JP2011069342A - 超音速機推進システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 遷音速上昇時は加速性能を高め、超音速巡航時には推力一定でファン回転数を増減し、インテーク背圧を制御してインテークでの抽気量を削減することにより超音速機推進システムの全体効率を改善する。
【解決手段】 高圧タービン(HPT)と低圧タービン(LPT)の入口面積を固定とし、両者の出口面積は可変として、遷音速ではHPT出口面積を広げLPT入口から抽気してファンを過回転にすることなく圧縮機(HPC)の回転数を高めて、加速のための推力を増し、超音速ではLPT入口抽気により高推力を維持すると同時に、LPT出口面積(コアダクト出口面積)を開閉して、LPT膨張比を変化させることにより、HPC回転数ほぼ一定でファン回転数を変化させる。
【選択図】図1
【解決手段】 高圧タービン(HPT)と低圧タービン(LPT)の入口面積を固定とし、両者の出口面積は可変として、遷音速ではHPT出口面積を広げLPT入口から抽気してファンを過回転にすることなく圧縮機(HPC)の回転数を高めて、加速のための推力を増し、超音速ではLPT入口抽気により高推力を維持すると同時に、LPT出口面積(コアダクト出口面積)を開閉して、LPT膨張比を変化させることにより、HPC回転数ほぼ一定でファン回転数を変化させる。
【選択図】図1
Description
超音速機用可変サイクルエンジンは、インテーク、ターボファン、末細−末広ノズルから成る推進システムであり、マッハ数や飛行条件により変化するインテークとエンジンの作動状態をマッチングさせ、エンジン要求流量とインテークやノズルの流量を整合して最適化しなければならない。本発明は、超音速機推進システムの統合化技術に関する。
2003年、運航が停止されたコンコルド(超音速旅客機)は、騒音とレンジの短さから限られた路線しか就航できず、燃費の悪さと相俟って経済的に成功しなかった。次世代超音速輸送機(SST)は、それらの欠点を克服したものでなければならない。
コンコルドの反省から次世代SST推進用エンジンとして、離陸時に排気速度を低めて騒音を低減するためバイパス比(BPR)を高め、高速飛行時には排気速度を上昇させて比推力を高めるためBPRを低下させる、所謂BPRを可変にできる可変サイクルエンジン(VCE)が、我が国をはじめ欧米諸国で研究開発されている。BPRを可変にする方法は種々検討されており、これまでにダブルバイパスエンジン、可変流量制御エンジン、ダンデムファンエンジン等が提案されている。
また我が国には、国家プロジェクトとして国際共同開発研究が進められたHYPR(超音速輸送機用推進システム)。その後継プロジェクトであるESPR(環境適合型次世代超音速システム)がある。コンバインドサイクルエンジンであるHYPRのターボ系エンジン、およびその後継プロジェクトであるESPRは、低圧タービン可変静翼(LPT−VG)を採用し、低速ではLPT−VGを絞ってBPRを高め、高速ではLPT−VGを開いてBPRを低めるVCEである。
これ等に対し、上記VCEとはBPRの変化のさせ方が異なる独自の発想に基く方式が提案されている。上記VCEは何れも高圧タービン(HPT)と低圧タービン(LPT)の流量が等しいが、これ等と異なり、高/低圧タービン間抽気によってLPTよりHPTの流量を多くして、BPRの変化の量を他の方式より大きくするインタータービン・バイパスエンジンである(特許文献1ではダブルバイパス・エンジンと称している)。
日本航空宇宙学会、第3版航空宇宙工学便覧、丸善株式会社、2005年11月、P.378,P.503,P.542〜543
日本ガスタービン学会誌、特集「超音速輸送機用推進システム(HYPR)」、Vol.28、No.1、2000年1月
日本ガスタービン学会誌、特集「環境適合型次世代超音速推進システム(ESPR)」、Vol.32、No.5、2004年9月
超音速機推進システムの推力分布は、コンコルドを例に取ると、離陸時はエンジン自体が全推力の82%、インテークは12%、残りの6%は排気ノズルであるが、超音速巡航時では、エンジン自体の推力分布は僅か8%、インテークは63%を分担し、排気ノズルは29%と著しく変化する。従って超音速機推進システムはエンジン自体の効率改善もさることながら、インテークとエンジンのマッチングを最適化し、全運転範囲で推進系全体の正味推力が最も高くなる作動状態に保つことが極めて重要である。
超音速インテークの機能は、全運転範囲でエンジン側からの要求を満たすよう、エンジンに供給される空気の状態を調整することにある。超音速インテークは、背圧を増すと亜臨界流れとなり、垂直衝撃波はスロートの上流に発生し、インテーク前面に形成された斜衝撃波は、衝撃波角度を増加させ前方に移動して空気を吸込むため、流量捕獲率が低下して漏れ流量が増し、エンジン流量が減少する。
背圧が低下すると超臨界流れとなり、最終衝撃波がスロートの下流に移る。亜音速ディフューザーに垂直衝撃波が立つと境界層との干渉により境界層剥離が発生し、全圧損失が増加する。
安定的に臨界作動状態を保持するためには、終端衝撃波の制御をスロートのスリットからの抽気や、バイパスによって行う。しかしこれらインテークでの流量抽出は内部抗力の増大をもたらす。
本発明の解決すべき第一の課題は、従来、超音速巡航時に推力分布が大きくなるインテークの作動状態を推力分布が小さくなるエンジンの作動条件に合わせていたのに対し、逆に推力分布の大きいインテークに、推力分布が小さいエンジンの作動を合わせ、インテークでの内部抗力の増大を生む抽気量を削減することである。
超音速インテークは、亜臨界作動状態と超臨界作動状態では出口流量が異なる。解決すべき第一の課題に基づきエンジン流量をインテーク側の変化に合わせるには、推力一定でファン吸込空気流量を変化させる必要がある。従って離陸時および低速飛行時は、騒音低減のためBPRを高め、高速飛行時は比推力を高めるためBPRを低くするという、これまでの超音速機推進システムの常識を覆し、超音速においてタービン入口温度(TIT)、全圧力比(OPR)一定で、つまり推力一定でBPRを変化させなければならない。これが本発明の解決すべき第二の課題である。
本発明は、特許文献1、特許文献2の可変サイクルエンジン、即ち高/低圧タービン間抽気によりHPTとLPTの流量を違え、BPRを大きく変化させるVCEに、上記の新しい着眼点による課題を解決するため、新たな概念を加えたものである。
本発明の概念図を図1に示す。また図1のA−A断面図を図2に示す。図においてFANはファン、HPCは圧縮機、COMBは燃焼器、HPTは高圧タービン、LPTは低圧タービン、TCは前後に出し入れ可能なテールコーンであり、CD Nozzleは末細−末広ノズル、Pは抽気管、BVは抽気弁である。数字はエンジンの各位置を表す。抽気管Pは冷却の容易性を確保するため、バイパスダクト内を放射状に通し、ダクト内壁側に抽気弁BVを設ける。テールコーンTCを前後に移動し、コアダクト出口面積を変化させることにより、LPT排気とファンバイパス排気は等しい静圧で混合できる。しかし抽気ガスはOPRとTITを高めるとP5が高くなり、他の排気との全圧差が大きくなるので、静圧を等しくして混合することはできない。そこで高温高圧の抽気を主流の外側に流出させる構造とし、図2に示すように、抽気管出口の表面積を断面積を増さずに大きくして、ジェット混合を促進する。特許文献1および特許文献2と本発明の違いは、混合の順序であり、本発明では先ずLPT排気とファンバイパス排気を混合し、その混合ガスに抽気を再導入している点である。
本エンジンの新たな構想は、エンジンの推重比を高めるために、設計点でのOPRを高く設定した場合、超音速巡航時にラム圧縮の影響で圧縮機出口温度(CDT)が材料許容温度に近付き制限を受けるので、これに対処するため、上記方式に次の流量制御を加えたものである。テールコーンTCの前後移動をコア排気とバイパス排気の混合において、その静圧を一致させるためのみでなく、LPT膨張比の制御にも利用する。即ち、HPTとLPTの入口面積は固定し、両者の出口面積は可変とする。超音速巡航時においてLPT膨張比を変えファン回転数を変化させることができると、超音速インテークとエンジンのマッチングをエンジン側から最適化することができる。このLPT膨張比の制御は、上記の如くLPT排気とファンバイパス排気を最初に混合することによって成り立つ。
高/低圧タービン間抽気によるBPRの変化とテールコーンTCの前後移動によるBPRの変化は、その目的が異なるので、先ず二つの方法の違いについて説明する。抽気率Qを数1で定義する。
ここでmcはHPC流量、mQは抽気流量、mhtはHPT流量、mltはLPT流量、fは燃料空気混合比である。BPRとQの関係は、数2で表される。
数2からファン空気流量maとLPT流量mltを一定に維持し、抽気率Qを増すとBPRが低下しコア流量が増加することが分かる。即ち抽気により推力を高めることができる。低圧軸回転数N1は数3で、高圧軸回転数N2は数4で表される。
ここでCptはタービン側定圧比熱、ηmは回転系の機械効率、Tは全温である。数4からN2は、T4(タービン入口温度)と抽気率Qにより制御され、一般には制御されないN1も数3からQとT5(陰にはT4)によって制御されるので、燃料流量を増しながら高/低圧タービン間から抽気すると、N1を所要の回転数に留めたままN2を上昇させBPRを下げることができる。
数3、数4からN1を所要の回転数に留めたままN2を上昇させるには、T4を上昇させなければならない。つまり抽気率Qの増加は燃料流量の増加を伴いOPRを上昇させる。ラム圧縮が小さいためCDTの制約を受けない遷音速では、ファンが過回転にならないよう抽気によりファン回転数を抑えて、HPC回転数を増加し比推力を高めることができる。
ところがHYPRのように低いOPRではなく、ESPRのように高いOPRに設定すると、ラム効果が大きい超音速ではTITとCDTが制約を受けることになるので、燃料流量をより増加してHPC回転数を高めることができなくなる。そこで超音速巡航では燃料流量を増さず、LPT出口面積を広げるとTITの上昇を伴わずLPT膨張比を増すことができる。このようにTITとCDTの制約のもとでは、HPC回転数をほぼ一定に保ち、逆にファン回転数を増減してBPRを変化させる。
本サイクルにおけるHPTとLPTの膨張比制御について説明する。質量流束パラメータmass flux parameter(MFP)を数5で定義する。
ここでAは流路断面積、Cpは定圧比熱、Mはマッハ数、Pは圧力、κは比熱比である。HPTとLPTの入口と出口の状態を、MFPを用いて表すとそれぞれ数6、7となる。
ここでAQは抽気弁BVの開口部面積で、A5+AQはHPT出口面積である。またA7Tはコアダクト出口面積である。両式で出口面積を増すと右辺の面積比、MFP比ともに増加するので、それぞれの膨張比が上昇する。前述のように数6では、N1を所要の回転数に留めたままHPT膨張比を増すには、T4、P4を上昇させなければならない。一方、数7ではHPC回転数N2を抑えて、即ち燃料流量を増さず、コアダクト出口面積を開いてLPT膨張比を増すと、P5が上昇するのではなくP6、T6が降下する。
以上から、HPT出口面積を広げLPT入口抽気によりBPRを低下させると推力が増加し、LPT出口面積(コアダクト面積)を変えてファン回転数を増減しBPRを変化させると、ファン入口軸流速度が変化し、超音速インテークの背圧を制御することが可能になる。このように本発明の課題解決は、HPTとLPTの出口面積それぞれの制御の組み合わせによって実現される。両タービン制御の目的を表1に示す。
本発明の効果の第一は、造波抵抗が大きく飛行が不安定になる遷音速上昇時に高/低圧タービン間抽気を行って大幅にBPRを低め、推力を高めることができる点である。その上、本VCEはアフターバーナーと違って燃料の増量が圧縮のピーク時に行われるため、比較的少ない燃料消費率(sfc)の上昇で、加速性能を高めることができる。
本発明の効果の第二は、超音速巡航時にエンジン側から超音速インテークとエンジンの作動状態をマッチングさせることができる点である。本サイクルは、前述のように超音速飛行時に推力一定でファン回転数を変えることができる。よって超音速インテークが亜臨界作動状態にあるとき、ファン回転数を高めてインテーク背圧を下げ、超臨界作動状態にあるとき、ファン回転数を下げてインテーク背圧を高めることで終端衝撃波の位置を制御し、内部抗力が大きな抽気の量を削減することができる。
発明を実施するための形態は、「課題を解決する手段」の説明のために、既に図1にその概念図を、図2に図1のA−A断面図を示した。
「発明の効果」で示した本発明のサイクル特性を、ファン、HPC、タービンの作動特性マップを用いて計算した結果により、詳しく説明する。表2にESPRの目標エンジン仕様を示す。
HYPRのターボ系エンジンでは、離陸時のファン圧力比は2.6、HPC圧力比は4.85であるから、表2のESPRのOPRはかなり大きく、また超音速巡航時のTITも1873Kから1923Kへと大幅に上昇している。本計算では、できるだけ表2の諸元に準じるよう努めた。離陸時を設計点とし、離陸時のBPR、TIT、OPRは上表と一致させた。また離陸時における騒音対策のためのミキサエジェクタノズルでの推力損失は7.5%と仮定した。尚、本計算では冷却空気は見積もっていない。本計算に用いたファン作動マップを図3に、HPC作動マップを図4に示す。両図においてAはSLS(Sea−Level Static)の作動点である。
先ず、遷音速(M0=0.9)の作動から説明する。図3および図4のB1は、抽気率Q=0(固定サイクルに相当)の作動点である。
作動点B2ではB1より燃料流量を増し、HPC修正回転数を高める。それに伴い高/低圧タービン間から約5.3%の抽気を行い、ファンの過回転を防ぎファン相対修正回転数を110%に留める。B2では推力の増加にも関わらずBPRが高く維持されているためsfcが低減される。
B3は遷音速域で加速性能を高めるための計算例で、燃料流量をより一層増加し、HPC相対修正回転数を105%に上昇させ、10.8%の抽気を行う。TITを高めることにより、ファン圧力比を高めてOPRを上昇させ、推力を増加する。飛行高度10km、飛行マッハ数M0=0.9での性能を表3に示す。表において推力比はSLSの推力に対する比である。亜音速および遷音速では、CDTに余裕があり機械的に許される範囲でOPRを高めることができる。
亜音速、遷音速と違い超音速飛行では、ラム圧縮の影響で、P3、T3が高くなり、CDTは制約を受ける。図3および図4のC1、C2、C3は、超音速巡航時の作動点であり、T4とOPR一定で、下記の三つの可変機構操作により流量制御を行って運転状態を変えたものである。即ち;
1)超音速巡航時の抗力に対抗する推力を得るため、LPT入口から抽気を行い、HPC 流量を確保する。
2)コアダクト出口面積A7Tを変えLPT熱落差に変化を与えて、ファンの回転数を増 減する。
3)排気ノズルのスロート面積A8を変化させ、ファン空気流量の増減に対応する。
1)超音速巡航時の抗力に対抗する推力を得るため、LPT入口から抽気を行い、HPC 流量を確保する。
2)コアダクト出口面積A7Tを変えLPT熱落差に変化を与えて、ファンの回転数を増 減する。
3)排気ノズルのスロート面積A8を変化させ、ファン空気流量の増減に対応する。
C1は表2に示すESPRの超音速巡航M0=2.2における仕様に忠実に従った作動点で、固定サイクルでは上昇するBPRを1.18に止めるため13.9%の抽気が必要になる。
C2は、HPT修正流量概ね一定で抽気率Qを増し、LPTのエネルギを減らすことによってファン回転数を低下させBPRを下げた場合で、ファン入口軸流速度が減少する。
C3では、テールコーンTCの移動によりコアダクト出口面積A7Tを広げる。よって数7からLPT膨張比が増しファン回転数が上昇、ファン入口軸流速度が高まる。
表4に超音速性能を示す(飛行高度17km、飛行マッハ数M0=2.2)。
本計算では、タービン修正流量を膨張比のみの関数とし数8のように楕円で近似した。
但しPi/Pe≧(Pi/Pe)chokeの場合はm√θi/δi=(m√θi/δi)chokeである。ここで添字iは入口、eは出口を表す。
図5に超音速巡航でのタービン出口面積の変化とタービン特性の関係を示す。図において横軸の左側はチョーク状態のHPT入口修正流量に対する相対修正流量をとってある。横軸の右側は数6、7の右辺である。この二つの式は、タービン入口に対する出口の修正流量比そのものである。超音速ではTIT、OPR一定としているので、HPTの膨張比および修正流量の変化はごく僅かである(ほぼチョーク状態)。
LPT入口圧力はHPT出口で設定され、コアダクト出口面積を広げ出口修正流量を増すと、出口圧力P6が降下し、膨張比が増加する。図5よりタービン動翼から離れた下流にある絞り(可変TC)が、タービン出口修正流量や膨張比に影響を及ぼしていることが見て取れる。
膨張側のエンジン位置4から8(ノズルスロート)までの状態量変化を混合領域の表示を省略して図6にT−s線図で示す。C3はP5が上昇せず、P6が降下してLPT膨張比が増すことがよく分かる。
C3は図3に示す如くファン回転数が増しファン吸込空気流量が多くなるので、離陸時よりBPRが高くなる。これでは比推力が小さくなりラム抗力も増して、低速ではBPRが高く、高速では低くあるべきだという、超音速機用可変サイクルエンジンに求められる性能に反する。しかし本エンジンはコアダクト出口面積A7Tの開閉によりファン流量が増減するが、高/低圧タービン間抽気により、C1、C2、C3のHPC実流量および燃料流量は維持される。C3の場合、図6に示す如くp8は他よりも低く全体の膨張仕事が増している。よってラム抗力が増しても正味推力はC1とC3で変わりがない。つまりエンジンの流入運動量と流出運動量の差は3つのケースでほとんど変わりがない。このように本サイクルは、超音速巡航時に推力一定でファン入口状態を変化させることができるので、超音速インテークの背圧を制御できるのである。
国家プロジェクトであるESPRの三大課題は、環境適合性向上のための空港騒音低減、NOX排出削減、CO2排出削減である。先ず騒音問題については、本サイクルの試算は、離陸時のTIT、OPR、BPRをESPRと同等に設定しており、排気速度は同程度になる。従ってミキサエジェクターノズルを用いれば、本発明は離陸騒音低減という課題を解決できる。
次にCO2排出削減であるが、これはsfcの低減が決め手である。本発明は推進システムの全体効率を改善することにより、この課題を解決できる。また燃料経済性の改善は、これも超音速機の重要課題である航続率を大きくする。
超音速インテークとエンジンのマッチングをエンジン側から最適化するという考えは、新規性に富み、また従来の常識を破って、超音速巡航時に推力一定でBPRを変化させるという概念は、当業者にとって自明な技術ではなく、過去の事例から容易に類推できるものではない。
以上から、本発明は独自性に富んだ産業上の利用可能性が極めて高い発明である。
FAN:ファン HPC:圧縮機 COMB:燃焼器
HPT:高圧タービン LPT:低圧タービン
TC:前後に出し入れ可能なテールコーン
CD:Nozzle:末細−末広可変排気ノズル P:抽気管 BV:抽気弁
図1における数字:エンジンの各断面位置を表す
図3、4における符号
A:SLSでの作動点 B1、B2、B3:マッハ数M0=0.9での各作動点
C1、C2、C3:マッハ数M=2.2での各作動点
HPT:高圧タービン LPT:低圧タービン
TC:前後に出し入れ可能なテールコーン
CD:Nozzle:末細−末広可変排気ノズル P:抽気管 BV:抽気弁
図1における数字:エンジンの各断面位置を表す
図3、4における符号
A:SLSでの作動点 B1、B2、B3:マッハ数M0=0.9での各作動点
C1、C2、C3:マッハ数M=2.2での各作動点
Claims (1)
- 超音速機用低バイパス比ターボファンエンジンにおいて、低圧タービン(LPT)排気ダクト出口に前後に出し入れ可能なテールコーンTCを設けてコアダクト出口面積を可変とし、LPTの入口と、コアダクト出口より下流の排気ダクトを結ぶ、抽気弁BVを備えた抽気管Pを設けることによって、高圧タービン(HPT)とLPTの入口面積を固定とし、両者の出口面積を可変とすることで、HPTの入口に対する出口の修正流量比を増すと推力が高まり、LPTの入口に対する出口の修正流量比を変化させると、推力一定でバイパス比を変えられることを特徴とする二つの可変機構を組み合わせることにより、遷音速上昇時にはLPT入口から抽気して、ファンを過回転にすることなく圧縮機(HPC)回転数を高めて加速性能を向上させ、超音速巡航時には、LPT入口抽気により高推力を維持すると同時に、テールコーンTCの移動によりコアダクト出口面積を変えLPT膨張比を変化させることにより、HPC回転数ほぼ一定でファン回転数を変化させファン入口軸流速度を増減して、インテーク背圧を制御し、超音速では推力分布が大きくなるインテークに、推力分布が小さくなるエンジンの作動をマッチングさせる、従来とは逆なインテークとエンジンのマッチング方法によって、内部抗力が大きなインテーク抽気を削減し、マッハ数や飛行条件でそれぞれが変化するインテークとエンジンの作動状態を一つのシステムとして統合、最適化して、システムの全体効率を向上させる超音速機推進システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009238709A JP2011069342A (ja) | 2009-09-24 | 2009-09-24 | 超音速機推進システム |
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JP (1) | JP2011069342A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111980802A (zh) * | 2019-05-23 | 2020-11-24 | 劳斯莱斯有限公司 | 气体涡轮引擎 |
-
2009
- 2009-09-24 JP JP2009238709A patent/JP2011069342A/ja active Pending
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CN111980802A (zh) * | 2019-05-23 | 2020-11-24 | 劳斯莱斯有限公司 | 气体涡轮引擎 |
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