JP2011075441A - 半導体デバイス故障解析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体デバイスに照射されたレーザ光の反射光に起因するノイズが低減された半導体デバイス故障解析装置を提供する。
【解決手段】半導体デバイス故障解析装置100は、半導体デバイス1に多光子吸収を生じさせるパルスレーザ光を、半導体デバイス1に照射するレーザ光源17と、半導体デバイス1の動作により発生する光の波長を含む波長領域に感度を有し、フォトンカウンティング測定可能な光検出器6とを備える。パルスレーザ光の波長は、光検出器6が感度を有する波長領域から外れている。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体デバイス故障解析装置に関する。
半導体集積回路(LSI)等の半導体デバイスの故障解析方法として、チャージ注入効果や熱注入効果を利用した、いわゆるLADA(Laser Assisted Device Alteration)法(DALS法やCPA法とも呼ばれる)が知られている(特許文献1参照)。この方法では、Siからなる半導体デバイスに、当該半導体デバイスを動作させた状態で、Siのバンドギャップエネルギーに相当する波長(室温で約1110nm)以下の波長を有するレーザ光を照射する。このレーザ光によって励起された電荷が、半導体デバイスの動作タイミングに変動(外乱)を発生させる。一方、半導体デバイスに接続されたテスターを用いて機能不良が発生する箇所を確認する。そして、変動を発生させた箇所と機能不良が発生した箇所とを比較することにより、半導体デバイスの故障箇所を特定する。
一方、半導体デバイス中のトランジスタにおいて、スイッチング時に低い確率で発生する微弱なトランジェント発光を時間分解エミッション顕微鏡により計測することによって、トランジスタの動作タイミングやロジック動作の状態を検査する方法が知られている(特許文献2及び3参照)。
特開2009−115764号公報 特開2005−19635号公報 特開2005−19537号公報
本発明者らは、LADA法を実施すると共に、時間分解エミッション顕微鏡を用いてトランジェント発光を計測することを検討した。その結果、半導体デバイスに照射されたレーザ光の反射光(波長:1064nm)が、トランジェント発光を計測する光検出器の感度領域(波長:900〜1400nm)に含まれてしまうため、当該反射光がノイズ(バックグラウンドノイズ)の原因となることを見出した。
本発明は、上記事情に鑑みて為されたものであり、半導体デバイスに照射されたレーザ光の反射光に起因するノイズが低減された半導体デバイス故障解析装置を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明の半導体デバイス故障解析装置は、半導体デバイスに多光子吸収を生じさせるパルスレーザ光を、前記半導体デバイスに照射するレーザ光源と、前記半導体デバイスの動作により発生する光の波長を含む波長領域に感度を有し、フォトンカウンティング測定可能な光検出器と、を備え、前記パルスレーザ光の波長は、前記光検出器が感度を有する前記波長領域から外れている。
本発明の半導体デバイス故障解析装置では、パルスレーザ光を半導体デバイスに照射することによって、半導体デバイスを構成する半導体材料を励起させ、半導体デバイスの動作タイミングに変動を発生させる。ここで、多光子吸収を用いているので、パルスレーザ光の波長を大きくしても半導体デバイスを構成する半導体材料を励起させることができる。例えば2光子吸収を用いる場合、半導体材料のバンドギャップエネルギーに対応する波長をλとすると、パルスレーザ光の波長をλの2倍以下とすることができる。その結果、光検出器が感度を有する波長領域にλが含まれていても、パルスレーザ光の波長を当該波長領域の最大波長より大きくすることができる。これにより、パルスレーザ光の波長を当該波長領域から外すことができる。よって、半導体デバイスによって反射されたパルスレーザ光が光検出器に入射しても、光検出器ではパルスレーザ光が殆ど検出されない。よって、半導体デバイスに照射されたパルスレーザ光の反射光に起因するノイズを低減することができる。
また、この光検出器は、フォトンカウンティング測定可能であるため、半導体デバイスの動作により発生する光(例えばトランジェント発光)が微弱、すなわち光子数が少なくても当該光を検出することができる。
したがって、本発明の半導体デバイス故障解析装置では、半導体デバイスにパルスレーザ光を照射することによって半導体デバイスの動作タイミングに変動を発生させながら、光検出器によって半導体デバイスの動作状態を測定することができる。このようにして、半導体デバイスの故障解析を行うことができる。
上記半導体デバイス故障解析装置は、前記半導体デバイスの前記動作に同期して、前記レーザ光源からの前記パルスレーザ光を変調して前記半導体デバイスに照射する光変調器を更に備えることが好ましい。
この場合、半導体デバイスにパルスレーザ光を照射して半導体デバイスの動作タイミングに変動を発生させると同時に、半導体デバイスの動作状態を測定することができる。
上記半導体デバイス故障解析装置は、前記半導体デバイスと前記光検出器との間の光路上に配置され、前記パルスレーザ光の波長を有する光を反射するダイクロイックミラーを更に備えることが好ましい。
たとえパルスレーザ光の波長が光検出器の感度を有する波長領域から外れていても、パルスレーザ光の波長に対して光検出器がわずかに感度を有する場合がある。この場合、振動子吸収等により暗電流値の上昇を招くおそれがある。その場合であっても、半導体デバイスによって反射されたパルスレーザ光の反射光が光検出器に到達する前に、当該反射光をダイクロイックミラーによって反射することができる。その結果、当該反射光の大部分が光検出器に到達しなくなるので、ノイズを更に低減することができる。
また、フォトンカウンティング測定可能な光検出器は微弱な光を計測するように設計されているため、1つの光子を増倍することによって微弱な光を検出する。そのため、レーザ光のように光子数の多い光(強度の強い光)が当該光検出器に入射すると、光検出器が故障するおそれがある。しかしながら、ダイクロイックミラーを用いると、パルスレーザ光の反射光の大部分が光検出器に到達しなくなるので、光検出器の故障を抑制できる。
上記半導体デバイス故障解析装置は、前記半導体デバイスと前記光検出器との間の光路上に配置され、前記パルスレーザ光の波長を有する光を遮断する光学フィルタを更に備えることが好ましい。
たとえパルスレーザ光の波長が光検出器の感度を有する波長領域から外れていても、パルスレーザ光の波長に対して光検出器がわずかに感度を有する場合がある。この場合、振動子吸収等により暗電流値の上昇を招くおそれがある。その場合であっても、半導体デバイスによって反射されたパルスレーザ光の反射光が光検出器に到達する前に、当該反射光を光学フィルタによって遮断することができる。その結果、当該反射光の大部分が光検出器に到達しなくなるので、ノイズを更に低減することができる。
また、フォトンカウンティング測定可能な光検出器は微弱な光を計測するように設計されているため、1つの光子を増倍することによって微弱な光を検出する。そのため、レーザ光のように光子数の多い光(強度の強い光)が当該光検出器に入射すると、光検出器が故障するおそれがある。しかしながら、光学フィルタを用いると、パルスレーザ光の反射光の大部分が光検出器に到達しなくなるので、光検出器の故障を抑制できる。
さらに、たとえダイクロイックミラーが長波長の光の一部(例えば約1%)透過させてしまっても、このような透過光を光学フィルタにより遮断することができる。
上記光学フィルタは帯域フィルタであってもよい。前記帯域フィルタがノッチフィルタであることが好ましい。この場合、狭い波長帯域の光を効果的に遮断することができる。
本発明によれば、半導体デバイスに照射されたレーザ光の反射光に起因するノイズが低減された半導体デバイス故障解析装置が提供される。
第1実施形態に係る半導体デバイス故障解析装置を模式的に示す図である。 第2実施形態に係る半導体デバイス故障解析装置を模式的に示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る半導体デバイス故障解析装置を模式的に示す図である。図1にはXYZ空間座標軸が示されている。図1に示される半導体デバイス故障解析装置100は、パルスレーザ光を半導体デバイス1に照射するレーザ光源17を備える。半導体デバイス1は、例えばFETトランジスタを含む半導体集積回路(LSI)等のDUT(Device Under Test)である。半導体デバイス1は、電圧を印加できる状態であればよく、電極パッドが形成された半導体ウエハや半導体チップであってもよい。半導体デバイス1は、例えばSi等の半導体材料から構成される。レーザ光源17は、パルスレーザ光の出射を制御するコントローラを含む。パルスレーザ光は、半導体デバイス1の回路面に照射されてもよいし、裏面に照射されてもよい。
レーザ光源17から出射されるパルスレーザ光は、ピコ秒又はフェムト秒パルスレーザ光であり、半導体デバイス1に例えば2光子吸収等の多光子吸収を生じさせる。半導体デバイス1がSiからなる場合、Siのバンドギャップエネルギーに対応する波長は室温で約1110nmなので、2光子吸収を発生させるには、パルスレーザ光の波長を2128nm(=1064nm×2)以下にすることが好ましい。パルスレーザ光の波長は、例えば1300〜2100nmであり、一実施例において例えば1550nmである。
半導体デバイス1は、例えば、半導体デバイス1を動作させる信号を発生するロジック信号発生器22にケーブル24dを介して接続されている。また、半導体デバイス1は、例えば、半導体デバイス1を動作させるための定電圧電源23にケーブル24eを介して接続されている。これにより、半導体デバイス1は、一定の動作を繰り返し実行する。なお、半導体デバイス1は、外部に配置されたLSIテスタ21に接続されてもよい。
半導体デバイス故障解析装置100は、半導体デバイス1の動作に同期して、レーザ光源17からのパルスレーザ光を変調して半導体デバイス1に照射する光変調器18を更に備えることが好ましい。光変調器18は、レーザ光源17から出射されるパルスレーザ光のうち、一定の遅延時間及びパルス幅を有するパルス列を抜き出す。抜き出されたパルスレーザ光のパルス幅は1ps以下であることが好ましい。光変調器18は、トリガーケーブル24を介してロジック信号発生器22に接続される。これにより、光変調器18は半導体デバイス1の動作に同期可能となる。
半導体デバイス1とレーザ光源17との間の光路上には、ダイクロイックミラー3及び光学系Sが配置されることが好ましい。ダイクロイックミラー3は、パルスレーザ光の波長を有する光を反射し、ダイクロイックミラー3を透過する光を1/100以下にすることができる。ダイクロイックミラー3は、例えば、波長1500nm以上の光を90度反射させると共に、波長1500nm未満の光を透過させる。半導体デバイス1とダイクロイックミラー3との間の光路上には、対物レンズ2を配置できる。光学系Sは、ダイクロイックミラー3とレーザ光源17との間の光路上に配置される。
光学系Sは、レーザ光源17からのパルスレーザ光が入射するパルスレーザ光入力ファイバーポート13を有する。パルスレーザ光入力ファイバーポート13は、光ファイバー24bを介してレーザ光源17及び光変調器18に接続される。パルスレーザ光入力ファイバーポート13からダイクロイックミラー3に向かって、光学系Sは、コリメートレンズ10、偏光プリズム9、XY偏向用ガルバノミラー8、XY偏向用ガルバノミラー7及びλ/4位相板11をこの順で含む。XY偏向用ガルバノミラー8及び7は、パルスレーザ光のXY座標を調整する。
光学系Sは、半導体デバイス1によって反射されたパルスレーザ光の反射光が出射する反射光出力ファイバーポート12を有する。反射光出力ファイバーポート12は、光ファイバー24cを介して反射光検出器19に接続される。ダイクロイックミラー3から反射光出力ファイバーポート12に向かって、光学系Sは、λ/4位相板11、XY偏向用ガルバノミラー7、XY偏向用ガルバノミラー8、偏光プリズム9、コリメートレンズ10a及び偏光フィルタ12aをこの順で含む。
また、半導体デバイス故障解析装置100は、半導体デバイス1の動作により所定の確率で発生する光(例えばトランジェント発光)の波長を含む波長領域に感度を有する光検出器6を備える。光検出器6は、フォトンカウンティング測定可能である。半導体デバイス1の動作により発生する光は、例えば、半導体デバイス1のFETトランジスタをスイッチングさせる際にFETトランジスタを流れるスイッチング電流に伴って発生する過渡的なホットキャリアに起因する。光検出器6には、例えば光ファイバー24aを介してXYTアナライザ16が接続されている。XYTアナライザ16は、トリガーケーブル24を介してロジック信号発生器22に接続される。これにより、XYTアナライザ16は半導体デバイス1の動作に同期可能となる。
光検出器6は、例えば900〜1400nmの波長領域(近赤外領域)に感度を有する。光検出器6が感度を有する波長領域は、例えば検出強度の最大値の1/10以上の検出強度を持つ領域と定義される。なお、長波長領域では、黒体輻射によるノイズが増大することにより、微弱なトランジェント発光を検出することが困難になる傾向にある。よって、光検出器6の検出感度の上限値(例えば1400nm)を定めることが好ましい。パルスレーザ光の波長は、光検出器6が感度を有する波長領域から外れている。パルスレーザ光の波長は、光検出器6が感度を有する波長領域の最大波長よりも大きいことが好ましく、100nm以上大きいことがより好ましい。
光検出器6は、時間分解エミッション測定可能な2次元検出器であることが好ましい。これにより、半導体デバイス1の位置情報及び動作タイミング情報の両方が得られる。具体的には、半導体デバイス1の測定箇所に対応するXY座標情報と、半導体デバイス1の動作によるトランジェント発光スペクトルとをピコ秒精度で取得することができる。
光検出器6は、例えばHgCdTe又はInP/InGaAs等の光電変換材料からなる光電変換層を有することが好ましい。この場合、光検出器6は、900nmから光電変換材料のバンドギャップエネルギーに相当する波長(例えば1400nm)までの波長領域に感度を有する。
光検出器6は、使用時に冷却されてもよい。例えば冷却温度を−140℃とすると、室温20℃から160℃温度が低下している。この場合、光電変換材料のバンドギャップエネルギーに対応する波長が短波長側に約93nmシフトする。よって、光検出器6が900〜1400nmの波長領域に感度を有する場合、冷却された光検出器6は900〜1307nmの波長領域に感度を有することになる。
半導体デバイス1と光検出器6との間の光路上には、ダイクロイックミラー3が配置されることが好ましい。ダイクロイックミラー3は、半導体デバイス1の動作により発生する光を透過するが、パルスレーザ光の波長を有する光を反射する。ダイクロイックミラー3と光検出器6との間の光路上には、光学フィルタ4が配置されることが好ましい。光学フィルタ4は、半導体デバイス1の動作により発生する光を透過するが、パルスレーザ光の波長を有する光を遮断する。光学フィルタ4は、例えばノッチフィルタ、ショートパスフィルタ等の帯域フィルタであることが好ましい。ノッチフィルタを用いると、狭い波長帯域の光を効果的に遮断することができる。光学フィルタ4と光検出器6との間の光路上には、瞳投影レンズ5を配置することができる。
半導体デバイス1、対物レンズ2、ダイクロイックミラー3、光学フィルタ4、瞳投影レンズ5及び光学系Sは、XYZステージ14内に配置される。XYZステージ14は、ケーブル24jを介してXYZステージコントローラ20に接続されている。XYZステージコントローラ20によってXYZステージ14が制御される。その結果、XYZステージ14にセットされた半導体デバイス1を移動させることができる。XYZステージ14は、暗箱15内に収容されている。
XYZステージコントローラ20は、ケーブル24iを介してパーソナルコンピューター25に接続されている。XYTアナライザ16は、ケーブル24fを介してパーソナルコンピューター25に接続されている。レーザ光源17及び光変調器18は、ケーブル24gを介してパーソナルコンピューター25に接続されている。反射光検出器19は、ケーブル24hを介してパーソナルコンピューター25に接続されている。
パーソナルコンピューター25は、パーソナルコンピューター25に制御信号を出力するためのコンソール26に接続されている。パーソナルコンピューター25及びコンソール26により、XYTアナライザ16、レーザ光源17、光変調器18、反射光検出器19及びXYZステージコントローラ20は制御操作される。パーソナルコンピューター25及びコンソール26により、LSIテスタ21及び定電圧電源23を制御操作してもよいが、LSIテスタ21及び定電圧電源23をそれぞれ単独で制御操作してもよい。
続いて、半導体デバイス故障解析装置100の動作の一例について説明する。
半導体デバイス故障解析装置100では、レーザ光源17から出射されたパルスレーザ光は、光変調器18によって変調される。その後、パルスレーザ光は、光ファイバー24bを通って、パルスレーザ光入力ファイバーポート13に入射する。さらに、パルスレーザ光は、コリメートレンズ10、偏光プリズム9、XY偏向用ガルバノミラー8、XY偏向用ガルバノミラー7及びλ/4位相板11をこの順に通ってダイクロイックミラー3に入射する。ダイクロイックミラー3においてパルスレーザ光は反射され、対物レンズ2を通って半導体デバイス1に入射する。パルスレーザ光が半導体デバイス1に照射されると、多光子吸収により、電子とホールからなる電荷が半導体デバイス1に注入される。注入された電荷は、半導体デバイス1の動作タイミングに変動(ずれ)を発生させる。例えば、注入された電荷は、半導体デバイス1内のFETトランジスタに電流リーク及び電圧変動を発生させる。静状態で与えられた変動は、FETトランジスタの動作点のシフトを発生させ、スイッチングタイムに変動を与える。その結果、FETトランジスタの動作タイミングに変動が生じる。このようにして、半導体デバイス1の動作マージンを検証する。
一方、半導体デバイス1に入射したパルスレーザ光の一部は、半導体デバイス1によって反射され、パルスレーザ光の反射光は、対物レンズ2を通ってダイクロイックミラー3入射する。ダイクロイックミラー3において反射光の大部分(例えば約99%)は反射され、λ/4位相板11、XY偏向用ガルバノミラー7、XY偏向用ガルバノミラー8、偏光プリズム9、コリメートレンズ10a及び偏光フィルタ12aをこの順に通って反射光出力ファイバーポート12に入射する。その後、反射光は、光ファイバー24cを通って反射光検出器19に入射する。なお、反射光の一部(例えば約1%)は、ダイクロイックミラー3を透過することがある。しかし、ダイクロイックミラー3を透過した反射光は、光学フィルタ4によって遮断され、例えば1/10に減衰される。この場合、半導体デバイス1に照射されるパルスレーザ光のエネルギーが例えば10mWとすると、ダイクロイックミラー3に入射する光子数が3.9×1016個/秒であるのに対して、光学フィルタ4に入射する光子数が3.9×1014個/秒、光検出器6に入射する光子数が3.9×10個/秒となる計算になる。ただし、光検出器6が感度を有する波長領域の上限値を1307nm、パルスレーザ光の波長を1550nmとした場合、パルスレーザ光の波長は光検出器6が感度を有する波長領域から外れるため、光検出器6におけるパルスレーザ光の検出量子効率は1/10未満となる。よって、光検出器6によって検出される光子数は1個/秒以下となるので、光検出器6には反射光がほとんど入射しない。
また、半導体デバイス1の動作により発生する光は、対物レンズ2、ダイクロイックミラー3、光学フィルタ4及び瞳投影レンズ5をこの順に経由して光検出器6に到達する。これにより、半導体デバイス1の動作により発生する光が検出される。なお、半導体デバイス1の動作によって光が発生するタイミングも、パルスレーザ光の照射による半導体デバイス1の動作タイミングの変動によって変動する。
LSIテスタ21又はロジック信号発生器22は、半導体デバイス1の動作タイミングの基準信号を出力する。その基準信号は、トリガーケーブル24を介して、XYTアナライザ16及び光変調器18に入力される。この基準信号を時間の基準として、XYTアナライザ16及び光変調器18を、半導体デバイス1の動作と同期させることができる。
以上説明したように、半導体デバイス故障解析装置100は、半導体デバイス1に多光子吸収を生じさせるパルスレーザ光を、半導体デバイス1に照射するレーザ光源17と、半導体デバイス1の動作により発生する光の波長を含む波長領域に感度を有し、フォトンカウンティング測定可能な光検出器6とを備えている。また、パルスレーザ光の波長は、光検出器6が感度を有する波長領域から外れている。
半導体デバイス故障解析装置100では、パルスレーザ光を半導体デバイス1に照射することによって、半導体デバイス1を構成する半導体材料を励起させ、半導体デバイス1の動作タイミングに変動を発生させる。ここで、多光子吸収を用いているので、パルスレーザ光の波長を大きくしても半導体デバイス1を構成する半導体材料を励起させることができる。例えば2光子吸収を用いる場合、半導体材料のバンドギャップエネルギーに対応する波長をλとすると、パルスレーザ光の波長を2λ以下とすることができる。その結果、光検出器6が感度を有する波長領域にλが含まれていても、パルスレーザ光の波長を当該波長領域の最大波長より大きくすることができる。これにより、パルスレーザ光の波長を当該波長領域から外すことができる。よって、半導体デバイス1によって反射されたパルスレーザ光が光検出器6に入射しても、光検出器6ではパルスレーザ光が殆ど検出されない。よって、半導体デバイス1に照射されたパルスレーザ光の反射光に起因するノイズを低減することができる。
また、光検出器6は、フォトンカウンティング測定可能であるため、半導体デバイス1の動作により発生する光(例えばトランジェント発光)が微弱、すなわち光子数が少なくても当該発光を検出することができる。これにより、半導体デバイス1の動作状態を高精度に測定することができるので、半導体デバイス1の故障解析を行うことができる。
したがって、半導体デバイス故障解析装置100では、半導体デバイス1にパルスレーザ光を照射することによって半導体デバイス1の動作タイミングに変動を発生させながら、光検出器6によって半導体デバイス1の動作状態を高精度に測定することができる。このため、半導体デバイス1の動作タイミングの変動と、半導体デバイス1の動作状態との関係を高精度に解析することができる。
また、半導体デバイス故障解析装置100は、半導体デバイス1の動作に同期して、レーザ光源17からのパルスレーザ光を変調して半導体デバイス1に照射する光変調器18を更に備えることが好ましい。この場合、半導体デバイス1にパルスレーザ光を照射して半導体デバイス1の動作タイミングに変動を発生させると同時に、半導体デバイス1の動作状態を測定することができる。
また、半導体デバイス故障解析装置100が、ダイクロイックミラー3又は光学フィルタ4を更に備えることが好ましい。
たとえパルスレーザ光の波長が光検出器6が感度を有する波長領域から外れていても、パルスレーザ光の波長に対して光検出器6がわずかに感度を有する場合がある。この場合、振動子吸収等により暗電流値の上昇を招くおそれがある。その場合であっても、半導体デバイス1によって反射されたパルスレーザ光の反射光が光検出器6に到達する前に、当該反射光をダイクロイックミラー3によって反射する、又は光学フィルタ4によって遮断することができる。その結果、当該反射光の大部分が光検出器6に到達しなくなるので、ノイズを更に低減することができる。
また、フォトンカウンティング測定可能な光検出器6は微弱な光を計測するように設計されているため、1つの光子を増倍することによって微弱な光を検出する。そのため、レーザ光のように光子数の多い光(強度の強い光)が光検出器6に入射すると、光検出器6が故障するおそれがある。しかしながら、ダイクロイックミラー3又は光学フィルタ4を用いると、パルスレーザ光の反射光の大部分が光検出器6に到達しなくなるので、光検出器6の故障を抑制できる。
さらに、ダイクロイックミラー3及び光学フィルタ4の両方を用いることが好ましい。この場合、たとえダイクロイックミラー3が長波長の光の一部(例えば約1%)を透過させてしまっても、このような透過光を光学フィルタ4により遮断することができる。
(第2実施形態)
図2は、第2実施形態に係る半導体デバイス故障解析装置を模式的に示す図である。図2にはXYZ空間座標軸が示されている。図2に示される半導体デバイス故障解析装置100Aは、光検出器6に代えて光検出器28を備え、ダイクロイックミラー3、光学フィルタ4及び瞳投影レンズ5に代えてミラー27を備え、光学系Sに代えて光学系S1を備えること以外は、半導体デバイス故障解析装置100と同様の構成を有している。光学系S1は、光学系Sの構成に加えて、ダイクロイックミラー3及び光学フィルタ4を含む。光学系S1において、ダイクロイックミラー3は、反射光出力ファイバーポート12と偏光フィルタ12aとの間の光路上に配置される。光学フィルタ4は、ダイクロイックミラー3と光検出器28との間の光路上に配置される。
光検出器28は、フォトンカウンティング測定可能なポイント測光型検出器であることが好ましい。ポイント測光型検出器としては、例えば、光電子増倍管(PMT)、アバランシェフォトダイオード(APD)、超伝導単一光子検出器(SSPD)等が挙げられる。
半導体デバイス故障解析装置100Aでは、半導体デバイス故障解析装置100と同様の作用効果が得られる。例えば、半導体デバイス1によって反射されたパルスレーザ光の反射光及び半導体デバイス1の動作により発生する光は、対物レンズ2を通ってミラー27によって反射される。反射光及び発光は、λ/4位相板11、XY偏向用ガルバノミラー7、XY偏向用ガルバノミラー8、偏光プリズム9、コリメートレンズ10a、偏光フィルタ12aをこの順に通ってダイクロイックミラー3に入射する。ダイクロイックミラー3において、長波長の光である反射光はダイクロイックミラー3を通って反射光出力ファイバーポート12に入射する。一方、短波長の光である発光はダイクロイックミラー3によって反射され、光学フィルタ4を通って光検出器28に入射する。ここで、長波長の光である反射光の一部は、ダイクロイックミラー3によって反射されることがある。この場合でも、光学フィルタ4によって、長波長の光である反射光の一部が光検出器28に入射することを抑制できる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、半導体デバイス1と光検出器6又は光検出器28との間の光路上に、更なる光学フィルタ、ミラー、プリズムといった光学部材を配置してもよい。また、半導体デバイス1とダイクロイックミラー3との間の光路上に光学フィルタ4を配置してもよい。
1…半導体デバイス、3…ダイクロイックミラー、4…光学フィルタ、6,28…光検出器、17…レーザ光源、18…光変調器、100,100A…半導体デバイス故障解析装置。

Claims (6)

  1. 半導体デバイスに多光子吸収を生じさせるパルスレーザ光を、前記半導体デバイスに照射するレーザ光源と、
    前記半導体デバイスの動作により発生する光の波長を含む波長領域に感度を有し、フォトンカウンティング測定可能な光検出器と、
    を備え、
    前記パルスレーザ光の波長は、前記光検出器が感度を有する前記波長領域から外れている、半導体デバイス故障解析装置。
  2. 前記半導体デバイスの前記動作に同期して、前記レーザ光源からの前記パルスレーザ光を変調して前記半導体デバイスに照射する光変調器を更に備える、請求項1に記載の半導体デバイス故障解析装置。
  3. 前記半導体デバイスと前記光検出器との間の光路上に配置され、前記パルスレーザ光の波長を有する光を反射するダイクロイックミラーを更に備える、請求項1又は2に記載の半導体デバイス故障解析装置。
  4. 前記半導体デバイスと前記光検出器との間の光路上に配置され、前記パルスレーザ光の波長を有する光を遮断する光学フィルタを更に備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体デバイス故障解析装置。
  5. 前記光学フィルタが帯域フィルタである、請求項4に記載の半導体デバイス故障解析装置。
  6. 前記帯域フィルタがノッチフィルタである、請求項5に記載の半導体デバイス故障解析装置。
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