JP2011074613A - シリンダー錠及び該シリンダー錠に用いられる専用キー、変更キー、マスターキー、施工用キー - Google Patents

シリンダー錠及び該シリンダー錠に用いられる専用キー、変更キー、マスターキー、施工用キー Download PDF

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Abstract

【課題】シリンダー錠全体を交換することなく、安価に、しかも、容易な変更作業で、専用キーを変更することのできるシリンダー錠を得る。
【解決手段】外筒15に内設された内筒19と、内筒19の外周面に形成されたバー収容溝41と、バー収容溝41から突出配置され内筒19の回転を阻止するロッキングバー43と、内筒19に設けられバー進入凹部53を一致させてロッキングバー43をバー収容溝41に後退可能にするタンブラ23とを備えており、タンブラ23が、第1タンブラ23Aと第2タンブラ23Bとからなり、これらタンブラ23A,23Bは、連結手段55,57によって異なる位置で連結可能になるとともに、連結が、変更キーの挿入・回転により移動する可動ブロック29に従動する第1タンブラ23Aによって解除可能となり、かつセット回転角度範囲で挿入された任意の専用キーに応じた位置で選択的に連結される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、タンブラの組合せを変更して使用キー(専用キー、マスターキー)の鍵変更を可能とするシリンダー錠及び該シリンダー錠に用いられる専用キー、変更キー、マスターキー、施工用キーに関する。
賃貸マンションやアパート等に用いられるシリンダー錠には、タンブラ式のものがあり、このタンブラ式シリンダー錠には、さらにピンタンブラ式のものがある(例えば特許文献1参照)。ピンタンブラ式のシリンダー錠は、外筒と、この外筒に回動自在な内筒とを有し、外筒と内筒とには、両者に亘ってピン挿入孔が穿設されている。このピン挿入孔には、外筒側ピン挿入孔にドライバピン、内筒側ピン挿入孔にはタンブラピンが収容され、合鍵が内筒のキー孔に挿入されることで、合鍵のキー溝に一致した位置にタンブラピンが配置され、その結果、タンブラピンとドライバピンとの境が、内筒外周と外筒内周との境界、すなわち、シアーラインに一致することで、内筒が外筒に対して回動可能となり、施解錠可能状態となる。一方、合鍵でないキーが挿入されれば、タンブラピンが正規の位置に配置されないため、シアーラインにはドライバピン、或いはタンブラピンが横断することとなり、これにより、内筒の回転が阻止される。
特開2001−82008号公報
ところで、賃貸マンションやアパートにおいては、入居者が交替する場合があり、旧入居者が合鍵の複製を所有している場合には、新入居者の防犯上から旧入居者の鍵を使用不能とすることが望ましい。
しかしながら、上記したピンタンブラ式のシリンダー錠において、別の専用キーのみの使用を可能とするには、別構成のピンタンブラとドライバピンとを組み込まなければならず、容易に変更を行うことはできなかった。また、入居者の交替の都度、シリンダー錠を交換すれば、多大な費用を負担しなければならない問題が発生した。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、シリンダー錠全体を交換することなく、安価に、しかも、容易な変更作業で、専用キーを変更することのできるシリンダー錠を提供することにある。
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載のシリンダー錠100は、外筒15と、
該外筒15に回動自在に収容され一端面に専用キー又は変更キーの挿入されるキー孔17を有するとともに他端面に錠機構に接続するテールピース73を有した内筒19と、
該内筒19の外周面に軸線方向に形成されたバー収容溝41と、
前記外周面から突出可能に該バー収容溝41に収容され前記外周面から突出配置されることで前記外筒15の内周に形成されたロック溝49に進入して前記外筒15に対する前記内筒19の回転を阻止するロッキングバー43と、
前記内筒19に軸線方向で複数収容され前記キー孔17に挿入されたキー21のキー溝21aにキー突起59を進入させることで前記内筒19の軸線直交方向にスライドされバー進入凹部53Aを前記ロッキングバー43に一致させて該ロッキングバー43を前記バー収容溝41に後退可能にするタンブラ23と、を備えたシリンダー錠100であって、
前記内筒19を前記専用キーの施解錠操作回転範囲から超えた所定のセット回転角度範囲で回転可能とする前記変更キー69と、
前記内筒19に収容され該内筒19の前記所定のセット回転角度範囲で前記軸線方向に移動可能となる可動ブロック29と、を備え、
前記タンブラ23が、前記ロッキングバー43の没入を許容する前記バー進入凹部53Aを有し前記可動ブロック29に収容される第1タンブラ23Aと、キー溝21aに進入する前記キー突起59を有し前記可動ブロック外の前記内筒19に収容される第2タンブラ23Bと、
前記可動ブロック29が摺接する前記内筒19の面に突設され前記第1タンブラ23Aが当接し前記ロッキングバー43の没入を許容する位置で該第1タンブラ23Aを位置保持する凸部63と、からなり、
前記第1タンブラ23Aと前記第2タンブラ23Bとは、連結手段55,57によって前記スライド方向の異なる複数の位置で選択的に連結可能になるとともに、該連結が前記可動ブロック29の移動に従動する前記第1タンブラ23Aの前記軸線方向の移動によって解除可能となり、かつ前記所定のセット回転角度範囲で挿入され前記施解錠操作回転範囲まで回転された任意の専用キー71に応じた異なる位置で選択的に再連結されることを特徴とする。
このシリンダー錠100では、第1のキー21の使用状態において第1タンブラ23Aと第2タンブラ23Bとが所定の相対位置に連結されており、第1のキー21を挿入した際に、キー突起59により、バー進入凹部53Aがロッキングバー43の後退を許容可能な位置に配置される。つまり、第1のキー21を挿入することにより、タンブラ23のバー進入凹部53Aにロッキングバー43が進入し、これによりロッキングバー43が外筒15のロック溝49から後退することで、内筒19が回動可能となる。このシリンダー錠100を第2のキー71の専用とするには、変更キー69が挿入される。変更キー69が挿入され、内筒19が所定のセット回転角度範囲まで回転されると、可動ブロック29が軸線方向に移動され、これに伴い第1タンブラ23Aも移動される。第1タンブラ23Aの移動により、連結手段55,57による連結が解除され、第2タンブラ23Bが第1タンブラ23Aに対し、軸線直行方向にスライド可能な状態となる。このとき、凸部63により、第1タンブラ23Aが位置保持され、ロッキングバー43の没入が許容されることとなる。そして、この状態で変更キー69を抜去し、第2のキー71が挿入されると、第2タンブラ23Bのキー突起59が第2のキー71のキー溝71aに合った位置に移動される。この状態で内筒19を所定のセット回転角度範囲から施解錠操作回転範囲まで回転させると、可動ブロック29が再び軸線方向に移動し、元の位置に戻る。可動ブロック29が元の位置に戻ることにより、連結手段55,57により第1タンブラ23Aと第2タンブラ23Bとが再び連結状態となる。つまり、第2タンブラ23Bは、第2のキー71に一致した位置で位置変更されたこととなる。これにより第2のキー71を引き抜いた後であっても、以降、第1のキー21が使用不能となり、第2のキー71が専用キーとして使用可能となる。
請求項2記載のシリンダー錠100は、前記内筒19の前記所定のセット回転角度範囲への移行が、前記専用キーより長尺の前記変更キー69を挿入することで、前記テールピース73と前記内筒19との係合を解除して可能になったことを特徴とする。
このシリンダー錠100では、変更キー69が、専用キー21,71より長尺で形成され、この変更キー69が挿入されることによりのみ内筒19のセット回転角度範囲への移行が可能となる。そして、内筒19がセット回転角度範囲へ回転されることで、テールピース73と内筒19との係合が解除され、テールピース73と内筒19とが相対回転可能となる。
請求項3記載のシリンダー錠100は、前記内筒19の軸線方向に移動可能となり複数の前記第2タンブラ23Bを貫通するコンスバー33と、
該コンスバー33に貫通された少なくとも1つの前記第2タンブラ23Bであって段部81を前記コンスバー33に係合することで前記バー進入凹部53Bを前記ロッキングバー43に一致させる一方、前記コンスバー33の軸線方向の移動によって該段部81の係合が解除され前記内筒19の軸線直交方向にスライドされて前記バー進入凹部53Bが前記ロッキングバー43と不一致となる休止タンブラ23Baと、
前記キー孔17に挿入され該休止タンブラ23Ba以外の前記タンブラ23Bbの前記バー進入凹部53Bを前記ロッキングバー43に一致させる施工用キー75と、
前記第2タンブラ23B同士の間で前記内筒19の軸線直交方向でスライド可能に前記内筒19に収容され前記専用キー又は前記マスターキーが前記キー孔17に挿入されることで前記内筒19の軸線直交方向でスライドされ該スライドによって前記コンスバー33との係合を解除して該コンスバー33を前記軸線方向へ移動させるコンス仕切板79と、
を具備したことを特徴とする。
このシリンダー錠100では、施工用キー使用時には、施工用キー75がキー孔17に挿入されると、休止タンブラ23Ba以外のタンブラ23Bbのみが作動され、シリンダー錠100の施解錠が可能となる。一方、施工完了後に、一度、通常使用キー(専用キー)21が使用されると、コンス仕切板79が移動され、コンスバー33との係合が解除される。コンス仕切板79との係合が解除されたコンスバー33は、軸線方向へと移動される。コンスバー33が移動されると、コンスバー33と休止タンブラ23Baとの係合が解除され、それまでバー進入凹部53Bがロッキングバー43に一致していた休止タンブラ23Baが、係合解除による移動によってロッキングバー43と不一致となる。つまり、今まで休止していた休止タンブラ23Baが、通常使用キー21の使用によって機能開始するようになり、施工用キー75による施解錠が不能となる。
請求項4記載のシリンダー錠に用いられる専用キーは、請求項1,2,3いずれか1つに記載のシリンダー錠100に用いられる専用キー21,71であって、該シリンダー錠100に対して施解錠の操作に用いられることを特徴とする。
請求項5記載のシリンダー錠に用いられる変更キーは、請求項1,2,3のいずれか1つに記載のシリンダー錠100に用いられる変更キー69であって、前記専用キー21,71よりも長尺に形成され、前記シリンダー錠100の施解錠操作を可能とする専用キー21から新たな別の専用キー71への使用状態へと変更することを特徴とする。
請求項6記載のシリンダー錠に用いられるマスターキーは、請求項1,2,3のいずれか1つに記載のシリンダー錠100に用いられるマスターキー77であって、該シリンダー錠100に対して施解錠の操作に用いられることを特徴とする。
請求項7記載のシリンダー錠に用いられる施工用キーは、請求項4記載のシリンダー錠100に用いられる施工用キー75であって、該シリンダー錠100を工事期間中で施解錠可能とすることを特徴とする。
このような、シリンダー錠100に用いられる専用キー21,71、変更キー69、マスターキー77、施工用キー75によれば、施工用キー75は工事期間中の前記シリンダー錠100に対して施解錠操作を可能とし、専用キー21,71やマスターキー77では、前記シリンダー錠100に対して施解錠操作を行うことが可能となり、また変更キー69を用いることで専用キー21から新たな専用キー71へと変更が可能となる。
本発明に係る請求項1記載のシリンダー錠によれば、変更キーを挿入し、内筒を所定のセット回転角度範囲に回転することで、第1タンブラと第2タンブラとの連結を解除し、その状態で、変更キーを抜去後、任意の専用キーを挿入して、施解錠操作回転範囲まで回転することにより、第1タンブラと第2タンブラとを、任意の専用キーに応じた異なる組合せ配置へ変更して連結することができる。これにより、第1のキーを第2のキーへと変更することができるようになる。この結果、シリンダー錠を交換せずに、多大な費用を費やすことなく、鍵変更を可能にすることができる。また、錠変更は、新たに使用したいキーをキー孔へ挿入するのみで可能となるので、変更作業を極めて容易に行うことができる。このことから、賃貸マンションなどにおいて、入居者が交替した場合に、旧入居者の使用していたキー(合鍵)を使用不能とすることが可能となる。
これに加え、第1のキー(元のキー)を使用せずに、変更キーと第2のキー(新たなキー)によって、第2のキーの使用可能状態へ変更できるので、第1のキーを紛失した場合であっても、変更を可能にすることができる。
また、同様に、各専用のキーの各シリンダー錠に対して共通して使用可能となるマスターキーの変更も可能となり、例えば、複数有るシリンダー錠に共通させてグループとした管理態勢に、新たなマスターキーでのグループ管理を行え、すなわち、管理者の交替にも対応可能となる。
請求項2記載のシリンダー錠によれば、セット回転角度範囲への移行が、専用キーより長尺の変更キーを挿入し、テールピースと内筒との係合を解除することで可能となるので、テールピースと内筒とが一体回転する係合状態と、テールピースと内筒とが相対回転可能となる係合解除状態を選択的に切り換える係脱機構を簡単な構造で容易に構成することができる。また、変更キーが長尺となるので、他の通常使用キー(専用キー)との区別を容易にすることができ、キー管理を行いやすくすることができる。
請求項3記載のシリンダー錠によれば、コンスバーと、休止タンブラと、施工用キーと、コンス仕切板とを備えたので、施工用キー使用時には、施工用キーにより休止タンブラ以外のタンブラのみを作動させてシリンダー錠の施解錠を可能にする一方、施工完了後には、一度、通常使用キー(専用キー)を使用することで、コンス仕切板を移動してコンスバーとの係合を解除し、コンスバーを軸線方向へと移動させる。このコンスバーの移動により、コンスバーと休止タンブラとの係合を解除し、それまでバー進入凹部をロッキングバーに一致させていた休止タンブラを、係合解除による移動によってロッキングバーと不一致にする。つまり、今まで休止していた休止タンブラを通常使用キーの使用によって機能開始させることができる。この結果、通常使用キーのみによる施解錠を可能にして、施工用キーの使用を不能にし、防犯性を確保することができる。
請求項4記載のシリンダー錠に用いられる専用キーによれば、シリンダー錠に対して、施解錠操作を行うことで施解錠可能となっている。
請求項5記載のシリンダー錠に用いられる変更キーによれば、専用キーよりも長尺に形成されることでシリンダー錠に対して施解錠操作を可能とする専用キーから新たな別の専用キーへの使用状態へと変更が可能となる。
請求項6記載のシリンダー錠に用いられるマスターキーによれば、各専用のキーの各シリンダー錠に対して共通して使用可能となり、それらシリンダー錠に対して施解錠の操作が可能となっている。
請求項7記載のシリンダー錠に用いられる施工用キーによれば、工事期間中に、シリンダー錠に対しての施解錠を可能とする。
本発明に係るシリンダー錠を、通常使用キー、変更キー、マスターキー及び施工用キーと共に表した外観斜視図である。 図1に示したシリンダー錠のキー挿入方向に直交する方向の断面図である。 図2の分解図である。 図1に示したシリンダー錠の軸線を含む面で切断した断面図である。 図4の分解図である。 回転範囲の動作説明図である。 第1専用キーが挿入されたキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図である。 マスターキーが挿入されたキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図である。 変更キーが挿入されたキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図である。 変更キーが90°回転されたキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図である。 図10に示したシリンダー錠の軸線を含む面で切断した断面図である。 変更キーが略135°回転されたキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図である。 図12に示したシリンダー錠の軸線を含む面で切断した断面図である。 変更キーが180°回転されたキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図である。 図14に示したシリンダー錠の軸線を含む面で切断した断面図である。 第2専用キーが挿入された状態のキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図である。 第2専用キーが45°戻し回転された状態のキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図である。 第2専用キーが180°戻し回転された状態のキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図である。 第2専用キーが抜かれた状態のキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図である。 図1に示したシリンダー錠に設けられるコンス機構部の分解説明図である。 コンス状態とコンス解除後の状態の休止タンブラを表す説明図である。 コンス状態で施工用キーが抜かれたシリンダー錠のキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図である。 コンス状態で施工用キーが挿入されたシリンダー錠のキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図である。 コンス状態で施工用キーが回転されたシリンダー錠のキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図である。 コンス状態で通常使用キーが挿入されたシリンダー錠のキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図である。 図25の状態で通常使用キーが回転されたシリンダー錠のキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図である。 第2の構成に係るシリンダー錠を、通常使用キー、変更キー、マスターキー及び施工用キーと共に表した外観斜視図である。 図27のシリンダー錠における専用キー使用時のキー挿入方向に直交する方向の断面図である。 図28と異なる位置の断面図である。 図27のシリンダー錠におけるキー未挿入時の縦断面図である。 図27のシリンダー錠における専用キー使用時の平断面図である。 図27のシリンダー錠における変更キー使用時の平断面図である。 図27のシリンダー錠における変更キーを使用して180°回転時の縦断面図である。 第3の構成に係るシリンダー錠を、通常使用キー、変更キー及び施工用キーと共に表した外観斜視図である。 図34のシリンダー錠における変更キー使用時のキー挿入方向に直交する方向の断面図である。 図35の分解図である。
以下、本発明に係るシリンダー錠の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係るシリンダー錠を、通常使用キー、変更キー、マスターキー及び施工用キーと共に表した外観斜視図、図2は図1に示したシリンダー錠のキー挿入方向に直交する方向の断面図、図3は図2の分解図、図4は図1に示したシリンダー錠の軸線を含む面で切断した断面図、図5は図4の分解図である。
本実施の形態に係るシリンダー錠100は、扉の屋外面に取り付けられ、図1に示すように、化粧リング11により前端面を除く錠本体13の外周が覆われる。錠本体13は、扉或いは錠箱に固定される外筒15と、前端面にキー孔17を有し、この外筒15に対し回動自在に内設される内筒19とに大別して構成される。
内筒19のキー孔17には例えば賃貸住宅の最初の入居者の第1のキーである第1専用キー21が挿入され、シリンダー錠100はこの第1専用キー21によって内筒19が外筒15に対して回動自在、すなわち、施解錠可能となっている。本実施の形態によるシリンダー錠100は、第1専用キー21による使用可能状態から、後述の変更キー69を用いることによって、新たな別のキー(例えば後述の第2専用キー71)の使用可能状態へ内部機構が容易に変更可能となることを特徴としている。変更キー69は、第1専用キー21より若干長い。
また、シリンダー錠100は、マスターキー77を備えるものであってもよい。マスターキー77は、専用キー使用可能状態において、施解錠を可能とする。なお、本発明に係るシリンダー錠は、後述するように、マスターキー77を用いない構成とすることもできる。
また、図1には施工用キー(以下、「コンスキー」とも称す。)75が併記されている。このコンスキー75は、シリンダー錠100を工事期間中で施解錠可能とする。本実施の形態によるシリンダー錠100は、後に詳述するように、このコンスキー75の使用状態から、一旦、通常使用キー(例えば第1専用キー21等)が使用されると、コンスキー75による施解錠操作が不能となる機能を有している。なお、本明細書中、通常使用キーとは、第1専用キー21、マスターキー77を言う。
図2に示すように、内筒19にはスライドタンブラ23が収容されている。スライドタンブラ23は、内筒19の軸線方向に複数枚が平行に並べられ収容されている。なお、説明の都合上、スライドタンブラ23はそれぞれが略同一構成であるためそのうちの1つを例に説明する。
内筒19の外周には軸線方向に延在する一対のバー収容溝41,41が軸線を対称に形成され、バー収容溝41にはロッキングバー43が収容される。このロッキングバー43は、後に詳述するように複数のタンブラ23との相対位置関係によってロック状態又は非ロック状態となる。ロッキングバー43は、先端が尖頭部45となり、後端がタンブラ係合板部47となる。ロッキングバー43は、尖頭部45がバー収容溝41から突出することで、外筒15の内周に軸線方向で形成されたロック溝49に係合するようになっている。内筒19は、ロッキングバー43の尖頭部45がロック溝49に進入することで、回動が阻止される。また、ロッキングバー43は、尖頭部45がバー収容溝41内へ後退することで、外筒15とのロックが解除される。これにより、内筒19は、回動自在となる。
ロッキングバー43が、バー収容溝41内に没入した状態で、タンブラ係合板部47は、内筒19の内部に形成されたタンブラ収容空間51に突出するようになっている。このタンブラ収容空間51には上記のタンブラ23が収容され、タンブラ23は内筒19の軸線直交方向(図2の左右方向)にスライド自在に収容される。このタンブラ23は、第1タンブラ23Aと、第2タンブラ23Bとからなる。
第1タンブラ23Aには、半径方向外側の図中上辺部に、凹凸からなるバー進入凹部53Aが形成される。また、第2タンブラ23Bの半径方向外側の図中下辺部には、バー進入凹部53Aとは異なる形状のバー進入凹部53Bが形成されている。第1タンブラ23Aの下辺部には複数の歯からなる列歯部55がタンブラスライド方向(図2の左右方向)に延設されている。第2タンブラ23Bの上辺部には、第1タンブラ23Aの列歯部55に噛合する同じく複数の歯からなる列歯部57がタンブラスライド方向(図2の左右方向)に延設されている。これら、列歯部55と列歯部57とは、連結手段を構成している。また、第2タンブラ23Bにはキー孔17に連通する貫通孔が形成され、バー進入凹部53Bと逆側の半径方向外側の辺部に、キー孔17内に突出するキー突起59が設けられる。このキー突起59は、キー孔17に挿入されるキーのキー溝、例えば図1に示すような第1専用キー21のキー溝21aに、図7に示すように進入する。
第1タンブラ23Aと第2タンブラ23Bとは、列歯部55と列歯部57とがいずれかの相対スライド位置で噛合することで相対移動不能な連結状態となり、この状態で、図2に示すように、バー進入凹部53A、バー進入凹部53Bをロッキングバー43のタンブラ係合板部47側へ向ける一方、キー突起59をキー孔17へ突出させる。
内筒19とそれぞれのロッキングバー43,43との間には、一対の付勢手段である図4に示すコイルバネ62,62が配設され、コイルバネ62,62はロッキングバー43,43を内筒19の半径方向外側へ付勢している。
図2に示すように、第1タンブラ23Aは、タンブラ収容空間51内に設けられた付勢手段としてのタンブラ付勢バネ52により、図2の左方向へと付勢されている。したがって、列歯部55,列歯部57によって連結された第2タンブラ23Bも同方向へ付勢されている。このようにキー(第1専用キー21)の挿入されていない状態では、タンブラ23がタンブラ付勢バネ52によってスライドされていることで、バー進入凹部53A、バー進入凹部53Bがロッキングバー43のタンブラ係合板部47に一致せず、これにより内筒19の回転が不能状態となる。
図5に示すように、内筒19の底部には軸線方向に複数の凹溝25a,25bが交互に形成され、凹溝25aは第2タンブラ23Bを収容し、凹溝25bは図3に示す仕切板27を収容する。つまり、内筒19にはタンブラ23と仕切板27とが交互に収容されている。
内筒19には、上側のロッキングバー43の下方に、図3に示す凸部63,63が固設されている。凸部63は、可動ブロック29が摺接する内筒19の面に突設される。図5に示すように、凸部63は、軸線方向に凹部63aと交互に配置され櫛歯状に形成され、第1のタンブラ23Aの移動軌跡内に位置する。
第1タンブラ23Aは、タンブラ付勢バネ52によりスライド方向の一方へ常に付勢される。第1タンブラ23Aに対して連結解除された第2タンブラ23Bはスライド方向でフリー状態となる。一方、第1タンブラ23Aは、タンブラ付勢バネ52に付勢され、凸部63に当接して位置保持される。この位置がロッキングバー43の没入を許容する位置となる。すなわち、第1,第2タンブラ23A,23Bを異なる位置で連結させる際の基準の位置となる。その後に第1,第2タンブラ23A,23Bが互いに連結されることとなる。
内筒19には可動ブロック29が軸線方向に移動自在に収容され、可動ブロック29は上記した複数のタンブラ収容空間51を軸線方向に有し、それぞれのタンブラ収容空間51に第1タンブラ23Aをスライド自在に保持する。これにより、第1タンブラ23Aは、可動ブロック29が軸線方向へ移動されることで、可動ブロック29と共に軸線方向へ移動される。可動ブロック29にはバックアップピン31が貫通され、バックアップピン31は第1タンブラ23Aをスライド可能にガイドする。このバックアップピン31は、両端が内筒19側に当接することで、可動ブロック29と相対摺動する。そして、内筒19の面に突設された凸部63,63が可動ブロック29とは相対摺動することで、可動ブロック29に保持された第1タンブラ23Aは、可動ブロック29の移動に従動し、凸部63又は凸部63と凸部63との間の凹部63aのいずれかと対向する。
さらに、内筒19、仕切板27、第2タンブラ23Bにはコンスバー33が、それぞれの貫通穴19a,27a,23Bdに貫通されている。コンスバー33は、軸線方向に移動自在となって内筒19に支持され、付勢バネ35によってキー挿入方向と同方向へ付勢されている。なお、このコンスバー33は、コンスキー75の使用状態を解除するための部材であり、その作用は後に詳述する。
外筒15の後部にはテールピース73が回動自在に保持されている。テールピース73は、ワッシャーリング37と、ストッパーリング39によって外筒15からの脱落が規制される。テールピース73の後端側内面には高低差を有する斜面状のカム面60aが形成されている。可動ブロック29は、長手方後端がこのカム面60aに摺接する。ロッキングバー43は、外筒15に嵌合された規制片13aに、溝43aを係合して軸線方向に移動可能となる。これに対し、内筒19は、テールピース73に当接し、軸線方向の移動が規制されている。したがって、可動ブロック29は、内筒19が回転されることで、後端がカム面60aに摺接して、軸線方向の後方(キー挿入方向)に移動されるようになっている。また、外筒15に収容された内筒19及び可動ブロック29は、後端がテールピース73に当接し、前端が飾りリング67に当接して脱落不能に収容される。なお、図示しないが、飾りリング67と可動ブロック29との間には、上記カム面60aと同等のカム面が設けられ、このカム面が可動ブロック29の長手方向前端に摺接する。
ここで、可動ブロック29は、本実施の形態では、内筒19(或いはキー)が90°〜180°の回転角度範囲にあるときに移動が可能となる。本明細書中、この可動ブロックが移動される回転角度範囲を、シリンダー錠100の「セット回転角度範囲」と称する。これに対し、0°から90°までの回転角度範囲は、シリンダー錠100の「施解錠操作回転範囲」と称する。
本実施の形態では、シリンダー錠100に対して、上記の第1専用キー21の他、後述の第2専用キー71、変更キー69が使用される。これら、第1専用キー21、第2専用キー71、変更キー69は、それぞれ使用が可能となる回転角度範囲が定められている。すなわち、第1専用キー21及び第2専用キー71は、施解錠操作回転範囲で順方向(例えば時計回り方向)及び逆方向(反時計回り方向)で回転可能となり、また、セット回転角度範囲においても順方向及び逆方向で回転可能となる。一方、変更キー69は、施解錠操作回転範囲からセット回転角度範囲までを順方向及び逆方向のいずれも回転可能となる。なお、後に詳述するが、本実施のシリンダー錠100では、第1専用キー21から第2専用キー71へ変更を行う場合、先ず、変更キー69を用いて施解錠操作回転範囲からセット回転角度範囲(0°〜180°)まで回転を行い、180°の回転位置で変更キー69を抜いた後、当該位置で変更したいキー、すなわち第2専用キー71等を挿入し、セット回転角度範囲から施解錠操作回転範囲(180°〜0°)まで回転を行う。これにより、第1専用キー21から第2専用キー71への変更が行えるようになっている。
内筒19とテールピース73との間にはコア部材64が設けられる。コア部材64は、内筒19とテールピース73とに亘って位置することで、内筒19とテールピース73とを相対回転不能に連結する。一方、コア部材64は、セット回転角度範囲で、内筒19とテールピース73との連結を解除する。これにより、内筒19は、テールピース73に対して空転可能となる。コア部材64は、付勢バネ65によって、通常時、内筒19とテールピース73とを連結する位置に配置される。
テールピース73は、図示しない錠機構に連結されることで、施解錠操作回転範囲(0°〜90°)でのみ回転が可能となっている。したがって、内筒19は、コア部材64が内筒19とテールピース73とを連結している状態では、施解錠操作回転範囲でのみ回転される。ここで、後述する変更キー69は、他の第1専用キー21、第2専用キー71よりも長尺で形成される。これにより、変更キー69がキー孔17に挿入されると、先端がコア部材64を押圧し、内筒19とテールピース73との連結を解除するようになっている。つまり、変更キー69が挿入されると、錠機構によって回転が規制されたテールピース73との連結が解除され、内筒19はセット回転角度範囲(90°〜180°)へ回転が可能となる。なお、コア部材64は、セット回転角度範囲において、及びこのセット回転角度範囲から施解錠操作回転範囲に戻る際には、図示しない係合溝等を介して軸線方向の移動が規制され、内筒19とテールピース73とを連結解除状態に維持する。
ここで、図4に示すように、第1タンブラ23Aは、可動ブロック29に保持されているため、可動ブロック29が図2の紙面垂直方向奥側へ移動すると、可動ブロック29と一体となって同方向へ移動される。その結果、移動しない第2タンブラ23Bの列歯部57から、列歯部55が外れるようになっている。すなわち、列歯部57から列歯部55が抜けた状態では、第1タンブラ23Aと第2タンブラ23Bとは連結が解除された状態となる。
本実施の形態によるシリンダー錠100は、第1専用キー21での施解錠可能状態から、他の専用キー(第2専用キー71、第3専用キー(図示せず)、・・・)での施解錠可能状態への変更切換を可能としている。また、これらの専用キー使用可能状態において、施解錠が可能となるマスターキー77を備えるものであるが、このマスターキー77も他のマスターキーへと変更が可能となっている。すなわち、第1専用キー21、第2専用キー71、第3専用キーに対して施解錠が可能となる第1マスターキー77は、マスターキー変更されることにより、施解錠不能となり、第1専用キー21、第2専用キー71、第3専用キーは、変更された後の新たな第2マスターキー(図示せず)によって施解錠可能となる。
次に、このように構成されるシリンダー錠の専用キー変更の動作手順を説明する。
図6は回転範囲の動作説明図、図7は第1専用キーが挿入されたキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図である。
この動作手順では、当初第1専用キー21が使用可能状態であったシリンダー錠100を、変更キー69を用いることによって、第2専用キー71が使用可能状態となる変更動作について説明する。なお、シリンダー錠100は、変更キー69を用いることで、第1専用キー21への変更、この他の第3専用キー、・・・への変更が可能となるものであり、また、各専用キーに対となる変更キーとして構成し、すなわち、第1専用キー21には第1変更キー、第2専用キーには第2変更キー・・・とペアで組み合わせる構成とし、第1専用キーを他の専用キーへ変更する場合には、第1変更キーのみがその変更操作に用いられ、また第2専用キーで運用中であればそれを変更可能とするには第2変更キーのみが変更を可能とする組合せする構成としても良く、或いは、第1専用キー、第2専用キー、・・・の各専用キーに共通して使用可能な変更キーとなる構成としてもよい。
ここで、キー変更に当たって差し替えされるそれぞれのキーを図6に基づいて概略説明すれば、第1専用キー21が白丸1〜白丸2の範囲(0°〜90°)で使用可能となった状態において、白丸3で変更キー69が挿入され、変更キー69は白丸4〜白丸7まで回転された後、白丸8(180°位置)で抜かれる。この状態から白丸9で第2専用キー71が挿入され、第2専用キー71は白丸10〜白丸13へと回転され、白丸13で回転完了となって抜かれることとなる。
以下に、キー変更の動作手順をさらに説明する。
図7に示すように、第1専用キー21で施解錠操作が行える状態、すなわち第1専用キー21での運用状態において、シリンダー錠100は、上下の第1タンブラ23Aと第2タンブラ23Bとが、列歯部55と列歯部57とを噛合して連結されている。なお、この状態では、テールピース73は内筒19と連結状態である。
キー孔17に第1専用キー21が挿入されると、第2タンブラ23Bのキー突起59が第1専用キー21のキー溝21aに進入し、タンブラ23が図7の右方向へ移動することにより、タンブラ23のバー進入凹部53A、バー進入凹部53Bが、ロッキングバー43のタンブラ係合板部47に一致する。すなわち、第1専用キー21による施解錠操作が可能となる。なお、この状態においては、キー21先端がコア部材64に届かず、テールピース73は内筒19と連結状態である。
図8はマスターキーが挿入されたキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図である。
また、キー孔17にマスターキー77が挿入されると、第2タンブラ23Bのキー突起59がマスターキー77のキー溝77aに進入し、タンブラ23が図8のさらに右方向へ移動することにより、タンブラ23のバー進入凹部53A、バー進入凹部53Bが、ロッキングバー43のタンブラ係合板部47に一致する。すなわち、マスターキー77による施解錠操作が可能となる。なお、この状態においては、キー77先端がコア部材64に届かず、テールピース73は内筒19と連結状態である。
図9は変更キーが挿入されたキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図、図10は変更キーが90°回転されたキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図、図11は図10に示したシリンダー錠の軸線を含む面で切断した断面図、図12は変更キーが略135°回転されたキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図、図13は図12に示したシリンダー錠の軸線を含む面で切断した断面図、図14は変更キーが180°回転されたキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図、図15は図14に示したシリンダー錠の軸線を含む面で切断した断面図である。
図6の白丸3の状態で、変更キー69がキー孔17に挿入されると、図9に示すように、第2タンブラ23Bのキー突起59が変更キー69のキー溝69aに進入し、タンブラ23が図9の右方向へ移動することにより、タンブラ23のバー進入凹部53A、バー進入凹部53Bが、ロッキングバー43のタンブラ係合板部47に一致、すなわちシアーラインが揃う。これにより、ロッキングバー43の尖頭部45がロック溝49から外れ、ロッキングバー43がバー収容溝41内に没入して、内筒19が図6の白丸4,白丸5、図10、図11に示すように時計回りに90°回転可能となる。なお、この状態で、白丸5、白丸4、白丸3と戻し回転することで変更キー69による施解錠を可能とする構成としてもよい。
同時に、変更キー69の先端によって内筒19とテールピース73との連結が解除され、内筒19は、変更キー69によって施解錠操作回転範囲を超えるセット回転角度範囲へと回転が可能となる。
図6の白丸6,図12、図13に示すように、変更キー69が90°を超え、例えば略135°の位置まで回転されると、可動ブロック29は、カム面60a(図13参照)に摺接することで、軸線方向(図13の右方向)へ移動する。可動ブロック29の移動により、第1タンブラ23Aがキー挿入方向奥側へと従動され、これにより列歯部55と列歯部57とが連結解除される。連結解除された第1タンブラ23Aは、タンブラ付勢バネ52の力により凸部63の方向に付勢されるが、ロッキングバー43に係止して位置保持される。また、第2タンブラ23Bは、第1タンブラ23Aが可動ブロック29と共に移動することで、列歯部57が外れ、第1タンブラ23Aとの連結が解除されるが、ロッキングバー43とキー溝69aによって位置保持される。
このとき、第1タンブラ23Aの移動軌跡上には凸部63が位置することとなる。つまり、可動ブロック29が奥側にスライドすると、凸部63で第1タンブラ23Aが係止可能とされる。
変更キー69が図6の白丸7,図14、図15に示す位置(180°)まで回転完了すると、再びロッキングバー43が反対側のロック溝49に進入し、内筒19が外筒15に対してロック状態となる。この状態で、第1タンブラ23Aは、タンブラ付勢バネ52によって図14の右方向へ付勢され、凸部63に当接して止まる。一方、第2タンブラ23Bは、変更キー69のキー溝69aに係合したキー突起59を介してスライドが規制される。
図6の白丸8で変更キー69が抜かれると、第2タンブラ23Bは、キー突起59と変更キー69との係合が解除され、フリーとなる。一方、第1タンブラ23Aは、タンブラ付勢バネ52によって付勢され、凸部63に当接して位置保持されたままとなる。この位置保持された第1タンブラ23Aは、そのバー進入凹部53Aが位置決めされることとなり、このバー進入凹部53Aにはロッキングバー43が没入可能な位置となって設定される。すなわち、第1タンブラ23Aは、タンブラ付勢バネ52とともに凸部63により位置保持され、かつその位置がロッキングバー43の没入を許容する位置となり、第1,第2タンブラ23A,23Bを異なる位置で連結させる際の基準位置で配置される。別言すると、第1タンブラ23Aは、この後の動作でロッキングバー43が没入可能な位置を仮固定し、第2タンブラ23Bが再連結する際の基準位置となって待ち受けをする。
また、変更キー69が抜かれても、図5に示すコア部材64は内筒19と連結状態とならずに、内筒19とテールピース73とは相対回転可能な状態である。
図16は第2専用キーが挿入された状態のキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図である。
変更キー69が抜かれたなら、次に、図6の白丸9で、変更したい新たなキーとして第2のキーである第2専用キー71が挿入される。第2専用キー71が挿入されると、第2専用キー71のキー溝71aに沿ってキー突起59を介して第2タンブラ23Bがスライドされる。この際、第2タンブラ23Bは、第1専用キー21のときとは異なる位置に配置される。つまり、第2タンブラ23Bの列歯部57が、異なる位置の列歯部55へ一致する。
図17は第2専用キーが45°戻し回転された状態のキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図である。
この状態で第2専用キー71が反時計回りに回転されると、ロッキングバー43の尖頭部45がロック溝49から外れ、内筒19の回転が可能となる。なお、第2専用キー71の回転方向は時計回りでも同等の作用となる。
図18は第2専用キーが180°戻し回転された状態のキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図である。
図6の白丸9〜白丸10へ第2専用キー71が回転されると、可動ブロック29がカム面60aに摺接することで、可動ブロック29は、キー挿入方向の前側へと移動して元の位置へと戻る。その結果、図17,図18に示すように、第1タンブラ23Aが可動ブロック29と共に移動し、第1タンブラ23Aの列歯部55が、第2タンブラ23Bの列歯部57に嵌入することとなる。また、この移動により、第1タンブラ23Aの凸部63との当接状態が解除される。そして、第2専用キー71が図6の白丸13の位置まで回転されることで、第1タンブラ23Aと第2タンブラ23Bとの組合せ位置の変更が完了する(図18参照)。なお、この際、コア部材64は、再び内筒19とテールピース73とを相対回転不能に連結することとなる。
図19は第2専用キーが抜かれた状態のキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図である。
この状態で、第2専用キー71が抜かれることで、第2専用キー71と第2タンブラ23Bとの係合が外れ、第1タンブラ23Aと第2タンブラ23Bとがタンブラ付勢バネ52によってスライドされ、キー変更が完了する。キー変更の後、第1専用キー21がキー孔17へ挿入されても、タンブラ23のバー進入凹部53A,53Bがタンブラ係合板部47と一致しない(シアーラインが揃わない)ため、ロッキングバー43がバー収容溝41内へ後退できない。その結果、ロッキングバー43が、外筒15のロック溝49から外れず、内筒19の回動が規制される。つまり、シリンダー錠100は、第2専用キー71による施解錠可能状態となる。
なお、本実施の形態では、第1タンブラ23Aと第2タンブラ23Bとは、列歯部55と列歯部57とによる噛合可能なパターンで連結可能となる。これら、それぞれの異なる位置で連結されることで、タンブラ23は、バー進入凹部53A,53Bがそれぞれ異なる位置に配置される。つまり、タンブラ係合板部47が挿入可能なバー進入凹部53A、53Bの位置が変更される。これにより、異なるキー溝21a,71a等を有する複数の第1専用キー21、第2専用キー71、第3専用キー・・・への変更を可能としている。
また、第1タンブラ23Aと第2タンブラ23Bとが種々の位置に相対配置されても、タンブラ23には、共通してタンブラ係合板部47の進入可能なバー進入凹部53A、53Bが形成されることとなる。したがって、当該位置におけるキー突起59の進入可能なキー溝をマスターキー77に設ければ、このマスターキー77は、第2タンブラ23Bの異なる配置のいずれの位置においてもタンブラ係合板部47を受け入れ可能、すなわち、施解錠可能にすることができる。
したがって、上記のシリンダー錠100によれば、変更キー69を挿入し、内筒19を所定のセット回転角度範囲に回転することで、第1タンブラ23Aと第2タンブラ23Bとの連結を解除し、その状態で、変更キー69を抜去し、任意の専用キー(例えば第2専用キー71)を挿入して、施解錠操作回転範囲まで回転することにより、第1タンブラ23Aと第2タンブラ23Bとを、任意の専用キーに応じた異なる組合せ配置へ変更して連結することができる。これにより、第1のキーを第2のキーへと変更することができるようになる。この結果、シリンダー錠100を交換せずに、多大な費用を費やすことなく、鍵変更を可能にすることができる。また、錠変更は、新たに使用したいキーをキー孔17へ挿入し回転するのみで可能となるので、変更作業を極めて容易に行うことができる。このことから、賃貸マンションなどにおいて、入居者が交替した場合に、旧入居者の使用していたキー(合鍵)を使用不能とすることが可能となる。
これに加え、第1のキー(元のキー)を使用せずに、変更キー69と第2のキー(新たなキー)によって、第2のキーの使用可能状態へ変更できるので、第1のキーを紛失した場合や、第1のキーを意図的に使用不能したい場合、或いは盗難にあった場合であっても、変更を可能にすることができる。
また、同様に、各専用のキーの各シリンダー錠に対して共通して使用可能となるマスターキーの変更も可能となり、例えば、複数有るシリンダー錠100に共通させてグループとした管理態勢に、新たなマスターキーでのグループ管理を行え、すなわち、管理者の交替にも対応可能となる。
また、このシリンダー錠100によれば、セット回転角度範囲への移行が、専用キー及びマスターキーより長尺の変更キー69を挿入し、テールピース73と内筒19との係合を解除することで可能となるので、テールピース73と内筒19とが一体回転する係合状態と、テールピース73と内筒19とが相対回転可能となる係合解除状態を選択的に切り換える係脱機構を簡単な構造で容易に構成することができる。また、変更キー69が長尺となるので、他の通常使用キー(専用キー、マスターキー)との区別を容易にすることができ、キー管理を行いやすくすることができる。
また、凸部63を設けることで、第1,第2タンブラ23A,23Bを異なる位置で連結させる際の基準の位置を得ることが可能となる。第1タンブラ23Aを位置保持する凸部を、可動ブロック29が摺接する内筒19の面に突設したので、内筒19に凸部63と凹部63aを櫛歯状に加工すればよく、小さな別部材を製作して狭小スペースに組み入れる構造に比べて、部品点数を少なくし、構造を簡単にできる。
なお、上述した実施の形態では、セット回転角度範囲を90°から180°の回転角度範囲として示したが、この角度範囲に限定されるものではなく、これよりも少ない回転角度範囲内としてもよく、その場合には、キー変更時のキーの回転を少ない範囲とすることができ、操作性が向上することとなる。
また、シリンダー錠には不図示のピンタンブラが設けられてもよい。ピンタンブラは、キー孔17の挿入方向に複数組配設される。ピンタンブラは、内筒側ピン収容孔に収容されるタンブラピンと、外筒側ピン収容孔に収容されるドライバピンとからなり、外筒側ピン収容孔を塞ぐ蓋とドライバピンとの間にはコイルバネが配設され、これによりドライバピンはピンタンブラ側へ付勢される。ピンタンブラの先端はキー孔17へ突出され、キー孔17に挿入された第1専用キー21によってピンタンブラの配置が決まり、これによってピンタンブラとドライバピンとの境が、内筒19外周と外筒15内周との間であるシアーラインに一致する。したがって、異なる専用キーが挿入されれば、ピンタンブラ或いはドライバピンがシアーラインを横断することとなり、内筒19の回動が不能となる。
シリンダー錠100では、複数の上記タンブラ23に加え、複数のピンタンブラが設けられることで、カギ違い数が増やせ、防犯性がより高められる。
さらに、シリンダー錠100に用いられる施工用キー75によれば、工事期間中のシリンダー錠100に対して施解錠操作を行うことができる。専用キー21によれば、シリンダー錠100に対して施解錠操作を行うことができる。マスターキー77によれば、各専用のキーの各シリンダー錠に対して共通して使用可能となり、それらシリンダー錠の全てに対して施解錠の操作が行える。変更キー69によれば、専用キーよりも長尺に形成されることで、専用キー21の使用状態から新たな別の専用キーの使用状態へ変更が行える。
図20は図1に示したシリンダー錠に設けられるコンス機構部の分解説明図である。
上記した実施の形態によるシリンダー錠100は、コンスキー75の使用状態から、一旦、通常使用キー(例えば第1専用キー21等)が使用されると、コンスキー75による施解錠操作が不能となるコンス機能を付加することができる。
このため、シリンダー錠100には、コンスバー33と、休止タンブラ23Baと、コンスキー75と、コンス仕切板79とを備えている。
コンスバー33は、内筒19の軸線方向に移動可能となり、複数の第2タンブラ23Bを貫通している。このコンスバー33は、付勢バネ35によってキー挿入方向と同方向へ付勢される。
休止タンブラ23Baは、コンスバー33に貫通された少なくとも1つの第2タンブラ23Bからなる。本実施の形態では、図4に示す後部側8つの第2タンブラ23Bが休止タンブラ23Baとなっている。休止タンブラ23Baは、貫通穴23Bd内の段部81をコンスバー33に係合することで、バー進入凹部53Bをロッキングバー43に一致させる(図21(a)(b)参照)。一方、休止タンブラ23Baは、コンスバー33の軸線方向の移動によって段部81の係合が解除され(図21(d)参照)内筒19の軸線直交方向にスライドされて、バー進入凹部53Bがロッキングバー43と不一致となる(図21(e)参照)。
コンスキー75は、キー孔17に挿入され、休止タンブラ23Ba以外の第2タンブラ23B(以下、「コンス共通タンブラ23Bb」と称す。)のバー進入凹部53Bをロッキングバー43に一致させる。本実施の形態では、図4に示す前部側5つの第2タンブラ23Bが、コンス共通タンブラ23Bbとなる。このコンス共通タンブラ23Bbには貫通穴23Bdに段部81が設けられていない。
コンス仕切板79は、上部コンス仕切板79Aと下部コンス仕切板79Bとからなる。下部コンス仕切板79Bは、第2タンブラ23B同士の間で、内筒19の軸線直交方向(図20の上下方向)でスライド可能に内筒19に収容される。下部コンス仕切板79Bは、上部コンス仕切板79Aとの間に配設される一対のバネ83,83によって、離反方向(図20の下方向)に付勢されている。また、下部コンス仕切板79Bにはリリースタンブラ85が図20の左右方向にスライド自在に設けられ、リリースタンブラ85は付勢手段87によって図20の左方向へ付勢されている。本実施の形態では、リリースタンブラ85を下部コンス仕切板79Bの厚み内に納まるよう形成されている。
コンス仕切板79は、専用キー又はマスターキーがキー孔17に挿入されることで、内筒19の軸線直交方向でスライドされ、このスライドによってコンスバー33との係合を解除する。コンスバー33は、このコンス仕切板79との係合が解除されることで、付勢バネ35の付勢力によって軸線方向の奥側へ移動されるようになっている。
図21はコンス状態とコンス解除後の状態の休止タンブラを表す説明図、図22はコンス状態で施工用キーが抜かれたシリンダー錠のキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図、図23はコンス状態で施工用キーが挿入されたシリンダー錠のキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図、図24はコンス状態で施工用キーが回転されたシリンダー錠のキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図、図25はコンス状態で通常使用キーが挿入されたシリンダー錠のキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図、図26は図25の状態で通常使用キーが回転されたシリンダー錠のキー挿入方向に直交する方向の断面視を表した動作説明図である。
このようなコンス機能を備えたシリンダー錠100では、図22に示すコンスキー75の使用時には、上部コンス仕切板79Aと下部コンス仕切板79Bとがバネ83,83によって離反されている。また、リリースタンブラ85は、付勢手段87によって左方へ付勢されているとともに、リリースタンブラ85は上部コンス仕切板79Aと下部コンス仕切板79Bとの間で、その離反状態を維持するように配置されている。この状態で、リリースタンブラ85の凹部91がロッキングバー43に一致し、また、図21(b)に示すようにコンス共通タンブラ23Baのバー進入凹部53Bもロッキングバー43に一致する。これにより、コンス共通タンブラ23Bbはロッキングバー43の没入を可能とする。なお、図中89は、可動ブロック29とコンス仕切板79とを仕切るスペーサである。スペーサ89は、内筒19に対して可動ブロック29を滑りやすくする。
この状態で、コンスキー75がキー孔17へ挿入されると、コンス共通タンブラ23Bbが作動され、かつ図24に示すように、ロッキングバー43がリリースタンブラ85の凹部91へ進入してシリンダー錠100の施解錠が可能となる。また、休止タンブラ23Baも図21(c)に示すように、バー進入凹部53Bをロッキングバー43に一致させ、ロッキングバー43の没入を可能としている。
一方、施工完了後に、一度、通常使用キー(専用キー、マスターキー)21が使用されると、図25に示すように、リリースタンブラ85が右方へスライドされる。この状態で図26に示すように、第1専用キー21が時計回りに回転されると、ロッキングバー43の後退によって押圧された下部コンス仕切板79Bが上方へ移動され、コンスバー33との係合が解除される。
下部コンス仕切板79Bとの係合が解除されたコンスバー33は、付勢バネ35の付勢力によって軸線方向奥側へと移動される。コンスバー33が移動されると、図21(d)に示すように、コンスバー33と休止タンブラ23Baの段部81との係合が解除され、それまでバー進入凹部53Bがロッキングバー43に一致していた休止タンブラ23Baが、係合解除による移動によってロッキングバー43と不一致となる(図21(e)参照)。つまり、今まで休止していた休止タンブラ23Baが、通常使用キー21の使用によって機能開始するようになり、以降コンスキー75による施解錠が不能となる。
このように、コンス機能を備えたシリンダー錠100によれば、コンスキー75の使用時には、コンスキー75によりコンス共通タンブラ23Bbを作動させてシリンダー錠100の施解錠を可能にする一方、施工完了後には、一度、通常使用キー(専用キー、マスターキー)21を使用することで、下部コンス仕切板79Bを移動してコンスバー33との係合を解除し、コンスバー33を軸線方向へと移動させる。このコンスバー33の移動により、コンスバー33と休止タンブラ23Baとの係合を解除し、それまでバー進入凹部53Bをロッキングバー43に一致させていた休止タンブラ23Baを、係合解除による移動によってロッキングバー43と不一致にする。つまり、今まで休止していた休止タンブラ23Baを通常使用キー21の使用によって機能開始させることができる。この結果、通常使用キー21のみによる施解錠を可能にして、コンスキー75の使用を不能にし、防犯性を確保することができる。
本発明に係るシリンダー錠は、上記した第1の構成例に係るシリンダー錠100の他に、以下の各構成例のシリンダー錠100A,100Bとすることができる。シリンダー錠100A,100Bは、上記したシリンダー錠100のいくつかの構成部材に対し、より製品化に適した変形を加えたものである。基本的な構成及び作用はシリンダー錠100と同様である。したがって、その差異を主に説明する。
先ず、第2の構成例のシリンダー錠100Aについて説明する。
図27は第2の構成に係るシリンダー錠を、通常使用キー、変更キー、マスターキー及び施工用キーと共に表した外観斜視図、図28は図27のシリンダー錠における専用キー使用時のキー挿入方向に直交する方向の断面図、図29は図28と異なる位置の断面図、図30は図27のシリンダー錠におけるキー未挿入時の縦断面図、図31は図27のシリンダー錠における専用キー使用時の平断面図、図32は図27のシリンダー錠における変更キー使用時の平断面図、図33は図27のシリンダー錠における変更キーを使用して180°回転時の縦断面図である。
なお、以下の各構成において第1の構成例(図1〜図26)に示した部材と同等の部材には同一の符号を付し重複する説明は省略する。
第2の構成に係るシリンダー錠100Aは、図27に示すように、第1専用キー21(第2専用キー71)、変更キー69、マスターキー77、コンスキー75を備える。マスターキー77を用いない構成とすることもできる。これらのキー21,69,77,75は、摘み板21t,69t,75t,77tの形状が、挿入方向の中心線に対して非対称に形成される。一方の側縁を平坦にちかづけ、弧状凹部101を設けることで摘み性を良好としている。
錠本体13Aの中心に内筒19Aを備えるが、内筒19Aに開口するキー孔17が前記第1の構成例に比べ中心より下側に配置されている。連結手段55,57や凸部63,63などの構成を、機構密度の高い上部に広いスペースを確保して、成形,組立,製造を容易としている。キー孔17の周囲にはキー孔17に向かって略すり鉢状に凹む案内曲面103(図30参照)が形成され、キー孔17へのキー挿入性が高められている。
図29に示すように、この第2の構成例では第2タンブラ23Bと略同外形の第3タンブラ23Cを具備し、付勢手段としてのタンブラ付勢バネ105により、図29の左方向へと付勢されている。したがって、第3タンブラ23Cは単独で同方向へ付勢される。この第3タンブラ23Cはキーの側縁に形成されるディンプル102(図27参照)に進入する突片23Caを有し、所謂ディスクタンブラとして動作し、第2タンブラ23Bとは別構成の動作でキーによるシアラインを形成して、バー進入凹部がロッキングバー43に一致しない場合には、内筒19の回転が不能状態となる。なお、図28に示すように、挿入される専用キーのキー溝が合致しない場合(この図においては第1タンブラ23A側が一致しない例)は、バー進入凹部53Aがロッキングバー43に一致せず、内筒19の回転が不能状態となる。
シリンダー錠100Aでは、テールピース73の手前側に図31に示すクラッチ板107が設けられる。クラッチ板107は、専用キー21よりも若干長い変更キー69が挿入されると、図32に示すように、付勢バネ65の付勢力に抗して図32の右側へ押し込まれる。クラッチ板107が押し込まれると、内筒19とテールピース73との連結が解除される。これにより、内筒19はセット回転角度範囲(90°〜180°)(図6参照)へ回転が可能となる。変更キー69が180°回転された図33に示す状態では、ロッキングバー43、可動ブロック29、第1タンブラ23Aが共にテールピース73に接近する方向である奥方向(図33の右方向)に移動される。
次に、第3の構成例に係るシリンダー錠100Bを説明する。
図34は第3の構成に係るシリンダー錠を、通常使用キー、変更キー及び施工用キーと共に表した外観斜視図、図35は図34のシリンダー錠における変更キー使用時のキー挿入方向に直交する方向の断面図、図36は図35の分解図である。
第3の構成に係るシリンダー錠100Bは、図34に示すように、内筒19Bを備えた錠本体13Bと、第1専用キー21(第2専用キー71)、変更キー69、コンスキー75とを備える。マスターキー77は有しない。上記した第2タンブラ23Bのバー進入凹部53Bは、マスターキー77を対応させるために設けられている。つまり、合鍵を専用キー21とマスターキー77の2種類とするのにロッキングバー43が2つ必要となっている。本構成では、マスターキー77を有しない。図35に示すように、ロッキングバー43は、第1タンブラ23A側に一つしかない。したがって、第2タンブラ23Bにはバー進入凹部53Bがない。
シリンダー錠100Bでは、第2タンブラ23Bが内筒19Bの内壁面に形成される案内溝で案内される。内筒を貫通して配置される案内用の別部材(ガイドピン等)を廃止して簡素な構造としている。
シリンダー錠100Bでは、可動ブロック29が奥側に移動すると、第1タンブラ23Aと第2タンブラ23Bの噛み合いが外れて、第1タンブラ23Aは内筒19Bに突設された2つの凸部63,63の間に嵌る。すなわちこの第3の構成例では、凸部63を対で構成して、これら凸部間に第1タンブラ23Aを進入させることで移動を規制する。上記した第1の構成例のシリンダー錠100ではタンブラ付勢バネ52で付勢されていた。この第3の構成例のシリンダー錠100Bでは、タンブラ付勢バネ105に付勢される第2タンブラ23Bが、連結手段55,57を介して第1タンブラ23Aを付勢する。
第1タンブラ23Aの面には、図36に示す一対のピン状突起111,111が突設される。ピン状突起111,111は、可動ブロック29の壁面に形成された水平な凹溝113に係合する。第1タンブラ23Aは、ピン状突起111,111を凹溝113に摺動自在となり、可動ブロック29に対してガイドされる。すなわち第1の構成例におけるシリンダー錠100のバックアップピン31を廃止し、部品点数を少なくしている。
このような第3の構成例では、可動ブロック29に対して第1タンブラ23Aを挿入のみで配置し、内筒19Bに対して第2タンブラ23Bをバネ105を介設して配置し、各タンブラ23A,23Bを貫通するピンなどを廃し簡素な構成としている。このことから、シリンダー錠の小型化を可能としており、またタンブラの枚数を減らすことでシリンダー錠の直径及び軸線方向の長さを小さくでき、且つ変更キーによるキー構成の変更も可能とされ、取り付け対象を広くすることが可能となる。
15…外筒
17…キー孔
19…内筒
21…第1専用キー(第1のキー)
21a,71a…キー溝
23…タンブラ
23A…第1タンブラ
23B…第2タンブラ
23Ba…休止タンブラ
29…可動ブロック
33…コンスバー
41…バー収容溝
43…ロッキングバー
49…ロック溝
51…タンブラ収容空間
52…付勢手段(タンブラ付勢バネ)
53A,53B…バー進入凹部
55,57…連結手段(列歯部)
59…キー突起
63…凸部
69…変更キー
71…第2専用キー(第2のキー)
73…テールピース
75…コンスキー(施工用キー)
77…マスターキー
79…コンス仕切板
81…段部
100…シリンダー錠

Claims (7)

  1. 外筒と、
    該外筒に回動自在に収容され一端面に専用キー又は変更キーの挿入されるキー孔を有するとともに他端面に錠機構に接続するテールピースを有した内筒と、
    該内筒の外周面に軸線方向に形成されたバー収容溝と、
    前記外周面から突出可能に該バー収容溝に収容され前記外周面から突出配置されることで前記外筒の内周に形成されたロック溝に進入して前記外筒に対する前記内筒の回転を阻止するロッキングバーと、
    前記内筒に軸線方向で複数収容され前記キー孔に挿入されたキーのキー溝にキー突起を進入させることで前記内筒の軸線直交方向にスライドされバー進入凹部を前記ロッキングバーに一致させて該ロッキングバーを前記バー収容溝に後退可能にするタンブラと、
    を備えたシリンダー錠であって、
    前記内筒を前記専用キーの施解錠操作回転範囲から超えた所定のセット回転角度範囲で回転可能とする前記変更キーと、
    前記内筒に収容され該内筒の前記所定のセット回転角度範囲で前記軸線方向に移動可能となる可動ブロックと、を備え、
    前記タンブラが、前記ロッキングバーの没入を許容する前記バー進入凹部を有し前記可動ブロックに収容される第1タンブラと、キー溝に進入する前記キー突起を有し前記可動ブロック外の前記内筒に収容される第2タンブラと、
    前記可動ブロックが摺接する前記内筒の面に突設され前記第1タンブラが当接し前記ロッキングバーの没入を許容する位置で該第1タンブラを位置保持する凸部と、からなり、
    前記第1タンブラと前記第2タンブラとは、連結手段によって前記スライド方向の異なる複数の位置で選択的に連結可能になるとともに、該連結が前記可動ブロックの移動に従動する前記第1タンブラの前記軸線方向の移動によって解除可能となり、かつ前記所定のセット回転角度範囲で挿入され前記施解錠操作回転範囲まで回転された任意の専用キーに応じた異なる位置で選択的に再連結されることを特徴とするシリンダー錠。
  2. 前記内筒の前記所定のセット回転角度範囲への移行が、前記専用キーより長尺の前記変
    更キーを挿入することで、前記テールピースと前記内筒との係合を解除して可能になったことを特徴とする請求項1記載のシリンダー錠。
  3. 前記内筒の軸線方向に移動可能となり複数の前記第2タンブラを貫通するコンスバーと、
    該コンスバーに貫通された少なくとも1つの前記第2タンブラであって段部を前記コンスバーに係合することで前記バー進入凹部を前記ロッキングバーに一致させる一方、前記コンスバーの軸線方向の移動によって該段部の係合が解除され前記内筒の軸線直交方向にスライドされて前記バー進入凹部が前記ロッキングバーと不一致となる休止タンブラと、
    前記キー孔に挿入され該休止タンブラ以外の前記タンブラの前記バー進入凹部を前記ロッキングバーに一致させる施工用キーと、
    前記第2タンブラ同士の間で前記内筒の軸線直交方向でスライド可能に前記内筒に収容され前記専用キーが前記キー孔に挿入されることで前記内筒の軸線直交方向でスライドされ該スライドによって前記コンスバーとの係合を解除して該コンスバーを前記軸線方向へ移動させるコンス仕切板と、
    を具備したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のシリンダー錠。
  4. 請求項1,2,3のいずれか1つに記載のシリンダー錠に用いられる専用キーであって、該シリンダー錠に対して施解錠の操作に用いられることを特徴とするシリンダー錠に用いられる専用キー。
  5. 請求項1,2,3のいずれか1つに記載のシリンダー錠に用いられる変更キーであって、前記専用キーよりも長尺に形成され、前記シリンダー錠の施解錠操作を可能とする専用キーから新たな別の専用キーへの使用状態へと変更することを特徴とするシリンダー錠に用いられる変更キー。
  6. 請求項1,2,3のいずれか1つに記載のシリンダー錠に用いられるマスターキーであって、該シリンダー錠に対して施解錠の操作に用いられることを特徴とするシリンダー錠に用いられるマスターキー。
  7. 請求項3記載のシリンダー錠に用いられる施工用キーであって、該シリンダー錠を工事期間中で施解錠可能とすることを特徴とするシリンダー錠に用いられる施工用キー。
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