JP2011069395A - 抜止リング付管継手、抜止リングの取付け方法、並びに抜止リング取付け装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】抜止リング付管継手1は、円筒状に形成された端部3を有する樹脂製の管継手2と、端部3の内周面に配置された金属製のブッシュ4と、端部3の外周面に取付けられた金属製の抜止リング5と、抜止リング5の内周面の少なくとも対向する2箇所に設けられ、管継手2の端部3に食い込むように形成された変形部6と、を備える。
【選択図】図2
Description
一般的に、抜止リング付管継手の本体(管継手)は樹脂で形成され、本体における継手本体との接続部(端部)は円筒状に形成されている。本体側の内周面には継手本体との接続強度を高めるために金属製のブッシュが取付けられていて、このブッシュの内周面に形成された雌ネジ部と継手本体に形成された雄ネジ部とが螺合することで、抜止リング付管継手の本体に継手本体が強固に固定されるようになっている。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、抜止リングより管継手の方が熱膨張率が大きい場合であっても、管継手の端部の外周面に抜止リングを取付けた後で外れ難くすることができる抜止リング付管継手、抜止リングの取付け方法、並びに抜止リング取付け装置を提供するものである。
請求項1に記載の抜止リング付管継手は、円筒状に形成された端部を有する樹脂製の管継手と、前記端部の内周面に配置された金属製のブッシュと、前記端部の外周面に取付けられた金属製の抜止リングと、前記抜止リングの内周面に設けられ、前記管継手の前記端部に食い込むように形成された変形部と、を備えることを特徴としている。
従って、外気温の低下等により、抜止リングより管継手の方が縮んだ場合であっても、抜止リングにおける管継手の端部の内部に食い込んだ部分により、管継手と抜止リングとを外れ難くすることができる。
抜止リングの熱膨張率と管継手の端部の熱膨張率とが異なるときには、互いに取付けられた端部と抜止リングは温度変化により径方向に離間しようとする。この場合であっても、抜止リングにおける突出部で変形した部分によって、管継手と抜止リングを外れ難くすることができる。
また、突出部は押圧面において、少なくとも対向する2箇所の位置に設けられているので、抜止リングにおける突出部で変形した部分は管継手の端部を径方向に挟むように配置される。したがって、管継手の端部と抜止リングとをより外れ難くすることができる。
鞍部9は、円筒をその軸線に沿って半分に割った形状に形成されていて、その端部には、前記軸線に沿うように鍔部9aがそれぞれ形成されている。
鞍部9の内周面側には電気線11が設けられて、不図示の端部から電気線11に電圧を印加できるようになっている。そして、鞍部9及び接続筒部10に形成された貫通孔9b及び貫通孔10aは、互いに連通している。
ブッシュ4は砲金等の金属で円筒状に形成され、サドル2の端部3の内周面、すなわち貫通孔10a内に埋設されている。ブッシュ4の内周面には、雌ネジ部4aが形成されている。
図3に示すように、変形部6はほぼ円錐状に形成され、その先端角θ1は90°で、変形部6の抜止リング5までの高さL1が0.5〜1.5mm(このとき、抜止リング5の内周面に接続される部分の径L2が、1.0〜3.0mmとなる)ように設定されていることが好ましい。
すなわち、図4に示すように、水道の配管等の本管150に連通孔150aを形成された部分に、サドル2の鞍部9の内周面を押しつけた状態で、電気線11に通電して鞍部9及び本管150を加熱する。すると、鞍部9及び本管150が一度溶融した後で冷却されて硬化し、サドル2と本管150が水密に接続される。
さらに、ブッシュ4の雌ネジ部4aに、分水栓151の雄ネジ部151aを接続することにより、ブッシュ4の内腔と分水栓151に形成された貫通孔151bとが連通される。これにより、本管150内を流れる水が、貫通孔9b、ブッシュ4の内腔、及び分水栓151の貫通孔151bを通って分岐され、本管150の外部に導かれる。
図5及び図6に示すように、抜止リング取付け装置21は、略円板状の機台22と、機台22上に配設され略円柱状のステージ(支持部)22aと、機台22上でスライド可能に放射状に配置された8つの押圧部23と、8つの押圧部23をステージ22aに対して接近/離間するようにそれぞれ移動させる移動手段24と、を備えている。
ステージ22aの天面上には、サドル2の円筒状の端部3に埋設されたブッシュ4が、その雌ネジ部4aが段部22bに当接するように配置される。そして、ステージ22aの天面上であって端部3の外方には、円筒状の抜止リング5aがサドル2の端部3と同軸上に配置される。この抜止リング5aは、上述の抜止リング付管継手1の抜止リング5が縮径される前のものである。
機台22の天面22cには、軸線C回りに等角度毎に8つの溝部22dがそれぞれ形成されている。それぞれの溝部22dは、ステージ22aの外周面を起点としてステージ22aから離間する方向に放射状に延びている。
押圧部23は、略直方体状に形成された押圧部本体27と、押圧部本体27のステージ22a側の天面に形成された切り欠き部27aに着脱可能に固定されたカシメ刃28とを有する。
切り欠き部27aにおける底面には雌ネジ部27bが形成され、カシメ刃28には貫通孔28aが形成されている。そして、ネジ部材29に形成された雄ネジ部を貫通孔28aに挿通して雌ネジ部27bに螺合させることにより、カシメ刃28を押圧部本体27の切り欠き部27aに固定することができる。
押圧部23は軸線C回りに等角度毎に8つ備えられ、突出部30は各押圧部23に設けられているので、本実施形態では、ステージ22aを挟んで対向する位置に配置された突出部30が4対設けられていることになる。
このため、図8に示すように、突出部30はほぼ円錐状に形成され、その先端角θ2は90°で、突出部30の押圧面28bまでの高さL3が0.5〜1.5mm(このとき、押圧面28bに接続される部分の径L4が、1.0〜3.0mmとなる)ように設定されていることが好ましい。
また、突出部30の高さL3は、抜止リング5aの径方向の厚さに対して、30〜80%に設定することが好ましく、50〜70%に設定することがより好ましい。
当接部材33には、それぞれの押圧部本体27のステージ22aと反対側の端部27dに当接する平面である当接面33aがそれぞれ形成されている。すなわち、本実施形態では、当接部材33には、8つの押圧部本体27に対応する8つの当接面33aがそれぞれ形成されている。
それぞれの当接面33aは、機台22の天面22cに対して傾斜し、かつ、自身が端部27dに当接する押圧部23の移動方向に対して傾斜するように形成されている。なお、ここで言う傾斜とは、対象となる方向や平面等に対して、平行な位置関係でなく、直交する位置関係でもない、傾いて斜めとなる位置関係のことを意味する。
当接部材33には、押圧部本体27の端部27dを挟むように、当接面33aに連なる一対の案内面33bが形成されている。
また、油圧シリンダ34b内には不図示の係止部が形成されていて、当接部材33が、図6に示す位置から上方(機台22から離間する方向)に移動しないように係止しいている。
付勢機構35は、例えばバネ部材等で構成され、各押圧部23に対応して8つ備えられている。それぞれの付勢機構35は溝部22d内に配置されていて、一端が機台22に取付けられ、他端が押圧部本体27の凸部27cのステージ22a側の面に取付けられている。そして、付勢機構35は、押圧部本体27を常にステージ22aから離間する方向に付勢している。
本実施形態の抜止リングの取付け方法の工程は、サドル2と抜止リング5aを配置する配置工程と、抜止リング5aの外周面を押圧する押圧工程とからなる。
当接部材33が軸線Cに沿って下方に移動するときに、当接面33aが機台22の天面22cに対して直交していると当接面33aが押圧部本体27の端部27dに当接する当接位置Pが移動しないので天面22c上で押圧部本体27を移動させることはできない。また、当接面33aが機台22の天面22cに対して平行であっても、当接面33aが端部27dを下方に押すだけとなり、天面22c上で押圧部本体27を移動させることはできない。
一方、当接部材33が軸線Cに沿って移動するときに、この当接面33aが、自身が当接する押圧部23の移動方向Dに対して直交していると、上記の当接位置Pが移動しないので天面22c上で押圧部本体27を移動させることはできない。また、当接面33aが押圧部23の移動方向Dに対して平行であっても、当接面33aが端部27dを下方に押したり当接面33aが押圧部23を移動方向Dに対して直交する方向に押したりするだけとなり、天面22c上で押圧部本体27を移動方向Dに移動させることはできない。
本実施形態では、当接部材33の当接面33aが上記のように形成されているため、当接部材33が軸線Cに沿って下方に移動するときに、押圧部23を天面22c上でステージ22a側に、すなわち移動方向Dに移動させることができる。
さらに、この押圧工程では、抜止リング5aの外周面を突出部30で端部3側に押圧し、抜止リング5aにおいて押圧されて変形した部分である変形部6をサドル2の端部3の内部に食い込ませる。
ここで、使用者は、ステージ22a上から、抜止リング5が取付けられたサドル2を取り出す。以上の手順で、押圧工程が終了し、本実施形態の抜止リングの取付け方法の全ての工程が終了する。
さらに、抜止リング5の取付けを繰り返すときには、上述の配置工程と押圧工程を繰り返す。
抜止リング5の熱膨張率とサドル2の端部3の熱膨張率とが異なるときには、互いに取付けられた端部3と抜止リング5は温度変化により径方向に離間しようとする。この場合であっても、抜止リング5の変形部6によって、端部3と抜止リング5を外れ難くすることができる。
このため、当接部材23が軸線Cに沿って下方に移動するにつれて、それぞれの当接面33aにより、この当接面33aが他端部27dに当接する押圧部23がステージ22a側にそれぞれ移動する。従って、1つの当接部材33を移動させることで、8つの押圧部23により抜止リング5aをサドル2に取付けることが可能となる。
また、当接部材33の当接面33aにより、上方から各押圧部23の端部27dを機台22の天面22cに押し付けるので、押圧部23が移動方向Dに移動するときに天面22cから浮くのを防止することができる。
例えば、上記実施形態では、抜止リング取付け装置21に押圧部23を8つ備えた。しかし、抜止リング取付け装置に供えられる押圧部23の数に制限はなく、2つ以上であれば幾つでも良い。
また、上記実施形態では、サドル2の端部3及び抜止リング5は円筒状であるとしたが、これらは筒状であっても良い。なお、ここで言う筒状とは、円柱に同軸上に貫通孔を形成したものだけでなく、軸線に直交する平面での断面形状が楕円形や多角形等の柱状の形状に、この軸線に沿って貫通孔を形成したものも含むものである。
また、上記実施形態では、抜止リング取付け装置21に駆動部34及び付勢機構35は備えられなくても良い。使用者が当接部材33を押し下げて、押圧部23をステージ22aに向かう方向に移動させることは可能だからである。
また、上記実施形態では、当接部材33に8つの当接面33aを形成し、この当接面33aをそれぞれの押圧部本体27の端部27dに当接させた。しかし、各押圧部本体27の端部27dに、機台22の天面22cに対して傾斜し、かつ、自身の移動方向Dに対して傾斜した当接面を形成し、当接部材33が各押圧部本体27のこの当接面に当接するように構成しても良い。
2 サドル(管継手)
3 端部
4 ブッシュ
5、5a 抜止リング
6 変形部
22 機台
22a ステージ(支持部)
23 押圧部
24 移動手段
28b 押圧面
30 突出部
Claims (3)
- 円筒状に形成された端部を有する樹脂製の管継手と、
前記端部の内周面に配置された金属製のブッシュと、
前記端部の外周面に取付けられた金属製の抜止リングと、
前記抜止リングの内周面に設けられ、前記管継手の前記端部に食い込むように形成された変形部と、
を備えることを特徴とする抜止リング付管継手。 - 円筒状に形成された端部を有し、前記端部の内周面に金属製のブッシュが配置された樹脂製の管継手の前記端部の外方に、金属製の抜止リングを配置する配置工程と、
前記抜止リングの外周面を前記端部側に押圧して前記抜止リングを塑性変形させて縮径させ、前記端部に前記抜止リングを取付ける押圧工程と、を備え、
前記押圧工程では、前記抜止リングの外周面を前記端部側に押圧して前記抜止リングを前記端部の内部に食い込ませることを特徴とする抜止リングの取付け方法。 - 円筒状に形成された端部を有し、前記端部の内周面に金属製のブッシュが配置された樹脂製の管継手の前記端部の外周面に、金属製の抜止リングを同軸上に配置した状態で、前記管継手の端部と前記抜止リングとを支持する支持部と、
前記支持部を支持する機台と、
前記抜止リングの外周面に対向するように配置された押圧面を有し、前記機台上でスライド可能に放射状に配置された複数の押圧部と、
前記複数の押圧部を前記支持部側にそれぞれ移動させる移動手段と、
前記複数の押圧部の前記押圧面において、少なくとも対向する2箇所の位置に設けられ前記支持部側に突出する突出部と、
を備えることを特徴とする抜止リング取付け装置。
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