JP2011069866A - 積層体および表示媒体 - Google Patents

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武夫 柿沼
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宏 有沢
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泰典 岡野
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尚 森川
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Abstract

【課題】液晶分子を含む粒子が分散された層の均一性を向上させること。
【解決手段】被覆層冷却工程において、被覆層を有する基板が温度T1以下に冷却される。この冷却により、粒子分散層および被覆層はともにゲル化する。ゲル乾燥工程において、粒子分散層および被覆層は、温度T1以下の温度で所定の時間乾燥される。この乾燥により粒子分散層は収縮する。低い温度で粒子分散層および被覆層をある程度乾燥させた後、昇温工程において、基板は、T2<Ta<T3を満たす温度Taに昇温される。この昇温により、粒子分散層はゾル化するが、被覆層はゲル状態を維持している。乾燥硬化工程において、基板は、温度Taにおいて所定の時間乾燥される。この乾燥により、粒子分散層は最終的な厚さまで収縮する。
【選択図】図4

Description

本発明は、積層体および表示媒体に関する。
電子ペーパといわれる、紙に似た特性を有する表示媒体が知られている。特許文献1には、コレステリック液晶分子を含むマイクロカプセルが分散された調光層を有する光変調素子が開示されている。
特開2007−057574
本発明は、液晶分子を含む粒子が分散された層の均一性を向上させる技術を提供する。
本発明の請求項1に係る積層体は、温度が上昇するとゲル状態からゾル状態へと変化する第1の材料に分散された粒子を含む粒子分散層と、前記第1の材料と異なる第2の材料を含み、前記粒子分散層に積層された被覆層とを有し、前記粒子は、前記粒子分散層に印加される電圧に応じて第1の配向状態および前記第1の配向状態と反射率が異なる第2の配向状態を含む複数の配向状態のいずれかの配向状態に遷移する液晶分子を含み、前記粒子分散層と前記被覆層との積層方向に対し垂直な面における前記液晶分子による光の反射率の標準偏差を前記反射率の平均で除した値である変動係数が10%以下であることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る積層体は、請求項1の積層体において、前記変動係数が5%以下であることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る積層体は、温度が上昇するとゲル状態からゾル状態へと変化する第1の材料に分散された粒子を含む粒子分散層と、前記第1の材料と異なる第2の材料を含み、前記粒子分散層に積層された被覆層とを有し、前記粒子は、前記粒子分散層に印加される電圧に応じて第1の配向状態および前記第1の配向状態と反射率が異なる第2の配向状態を含む複数の配向状態のいずれかの配向状態に遷移する液晶分子を含み、前記粒子分散層および前記被覆層の厚さの標準偏差を前記厚さの平均で除した値である変動係数が10%以下であることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る積層体は、請求項3の積層体において、前記変動係数が5%以下であることを特徴とする。
本発明の請求項5に係る積層体は、請求項1−4の積層体において、前記第2の材料は、温度が上昇するとゲル状態からゾル状態へと変化し、前記第2の材料がゾル状態からゲル状態に変化する温度と、ゲル状態からゾル状態に変化する温度とが異なっており、前記粒子を含む前記第1の材料がゲル状態を維持する最高温度が、前記第2の材料が昇温されたときにゲル状態を維持する最高温度未満であることを特徴とする。
本発明の請求項6に係る積層体は、印加される電圧に応じて第1の配向状態および前記第1の配向状態と反射率が異なる第2の配向状態を含む複数の配向状態のいずれかの配向状態に遷移する液晶分子を含む粒子が、温度の上昇によってゲル状態からゾル状態へと変化する第1の材料に分散された粒子分散液を、ゾル状態で基板に粒子分散層として塗布する工程と、前記粒子分散層を含む前記基板を、前記第1の材料がゾル状態からゲル状態へ変化する温度である第1のゲル化温度以下に冷却し、前記粒子分散層をゲル状態に変化させる工程と、温度が上昇するとゲル状態からゾル状態へと変化する第2の材料を、ゾル状態で前記粒子分散層に被覆層として塗布する工程と、前記被覆層を含む前記基板を、前記第2の材料がゾル状態からゲル状態へ変化する温度である第2のゲル化温度以下に冷却し、前記被覆層をゲル状態に変化させる工程と、前記被覆層を含む前記基板を、前記第1のゲル化温度および前記第2のゲル化温度の双方より低い温度で乾燥する工程と、前記低い温度での乾燥の後で、前記基板を、前記第1のゲル化温度以上、前記第2のゲル化温度以下の高い温度に昇温をする工程と、前記昇温の後で、前記高い温度で前記基板を乾燥する工程とを有する製造方法により製造される。
また、本発明の請求項7に係る表示媒体は、請求項1−6のいずれかの項に記載の積層体を含む。
請求項1、3に係る積層体によれば、明るさの変動係数が10%を超えるものより液晶分子を含む粒子が分散された層の均一性が向上する。
請求項2、4に係る積層体によれば、明るさの変動係数が5%を超えるものより液晶分子を含む粒子が分散された層の均一性が向上する。
請求項5に係る積層体によれば、第1の材料がゲル状態を維持する最高温度が第2の材料が昇温されたときにゲル状態を維持する最高温度未満でない場合と比較して、容易に製造することができる。
請求項6に係る積層体によれば、低い温度で乾燥する工程を含まない製造方法で製造された場合と比較して、均一性が向上する。
請求項7に係る表示媒体によれば、本発明の構成を有さない場合と比較して、均一性が向上する。
第1実施形態に係る表示媒体100の構成を示す図である。 第1の材料11および第2の材料21のゾル/ゲル変化特性を示す図である。 関連技術に係る積層体の製造方法を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る積層体1の製造方法を示す図である。 膜厚の乾燥時間依存性を示す図である。 明るさのばらつきの測定結果を示す。 明るさのばらつきの測定結果を示す。 膜厚のばらつきの測定結果を示す。 第2実施形態に係る積層体1の製造方法を示す図である。
1.第1実施形態
1−1.概要
図1は、本発明の第1実施形態に係る光変調素子100の構成を示す図である。光変調素子100は、積層体1と積層体2とを有する。積層体1は、粒子分散層10と被覆層20とを有する。粒子分散層10は、第1の材料11と粒子12とを含む。粒子12は、第1の材料11中に分散されている。粒子12は、液晶分子を含むカプセルである。この液晶としては、例えば、コレステリック液晶が用いられる。第1の材料11は、温度の上昇によりゲル状態からゾル状態に変化する。被覆層20は、粒子12と異なる第2の材料21を含む。第2の材料21は、温度の上昇によりゲル状態からゾル状態に変化する。ここでは、第1の材料11としてゼラチンが、第2の材料21として寒天が用いられる例を説明する。積層体1は、基板30上に製造される。積層体2は、遮光層40と接着層50とを有する。
図2は、第1の材料11および第2の材料21のゾル/ゲル変化特性を示す図である。図2において、横軸は温度を、縦軸は粘度を示している。粘度は、ゾル/ゲル変化を示す指標の一例である。この例では、材料の粘度μがμ>μ1である状態をゲル状態、μ<μ2である状態をゾル状態という。また、材料をゲル状態でない状態からゲル状態に変化することを「ゲル化」、ゾル状態でない状態からゾル状態に変化することを「ゾル化」という。
第1の材料11は、温度TがT<T1であるときはゲル状態となり、T>T2であるときはゾル状態となる。第1の材料11の温度−粘度曲線は、温度ヒステリシスを有しない。すなわち、温度が上昇するとき(ゲル状態からゾル状態に変化するとき)と温度が下降するとき(ゾル状態からゲル状態に変化するとき)とで、温度−粘度曲線はほぼ同一の軌跡をたどる。換言すると、ゾル/ゲル変化のしきい値温度T1およびT2は、変化の初期状態によらずほぼ一定である。
これに対し第2の材料21の温度−粘度曲線は、温度ヒステリシスを有する。すなわち、ゲル状態からゾル状態に変化するときとゾル状態からゲル状態に変化するときとで、温度−粘度曲線は異なる軌跡をたどる。図2の例では、ゲル状態から温度を上昇させた場合、第2の材料21は、温度TがT<T3であるときはゲル状態を維持し、T>T4であるときはゾル状態となる。一方、ゾル状態から温度を下降させた場合において、第2の材料21は、温度TがT>T5であるときはゾル状態を維持し、T<T6であるときはゲル状態となる。ここで、T3≠T6かつT4≠T5である。また、この例ではT5>T2かつT6>T1である。
図3は、関連技術に係る積層体の製造方法を示す図である。ステップS11(粒子分散層塗布工程)において、粒子分散液が、粒子分散層として基板上に塗布される。粒子分散液は、粒子12を含む第1の材料11を、ゾル化したものである。ステップS12(粒子分散層冷却工程)において、粒子分散層が温度T1以下に冷却され、ゲル化される。ステップS13(被覆層塗布工程)において、被覆層塗布液が、被覆層として粒子分散層上に塗布される。被覆層塗布液は、第2の材料21をゾル化したものである。ステップS14(被覆層冷却工程)において、被覆層を有する基板が温度T1以下に冷却される。この冷却により、被覆層および粒子分散層はともにゲル化する。ステップS15(昇温工程)において、基板は、T2<Ta<T3を満たす温度Taに昇温される。この昇温により、粒子分散層はゾル化するが、被覆層はゲル状態を維持している。ステップS16(乾燥硬化工程)において、基板は、温度Taにおいて所定の時間乾燥される。この乾燥により、粒子分散層中の水分は減少し、体積が徐々に減少する。例えば、粒子分散液の水分含量が90%以上であれば、乾燥後、粒子分散層の体積(この例では基板上に塗布されているので、粒子分散層の厚さ)は、乾燥前の10%以下まで収縮する。このとき、粒子分散層はゾル状態なので、粒子12が第1の材料11中を、ゲル状態と比較して容易に移動する。移動により粒子12の再配置が行われ、最終的に粒子12は稠密充填に近い状態で配置される。乾燥の間、粒子分散層はゲル状態の被覆層により被覆されているので、例えていえば蓋が乗せられているような状態にある。被覆層を用いたことにより、粒子分散層は一様に収縮する。また、乾燥により被覆層も収縮する。乾燥後の粒子分散層と被覆層とを合わせて積層体という。
粒子分散層が一様に収縮するとはいうものの、図3に示される技術では、積層体の膜厚の均一性には改善の余地があった。ここでは説明のため、基板に垂直な方向をz方向とする、xyz直交座標系を考える。特に粒子分散層の(x、y方向における)端部と中央部とで膜厚に差が生じやすかった。端部と中央部との、乾燥時の環境の違いによる乾燥速度の差が、この原因の一つであると考えられる。すなわち、端部は乾燥部よりも乾燥速度が速いため対流が起こり、粒子12がx、y方向に移動したため、膜厚の不均一性が増加した可能性がある。
図4は、本発明の第1実施形態に係る積層体1の製造方法を示す図である。ステップS21(粒子分散層塗布工程)において、粒子分散液が、粒子分散層10として基板30上に塗布される。ステップS22(粒子分散層冷却工程)において、粒子分散層10が温度T1以下に冷却され、ゲル化される。ステップS23(被覆層塗布工程)において、被覆層塗布液が、被覆層20として粒子分散層10上に塗布される。ステップS24(被覆層冷却工程)において、被覆層20を有する基板30が温度T1以下に冷却される。この冷却により、粒子分散層10および被覆層20はともにゲル化する。ステップS25(ゲル乾燥工程)において、粒子分散層10および被覆層20は、温度T1以下の温度(低い温度)で所定の時間乾燥される。この乾燥により粒子分散層10は収縮する。このとき、粒子分散層10はゲル状態であるので、ゾル状態と比較すると粒子12はx、y方向に移動しにくい状態にある。低い温度で粒子分散層10および被覆層20をある程度乾燥させた後、ステップS26(昇温工程)において、基板30は、T2<Ta<T3を満たす温度Taに昇温される。この昇温により、粒子分散層はゾル化するが、被覆層はゲル状態を維持している。ステップS27(乾燥硬化工程)において、基板30は、温度Taにおいて所定の時間乾燥される。この乾燥により、粒子分散層10は最終的な厚さまで収縮する。以下、より詳細な実施例を説明する。
1−2.実施例
1−2−1.粒子分散液の調整
ネマチック液晶(E7、メルク社製)77.5質量%と、カイラル剤1(CB15、メルク社製)18.8質量%と、カイラル剤2(R1011、メルク社製)3.7質量%とを混合したものを、粒子12のコレステリック液晶として用いた。このコレステリック液晶は、緑色の光を選択反射する。このコレステリック液晶2gを0.25質量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液100ml中に乳化してエマルジョンを得た。乳化には、均孔径が4.2μmのセラミック多孔質膜をセットした膜乳化装置(マイクロキット、SPGテクノ社製)を用いた。乳化は、窒素圧力約11.8kPa(0.12kgf/cm2)の条件下で行った。得られたエマルジョンを静置して、コレステリック液晶ドロップを沈降させた。この上澄みを除去して、濃縮されたエマルジョンを得た。この濃縮エマルジョン1質量部に対して、酸性法骨ゼラチン(ゼリー強度314g、ゾル粘度(60℃)3.2mPa・S、ニッピ社製。)の7.7質量%水溶液(第1の材料11の一例)を4質量部添加することにより、不揮発分体積率が約0.15、不揮発分内のコレステリック液晶体積率が約0.70の粒子分散液を調製した。
1−2−2.粒子分散液の塗布(粒子分散層塗布工程、粒子分散層冷却工程)
基板30として、厚さ125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)基板(東レ社製ハイビーム)を用いた。この基板の片面には、ITO(Indium Tin Oxide)透明電極(表面抵抗値300Ω/□)が形成されている。粒子分散液を50℃(T>T2を満たす温度の一例)に加熱して、含まれるゼラチンをゾル状態にした。粒子分散液を、ゾル状態のまま、この基板のITO透明電極側の面に塗布した。塗布には、塗布後の膜厚(乾燥する前の膜厚)が90μmになるようにギャップを調整したマイクロメータ付きアプリケータ(Kペイントアプリケータ、松尾産業社製)を用いた。塗布後の基板を室温に放置し25℃(T<T1を満たす温度の一例)に徐冷して、粒子分散液に含まれるゼラチンをゲル化させた。
1−2−3.被覆層塗布液の調製
界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、関東化学社製)を0.05質量%添加した寒天(和光純薬工業社製)の1質量%水溶液(第2の材料21の一例)を、被覆層塗布液として調製した。
1−2−4.被覆層塗布液の塗布(被覆層塗布工程、被覆層冷却工程)
被覆層塗布液を60℃(T>T4を満たす温度の一例)に加熱して、含まれる寒天をゾル化した。ゾル化した被覆層塗布液を、既にゲル化した状態の粒子分散層10の上に塗布した。塗布には、塗布後のウェット膜厚が100μmになるようにギャップを調整したマイクロメータ付きアプリケータ(前述のKペイントアプリケータ)を用いた。被覆層塗布液を塗布した基板を室温に放置し、25℃(T<T6を満たす温度の一例)まで徐冷した。こうして被覆層塗布液中に含まれる寒天をゲル化させた。
1−2−5.粒子分散層および被覆層の低温ゲル乾燥(ゲル乾燥工程)
粒子分散液および被覆層塗布液を塗布した後の基板を、スリット型エアブロー装置(スプレーイングシステムスジャパン社製)を用いて、時間τの間、室温(T<T1かつT<T6を満たす温度の一例)で乾燥させた。以下この乾燥を「低温ゲル乾燥」という。
図5は、膜厚の乾燥時間依存性を示す図である。図5において、横軸は乾燥時間を、縦軸は質量の変化から予測した膜厚を示している。膜厚は、最終膜厚に対する比率rとして示されている(r=ウェット膜厚/最終ドライ膜厚。ウエット膜厚は低温ゲル乾燥前(被覆層塗布後)の粒子分散層の膜厚を、最終ドライ膜厚は、後述の高温乾燥後の粒子分散層の膜厚を示す)。ここでは、実施例1および2並びに比較例1および2として、乾燥時間の異なる4つの試料を作成した。各試料を作成した条件は以下のとおりである。
比較例1: τ=0秒(低温ゲル乾燥なし) (r=6.54)
比較例2: τ=35秒 (r=2.68)
実施例1: τ=45秒 (r=1.92)
実施例2: τ=55秒 (r=1.27)
1−2−6.粒子分散層および被覆層の高温乾燥(昇温工程、乾燥硬化工程)
低温ゲル乾燥した後の基板を55℃(T2<T<T3を満たす温度の一例)のホットプレート上に載せ10分間保持して乾燥させた。以下この乾燥を「高温乾燥」という。高温乾燥により、粒子分散層は約1μmに収縮する。昇温により、粒子分散層のゼラチンはゲル状態からゾル状態に変化するが、被覆層の寒天はゲル状態を維持していると推測される。上記の4つの試料のうち、比較例2、実施例1および実施例2が、積層体1の一例である。比較例1は、本実施形態に係る製造方法を用いない例である。以下、実施例1および2並びに比較例1および2を総称して、「積層体A」という。
1−2−7.セル化
粒子分散液の塗布において用いた基板と同じPET基板のITO透明電極側の面にカーボンブラック顔料を23g/lの割合で分散させた9.0質量%ポリビニルアルコール水溶液を1.3μm厚にスピンコート塗布して遮光層を形成した。形成された遮光層の上に、さらに、ウレタン系ラミネート剤(LX719/KY−90、大日本インキ化学社製)を1μm厚にスピンコート塗布して、接着層(ラミネート層)を形成した。こうしてこうして得られた積層体を、以下「積層体B」という。積層体Bは積層体2の一例である。積層体Aおよび積層体Bは、被覆層と接着層とが向かい合うように重ね合わせられ、100℃のラミネータを通して接着された。こうして光変調素子が形成された。
1−2−8.明るさのばらつき(分布)の測定
以上で得られた4つの試料に対し、面内(表示面内、すなわちxy平面内)における明るさのばらつきを測定した。測定に先立ち、光変調素子に中間階調値(飽和反射率の約50%)に相当するデータを書き込んだ。これは、積層体の膜厚のムラの影響が顕著に現れるのが中間階調値であるためである。測定には、フラットベッドスキャナ装置を用いた。
図6および図7は、明るさのばらつきの測定結果を示す。具体的には、図6は、明るさの3次元分布図である。図6において、x軸およびy軸は、面内の位置を、z軸は測定された明るさ(任意単位)を示している。図7は、測定結果をまとめた表である。図7は、実施例1および2並びに比較例1および2のそれぞれについて、明るさの変動係数を百分率で示している。変動係数αは、面内の反射率の分布の標準偏差σを平均mで除した値である(α=σ/m)。図7から、低温ゲル乾燥を用いることにより、変動係数が小さくなっている、すなわち明るさのばらつきが小さくなっていることがわかる。低温ゲル乾燥の時間τをτ=35秒とした比較例2も、比較例1より変動係数が改善しているが、測定した範囲では、低温ゲル乾燥の時間を長くするほど、より変動係数が改善される傾向が見られた。例えば、変動係数が10%をまたぐ2点(比較例2と実施例1)のデータを使って線形近似すると、τ≧40秒となる条件で低温ゲル乾燥を行えば、変動係数を10%以下に抑えられることがわかる。同様に考えると、τ≧54秒となる条件で低温ゲル乾燥を行えば、変動係数を5%以下に抑えられることがわかる。あるいは、ウェット膜厚と最終ドライ膜厚の比率rをパラメータとして考え、変動係数が10%をまたぐ2点(比較例2と実施例1)のデータを使って線形近似すると、r≦2.3となる条件で低温ゲル乾燥を行えば、変動係数を10%以下に抑えられることがわかる。同様に考えると、r≦1.33となる条件で低温ゲル乾燥を行えば、変動係数を5%以下に抑えられることがわかる。
1−2−9.膜厚のばらつき(分布)の測定
上記の4つの試料とは別の試料であるが、低温ゲル乾燥を用いたもの(実施例3)と用いないもの(比較例3)との2つの試料について、面内における膜厚のばらつきを測定した。
図8は、膜厚のばらつきの測定結果を示す。図8の下部に示されるように、10.5cm×13.5cm大の試料上に9つの正方形の測定領域(測定点)を設けた。これらの測定領域における粒子分散層および被覆層をエッチングにより除去し、表面段差計を用いて膜厚を測定した。図8の横軸は測定点を、縦軸は膜厚を示している。明るさの場合と同様に変動係数を定義すると、実施例3の変動係数は4.9%であり、比較例3の変動係数は11.4%であった。図8から、低温ゲル乾燥を用いることにより、膜厚のばらつきが小さくなっていることがわかる。低温ゲル乾燥を用いることにより、低温ゲル乾燥を用いない比較例3では10%を超えていた変動係数が、10%以下、あるいは5%以下に抑えられる。
1−3.実施形態の効果
以上、比較例1−3および実施例1−3を用いて説明したように、低温ゲル乾燥を用いることにより、低温ゲル乾燥を用いない場合と比較して、明るさおよび膜厚の変動係数が小さくなる、すなわち、ばらつきが抑制され均一性が向上する。
2.第2実施形態
図9は、本発明の第2実施形態に係る積層体1の製造方法を示す図である。第2実施形態において、粒子分散層の塗布と被覆層の塗布とが、同時に行われる。ステップS31(粒子分散層・被覆層塗布工程)において、粒子分散液および被覆層塗布液が、粒子分散層10および被覆層20として基板30上に塗布される。ステップS32(粒子分散層・被覆層冷却工程)において、粒子分散層10および被覆層20が温度T1以下に冷却され、ともにゲル化する。ステップS33(ゲル乾燥工程)において、粒子分散層10および被覆層20は、温度T1以下の温度(低い温度)で所定の時間乾燥される。低い温度で粒子分散層10および被覆層20をある程度乾燥させた後、ステップS34(昇温工程)において、基板30は、T2<Ta<T3を満たす温度Taに昇温される。この昇温により、粒子分散層はゾル化するが、被覆層はゲル状態を維持している。ステップS35(乾燥硬化工程)において、基板30は、温度Taにおいて所定の時間乾燥される。この乾燥により、粒子分散層10は最終的な厚さまで収縮する。
粒子分散層の塗布と被覆層の塗布とを行う工程が第1実施形態と相違しているものの、第2実施形態でも低温ゲル乾燥を用いており、積層体1の膜厚および明るさの均一性が向上すると考えられる。
3.他の実施形態
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下の変形例のうち、2つ以上のものが組み合わせて用いられてもよい。
粒子12において用いられる液晶は、コレステリック液晶に限定されない。屈折率異方性があり、電圧印加によって配向が変化するものであれば、コレステリック液晶以外の液晶材料が用いられてもよい。
第1の材料11は、実施例で説明した具体例に限定されない。第1の材料11は、低分子量ゼラチン(一般的なゼラチンの平均分子量は3〜10万であるが、これよりも平均分子量の低いもの。例えば、平均分子量が8,000以下のもの)や、豚由来ゼラチン、魚由来ゼラチン等を含んでもよい。温度が上昇するとゲル状態からゾル状態へと変化するものであれば、どのような材料が用いられてもよい。例えば、ゲル化温度(T1)が20℃以下の材料が用いられてもよい。また、温度−粘度曲線が、温度ヒステリシスを有する材料が第1の材料11として用いられてもよい。
第2の材料21は、実施例で説明した具体例に限定されない。例えば、温度ヒステリシスを有さない材料が第2の材料21として用いられてもよい。ゲル状態からゾル状態に変化する温度が第1の材料11よりも高いものであれば、どのような材料が用いられてもよい。
上述の実施形態の光変調素子100を用いて、光書き込み型の表示媒体を形成してもよい。この場合、図1に示される構造において2つの透明電極の間のいずれかの位置に、感光層が設けられる。感光層は、光照射により低抵抗化する材料を含む。複数色の表示を行う場合には、異なる組成の液晶を含む複数の粒子分散層10が用いられる。例えば、表示媒体100は、緑色の光を反射する層(第1の層)に加え、これとは別の色(例えば青色)の光を反射する層(第2の層)を有していてもよい。この場合、第1の層の粒子分散液および被覆層塗布液、並びに第2の層の粒子分散液および被覆層塗布液を同時(すなわち4層同時)に塗布してもよいし、1層ずつ順番に塗布してもよい。あるいは、複数色の表示を行う場合に、図1の光変調素子100を複数積層してもよい。
図6および図7の結果の解釈は、実施例で説明したものに限定されない。例えば、4つの試料のデータをすべて用いてプロットを線形近似や、多項式近似、指数近似、対数近似し、変動係数が所望の値以下になるように設計してもよい。
1…積層体、2…積層体、10…粒子分散層、11…第1の材料、12…粒子、20…被覆層、21…第2の材料、30…基板、40…遮光層、50…接着層、100…光変調素子

Claims (7)

  1. 温度が上昇するとゲル状態からゾル状態へと変化する第1の材料に分散された粒子を含む粒子分散層と、
    前記第1の材料と異なる第2の材料を含み、前記粒子分散層に積層された被覆層と
    を有し、
    前記粒子は、前記粒子分散層に印加される電圧に応じて第1の配向状態および前記第1の配向状態と反射率が異なる第2の配向状態を含む複数の配向状態のいずれかの配向状態に遷移する液晶分子を含み、
    前記粒子分散層と前記被覆層との積層方向に対し垂直な面における前記液晶分子による光の反射率の標準偏差を前記反射率の平均で除した値である変動係数が10%以下である
    ことを特徴とする積層体。
  2. 前記変動係数が5%以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 温度が上昇するとゲル状態からゾル状態へと変化する第1の材料に分散された粒子を含む粒子分散層と、
    前記第1の材料と異なる第2の材料を含み、前記粒子分散層に積層された被覆層と
    を有し、
    前記粒子は、前記粒子分散層に印加される電圧に応じて第1の配向状態および前記第1の配向状態と反射率が異なる第2の配向状態を含む複数の配向状態のいずれかの配向状態に遷移する液晶分子を含み、
    前記粒子分散層および前記被覆層の厚さの標準偏差を前記厚さの平均で除した値である変動係数が10%以下である
    ことを特徴とする積層体。
  4. 前記変動係数が5%以下である
    ことを特徴とする請求項3に記載の積層体。
  5. 前記第2の材料は、温度が上昇するとゲル状態からゾル状態へと変化し、
    前記第2の材料がゾル状態からゲル状態に変化する温度と、ゲル状態からゾル状態に変化する温度とが異なっており、
    前記粒子を含む前記第1の材料がゲル状態を維持する最高温度が、前記第2の材料が昇温されたときにゲル状態を維持する最高温度未満である
    ことを特徴とする請求項1−4のいずれかの項に記載の積層体。
  6. 印加される電圧に応じて第1の配向状態および前記第1の配向状態と反射率が異なる第2の配向状態を含む複数の配向状態のいずれかの配向状態に遷移する液晶分子を含む粒子が、温度の上昇によってゲル状態からゾル状態へと変化する第1の材料に分散された粒子分散液を、ゾル状態で基板に粒子分散層として塗布する工程と、
    前記粒子分散層を含む前記基板を、前記第1の材料がゾル状態からゲル状態へ変化する温度である第1のゲル化温度以下に冷却し、前記粒子分散層をゲル状態に変化させる工程と、
    温度が上昇するとゲル状態からゾル状態へと変化する第2の材料を、ゾル状態で前記基板上で被覆層として前記粒子分散層に積層するように塗布する工程と、
    前記被覆層を含む前記基板を、前記第2の材料がゾル状態からゲル状態へ変化する温度である第2のゲル化温度以下に冷却し、前記被覆層をゲル状態に変化させる工程と、
    前記被覆層を含む前記基板を、前記第1のゲル化温度および前記第2のゲル化温度の双方より低い温度で乾燥する工程と、
    前記低い温度での乾燥の後で、前記基板を、前記第1のゲル化温度以上、前記第2のゲル化温度以下の高い温度に昇温をする工程と、
    前記昇温の後で、前記高い温度で前記基板を乾燥する工程と
    を有する製造方法により製造された積層体。
  7. 請求項1−6のいずれかの項に記載の積層体を含む表示媒体。
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