JP2011070987A - 電界発光表示装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電界発光素子の構成部材から生じた水分や酸素等が、発光層を含む有機化合物層に拡散して電界発光素子特性を劣化させる現象を抑制すると共に、電極間の短絡による発光不良を防ぐ電界発光表示装置を提供する。
【解決手段】基板と、光反射層と金属酸化物層からなる下部電極と、有機化合物層と、上部電極と、がこの順に積層された電界発光素子を有する電界発光表示装置であって、金属酸化物層は、電気抵抗の異なる2つの金属酸化物層で構成され、電気抵抗の高い金属酸化物層は、電気抵抗の低い金属酸化物層の外周に接しており、電気抵抗の低い金属酸化物層は、金属酸化物層成膜後に電気抵抗を低くしたことを特徴とする電界発光表示装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、電界発光表示装置及びその製造方法に関する。
電界発光素子の劣化を進行させる原因のひとつとして、発光層を含む有機化合物層への水分や酸素などのガス成分の浸入が知られている。該有機化合物層に水分やガス成分が浸入した箇所は非発光状態となり、発光輝度の低下、発光効率の低下、非発光画素の発生などの劣化が進行する。そのため電界発光素子は、ガス透過性の低い材料もしくは構造体で封入/封止することにより周辺環境から浸入する該電界発光素子への水分やガス成分を極めて小さく抑えこんでいる。
しかし、電界発光素子の構成部材に樹脂材料を用いる場合には、樹脂材料に含まれる水分やガス成分が問題となる。封止された電界発光素子の内部で樹脂材料から水分やガス成分が放出されると、周辺環境から浸入した場合と同様に、電界発光素子の劣化が進行する。
特許文献1の電界発光表示装置では、樹脂材料からなる画素間分離膜に対して、基板加熱、減圧雰囲気による脱水・脱ガス処理を施した後、有機発光層が形成されている。即ち画素間分離膜が保持している水分やガス成分の一部は、基板加熱と減圧雰囲気により画素間分離膜から除去される。この一連の処理は有機発光層に侵入する水分やガス成分を極力少なくし、発光素子の劣化を抑制することを目的としている。
特許第3531597号
しかしながら、特許文献1における基板加熱及び減圧雰囲気による処理手段も、画素間分離膜内部で強く吸着している水分やガス成分に対しては、素子劣化を軽減する効果に留まる。
また、電界発光素子の作製後に、該電界発光素子自体の発光に伴う熱や光、該電界発光素子の使用環境も、構成部材の材料分解を促して、新たな水分やガス成分を発生させる。これらの水分やガス成分もまた、発光素子に侵入すると、輝度の低下、発光効率の低下、非発光画素の発生などの劣化を進行させる。
そこで、本発明は、電界発光素子の構成部材から生じた水分や酸素等が発光層を含む有機化合物層に拡散して電界発光素子特性を劣化させる現象を抑制すると共に、電極間の短絡による発光不良を防ぐ電界発光表示装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、基板と、該基板上に複数配置され、光反射層と金属酸化物層からなる下部電極と、少なくとも発光層を含む有機化合物層と、上部電極と、がこの順に積層された電界発光素子を有する電界発光表示装置であって、前記金属酸化物層は、電気抵抗の異なる2つの金属酸化物層で構成され、電気抵抗の高い金属酸化物層は、電気抵抗の低い金属酸化物層の外周に接しており、前記電気抵抗の低い金属酸化物層は、前記金属酸化物層成膜後に電気抵抗を低くしたことを特徴とする電界発光表示装置を提供するものである。
また、本発明は、基板と、該基板上に複数配置され、光反射層と金属酸化物層からなる下部電極と、少なくとも発光層を含む有機化合物層と、上部電極と、がこの順に積層された電界発光素子を有する電界発光表示装置の製造方法であって、前記製造方法は、前記光反射層の端面を除く前記光反射層上に位置する前記金属酸化物層を還元性ガスあるいはプラズマ雰囲気中に曝露して、曝露前より電気抵抗を低くする処理工程を含むことを特徴とする電界発光表示装置の製造方法を提供するものである。
本発明の電界発光表示装置及びその製造方法によれば、電界発光素子の構成部材から生じた水分や酸素等が発光層を含む有機化合物層に拡散して電界発光素子特性を劣化させる現象を抑制すると共に、電極間の短絡による発光不良を防ぐことができる。
実施例1の電界発光表示装置を示す図である。 実施例1の電界発光表示装置の製造工程を示す図である。 実施例1の電界発光表示装置の製造工程を示す図である。 実施例2の電界発光表示装置を示す図である。 実施例2の電界発光表示装置の製造工程を示す図である。 実施例2の電界発光表示装置の製造工程を示す図である。 実施例2の電界発光表示装置の製造工程を示す図である。
本発明は、基板と、該基板上に複数配置され、光反射層と金属酸化物層からなる下部電極と、少なくとも発光層を含む有機化合物層と、上部電極と、がこの順に積層された電界発光素子を有する電界発光表示装置及びその製造方法である。
本発明の電界発光表示装置は、光反射層、金属酸化物層及び有機化合物層が次のような構成をとることを特徴とする。その構成とは、金属酸化物層が、電気抵抗の異なる2つの金属酸化物層で構成され、電気抵抗の高い金属酸化物層が、電気抵抗の低い金属酸化物層の外周に接している構成である。また、電気抵抗の低い金属酸化物層は、金属酸化物層成膜後に電気抵抗を低くしたことを特徴とする。
本発明の電界発光表示装置の製造方法は、光反射層の端面を除く光反射層上の金属酸化物層を還元性ガスあるいはプラズマ雰囲気中に曝露し、光反射層の端面を除く光反射層上の金属酸化物層の電気抵抗を曝露前より低くする処理工程を含むことを特徴とする。
本発明の下部電極は、光反射層と金属酸化物層の順で積層された構成から成る。
光反射層は下部電極の構成部品の一つであり、薄膜トランジスタとコンタクトホールを通じて接続される。光反射層は可視波長域に対する反射性が高く、かつ電気抵抗の低い特性の材料が好ましい。具体的には、銀、アルミニウム、マグネシウム、珪素、クロム等の金属単体あるいは前記金属を主成分とする合金等が挙げられる。
金属酸化物層は、該層が還元処理された部位において下部電極の構成部品の一つとなり、また該層が未還元の部位において上部電極と光反射層との電気短絡を防ぐ機能を担う。金属酸化物層は可視波長域に対する透過性を持ち、かつ該層への還元処理あるいは不純物添加により電気抵抗値を大きく制御できる特性の材料が好ましい。具体的にはインジウム亜鉛酸化物(IZO)、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)等の公知の透光性酸化物半導体を使用することができる。
本発明で用いる還元性ガス及び還元性プラズマとは、金属酸化物中に酸素空乏の生成を促す気体をいう。還元性ガスとして、例えば水素ガスが挙げられる。
本発明において、低抵抗化された金属酸化物層の直上にホール注入層を形成してもよい。ホール注入層としては、有機材料や導電性酸化物等を用いることが可能である。
以下、本発明の実施例及び本発明の製造方法によって製造される電界発光表示装置の具体的な態様について詳細に説明する。
<実施例1>
図1は、本発明の製造方法で製造される電界発光表示装置の第一の態様を示す断面模式図である。
図1の電界発光表示装置100は、基板10上に、光反射層107と、金属酸化物層109並びに110と、有機化合物層112と、上部電極113と、の順に積層されてなる電界発光素子11が形成されている。また、図1の電界発光表示装置100は、平面的に見ると、発光領域1aと画素間領域1bとで構成されている。
基板10は、ガラス等からなる基材101と、基材101上に設けられる薄層トランジスタ(TFT)102並びに配線103と、基材101とTFT102と配線103上に設けられる絶縁層104と、からなる。なおTFT102の上部は、コンタクトホール106aによって絶縁層104から露出している。
平坦化層105は、基材101上のTFT102、配線103や絶縁層104を形成したときに生じる凹凸を平坦化するために設けられる。
光反射層107は平坦化層105上に設けられる。光反射層107は、コンタクトホール106aを介してTFT102と電気接続されている。
金属酸化物層109及び110はその作製の過程で、光反射層107及び平坦化層105上に、可視波長域の透過性を持ち、かつ電気抵抗値の高い金属酸化物層を成膜する工程を経る。金属酸化物層を成膜する方法は、スパッタ法、真空蒸着法等の公知の方法を採用できる。
電気抵抗の高い金属酸化物層109は、白点線で示される光反射層の端面107aを含む画素間領域1bに当たる部位に形成される。
一方、電気抵抗の低い金属酸化物層110は、光反射層107上で、かつ発光領域1aに当たる部位に形成される。電気抵抗の低い金属酸化物層110は、光反射層107及び平坦化層105上への金属酸化物層の形成後、還元性ガス雰囲気あるいはプラズマ状態での還元処理によって、所望領域の電気抵抗を低下させる。本発明の電界発光表示装置において、電界発光素子の発光領域1aは電気抵抗の低い金属酸化物層110の形状によって規定される。従来の電界発光表示装置において電界発光素子の発光領域を規定する機能は、画素間分離膜によって果たされている。
従って本発明の電界発光表示装置100は、上記の手段により金属酸化層の電気抵抗の制御と発光領域の規定を行うため、画素間分離膜は必要なくなる。
本発明の電界発光表示装置100は画素間分離膜を含まない構成であるため、発光層を含む有機化合物層に対して、電界発光素子を構成する部材から生ずる水分や酸素等の拡散経路は閉ざされており、電界発光素子特性の劣化を抑制する。
さらに、従来の電界発光表示装置において、下部電極と画素間分離膜との境界部の段差によって発光層を含む有機化合物層の蒸着不良を生じやすい。
一方、本発明の電界発光表示装置100において、電界発光素子の発光領域1aと画素間領域1bとの境界部、即ち金属酸化物層109と110との段差はなく、両層に跨って蒸着される有機化合物層112の蒸着欠陥が生じにくい。
このように金属酸化物層成膜後に該層の電気抵抗を制御する構成は、発光寿命特性に優れ、下部及び上部電極間の短絡による発光不良が少ない電界発光表示装置を提供できる。
有機化合物層112は、各画素における電気抵抗の低い金属酸化物層110の全域及びその外周の電気抵抗の高い金属酸化物層109を覆って設けられる。有機化合物層112は、少なくとも発光層を有しており、その層構成については限定されない。
上部電極113は、電気抵抗の高い金属酸化物層109、有機化合物層112及びコンタクトホール106b上の導電層108a並びに111aを覆って設けられる。
図1の電界発光表示装置100は、封止ガラス116の脚部にシール剤115を塗布して、該脚部が電界発光表示装置100の表示領域外に配置されるよう封止ガラス116と貼り合せて、表示装置自体を封止している。
封止ガラス116は、電界発光素子11を大気中の酸素、水分から保護するため、掘り込み部に吸湿剤115が塗布される。
次に、図1の電界発光表示装置の具体的な製造方法を説明する。
[工程1:TFT及び絶縁保護層の形成]
ガラス等からなる基材101上にTFT102及び配線103を形成した後、TFT102の上部以外の部分を埋めるように、絶縁層104を形成する。ここでTFT102、配線103及び絶縁層104の形成方法としては公知の方法を採用することができる。
[工程2:平坦化層の形成]
TFT102、配線103及び絶縁層104を覆うように平坦化層105となる薄膜を形成する。平坦化層105となる薄膜はオリゴマー材料をスピンコート法で基板10上に塗布した後、このオリゴマー材料を焼成・硬化することにより形成される。オリゴマー材料は例えばフォトニーズ(フォトニーズは東レ株式会社の商品名)、オプトマー(オプトマーはJSR株式会社の商品名)、V−259PA(V−259PAは新日鐵化学株式会社の商品名)等が挙げられる。平坦化層105となる薄膜を形成するときは、焼成・硬化の工程が終わった後、基板10の表面を水洗し、1Pa以下の減圧環境下で保管するのが好ましい。
[工程3:コンタクトホールの形成]
TFT102と反射層107、及び上部電極113と電界発光表示装置の外部電源との通電を図るため、平坦化層105にコンタクトホール106a、106b及び106cを形成する。
まず、平坦化層105上にフォトレジストをスピンコート法により1μmの厚さで成膜する。このフォトレジスト層に対して、コンタクトホール106a、106b及び106cを配置する部位が開口部となる露光並びに現像処理を行う。このように作成したフォトレジスト層をマスクとして、反応性イオンエッチング法(RIE)により、平坦化層105へのドライエッチング処理を行い、その後フォトレジスト層をウェットプロセスで取り除く。
[工程4:光反射層及びコンタクトホール金属層の形成]
コンタクトホール106a、106b及び106cを形成した後、光反射層107及びコンタクトホール金属層108a及び108bを所望の位置に所望の形状で形成する。
まず、図2−1(a)に示すように、スパッタ法によりアルミニウム及び珪素合金からなる金属層201を形成した。金属層201の膜厚は特に限定されないが、好ましくは100nm程度である。
次に金属層201上にフォトレジストをスピンコート法により1μmの厚さで成膜する。このフォトレジスト層に対して、光反射層107、コンタクトホール金属層108a及び108bを配置する部位が被覆部となるよう露光並びに現像処理を行う。
続いてウェットエッチングで、光反射層107、コンタクトホール金属層108a及び108bの形状を形成して、その後フォトレジスト層を取り除く。
[工程5:金属酸化物層の成膜]
光反射層107、コンタクトホール金属層108a及び108bを形成した後、図2−1(b)に示すように、金属酸化物層301を成膜する。金属酸化物層301は、平坦化層105及び光反射層107を覆うように成膜する。また後述する金属酸化物層301の低電気抵抗化処理を行うならば、コンタクトホール金属層108a及び108b上を覆って形成してよい。金属酸化物層301は、ZnO焼結ターゲット及びAl23焼結ターゲットを用いた酸素ガス雰囲気のArスパッタによって、ZnO:Al23膜を基板30上に堆積した。成膜時の条件は下記のとおりである。
スパッタ時真空度:1.1×10-2Pa(8.0×10-5Torr)
酸素ガス量:1sccm
金属酸化物層301となる薄膜の膜厚は特に限定されるものではないが、好ましくは、140nm程度である。
[工程6:金属酸化物層の低電気抵抗化処理]
電界発光表示装置の発光領域を定めると共に、光反射層107と上部電極113との間の短絡を防ぐ目的で、光反射層107上の金属酸化物層301に対して、以下に示す低抵抗化処理を施す。
まず、図2−1(c)に示すように、金属酸化物層301上にフォトレジストをスピンコート法により1μmの厚さで成膜する。このフォトレジスト層に対して、発光領域となる部位が開口部となる露光並びに現像処理を行う。つまり、発光領域となる部位4aはフォトレジスト層が除かれ、画素間領域となる部位4bはフォトレジスト層401が残される。また工程5において金属酸化物層301がコンタクトホール金属層108a及び108b上を覆う構成を採用した場合は、コンタクトホール金属層108a及び108bの直上が開口部と成るよう、フォトレジスト層に対して露光並びに現像処理を行う。
図2−1(d)は、金属酸化物層への還元処理による低電気抵抗化を行っている基板を示す断面図である。
フォトレジスト層に対する露光及び現像処理後、図2−1(d)に示すように、上記の基板を下記の条件で水素ガスプラズマ雰囲気に投入して、還元処理した。ただし本発明は下記条件に限定されるものではない。
処理雰囲気ガスの圧力:200Pa
パワー密度:50mW/cm2
還元処理時間:1分
金属酸化物層の低電気抵抗化処理を行った後、フォトレジスト層を除去する。
図2−2(e)は金属酸化物層の低電気抵抗化処理を施した基板の断面図である。
還元処理後、図2−2(e)に示すように、電気抵抗の低い金属酸化物層110、111a並びに111bが形成される。図2−2(e)に示すように、電気抵抗の低い金属酸化物層110は光反射層の端面107aを覆わず、電気抵抗の高い金属酸化物層109は光反射層の端面107aを覆う構造と成っている。前述の金属酸化物層109及び110は、金属酸化物層301に対する還元処理の有無による電気抵抗特性のみが異なり、金属酸化物層109と110との間に形状の段差は生じていない。従って後述する有機化合物層の蒸着において、有機化合物層が各画素における電気抵抗の低い金属酸化物層110の全域及びその外周の電気抵抗の高い金属酸化物層109を覆うことで、上部電極との短絡を防ぐことが出来る。
[工程7:有機化合物層の形成]
金属酸化物層の低抵抗化処理を行った後、図2−2(f)に示すように、有機化合物層112を形成する。有機化合物層112の形成方法として、具体的には、以下に示す方法が挙げられるが、本発明はこれに限定されない。
まず電気抵抗の低い金属酸化物層110に下記式(1)に示される化合物を成膜して、正孔輸送層を形成する。
Figure 2011070987
次に、ホストである下記式(2)に示される化合物及びドーパントである下記式(3)に示される化合物を共蒸着して発光層を形成する。
Figure 2011070987
次に、2,9−ビス[2−(9,9’−ジメチルフルオレニル)]−1,10−フェナントロリンを成膜して電子輸送層を積層する。
次に、Al及びLiを共蒸着して電子注入層を形成する。
以上のようにして正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層がこの順に積層してなる有機化合物層112が形成される。
有機化合物層112は発光領域ごとに発光色が異なるように有機化合物層を塗り分けて成膜してもよい。このとき各発光領域における発光層から発する光の発光色が、色の三原色(赤、緑及び青の組あるいはシアン、マゼンタ及びイエローの組)であると、フルカラーの電界発光表示装置を製造することが可能となる。
[工程8:上部電極の成膜]
有機化合物層形成後、図2−2(g)に示すように、有機化合物層112上に上部電極113を形成する。本実施例において、上部電極113の構成材料は、インジウム亜鉛酸化物(IZO)等の透光性を有する電極材料である。ここで上部電極113となる薄膜を形成する方法としては、スパッタ法、真空蒸着法等の公知の方法を採用することができる。
[工程9:封止]
上部電極113を成膜した構成を、乾燥窒素(露点−70℃以下の水分量雰囲気)で満たされたグローブボックス内に移動して、封止する。
電界発光表示装置を封止する具体的な方法として、まず封止ガラス116を電界発光表示装置100にかぶせてから、該封止ガラスの脚部に水分を遮断する硬化樹脂を塗布して、該電界発光表示装置と該封止ガラスとを貼り合せる。ここで封止ガラス116は、ガラス基板を凹型に切削した部材である。
封止ガラス116は乾燥空気と純水の混合流体を用いた2流体洗浄処理でガラス表面の異物を除き、次いで乾燥空気を吹き付けて該封止ガラスに付着した水分を除去する。さらに電界発光表示装置100内に大気中の水分を浸入させない目的で、好ましくは、封止ガラス116の凹面側であって脚部近傍に吸湿剤115を塗布する。
一方、封止ガラス116を電界発光表示装置100の上に配置する際に、その該封止ガラスの凹面側は基板の発光面側を対向させるようにすることが好ましい。
また封止ガラス116を電界発光表示装置100の上に配置する際に、該封止ガラスの脚部は、装置の表示領域外に配置されるようにすることが好ましい。封止ガラス116の脚部に塗布する硬化樹脂114として、例えば、紫外線硬化樹脂や熱硬化性樹脂等が挙げられる。
以上のプロセスによって作製された電界発光表示装置100に電圧を印加すると、低抵抗化処理された領域1aでの点灯が認められた。
<実施例2>
以下に述べる実施例2は、実施例1の変形例である。具体的には、工程4、5及び6を下記の通りに変更した以外は実施例1と同様の方法により電界発光表示装置を作製した。
図3は、本発明の製造方法で製造される電界発光表示装置の第二の態様を示す断面模式図である。
[工程4:光反射層、コンタクトホール金属層及び補助配線の形成]
コンタクトホール506a,506b及び506cを形成した後、光反射層507、コンタクトホール金属層508a並びに508b、及び補助配線509を所望の位置に所望のパターンで形成する。ここで補助配線509は、上部電極515の電気抵抗によって電界発光表示装置500の発光画素間に電流量の差異が生じて、その結果電界発光表示装置500の発光画素間の輝度ムラとなる現象を抑制するために設けられる。
まず、図4−1(a)に示すように、基板50に対して、スパッタ法によりアルミニウム及び珪素合金からなる金属層601を形成した。金属層601の膜厚は特に限定されないが、好ましくは100nm程度である。
次に金属層601上にフォトレジスト層602をスピンコート法により1μmの厚さで成膜する。このフォトレジスト層602に対して、光反射層507、コンタクトホール金属層508a並びに508b、及び補助配線509を配置する部位が被覆部となるよう露光並びに現像処理を行う。
続いてウェットエッチングで、光反射層507、コンタクトホール金属層508a並びに508b、及び補助配線509の形状を形成して、その後フォトレジスト層を取り除く(図4−1(b))。
[工程5:金属酸化物層の成膜]
光反射層507、コンタクトホール金属層508a並びに508b、及び補助配線509を形成した後、図4−1(c)に示すように、金属酸化物層701を成膜する。金属酸化物層701は、平坦化層505及び光反射層507及び補助配線509を覆うように成膜する。また実施例1と同様に、後述する金属酸化物層701の低電気抵抗化処理を行うならば、コンタクトホール金属層508a並びに508b上を覆って形成してよい。金属酸化物層701の成膜条件並びに膜厚は実施例1の金属酸化物層301と同じである。
[工程6:金属酸化物層の低電気抵抗化処理]
電界発光表示装置の発光領域を定めると共に、光反射層507と上部電極515との間の短絡を防ぐ目的で、光反射層507上の金属酸化物層701に対して、以下に示す低抵抗化処理を施す。
まず、図4−2(d)に示すように、金属酸化物層701上にフォトレジストをスピンコート法により1μmの厚さで成膜する。このフォトレジスト層に対して、発光領域となる部位並びに補助配線直上の部位が開口部となる露光並びに現像処理を行う。つまり、発光領域となる部位8a並びに補助配線直上の部位8bはフォトレジスト層が除かれ、画素間領域となる部位8cはフォトレジスト層801が残される。また工程5において金属酸化物層701がコンタクトホール金属層508a及び508b上を覆う構成を採用した場合は、コンタクトホール金属層508a及び508bの直上が開口部と成るよう、フォトレジスト層に対して露光並びに現像処理を行う。
図4−2(e)は、金属酸化物層への還元処理による低電気抵抗化を行っている基板を示す断面図である。
フォトレジスト層に対する露光及び現像処理後、図4−2(e)に示すように、上記の基板を水素ガスプラズマ雰囲気に投入して、還元処理した。還元処理条件は実施例1の工程5と同じである。
図4−2(f)は金属酸化物層の低電気抵抗化処理を施した基板の断面図である。
還元処理後、図4−2(f)に示すように、電気抵抗の低い金属酸化物層511、512a並びに512b、513が形成される。
次に上記の基板上に、電気抵抗の低い金属酸化物層511から有機化合物層514へのホール注入性を高めるため、インジウムすず酸化物(ITO)を成膜した。
本実施例においてはITOを厚さ10nmで形成後に、水素ガスプラズマ雰囲気に投入して還元処理した。還元処理条件は実施例1の工程5と同じである。
金属酸化物層の低電気抵抗化処理を行った後、フォトレジスト層を除去する。
以降の工程は実施例1における工程7から9までを踏襲する。
図4−3(g)及び図4−3(h)は実施例2において、実施例1の工程7及び工程8実施後の構成に各々対応する断面模式図である。
以上のプロセスによって作製された電界発光表示装置に電圧を印加すると、低抵抗化処理された領域5aの点灯が認められた。
また実施例2の電界発光表示装置500は、輝度500cd/m2における駆動電圧を実施例1の電界発光表示装置100と比較したところ、ホール注入層の挿入により0.8V低下させることが出来た。
本発明の電界発光表示装置は、従来の電界発光素子に用いられていた層や電極形状の加工に要する工程を削減している。その結果、電界発光素子の寿命特性を向上させると共に、電界発光素子における電極形状の加工不良や素子の点灯不良を抑制して、電界発光表示装置の生産性を改善できる。
10,30,50:基板、100,500:電界発光表示装置、107,507:光反射層、109,301,510,701:電気抵抗の高い金属酸化物層、110,511:電気抵抗の低い金属酸化物層、112,514:発光層を含む有機化合物層

Claims (3)

  1. 基板と、
    該基板上に複数配置され、光反射層と金属酸化物層からなる下部電極と、少なくとも発光層を含む有機化合物層と、上部電極と、がこの順に積層された電界発光素子を有する電界発光表示装置であって、
    前記金属酸化物層は、電気抵抗の異なる2つの金属酸化物層で構成され、電気抵抗の高い金属酸化物層は、電気抵抗の低い金属酸化物層の外周に接しており、前記電気抵抗の低い金属酸化物層は、前記金属酸化物層成膜後に電気抵抗を低くしたことを特徴とする電界発光表示装置。
  2. 前記光反射層の端面は、前記電気抵抗の高い金属酸化物層と接し、前記電気抵抗の低い金属酸化物層には接していないことを特徴とする請求項1に記載の電界発光表示装置。
  3. 基板と、
    該基板上に複数配置され、光反射層と金属酸化物層からなる下部電極と、少なくとも発光層を含む有機化合物層と、上部電極と、がこの順に積層された電界発光素子を有する電界発光表示装置の製造方法であって、
    前記製造方法は、前記光反射層の端面を除く前記光反射層上に位置する前記金属酸化物層を還元性ガスあるいはプラズマ雰囲気中に曝露して、曝露前より電気抵抗を低くする処理工程を含むことを特徴とする電界発光表示装置の製造方法。
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