JP2011073908A - 硝酸パラジウム溶液の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒等に適用する際、適用品の腐食性を低減することのできる硝酸パラジウム溶液の製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、パラジウム含有量に対する塩素含有量が100ppm以下である硝酸パラジウム溶液の製造方法に関するものである。槽中でパラジウムと硝酸を攪拌して硝酸パラジウム溶液を製造する方法において、粉末状のパラジウムと硝酸からなる反応系で、当該反応系の温度が70℃以上にならないようにすることにより、課題を解決し得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、硝酸パラジウム溶液の製造方法、特に低塩素の硝酸パラジウム溶液の製造方法に関するものである。
硝酸パラジウムは、自動車排ガスフィルタや、脱臭、石油化学等における触媒製造用の原材料として使用されている化合物である。例えば自動車排ガスフィルタは、ステンレス製のハニカム構造体にシリカ、アルミナ粉末等からなるウオッシュコートを被覆し、これを硝酸パラジウム溶液に浸漬して、その後焼成することで製造される。
ここで、硝酸パラジウムの工業的製造方法としては、特許文献1に示すように密閉容器中でパラジウム金属塊を60%硝酸と35%塩酸の混合液に投入し、不活性ガスを封入して加熱溶解するバッチ式による方法がある。この方法によれば、短時間に高溶解率で不溶解性物質の発生を起こさずに硝酸パラジウム溶液を製造することが可能である。
しかしながら、上記方法により製造した硝酸パラジウム溶液を原材料とした場合、含有する塩素により、自動車排ガスフィルタは使用中に経時でステンレスのハニカム構造体の腐食が進行し、耐久寿命が短くなってしまう。
更に、上記方法のように加熱溶解する場合、溶解時に発生するNOガスが酸化パラジウム等の不溶解性物質を生成させてしまい、硝酸パラジウム溶液としての安定性が損なわれる。また、パラジウムと硝酸の濃度比は、パラジウムイオンの吸着特性及び溶液の安定性の双方に関連性を有するところ、上記方法では濃度比が適切ではなく、不具合が生じる。
上記腐食性の問題を改善するには、硝酸パラジウム中の塩素濃度を低く抑えることが必要となる。例えば、特許文献2に示すように、粉末状のパラジウムをカラムに充填して硝酸を通液させる方法(以下、カラム式の方法とする場合がある)を用いれば、低塩素濃度で、且つパラジウムと硝酸の濃度比も適切な硝酸パラジウム溶液を得ることができる。
しかしながら、このカラム式の方法では、設備上の問題から、低塩素濃度の硝酸パラジウム溶液を安定して大量に製造することは難しく、特許文献1に示すような従来の方法と比べて、生産性に劣ることとなる。
特開平8−143317号公報 特許第4219395号
本発明は、上記のような従来の問題点に着目してなされたものであり、低塩素濃度の硝酸パラジウム溶液を生産効率良く製造可能な方法の提供を目的としている。
本発明者等は、上記課題について種々検討を行った。まず、生産の効率化を図るために、パラジウムと硝酸とを反応させる容器をカラムから槽へ変更することでスケールアップ化しつつ、反応に最低限必要な塩素濃度について検討した。この検討により、本発明者等は、パラジウムと硝酸の接触による発熱反応で反応系の温度が上昇することに起因して、パラジウムが硝酸と反応し難くなる結果を得た。そして、このような場合には、塩素を多く加えなければ反応が進行しないことがわかった。そこで、本発明者等は反応系の温度に着目し、温度を制御しつつ塩素濃度を最適化することについて、鋭意検討を行った。その結果、パラジウムと硝酸の反応を所定の温度範囲内に制御することで、塩酸を過剰に加えなくてもパラジウム濃度の高い硝酸パラジウムを効率良く製造できることを見出し、本発明を想到した。
即ち、本発明は、槽中でパラジウムと硝酸を攪拌して硝酸パラジウム溶液を製造する方法において、粉末状のパラジウムと硝酸からなる反応系で、当該反応系の塩素含有量がパラジウム含有量に対して10ppm〜100ppmであり、当該反応系の温度が70℃以上にならないようにすることを特徴とする硝酸パラジウム溶液の製造方法である。
以下、本発明に係る製造方法ついて、詳細に説明する。まず、本発明は、槽中でパラジウムと硝酸を攪拌して硝酸パラジウム溶液を製造する方法であることを前提とする。攪拌により、反応が均一に進行することで、反応系の温度が局部的に上昇するのを抑制することが出来る。これにより、反応系の温度を均一に保持することができる結果、パラジウム濃度の高い硝酸パラジウム溶液を製造することが出来る。また、パラジウムと硝酸との接触効率が上がるため、製造時間を大幅に短縮することが出来る。
ここで、槽は、パラジウムと硝酸が均一に反応するように攪拌できるものであればよい。例えば、ミキサーやディゾルバーを備える槽、ニーダー等が挙げられる。
次に、本発明では、パラジウムと硝酸の接触による発熱反応による反応系の温度上昇を制御することが重要であり、当該反応系の温度が70℃以上にならないようにすることを要する。反応系の温度がこの温度よりも高いと、パラジウムと硝酸の反応が進行せず、パラジウム濃度が十分に高くならない。
上記理由の他に、反応系の温度を制御する理由としては、反応系の温度上昇により硝酸が揮発してしまうと、硝酸パラジウムのパラジウム濃度が安定しないことが挙げられる。また、温度制御により、硝酸パラジウム溶液中に生じる酸化パラジウム等からなる不溶性の沈殿の発生を抑制する効果があるため、結果として貯蔵安定性の向上につながることとなるからでもある。
これらの点を考慮すると、反応系の温度を70℃以上にならないようにすることにより、沈殿の発生を抑え、かつパラジウム濃度が安定した硝酸パラジウムを得ることが出来るので、より好ましい。
また、反応系の温度は0℃以上であることが好ましい。0℃未満の場合、反応に長時間必要となり、製造コストの面で不利となるからである。
尚、反応系を冷却する方法としては、予め冷却した槽を用いて常温で反応させる方法や、反応中にアイスバス等の冷却装置で連続的に、又は断続的に槽を冷却する方法、またはこれらの組み合わせる方法等が挙げられる。
そして、本発明は、粉末状のパラジウムと硝酸からなる反応系で、当該反応系の塩素含有量がパラジウム含有量に対して100ppm以下の条件下において、上記のように温度制御や攪拌、混合工程を制御するものである。即ち、本発明は反応系に塩素を微量に含有するものの、他のハロゲン化合物や添加剤等は含まれず、専らパラジウムと硝酸のみによって反応させるものである。また、塩素が当該含有量であればステンレス等の腐食性にも問題が生じない。
ここで、本発明では粉末状のパラジウムを使用することを要する。粉末状のパラジウムであれば、金属塊状よりも硝酸との反応が均一に進行し、且つ、反応系を攪拌することで、反応系の温度が局部的に上昇するのを抑制し、反応系の温度を均一に保持することが出来るからである。また、粉末状のパラジウムを用いることで、金属塊である場合よりも硝酸への接触効率が上がるため、製造時間を大幅に短縮することが出来るからである。
上記のように、反応の均一性や、製造時間を考慮すると、粉末状のパラジウムの平均粒子径が10μm〜300μmであることが好ましい。ここで、平均粒子径とは、粒子径分布における小粒径側からの積算分布50%の粒径(D50)である。平均粒子径が上記範囲を上回ると、パラジウム粉末の有り姿として嵩が増えてしまったり、溶解に長時間を要し操業コストが高くなってしまう。また、上記範囲を下回る場合は、反応系の温度を均一に制御することが難しくなったり、仕込み時に飛散する等の不具合が生じてしまう。パラジウムの取り扱いや製造上の観点から考慮すると、パラジウムの平均粒子径が20μm〜200μmであることがより好ましい。
次に、本発明に用いる粉末状のパラジウムの塩素含有量が、パラジウム含有量に対して100ppm以下であることが好ましい。当該含有量であればステンレス等の腐食性にも問題が生じないからである。パラジウムが塩素を少量含有する方が、硝酸とパラジウムとの反応場付近に塩素が存在することで、製造効率が向上するために塩素含有量がパラジウム含有量に対して10ppm以上であることがより好ましく、塩素含有量がパラジウム含有量に対して20ppm〜50ppmであることが更に好ましい。
そして、本発明は、粉末状のパラジウムと硝酸からなる反応系に対し、反応系の塩素含有量が、パラジウム含有量に対して100ppmを越えないように更に塩素を加えてもよい。塩素を加えることで、パラジウムと硝酸との反応が促され、製造効率が向上するからである。
塩素を加える方法としては、例えば、塩酸を添加する方法や、塩素を吹き込む方法等が挙げられる。但し、反応系の塩素含有量が、パラジウム含有量に対して100ppmを越えないように塩素を加えることを要する。塩素含有量がこれを越えてしまうと、製造した硝酸パラジウム溶液中にも塩素が多く含まれてしまい、結果としてステンレス等の腐食の原因となるからである。反応系の塩素含有量が、パラジウム含有量に対して50ppmを越えないように塩素を加えることが、より好ましい。
尚、本発明に用いる硝酸は、硝酸濃度が10〜62%のものを用いることが出来る。10%未満では反応の進行が遅くなり、また、62%を超えると硝酸の揮発が激しくなるため、使用する濃度を一定に管理することが難しいからである。
また、粉末状のパラジウムと硝酸との混合は、粉末状のパラジウムに硝酸を加える場合と、硝酸に粉末状のパラジウムを加える場合があるが、いずれの場合でも問題なく本発明は実施可能である。
本発明における反応液の攪拌に使用される攪拌羽根は、パドル羽根でもプロペラ羽根でも良い。攪拌羽根の大きさは、反応槽の内径(R)に対する攪拌羽根の直径(R)として、このR/Rが0.2〜0.7が好ましい。この比率が0.2未満であると、攪拌速度を速くしても十分な攪拌が行えないため十分な冷却効率得られず系内温度が不均一となり局所的な温度上昇による副反応などの不良が生じてしまう。また、この比率が0.7を越えてもそれ以上の効果が得られないばかりか、混合装置と撹拌羽根の間隔が小さくなって、製作が難しくなる。撹拌羽根の段数は、特に限定されるものでない。
本発明方法における反応液の攪拌速度は、上記撹拌羽根の大きさにより異なるが、先端の周速を0.1〜5m/sとすることが必要である。撹拌羽根周速が0.1m/s未満であると、分散力が弱くなりパラジウム粉が反応槽底部に滞留してしまい、また、撹拌羽根周速が5m/sを越えて大きくしても、更なる効果が得られないばかりか、製造コストがよりかかってしまう。好ましくは、撹拌羽根先端の周速を0.5〜2m/sとすることが望ましい。
以上説明したように、本発明の製造方法によれば、低塩素濃度で、且つ、パラジウム濃度の高い硝酸パラジウム溶液を製造することができる。具体的には、パラジウム含有量に対する塩素含有量が100ppm以下であると共に、パラジウム濃度と硝酸濃度との比が1:1.2〜1:2.0であり、パラジウム濃度が300g/L〜550g/Lであり、且つ、パラジウム濃度を50g/Lに希釈したときの700nmの吸光度が0.01〜0.1となる硝酸パラジウム溶液である。
上記硝酸パラジウム溶液のように、パラジウム濃度と硝酸濃度との比が1:1.2〜1:2.0であれば、パラジウムイオンの吸着特性が高い。また、パラジウム濃度が300g/L〜550g/Lであれば、触媒製造のために硝酸パラジウムを濃縮又は希釈する工程において、別途に作業負担がかかることもない。更に、パラジウム濃度を50g/Lに希釈したときの700nmの吸光度が0.01〜0.1であれば、保存の際に沈降が生じることもない。
以下、本発明の実施形態について説明する。まず、第1実施形態では、パラジウムと硝酸からなる反応系で、当該反応系の温度や粉末状のパラジウムの平均粒子径の最適化について検討する。次に、参考例では、特許文献2(特許第4219395号)に示すカラム式の方法により硝酸パラジウム溶液を製造し、また、従来例では、パラジウム金属塊を60%硝酸と35%塩酸の混合溶液に溶解させることで硝酸パラジウム溶液を製造する。そして、実施例、参考例、従来例により製造した硝酸パラジウム溶液を比較することで、本発明の効果を明確にする。
第1実施形態:予め冷却したビーカー(容積3000mL、内径15cm)に粉末状のパラジウムを500g入れ、60%硝酸1050mlを加え、濃塩酸を添加した後、常温常圧条件下、直径8cmの攪拌羽根にて回転数200rpm、周速0.84m/s(周速=(羽根の直径×π×回転数)÷60秒)の条件下で8時間攪拌することで、パラジウムと硝酸を反応させた。粉末状のパラジウムの平均粒子径と塩素含有量、塩酸添加量、反応系温度を表1に示す。
尚、表1の反応系温度は、反応系の温度の最大値と最小値を示している。例えば実施例1では、反応系の温度は当初6℃であり、パラジウムと硝酸の反応が進行するとともに温度も上昇し、最大で55℃となった。この際、反応系の温度は均一に上昇しており、部分的な温度変化は、どの例においても認められなかった。
Figure 2011073908
参考例:粉末状パラジウムを、上下に脱落防止のためのガラスウール敷いたΦ50mmオープンカラムクロマト管に充填して粉末層とし、上方から硝酸を通液することでパラジウム粉末を溶解した。ここでは、カラム周囲に3℃のチラー溶液を循環させ、冷却した状態で耐酸性のシリコンチューブを用いたポンプによって60%硝酸を通液し、生成した硝酸パラジウム溶液を排出ポンプにて回収した。また、反応の進行に従い、粉末状パラジウムとガラスウールとの間に隙間ができることから、一定時間経過後、押し棒で充填層を押している。
参考例で用いた粉末状パラジウムの嵩密度(g/ml)、オープンカラム内温度(℃)、60%硝酸を通液する際の空間速度(以下SVと称す)(hr−1)は、表2に示すとおりとした。尚、嵩密度は、5gのパラジウム粉末を10mLメスシリンダーに採り、これを25mmの高さから800回落下させたときの体積を読み取り、この体積から嵩密度を算出した。この際、測定後、再度200回の落下を行い、測定値に差が生じなくなるまで繰り返した。
Figure 2011073908
従来例:パラジウム金属塊を60%硝酸と35%塩酸の混合溶液に添加し、80℃で10時間溶解させることで硝酸パラジウム溶液を製造した。パラジウム金属塊と60%硝酸の質量比、及び粉末状パラジウムと35%塩酸の質量比は、表3に示す通りとした。
Figure 2011073908
以上の第1実施形態及び参考例、従来例で得られた硝酸パラジウム溶液について、以下に示す物性評価を行った。
パラジウムの溶解率測定:製造に使用したパラジウムの質量(g)から、製造を終えた時に残存したパラジウムの質量(g)を引いた値(g)に、製造に使用したパラジウムの質量(g)を除して100を乗じたものをパラジウムの溶解率(%)とした。
パラジウム濃度の測定:硝酸パラジウム溶液を塩酸にて脱硝酸した後、塩酸酸性溶液とした。次に、その溶液にアルコール溶液を添加してパラジウムを沈澱分離し、沈澱物を750℃で灰化した後、水素炎でメタル化した。硝酸パラジウム溶液中のパラジウム濃度は、メタル化したパラジウム量(g)に溶液採取量(g)を除して100を乗じることにより算出した。
パラジウム濃度と硝酸濃度の比率:溶液のアルカリ消費量をタイトレータにて測定して硝酸濃度(g/L)を算出し、パラジウム濃度と硝酸濃度の比率を算出した。尚、硝酸濃度はタイトレータによる滴定量から、以下に示す式により算出した。
Figure 2011073908
塩素含有量(ppm)の測定:製造された硝酸パラジウム溶液中のパラジウムを還元分離した溶液に、硝酸銀を添加して塩化銀を生成させた後、溶液の吸光度を測定することにより、塩素濃度(mg/L)を算出した。求められた塩素濃度、及び、上記で測定されたパラジウム濃度から塩素含有量(ppm)を算出した。尚、塩素濃度は、予め分光光度計にて460nm検量線を作成した後、ブランクとサンプルの吸光度を測定し、下記式に従い算出した。
Figure 2011073908
吸光度測定:硝酸パラジウム溶液のパラジウム濃度を50g/Lに調整した溶液の吸光度を測定し、吸光度の経時変化を確認した。
貯蔵安定性評価:硝酸パラジウム溶液を50mlスクリュー缶中に密閉し、常温条件下にて3カ月貯蔵して沈殿の発生の有無を確認することにより、貯蔵安定性を評価した。
以上の実施例、参考例、従来例により作製した硝酸パラジウム溶液の物性を比較したものを表4に示す。
Figure 2011073908
表4の結果から、実施例の方法で製造した硝酸パラジウム溶液は、塩酸を多く使用する従来例と比較して塩素濃度が低く、いずれも100ppm(検出限界値)以下であった。また、パラジウム濃度も高く、貯蔵安定性も良好であり、参考例1、2と同等の硝酸パラジウム溶液を作製することができた。
この結果から、本発明に係る方法で製造すれば、カラム式により製造したものと同様に、低塩素濃度で且つパラジウム濃度の高い硝酸パラジウム溶液が得られることがわかった。
本発明により製造した硝酸パラジウム溶液を原材料として用いれば、従来自動車排ガスフィルタの使用中に経時にて進行したステンレスの腐食が生じることなく、従って自動車排ガスフィルタの耐久寿命が短くなることもない。尚、本発明に係る硝酸パラジウム溶液は、自動車排ガスフィルタ用の触媒に用途が限定されるものではなく、例えば石油化学、脱臭等における触媒製造用の原材料としても有用である。また、塩素を含有することが原因で腐食や劣化等が発生するため使用することが問題視されていた用途、例えばエアーフィルタのステンレスが腐食することが問題となっていた場合においても、本発明に係る硝酸パラジウム溶液を用いれば問題ない。

Claims (4)

  1. 槽中でパラジウムと硝酸を攪拌して硝酸パラジウム溶液を製造する方法において、
    粉末状のパラジウムと硝酸からなる反応系で、当該反応系の塩素含有量がパラジウム含有量に対して10ppm〜100ppmであり、当該反応系の温度が70℃以上にならないようにすることを特徴とする硝酸パラジウム溶液の製造方法。
  2. 粉末状のパラジウムの塩素含有量が、パラジウム含有量に対して100ppm以下である請求項1に記載の硝酸パラジウム溶液の製造方法。
  3. 粉末状のパラジウムと硝酸からなる反応系に対し、
    反応系の塩素含有量が、パラジウム含有量に対して100ppmを越えないように更に塩素を加える請求項1又は請求項2に記載の硝酸パラジウム溶液の製造方法。
  4. 粉末状のパラジウムの平均粒子径が10μm〜300μmである請求項1〜請求項3に記載の硝酸パラジウム溶液の製造方法。
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