JP2011070447A - Rfidインレット、rfid、及びrfidインレットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高圧に対して高い耐性を有し、かつ比較的低コストで製造可能なRFIDインレット及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基板2と、基板2の一方側表面2aに形成されたアンテナパターン3と、基板2の一方側表面2aに形成され、アンテナパターン3に接続されたTFT回路4とを備え、TFT回路4は、基板2の法線方向から見てアンテナパターン3と重複しない領域に設けられ、TFT回路4の上面の高さは、アンテナパターン3の上面の高さより低くなっている。
【選択図】図1
【解決手段】基板2と、基板2の一方側表面2aに形成されたアンテナパターン3と、基板2の一方側表面2aに形成され、アンテナパターン3に接続されたTFT回路4とを備え、TFT回路4は、基板2の法線方向から見てアンテナパターン3と重複しない領域に設けられ、TFT回路4の上面の高さは、アンテナパターン3の上面の高さより低くなっている。
【選択図】図1
Description
本発明は、RFIDインレット、RFID、及びRFIDインレットの製造方法に関する。
近年、RFIDインレットを挟み込んだRFIDの需要が増している。需要の増加に伴い、挿入されるRFIDインレットの種類も増し、近年ではゴマ粒大のICタグからクレジットカード大のICカードまで多岐にわたるRFIDインレットがRFIDの中に挟み込まれている。
RFIDインレットを挟み込むための材料としては紙や布、樹脂、フィルムなど種々の材料が用いられるが、例えば紙を用いる場合、RFIDインレットは、抄紙工程で2枚の湿紙の間に挿入されることになる。抄紙工程には乾燥処理やカレンダ処理が含まれるが、これらの処理はRFIDインレットが挟み込まれた状態で行われることになるので、RFIDインレットには、熱、湿気、高圧に耐え得ることが求められる。
RFIDインレットを構成する回路としては、一般的には、半導体基板を用いて作製されたICチップが用いられる(例えば特許文献1,2を参照。)。しかし近年では、アンテナ基板上にTFT(Thin Film Transistor)を使って回路を形成する方法も検討されるようになってきている。TFTを含む回路(以下、TFT回路という。)は、ICチップに比べるとサイズが大きく、場合によってはアンテナパターンと同程度の面積を必要とすることもあるが、アンテナパターンと同じ工程で製造できるという特徴がある。
RFIDインレットを構成する回路としてTFT回路を用いる場合、アンテナパターンの上に重ねてTFT回路を設けるようにすることが一般的である。TFT回路の面積が大きいためである。
しかしながら、アンテナパターンの上に重ねてTFT回路を設ける場合、TFT回路は、基板上で最も高い位置にある部品ということになる。このような状態で上述したカレンダ処理にかけると、TFT回路に圧力が集中し、TFT回路がダメージを受けてしまう可能性がある。
なお、特許文献1には、ICチップの例ではあるが、カレンダ処理での高圧による回路へのダメージ防止技術が開示されている。この技術では、アンテナパターン上の、平面的に見てICチップと重ならない部分に保護部材を設け、保護部材の上面の高さをICチップの上面の高さより高くしている。これによれば、保護部材に圧力が集中するためICチップは圧力から守られるが、保護部材が別途必要になることから、製造コストが高くなってしまうという問題がある。
したがって、本発明の目的のひとつは、高圧に対して高い耐性を有し、かつ比較的低コストで製造可能なRFIDインレット、RFID、及びRFIDインレットの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明によるRFIDインレットは、基板と、前記基板の一方側表面に形成されたアンテナパターンと、前記基板の前記一方側表面に形成され、前記アンテナパターンに接続されたTFT回路とを備え、前記TFT回路は、前記基板の法線方向から見て、前記アンテナパターンと重複しない領域に設けられ、前記TFT回路の上面の高さは、前記アンテナパターンの上面の高さより低いことを特徴とする。
本発明によれば、アンテナパターンが、高圧からTFT回路を守る保護部材としての機能を果たす。したがって、本発明によるRFIDインレットは、高圧に対して高い耐性を有する。また、アンテナパターン自体が保護部材となるので、別途の保護部材を設ける必要がない。したがって、本発明によるRFIDインレットは、比較的低コストで製造可能となっている。
上記RFIDインレットにおいて、前記アンテナパターンは平面スパイラル状の構造を有し、前記TFT回路は、前記アンテナパターンに沿って形成されることとしてもよく、さらに、前記TFT回路は、前記アンテナパターンの最内周と最外周の間に形成されることとしてもよい。
また、上記RFIDインレットにおいて、前記アンテナパターンは直線状の構造を有し、前記TFT回路は、前記アンテナパターンに沿って形成されることとしてもよい。
また、上記RFIDインレットにおいて、前記アンテナパターンは、長手方向の端面が互いに向き合うように並べられた第1及び第2の線状アンテナパターンからなるダイポールアンテナを構成し、前記TFT回路は、前記第1及び第2の線状アンテナパターンの互いに向かい合う端面の間に形成される第1の回路を有することとしてもよい。また、前記TFT回路は、前記第1及び第2の線状アンテナパターンの側面の少なくとも一部に沿って形成される第2の回路を有することとしてもよい。さらに、前記第1及び第2の線状アンテナパターンの少なくとも一方は、前記第2の回路の少なくとも一部を挟むための枝部を有することとしてもよい。
また、上記RFIDインレットにおいて、前記アンテナパターンは、長手方向の端面が互いに向き合うように並べられた第1及び第2の線状アンテナパターンからなるダイポールアンテナを構成し、前記TFT回路は、前記第1及び第2の線状アンテナパターンの互いに向かい合う端面の間に形成される第1の回路を有することとする場合において、前記第1及び第2の線状アンテナパターンは、前記第1の回路の四方を取り囲むように形成されることとしてもよい。
また、本発明によるRFIDは、上記各RFIDインレットのいずれかを挟み込んだRFIDであることを特徴とする。
また、本発明の一側面によるRFIDインレットの製造方法は、基板と、前記基板の一方側表面に形成されたアンテナパターンと、前記基板の前記一方側表面に形成され、前記アンテナパターンに接続されたTFT回路とを備えるRFIDインレットの製造方法であって、前記基板の前記一方側表面のうち、前記基板の法線方向から見て互いに重複しない位置に、前記アンテナパターンの一部となる導電材料と、前記TFT回路とを形成する工程と、前記導電材料の上面が前記TFT回路の上面より高くなるよう、前記導電材料の膜厚を増加させることにより、前記アンテナパターンを形成する工程とを備えることを特徴とする。
また、本発明の他の一側面によるRFIDインレットの製造方法は、基板と、前記基板の一方側表面に形成されたアンテナパターンと、前記基板の前記一方側表面に形成され、前記アンテナパターンに接続されたTFT回路とを備えるRFIDインレットの製造方法であって、前記基板の前記一方側表面に前記TFT回路を形成する工程と、前記基板の前記一方側表面のうち、前記基板の法線方向から見て前記TFT回路と重複しない位置に、前記アンテナパターンの上面が前記TFT回路の上面より高くなるよう、前記アンテナパターンを形成する工程とを備えることを特徴とする。
また、本発明のさらに他の一側面によるRFIDインレットの製造方法は、基板と、前記基板の一方側表面に形成されたアンテナパターンと、前記基板の前記一方側表面に形成され、前記アンテナパターンに接続されたTFT回路とを備えるRFIDインレットの製造方法であって、前記基板の前記一方側表面に前記TFT回路を形成する工程と、前記基板の前記一方側表面に、少なくとも前記TFT回路を覆うマスクパターンを形成する工程と、前記開口部の内部を含む前記基板の全面に、前記アンテナパターンの構成材料を堆積する工程と、堆積させた前記構成材料の膜厚を減少させ、前記マスクパターンの上面を露出させる工程とをさらに備えることを特徴とする。
本発明によれば、アンテナパターンが、高圧からTFT回路を守る保護部材としての機能を果たす。したがって、本発明によるRFIDインレットは、高圧に対して高い耐性を有する。また、アンテナパターン自体が保護部材となるので、別途の保護部材を設ける必要がない。したがって、本発明によるRFIDインレットは、比較的低コストで製造可能となっている。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態によるRFIDインレット10の構成を示す図である。図1(a)はRFIDインレット10の上面透視図であり、図1(b)は図1(a)のA−A’線断面図である。なお、図1(b)は、断面に現れる構成を分かりやすく示すために、図面縦方向に大幅に引き伸ばして描いている。また、図1(a)は断面図ではないが、分かりやすくするためにアンテナパターン3及びTFT回路4にハッチングを施している。後掲する各図でも同様である。
図1(a)(b)に示すように、RFIDインレット10は、基板2と、基板2の一方側表面2aに形成されたアンテナパターン3及びTFT回路4と、これらを封止する保護層5とを備えている。
RFIDインレット10は紙の中に挿入されて用いられるものであり、抄紙工程で2枚の湿紙の間に挟む形で挿入される。紙とRFIDインレット10との接着には、必要に応じて糊が利用される。RFIDインレット10が挿入された紙は、乾燥処理やカレンダ処理が施された後、RFIDとして出荷されることになる。
抄紙工程で行われる処理のひとつにカレンダ処理がある。図2(a)はカレンダ処理の説明図である。同図に示すように、カレンダ処理では、RFIDインレット10を含む紙PをローラーRに挟む。ローラーRは、図示したB方向に回転することで紙Pを図面N1方向に送るとともに、紙Pに図面C方向(紙送り方向N1と垂直な方向)の圧力を加える。本実施の形態では、この圧力に耐え得る構造を有するRFIDインレット10を提供する。
基板2は、各種のプラスチックフィルム等によって構成される平板状の材料である。具体的には、基板2の材料として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、PET−G(テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体)、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリスチレン系、ABS樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、アクリル系、耐水紙などの単独フィルム若しくはこれらの複合フィルムを用いることができる。基板2の厚みは規格によって決められており、具体的には1μm〜100μm程度である。また、本実施の形態では、縦幅45mmと横幅75mmの基板2を用いているが、基板2の大きさはこれに限られるものではない。
アンテナパターン3及びTFT回路4は所謂パッシブタグを構成する。すなわち、アンテナパターン3は図1(a)に示すような平面スパイラル構造を有し、その端部3a,3bはそれぞれ、TFT回路4の両端に設けられたアンテナ接続端子4a,4bに接続している。TFT回路4は、主として基板2表面に形成されたトランジスタ、ダイオードなどの能動素子と、キャパシタ、抵抗などの受動素子と、これら素子を相互接続する配線とから構成され、これによって整流回路、メモリ、通信回路などが構成される。以下、アンテナパターン3とTFT回路4によって構成されるパッシブタグの動作について、簡単に説明する。
まず、リーダ(不図示)が、読み出し命令を含むデータによって変調した電波(変調波)を送出し、その後、無変調の電波(無変調波)を所定時間にわたって送出する。TFT回路4の整流回路は、アンテナパターン3を介してこれらの電波を受信し、整流して直流化する。通信回路は、この直流を電源として動作するものであり、まず変調波を解釈し、解釈結果に応じてメモリ内からデータを読み出す。そして、読み出したデータによって無変調波の反射波を変調する。リーダはこの反射波を受信することで、TFT回路4内のメモリに記憶されているデータを取得する。
保護層5は、樹脂素材によって構成される。具体的な材料としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。保護層5を形成する際には、基板2の上側と下側からフィルム状の材料を貼り付け、熱プレス成形によって、基板2、アンテナパターン3、及びTFT回路4に密着させる。これにより、保護層5による封止が完成する。保護層5の厚みは片側(基板2の一方側)のみで1μm〜100μm程度であり、したがって、RFIDインレット10全体としての厚みは3μm〜300μm程度となっている。
次に、アンテナパターン3及びTFT回路4について、詳しく説明する。
TFT回路4は、基板2の一方側表面2aのうち、基板2の法線方向(図1(b)に示したC方向)から見て、アンテナパターン3と重複しない領域に設けられる。より具体的には、TFT回路4は、平面スパイラル構造を有するアンテナパターン3の最内周と最外周の間を、アンテナパターン3に沿って形成される。
図1(b)に示すように、TFT回路4の上面の高さは、アンテナパターン3の上面の高さより低くなっている。これにより、RFIDインレット10にC方向の圧力が加わった際、圧力はアンテナパターン3の上面に集中する。つまり、アンテナパターン3は、圧力からTFT回路4を守る保護部材としての機能を果たすことになる。
TFT回路4の上面の高さとアンテナパターン3の上面の高さの関係について、より詳しく説明する。図2(b)は、これらの高さの理想的な関係を説明するための模式図である。同図では図2(a)のRFIDインレット10の上半分と上側のローラーRのみを示している。同図に示すように、アンテナパターン3の紙送り方向N1の最小離間距離をd、ローラーRの半径をrとすると、アンテナパターン3の上面とTFT回路4の上面の高さの差hは、理想的には、次の式(1)で示される最小値hdより大きくなるように設計される。
図1(a)の例では、平面スパイラル構造を有するアンテナパターン3のパターン間距離を上記dとして用い、式(1)により、アンテナパターン3の上面とTFT回路4の上面の高さの差hを定めればよい。
アンテナパターン3の材料についても、C方向の圧力がその上面に集中するよう、適切に選択することが好ましい。具体的には、アンテナパターン3が柔らかすぎると、RFIDインレット10がローラーR内に入ったときにアンテナパターン3がつぶれ、TFT回路4にも圧力が加わってしまう。そこで、アンテナパターン3の材料には、容易につぶれないような比較的硬い材料(ヤング率で50GPa以上の材料)を用いることが好適である。より具体的には、アルミニウムや銅を用いることが好適である。
なお、保護層5の材料については、保護層5が圧力により圧縮変形しても、その変形がTFT回路4に伝わらないよう、比較的軟らかい物質を用いることが好ましい。具体的には、上述したような樹脂素材(ヤング率0.1〜10GPa程度)を用いることが好ましい。また、保護層5のヤング率は、アンテナパターン3のヤング率よりも小さいことが好ましい。
以上説明したように、本実施の形態によるRFIDインレット10によれば、アンテナパターン3が、高圧からTFT回路4を守る保護部材としての機能を果たす。したがって、RFIDインレット10は、高圧に対して高い耐性を有する。また、アンテナパターン3自体が保護部材となるので、別途の保護部材を設ける必要がない。したがって、RFIDインレット10は、比較的低コストで製造可能となっている。
以下、アンテナパターン3の形状によるRFIDインレット10のバリエーションについて、例を挙げながら説明する。
図3(a)(b)は、アンテナパターン3が2本の線状アンテナパターン3x,3yからなり、ダイポールアンテナを構成する場合の例を示している。図3(a)はこの例によるRFIDインレット10の上面透視図であり、図3(b)は図3(a)のD−D’線断面図である。この例では、線状アンテナパターン3x,3yはいずれも直線形状であり、図3(a)に示すように、それぞれの長手方向の端面3xa,3yaが互いに向き合うように並べられている。
TFT回路4は、図3(a)に示すように、アンテナパターン3x,3yの一方側の側面に沿って細長く形成される。TFT回路4のアンテナ接続端子4a,4bは、TFT回路4の中ほどに設けられ、それぞれ端面3xa,3ya付近において線状アンテナパターン3x,3yに接続している。
図3(b)に示すように、TFT回路4の上面の高さは、アンテナパターン3の上面の高さより低くなっている。これにより、RFIDインレット10にC方向の圧力が加わった際、圧力はアンテナパターン3の上面に集中する。つまり、この例においても、アンテナパターン3は、圧力からTFT回路4を守る保護部材としての機能を果たしている。
図4(a)(b)も、アンテナパターン3が2本の線状アンテナパターン3x,3yからなり、ダイポールアンテナを構成する場合の例を示している。図4(a)はこの例によるRFIDインレット10の上面透視図であり、図4(b)は図4(a)のE−E’線断面図である。
図4(a)(b)に示すRFIDインレット10は、図3(a)(b)に示したRFIDインレット10において、TFT回路4のアンテナ接続端子4a,4bの位置を変更した例である。すなわち、本例では、図4(a)に示すように、アンテナ接続端子4a,4bはTFT回路4の両端に設けられる。そして、アンテナ接続端子4aは、端面3xaと反対側の端面3xb付近において、線状アンテナパターン3xに接続している。同様に、アンテナ接続端子4bは、端面3yaと反対側の端面3yb付近において、線状アンテナパターン3yに接続している。
図4(b)に示すように、この例においても、TFT回路4の上面の高さは、アンテナパターン3の上面の高さより低くなっている。これにより、RFIDインレット10にC方向の圧力が加わった際、圧力はアンテナパターン3の上面に集中する。つまり、この例においても、アンテナパターン3は、圧力からTFT回路4を守る保護部材としての機能を果たしている。
図5(a)〜(c)も、アンテナパターン3が2本の線状アンテナパターン3x,3yからなり、ダイポールアンテナを構成する場合の例を示している。図5(a)はこの例によるRFIDインレット10の上面透視図であり、図5(b)は図5(a)のF−F’線断面図であり、図5(c)は図5(a)のG−G’線断面図である。
図5(a)〜(c)に示すRFIDインレット10は、図3(a)(b)に示したRFIDインレット10において、次の点を変更したものである。すなわち、本例によるTFT回路4は、互いに向かい合う端面3xaと端面3yaの間に形成される第1の回路4xと、線状アンテナパターン3x,3yの側面に沿って形成される第2の回路4yとを有する。また、第2の回路4yは、アンテナパターン3x,3yの両側の側面に沿って細長く形成される。なお、TFT回路4のアンテナ接続端子4a,4bは、第1の回路4xの側面に設けられる。
図5(b)(c)に示すように、この例においても、TFT回路4の上面の高さは、アンテナパターン3の上面の高さより低くなっている。これにより、RFIDインレット10にC方向の圧力が加わった際、圧力はアンテナパターン3の上面に集中する。つまり、この例においても、アンテナパターン3は、圧力からTFT回路4を守る保護部材としての機能を果たしている。
また、図5(c)に示すように、第1の回路4xは、RFIDインレット10の長手方向の両側において、アンテナパターン3と隣接している。これにより、第1の回路4xは特に圧力から保護されており、TFT回路4の構成要素のうち圧力に対する耐性が特に弱い部分(素子部など。)を第1の回路4x内に集中配置するようにすれば、より効果的に圧力からTFT回路4を守ることが可能になる。
図6(a)〜(c)も、アンテナパターン3が2本の線状アンテナパターン3x,3yからなり、ダイポールアンテナを構成する場合の例を示している。図6(a)はこの例によるRFIDインレット10の上面透視図であり、図6(b)は図6(a)のH−H’線断面図であり、図6(c)は図6(a)のI−I’線断面図である。
図6(a)〜(c)に示すRFIDインレット10は、図5(a)〜(c)に示したRFIDインレット10において、第1及び第2の線状アンテナパターン3x,3yがそれぞれ、第2の回路4yの一部を挟むための枝部3xc,3ycを有するようにしたものである。
この例では、図6(b)に示すように、第2の回路4yの一部分は、RFIDインレット10の短手方向の両側において、アンテナパターン3と隣接している。したがって、第1の回路4xに加え、第2の回路4yのこの一部分も、圧力から特に保護される。
図7(a)〜(c)も、アンテナパターン3が2本の線状アンテナパターン3x,3yからなり、ダイポールアンテナを構成する場合の例を示している。図7(a)はこの例によるRFIDインレット10の上面透視図であり、図7(b)は図7(a)のJ−J’線断面図であり、図7(c)は図7(a)のK−K’線断面図である。
この例では、線状アンテナパターン3x,3yはそれぞれ、直線形状の部分3xi,3yiと、その一端からJ字状に突き出た部分3xj,3yjとを有している。なお、線状アンテナパターン3x,3yの形状は互いに同一である。J字状部分3xj,3yjの線幅は、直線形状部分3xi,3yiの線幅に比べて細くなっており、これにより、直線形状部分3xi,3yiとJ字状部分3xj,3yjの先端部3xk,3ykとの間には、それぞれ空間領域3xn,3ynが形成されている。J字状部分3xjの先端部3xkは空間領域3ynの中に入り込んでおり、また、J字状部分3yjの先端部3ykは空間領域3xnの中に入り込んでいる。
TFT回路4は、J字状部分3xj,3yjの各先端面3xa,3yaの間に形成されている。つまり、TFT回路4は、互いに向かい合う端面3xaと端面3yaの間に形成される第1の回路4xのみから構成されている。線状アンテナパターン3x,3yは、TFT回路4の中心に対し、互いに点対称となっている。
以上の構成を有する線状アンテナパターン3x,3yは、図7(a)〜(c)にも示すように、TFT回路4(第1の回路4x)の四方を取り囲んでいる。したがって、本例によるRFIDインレット10では、高圧からTFT回路4を守る保護部材としてのアンテナパターン3の機能がさらに高められており、RFIDインレット10は、高圧に対してより高い耐性を有する。
なお、J字状部分3xj,3yjの先端部3xk,3ykの線幅は、図7(a)に示すように、J字状部分3xj,3yjの他の部分の線幅に比べて広くすることが好ましい。こうすることで、より確実に、高圧からTFT回路4を守ることが可能になる。
また、J字状部分3xj,3yjの屈折部分の曲がり角度は、RFIDインレット10の動作周波数に応じて設計することが好ましい。すなわち、J字状部分3xj,3yjにおける信号の損失量が信号の周波数と曲がり角度の関係で決まることから、最も損失量が小さくなるよう、曲がり角度を設計することが好ましい。
次に、RFIDインレット10の製造方法を説明する。以下の説明では、図1に示したRFIDインレット10の一部分Lの製造過程を示しながら、RFIDインレット10の製造方法の説明を行う。
図8(a)〜(c)は、RFIDインレット10の製造方法の第1の例を示す図である。この例では、まず初めに、基板2の一方側表面2aのうち、基板2の法線方向から見て互いに重複しない位置に、アンテナパターン3の一部となる導電材料30と、TFT回路4とを同時に形成する(図8(a))。この過程で形成される導電材料30の膜厚は、図8(a)に示すように、TFT回路4の膜厚と同程度になる。ただし、導電材料30とTFT回路4の形成は必ず同時でなくてはならないわけではなく、互いに異なる工程により形成することとしてもよい。
次に、スパッタやスクリーン印刷などの方法により、導電材料30の膜厚を増加させる(図8(a)(b))。これにより、アンテナパターン3を形成する。
本製造方法によれば、TFT回路4よりも厚くアンテナパターン3を形成することが可能になる。したがって、高圧からTFT回路4を守る保護部材としての機能を果たすアンテナパターン3を有するRFIDインレット10を製造することが可能になる。
図9(a)〜(c)は、RFIDインレット10の製造方法の第2の例を示す図である。この例では、まず初めに、基板2の一方側表面2aにTFT回路4を形成する(図9(a))。
次に、図9(b)に示すように、基板2の一方側表面2aのうち、アンテナパターン3の形成領域(基板2の法線方向から見てTFT回路4と重複しない位置)に開口部40aを有するスクリーン40を通して、アンテナパターン3となる導電性インク31を塗布する。この工程により、図9(c)に示すように、アンテナパターン3が形成される。
本製造方法によっても、TFT回路4より厚いアンテナパターン3を形成することが可能になる。したがって、高圧からTFT回路4を守る保護部材としての機能を果たすアンテナパターン3を有するRFIDインレット10を製造することが可能になる。
図10(a)〜(c)は、RFIDインレット10の製造方法の第3の例を示す図である。この例でも、まず初めに、基板2の一方側表面2aにTFT回路4を形成する(図10(a))。
次に、図10(b)に示すように、基板2の一方側表面2aのうち、アンテナパターン3の形成領域(基板2の法線方向から見てTFT回路4と重複しない位置)に、熱転写法を用いて、導電性インク32を転写する。この工程により、アンテナパターン3が形成される。
本製造方法によっても、TFT回路4より厚いアンテナパターン3を形成することが可能になる。したがって、高圧からTFT回路4を守る保護部材としての機能を果たすアンテナパターン3を有するRFIDインレット10を製造することが可能になる。
図11(a)〜(d)は、RFIDインレット10の製造方法の第4の例を示す図である。この例でも、まず初めに、基板2の一方側表面2aにTFT回路4を形成する(図11(a))。
次に、図11(b)に示すように、基板2の一方側表面2aのうち、アンテナパターン3の形成領域に開口部50aを有するマスクパターン50を形成する。マスクパターン50の膜厚は、アンテナパターン3の膜厚より少し大きい程度とする。また、マスクパターン50は後に保護層5(図1)の一部を構成するので、その具体的材料としては、上述した保護層5の材料(フェノール樹脂やエポキシ樹脂など。)を用いる。
次に、基板の全面に、アンテナパターン3を構成する導電材料33を塗布などによって堆積し(図11(c))、その膜厚を減少させることにより、マスクパターン50の上面を露出させる(図11(d))。この工程により、図11(d)に示すように、アンテナパターン3が形成される。この後、さらにマスクパターン50と同じ材料を堆積させることにより、保護層5が形成される。
本製造方法によっても、TFT回路4より厚いアンテナパターン3を形成することが可能になる。したがって、高圧からTFT回路4を守る保護部材としての機能を果たすアンテナパターン3を有するRFIDインレット10を製造することが可能になる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明が、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。
2 基板
2a 基板表面
3 アンテナパターン
3a,3b アンテナパターンの端部
3x,3y 線状アンテナパターン
3xa,3xb,3ya,3yb 線状アンテナパターンの端面
3xc,3yc 線状アンテナパターンの枝部
3xi,3yi 線状アンテナパターンの直線形状部分
3xj,3yj 線状アンテナパターンのJ字状部分
3xk,3yk J字状部分の先端部
3xn,3yn 直線形状部分とJ字状部分の先端部との間に形成される空間領域
4 TFT回路
4a,4b TFT回路のアンテナ接続端子
4x 第1の回路
4y 第2の回路
5 保護層
10 RFIDインレット
30,33 導電材料
31,32 導電性インク
40 スクリーン
40a スクリーンの開口部
50 マスクパターン
50a マスクパターンの開口部
P 紙
R ローラー
2a 基板表面
3 アンテナパターン
3a,3b アンテナパターンの端部
3x,3y 線状アンテナパターン
3xa,3xb,3ya,3yb 線状アンテナパターンの端面
3xc,3yc 線状アンテナパターンの枝部
3xi,3yi 線状アンテナパターンの直線形状部分
3xj,3yj 線状アンテナパターンのJ字状部分
3xk,3yk J字状部分の先端部
3xn,3yn 直線形状部分とJ字状部分の先端部との間に形成される空間領域
4 TFT回路
4a,4b TFT回路のアンテナ接続端子
4x 第1の回路
4y 第2の回路
5 保護層
10 RFIDインレット
30,33 導電材料
31,32 導電性インク
40 スクリーン
40a スクリーンの開口部
50 マスクパターン
50a マスクパターンの開口部
P 紙
R ローラー
Claims (7)
- 基板と、
前記基板の一方側表面に形成されたアンテナパターンと、
前記基板の前記一方側表面に形成され、前記アンテナパターンに接続されたTFT回路とを備え、
前記TFT回路は、前記基板の法線方向から見て、前記アンテナパターンと重複しない領域に設けられ、
前記TFT回路の上面の高さは、前記アンテナパターンの上面の高さより低いことを特徴とするRFIDインレット。 - 前記アンテナパターンは平面スパイラル状の構造を有し、
前記TFT回路は、前記アンテナパターンに沿って形成されることを特徴とする請求項1に記載のRFIDインレット。 - 前記TFT回路は、前記アンテナパターンの最内周と最外周の間に形成されることを特徴とする請求項2に記載のRFIDインレット。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のRFIDインレットを挟み込んだRFID。
- 基板と、
前記基板の一方側表面に形成されたアンテナパターンと、
前記基板の前記一方側表面に形成され、前記アンテナパターンに接続されたTFT回路とを備えるRFIDインレットの製造方法であって、
前記基板の前記一方側表面のうち、前記基板の法線方向から見て互いに重複しない位置に、前記アンテナパターンの一部となる導電材料と、前記TFT回路とを形成する工程と、
前記導電材料の上面が前記TFT回路の上面より高くなるよう、前記導電材料の膜厚を増加させることにより、前記アンテナパターンを形成する工程とを備えることを特徴とするRFIDインレットの製造方法。 - 基板と、
前記基板の一方側表面に形成されたアンテナパターンと、
前記基板の前記一方側表面に形成され、前記アンテナパターンに接続されたTFT回路とを備えるRFIDインレットの製造方法であって、
前記基板の前記一方側表面に前記TFT回路を形成する工程と、
前記基板の前記一方側表面のうち、前記基板の法線方向から見て前記TFT回路と重複しない位置に、前記アンテナパターンの上面が前記TFT回路の上面より高くなるよう、前記アンテナパターンを形成する工程とを備えることを特徴とするRFIDインレットの製造方法。 - 基板と、
前記基板の一方側表面に形成されたアンテナパターンと、
前記基板の前記一方側表面に形成され、前記アンテナパターンに接続されたTFT回路とを備えるRFIDインレットの製造方法であって、
前記基板の前記一方側表面に前記TFT回路を形成する工程と、
前記基板の前記一方側表面に、少なくとも前記TFT回路を覆うマスクパターンを形成する工程と、
前記開口部の内部を含む前記基板の全面に、前記アンテナパターンの構成材料を堆積する工程と、
堆積させた前記構成材料の膜厚を減少させ、前記マスクパターンの上面を露出させる工程とをさらに備えることを特徴とするRFIDインレットの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009221553A JP2011070447A (ja) | 2009-09-25 | 2009-09-25 | Rfidインレット、rfid、及びrfidインレットの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009221553A JP2011070447A (ja) | 2009-09-25 | 2009-09-25 | Rfidインレット、rfid、及びrfidインレットの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2011070447A true JP2011070447A (ja) | 2011-04-07 |
Family
ID=44015672
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009221553A Withdrawn JP2011070447A (ja) | 2009-09-25 | 2009-09-25 | Rfidインレット、rfid、及びrfidインレットの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011070447A (ja) |
-
2009
- 2009-09-25 JP JP2009221553A patent/JP2011070447A/ja not_active Withdrawn
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