JP2011073333A - 画像記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易且つ小さな構成で、記録ヘッドのインク吐出口を覆うキャップの移動を正確に制御することができる手段を提供する。
【解決手段】外周と内周の全周に同ピッチの歯を有し、駆動源から外周の歯を介して駆動伝達される駆動ギヤ61と、駆動ギヤ61の内周の歯と噛合されて、かつ駆動ギヤ61の円周方向へ遊びを有して軸支された遊星ギヤ63と、駆動ギヤ61と同軸に配置されて遊星ギヤ63と噛合されている欠歯ギヤ62と、欠歯ギヤ62から駆動伝達されてキャップ53を姿勢変化させる駆動伝達機構とを具備する。欠歯ギヤ62は欠歯部622と有歯部621を有する。遊星ギヤ63及び欠歯ギヤ62は、駆動ギヤ61の円周の内側に配置可能なため、これらのギヤよりなるギヤ機構60を小さく構成できる。また、有歯部621の長さによってキャップ53の移動範囲が決定可能である。
【選択図】図6

Description

本発明は、記録ヘッドからインクを吸引排出するパージ処理のために、記録ヘッドの吐出口を覆うキャップを備え、当該キャップが吐出口を覆う位置と吐出口から離れた位置とに姿勢変化可能な画像記録装置に関する。
従来より、液滴を吐出することで文字、写真、配線パターン等の種々の画像記録を行う装置が知られている。例えば、入力信号に基づいてインクを吐出してシートに画像記録を行うインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置において、記録ヘッドの乾燥防止や異物除去を目的として、記録ヘッドのノズル面をキャップで覆う動作が行われる。このような動作は、一般にキャッピングと称されている。キャップは、記録ヘッドのノズル面に接離する位置及び離反する位置に移動される。この移動は、モータの回転駆動を回転カムなどに伝達することによって行われる。キャップが移動されたとき、キャップの位置はセンサによって検出される。例えば、回転カムには、径方向外側へ向かって突出する複数の突起が、所定の回転角度だけ離れて設けられている。そして、センサが当該突起を検知することによって、キャップの位置が検出される。
しかし、キャップの位置の検出のためだけにセンサを追加することは、インクジェット記録装置のコストアップにつながってしまう。また、回転カム及びセンサは、通常、記録ヘッドの周辺に設けられる。そのため、インクなどの異物がセンサに付着して、センサの動作不良が発生するおそれがあり、また、当該動作不良に起因してキャップの位置検出が正確に行われないおそれがある。
キャップの位置を検出するセンサを設けていない液体噴射装置が、特許文献1に開示されている。当該液体噴射装置は、外周面の約半周分に亘って歯が形成され、キャップを上下動させるためのカム駆動歯車と噛合可能な切歯歯車と、駆動モータから常に駆動力が伝達され、切歯歯車と摩擦クラッチを構成している従動歯車とを備えている。当該液体噴射装置においては、切歯歯車がカム駆動歯車と噛合しているときにのみ、切歯歯車からカム駆動歯車に駆動伝達され、キャップ72が上下動する。つまり、切歯歯車91の外周面において歯が形成される部分の長さが決定されることによって、キャップ72の移動範囲が決定可能である。
特開2005−305726号公報
しかし、特許文献1に記載の液体噴射装置においては、切歯歯車及び従動歯車は摩擦クラッチを構成しているため、切歯歯車及び従動歯車はスラスト方向に並列に配置される。そのため、切歯歯車及び従動歯車によって形成される部分の幅が厚くなり、インクジェット記録装置が大型化するおそれがある。また、切歯歯車及び従動歯車は摩擦クラッチを構成しているため、摩擦クラッチが滑るおそれがある。摩擦クラッチが滑ると、切歯歯車は、従動歯車とは独立に回転する。その結果、切歯歯車の回転の正確な制御が困難になる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡易且つ小さな構成で、記録ヘッドのインク吐出口を覆うキャップの移動を正確に制御することができる手段を提供することにある。
(1) 本発明に係る画像記録装置は、液滴を吐出する記録ヘッドの吐出口を覆う第1姿勢、及び当該記録ヘッドから離反した第2姿勢に姿勢変化可能なキャップと、駆動源からの駆動力を受けて回転するものであって、その回転方向に沿って延在するとともにそれぞれが回転中心に向いて形成された歯列を有する第1の回転ギヤと、上記第1の回転ギヤの上記歯列と噛合されて、かつ上記第1の回転ギヤに対して上記回転方向への遊びを有して軸支された遊星ギヤと、上記第1の回転ギヤと同軸に配置されて上記遊星ギヤと噛合されている第2の回転ギヤと、上記第2の回転ギヤから駆動伝達されて上記キャップを姿勢変化させる駆動伝達機構と、を具備する。上記第2の回転ギヤは、上記キャップが上記第1姿勢又は上記第2姿勢であるときに、上記遊星ギヤと噛合しないよう歯の一部が欠落されたものである。
遊星ギヤは第1の回転ギヤの回転中心に向いた歯と噛合され、第2の回転ギヤは遊星ギヤと噛合される。したがって、遊星ギヤ及び第2の回転ギヤは、第1の回転ギヤの円周の内側に配置される。遊星ギヤ及び第2の回転ギヤのスラスト方向の長さは、第1の回転ギヤのスラスト方向の長さより小さくてよい。
キャップが第1姿勢と第2姿勢の間に位置しているときに、遊星ギヤと第2の回転ギヤが噛合し、第1の回転ギヤから遊星ギヤを介して第2の回転ギヤに駆動伝達される。第2の回転ギヤに駆動伝達されると、第2の回転ギヤから駆動伝達機構へ駆動伝達され、キャップが姿勢変化される。つまり、上述の構成によって、キャップが第1姿勢と第2姿勢の間で姿勢変化可能である。
キャップが第1姿勢から第2姿勢、又は、第2姿勢から第1姿勢の向きへ移動完了したとき、遊星ギヤは第2の回転ギヤと噛合されない位置にいる。そのため、キャップが上記向きと逆向きへ移動するとき、第1の回転ギヤが回転しても遊星ギヤは第2の回転ギヤと噛合されない。しかし、上述の構成では、遊星ギヤは、第1の回転ギヤの回転中心に向いた歯と噛合されて、第1の回転ギヤの回転方向へ遊びを有して軸支されている。遊星ギヤは、第1の回転ギヤの回転方向に回動することによって、第2の回転ギヤと噛合されない位置から噛合される位置へ移動可能である。
(2) 上記駆動伝達機構は、周方向へ連続するカム溝を有し、上記第2の回転ギヤから駆動伝達されて回転される回転カムと、上記カム溝に係入された係合部を有し、当該係合部が上記回転カムの径方向へ移動することに基づいて上記キャップを姿勢変化させるカムフォロアと、を具備する。
このような駆動伝達機構の構成は、キャップが第1姿勢と第2姿勢との間で姿勢変化される構成として好ましい。
(3) 上記駆動伝達機構は、上記キャップを上記第1姿勢に保持するための第1カム面、上記キャップを上記第2姿勢に保持するための第2カム面、及び上記第1カム面と上記第2カム面とを連結する第3カム面を有し、上記キャップの移動方向と交差する方向へ移動することによって上記キャップを姿勢変化させるスライドカムと、上記第2の回転ギヤと一体に回転する第3の回転ギヤと、上記スライドカムにおいて、当該スライドカムの移動方向に沿って設けられており、上記第3の回転ギヤと噛合するラックギヤと、を具備する。
このような駆動伝達機構の構成も、キャップが第1姿勢と第2姿勢との間で姿勢変化される構成として好ましい。
本発明によれば、遊星ギヤ及び第2の回転ギヤは、第1の回転ギヤの円周の内側に配置されるため、第1の回転ギヤ、遊星ギヤ及び第2の回転ギヤで構成される部分を薄型化できる。また、第2の回転ギヤと遊星ギヤが噛合されているか否かによって、キャップの姿勢が判断可能であるため、キャップの位置を検出するセンサは不要である。更に、各ギヤは、摩擦クラッチを構成していないため、摩擦クラッチが滑るおそれがない。したがって、各ギヤの回転の正確な制御が可能である。
図1は、複合機1の外観構成を示す斜視図である。 図2は、プリンタ部2の主要構成を示す部分拡大断面図である。 図3は、プリンタ部2の主要構成を示す平面図であり、主としてプリンタ部2の略中央から装置背面側の構成が示されている。 図4は、プリンタ部2の主要構成を示す斜視図であり、画像記録ユニット24の構成が示されている。 図5は、カム機構60及び駆動伝達機構70の主要構成を示しており、(A)にはカム機構60の側からの斜視図が、(B)には駆動伝達機構70の側からの斜視図が示されている。 図6は、ギヤ機構60の主要構成を示しており、(A)には円板部材64の側からの斜視図が、(B)には円板部材64の反対側からの斜視図が、(C)には正面図が、(D)には背面図が、(E)には円板部材64の斜視図が、(F)には円板部材64を隣接して配置しない場合の円板部材64の側からの斜視図が示されている。 図7は、ギヤ機構60の背面図を示しており、(A)には遊星ギヤ63と欠歯部622が対向している状態が、(B)には遊星ギヤ63と有歯部621の一方の端部621Aが噛合されている状態が、(C)には遊星ギヤ63と有歯部621の他方の端部621Bが噛合されている状態が示されている。 図8は、本実施形態の変形例における駆動伝達機構70の主要構成を示しており、(A)にはキャップホルダ215の下面が第2ガイド面112と当接した状態が、(B)にはキャップホルダ215の下面が傾斜面113と当接した状態が、(C)にはキャップホルダ215の下面が第1ガイド面111と当接した状態が示されている。
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
[複合機1]
図1は、本発明の実施形態に係る画像記録装置の一例としての複合機1の外観を示す斜視図である。複合機1は、プリンタ部2とスキャナ部3とを一体的に備えた多機能装置(MFP:Multi Function Product)であり、プリント機能、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能等を有する。複合機1のうちプリンタ部2が、本発明に係るインクジェット方式の画像記録装置に相当する。したがって、プリント機能以外の機能は任意のものであり、例えば、本発明に係る画像記録装置が、スキャナ部3が省略されたプリント機能のみを有するプリンタとして実施されてもよい。
図1に示されるように、複合機1は概ね直方体に形成されている。複合機1の下部がプリンタ部2であり、上部がスキャナ部3である。
複合機1のプリンタ部2は、主にコンピュータ等の外部情報機器と接続されて、該コンピュータ等から送信された画像データや文書データを含む印刷データに基づいて、記録用紙に画像や文書を記録する。プリンタ部2は、正面に開口9が形成されている。給紙トレイ20及び排紙トレイ21は、開口9の内側に上下2段に設けられている。給紙トレイ20に収容された記録用紙がプリンタ部2の内部へ給送されて、その記録用紙に所望の画像が記録されると、その後、画像記録済みの記録用紙が排紙トレイ21へ排出される。
スキャナ部3は、所謂フラットベッドスキャナとして構成されている。複合機1の天板としての原稿カバー30がスキャナ部3の上部に開閉自在に設けられている。原稿カバー30の下側に、図示しないプラテンガラス及びイメージセンサが設けられている。プラテンガラスに載置された原稿の画像がイメージセンサによって読み取られる。なお、本発明を実現するうえでスキャナ部3は関係しないため、ここでは、スキャナ部3の詳細な説明は省略される。
図1に示されるように、複合機1の正面上部には、プリンタ部2やスキャナ部3を操作するための操作パネル4が設けられている。操作パネル4は、各種操作ボタンや液晶表示部から構成されている。複合機1は、操作パネル4からの操作指示に基づいて動作する。複合機1が外部のコンピュータに接続されている場合には、該コンピュータからプリンタドライバ又はスキャナドライバを介して送信される指示に基づいても複合機1が動作する。
[プリンタ部2]
図2に示されるように、複合機1の底側に給紙トレイ20が設けられている。給紙トレイ20の上側に給紙ローラ25が設けられている。給紙ローラ25は、一端が基軸29に回動可能に軸支された給紙アーム26の先端に回転可能に軸支されている。この給紙ローラ25は、プリンタ部2の内部に設けられた図示しないASFモータを駆動源としてギヤ列27を介して回転駆動される。なお、ASFモータは、図3において、プラテン42の左端部の裏側に配置されている。
給紙トレイ20の奥側に傾斜板22が設けられている。給紙ローラ25が給紙トレイ20上の記録用紙に圧接された状態で、給紙ローラ25が回転されると、給紙ローラ25のローラ面と記録用紙との間の摩擦力により、最上位置の記録用紙が傾斜板22側へ送り出される。記録用紙は、その先端が傾斜板22に当接して上方へ案内される。傾斜板22から記録用紙を搬送すべき経路に沿って、用紙搬送路23が延出されている。具体的には、用紙搬送路23は、傾斜板22から上方へ向けられ、複合機1の正面側へ曲げられてから、複合機1の背面側から正面側へと延ばされて、画像記録ユニット24の下部を通って、排紙トレイ21まで延設されている。したがって、給紙トレイ20に収容された記録用紙は、用紙搬送路23により下方から上方へUターンするように案内されて画像記録ユニット24に至り、画像記録ユニット24により画像記録が行われた後、排紙トレイ21に排出される。
図2に示されるように、用紙搬送路23には、画像記録ユニット24が配置されている。画像記録ユニット24は、インクジェット方式の記録ヘッド39(本発明の記録ヘッドの一例)と、この記録ヘッド39を搭載するキャリッジ38とを備えている。キャリッジ38は、記録用紙の搬送方向と直交する主走査方向(図2の紙面に垂直な方向)へスライド可能に支持されている。
記録ヘッド39は、キャリッジ38の底面に配置されており、記録ヘッド39のノズル(本発明の吐出口の一例、不図示)がキャリッジ38の下面に露出されている。複合機1の内部に配置されたインクカートリッジ(不図示)から各色のインクが記録ヘッド39へ供給される。キャリッジ38が往復してスライドされる間に、記録ヘッド39のノズルから各色インクが微小なインク滴として選択的に吐出される。これにより、プラテン42上を搬送される記録用紙に画像記録が行われる。
図3及び図4に示されるように、用紙搬送路23の上側において一対のガイドレール43,44が配置されている。ガイドレール43,44は、記録用紙の搬送方向(図3の上側から下側方向)に所定距離を隔てられて対向しており、且つ記録用紙の搬送方向と直交する主走査方向(図3の左右方向)に延設されている。ガイドレール43,44は、プリンタ部2の筐体内に設けられ、プリンタ部2を構成する各部材を支持するフレームの一部を構成している。キャリッジ38は、ガイドレール43,44を跨ぐようにして上記主走査方向に摺動可能に載置されている。
ガイドレール43は、記録用紙の搬送方向上流側に配設されている。ガイドレール43は、用紙搬送路23の幅方向(図3の左右方向)の長さがキャリッジ38の往復動範囲より長い平板状のものである。また、ガイドレール44は、記録用紙の搬送方向下流側に配設されている。ガイドレール44は、用紙搬送路23の幅方向の長さがガイドレール43とほぼ同じ長さの平板状のものである。キャリッジ38の搬送方向上流側の端部がガイドレール43に載置され、キャリッジ38の搬送方向下流側の端部がガイドレール44に載置されており、キャリッジ38は、各ガイドレール43,44の長手方向に摺動されるようになっている。
ガイドレール44の搬送方向上流側の縁部45は、上方へ向かって略直角に曲折されている。ガイドレール43,44に担持されたキャリッジ38は、縁部45をローラ対等の狭持部材により摺動可能に狭持している。これにより、キャリッジ38は、記録用紙の搬送方向に対して位置決めされ、且つ、記録用紙の搬送方向と直交する方向に摺動することができる。つまり、キャリッジ38は、ガイドレール43,44上に摺動自在に担持され、ガイドレール44の縁部45を基準として、記録用紙の搬送方向と直交する方向に往復動する。なお、図示されていないが、縁部45には、キャリッジ38の摺動を円滑にするためにグリースなどの潤滑剤が塗布されている。
ガイドレール44の上面には、図3に示されるように、ベルト駆動伝達機構46が配設されている。ベルト駆動伝達機構46は、駆動プーリ47と、従動プーリ48と、無端環状のベルト49とを有する。
駆動プーリ47及び従動プーリ48は、用紙搬送路23の幅方向の両端付近にそれぞれ設けられている。駆動プーリ47と従動プーリ48との間に、無端環状のベルト49が張架されている。駆動プーリ47の軸に、プリンタ部2の内部に設けられたCRモータ96(図4参照)の駆動軸が連結されている。CRモータ96の回転駆動力が駆動プーリ47に伝達されると、駆動プーリ47の回転によりベルト49が周運動する。なお、ベルト49は無端環状のもののほか、有端のベルトの両端部をキャリッジ38に固着するものも採用され得る。
キャリッジ38は、その底面側においてベルト49に連結されている。したがって、ベルト49の周運動に基づいて、キャリッジ38が縁部45を基準としてガイドレール43,44上をスライドする。つまり、キャリッジ38は、CRモータ96(図4参照)を駆動源としてスライドされる。このようなキャリッジ38に記録ヘッド39が搭載されて、記録ヘッド39が、用紙搬送路23の幅方向を主走査方向として往復動される。
図3に示されるように、ガイドレール44には、エンコーダストリップ50が配設されている。エンコーダストリップ50は、透明な樹脂からなる帯状のものである。ガイドレール44の幅方向(キャリッジ38のスライド方向)の両端には、その上面から起立するように一対の支持用リブ33,34が形成されている。エンコーダストリップ50は、その両端部が支持用リブ33,34に係止されて、縁部45に沿って架設されている。なお、エンコーダストリップ50はバネなどによって張力が付与されている。
エンコーダストリップ50には、光を透過させる透光部と光を遮断する遮光部とが、長手方向に等ピッチで交互に配置されたパターンが記されている。キャリッジ38の上面のエンコーダストリップ50に対応する位置には、透過型センサである光学センサ35が設けられている。エンコーダストリップ50と光学センサ35とによって、キャリッジ38の位置を検出するためのリニアエンコーダが構成される。複合機1の制御部(不図示)は、光学センサ35からの検出信号に基づいてキャリッジ38の位置を検出することができる。上記制御部は、検出された位置情報に基づいて、CRモータ96やASFモータを制御する。
図2及び図3に示されるように、用紙搬送路23の下側には、記録ヘッド39と対向してプラテン42が配設されている。プラテン42は、キャリッジ38のスライド範囲のうち、記録用紙が通過する中央部分に渡って配設されている。プラテン42の幅は、搬送可能な記録用紙の最大幅より十分に大きいものであり、記録用紙の両端は常にプラテン42の上を通過する。
図3及び図4に示されるように、記録用紙が通過しない範囲、すなわち記録ヘッド39による画像記録領域の外側には、メンテナンス機構51が配設されている。具体的には、メンテナンス機構51は、図3においてプラテン42の右端部に配置されている。メンテナンス機構51は、記録ヘッド39のノズル内のインクの乾燥を防止したり、ノズルから気泡や異物を吸引除去するものである。本実施形態では、画像記録を行わない場合、キャリッジ38はメンテナンス機構51上に配置される。つまり、キャリッジ38は、次の画像記録指示があるまで、メンテナンス機構51上で待機する。なお、メンテナンス機構51については、後段で詳細に説明する。
図2及び図4に示されるように、画像記録ユニット24の上流側には、搬送ローラ87とピンチローラ88とを有する一対の搬送ローラ対89が設けられている。画像記録ユニット24の下流側には、排紙ローラ90と該排紙ローラ90の上方に設けられた拍車91とを有する一対の排出ローラ対92が設けられている。搬送ローラ87は、該搬送ローラ87の軸方向の一端にギヤなどを介して連結されたASFモータから駆動力が伝達されて、所定の改行幅で間欠駆動される。なお、搬送ローラ87は、ASFモータとは別に設けられたモータ(不図示)からの駆動力で駆動されてもよい。
搬送ローラ87と排紙ローラ90とはギアなどの伝達機構により連結されており、該伝達機構を介して搬送ローラ87から駆動力が排紙ローラ90に伝達される。用紙搬送路23を搬送されている記録用紙は、搬送ローラ対89によってプラテン42上へ搬送される。そして、プラテン42上で画像が記録された記録済みの記録用紙は、排出ローラ対92によって排紙トレイ21へ搬送される。
[メンテナンス機構51]
図3に示されるように、プラテン42における幅方向の両側のうち、一方にはメンテナンス機構51が配設され、他方には廃インクトレイ52が配設されている。メンテナンス機構51は、記録ヘッド39のノズルから気泡や異物を吸引除去するものである。メンテナンス機構51は、記録ヘッド39のノズルを覆うキャップ53(本発明のキャップの一例)を有する。キャップ53は、後述されるリフトカム211(本発明の回転カムの一例、図5参照)によって上下動されて記録ヘッド39と接離する。また、キャップ53が記録ヘッド39のノズルを覆う姿勢が本発明において第1姿勢と称され、キャップ53が記録ヘッド39から離間された姿勢が本発明において第2姿勢と称される。
図3には現されていないが、メンテナンス機構51は、さらに吸引ポンプを有する。吸引ポンプは、キャップ53と接続されており、吸引ポンプが動作されることによって、キャップ53の内部が負圧にされる。キャップ53が記録ヘッド39と接触してノズルを覆った状態において吸引ポンプが作動されると、記録ヘッド39から気泡や異物が吸引除去される。
廃インクトレイ52は、フラッシングと呼ばれる記録ヘッド39からのインクの空吐出を受けるためのものである。廃インクトレイ52内にはフェルトやスポンジ等のインク吸収材が敷設されており、フラッシングされたインクは、インク吸収材に吸収されて保持される。このようにメンテナンス機構51及び廃インクトレイ52が用いられて、記録ヘッド39内の気泡や混色インクの除去、乾燥防止などのメンテナンスが行われる。
各図には示されていないが、プリンタ部2には、カートリッジ装着部が設けられ、各種インクを貯蔵するインクカートリッジが装着される。カートリッジ装着部からキャリッジ38へは、各色インクに対応した複数本のインクチューブ54(図3参照)が引き回されている。キャリッジ38に搭載された記録ヘッド39には、各インクチューブ54を通じて、カートリッジ装着部に装着されたインクカートリッジから各色インクが供給される。インクチューブ54は、合成樹脂製のチューブであり、キャリッジ38の往復動に追従して撓む可撓性を有する。
[駆動伝達機構70]
ASFモータからの駆動力は図示しない中間ギヤなどを介してメンテナンス機構51へ伝達される。本実施形態では、ASFモータからの駆動力が後述するギヤ機構60、及び以下で説明する駆動伝達機構70(本発明の駆動伝達機構の一例、図5参照)を介してメンテナンス機構51へ伝達される。
なお、ASFモータとギヤ機構60の間に配置される中間ギヤなどの数は、複合機1の内部におけるASFモータとメンテナンス機構51の配置場所によって適宜決定される。また、本実施形態においては、ASFモータから給紙ローラ25及びメンテナンス機構51へ駆動伝達されるため、ASFモータから給紙ローラ25への伝達経路と、ASFモータからメンテナンス機構51への伝達経路を切り換えるための駆動切換機構(不図示)が搭載される。しかし、本発明において駆動切換機構は任意の構成であるため、本明細書においては、その詳細な説明が省略される。
図5(A)に示されるように、駆動伝達機構70は、リフトカム211及びリフトアーム213(本発明のカムフォロアの一例)により構成されている。複合機1のフレームなどに設けられた軸受けに支持された支軸71(図5(B)参照)に、リフトカム211が支持されている。このリフトカム211は、円盤形状のカムであり、その側面にカム溝212(本発明のカム溝の一例)が形成されている。図5には詳細に現れていないが、リフトカム211は、ギヤ機構60の欠歯ギヤ62(本発明の第2の回転ギヤの一例、図6参照)と係合されており、欠歯ギヤ62と一体に回転される。
リフトカム211のカム溝212には、リフトアーム213の一端側に設けられた凸部(本発明の係合部の一例、不図示)が係入されている。このリフトアーム213は、支軸214に支持されて支軸214周りに回転可能なアーム形状をなしている。したがって、カム溝212に係入された凸部が、リフトカム211の正逆転によって変動すると、その変動によって、リフトアーム213が支軸214周りに回転される。
リフトアーム213の他端にはキャップホルダ215が回動可能に連結されている。キャップホルダ215は、前述されたキャップ53を一体に支持するものである。キャップホルダ215は、上側が開口された箱形状をなしている。キャップホルダ215に支持されたキャップ53は、キャップホルダ215の上側の開口から露出されている。キャップホルダ215は、図示しないガイドに案内されて上下方向へスライド可能である。前述されたように、リフトアーム213の凸部が、リフトカム211の正逆転によって変動してリフトアーム213が支軸214を中心として回転されると、そのリフトアーム213の回転に伴って、キャップホルダ215が上下方向へスライドされる。キャップホルダ215のスライドによって、前述されたように、キャップ53が、第1姿勢と第2姿勢とに姿勢変化される。
[ギヤ機構60]
図6に示されるように、ギヤ機構60は、駆動ギヤ61(本発明の第1の回転ギヤの一例)、遊星ギヤ63(本発明の遊星ギヤの一例)、及び欠歯ギヤ62により構成される。
図5(B)に示されるように、駆動ギヤ61は、支軸71に軸支されている。図6に示されるように、駆動ギヤ61は、外周面611Aと内周面611B(図6(D)参照)を有したリング形状の第1部材611(図6(B)参照)と、スラスト方向の一方の面であって第1部材611と一体に構成されている第2部材612(図6(B)参照)により構成されている。スラスト方向の他方には、後述する円板部材64が設けられる。図6(D)、(F)に示されるように、第1部材611の外周面611Aには全周に亘って所定数の歯が設けられており、内周面611Bには全周に亘って外周面611Aと同じピッチで歯が設けられている。駆動ギヤ61は、ASFモータからの駆動力が伝達された中間ギヤ(不図示)の歯と、外周面611Aの歯とが噛合されることにより、ASFモータより駆動伝達される。
なお、本実施形態においては、駆動ギヤ61は、外周面611Aの全周に亘って所定数の歯が設けられており、内周面611Bの全周に亘って外周面611Aと同じピッチで歯が設けられているが、このような構成に限らない。例えば、駆動ギヤ61は、ASFモータから駆動力が伝達可能であるならば、外周面611Aに歯がなくてもよい。駆動ギヤ61の外周面611Aに歯がない構成としては、例えば、駆動ギヤ61への駆動力の伝達が、ASFモータからの駆動力が伝達された中間ギヤ(不図示)からベルトを介して駆動ギヤ61へ駆動伝達される構成がある。また、外周面611Aの歯と内周面611の歯のピッチが異なっていてもよい。
図6(D)、(F)に示されるように、欠歯ギヤ62は、駆動ギヤ61の内周面611Bの内側に設けられており、駆動ギヤ61と同じ支軸71に軸支されている。欠歯ギヤ62は、上述したように、駆動伝達機構70のリフトカム211と係合されており、リフトカム211と一体に回転される。欠歯ギヤ62の外周は、ギヤの歯が一部範囲(例えば1つ又は2つの歯)にわたって欠落されている。つまり、欠歯ギヤ62には、歯が形成されている有歯部621と、歯が形成されていない欠歯部622が設けられている。
図6(D)、(F)に示されるように、遊星ギヤ63は、駆動ギヤ61の内周面611Bと欠歯ギヤ62の外周面(有歯部621及び欠歯部622)との間のリング状の間隙に設けられている。遊星ギヤ63は、駆動ギヤ61の内周面611Bに設けられた歯、及び、欠歯ギヤ62の有歯部621に設けられた歯と噛合される。遊星ギヤ63において、駆動ギヤ61の第2部材612と反対側の面には凸部631が設けられている。凸部631は、後述する円板形状64の長孔642と嵌合される(図6(A)、(C)参照)。
遊星ギヤ63と欠歯ギヤ62の有歯部621が対向している場合、つまり遊星ギヤ63と欠歯ギヤ62が噛合されている場合、ASFモータより駆動伝達された駆動ギヤ61が回転すると、駆動ギヤ61の回転駆動力は遊星ギヤ63を介して欠歯ギヤ62に伝達される。これにより、図7(B)に示されるように、遊星ギヤ63は駆動ギヤ61と同じ向きに回転し、欠歯ギヤ62は駆動ギヤ61と逆向きに回転する。
一方、遊星ギヤ63と欠歯ギヤ62の欠歯部622が対向している場合、つまり遊星ギヤ63と欠歯ギヤ62が噛合されていない場合、ASFモータより駆動伝達された駆動ギヤ61が回転しても、駆動ギヤ61の回転駆動力は欠歯ギヤ62に伝達されない。この場合、図7(A)に示されるように、遊星ギヤ63は、駆動ギヤ61の回転に伴って上記リング状の間隙に沿って回動し、欠歯ギヤ62は回転しない。
図6(A)、(C)、(E)に示されるように、円板部材64は、駆動ギヤ61のスラスト方向の他方に隣接して設けられている。これにより、遊星ギヤ63が駆動ギヤ61のスラスト方向の他方から落下することが防止される。円板部材64の中央には支軸71を貫通させるための円孔641が設けられている。しかし、円板部材64は支軸71に軸支されておらず、複合機1のフレームなどに固定されている。つまり、円板部材64は回転しない。
円板部材64には、遊星ギヤ63の回転方向に沿って所定長の長孔642が設けられている。長孔642と上述した遊星ギヤ63の凸部631は嵌合される。これにより、遊星ギヤ63の回動範囲は、長孔642の範囲に制限される。つまり、遊星ギヤ63は、駆動ギヤ61の内周の歯と噛合されて、かつ駆動ギヤ61の円周方向へ遊びを有して軸支されている。なお、円板部材64は、円形状である必要はなく、四角など他の形状であってもよい。また、遊星ギヤ63が長孔642に沿って回動する範囲は、遊星ギヤ63と欠歯ギヤ62の欠歯部622が対向する範囲より長く構成されている。
[ギヤ機構60の動作]
以下、図7に基づいて、ギヤ機構60によるキャップ53の姿勢変化について説明する。なお、以下の説明においては、説明の便宜上、駆動ギヤ61が正回転された場合に、キャップ53が第2姿勢から第1姿勢に姿勢変化され、駆動ギヤ61が逆回転された場合に、キャップ53が第1姿勢から第2姿勢に姿勢変化されるものとする。
図7(A)に示される状態において、キャップ53は第1姿勢である。また、図7(A)に示されるように、遊星ギヤ63は欠歯ギヤ62の欠歯部622と対向している。この状態で、駆動ギヤ61がASFモータより駆動伝達されて正回転(図7(A)における実線矢印の向き)を開始すると、遊星ギヤ63は円板部材64の長孔642に沿って破線矢印の向きに回動する。
図7(B)に示されるように、遊星ギヤ63が欠歯ギヤ62の有歯部621の一方の端部621Aと噛合されると、遊星ギヤ63は破線矢印の向きに回転する。遊星ギヤ63の回転によって、欠歯ギヤ62は一点鎖線矢印の向きに回転する。図5に示されるように、欠歯ギヤ62の回転によって、リフトカム211が回転する。リフトカム211の回転によってリフトアーム213が支軸214を中心として回転される。リフトアーム213の回転によって、キャップホルダ215が上向きへスライドされる。キャップホルダ215のスライドによって、キャップ53が第1姿勢から第2姿勢へ姿勢変化される。
図7(C)に示されるように、欠歯ギヤ62の回転によって、遊星ギヤ63が欠歯ギヤ62の有歯部621の他方の端部621Bと噛合されると、遊星ギヤ63は以後、欠歯ギヤ62の欠歯部622と対向する。したがって、遊星ギヤ63は空回りし、欠歯ギヤ62の回転は停止される。この状態において、キャップ53は第2姿勢である。
図7(C)に示される状態で、駆動ギヤ61がASFモータより駆動伝達されて逆回転(図7(C)における実線矢印の向き)を開始すると、遊星ギヤ63は円板部材64の長孔642に沿って回動するが、図7(C)に示されるように、遊星ギヤ63は直ぐに欠歯ギヤ62の有歯部621の他方の端部621Bと噛合される。これにより、遊星ギヤ63は破線矢印の向きに回転する。遊星ギヤ63の回転によって、欠歯ギヤ62は一点鎖線矢印の向きに回転する。図5に示されるように、欠歯ギヤ62の回転によって、リフトカム211が回転する。リフトカム211の回転によってリフトアーム213が支軸214を中心として回転される。リフトアーム213の回転によって、キャップホルダ215が下向きへスライドされる。キャップホルダ215のスライドによって、キャップ53が第2姿勢から第1姿勢へ姿勢変化される。
図7(B)に示されるように、欠歯ギヤ62の回転によって、遊星ギヤ63が欠歯ギヤ62の有歯部621の一方の端部621Aと噛合されると、遊星ギヤ63は以後、欠歯ギヤ62の欠歯部622と対向する。したがって、遊星ギヤ63は円板部材64の長孔642に沿って、二点鎖線の向きに回動する。遊星ギヤ63が長孔642の端部642Aに到達すると、遊星ギヤ63はその位置で空回りする。この状態において、キャップ53は第1姿勢である。
[実施形態の効果]
遊星ギヤ62は駆動ギヤ61の内周の歯と噛合され、欠歯ギヤ62は遊星ギヤ63と噛合される。したがって、遊星ギヤ63及び欠歯ギヤ62は、駆動ギヤ61の円周の内側に配置される。遊星ギヤ63及び欠歯ギヤ62のスラスト方向の長さは、駆動ギヤ61のスラスト方向の長さより小さくてよい。本実施形態では、図6(B)に示されるように、欠歯ギヤ62においては、リフトカム211との係合部分のみが駆動ギヤ61の外側に配置されている。つまり、駆動ギヤ61と欠歯ギヤ62をスラスト方向に隣接して配置するような装置の大型化を招く構成が不要となる。
キャップ53が第1姿勢と第2姿勢の間に位置しているときに、遊星ギヤ63と欠歯ギヤ62が噛合し、駆動ギヤ61から遊星ギヤ63を介して欠歯ギヤ62に駆動伝達される。欠歯ギヤ62に駆動伝達されると、欠歯ギヤ62から駆動伝達機構70へ駆動伝達され、キャップ53が姿勢変化される。つまり、上述の実施形態によって、キャップ53が第1姿勢と第2姿勢の間で姿勢変化可能である。
欠歯ギヤ62の回転の過程において、遊星ギヤ63が欠歯ギヤ62の欠歯部622と対向すると、遊星ギヤ63と欠歯ギヤ62は噛合されないため、欠歯ギヤ62はそれ以上回転せず、キャップ53はそれ以上移動しない。つまり、欠歯ギヤ62の有歯部621の長さが決定されることによって、キャップ53の移動範囲が決定可能なため、キャップ53の位置検出のためのセンサを設ける必要がない。
キャップ53が第1姿勢から第2姿勢、又は、第2姿勢から第1姿勢の向きへ移動完了したとき、遊星ギヤ63は欠歯ギヤ62と噛合されない位置にいる。そのため、キャップ53が上記向きと逆向きへ移動するとき、駆動ギヤ61が回転しても遊星ギヤ63は欠歯ギヤ62と噛合されない。しかし、上述の実施形態では、 遊星ギヤ63は、駆動ギヤ61の内周の歯と噛合されて、駆動ギヤ61の回転方向へ遊びを有して軸支されている。遊星ギヤ63は、駆動ギヤ61の回転方向に回動することによって、欠歯ギヤ62と噛合されない位置から噛合される位置へ移動可能である。
また、上述したリフトカム211及びリフトアーム213を用いた駆動伝達機構70の構成は、キャップ53が第1姿勢と第2姿勢との間で姿勢変化される構成として好ましい。
[実施形態の変形例]
上述の実施形態では、駆動伝達機構70は、リフトカム211及びリフトアーム213により構成されていたが、図8に示されるように、スライドカム11(本発明のスライドカムの一例)、ピニオンギヤ12(本発明の第3ギヤの一例)、及びラックギヤ13(本発明のラックギヤの一例)により構成されていてもよい。
本実施形態では、キャップホルダ215は、その下部と第1フレーム57の底面との間に設けられたコイルバネ65を介して上下方向へ弾性的に支持されている。なお、キャップホルダ215が上下方向へ移動可能であれば、コイルバネ65を用いた構成に限らない。
コイルバネ65が自然長である場合、つまりキャップホルダ53に外力が加えられていない状態では、キャップ55は第2姿勢である(図8(A)参照)。キャップホルダ215が、後述するようにスライドカム11によって上向きに押されると、コイルバネ65が伸びる。このとき、コイルバネ65は、圧縮方向にバネ力を発生させて、キャップホルダ215を下向きへ付勢する。キャップ55は、スライドカム11によって上向きに押されることによって、第2姿勢から第1姿勢に姿勢変化される(図8(C)参照)。
スライドカム11は、キャリッジ38のスライド方向と同方向へ移動可能に支持されている。スライドカム11は、キャップホルダ215の下面に当接されるガイド面を有する。ガイド面は、各々が異なる高さであって高位置の第1ガイド面111(本発明の第1カム面に相当)及び低位置の第2ガイド面112(本発明の第2カム面に相当)と、第1ガイド面及び第2ガイド面を繋ぐ傾斜面113(本発明の第3カム面に相当)と、により構成されている。
ピニオンギヤ12は、ASFモータからギヤ機構60を介して駆動力が伝達されて回転される。図8には詳細に現れていないが、ピニオンギヤ12は、ギヤ機構60の欠歯ギヤ62と係合されており、欠歯ギヤ62と一体に回転される。ラックギヤ13は、スライドカム11の第2ガイド面112に、スライドカム11の移動方向に沿って設けられている。ラックギヤ13はピニオンギヤ12と噛合される。ピニオンギヤ12の正逆転によって、ピニオンギヤ12の回転駆動力がラックギヤ13に伝達されると、この駆動力を受けて、スライドカム11がピニオンギヤ12の回転方向に応じた方向へスライドする。
図8(A)に示されるように、第2ガイド面112とキャップホルダ215の下面が当接している場合、キャップ53は第2姿勢に保持される。スライドカム11がASFモータから駆動伝達されて図8(A)の矢印の向きへスライドすると、第2ガイド面112がキャップホルダ215の下面から離れ、傾斜面113がキャップホルダ215の下面に当接する(図8(B)参照)。これにより、キャップ53は、傾斜面113の高さに応じて、第2姿勢から第1姿勢へ向かって移動される。スライドカム11がASFモータから駆動伝達されて更に図8(B)の矢印の向きへスライドすると、傾斜面113がキャップホルダ215の下面から離れ、第1ガイド面111がキャップホルダ215の下面に当接する(図8(C)参照)。これにより、キャップ53は第1姿勢に保持される。
以上説明したようなスライドカム11を用いた駆動伝達機構70の構成も、キャップ53が第1姿勢と第2姿勢との間で姿勢変化される構成として好ましい。
1・・・複合機
2・・・プリンタ部
11・・・スライドカム
12・・・ピニオンギヤ
13・・・ラックギヤ
39・・・記録ヘッド
53・・・キャップ
61・・・駆動ギヤ
62・・・遊星ギヤ
63・・・欠歯ギヤ
70・・・駆動伝達機構
211・・・リフトカム
213・・・リフトアーム

Claims (3)

  1. 液滴を吐出する記録ヘッドの吐出口を覆う第1姿勢、及び当該記録ヘッドから離反した第2姿勢に姿勢変化可能なキャップと、
    駆動源からの駆動力を受けて回転するものであって、その回転方向に沿って延在するとともにそれぞれが回転中心に向いて形成された歯列を有する第1の回転ギヤと、
    上記第1の回転ギヤの上記歯列と噛合されて、かつ上記第1の回転ギヤに対して上記回転方向への遊びを有して軸支された遊星ギヤと、
    上記第1の回転ギヤと同軸に配置されて上記遊星ギヤと噛合されている第2の回転ギヤと、
    上記第2の回転ギヤから駆動伝達されて上記キャップを姿勢変化させる駆動伝達機構と、を具備し、
    上記第2の回転ギヤは、上記キャップが上記第1姿勢又は上記第2姿勢であるときに、上記遊星ギヤと噛合しないよう歯の一部が欠落されたものである画像記録装置。
  2. 上記駆動伝達機構は、
    周方向へ連続するカム溝を有し、上記第2の回転ギヤから駆動伝達されて回転される回転カムと、
    上記カム溝に係入された係合部を有し、当該係合部が上記回転カムの径方向へ移動することに基づいて上記キャップを姿勢変化させるカムフォロアと、を具備する請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 上記駆動伝達機構は、
    上記キャップを上記第1姿勢に保持するための第1カム面、上記キャップを上記第2姿勢に保持するための第2カム面、及び上記第1カム面と上記第2カム面とを連結する第3カム面を有し、上記キャップの移動方向と交差する方向へ移動することによって上記キャップを姿勢変化させるスライドカムと、
    上記第2の回転ギヤと一体に回転する第3の回転ギヤと、
    上記スライドカムにおいて、当該スライドカムの移動方向に沿って設けられており、上記第3の回転ギヤと噛合するラックギヤと、を具備する請求項1に記載の画像記録装置。
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