JP2011075551A - セラミックシートの検査方法およびセラミックシートの製造方法 - Google Patents

セラミックシートの検査方法およびセラミックシートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、セラミックシートの自動的な検査にも適用できるものであり、大量のセラミックシートから反りなどの欠陥を効率良く且つ正確に検出するための方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係るセラミックシート(但し、固体酸化物形燃料電池の固体電解質膜用セラミックシートを除く)の検査方法は、当該セラミックシートの反りを三角測距式変位センサーで検出する工程;および、次に、セラミックシートの表面および内部に存在する欠陥を透過型光電センサーで検出する工程を含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、セラミックシートを検査するための方法、およびセラミックシートを製造するための方法に関するものである。
セラミックシートは、優れた機械的強度、電気絶縁性、靭性、耐摩耗性、耐薬品性、耐食性などを有することから、各種電子材料、各種構造材料、刃物、焼成用のセッターなどに利用されている。その中で、アルミナを主体とするセラミックシートは優れた電気絶縁性を有することから厚膜印刷基板や薄膜回路基板として、窒化アルミニウムを主体とするセラミックシートは優れた熱伝導性と絶縁性を有することからパワーモジュール向け放熱・絶縁基板や回路基板として、さらにまた、ジルコニアを主体とするセラミックシートは高い酸素イオン伝導性を有することから固体酸化物形燃料電池の固体電解質膜として活用されている。
セラミックシートを電子基板として利用する場合、基板上に導体回路を形成したり電子素子を搭載したりするので、基板となるセラミックシートに反りやウネリがあったり、また、キズなどの表面欠陥があると、導体回路や電子素子の実装が困難になるという不具合が生じる。
固体酸化物形燃料電池の固体電解質膜として利用する場合、セラミックシートは発電時における高温に断続的に曝されることになる。また、セラミックシート上には電極が形成されるが、卑金属を含む電極は、酸化時と還元時で体積が変化する。さらに、固体酸化物形燃料電池では、セラミックシートや電極を含むセルが直列に積層されているため、セラミックシートには大きな荷重がかかる。その結果、セラミックシートに反りやウネリなど厚さ方向の変形があったり、また、キズや欠けなどの表面欠陥、気泡などの内部欠陥があると、そこが起点となって容易に破損することになる。上述したように、固体酸化物形燃料電池ではセルが直列に積層されているので、一つのセラミックシートが破損するだけでも発電量が大きく低下することになる。よって、欠陥の無いセラミックシートを得ることは、非常に重要である。
セラミックシートに限らず、様々なシートの欠陥を検出する技術としては、これまでにも様々なものが開発されている。
例えば特許文献1には、セラミックシートの前駆体であるグリーンシートに第一照明光を照射して表面からの反射光を検出し、次いで第二照明光を照射して透過光を検出し、グリーンシートの表面と内部の微小欠陥を検出する装置や方法が記載されている。しかしながら、セラミックシートにとり非常に重要な欠陥の一つである反りを検出する手段は開示されていない。
また、特許文献2には、半導体デバイスなどに用いられる基板の結晶成長面と反対側の面の反りを分光干渉式変位計やレーザーフォーカス式のレーザー変位計を用いて測定する方法が記載されている。しかし当該技術は、平滑なセラミックシートの場合には有効であるが、Raが0.1μm以上のセラミックシートでは誤差が大きくなり、正確な測定が困難になるという問題がある。例えば、特許文献2で反りが測定されている窒化ガドリニウム基板は、そのRaが42nmや50nmと極めて平滑なものである。
特開平4−216904号公報 特開2007−248452号公報
上述したように、シートの欠陥を検出するための技術としては様々なものが開発されている。しかし、例えば既に実用化されている電子回路基板や、実用化が進みつつある固体酸化物形燃料電池では、より信頼性を高めるために、大量のセラミックシートに発現する様々な種類の欠陥を、より効率的かつより正確に検査できる方法が求められている。
特に、固体酸化物形燃料電池の固体電解質膜として利用するセラミックシートの場合は、シート全体にわたる反りやシートの端部に発生する反りとウネリが強度に大きく関係するので、その検査が重要となっている。
そこで本発明は、セラミックシートの自動的な検査にも適用できるものであり、大量のセラミックシートから反りなどの欠陥を効率良く且つ正確に検出するための方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、例えば特許文献1にはグリーンシートの欠陥としてシワ、スジ、フクレ、ヘコミ、ひび割れ、ブローホールが挙げられているものの、当該文献の技術では、少なくともシートの一辺に及ぶような広い範囲の反りを正確かつ効率的に検出できないことが分かった。
電子回路基板や放熱基板として利用されるセラミックシートでは、わずかでも反りが存在すると精密な回路形成が困難となり、また、反り欠陥部分が起点となって断線や絶縁性の低下につながる。
また、固体酸化物形燃料電池の固体電解質膜として利用されるセラミックシートでは、わずかでも反りが存在すると、発電時における荷重や温度変化による負荷が集中し、そこが起点となって破損につながる。よって、電極形成などのためにRaが0.1〜3μmに表面粗化されている中で、高さが十数μm以下といった僅かな反りも検出しなければならない。しかし特許文献1の技術のように反射光量を測定する方法では、シワや突起など比較的微小な表面欠陥の検出には優れているが、シート全体が変形する反りであって非常にわずかなものは、反射光量の変化も少ないために検出が難しい。
さらに、セラミックシートに反りという比較的広範囲の変形が存在する場合、表面や内部に存在する欠陥を正確に検出することができず、正確な検査を行うには検査速度を落とさざるを得ないことが分かった。その理由としては、セラミックシートに反りが存在すると、表面や内部の欠陥を検出するために光学センサーから発した光がかかる変形の影響を受けることが考えられる。
そこで本発明者らは、先ず三角測距式変位センサーで反りを検出した後に、光学センサーで表面と内部の欠陥を検出すれば、検査速度を速めてもセラミックシートを正確に検査でき、検査の自動化も可能であることを見出して、本発明を完成した。
本発明に係るセラミックシート(但し、固体酸化物形燃料電池の固体電解質膜用セラミックシートを除く)の検査方法は、当該セラミックシートの反りを三角測距式変位センサーで検出する工程(以下、「第一欠陥検出工程」という場合がある);および、次に、セラミックシートの表面および内部に存在する欠陥を透過型光電センサーで検出する工程(以下、「第二欠陥検出工程」という場合がある)を含むことを特徴とする。
固体酸化物形燃料電池の固体電解質膜用セラミックシートとしては、具体的にはジルコニア系シート、セリア系シートまたはランタンガレート系シートを挙げることができ、また、検査対象であるセラミックシートとしては、具体的にはアルミナ系シートまたは窒化アルミニウム系シートを挙げることができる。
本発明方法では、さらに、セラミックシートの反りを検出する工程の後、反りが検出された不良セラミックシートを除去する工程を行ってから、表面および/または内部に存在する欠陥を検出する工程を行うことが好ましい。反りを有する欠陥セラミックシートを除去すれば、第二欠陥検出工程でセラミックシートの表面および/または内部に存在する欠陥を見逃すことなく正確に検出できると共に、セラミックシートの検査枚数が減るので、より効率的に検査を行うことができる。
本発明方法の反りを検出する工程、並びに/または、表面および内部に存在する欠陥を検出する工程においては、セラミックシートを平面方向に90°回転させて同様に検査することが好ましい。センサーの指向性により、欠陥の方向によっては見逃されるおそれがある。しかし、1回目の検査の後に90°回転させて同様の検査を行えば、方向による欠陥の見逃しを有効に防止することが可能になる。
本発明方法のセラミックシートの反りを検出する工程においては、三角測距式変位センサーを複数個用いることが好ましい。三角測距式変位センサーで利用される光はスポット光であり、広い範囲を一度に検査できるものではないが、三角測距式変位センサーを複数個用いることにより、比較的広い範囲の欠陥である反りを隈なく効率的に検出できるようになる。
表面および内部に存在する欠陥を検出する工程においては、セラミックシートの表面および裏面の両方から検査を行うことが好ましい。かかる態様により、表面および内部に存在する欠陥をより正確に検出できる。
本発明方法においては、三角測距式変位センサーとして、LED三角測距式変位センサーおよびレーザー三角測距式変位センサーの両方を用いることが好ましい。LED三角測距式変位センサーは安価であり、比較的大きな反りの検出に優れる。一方、レーザー三角測距式変位センサーは、シートの端部や比較的小さな反りも検出できる。これらの利点を組合わせることにより、より効率的で正確な測定が可能になる。
透過型光電センサーとしては、透過型CCDラインセンサーと透過型レーザーセンサーの両方を用いることがより好ましい。透過型レーザーセンサーでは直進性と干渉性に優れるレーザーが用いられるので、表面のクラックなどを正確に検出できる。一方、透過型CCDラインセンサーは、拡散性に優れた光源を用いるので、異物などの内部欠陥や欠けなどの外形欠陥などの広範囲な検出に威力を発揮する。これらの利点を組合わせることにより、より効率的で正確な測定が可能になる。
上記本発明に係る検査方法は、セラミックシートの平面方向の長さに対して、30mm/秒以上、300mm/秒以下の速度で行うことが好ましい。従来方法では、検査速度を上げると正確な検査ができなかったが、本発明方法によれば、上記速度を30mm/秒以上としても十分正確に検査できる。一方、本発明方法によっても、上記速度が300mm/秒を超えると正確な検査ができない場合も生じ得るので、上記速度としては300mm/秒以下が好適である。
本発明に係るセラミックシート(但し、固体酸化物形燃料電池の固体電解質膜用セラミックシートを除く)の製造方法は、セラミック粉末(但し、固体酸化物形燃料電池の固体電解質膜用セラミック材料からなる粉末を除く)、溶媒およびバインダーを含むスラリー原料を混合してスラリーを調製する工程;得られたスラリーをフィルム上に塗工する工程;フィルム上に塗工されたスラリーを乾燥してグリーンシートとする工程;グリーンシートを焼成する工程;および、得られたセラミックシートを上記本発明方法で検査する工程を含むことを特徴とする。
本発明によれば、セラミックシートの反りに加え、表面と内部に存在する欠陥を効率良く且つ正確に検査することができるので、大量のセラミックシートの検査を自動的に実施することも可能になる。また、当該検査方法を適用すれば、セラミックシートのより効率的な製造が可能になる。よって本発明方法は、放熱・絶縁基板や回路基板、固体酸化物形燃料電池の電解質膜などに利用できるセラミックシートの検査に適用でき得るものとして、産業上非常に有用である。
本発明に係るセラミックシートの検査方法の第一欠陥検出工程で検出すべきシート厚さ方向の欠陥である「反り」の一例を示す模式図である。 本発明に係るセラミックシートの検査方法の第一欠陥検出工程で検出すべきシート厚さ方向の欠陥である「反り」の一例を示す模式図である。 本発明に係るセラミックシートの検査方法の第一欠陥検出工程で検出すべきシート厚さ方向の欠陥である「反り」の一例を示す模式図である。 三角測距式変位センサーによるセラミックシートの反りを検出する原理を説明するための図である。 光学センサーによるセラミックシートの表面および/または内部に存在する欠陥を検出する原理を説明するための図である。 本発明に係るセラミックシートの検査方法を実施するための装置の概略図である。当該装置では、計三種のセンサーが用いられている。 本発明に係るセラミックシートの検査方法を実施するための装置の概略図である。当該装置では、計四種のセンサーが用いられている。 シート反り欠陥の無いスカンジア安定化ジルコニアシートの断面を三角測距式変位センサーで測定した結果を示す図である。 シート反り欠陥を有するスカンジア安定化ジルコニアシートの断面を三角測距式変位センサーで測定した結果を示す図である。 シート表面に付着した糸くず状ホコリの一例を示す拡大写真である。 シート表面に一時的に付着したホコリを除去する方法の一例を示す図である。
本発明方法の検査対象であるセラミックシートは、固体酸化物形燃料電池の固体電解質膜用セラミックシート以外のセラミックシートである。但し、本発明方法は、固体酸化物形燃料電池の固体電解質膜用セラミックシートの検査にも適用することができる。また、検査対象であるセラミックシートの大きさなどは特に制限されない。検査対象であるセラミックシートは、以下のとおり作製することができる。
(1) スラリー調製工程
先ず、セラミック粉末、溶媒およびバインダーを含むスラリー原料を混合してスラリーを調製する。
セラミックシートの主要素材となるセラミック粉末としては、アルミナ系粉末、チタニア系粉末、マグネシア系粉末、窒化アルミニウム系粉末、ホウ珪酸ガラス系粉末、コージェライト系粉末、ムライト系粉末、およびこれら二種以上からなる複合粉末などを挙げることができる。また、セラミック粉末として、ジルコニア系粉末、セリア系粉末、ランタンガレート系粉末を用いることも可能である。
回路を形成したり電子素子を搭載するための電子基板用セラミックシートの素材として特に好ましいのはアルミナ系粉末であり、放熱・絶縁基板として特に好ましいのは窒化アルミニウム系粉末である。アルミナ系粉末としては、アルミナのみ、並びに、MgO、CaO、SrO、BaOなどアルカリ土類金属の酸化物、Y23、La23、CeO2など希土類元素の酸化物、Y23、La23、CeO2など希土類元素の酸化物で安定化されたジルコニア、焼結時にガラス質を形成し易いSiO2、K2O、B23などの酸化物、Na23−SiO2−MgO系ガラスなどのガラス成分などを一種または二種以上含むアルミナ系セラミックからなる粉末が挙げられる。窒化アルミニウム系粉末としては、窒化アルミニウムのみ、並びに、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属の酸化物、Y23、La23、CeO2など希土類元素の酸化物などを一種または二種以上含む窒化アルミニウム系セラミックからなる粉末が挙げられる。
固体酸化物形燃料電池の電解質膜用セラミックシートの主要素材となるセラミック粉末としては、ジルコニア系粉末、セリア系粉末、ランタンガレート系粉末、およびこれら二種以上からなる複合粉末などを挙げることができる。
ジルコニア系粉末としては、例えば、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属の酸化物、Sc23、Y23、La23、CeO2、Pr23、Nd23、Sm23、Eu23、Gd23、Tb23、Dy23、Ho23、Er23、Yb23など希土類元素の酸化物、Bi23、In23などその他の金属の酸化物などが一種または二種以上、安定化剤として固溶しているジルコニアからなる粉末、さらに、Al23、TiO2、Ta25、Nb25などが分散強化剤として添加された複合ジルコニアからなる粉末などを例示することができる。上記の中でも、より高度な熱的特性、機械的特性、化学的特性および酸素イオン導電特性を有するジルコニア系粉末として、スカンジア、イットリア、セリアから選択される少なくとも一種の酸化物で安定化されたものであり、結晶構造が正方晶の部分安定化ジルコニアや立方晶の完全安定化ジルコニアからなる粉末がさらに好ましく、4〜12モル%のスカンジア、8〜11モル%のスカンジアと0.5〜2モル%のセリア、または3〜10モル%のイットリアで安定化されたジルコニアからなる粉末が特に好ましい。
セリア系粉末としては、例えば、Y、Sm、Gd、Nd、Pr、Sc、Ga、Alからなる群より選択される一種または二種以上の金属にドープされたセリア、より具体的には、Ce1-xx2-y(式中、MはY、Sm、Gd、Nd、Pr、Sc、Ga、Alからなる群より選択される一種または二種以上の金属を示し;0.05≦x≦0.4であり且つ0≦y<0.5である)で表されるセリア系材料からなる粉末を挙げることができる。セリア系粉末としては、特にY、Smおよび/またはGdに10〜30モル%ドープされたセリア系材料、即ち、上記式においてMがY、Smおよび/またはGdであり且つ0.10≦x≦0.30であるセリア系材料からなる粉末が好ましく、Smおよび/またはGdに15〜25モル%ドープされたセリア系材料、即ち、上記式においてMがSmおよび/またはGdであり且つ0.15≦x≦0.25であるセリア系材料からなる粉末がより好ましい。なお、上記式におけるyの値は、ドーパントであるM23の量や酸素分圧に依存する。即ち、Mの価数は2価であることもあるが通常は3価であり、その酸化物の化学式はM23となるので、ドーパント量が増えるほどyの値は小さくなる。また、Ceの価数は酸素分圧などの影響により2価または3価となるので、セリア中にはCeO2とCeO1.5が混在する。よって、yの値は一義的に定まるものではない。しかしこのことは、当業者にとり技術常識である。
ランタンガレート系粉末としては、LaGaO3ペロブスカイトを基本構造とし、そのLaやGaの一部が、Sr、Ca、Ba、Mg、In、Co、Fe、Ni、Cuなどで置換された、La1-xSrxGa1-yMgy3-δ、La1-xSrxGa1-yMgyCoz3-δ、La1-xSrxGa1-yFey3-δ、La1-xSrxGa1-yNiy3-δ(式中、0<x≦0.2、0<y≦0.2、0<z≦0.1であり;δは酸素欠損量を示す)で表されるランタンガレート系材料からなる粉末が、高い酸素イオン伝導性を示すことから好ましい。
スラリー用の溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−ヘキサノールなどのアルコール;変性アルコール;アセトン、2−ブタノン、メチルエチルケトンなどのケトン;ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステルなどを挙げることができる。これら溶媒は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。溶媒の使用量は、スラリーをシート状に成形する際において、その粘度が成形に適したものとなるように調整することが好ましい。
スラリーに添加するバインダーの種類に制限はなく、公知の有機バインダーを適宜選択して使用できる。バインダーとしては、例えば、エチレン系共重合体、スチレン系共重合体、アクリレート系共重合体、メタクリレート系共重合体、酢酸ビニル系共重合体、マレイン酸系共重合体、ビニルブチラール系樹脂、ビニルアセタール系樹脂、ビニルホルマール系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、ワックス類、エチルセルロースなどのセルロース類が挙げられる。
スラリーには、上記セラミック粉末、溶媒およびバインダーの他、必要に応じて可塑剤や分散剤などを添加してもよい。可塑剤としては、例えば、フタル酸ジブチルやフタル酸ジオクチルなどのフタル酸エステル類;プロピレングリコールなどのグリコール類;グリコールエーテル類;ポリエチレングリコール誘導体などが挙げられる。分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸やポリアクリル酸アンモニウムなどの高分子電解質;クエン酸や酒石酸などの有機酸;イソブチレンまたはスチレンと無水マレイン酸との共重合体;当該重合体のアンモニウム塩やアミン塩;ブタジエンと無水マレイン酸との共重合体およびそのアンモニウム塩;グリセリンやソルビタンなどのポリアルコールのエステル;ポリエーテルやポリアルコール;アミンなどを挙げることができる。
本発明のスラリー調製工程では、上記各成分を適量混合することによりスラリーとする。その際、セラミック粉末の解砕や各成分の均一混合のため、ボールミルやビーズミルなどを使用してミリングしてもよい。混合するに当たっては、各成分の添加の順序は特に制限されない。
(2) スラリー塗工工程と乾燥工程
次に、上記スラリーをフィルム上に塗工した後に乾燥し、グリーンシートとする。
塗工方法は特に制限されず、ドクターブレード法や押出成形法などを用いることができるが、ドクターブレード法が好適である。
乾燥条件は特に制限されず、使用した溶媒などに応じて適宜調整すればよい。また、作製すべきグリーンシートの厚さは、目的とするセラミックシートの厚さに応じて調整すればよいが、通常、50μm以上、1000μm以下程度とすることができる。
得られたグリーンシートは、切断用金型やトムソン刃などを用いた任意の方法により、円形、楕円形、正方形などの角形、Rを有する角形など、所望の形状に切断してもよい。また、円形、楕円形、正方形などの角形、Rを有する角形などの穴を一つまたは二つ以上形成してもよい。また、必要に応じて、グリーンシートの表面を、Raで0.1μm以上、3μm以下程度に粗化してもよい。
(3) 焼成工程
次に、得られたグリーンシートを焼成することにより、脱脂および焼結してセラミックシートとする。具体的な焼成条件は特に制限されず、常法によればよい。
例えば、グリーンシートからバインダーや可塑剤などの有機成分を除去するために、150℃以上、600℃以下程度、より好ましくは250℃以上、500℃以下程度で5時間以上、80時間以下程度加熱することにより脱脂する。次いで、1300℃以上、1800℃以下程度、より好ましくは1300℃以上、1600℃以下程度で2時間以上、10時間以下程度保持し、焼結することによりセラミックシートを得る。特に、アルミナ系グリーンシートは、空気雰囲気下、1500℃以上、1600℃以下程度で焼成し、窒化アルミニウム系グリーンシートは、窒素/水素雰囲気などの非酸化雰囲気下、1550℃以上、1700℃以下程度で焼成し、ジルコニア系グリーンシートは、空気雰囲気下、1350℃以上、1500℃以下程度で焼成することが好ましい。
本発明に係るアルミナ系シートと窒化アルミニウム系シートは、それぞれ上記スラリー調製工程で用いたアルミナ系粉末および窒化アルミニウム系粉末を材料とするものである。また、ジルコニア系シート、セリア系シートおよびランタンガレート系シートは、それぞれ上記スラリー調製工程で用いたジルコニア系粉末、セリア系粉末およびランタンガレート系粉末を材料とするものである。
上記工程を経て作製されたセラミックシートの形状は特に制限されず、例えば、円形、楕円形、正方形などの角形、Rを有する角形などのいずれでもよく、また、シート内に、円形、楕円形、正方形などの角形、Rを有する角形などの穴を一つまたは二つ以上有するものであってもよい。
セラミックシートの平面面積は、例えば1cm2以上、1000cm2以下とすることができ、30cm2以上、800cm2以下がより好ましく、50cm2以上、600cm2以下がさらに好ましい。なお、上記平面面積とは、シート内に穴が形成されている場合は、穴の面積を含む総面積を意味するものとする。
セラミックシートの厚さも特に制限されないが、例えば30μm以上、800μm以下とすることができ、50μm以上、700μm以下がより好ましく、100μm以上、650μm以下がさらに好ましい。特に、アルミナ系セラミックシートおよび窒化アルミニウム系セラミックシートの厚さとしては200μm以上、800μm以下が好ましく、300μm以上、635μm以下がより好ましい。ジルコニア系セラミックシートの厚さとしては50μm以上、500μm以下が好ましく、100μm以上、300μm以下がより好ましい。
セラミックシートの表面粗さも特に制限されないが、その表面に導体回路や電極を形成して用いる場合には、それらに対する接着性を高めるために、その表面粗度をRaで0.1μm以上、3μm以下とすることが好ましく、0.3μm以上、2μm以下とすることがより好ましく、0.5μm以上、1.5μm以下とすることがさらに好ましい。
なお、このように表面が粗化されたシートにおける欠陥の検出は非常に難しいが、本発明方法によれば、かかる表面粗化シートの反りや表面欠陥も効率的かつ正確に検出することができる。
本発明方法で検査されたセラミックシートの用途も、特に制限されない。例えば、回路基板や放熱基板など電子素子を搭載するためのセラミック基板や、平板状固体酸化物形燃料電池の電解質膜用のセラミックシートを本発明方法により検査することができる。
特に本発明に係る検査方法は、レーザー光が透過し易いアルミナ系セラミックと窒化アルミニウム系セラミックからなるシートの検査に適している。また、ジルコニア系セラミックからなるシートの検査にも適している。
以下、本発明に係る検査方法を実施の順番に従って説明する。
(4) 反りを検出する工程(第一欠陥検出工程)
本発明方法では、先ず、セラミックシートの反りを三角測距式変位センサーで検出する。
本工程で検出すべきセラミックシートの反りとは、セラミックグリーンシートの焼成により発生する、少なくともシートの一辺に及ぶ比較的広範囲の厚さ方向の反りである。かかる反りとしては、例えば、シート全面に発生する反り(図1)、シートの周縁から約3mm幅で発生するシート端面部の反り(図2)、山部または谷部が1箇所以上存在する反り(図3,いわゆる隆起やウネリ)がある。その他、同時に検出できるシート厚方向の欠陥としては、例えば、突起や歪みなど、シートの高さが変わるものであるが比較的微小な変形が挙げられる。これら厚さ方向の変形はセラミックシートの強度を低下させるが、特に反りは、セラミックシートの強度に大きくかかわり、ある程度の高さを超えると使用時にシート破壊が起こる可能性が高くなるので、特に重要な検出項目である。また、反りは、透過光を用いた光学センサーによる表面や内部の欠陥の検出に悪影響を与え、正確な欠陥検出を阻害するので、第二欠陥検出工程よりも先に検出する。
シートの厚さ方向の欠陥を検出できる変位センサーとしては、渦電流式、光学式、超音波式の非接触型変位センサーと、ダイヤルゲージを用いた差動トランスを用いた接触式変位センサーとがある。これらのうち、渦電流式変位センサーは精度は高いものの応答速度が遅く、超音波式変位センサーは応答速度が遅い。また、接触式変位センサーは、やはり応答速度が遅いという問題がある。従って本発明方法では、高精度であり、応答速度が速く、小面積箇所の測定に適し、且つ測定範囲が広い非接触型の光学式変位センサーを好適に選択する。さらに、光学式変位センサーには、分光干渉式、共焦点式、三角測距式、レーザーフォーカス式のものがあるが、高精度であり、小面積箇所の測定に適し、セラミックシートの検査への適性を有し、測定範囲が広く、特に反りなど厚さ方向の欠陥の検出能に優れることから、本発明方法では三角測距式変位センサーを最も好適に用いる。
三角測距式変位センサーは、例えば、投光器、受光器、受光信号を画像処理するコントロールユニット、コントロールユニットからの画像信号を欠陥ビューとして処理する画像処理コンピュータなどから構成される。三角測距式変位センサーは、投光器からセラミックシートへ光を照射してその反射光を受光器で検出し、三角測量法によりセラミックシートの高さ方向の変位を検出し、厚さ方向の変形を検出するものである。
三角測距式変位センサーの原理を図4により説明する。図4のとおり、投光器2から発せられる光の角度は決まっている。また、受光器3では、セラミックシートからの反射光が受光レンズにより一次元の位置検出素子上に集光される。セラミックシートにおける照射光の反射位置が変化すれば、位置検出素子上の結像位置が異なり、位置検出素子の出力バランスが変化するので、変化前と変化後における出力をそれぞれA、Bとすると、A/(A+B)が演算され、適当なスパン係数kとオフセットCにより変位量=[A×k/(A+B)+C]を求めることができる。かかる結果より、受けた反射光の角度を測定することができ、さらに受光器3における受光位置と投光器2との距離と角度は計算できる。よって、一辺とその両端の角が決まるため、セラミックシート1への照射光の照射位置、即ちセラミックシートの高さを測定することができる。
例えば、被検対象であるセラミックシートをサーボスライダーに載せて自動的に変形を検出する場合、図4(1)から図4(2)へセラミックシートがベルトコンベアにより移動し、照射光が端部の反り部分に照射されると、受光器3で測定される反射光の角度が変化する。かかる角度から、三角測量法により、上記と同様にセラミックシート1への照射光の照射位置、即ちセラミックシートの高さを測定することができる。
本発明で用いる三角測距式変位センサーとしては、セラミックシートの反りを検出するという目的に適したものとして、650nm以上、720nm以下程度の範囲の波長光を光源とする光学式のものを好適に用いる。
光学式の三角測距式変位センサーとしては、例えば、波長が700nm程度の赤色可視光を発するLEDを利用するLED三角測距式変位センサーや、波長が670nm程度の赤色可視光のレーザー光を利用するレーザー三角測距式変位センサーを挙げることができる。
LED三角測距式変位センサーは、その分解能が1μm以下のものであれば、シート100mmに対して11μm以上、より好ましくは30μm以上、さらに好ましくは40μm以上の反りを有効に検出できる。また、突起や凹みは、その直径が15μm以上、より好ましくは30μm以上、さらに好ましくは40μm以上、特に好ましくは50μm以上であれば、十分に検出できる。
一方、端部における反りは、その他の変形よりも微小であるため、分解能が0.1μm以下であり、ビーム径を絞ることができ、5μm程度の微小変位も正確に測定することもできるレーザー三角測距式変位センサーにより検出することが好ましい。レーザー三角測距式変位センサーであれば、シート100mmに対して5μm以上、より好ましくは20μm以上、さらに好ましくは30μm以上の高さの変形であれば有効に検出できる。
上記のとおり、通常の変形はLED三角測距式変位センサーで、端部における反りはレーザー三角測距式変位センサーで有効に検出できるので、これら三角測距式変位センサーの両方を用いれば、厚さ方向の変形を特に良好に検出できる。この場合、LED三角測距式変位センサーによる検査とレーザー三角測距式変位センサーによる検査は、どちらを先に行ってもよい。
なお、三角測距式変位センサーは、その原理上、使用される光はスポット光であるので、比較的広い範囲の欠陥である反りを検出するには、センサーを複数個用い、反りを隈なく効率的に検出できるようにすることが好ましい。
(5) 反りを有するシートの除去工程
本工程では、上記第一欠陥検出工程で反りが検出されたセラミックシートを除去する。
本工程は任意の工程であり、第一欠陥検出工程で反りが検出されたセラミックシートは除去せずに、第二欠陥検出工程を行ってもよい。しかしその場合、反りにより第二欠陥検出工程を正確に実施できない場合があり得る。また、欠陥を有するセラミックシートを再度検査することになり効率的でない。そこで本工程を行えば、第二欠陥検出工程に付すセラミックシートの検査枚数が減るので、正確な検査をより効率的に行うことが可能になる。
反りが検出されたセラミックシートの除去は、手作業で行ってもよい。しかし、より効率的な検査のためには、三角測距式変位センサーと連動した除去装置を設け、不良シートを自動的に除去することがより好ましい。
(6) 表面異物の除去工程
特に後述する第二欠陥検出工程においては、微小な糸くず、毛髪、ダンボールの微小紙片、クッション材の微小破片などのホコリ、サビ、毛髪などのホコリが検査画像に黒く写りこみ、この黒く写った部分が、実際のクラックや異物等と同じ欠陥として捉えられる場合があり得る。例えば、図10は糸くず状ホコリが付着したシートの拡大写真であるが、このようにホコリは黒く写される場合がある。その結果、これら異物は洗浄などにより容易に除去可能であるにもかかわらず、本来は合格となるべきシートが不合格とされ、本発明の検査方法の信頼性を損なう場合があり得る。よって、検査作業室内をクラス1万程度以下の環境にすることも好ましいが、第二欠陥検出工程の前にシート表面の異物を除去する工程を行うことが好ましい。
シート表面の異物の除去手段としては、例えば、クリーンブラシでシート表面を清浄するシステム、図11に示すようなクリーンロール21間に検査用セラミックシート11を接触通過させて当該シート片面もしくは両面に付着したホコリを除去するシステム、さらに前記クリーンロールに付着したホコリを粘着ロール22で除去してクリーンロールを常に清浄に保たせながら該シート片面もしくは両面を清浄するシステムなどがある。
上記のとおり、シート表面異物の除去工程は、後述する第二欠陥検出工程の前に行うことが好ましいが、第一欠陥検出工程の前に行うことが好ましく、さらに両工程の前でそれぞれ行うことも好ましい。特に、最初に三角測距式変位センサーで欠陥を検査する第一欠陥検出工程前において、検査用シートを通過させるローラーコンベアやサーボスライダーに配置することが好ましい。
(7) 表面および/または内部の欠陥の検出工程(第二欠陥検出工程)
本発明方法では、少なくとも第一欠陥検出工程の後、セラミックシートに対する照射光量と透過光の量との差から欠陥を検出する光学センサーにより、セラミックシートの表面および/または内部に存在する欠陥を検出する。
本工程で検出すべき表面に存在する欠陥としては、例えば、欠け、付着物、凹み、キズ、ヒビなどがある。内部に存在する欠陥としては、異物や気泡などがある。これら欠陥は、セラミックシートの強度を低下させる他、アルミナ系セラミックシートの場合では電気絶縁性や誘電率を低下させ、また、窒化アルミニウム系セラミックシートの場合では熱伝導性などの特性を貶める。さらに、ジルコニア系セラミックシートの場合では、酸素イオン伝導性などの特性を貶める原因となる。
欠けはシート端面の欠損であり、他の物体との衝突や焼成時の熱収縮などによる剥がれが原因であると考えられる。付着物としては様々のものが考えられるが、例えば、グリーンシートの切断や打抜きなどにより発生した切屑や、鉄などの遷移金属やその酸化物がある。切屑は白色斑点として発現し、金属などは茶色や黒色の斑点として表れる。凹みはシート表面にできた窪みであり、円形や楕円形など幅を有する。キズは、シート表面の比較的細長いスジ状の窪みであり、一般的に、シートの乾燥時、焼成時、焼結時において、前駆体であるグリーンシートやその脱脂体がセッターやスペーサーと接触しながら収縮することにより生じる。異物は、上記付着物以外の、外部から混入したホコリ、サビ、毛髪などであり、前述した表面異物の除去工程によっても除去できないものをいう。ヒビは、シートの乾燥時、焼成時、焼結時に生じる割れであり、形状としてはスジ状や点状となる。気泡は、スラリー中の脱気不足により内部に内包された空気が存在する空間である。
本工程で用いる光学センサーは、少なくとも投光器と受光器を有し、セラミックシートに対する照射光量と透過光の量との差から欠陥を検出するものである。その原理を図5により説明する。図5のとおり、光学センサーの投光器2’からセラミックシート1’へ光を照射し、その透過光の量を受光器3’で測定するが、照射光の経路上に欠陥が存在すると、光はその位置で散乱する。その結果、透過光の量を測定する場合には、欠陥が無いときに比べて測定光量が低下することになる。但し、透過光の量を測定する場合、異物が存在すると透過光が遮断される一方で、深いキズや凹みが存在すると透過距離が減少するため透過光はかえって増加する。よって、光学センサーは、測定光量によりセラミックシートの表面および/または内部における欠陥の有無を判断することができる。
本工程で用いる光学センサーとしては、LEDを光源とするものや、レーザーを光源とするものがある。一般的に、LEDを光源とする光学センサーは分解能が高く、例えば青色光を用いることにより検出し難い茶色の付着物や異物を検出することができる。レーザーを光源とする光学センサーは、例えばレーザー光を幅方向に照射することにより、広い範囲を効率的に検査できる。
LEDを光源とする光学センサーとしては、透過型CCDラインセンサーを挙げることができる。透過型CCDラインセンサーとしては、例えば、420nm以上、470nm以下の範囲の波長、より好ましくは波長が450nm程度の青色のLEDを光源とし、その透過光をCCDカメラで受光し、その光量を測定できるものを用いることができる。CCD(Charge Coupled Device)カメラは、受けた光の強弱を電気信号に変換する半導体素子であるフォトダイオードで構成されるカメラであり、14μm以上の大きさの欠陥であれば検出することができる。付着物や異物としては、直径が200μm以下、より好ましくは170μm以下のものを好適に検出でき、欠けとしては、平面面積が0.025mm2以上、2.25mm2以下、より好ましくは0.0625mm2以上、1.0mm2以下のものを好適に検出できる。付着物や異物の色は黒色や茶色であり、茶色の付着物は波長が650nm以上、700nm以下程度の通常の赤色光では検出し難いが、420nm以上、470nm以下程度の青色光により効率良く検出できる。シート内部に存在する異物の検出漏れを抑制するために、セラミックシートの一方の面を測定後、シートを反転させて他方の面から再度測定することが好ましい。
レーザーを光源とする光学センサーとしては、例えば、波長660nm程度の赤色可視光など650nm以上、780nm以下程度の範囲の波長のレーザー光を光源とし、セラミックシートを透過した光を光電子倍増管で受光できるものを用いることができる。より具体的には、レーザー投光器、受光器、受光信号を画像処理するコントロールユニット、コントロールユニットからの画像信号を欠陥ビューとして処理する画像処理コンピュータなどから構成される。付着物や異物としては、直径が15μm以上、より好ましくは30μm以上、さらに好ましくは40μm以上、特に好ましくは50μm以上のものを、付着物としてはその高さが11μm以上、より好ましくは30μm以上、さらに好ましくは40μm以上、特に好ましくは50μm以上のものを、欠けとしては11μm以上のものを好適に測定できる。ヒビとしては、長さが11μm以上、より好ましくは30μm以上、さらに好ましくは40μm以上、特に好ましくは50μm以上のものを好適に測定できる。気泡としては、直径が15μm以上、より好ましくは30μm以上、さらに好ましくは50μm以上、特に好ましくは100μm以上のものを好適に測定できる。透過型CCDラインセンサーを用いる場合と同様に、透過型レーザーセンサーの場合でも、シート内部に存在する異物の検出漏れを抑制するために、セラミックシートの一方の面を測定後、シートを反転させて他方の面から再度測定することが好ましい。例えば、セラミックシートの一方の面を透過型CCDラインセンサーと透過型レーザーセンサーで連続的に検査した後、セラミックシートを反転させ、他方の面を再び透過型CCDラインセンサーと透過型レーザーセンサーで連続的に検査する態様は特に好ましい。
第一欠陥検出工程および第二欠陥検出工程を通じ、本発明方法によれば、セラミックシートの平面方向の長さに対して30mm/秒以上の速度でも正確な検査が可能である。一方、本発明方法でも速度が速すぎると正確な検査ができない場合があり得るので、当該速度は300mm/秒以下とすることが好ましい。
セラミックシートの欠陥検査は、シートの一端から始めて多端まで行うことを要する。そのためには、シートを固定して検出装置を移動させてもよいし、検出装置を固定してシートを移動させてもよい。
通常、セラミックシートの検査は一軸(X軸)方向で足りるが、シートの形状によって、或いはシート端面部における正確な検査のために、二軸(X軸、Y軸)方向の検査も必要となり得る。特に、第一欠陥検出工程においてレーザー三角測距式変位センサーを用いる場合には、一方の平面方向で検査した後にシートを平面方向に90°回転させてY軸方向も検査することが好ましい。例えば、キズなど細長い欠陥は、その方向によっては検出し難い場合があるが、90°回転させて同様の検査を行うことにより、かかる欠陥も漏れなく検出することが可能になる。
以下、上記で説明した本発明に係るセラミックシートの検査方法を実施するための具体例を説明する。
図6は、三角測距式変位センサーと、透過型光電センサーとして透過型CCDラインセンサーおよび透過型レーザーセンサーを用いてセラミックシートを検査した例の模式図である。
被検対象であるセラミックシート11は、サーボスライダーHにより搬送され、三角測距式変位センサーAにより反りの有無の検査を受けた後、ローラーコンベアーJにより搬送される。合格・不良セラミックシート分別部Eに到達すると、三角測距式変位センサーAにより所定の高さ以上の反りが検出されたセラミックシートは不良セラミックシート収納部Fへ搬送され、所定の高さ以上の反りが検出されなかったセラミックシートは、さらに透過型レーザーセンサーBで検査を受ける。透過型レーザーセンサーBでの検査後、シートは検査用セラミックシート90°回転部Dにより90°回転され、透過型レーザーセンサーBに戻されて再検査を受ける。再度90°回転部Dを経由して透過型CCDラインセンサーCの検査を受けた後、ローラーコンベアーJで搬送される。
シートが合格・不合格セラミックシート分別部Eに達すると、透過型レーザーセンサーBによる2回の検査と透過型CCDラインセンサーによる検査の計3回の検査の何れかで表面または内部に欠陥が認められたセラミックシートは、不良セラミックシート収納部Fへ搬送され、3回の検査の何れでも欠陥の認められなかったセラミックシートのみが、検査合格セラミックシート13として検査合格セラミックシート収納部Gに搬送される。
図7は、三角測距式変位センサーとしてLED三角測距式変位センサーおよびレーザー三角測距式変位センサーを用い、透過型光電センサーとして透過型CCDラインセンサーおよび透過型レーザーセンサーを用いてセラミックシートを検査した例の模式図である。
被検対象であるセラミックシート11は、サーボスライダーHにより搬送され、LED三角測距式変位センサーA1で反りの有無の検査を受けた後、さらにレーザー三角測距式変位センサーA2で主に端部における反りの有無の検査を受ける。次いで、シートは検査用セラミックシート90°回転部Dにより90°回転され、レーザー三角測距式変位センサーA2に戻されて再検査を受ける。その後、ローラーコンベアーJで搬送される。
シートが合格・不合格セラミックシート分別部Eに達すると、LED三角測距式変位センサーA1またはレーザー三角測距式変位センサーA2の何れかで所定の高さ以上の反りが検出されたセラミックシートは、不良セラミックシート収納部Fへ搬送され、反りが検出されなかったセラミックシートは、さらに透過型CCDラインセンサーCの検査を受けた後、ローラーコンベアーJで搬送される。以下、上記と同様に表面または内部の欠陥の検査を受けた後、欠陥が検出されたシートと欠陥の無いシートを分ける。
本発明によれば、セラミックシートの変形や欠陥を非常に効率良く且つ正確に検査することができる。よって、本発明方法は、セラミックシートの工業的な再生産にも適用できる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1 窒化アルミニウム系シートの検査
(1) 窒化アルミニウム系シートの作製
市販の窒化アルミニウム粉末95質量部、酸化イットリウム粉末5質量部、バインダーであるポリビニルブチラール樹脂10質量部、トルエン/イソプロパノール混合溶媒(質量比:3/2)50質量部、可塑剤であるジブチルフタレート8質量部、分散剤であるソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤2質量部をボールミルにより粉砕しつつ混合し、スラリーとした。
得られたスラリーを、破型の攪拌機を備えた内容積50Lのジャケット付丸底円筒型減圧脱泡容器へ移し、攪拌機を30rpmの速度で回転させながら、減圧(約4〜21kPa)下、ジャケット温度40℃で濃縮・脱泡し、粘度を10Pa・sに調整し、塗工用スラリーとした。当該塗工用スラリーを塗工装置のスラリーダムへ移し、ドクターブレード法によりPETフィルム上に塗工した。塗工部に続く乾燥機(50℃、80℃、115℃の3ゾーン)を0.1m/分の速度で通過させて乾燥することにより、幅95cm、厚さ約820μmの長尺窒化アルミニウム系グリーンシートを得た。
当該グリーンシートを約90mm×90mmの大きさに打ち抜き、窒素/水素雰囲気下、1700℃で焼成することにより、76mm角、厚さ635μmの窒化アルミニウム系シートを3000枚得た。
(2) 三角測距式変位センサーによる厚さ方向の変形の検出
上記窒化アルミニウム系シート全数を、シグマ光機社製のサーボスライダー(製品名「SGSP(MS)26−200」)により30mm/秒の速さで水平移動させながら、キーエンス社製のレーザー変位センサー(製品名「LK−G35」)を用いて、三角測量法によりシート端部をスキャンし、端部の反りを検出した。
40μm以上の高低差が生じるものを端部反り欠陥としたところ、3000枚中108枚のシートに欠陥が見られるという結果が得られた。
(3) CCDラインセンサーによる内部欠陥の検出
上記実施例1(2)で得られた結果より、シート端部の反りが認められなかった2892枚の窒化アルミニウム系シートの内部欠陥を、CCDラインセンサーにより検出した。
具体的には、下記装置を用い、シートの裏面から垂直にスリット光を照射し、反対側の面からCCDラインセンサーにより透過光を撮影した。
CCDラインセンサー: NED社製,ラインカメラe2048D
上記ラインセンサー用レンズ: ニコン社製
Ai Micro Nikker 55mm F2.8S
スリット照明: シーシーエス社製,LED照明LDL−130×15−BL
得られた結果によれば、2892枚中58枚の窒化アルミニウム系シートに、異物、欠け、気泡などの欠陥が認められた。
以上のとおり、三角測距式変位センサーにより反りを有する窒化アルミニウム系シートを除いた上で透過光量を測定すれば、内部欠陥を正確に検出できることが明らかにされた。
(4) レーザーセンサーによる内部欠陥の検出
さらに、三角測距式変位センサーにより反りが認められず且つCCDラインセンサーにより欠陥が認められなかった2834枚の窒化アルミニウム系シートの内部欠陥を、レーザーセンサーにより検出した。
具体的には、これまで欠陥の検出されていない窒化アルミニウム系シートをサーボスライダーにより移動させながら、レーザー投受光器(タイヨー電機社製,LD−01)を用い、シートの裏面から水平方向に対して60°の角度からレーザー光を照射し、当該照射レーザー光の同軸上で且つシートの反対側の面から25mm離れた位置で受光部に入光させ、50μm間隔で線状に撮像し、二次元画像に変換した。
得られた結果によれば、2834枚中45枚のセラミックシートに、凹み、キズ、付着物などの欠陥が認められた。かかる測定により、CCDラインセンサーで確認できた欠陥を検出できなかったものがあったが、CCDラインセンサーでは検出できなかった欠陥を検出できた場合もあった。つまり、CCDラインセンサーによる測定とレーザーセンサーによる測定を両方行うことによって、より確実に表面欠陥や内部欠陥を検出することができた。
比較例1
(1) 反射光量の測定による反りの検出
上記実施例1(2)における三角測距式変位センサーによる測定の代わりに、反射光量を測定することにより、シート端部の反りを検出した。
具体的には、窒化アルミニウム系シートをサーボスライダーで移動させながら、下記装置を用い、シートの水平方向から45°の角度でスリット光を照射し、CCDラインセンサーで照明部位を垂直に撮影し、50μm間隔で線状に撮像して、これら結果を二次元画像に変換した。
CCDラインセンサー: NED社製,ラインカメラe2048D
上記ラインセンサー用レンズ: ニコン社製
Ai Micro Nikkor 55mm F2.8S
スリット照明: ALT社製,スリット光レーザモジュールALT−1100
しかしこの方法では、シート端部の反りは全く検出することができなかった。三角測距式変位センサーで同変形が認められたセラミックシートのうち、高低差が60μmと厚さ方向の欠陥が最も大きかったものにつき、上記条件により欠陥の有無を測定した。しかし反射光量を測定する方法では、厚さ方向の高低差が60μmのシートであっても、シート反り欠陥を検出することはできなかった。
(2) 表面欠陥および内部欠陥の検出
上記実施例1(3)〜(4)と同様の条件により、上記実施例1(2)の方法で反りが検出されたものの、上記比較例1(1)の方法では同欠陥を検出できなかった窒化アルミニウム系シートにつき、表面欠陥および内部欠陥を測定した。しかし、反りが原因かと考えられるが、これら欠陥は全く検出できなかった。一方、同シートをレーザー顕微鏡(キーエンス社製、VK−9510)で観察したところ、400倍の拡大画像上で異物が認められた。このように明確な欠陥を有するシートであっても、厚さ方向の反り欠陥を有するものは、CCDラインセンサーとレーザーセンサーの両方で欠陥を検出できないことが明らかとなった。
実施例2 ジルコニア系シートの検査
(1) ジルコニア系シートの作製
市販の6モル%スカンジア安定化ジルコニア粉末100質量部、メタクリレート系共重合体(数平均分子量:100,000、ガラス転移温度:−8℃、固形分濃度:50%)からなるバインダーを固形分換算で15質量部、トルエン/イソプロパノールの混合溶媒(質量比:3/2)50質量部、可塑剤であるフタル酸ジブチルフタレート3質量部、分散剤であるソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤2質量部をボールミルにより粉砕しつつ混合してスラリーとした。
得られたスラリーを破型の攪拌機を備えた内容積50Lのジャケット付丸底円筒型減圧脱泡容器へ移し、攪拌機を30rpmの速度で回転させながら、減圧(約4〜21kPa)下、ジャケット温度40℃で濃縮・脱泡し、粘度を3Pa・sに調整し、塗工用スラリーとした。当該塗工用スラリーを塗工装置のスラリーダムへ移し、ドクターブレード法によりPETフィルム上に塗工し、塗工部に続く乾燥機(50℃、80℃、110℃の3ゾーン)を0.2m/分の速度で通過させて乾燥することにより、幅95cm、厚さ約230μmの長尺グリーンシートを得た。
得られたグリーンシートを約130mm×130mmの大きさに打抜き、空気雰囲気下、1400℃で焼成することにより、100mm角で厚さ200μmのスカンジア安定化ジルコニアシートを3000枚得た。
(2) 三角測距式変位センサーによる厚さ方向の変形の検出
上記スカンジア安定化ジルコニアシート全数を、シグマ光機社製のサーボスライダー(製品名「SGSP(MS)26−200」)により50mm/秒の速さで水平移動させながら、オムロン社製のLED変位センサー(製品名「Z4D−F04A」)を用いて、三角測量法により全面にわたるシート反りを検出した。
110μm以上の高低差が生じるものをシート反り欠陥としたところ、3000枚中60枚のシートに欠陥が見られるという結果が得られた。シート反り欠陥が無いものの代表的な結果を図8に、シート反り欠陥を有するものの代表的な結果を図9に示す。このように、三角測距式変位センサーによれば、シートの反り欠陥を正確に検出することができる。
(3) CCDラインセンサーによる内部欠陥の検出
上記実施例2(2)で得られた結果より、シート反り欠陥が認められなかった2940枚のスカンジア安定化ジルコニアシートの表面欠陥および内部欠陥を、CCDラインセンサーにより検出した。
具体的には、下記装置を用い、シートの裏面から垂直にスリット光を照射し、反対側の面からCCDラインセンサーにより透過光を撮影した。
CCDラインセンサー: NED社製,ラインカメラe2048D
上記ラインセンサー用レンズ: ニコン社製
Ai Micro Nikkor 55mm F2.8S
スリット照明: シーシーエス社製,LED照明LDL−130×15−BL
得られた結果によれば、2940枚中21枚のスカンジア安定化ジルコニアシートに、異物、欠け、気泡などの内部欠陥が認められた。
上記結果のとおり、三角測距式変位センサーによりシート反り欠陥を有するスカンジア安定化ジルコニアシートを除いた上で透過光量を測定すれば、表面欠陥と内部欠陥を明確に検出できることが明らかにされた。
(4) レーザーセンサーによる内部欠陥の検出
さらに、三角測距式変位センサーにより反りが認められず且つCCDラインセンサーにより欠陥が認められなかった2919枚のスカンジア安定化ジルコニアシートの表面欠陥および内部欠陥を、レーザーセンサーにより検出した。
具体的には、スカンジア安定化ジルコニアシートをサーボスライダーにより移動させながら、レーザー投受光器(タイヨー電機社製,LD−01)を用い、シートの裏面から水平方向に対して60°の角度からレーザー光を照射し、当該照射レーザー光の同軸上で且つシートの反対側の面から25mm離れた位置で受光部に入光させ、50μm間隔で線状に撮像し、二次元画像に変換した。
得られた結果によれば、2919枚中39枚のセラミックシートに、凹み、キズ、付着物などの欠陥が認められた。かかる測定により、CCDラインセンサーで確認できた欠陥を検出できなかったものがあったが、CCDラインセンサーでは検出できなかった欠陥を検出できた場合もあった。つまり、CCDラインセンサーによる測定とレーザーセンサーによる測定を両方行うことによって、より確実に内部欠陥を検出することができた。
比較例2
(1) 反射光量の測定による反りの検出
上記実施例2(2)における三角測距式変位センサーによる測定の代わりに、反射光量を測定することにより、全面にわたるシート反りを検出した。
具体的には、スカンジア安定化ジルコニアシートをサーボスライダーで移動させながら、下記装置を用い、シートの水平方向から45°の角度でスリット光を照射し、CCDラインセンサーで照明部位を垂直に撮影し、50μm間隔で線状に撮像して、これら結果を二次元画像に変換した。
CCDラインセンサー: NED社製,ラインカメラe2048D
上記ラインセンサー用レンズ: ニコン社製
Ai Micro Nikkor 55mm F2.8S
スリット照明: ALT社製,スリット光レーザモジュールALT−1100
しかしこの方法では、シート反りは全く検出することができなかった。三角測距式変位センサーで同変形が認められたスカンジア安定化ジルコニアシートのうち、高低差が120μmと厚さ方向の欠陥が最も重かったものにつき、上記条件により欠陥の有無を測定した。しかし反射光量を測定する方法では、厚さ方向の高低差が120μmのシートであっても、シート反り欠陥を検出することはできなかった。
(2) 内部欠陥の検出
上記実施例2(3)〜(4)と同様の条件により、上記実施例2(2)の方法で反りが検出されたものの、上記比較例2(1)の方法では同欠陥を検出できなかったスカンジア安定化ジルコニアシートにつき、表面欠陥および内部欠陥を測定した。しかし、反りが原因かと考えられるが、これら欠陥は全く検出できなかった。一方、同シートをレーザー顕微鏡(キーエンス社製、VK−9510)で観察したところ、400倍の拡大画像上で異物が認められた。このように明確な欠陥を有するシートであっても、厚さ方向のシート反り欠陥を有するものは、CCDラインセンサーとレーザーセンサーの両方で欠陥を検出できないことが明らかとなった。
1,1’:セラミックシート、 2,2’:投光器、 3,3’:受光器
11:検査用セラミックシート、 12:不良セラミックシート、13:検査合格セラミックシート、 21:クリーンロール、 22:粘着ロール
A:三角測距式変位センサー、 A1:LED三角測距式変位センサー、 A2:レーザー三角測距式変位センサー、 B:透過型レーザーセンサー、 C:透過型CCDラインセンサー、 D:検査用セラミックシート90°回転部、 E:不良・合格セラミックシート分別部、 F:不良セラミックシート収納部、 G:検査合格セラミックシート収納部、 H:サーボスライダー

Claims (11)

  1. セラミックシート(但し、固体酸化物形燃料電池の固体電解質膜用セラミックシートを除く)の検査方法であって、
    当該セラミックシートの反りを三角測距式変位センサーで検出する工程;および、
    次に、セラミックシートの表面および内部に存在する欠陥を透過型光電センサーで検出する工程;
    を含むことを特徴とするセラミックシートの検査方法。
  2. 固体酸化物形燃料電池の固体電解質膜用セラミックシートが、ジルコニア系シート、セリア系シートおよびランタンガレート系シートである請求項1に記載のセラミックシートの検査方法。
  3. 検査対象であるセラミックシートが、アルミナ系シートまたは窒化アルミニウム系シートである請求項1または2に記載のセラミックシートの検査方法。
  4. さらに、セラミックシートの反りを検出する工程の後、反りが検出された不良セラミックシートを除去する工程を行ってから、表面および内部に存在する欠陥を検出する工程を行う、請求項1〜3のいずれかに記載のセラミックシートの検査方法。
  5. セラミックシートの反りを検出する工程、並びに/または、表面および内部に存在する欠陥を検出する工程において、セラミックシートを平面方向に90°回転させて同様に検査する、請求項1〜4のいずれかに記載のセラミックシートの検査方法。
  6. セラミックシートの反りを検出する工程において三角測距式変位センサーを複数個用いる請求項1〜5のいずれかに記載のセラミックシートの検査方法。
  7. 表面および内部に存在する欠陥を検出する工程において、セラミックシートの表面および裏面の両方から検査を行う請求項1〜6のいずれかに記載のセラミックシートの検査方法。
  8. 三角測距式変位センサーとして、LED三角測距式変位センサーおよびレーザー三角測距式変位センサーを用いる請求項6に記載のセラミックシートの検査方法。
  9. 透過型光電センサーとして、透過型CCDラインセンサーおよび透過型レーザーセンサーを用いる請求項1〜8のいずれかに記載のセラミックシートの検査方法。
  10. セラミックシートの平面方向の長さに対して、30mm/秒以上、300mm/秒以下の速度で検査を行う請求項1〜9のいずれかに記載のセラミックシートの検査方法。
  11. セラミックシート(但し、固体酸化物形燃料電池の固体電解質膜用セラミックシートを除く)を製造するための方法であって、
    セラミック粉末(但し、固体酸化物形燃料電池の固体電解質膜用セラミック材料からなる粉末を除く)、溶媒およびバインダーを含むスラリー原料を混合してスラリーを調製する工程;
    得られたスラリーをフィルム上に塗工する工程;
    フィルム上に塗工されたスラリーを乾燥してグリーンシートとする工程;
    グリーンシートを焼成する工程;および
    得られたセラミックシートを請求項1〜10のいずれかに記載の方法で検査する工程;
    を含むことを特徴とするセラミックシートの製造方法。
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JP2015190957A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 三菱マテリアル株式会社 セラミックス基板の内部欠陥検査方法

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