される。プラント運転員又は保守管理者104は、監視マニュアル105を用いて、運転データ又は分析データに基づきプラントの異常事象の予測又は発生を見出し、これに応じてプラントの各種アクチュエータ107を制御していた。
また、特許文献1(特開2003−122429号公報)には、発電プラントの化学管理において、プラントの化学管理に関するデータを収集し、プラント異常事象により変動が予想される化学パラメータを予測し、データの変動を検知する基準値により化学パラメータの変動を検知して予兆診断マトリックスファイルを作成し、プラントデータの変動検知結果ファイル及び予兆診断マトリックスファイルとから所定の評価基準に従ってプラントの異常事象を診断するようにしたプラント異常事象診断装置が開示されている。
特開2003−122429号公報
しかしながら、従来のプラント診断装置では、異常事象の判断がプラント運転員又は保守管理者の技量にゆだねられている部分が大きく、その熟練度によって判断が異なることがあった。
特許文献1等のように運転データに基づき異常の兆候を判断することは異常診断に有効な方法であるが、運転データが大きく変動したり、運転データが正常運転範囲から大幅に外れる場合には異常の兆候を検出しやすいが、長期間にわたって徐々にデータ値の変動が生じる場合や、複合的な運転データでしか異常予兆を判断できない場合には、異常の兆候を見落としてしまう可能性があった。
上記の問題が顕在化すると、本来、未然に防止することができたプラント効率の低下やトラブル発生を防止することができず、経済的な損失をこうむる。
したがって、本発明はかかる従来技術の問題に鑑み、プラントの異常事象を正確に把握でき、トラブルを未然に防止することができるプラントの診断方法及び診断装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係るプラントの診断方法は、プラントの各部位の運転状況を示す複数の運転データに基づいて、診断装置により前記プラントの劣化を診断するプラントの診断方法において、前記診断装置には、前記複数の運転データに対するしきい値がそれぞれ設定されており、前記診断装置により前記複数の運転データとこれらの運転データに対応する前記しきい値とをそれぞれ比較して、前記運転データが前記しきい値を超える場合にその運転データを異常予兆有りと判定する異常予兆判定工程と、前記異常予兆有りと判定された前記運転データが2以上存在するとき、前記異常予兆有りと判定された前記運転データの組み合わせに基づいて前記診断装置により異常が発生した部位を特定する異常部位特定工程とを備えることを特徴とする。
このように、複数の運転データをしきい値と比較し、しきい値を超える運転データが2以上存在するときに、これらの運転データの組み合わせに基づいて異常が発生した部位を特定することにより、単一の運転データのみでは判断できなかった各部位の異常を早期に把握することが可能となる。また、運転データをしきい値と比較して異常を判断することにより、定量的に異常を判断することができるため、技術者の熟練度に関わらず正確に異常を検出することが可能である。
なお、各部位の異常とは、機器の劣化及び性能低下を含み、さらには異常を示唆する異常予兆を含むものである。また、各部位とは、プラントが備える各装置又は各設備、及び各装置又は各設備が有する各機器を含む。
プラントとは、付加価値を生み出す機能を発揮するために組み合わされた複数の装置又は設備からなる複合体である。プラントの例としては、火力発電プラント、原子力発電プラント、石油化学プラント、石油精製プラント、ごみ処理プラント等が挙げられる。前記装置又は設備とは、配管や電気系統等の機器を含み、一つ以上の機能を発揮するものである。
また、前記診断装置には、前記複数の運転データのうち2以上の前記運転データをパラメータとした監視式と、前記監視式で計算された計算値に対するしきい値とがそれぞれ複数設定されており、前記異常予兆判定工程にて、前記監視式により得られた複数の前記計算値と前記計算値に対応する前記しきい値と比較して、前記計算値が前記しきい値を超える場合にその計算値を異常予兆有りと判定し、前記異常部位特定工程にて、前記異常予兆有りと判定された前記計算値が2以上存在するとき、前記異常予兆有りと判定された前記計算値の組み合わせに基づいて前記診断装置により異常が発生した部位を特定する異常部位特定工程とを備えることが好ましい。
このように、2以上の運転データをパラメータとした監視式により得られた計算値としきい値とを比較し、しきい値を超える計算値が2以上存在するときに、これらの計算値の組み合わせに基づいて異常が発生した部位を特定することにより、従来では検出し難かった部位の異常を確実に検出することが可能となる。特に、各機器の運転データを複合的に用いて異常を検出することにより、各装置又は各設備の異常を検出することも可能となる。
さらに、前記異常部位特定工程で異常が発生した部位を特定した後、前記特定した部位の劣化状況を含む診断情報を出力手段で出力することが好ましい。
このように、診断情報を出力することにより、メンテナンスや部品交換等において診断情報を指標とすることができる。
また、本発明に係るプラントの診断方法は、プラントの劣化を診断するプラントの診断装置において、前記プラントの各部位の運転データを計測する複数の計測器と、前記複数の計測器で計測された前記運転データを収集するデータ収集手段と、前記データ収集手段から選択された複数の前記運転データが入力される診断装置とを備え、前記診断装置は、前記複数の運転データに対するしきい値がそれぞれ設定されており、前記データ収集手段より入力された前記複数の運転データとこれらの運転データに対応する前記しきい値とをそれぞれ比較して、前記運転データが前記しきい値を超える場合にその運転データを異常予兆有りと判定する異常予兆判定手段と、前記異常予兆有りと判定された前記運転データが2以上存在するとき、前記異常予兆有りと判定された前記運転データの組み合わせに基づいて異常が発生した部位を特定する異常部位特定手段とを備えることを特徴とする。
このように、データ収集手段で収集された大量の運転データから必要な運転データのみを選択して診断装置に入力することにより、診断装置による演算処理を効率よく行なえ、処理の短縮化が図れる。
また、複数の運転データをしきい値と比較し、しきい値を超える運転データが2以上存在するときに、これらの運転データの組み合わせに基づいて異常が発生した部位を特定することにより、単一の運転データのみでは判断できなかった各部位の異常を早期に把握することが可能となる。また、運転データをしきい値と比較して異常を判断することにより、定量的に異常を判断することができるため、技術者の熟練度に関わらず正確に異常を検出することが可能である。
また、前記診断装置は、前記データ収集手段より入力された前記複数の運転データのうち2以上の前記運転データをパラメータとした監視式と、前記監視式で計算された計算値に対するしきい値とがそれぞれ複数設定されており、前記異常予兆判定手段は、前記監視式により得られた複数の前記計算値と前記計算値に対応する前記しきい値と比較して、前記計算値が前記しきい値を超える場合にその計算値を異常予兆有りと判定する手段であり、前記異常部位特定手段は、前記異常予兆有りと判定された前記計算値が2以上存在するとき、前記異常予兆有りと判定された前記計算値の組み合わせに基づいて異常が発生した部位を特定する手段であることが好ましい。
このように、2以上の運転データをパラメータとした監視式により得られた計算値としきい値とを比較し、しきい値を超える計算値が2以上存在するときに、これらの計算値の組み合わせに基づいて異常が発生した部位を特定することにより、従来では検出し難かった部位の異常を確実に検出することが可能となる。特に、各機器の運転データを複合的に用いて異常を検出することにより、各装置又は各設備の異常を検出することも可能となる。
さらに、前記異常部位特定手段で特性された部位の劣化状況を含む診断情報を出力する出力手段を備えることが好ましい。
このように、診断情報を出力することにより、メンテナンスや部品交換等において診断情報を指標とすることができる。
さらにまた、前記データ収集手段で収集された前記運転データが通信回線を介して前記診断装置に入力されることが好ましく、これによりプラントから遠隔地に設置された診断装置にてプラントの劣化状況を把握することが可能となる。また、本発明ではデータ収集手段で収集された大量の運転データから必要な運転データのみを選択して診断装置に入力するようにしているため、必要最小限のデータ送受信にとどめることができ通信回線の負荷を低く抑えることができる。
以上記載のように本発明によれば、複数の運転データをしきい値と比較し、しきい値を超える運転データが2以上存在するときに、これらの運転データの組み合わせに基づいて異常が発生した部位を特定することにより、単一の運転データのみでは判断できなかった各部位の異常を早期に把握することが可能となる。また、運転データをしきい値と比較して異常を判断することにより、定量的に異常を判断することができるため、技術者の熟練度に関わらず正確に異常を検出することが可能である。
本発明の実施形態に係るプラント診断装置の全体構成図である。 運転データに対するしきい値を説明する図である。 異常予兆を特定するための表である。 図3とは別の異常予兆を特定するための表である。 本発明の実施形態に係るプラント診断方法のフローチャートである。 従来のプラント診断装置の全体構成図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施形態に係るプラント診断装置の全体構成図である。
本発明の診断対象となるプラントが設置されるプラント現地10には、プラント監視装置13が設置されている。プラント監視装置13は、プラント(図示略)の各部位に設けられた各種センサ11からの計測値が入力される制御コントローラ・データ収集手段14と、制御コントローラ・データ収集手段14の入力機能やメモリ管理機能等を有するオペレーションシステム15と、制御コントローラ・データ収集手段15で収集された運転データ又はこれを分析した分析データを管理するデータ管理手段16と、制御コントローラ・データ収集手段15で収集された運転データを送信する送信手段17を備えている。また、制御コントローラ・データ収集手段14で収集された運転データ又はこれを分析した分析データに基づいて各種アクチュエータ12が制御されるようになっている。
なお、プラントとは、付加価値を生み出す機能を発揮するために組み合わされた複数の装置又は設備からなる複合体である。プラントの例としては、火力発電プラント、原子力発電プラント、石油化学プラント、石油精製プラント、ごみ処理プラント等が挙げられる。前記装置又は設備とは、配管や電気系統等の機器を含み、一つ以上の機能を発揮するものである。
各種センサ11は、プラントの装置又は設備に設置されて、運転状況を計測する。例えば、ダンパの開度、配管を流れる水の流量又は温度、装置内の圧力、モータの電流等を計測する。各種センサ11と制御コントローラ・データ収集手段14は、電気配線で接続されており、各種センサ11で計測された計測値が制御コントローラ・データ収集手段14に直接入力されることが好ましい
制御コントローラ・データ収集手段14は、CPUからなる演算部と、各種演算処理を実現するソフトウェアのプログラムを記録した記憶媒体(図示略)とを備え、必要に応じて、記憶媒体に格納されたプログラムを演算部が読み出し、このプログラムを実行することによって各種演算処理が実現されるようになっている。
制御コントローラ・データ収集手段14では、各種センサ11から収集した運転データから、後述するプラント診断装置21で必要とされる運転データのみを選択し、送信手段17を介して送信するようになっている。
プラント現地10の外部に設けられたプラント診断拠点20には、プラント診断装置21が設置されている。プラント診断装置21は、主に、各種演算処理を行う演算手段22と、演算手段22で演算された診断結果が格納される診断データベース(診断DB)25と、演算手段22で演算された診断結果を出力する出力手段26と、制御コントローラ・データ収集手段14から送信された運転データを受信する受信手段27とを備える。演算手段22は、CPUからなる演算部と、以下に示す異常予兆判定手段23、異常部位特定手段24の機能を実現するソフトウェアのプログラムを記録した記憶媒体(図示略)とを備え、必要に応じて、記憶媒体に格納されたプログラムを演算部が読み出し、このプログラムを実行することによって各機能が実現されるようになっている。
受信手段27は、制御コントローラ・データ収集手段14で収集された運転データを、通信回線30を介して受信する。すなわち、プラント診断装置21における運転データの入力手段である。通信回線30は、インターネット等の公衆回線又は専用回線を含む。
なお、ここでは運転データが通信回線30を介してプラント診断装置21に入力される構成としたが、これに限定されるものではなく、記録媒体を介して入力されるようにしてもよいし、作業員により直接運転データが入力されるようにしてもよい。
演算手段22は、異常予兆判定手段23と異常部位特定手段24とを備えている。
また、演算手段22には、複数の運転データに対応したしきい値がそれぞれ設定されている。例えば、図2に示すように、運転に最も適した基準値に対して上限又は下限の少なくとも一方からなるしきい値が設定されている。図2では上限しきい値と下限しきい値の両方が設定された場合を示している。また、しきい値は、運転負荷に対応して設定されていることが好ましい。
異常予兆判定手段23は、受信装置27で受信した運転データと、この運転データに対応したしきい値とを比較し、運転データがしきい値を超える場合にはこの運転データが異常予兆有りと判定する。
異常部位特定手段24は、異常予兆判定手段23で異常予兆有りと判定された運転データが2以上存在するとき、異常予兆有りと判定された運転データの組み合わせに基づいて異常が発生した部位を特定する。
例えば、異常部位特定手段24は図3に示すような表を有している。図3の表において、○○部位の異常予兆を行なうときは、データ1とデータ2とデータXとの組み合わせによって行なう。同様に、××部位の異常予兆を行なうときは、データ2とデータXとデータYによって行なう。このように、各部位において、異常予兆を行なうのに必要な運転データが予め複数設定されている。なお、不要なデータの欄には横線を引いている。
各運転データに対して、図2に示すグラフを用いてしきい値を超えるか否かを判定し、しきい値を超える場合には該当する欄に×が入力される。運転データがしきい値を超えておらず、許容範囲以内の場合には該当する欄に○が入力される。
各部位において、異常予兆を行なうのに必要な運転データが全て×で埋められたとき、この部位は異常の予兆があると判定する。
このように、複数の運転データをしきい値と比較し、しきい値を超える運転データが2以上存在するときに、これらの運転データの組み合わせに基づいて異常が発生した部位を特定することにより、単一の運転データのみでは判断できなかった各部位の異常を早期に把握することが可能となる。また、運転データをしきい値と比較して異常を判断することにより、定量的に異常を判断することができるため、技術者の熟練度に関わらず正確に異常を検出することが可能である。
また、異常部位を特定する別の方法として、2以上の運転データをパラメータとした監視式と、この監視式で計算された計算値に対するしきい値とを用いて異常部位を特定するようにしてもよい。
監視式は、例えば下記式のように設定される。
監視式=[データ1]×([データX]−[データY])/2
この監視式の計算値に対してしきい値を設定する。例えば、計算値のしきい値を2.0とした場合、計算値が0〜2.0であるときは正常と判定し、計算値が2.0を超えるときは異常予兆有りと判定する。
図4に示す表において、監視式1の計算値がしきい値を超える場合には×が入力され、許容範囲内である場合には○が入力される。図3と同様に、各部位において、異常予兆を行なうのに必要な監視式が予め複数設定されている。異常予兆を行なうのに必要な監視式が全て×で埋められたとき、この部位は異常の予兆があると判定する。
このように、2以上の運転データをパラメータとした監視式により得られた計算値としきい値とを比較し、しきい値を超える計算値が2以上存在するときに、これらの計算値の組み合わせに基づいて異常が発生した部位を特定することにより、従来では検出し難かった部位の異常を確実に検出することが可能となる。特に、各機器の運転データを複合的に用いて異常を検出することにより、各装置又は各設備の異常を検出することも可能となる。
次に、図5を参照して、本発明の実施形態に係るプラント診断方法を説明する。
まず、プラント現地10において、各種センサ11で計測された運転データを制御コントローラ・データ収集手段14にて収集する(S1)。一例として、ボイラ本体と、エアヒータ、通風ファン、スーツブロア、原料粉砕ミル等のボイラ補機と、ガスタービン本体と、蒸気タービン本体と、給水ポンプ、循環水ポンプ、復水器等の水系統装置と、集塵装置、脱硫装置、脱硝装置等の排煙処理装置とを有する火力発電プラントの異常や長期劣化を診断する場合は、それぞれの機器に設置されたセンサ11により計測された運転データを制御コントローラ・データ収集手段14にて収集する。
制御コントローラ・データ収集手段14では、これらの運転データをデータ管理手段16に格納するとともに、オペレーションシステム15を介して運転者に提示する。また、制御コントローラ・データ収集手段14は、プラント診断装置21でプラントの異常診断に必要とされる複数の運転データを選択し、送信手段17により送信する。
プラント診断拠点20では、プラント診断装置21の受信手段27にて、送信手段17で送信された複数の運転データを、通信回線30を介して受信し、演算手段22に入力する(S2)。演算手段22の異常予兆判定手段23にて、複数の運転データと、図2に示すようにこれらの運転データに対応したしきい値とをそれぞれ比較し(S3)、運転データがしきい値を超えるか否かを判断し(S4)、しきい値を超える運転データを異常予兆有りと判定する。
異常予兆有りと判定された運転データが存在しないとき、又はその運転データが2未満であるときは、診断DB25に、異常予兆無しの診断情報を格納し(S5)、出力手段26により診断情報を出力する(S6)。
異常予兆有りと判定された運転データが2以上存在するとき、図3又は図4に示すように、異常予兆有りと判定されたデータの組み合わせに基づいて異常部位を特定する(S7)。そして、診断DB25に、異常部位とその状況を含む診断情報を格納し(S8)、出力手段26により診断情報を出力する(S9)。例えば、上記した火力発電プラントの場合、原料粉砕ミルで計測される運転データは、ダンパ開度、一次空気流量、一次空気温度、一次空気圧力、下部室圧力、上部室圧力、外郭温度、主モータ電流、回転分離器速度等であり、これらのうち一次空気圧力、外郭温度、主モータ電流、回転分離器速度の4項目において異常予兆有りと判定された場合に、異常部位が原料粉砕ミルのある特定部位に発生したと診断し、この診断情報を出力する。なお、診断に用いられる運転データは、プラント内に配置された異なる2以上の装置又は設備(例えば、ボイラ本体と水系統装置など)から得られる運転データであってもよい。火力発電プラントを診断対象とした場合、複数の運転データを用いて診断することにより、例えばプラント全体の発電効率、ボイラ効率、タービン効率、又は排煙処理効率等の性能を診断することができる。
このように本実施形態によれば、複数の運転データをしきい値と比較し、しきい値を超える運転データが2以上存在するときに、これらの運転データの組み合わせに基づいて異常が発生した部位を特定することにより、単一の運転データのみでは判断できなかった各部位の異常を早期に把握することが可能となる。また、運転データをしきい値と比較して異常を判断することにより、定量的に異常を判断することができるため、技術者の熟練度に関わらず正確に異常を検出することが可能である。
10 プラント現地
11 各種センサ
12 各種アクチュエータ
13 プラント監視装置
14 制御コントローラ・データ収集手段
15 データ管理手段
16 オペレーションシステム
17 受信手段
20 プラント診断拠点
21 プラント診断装置
22 演算手段
23 異常予兆判定手段
24 異常部位特定手段
25 診断データベース(診断DB)
26 出力手段
27 受信手段

Claims (7)

  1. プラントの各部位の運転状況を示す複数の運転データに基づいて、診断装置により前記プラントの劣化を診断するプラントの診断方法において、
    前記診断装置には、前記複数の運転データに対するしきい値がそれぞれ設定されており、
    前記診断装置により前記複数の運転データとこれらの運転データに対応する前記しきい値とをそれぞれ比較して、前記運転データが前記しきい値を超える場合にその運転データを異常予兆有りと判定する異常予兆判定工程と、
    前記異常予兆有りと判定された前記運転データが2以上存在するとき、前記異常予兆有りと判定された前記運転データの組み合わせに基づいて前記診断装置により異常が発生した部位を特定する異常部位特定工程とを備えることを特徴とするプラントの診断方法。
  2. 前記診断装置には、前記複数の運転データのうち2以上の前記運転データをパラメータとした監視式と、前記監視式で計算された計算値に対するしきい値とがそれぞれ複数設定されており、
    前記異常予兆判定工程にて、前記監視式により得られた複数の前記計算値と前記計算値に対応する前記しきい値と比較して、前記計算値が前記しきい値を超える場合にその計算値を異常予兆有りと判定し、
    前記異常部位特定工程にて、前記異常予兆有りと判定された前記計算値が2以上存在するとき、前記異常予兆有りと判定された前記計算値の組み合わせに基づいて前記診断装置により異常が発生した部位を特定する異常部位特定工程とを備えることを特徴とするプラントの診断方法。
  3. 前記異常部位特定工程で異常が発生した部位を特定した後、前記特定した部位の劣化状況を含む診断情報を出力手段で出力することを特徴とする請求項1又は2に記載のプラントの診断方法。
  4. プラントの劣化を診断するプラントの診断装置において、
    前記プラントの各部位の運転データを計測する複数の計測器と、
    前記複数の計測器で計測された前記運転データを収集するデータ収集手段と、
    前記データ収集手段から選択された複数の前記運転データが入力される診断装置とを備え、
    前記診断装置は、
    前記複数の運転データに対するしきい値がそれぞれ設定されており、
    前記データ収集手段より入力された前記複数の運転データとこれらの運転データに対応する前記しきい値とをそれぞれ比較して、前記運転データが前記しきい値を超える場合にその運転データを異常予兆有りと判定する異常予兆判定手段と、
    前記異常予兆有りと判定された前記運転データが2以上存在するとき、前記異常予兆有りと判定された前記運転データの組み合わせに基づいて異常が発生した部位を特定する異常部位特定手段とを備えることを特徴とするプラントの診断装置。
  5. 前記診断装置は、
    前記データ収集手段より入力された前記複数の運転データのうち2以上の前記運転データをパラメータとした監視式と、前記監視式で計算された計算値に対するしきい値とがそれぞれ複数設定されており、
    前記異常予兆判定手段は、前記監視式により得られた複数の前記計算値と前記計算値に対応する前記しきい値と比較して、前記計算値が前記しきい値を超える場合にその計算値を異常予兆有りと判定する手段であり、
    前記異常部位特定手段は、前記異常予兆有りと判定された前記計算値が2以上存在するとき、前記異常予兆有りと判定された前記計算値の組み合わせに基づいて異常が発生した部位を特定する手段であることを特徴とする請求項4記載のプラントの診断装置。
  6. 前記異常部位特定手段で特性された部位の劣化状況を含む診断情報を出力する出力手段を備えることを特徴とする請求項4又は5に記載のプラントの診断装置。
  7. 前記データ収集手段で収集された前記運転データが通信回線を介して前記診断装置に入力されることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載のプラントの診断装置。
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