JP2607051B2 - 航空機フレード・ガスタービンエンジン及び航空機フレード・ガスタービンエンジンを運転する方法 - Google Patents
航空機フレード・ガスタービンエンジン及び航空機フレード・ガスタービンエンジンを運転する方法Info
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Description
E)・ガスタービンエンジンに関し、特に、入口こぼれ
抗力を低減するフレード・ガスタービンエンジンの構成
及びその運転方法に関する。
ンの開発に向けて、多大の努力が払われてきた。これら
の形式のエンジンは、種々のスラスト設定、並びに亜音
速及び超音速の両方の飛行速度で効率よく動作可能であ
るという、特異な性質を有している。その高性能に寄与
する可変サイクルガスタービンエンジンの重要な特徴
は、スラストを変化させても、実質的に一定な入口空気
流を維持できることにある。この特徴は、全出力未満の
エンジン設定、即ち最大スラスト未満の状態、例えば亜
音速巡航中に、重要な性能上の利点につながる。スラス
トの減少時に入口空気流を維持することの効果は、入口
こぼれ抗力及び後部体閉止抗力(これらの抗力はどちら
も、航空機及びそのエンジンの総合効率、寸法、重量及
び性能に顕著な有害作用を有する)のような性能ペナル
ティを低減することである。
出願人に譲渡された米国特許番号第4068471号及
び同第4285194号に記載されたエンジンは、可変
面積バイパス・インジェクタ(VABI=Variable Are
a Bypass Injector )と称される弁システムを用いてフ
ァンバイパス流れの量を変化させることにより、スラス
トを変化させるにつれて、相対的に一定の空気流を達成
する。エンジンスラストを減少させるにつれて、VAB
Iはバイパス流れを増加させて、減少するコアエンジン
流れを相殺し、その結果、合計エンジン流れを相対的に
一定とし、こうして前述した性能上の利点が得られる。
しかしながら、これは、そのようにするのに極めて高価
な多段ファン空気を使用する。更に、これは、弁システ
ムを極めて高く加圧された空気が放出されるバイパスダ
クト内の流れ条件に適合する寸法としなければならない
ので、亜音速部分出力エンジン設定でのエンジン運転時
に空気を取り込む能力が幾分か限定されている。このフ
ァン空気は、コア流れとバイパス流れとに分割され、従
って、VABIのような種々のバイパス流れ制御機構に
よって制御される。このため今度は、こぼれを回避する
ためにバイパス空気を用いる程度が限定される。代表的
には、通常の可変サイクルエンジンは、所与のマッハ数
(特に亜音速レベル、例えば、マッハ数=0.8〜0.
9)に対して、本質的に一定な空気流を維持することが
できると共に燃料消費率を最小限にすることができるス
ラスト設定の範囲が限定されている。従って、亜音速部
分出力スラスト設定で入口空気流を、従来得られるもの
よりも、もっと効率よく且つもっと広い飛行包絡線図に
わたって維持することのできる航空機ガスタービンエン
ジンを構成すると共に運転することが望まれている。
ADEは、fan on bladeの頭字語である)と呼ばれる特
定の形式の可変サイクルエンジンは、外側ファンが半径
方向内側ファンによって駆動され、そのフレード空気
を、内側ファンを包囲している内側ファンダクトと概し
て共環状であると共にその内側ファンダクトを包囲して
いる外側ファンダクトに排出することにより特徴付けら
れる。このようなエンジンの一例が、トーマス等の米国
特許番号第4043121号「2スプール可変サイクル
エンジン」に開示されており、この場合、フレード・フ
ァンと、外側ファンダクトとが設けられており、フレー
ド外側ファンダクトを通過する空気量を制御することに
より、ダクト内の可変案内ベーンでサイクル可変性を制
御する。
件の範囲にわたってこぼれ抗力を回避するために、高度
及び飛行マッハ数等の所与の一組の亜音速飛行周囲条件
において、比較的広いスラスト範囲にわたって本質的に
一定の入口空気流を維持することができる、高性能の航
空機ガスタービンエンジン、特に可変サイクル型の航空
機ガスタービンエンジンを設ける必要性が依然として重
要である。このような能力は、亜音速部分出力エンジン
運転状態で特に必要とされる。
は、好ましくは可変サイクルの内側ガスタービンエンジ
ンを包囲しているフレード・ダクトと、フレード・ダク
ト内に配設されているフレード・ファンとを備えてい
る。フレード・ファンは、内側エンジンの第1のファン
ダクト内に配設された第1のファンの半径方向外側に配
設されていると共に、第1のファンに駆動連結されてい
る。第1のファンダクトの環状入口の寸法は、環状フレ
ード・ダクト入口を本質的に閉じた全出力状態において
エンジンの全質量空気流を本質的に受け取る寸法であ
る。エンジンは更に、所定の部分出力飛行状態でフレー
ド・ファンダクトの入口を全開すると共に、離陸のよう
な全出力飛行状態でフレード・ファンダクトの入口を本
質的に閉じるように設計されていると共に、そのように
動作する。
ド・ダクトと、第1のファンダクト流れ制御手段とが設
けられている。流れ制御手段は、第1のファンダクトを
閉じたときにフレード・ダクトを開き、第1のファンダ
クトを開いたときにフレード・ダクトを閉じるように動
作可能な可変ステータベーンを含んでいる。エンジンの
合計入口面積は、フレード・ダクト入口の環状面積と、
第1のファンダクト入口の環状面積との和であり、他の
特定の実施例では、フレード・ダクト入口面積は、第1
のファンダクト入口面積の30%〜40%の範囲の寸法
となっている。
に使用する。本発明は、フレード・ファンを内側エンジ
ン空気流の約5%で運転して、全フレード・エンジン入
口を通過する境界層流れの本質的にすべてを受け取り、
その受け取った境界層流れを他のバイパスに通すのでは
なく、フレード・ダクトに通す。境界層流れを他のバイ
パスに通すと、総合エンジン効率が低下するからであ
る。
・ダクトからの空気流を用いて、フレード・ダクトの端
部に位置しているフレード・ダクト排気ノズル等に有用
な仕事をする手段が設けられており、追加のスラストを
得て、これによりフレード・ファン及びダクトの追加の
コスト、並びに重量ペナルティを相殺せしめる。フレー
ド・ファン空気流は、エンジンの部品を冷却するために
も用いることができる。
を、以下に図面を参照しながら説明する。
フレード(FLADE)ファン2を有しているフレード
航空機ガスタービンエンジン1を示す。フレード・ファ
ン2は、第1の可変フレード・ベーン6の軸線方向前方
の列と第2の可変フレード・ベーン7の軸線方向後方の
列との間に配設された1列のフレード・ファンブレード
5を有しているものとして示してある。フレード・ファ
ン2は、フレード・ダクト3への環状フレード入口8の
下流に配設されている。フレード・ダクト3は好ましく
は、可変サイクルのターボファン内側エンジン10を概
して包囲している。内側エンジン10は、環状内側エン
ジン入口11と、概して軸線方向に延在している軸線又
は中心線12とを有しており、中心線12は、前方14
及び後方16に概して延在している。フレード入口8
と、内側エンジン入口11とは組み合わさって、フレー
ド・エンジン入口面積AIを有しているフレード・エン
ジン入口13を概して形成している。
復係数である。良好な入口は、低い抗力及び良好な流れ
安定性のみならず、エンジンと適合した空気取り扱い特
性を有していなければならない。空気流マッチング(適
合)特性の重要性は、図1の面積の考察から示すことが
できる。図1には、フレード・エンジン入口13の場
合、自由流流れ面積A0、及び全エンジン空気流が通過
するフレード・エンジン入口面積AIが示されている。
所与の一組の運転中の飛行条件について、空気流の必要
条件はフレード・エンジン1のポンピング特性によって
決定される。もしもAIが小さ過ぎて空気を取り扱うこ
とができないと、エンジンは不足量の空気を吸い込まな
ければならず(「サックイン」)、その結果、ラム回復
が減少する。もしもAIが大き過ぎると、フレード・エ
ンジン入口13は、エンジンが使用することができる量
以上の空気を供給し、その結果、過剰な抗力(こぼれ抗
力(spillage drag ))を生じる。これは、過剰な空気
をエンジンの周りにパイパスさせるか、又は過剰な空気
を押し戻して入口から「こぼす」かしなければならない
からである。空気が多過ぎても少な過ぎても、入口性能
に有害である。本発明は、フレード・ファン2と、フレ
ード・ダクト3とを設けて、こぼれを回避し、又、第1
の可変フレード・ベーン6と、所望により第2の可変フ
レード・ベーン7とを設けて、過剰な吸い込み及びこぼ
れを回避すると共に、その結果それぞれ生じるラム回復
の減少及びこぼれ抗力を回避する。
変フレード・ベーン6と、第2の可変フレード・ベーン
7とを閉じることにより、フレード・エンジン入口13
を本質的に閉じた全出力状態で、エンジンの全空気流1
5を本質的に受け入れる寸法である。エンジンは更に、
所定の部分出力飛行状態でフレード・ダクトの入口を全
開して、離陸等の全出力状態でフレード・ダクトの入口
を本質的に閉じるように設計されていると共に、そのよ
うに動作可能である。
イクル内側エンジン10を有しているものとして、その
動作及び本発明の動作を理解するのに十分な項目につい
て示す。尚、異なる形式の可変サイクルエンジン、並び
に非可変サイクルターボファン及びターボジェット内側
エンジンも本発明の目的に使用することができる。バイ
パスターボファン内側エンジン10は更に、コアエンジ
ン18(ガス発生機ともいう)を含んでいる。コアエン
ジン18は、すべて直列な軸流関係に設けられている高
圧圧縮機20と、燃焼器22と、1列のタービンロータ
ブレード24を有している高圧タービン23とを含んで
いる。内側エンジン10の中心線12の周りに同軸に配
設されている高圧シャフト26が、高圧圧縮機20と高
圧タービンブレード24とを固定的に相互連結してい
る。コアエンジン18は燃焼ガスを発生する作用を成し
ている。高圧圧縮機20からの加圧空気は、燃焼器22
で燃料と混合され、点火され、これにより、燃焼ガスが
発生する。高圧タービンブレード24によって燃焼ガス
からある量の仕事を抽出し、これにより、高圧圧縮機2
0を駆動する。燃焼ガスはコアエンジン18から、1列
のタービンロータブレード28を有している低圧又は低
出力タービンに排出される。
ン10の中心線12の周りに同軸に且つ高圧シャフト2
6内に配設されている低圧シャフト30に固定されてい
る。低圧シャフト30は軸線方向前方の第1のファンを
回転させる。この第1のファンは、概して半径方向外向
きに延在していると共に円周方向に離間しているファン
ロータブレード32の軸線方向前方の第1の列として図
示されている。高圧シャフト26は又、軸線方向後方の
第2のファンを回転させる。この第2のファンは、概し
て半径方向外向きに延在しているブレード先端38を有
している円周方向に離間した第2のファンロータブレー
ド36の軸線方向後方の列として図示されている。ファ
ンロータブレード36の軸線方向後方の列は、ファンロ
ータブレード32の軸線方向前方の列より軸線方向後方
に配設されている。円周方向に離間しているファンステ
ータベーン34(半径方向の一方の端又は両端で固定さ
れている)の列が、ファンロータブレード32の前方列
とファンロータブレード36の後方列との間に、且つフ
ァンロータブレード36の後方列に軸線方向に隣接して
配設されている。
てもよく、この場合、ファンロータブレード及び/若し
くはファンステータベーンの1つ以上の追加の列を、フ
ァンロータブレード32の前方列の軸線方向前方に、又
はファンロータブレード32の前方列とファンステータ
ベーン34の列との軸線方向中間に、若しくはその両方
に配設する。図面にはそのような追加の列として、ファ
ンロータブレード32の前方列に軸線方向に隣接して且
つその軸線方向後方に配設されているファンステータベ
ーン35の列のみが示されており、このステータベーン
35の列を設けることは任意であるが、設けた方が好ま
しい。ここで、「軸線方向に隣接」とは、言及した軸線
方向に隣接する要素(即ち、ファンロータブレード32
の前方列と、ファンステータベーン35の追加列と)の
間に他のロータブレード列及び/又はステータベーン列
が存在していないことを意味する。
ンロータブレード32の軸線方向前方第1の列によって
示されている第1のファンの半径方向外側に配設されて
おり、第1のファンに作動連結されていると共に、第1
のファンによって駆動される。第1の可変フレード・ベ
ーン6の軸線方向前方列と、第2の可変フレード・ベー
ン7の軸線方向後方列とを用いて、フレード入口8及び
フレード・ダクト3に進入するフレード空気流の量を制
御する。内側エンジン入口11及びフレード入口8を通
して取り込むことのできない入口空気流はすべて、組み
合わせられたフレード・エンジン入口13からこぼれ出
て、こぼれ抗力及び前部体抗力の原因となる。本発明
は、フレード入口環状区域8Aを設けることにより、こ
れら2つの追加の抗力成分を回避する。フレード入口環
状区域8Aの寸法は、フレード・ファン制御システム1
40を用いることにより、フレード入口8が内側エンジ
ン入口11からのこぼれ空気を本質的に全量受け入れる
のを許容する寸法である。フレード・ファン制御システ
ム140が構成しているフレード・ベーン制御手段は、
エンジン1の所定の部分出力スラスト設定時に、第1の
フレード・ベーン6を、そして所望に応じて第2の可変
フレード・ベーン7の後方列を開閉することにより、フ
レード・ダクト3の開閉を制御する。フレード・ファン
制御システム140は又、エンジンの所定の全出力スラ
スト設定時にベーンを本質的に閉じるために用いられて
いる。更に、フレード入口環状区域8Aの寸法は、内側
エンジン入口11の内側エンジン入口環状区域11Aの
数分の1であり、内側エンジン入口11からこぼれたこ
ぼれ空気の所定の最大量を受け入れるのに十分な寸法と
されている。尚、本発明では、フレード・ファンブレー
ド及び対応する可変フレード・ベーンの追加の列も考慮
されている。
2を有しており、第1の入口42は、ファンロータブレ
ード32の前方列とファンステータベーン34の列との
軸線方向中間に配設されている。随意に選択可能なファ
ンステータベーン35の追加列が存在している場合、第
1の入口42は、随意に選択可能なファンステータベー
ン35の追加列とファンステータベーン34の列との軸
線方向中間に配設されている。第1の入口42は、前方
可変面積バイパスインジェクタ(VABI=Variable A
rea Bypass Injector )ドア44を含んでいる。ファン
バイパスダクト40は、第2の入口46と、出口47と
を有している。第2の入口46は、軸線方向後方部分を
含んでおり、流れスプリッタ前縁48が、ファンロータ
ブレード36の後方列に軸線方向に隣接して且つその軸
線方向後方に配設されていると共に、ロータブレード先
端38より半径方向内方に配設されている。流れスプリ
ッタ前縁48とファンロータブレード36の後方列との
間には、他のロータブレード列及び/又はステータベー
ン列が存在していない。ファンバイパスダクト出口47
は、第2の入口46より軸線方向後方に配設されてお
り、後部可変面積バイパスインジェクタ(VABI)ド
ア49を含んでいる。
ンジン入口11との間で分割される。内側エンジン空気
流50は内側エンジン入口11を通過し、次いでファン
ブレード32の前方列を通過する。内側エンジン空気流
50の第1のバイパス空気部分52は、(前方VABI
ドア44が開いているときに、)ファンバイパスダクト
40の第1の入口42を通過し、一方、残りの空気部分
54はファンステータベーン34の列及びファンブレー
ド36の後方列を通過する。残りの空気部分54はこの
後、第2のバイパス空気部分56とコア空気部分60と
に分割される。第2のバイパス空気部分56は第2の入
口46を通過して、バイパスステータベーン58を通過
する。コア空気部分60は、高圧圧縮機20のステータ
ベーン62及びロータブレード64、燃焼器22、高圧
タービンブレード24の列、タービンステータベーン6
6の列、そして低圧タービンブレード28の列を通過す
る。コア空気部分60がエンジン排気部68に入ると、
中心体72とエンジン内側ケーシング74との間にコア
排出空気流70を形成する。第1のバイパス空気部分5
2と第2のバイパス空気部分56とを合わせたバイパス
空気78がエンジン排気部68に入ると、低圧タービン
ブレード28を過ぎた位置で、エンジン内側ケーシング
74とエンジン外側ケーシング82との間にバイパス排
出流80を形成する。好ましくは、ファンバイパスダク
ト40は、第2の入口46と出口47との軸線方向中間
に配設されている中間ミキサドア83を含んでいる。中
間ミキサドア83は、位置可変であり、第1の入口42
及び第2の入口46からの流量を中間ミキサドア83の
下流で、その位置に比例して変化させる。
半径方向内側部分の流れ面積を独立に変化させる手段が
設けられている。このような面積変化手段として、ファ
ンステータベーン34の少なくとも1つを、可変な半径
方向外側部分84と、それとは独立に可変な半径方向内
側部分86とを有しているものとすることが好ましい。
好ましくは、半径方向外側部分84は枢動可能な後縁フ
ラップ88を含んでおり、半径方向内側部分86はそれ
とは独立に枢動可能な後縁フラップ90を含んでいる。
体と内側部分全体とが独立に枢動可能である設計、内側
及び外側サイドフラップが、固定された主内側及び外側
部分から遠去かる向きに独立に枢動可能である設計、内
側及び外側サイドフラップが、固定された主内側及び外
側部分のすぐ近くに沿って独立に且つ概して軸線方向に
摺動可能である設計、並びに内側及び外側プラグが、円
周方向に隣接した内側部分と円周方向に隣接した外側部
分との間に概して半径方向に延在している設計等があ
る。
86とをそれぞれ独立に変化させる手段92が設けられ
ている。好ましくは、変化手段92は、フラップ88及
び90を独立に枢動する手段を含んでいる。非枢動式の
ファンステータベーン設計用のこの種の変化手段とし
て、他に、軸線方向に移動するユニゾン・リング、及び
ジェットエンジンにおける機械的クリアランス制御用の
公知の手段(即ち、円周方向に包囲しているシュラウド
セグメントが、ロータブレード先端の列に対して半径方
向に近付いたり離れたり機械的に移動して、熱膨張率及
び熱収縮率に差があっても、一定のクリアランスを維持
する手段)がある。非枢動式のファンステータベーン設
計用のこの種の変化手段として、更に、航空機において
翼フラップを伸ばしたり引っ込めたりする公知の手段等
もある。好ましくは、このような枢動手段は、外側シャ
フト96と、外側シャフト96の内部に同軸に配設され
ている内側シャフト94とを含んでいる。ユニゾン・リ
ング100によって付勢されるレバーアーム98により
内側シャフト94を回動させ、他のユニゾン・リング1
04によって付勢される他のレバーアーム102により
外側シャフト96を回動させ、内側シャフト94をファ
ンステータベーン34の内側部分86の枢動可能な後縁
フラップ90に取り付け、外側シャフト96をファンス
テータベーン34の外側部分84の枢動可能な後縁フラ
ップ88に取り付ける。尚、レバーアーム98及び10
2、並びにユニゾン・リング100及び104はすべ
て、ファンステータベーン34の半径方向外側に配設さ
れている。このような枢動手段として、他に、ジェット
エンジンにおいて高圧圧縮機の可変ステータベーンを枢
動する公知の手段等もある。
34は、流れスプリッタ前縁48と概して心合わせされ
た中間シュラウド106を含んでいる。中間シュラウド
106は、翼弦全体の中間シュラウドであることが好ま
しい。例示の実施例では又、ファンロータブレード36
は、流れスプリッタ前縁48と概して心合わせされた中
間シュラウド108を含んでいる。中間シュラウド10
8は、翼弦全体の中間シュラウドであることが好まし
い。
ーン34と記述したが、図2に例示した実施例では、そ
の列内のファンステータベーン34のすべてが、可変な
半径方向外側部分84と、それとは独立に可変な半径方
向内側部分86とを含んでいる。この場合、変化手段9
2は、半径方向外側部分84のすべてを1群として変化
させると共に、半径方向内側部分86のすべてを他の1
群として独立に変化させることが好ましい。
ータベーン110の列が、ファンバイパスダクト40の
第2の入口46の軸線方向後方に配設されている。HP
Tノズルベーン110の流れ面積を変化させる手段が設
けられている。このような手段として、HPTノズルベ
ーン110の少なくとも1つ(好ましくは、すべて)を
可変ベーン、特に枢動ベーンとすることが好ましく、付
勢レバー112でベーン110を回動させる。このよう
な手段の他の例は、ファンステータベーン34の流れ面
積を変化させる手段に関連して既に説明した。
4の列を1つのみ、低圧タービンロータブレード28の
列を1つのみ、そしてタービンステータベーン66の列
を1つのみ示したが、特定のエンジンの設計によって
は、タービンロータブレード及びステータベーンの追加
の列を設けることができる。本発明の好適な実施例で
は、図2に示すように、高圧タービンロータブレード2
4の軸線方向最後方列は、高圧タービンノズルステータ
ベーン110の列より軸線方向後方に配設されている。
低圧タービンロータブレード28の軸線方向最前方列
は、高圧タービンロータブレード24の後方列より軸線
方向後方に配設されている。低圧タービンノズルステー
タベーン66の列は、高圧タービンブレード24の後方
列と低圧タービンブレード28の前方列との軸線方向中
間に配設されている。低圧タービン(LPT)ノズルベ
ーン66の流れ面積を変化させる手段が設けられてい
る。このような手段として、LPTノズルベーン66の
少なくとも1つ(好ましくは、すべて)を可変ベーン、
特に枢動ベーンとすることが好ましく、付勢レバー11
4でベーン66を回動させる。このような手段の他の例
は、ファンステータベーン34の流れ面積を変化させる
手段に関連して既に説明した。HPTブレード24及び
LPTブレード28を同一の方向に回転させる場合、H
PTブレード24によって付与される旋回流を流れから
取り除くために、LPTノズルベーン66を設ける。L
PTノズルベーン66を可変にすると、可変HPTノズ
ルベーン110に関して前述したのと全く同様に、一層
効率のよいエンジンの運転が可能になる。当業者には明
らかなように、これらの特徴の組み合わせにより、部分
出力時の燃料消費率が向上する。
は、HPTブレード24及びLPTブレード28が互い
に反対方向に回転(二重反転)し、この場合には、LP
Tノズルステータベーン66の列を所望に応じて省略し
てもよい。これは、HPTブレード24からの旋回出口
流れが、反対方向に回転するLPTブレード28に関し
て適切な角度になっているからである。
10には、内側エンジンが減少した出力設定で動作して
いるときに利用されている内側エンジン効率を増加する
ためのタービン冷却空気変調システム、例えば、米国特
許番号第4296599号、及び同第4807433号
等に記載されているシステムを設けることができる。冷
却空気変調と可変圧力比コアファン先端とを組み合わせ
ると、HPT出口旋回(渦)流が変化する。二重反転H
PT及びLPT設計においてこの旋回流が変化すると、
その結果として、LPT流れ関数の上昇が空気力学的に
誘起され、これに伴ってHPT流れ関数が機械的に減少
する。この有益な結果のため、LPTに可変幾何形状を
与えなければならないという必要がなくなる。具体的に
は、図2に示すタービン冷却空気変調システムは、HP
Tダブル・インデューサ116と、LPTインデューサ
118とを含んでいる。各々のインデューサは、温度変
化又はエンジン制御命令に応答する弁を含んでおり、こ
れにより、圧縮機抽出空気120から取り出したタービ
ン冷却流れを調節する。タービン冷却空気変調を行っ
て、HPT及びLPTブレードの両方を冷却するために
用いられる圧縮機空気の量をスケジュール通り制御する
ことを可能にする。最大スラスト運転時には高レベルの
流れが必要であるが、部分出力運転時には、このサイク
ル性能を低下させる空気は数分の1しか必要でない。前
述したように、この変調装置としては、多重流れ冷却空
気インデューサ116及び118、又は変調を目的とし
て流れ制御弁を挿入した供給パイプがある。これらの変
調装置を、図示の内側エンジン位置、又はその他冷却空
気回路内のどこにでも配置することができる。
可変幾何形状のファン要素と、VABIドア及び中間ミ
キサドアとによって、バイパスダクト圧力レベルを、コ
ア過給圧力レベルとは独立に制御することができる。
又、可変幾何形状タービンシステムは、可変ファン圧力
比システムのサイクルバランスの要件と適合するよう
に、タービン温度の変動につれて、総合サイクル圧力比
を制御することを可能にする。可変幾何形状のファンの
ため更に、スラストを部分出力から全出力に増加させる
につれて、コアファン先端圧力を段階的に取り入れ(フ
ェーズ・インし)たり、又はスラストを全出力から部分
出力に減少させるにつれて、コアファン先端圧力を段階
的に取り除く(フェーズ・アウトする)ことが可能にな
る。高圧タービン流れ関数を機械的手段によって制御で
きることと、これに対応してLPT流れ関数に空気力学
的に誘引された変化とは、本発明の重要な要素である。
高圧及び低圧タービン流れ関数を調節することにより、
ファン圧力比を極めて高いレベル(コアファン先端圧力
の全上昇)から本質的に前部ファン圧力比(コアファン
先端フェーズ・アウト)にまで減少させる際に、総合圧
力を維持することができる。タービン温度の極めて大き
な変化が、コアファン先端のフェーズ・イン/フェーズ
・アウトを伴う。一組の可変幾何形状タービンがなけれ
ば、大きなコア速度変化が起こり、それに対応してサイ
クル圧力比が減少し、部分出力時の性能ポテンシャル
(潜在的な性能)が低下するおそれがある。このモード
の運転での潜在的な燃料消費率が向上するかどうかは、
総合ファン圧力比の最大レベル(5〜7+)及び前部フ
ァン設計圧力レベル(3〜4)に依存する。最大ファン
圧力比が5:1クラスにあるエンジンでは、5%〜10
%の向上が得られるはずである。最大ファン圧力レベル
が6〜7:1であるエンジンでは、部分出力時燃料消費
率の10%〜15%の向上が得られる。
ら、最高ロータ速度、全内側エンジンファン流れ及び中
間タービン温度が生じる中間スラストまで、内側エンジ
ン10は、本質的に通常の混合流ターボファンとして動
作する。前部VABIドア44を開き、コアファンステ
ータベーン34の外側部分84(即ち、外側部分84の
後縁フラップ88)を、60度〜80度の入口案内ベー
ン(IGV)設定に閉じる。HPTノズルステータベー
ン110を閉じて、圧縮機性能を最適にする。図2に示
すようにLPTノズルステータベーン66が設けられて
いる場合には、これらのベーン66を開放設定にセット
して、エンジン性能を最適にするために必要なHP−L
Pロータ速度関係を制御する。
接に関係したタービンロータの変動するHPT出口旋回
流及び反対回転流れの場により、最適なLPT流れ関数
の変化が空気力学的にもたらされる。中間ミキサドア8
3によって、外側バイパス流52と内側バイパス流56
との間のロスを最小にする一方、後部VABIドア49
を用いて、ダクト出口対コア排出圧力の所要比を保持す
る。エンジン排気部68は可変面積エンジン排気ノズル
122を含んでおり、可変面積エンジン排気ノズル12
2は、その面積を変化させて、最適な部分出力時エンジ
ン性能を得る。
してタービン温度を上昇させるにつれて、上述した設定
を変化させる。ここで、冷却空気変調装置の弁を開い
て、タービン冷却回路への流れを増加させる。HPTノ
ズルステータベーン110を開いて、HPTベーン流れ
面積を増加させ、適切なコア失速余裕を維持する。図2
に示すようにLPTノズルステータベーン66が設けら
れている場合には、ベーン66を閉じて、HP速度を維
持する。ベーンなし二重反転設計の場合、HPタービン
ロータブレード24からの増大した出口旋回流が、LP
Tに相応しい閉じた流れ関数レベルを空気力学的に生成
する。(スラストを最大レベルから低下させるときに
は、この過程は反対方向に進む。)出力を中間から最大
まで増加させるにつれて、コアファンステータベーン3
4の外側部分84(即ち、外側部分84の後縁フラップ
88)を60度レベル〜80度レベルから0(全開)レ
ベルまで開く。これにより、コアファン先端圧力比が増
加し、又、増加した燃料流れによって生成される増大し
たコアエネルギを効果的に用いて、混合排気ガスの総合
圧力レベルを大幅に増加させ、この結果、エンジンスラ
ストが20%〜30%増加する。前部VABIドア44
を、中間よりわずかに上の出力設定で閉じ、閉じたまま
にする(単一バイパス運転を規定する)。中間ミキサド
ア83の位置を一定に維持する。後部VABIドア49
を用いて、ダクトとコア排出との圧力関係を制御する。
総合ノズル圧力レベルが増加するにつれて、可変排気ノ
ズル122の面積を減少させる。
と同時に、第1の可変フレード・ベーン6及び第2の可
変フレード・ベーン7を開き、過剰なこぼれ及びこぼれ
抗力を回避する。これらのベーンは、部分出力亜音速巡
航状態で全開位置に達する。フレード・ファン制御シス
テム140は、一組の、スロットル設定等の内側エンジ
ン運転条件、及び高度、自由流れマッハ数等の飛行運転
条件の測定値及び計算値に応じて、フレード・ベーンを
所定の態様で作動させるように動作可能である。フレー
ド・ファン制御システム140は代表的には、本発明の
方法に従ってベーンを作動させるようにプログラムされ
たエンジン電子制御システムとすることができる。
う過剰な内側エンジン空気流は、一種の望ましくない空
気流であるが、本発明は、亜音速巡航エンジン空気流の
一部を内側エンジンの周りに、且つフレード・ファンダ
クト及びフレード・ノズル内にバイパスすることによ
り、このような空気流に対処すると共に、この空気流を
利用することができる。本発明が同様の態様で対処する
と共に利用することができる他の種類の過剰な空気は、
本発明によらなけらば超音速巡航状態で動作しているエ
ンジンの運転に否定的(ネガティブ)な影響を与えるで
あろう入口境界層空気である。本質的には、フレード・
ファンを開いて、第1の可変フレード・ベーン6及び所
望に応じて第2の可変フレード・ベーン7を調節するこ
とにより、内側エンジン空気流の約5%を受け入れる。
フレード・ファンダクト入口面積も、内側ファンダクト
入口面積の約5%の寸法とされている。これを、フレー
ド・ファン制御システム140によって行うことが好ま
しい。この実施例は、航空機の胴体内に装着されている
と共に隠されているエンジンにとって特に有用であり、
又、比較的長いダクトがエンジン入口に延びている場合
に特に有用である。このような場合には、望ましくない
境界層空気が著しく生成することになるが、本発明の方
法により、その境界層空気を実質的に防止することがで
きる。
好適な実施例を説明した。この説明は本発明のすべてを
尽くすものでも、発明を記載の通りの形態に限定するも
のでもなく、本発明の要旨から逸脱しない範囲内で、上
述した教示から種々の変更及び改変が可能である。
ービンエンジンを、その入口を一部断面にて示す側面図
である。
線図的断面図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 少なくとも1列の内側ファンブレードを
内側ファンダクトに設けた少なくとも1つの内側ファン
部を有している内側ガスタービンエンジンと、 該内側エンジンの周りに円周方向に設けられているフレ
ード・ファンダクトと、 該フレード・ダクトに設けられているフレード・ファン
であって、該フレード・ファンは、前記内側ファン部の
半径方向外側に設けられていると共に該内側ファン部に
駆動連結されている少なくとも1列のフレード・ファン
ブレードを有しており、前記内側ファンダクトは、内側
ファンダクト入口を有しており、前記フレード・ファン
ダクトは、フレード・ファンダクト入口を有している、
フレード・ファンと、 前記フレード・ファンダクトを流れる空気流を制御する
ように該フレード・ファンダクトに設けられているフレ
ード入口空気流変調手段であって、前記内側ファンダク
ト入口の寸法は、前記フレード・ファンダクト入口を本
質的に閉じた全出力状態で、前記エンジンの全質量空気
流を本質的に受け入れる寸法である、フレード入口空気
流変調手段と、 前記エンジンの部分出力飛行状態で前記フレード・ファ
ンダクト入口を全開すると共に前記エンジンの全出力飛
行状態で前記フレード・ファンダクト入口を本質的に閉
じるように、前記フレード入口空気流変調手段を制御す
るよう動作可能なエンジン入口空気流制御手段とを備え
た航空機フレード・ガスタービンエンジン。 - 【請求項2】 前記内側ファンダクト入口は、内側ファ
ンダクト入口面積を有しており、前記フレード・ファン
ダクト入口は、前記内側ファンダクト入口面積の約30
%〜40%の範囲にあるフレード・ファンダクト入口面
積を有している請求項1に記載の航空機フレード・ガス
タービンエンジン。 - 【請求項3】 前記部分出力飛行状態は、巡航状態であ
る請求項2に記載の航空機フレード・ガスタービンエン
ジン。 - 【請求項4】 前記フレード入口空気流変調手段は、前
記フレード・ファンの前方に設けられている可変角度フ
レード・ベーンの列を含んでいる請求項2に記載の航空
機フレード・ガスタービンエンジン。 - 【請求項5】 前記内側ガスタービンエンジンは、可変
サイクルエンジンである請求項4に記載の航空機フレー
ド・ガスタービンエンジン。 - 【請求項6】 (a) 少なくとも1列の内側ファンブ
レードを内側ファンダクトに設けた少なくとも1つの内
側ファン部を有している内側ガスタービンエンジンと、 該内側エンジンの周りに円周方向に設けられているフレ
ード・ファンダクトと、 該フレード・ダクトに設けられているフレード・ファン
であって、該フレード・ファンは、前記内側ファン部の
半径方向外側に設けられていると共に該内側ファン部に
駆動連結されている少なくとも1列のフレード・ファン
ブレードを有しており、前記内側ファンダクトは、内側
ファンダクト入口を有しており、前記フレード・ファン
ダクトは、フレード・ファンダクト入口を有している、
フレード・ファンと、 前記フレード・ファンダクトを流れる空気流を制御する
ように該フレード・ファンダクトに設けられているフレ
ード入口空気流変調手段であって、前記内側ファンダク
ト入口の寸法は、前記フレード・ファンダクト入口を本
質的に閉じた全出力状態で、前記エンジンの全質量空気
流を本質的に受け入れる寸法である、フレード入口空気
流変調手段とを備えている航空機フレード・ガスタービ
ンエンジンを設ける工程と、 (b) 前記フレード・エンジンを離陸時に前記フレー
ド入口空気流変調手段を本質的に全閉して運転する工程
とを備えた航空機フレード・ガスタービンエンジンを運
転する方法。 - 【請求項7】 (c) 部分出力飛行状態において前記
フレード入口空気流変調手段を全開した状態で前記フレ
ード・エンジンを運転する工程を更に含んでいる請求項
6に記載の方法。 - 【請求項8】 少なくとも1列の内側ファンブレードを
内側ファンダクトに設けた少なくとも1つの内側ファン
部を有している内側ガスタービンエンジンと、 該内側エンジンの周りに円周方向に設けられているフレ
ード・ファンダクトと、 該フレード・ダクトに設けられているフレード・ファン
であって、該フレード・ファンは、前記内側ファン部の
半径方向外側に設けられていると共に該内側ファン部に
駆動連結されている少なくとも1列のフレード・ファン
ブレードを有しており、前記内側ファンダクトは、内側
ファンダクト入口を有しており、前記フレード・ファン
ダクトは、フレード・ファンダクト入口を有している、
フレード・ファンと、 前記フレード・ファンダクトを流れる空気流を制御する
ように該フレード・ファンダクトに設けられているフレ
ード入口空気流変調手段と、 前記内側ファンダクト入口と、前記フレード・ファンダ
クト入口とを含んでいるフレード・ガスタービンエンジ
ン入口であって、前記フレード・ファンダクト入口の寸
法は、超音速飛行状態の間に前記フレード・ガスタービ
ンエンジン入口の本質的に境界層空気のみを受け入れる
のに十分な大きさである、フレード・ガスタービンエン
ジン入口と、 前記エンジンの超音速巡航飛行状態で前記フレード・フ
ァンダクト入口を全開するように、前記フレード入口空
気流変調手段を制御するよう動作可能なエンジン入口空
気流制御手段とを備えた超音速航空機フレード・ガスタ
ービンエンジン。 - 【請求項9】 前記内側ファンダクト入口は、内側ファ
ンダクト入口面積を有しており、前記フレード・ファン
ダクト入口は、前記内側ファンダクト入口面積の約5%
であるフレード・ファンダクト入口面積を有している請
求項8に記載の航空機フレード・ガスタービンエンジ
ン。
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