JP2011074463A - 銅の電解精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電着銅の表面に付着する薄膜(銅化合物層)を除去することが可能な銅の電解精製方法を提供する。
【解決手段】電解液を収容する電解槽中に第1電極及び粗銅製の第2電極を浸漬させて銅電解精製を行う方法であって、第1電極13をカソードとし、第2電極12をアノードとする第1電流を第1電極13及び第2電極12の間に流し、第1電極13の表面に電着銅層6を析出させる工程(S1)と、第1電流を停止させる工程(S2)と、停止後、所定時間経過後に、第1電極13をアノードとし、第2電極12をカソードとする第2電流を第1電極13及び第2電極12の間に流し、電着銅層6上に生成される銅化合物層を除去する工程(S3)と、第1電極13をカソードとし、第2電極12をアノードとする第3電流を第1電極13及び第2電極12の間に流し、電着銅層6の表面に再電着銅層7を電着させる工程(S4)とを含む銅の電解精製方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、銅の電解精製方法に関し、特に、停電時対策として利用可能な銅の電解精製方法に関する。
粗銅から精製銅にする電解精製プロセスとして、パーマネントカソード(PC)法と呼ばれるプロセスが知られている。PC法は、金属板をカソードとし、このカソードの表面に電気分解により電着させた銅を剥ぎ取って製品とする方法であるが、従来法に比べて生産性が高く、高品質の銅が得られることから、近年、各地の電解精製工場で利用されてきている。
電解精製工場では、変電所設備のために年1回程度、約8〜12時間の一斉停電が行われる場合がある。導体工事、配管工事、電解槽整備などのために停電が行われることもある。しかしながら、PC法を用いた電解精製工場において、通電を長時間停止すると、ラミネーションの問題が発生する。「ラミネーション」とは、電着銅をカソードから機械的に剥ぎ取る際に、停電前に電析した電着銅層と停電後に電析した再電着銅層との間で2層に分かれ、電着銅層の下端に発生する亀裂が再電着銅層にまで進展しにくくなる現象をいう。
電着銅層の亀裂がスムーズに進展しない場合、PC剥取機により「フラッピング」と呼ばれる荷重を繰り返し与え、亀裂を強引に生じさせる必要がある。通常の電解精製においては、フラッピングを1回行うだけで、電着銅を完全に剥ぎ取ることができる。
しかしながら、電解精製中に長時間の停電が生じる場合、上述した不具合によりフラッピング作業を何度も繰り返して行う必要がある。そのため、作業時間の長期化を招き、銅の生産効率の低下を招く。電着銅の剥ぎ取り不良等によりカソード電極板の入替を必要とする場合もあるため、作業時間が更に長期化する場合もある。電着銅の剥ぎ取り不良は、電着銅が長期間、電解液中に晒されることによって電着銅上に薄膜が付着することが原因の1つと考えられている。そのため、電着銅の剥ぎ取り不良を抑制するためには、薄膜付着に対する何らかの対策を講じる必要がある。
特開2008−248273では、電解精製工場の計画停電時に、電解槽へ通電される電流を穏やかに落とした後、停電復旧までに低電流にて停電復旧まで通電することにより、電着銅表面の薄膜形成を抑制する方法を開示している。
特開2008−248273号公報
上記問題点を鑑み、本発明は、電着銅の剥ぎ取り不良を抑制する別の方法を提供するものである。電着銅の剥ぎ取り不良抑制対策として別の方法を提供することにより、選択肢が増え、当業者の個々の事情に応じてより好ましい対策を講じることが可能となるため、有用である。
上記課題を解決するために、本発明者が鋭意検討したところ、停電後に一定期間、通常運転時とは逆向きの電流を電極間に流すことによって、電着銅の表面に付着した薄膜を除去でき、その後に通常運転を再開した場合に、電着銅の剥ぎ取り不良を抑制できることを見出した。
以上の知見を基礎として完成した本発明は、一側面において、電解液を収容する電解槽中に第1電極及び粗銅製の第2電極を浸漬させて銅電解精製を行う方法であって、(a)第1電極をカソードとし、第2電極をアノードとする第1電流を第1電極及び第2電極の間に流し、第1電極の表面に電着銅層を析出させる工程と、(b)第1電流の供給を停止させる工程と、(c)停止後、所定時間経過後に、第1電極をアノードとし、第2電極をカソードとする第2電流を第1電極及び第2電極の間に流し、電着銅層上に生成される銅化合物層を除去する工程と、(d)銅化合物層の除去後に、第1電極をカソードとし、第2電極をアノードとする第3電流を第1電極及び第2電極の間に流し、電着銅層の表面に再電着銅層を電着させる工程とを含む銅の電解精製方法である。
本発明に係る銅の電解精製方法は、一実施態様において、少なくとも工程(b)と工程(d)との間に、第1電極の電極面に対して液流を起こさせる工程を更に含む。
本発明に係る銅の電解精製方法は、一実施態様において、少なくとも工程(b)と工程(d)との間に、電解液を循環させる工程を更に含む。
本発明に係る銅の電解精製方法は、一実施態様において、工程(b)と工程(c)との間に、第2電流より電流密度が小さく、第1電極をアノードとし、第2電極をカソードとする第4電流を、第1電極及び第2電極の間に流す工程を更に含む。
本発明に係る銅の電解精製方法は、一実施態様において、第2電流の電流密度が、100〜350A/m2である。
本発明によれば、停電中に電着液中に長期間晒される電着銅の表面に付着する銅化合物層を有効に除去できるため、電着銅の剥ぎ取り不良による入れ替え時間の延長を防げる。また、電着銅の剥ぎ取り不良による電極等の交換回数も減るため、減産を行う必要もなくなり、銅製品の生産効率も向上する。得られた銅製品は、停電の影響による断片状の出っ張り等が発生しないため、製品外観もよくなる。更に、剥ぎ取り機のトラブルや故障も減少するため、修繕費も少なくて済み、生産性の向上に繋がる。
本発明の実施の形態に係る銅の電解精製方法を実施するための電解精製システムの一例を説明する概略図である。 カソード電極板上に電着される電着銅層及び再電着銅層の積層状態を表す模式図である。 本発明の実施の形態に係る銅の電解精製方法を説明するフローチャートである。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものではない。
−電解精製システム−
図1に示す電解精製システムは、電解槽1、整流器2、循環槽3、ヘッドタンク4および制御装置5を備える。電解槽1の中には電解液11が収容されている。電解液11としては、例えば、銅濃度50〜60g/L、塩素濃度50〜60mg/Lの硫酸系電解液が利用可能である。電解液11中には、ステンレス、アルミ等により形成される第1電極13及び粗銅製の第2電極12が浸漬されている。第2電極12としては、例えば99.2〜99.6%の銅品位を有し、不純物として、Ni、Bi等を含む粗銅が利用可能である。第1電極13の側面部には、樹脂によるマスキング(エッジストリッププロテクター)が施されている。第1電極13の底部には、図2に示すように、V字型の溝14が形成されている。
整流器2は、電解槽1に浸漬された第1電極13及び第2電極12に電力を供給する。循環槽3には、例えば、電解槽1中の電解液11の物理状態(温度、濃度など)を制御するためのセンサ等が設けられていてもよい。また、必要に応じて電解槽1、循環槽3およびヘッドタンク4に電解液11を流通させるためのポンプ(図示省略)等が設けられてもよい。
制御装置5は、電解槽1、整流器2、循環槽3、ヘッドタンク4の運転状態を制御する。例えば、制御装置5が、図1に示す電解精製システムの運転状況に応じて、電解槽1に供給する電流密度の値、第2電極12及び第1電極13に電流を流すタイミング、通電期間等を制御する。
図示を省略しているが、実施の形態に係る銅の電解精製システムにおいては、補助電源(補助整流器)が更に設けられてもよい。補助電源(補助整流器)により、停電中に電解槽1中に微弱電流を流す、あるいは電解槽1内の第1電極13の電極面に対して液流を起こさせることが可能である。
−銅の電解精製方法−
図3に示すフローチャートを用いて本発明の実施の形態に係る銅の電解精製方法を説明する。
ステップS1において、通常運転を行う。すなわち、制御装置5により運転条件等を設定した後、第1電極13をカソード(溶液から電極に向かって正電荷が流れこむ方)とし、第2電極12をアノード(電極から溶液に向かって正電荷が流れる方)とする第1電流(通常電流)を、第1電極13及び第2電極12の間に流す。これにより、第1電極13の表面に電着銅層6を析出させる。この際、必要に応じて循環槽3を駆動させ、所定の循環流量で電解液11を循環させ、ヘッドタンク4から電解液11を電解槽1中に補給させてもよい。
通常運転時の電解液11の条件は、例えば、液温60〜65℃、銅濃度50〜60g/L、塩素濃度50〜60mg/Lとすることができる。第1電流の電流密度は、250〜325A/m2程度である。
図3のステップS2において、停電等により第1電流の供給が停止される。第1電流の供給停止により、電着銅層6の第1電極13への析出が停止する。第1電流の供給停後は、ステップS3において、停電対策が施される。ステップS3の詳細は後述する。
ステップS4において、通常運転を再開する。すなわち、第1電極13をカソードとし、第2電極12をアノードとする第3電流を流す。通常運転の再開により、図2に示す電着銅層6上には再電着銅層7が析出する。なお、第3電流の電流密度は、250〜325A/m2程度とすることができる。
ステップS5において、PC剥離機を用いて、第1電極13上に形成された電着銅層6および再電着銅層7を剥ぎ取る。まず、PC剥離機のフレキシング工程において、図2に示す第1電極13、電着銅層6、再電着銅層7に外力を与えて、第1電極13、電着銅層6、再電着銅層7を曲げ、第1電極13と電着銅層6との界面8に剥離を生じさせる。チゼリング工程において、界面8に楔を打ち込み、電着銅層6及び再電着銅層7とを切り離す。ダウンエンダ工程において、電着銅層6と再電着銅層7を同時にグリップで掴み、電着銅層6の底辺を支点として水平に開くことで、溝14と接する電着部分に亀裂を生じさせる。
亀裂がスムーズに進展しない場合は、電着銅層6と再電着銅層7とを水平に開く動作と、電着銅層6と再電着銅層7とを第1電極13側へ近づける動作を1セットとするフラッピングを複数回繰り返す。これにより、電着銅層6と再電着銅層7とを第1電極13から完全に切り剥がし、製品を得る。
−停電対策の詳細−
ステップS3の詳細を説明する前に、まず、停電前後の電解槽1内の反応について説明する。通常運転時の銅の電解精製(ステップS1)は、上述したように、通常250〜325A/m2程度の電流密度で行われるが、停電が起こると、電解槽1内の電流密度は一挙にゼロとなり、第1電極13上に析出した電着銅層6(図2参照)が、電解液11中に長期間晒される。その後、通常運転を再開して電流値を一挙に正常操業値に上げ、再電着銅層7を形成した後に、第1電極13に積層した電着銅の断面組織を観察すると、電着銅層6と再電着銅層7との間の界面9に筋状の模様が観察される。停電時間が長いほど、筋状の模様が明瞭になっており、結晶成長が停電前の履歴を引き継がないことがわかった。この筋状の模様は、塩化銅(CuCl(s))を主とする銅化合物層であると考えられる。
CuCl(s)の生成メカニズムは、以下の通りと考えられる。通常運転時(ステップS1)においては、以下の式(1)及び式(2)に従って、第1電極13上にCuが析出する。
Cu2+ + e- → Cu+ ・・・(1)
Cu+ + e- → Cu ・・・(2)
式(1)及び式(2)の過程において、塩化物錯体を形成しやすい一価の銅イオンの一部は、電解液11中に含有している塩化物イオンと錯形成し、式(3)及び式(4)を経て、銅に還元される。
Cu+ + Cl- → CuCl(aq) ・・・ (3)
CuCl(aq)+ e- → Cu + Cl- ・・(4)
停電中は、以下に示す式(5)及び式(6)に従ってCuCl(s)の生成が進む。電解液11中にはCu2+が含有されるため、式(5)により、第1電極13表面にはCu+が溶解してくる。この際、電解液11中の第1電極13の電極面近傍に塩化物イオンが所定濃度以上存在すれば、CuCl(s)が生成する。停電中においては、式(5)で生成したCu+イオンとCl-イオンにより、電解銅層6の表面にCuCl(s)が逐次的に生成するものと考えられる。
Cu0 + Cu2+ → 2Cu+ ・・・(5)
Cu+ + Cl- → CuCl(s) ・・・ (6)
実施の形態に係る銅の電解精製方法においては、停電対策(ステップS3)として、停電後、所定時間が経過した後に、第1電極13をアノードとし、第2電極12をカソードとする第2電流(逆電流)を第1電極13及び第2電極12の間に流す。これにより、電解銅層6の表面に生成されるCuCl(s)を電気分解して電解液11中に溶解させ、電着銅層6の表面から除去させるというものである。
第2電流の電流密度としては、100〜350A/m2であるのが好ましく、より好ましくは、200〜250A/m2である。第2電流を流すタイミングは、例えば停電期間が12時間以上である場合においては、運転再開の数時間前、具体的には、運転再開から3〜8時間以上前から実施するのが好ましく、より好ましくは運転再開から3〜5時間前である。
CuCl(s)が電着銅層6の表面から除去されたことを確認するために、EPMA (電子線マイクロアナライザー)等によるサンプル評価をおこなってもよい。
更に、ステップS3においては、第1電極13の電極面に対して液流を起こさせる工程を更に含むのが好ましい。液流を起こさせる方法としては、電解液11を電解槽1内において撹拌する方法、あるいは循環槽3及びヘッドタンク4を経由して電解液11を循環させる方法などが挙げられるが、少なくとも第1電極13の電極免に対して液流が起こる態様であれば、方法は特に限定されない。
電解液11中の塩化物イオンは、銅表面に特異吸着しやすいと言われており、停電中の電着銅層6(第1電極13)の表面での有効濃度はいくぶん大きくなっていることが推測される。これに対し、第1電極13の電極面に対して液流を起こさせることにより、第1電極13近傍の塩素含量が小さくなるため、塩化物イオンの特異吸着を抑制できる。また、式(5)の反応により生成したCu+イオンを、電解液11中へ散逸させることができるため、第1電極13周辺の濃度の不均一分布が緩和され、式(6)の反応で示すCuCl(s)の析出を抑制できる。
液流を起こさせる工程は、停電中常時行わなくてもよい。例えば、停電が8〜12時間以上続く場合において、停電開始後1〜5時間程度、好ましくは停電開始後約2〜3時間程度、液流を起こさせておくことにより一定の効果を得ることができる。また、運転再開前の1〜5時間程度行うことも好ましい。例えば、運転再開から2〜3時間前から実施することにより、一定の効果を得ることができる。
例えば、電解液11を循環させる場合は、循環流量としては、1槽当たり20〜60L/min程度が好ましく、より好ましくは、35〜45L/min程度である。循環流量が20L/min以下とすると、電解槽1内での電解液11の組成分布にむらが発生し、電気銅へ悪影響を与える場合がある。一方、循環流量を60L/min以上とすると、槽底の澱物巻き上げによる、電気銅の汚染が発生する場合がある。
更に、ステップS3においては、第1電極13をアノードとし、第2電極12をカソードとする微弱電流(=第4電流)を、第1電極13及び第2電極12間に流すことが好ましい。第4電流の電流密度としては、10〜100A/m2であるのが好ましく、より好ましくは、10〜20A/m2である。停電中、第4電流を流すタイミングは、停電後、第1電極13をアノードとし、第2電極12をカソードとする第2電流を流す前に、補助電源等を用いて常時行ってもよいし、断続的に行ってもよい。なお、第2電流としてPR電解を採用した場合においても、停電中対策を全く講じない場合に比べて塩素分の吸着が低減できることも確認されている。
本発明を更に詳しく説明するために、以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
停電時対策として、表1に示す条件に基づいて実験を行った。電解液は、Cu:52±2g/L、H2SO4:180±5g/Lの硫酸系電解液を用いた。カソードとしてSUS316L(第1電極13)を使用し、アノードとして粗銅(第2電極12)を使用した。通常運転時の電流密度(第1電流および第3電流)は320A/m2、電解液11の温度を65±5℃とし、停電時間は24時間であった。
表1中「液循環1」とは、停電開始直後3時間、電解液を電解槽1槽当たり42L/minで循環させた場合を示す。「アノード電流(小)」とは、停電時に電流密度−10A/m2の微弱のアノード電流(第4電流)を供給した場合を示す。「液循環2」とは、通常運転再開3時間前から電解液を電解槽1槽当たり42L/minで循環させた場合を示す。「アノード電流(大)」とは、再通電開始3時間前から再通電開始時まで、電流密度−263.3A/m2のアノード電流(第2電流)を流す場合を示す。
Figure 2011074463
表2に、表1に示す各試験条件に基づくフラッピング回数の変化を示す。「フラッピング回数」は、電着銅をカソード電極板から引き剥がす際に、電着銅の底部を支点として水平方向に開く動作(開状態)と、水平方向に開いた電着銅を再び元の閉状態に戻す動作(閉状態)の組み合わせを「1回」として計算した。表2中「N数(剥ぎ取り枚数)」とは、カソード電極板から実際に引き剥がした電着銅の枚数、「フラッピング回数(最大値)」とは、フラッピング回数の最大回数、「フラッピング回数(平均値)」とは、フラッピング回数の平均値を示す。
Figure 2011074463
表2に示すように、停電中に停電対策を行わない従来例(試験1)では、フラッピング回数の最大値が5回になった。一方、試験3では、フラッピング回数が最大2回程度に低減されている。また、従来例ではフラッピング回数の平均値が3.83回であったのに比べ、試験2の場合はフラッピング回数を2.20回に減少させることができ、電着銅の剥ぎ取り不良を有効に低減できていることがわかる。
1 電解槽
2 整流器
3 循環槽
4 ヘッドタンク
5 制御装置
6 電着銅層
7 再電着銅層
8、9 界面
11 電解液
12 第2電極
13 第1電極
14 V字形の溝

Claims (5)

  1. 電解液を収容する電解槽中に第1電極及び粗銅製の第2電極を浸漬させて銅電解精製を行う方法であって、
    (a)前記第1電極をカソードとし、前記第2電極をアノードとする第1電流を前記第1電極及び前記第2電極の間に流し、前記第1電極の表面に電着銅層を析出させる工程と、
    (b)前記第1電流の供給を停止させる工程と、
    (c)前記停止後、所定時間経過後に、前記第1電極をアノードとし、前記第2電極をカソードとする第2電流を前記第1電極及び前記第2電極の間に流し、前記電着銅層上に生成される銅化合物層を除去する工程と、
    (d)前記銅化合物層の除去後に、前記第1電極をカソードとし、前記第2電極をアノードとする第3電流を前記第1電極及び前記第2電極の間に流し、前記電着銅層の表面に再電着銅層を電着させる工程と
    を含む銅の電解精製方法。
  2. 少なくとも工程(b)と工程(d)との間に、前記第1電極の電極面に対して液流を起こさせる工程を更に含む請求項1に記載の銅の電解精製方法。
  3. 少なくとも工程(b)と工程(d)との間に、前記電解液を循環させる工程を更に含む請求項1に記載の銅の電解精製方法。
  4. 工程(b)と工程(c)との間に、前記第2電流より電流密度が小さく、前記第1電極をアノードとし、前記第2電極をカソードとする第4電流を、前記第1電極及び前記第2電極の間に流す工程を更に含むことを特徴とする請求項1または2に記載の銅の電解精製方法。
  5. 前記第2電流の電流密度が、100〜350A/m2であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の銅の電解精製方法。
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